JP4389132B2 - 感光性エレメント、これを用いたレジストパターンの製造法及びプリント配線板の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性エレメント、これを用いたレジストパターンの製造法及びプリント配線板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板の製造、金属の精密加工等の分野において、エッチング、めっき等に用いられるレジスト材料としては、感光性樹脂組成物及び感光性エレメントが広く用いられている。
感光性エレメントは、通常光透過性の支持フィルム、感光性樹脂組成物層、保護フィルムの3層から成り、使用方法としては、まず保護フィルムをはく離した後、感光性樹脂層が直接触れるよう圧着(ラミネート)し、光透過性フィルム上にパターニングされたネガフィルムを密着し、活性光線(紫外線を用いることが多い)を照射(露光)し、次いで有機溶剤又はアルカリ水溶液を噴霧し不要部分を除去することでレジストパターンを形成(現像)する方法が一般的である。特に、環境問題などの面から、現像液としてはアルカリ水溶液を用いるものが求められている。
【0003】
近年、電子機器の小型、軽量化が推進されており、プリント配線板も回路の微細化が求められており、レジストパターンも細線化され、感光性エレメントの高解像度化が求められている。しかし、従来の3層構造から成る感光性エレメントでは要求を満足できなくなっている。即ち、光透過性支持体フィルムを介して露光するため高解像度化にはそのフィルム厚みをなるべく薄くする必要があるが、一方感光性樹脂組成物を塗布する際の支持体としての役目をはたすにはある程度の自己保持性が要求され、一般に15〜25μm程度の厚みが必要となり、従来グレードの光透過性支持体フィルムを用いたのでは高解像度化の要求にこたえることができないのが現状である。
【0004】
これらの要求に対して、高解像度化を達成するため様々な試みがなされている。例えば、露光前に支持フィルムをはがし、感光性樹脂組成物層の上に直接ネガフィルムを密着させる方法である。通常、感光性樹脂組成物層は、基材に密着するようある程度粘着性を保持しており、この方法を直接適用すると、ネガフィルムと感光性樹脂組成物層が密着してしまい、ネガフィルムをはがしにくく作業性が低下したり、ネガフィルムを感光性樹脂が汚染したり、空気阻害のため感度が低下したりする等の問題があった。
【0005】
そこでこの方法を改良する試みとして、感光性樹脂組成物層を2層以上とし、ネガフィルムと直接接触する層を非粘着性層とすることが行われている(特開昭61−31855号公報、特開平1−221735号公報、特開平2−230149号公報等)。しかし、この方法は感光性樹脂組成物層を多層化するため塗工に手間がかかるうえ、感度低下に対しては効果のないものであった。
【0006】
また別の方法として、感光性樹脂組成物上に中間層を設けこれらの欠点を解決しようとする試みが、特公昭56−40824号公報、特開昭55−501072号公報、特公昭54−12215号公報、特開昭47−469号公報、特開昭59−97138号公報、特開昭59−216141号公報、特開昭63−197942号公報等に示されている。しかし、これらはいずれも支持体フィルムと感光性樹脂組成物層との間に中間層を設けなければなれず、塗工が2度手間になり、また薄い中間層については取り扱いが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1及び2記載の発明は、レジストパターンの側面ギザ性、解像度、密着性、レジストパターンの平坦性及び耐薬品性が極めて優れ、マウスバイトの数が少ない感光性エレメントを提供するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の効果を奏し、さらにレジストパターンの側面ギザ性が極めて優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の発明の効果を奏し、さらに解像度が極めて優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求項5、6及び7記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の発明の効果に加えて、さらにラミネート時の感光性エレメントの寸法変化性が極めて優れる感光性エレメントを提供するものである。
【0008】
請求項8記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の発明の効果に加えて、さらに剥離特性及び密着性が極めて優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求項9記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の発明の効果に加えて、さらにレジスト硬化後の膜強度が極めて優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求項10記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の発明の効果に加えて、さらにアルカリ現像性及び剥離性が極めて優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求項11記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の発明の効果に加えて、さらに保管時のコールドフロー性が極めて優れる感光性エレメントを提供するものである。
【0009】
請求項12記載の発明は、レジストパターンの側面ギザ性、解像度、密着性及び耐薬品性が極めて優れ、マウスバイトの数が少ないレジストパターンの製造法を提供するものである。
請求項13記載の発明は、配線パターンの側面ギザ性、解像度及び密着性が極めて優れ、マウスバイトの数が少ないプリント配線板の製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に、微粒子を含有する樹脂層を積層した支持フィルムの前記樹脂層を形成した反対の面に感光性樹脂組成物の層を塗布、乾燥してなる感光性エレメントにおいて、前記感光性樹脂組成物が、
(A)スチレン又はスチレン誘導体を必須の共重合成分として含むバインダーポリマー、
(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び
(C)光重合開始剤
を含有してなる感光性エレメントに関する。
【0011】
また、本発明は、微粒子の平均粒径が0.01〜5.0μmである前記感光性エレメントに関する。
また、本発明は、微粒子を含有する樹脂層の厚みが0.01〜5.0μmである前記感光性エレメントに関する。
また、本発明は、支持フィルムのヘーズが0.01〜5.0%である前記感光性エレメントに関する。
また、本発明は、支持フィルムの長手方向の105℃、30分間における熱収縮率が0.30〜0.60%である前記感光性エレメントに関する。
【0012】
また、本発明は、支持フィルムの長手方向の150℃、30分間における熱収縮率が1.00〜1.90%である前記感光性エレメントに関する。
また、本発明は、支持フィルムの長手方向の200℃、30分間における熱収縮率が3.00〜6.50%である前記感光性エレメントに関する。
また、本発明は、(A)バインダーポリマーがスチレン又はスチレン誘導体を全共重合成分に対して、0.1〜30重量%含有する前記感光性エレメントに関する。
また、本発明は、(A)バインダーポリマーの重量平均分子量が20,000〜300,000である前記感光性エレメントに関する。
また、本発明は、(A)バインダーポリマーの酸価が50〜300mgKOH/gである前記感光性エレメントに関する。
【0013】
また、本発明は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量が、
(A)成分が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、40〜80重量部、
(B)成分が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜60重量部、
(C)成分が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.01〜20重量部である前記感光性エレメントに関する。
【0014】
また、本発明は、前記感光性エレメントを、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物の層が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法に関する。
また、本発明は、前記レジストパターンの製造法により、レジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明における(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味する。
【0016】
本発明における支持フィルムは、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に、微粒子を含有する樹脂層を積層してなる。
上記微粒子の平均粒径は0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.02〜4.0μmであることがより好ましく、0.03〜3.0μmであることが特に好ましい。この平均粒径が0.01μm未満では作業性に劣る傾向があり、5.0μmを超えると解像度及び感度の低下を生じる傾向がある。
上記微粒子の配合量は、例えば、樹脂層を構成するベース樹脂、微粒子の種類及び平均粒径、所望の物性等に応じて好ましい配合量が異なる。
【0017】
上記微粒子としては、例えば、シリカ、カオリン、タルク、アルミナ、リン酸カルシウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子などを挙げることができ、透明性の見地からはシリカの粒子が好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記微粒子を含有する樹脂層を構成するベース樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、これらの混合物、これらの共重合物等が挙げられる。
【0018】
前記樹脂層の厚みは、0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.05〜3.0μmであることがより好ましく、0.1〜2.0μmであることが特に好ましく、0.1〜1.0μmであることが極めて好ましい。この厚みが0.01μm未満では本発明の効果が得られない傾向があり、5.0μmを超えるとポリエステルフィルムの透明性が劣り、感度及び解像度が劣る傾向がある。
【0019】
前記二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に、前記樹脂層を積層する方法としては、特に制限はなく、例えば、コーティング等が挙げられる。
前記二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ジカルボン酸類とジオール類とを構成成分とする芳香族線状ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸類とジオール類とを構成成分とする脂肪族線状ポリエステル、これらの共重合体等のポリエステルなどから主としてなるポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0020】
前記樹脂層が積層される二軸配向ポリエステルフィルムには、微粒子が含有されていてもよく、上記微粒子としては、例えば、前記樹脂層に含有される微粒子と同様のものなどが挙げられる。その含有量は0〜80ppmであることが好ましく、0〜60ppmであることがより好ましく、0〜40ppmであることが特に好ましい。この含有量が80ppmを超えるとポリエステルフィルム全体の透明性が低下し、解像度及び感度の低下を生じる傾向がある。
【0021】
前記二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、特に限定されず、例えば、二軸延伸方法等を用いることができる。また、未延伸フィルム又は一軸延伸フィルムの一方の面に、前記樹脂層を形成後、更に延伸して支持フィルムとしてもよい。
【0022】
前記二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましく、10〜30μmであることが極めて好ましい。この厚みが1μm未満では、製造容易性及び入手容易性に劣る傾向があり、100μmを超えると廉価性に劣る傾向がある。
【0023】
前記支持フィルムのヘーズは、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることが特に好ましく、0.01〜1.0%であることが極めて好ましい。このヘーズが0.01%未満では製造容易性が劣る傾向があり、5.0%を超えると感度及び解像度が悪化する傾向がある。なお、本発明におけるヘーズはJIS K 7105に準拠して測定したものであり、例えば、NDH−1001DP(日本電色工業(株)製、商品名)等の市販の濁度計などで測定が可能である。
【0024】
前記支持フィルムの長手方向の105℃、30分間における熱収縮率は0.30〜0.60%であることが好ましく、0.35〜0.55%であることがより好ましく、0.40〜0.50%であることが特に好ましい。この熱収縮率が0.30%未満ではポリエステルフィルムがもろくなる傾向があり、0.60%を超えるとラミネート時に感光性エレメントの寸法変化が生じる傾向がある。
【0025】
前記支持フィルムの長手方向の150℃、30分間における熱収縮率は1.00〜1.90%であることが好ましく、1.10〜1.70%であることがより好ましく、1.20〜1.60%であることが特に好ましい。この熱収縮率が1.00%未満ではポリエステルフィルムがもろくなる傾向があり、1.90%を超えるとラミネート時に感光性エレメントの寸法変化が生じる傾向がある。
【0026】
前記支持フィルムの長手方向の200℃、30分間における熱収縮率は3.00〜6.50%であることが好ましく、3.30〜5.00%であることがより好ましく、3.60〜4.70%であることが特に好ましい。この熱収縮率が3.00%未満ではポリエステルフィルムがもろくなる傾向があり、6.50%を超えるとラミネート時に感光性エレメントの寸法変化が生じる傾向がある。
【0027】
なお、本発明における熱収縮率は、幅20mm、長さ150mmの試験片をフィルム長手方向及び幅方向から各々5枚採り、それぞれの中央部に約100mmの距離をおいて標点を付け、上記温度±3℃に保持された熱風循環式恒温槽に試験片を垂直につるし、30分間加熱した後取り出し、室温に30分間放置してから標点間距離を測定して、下記式(1)によって算出し、その平均を求めることによって測定できる。
【0028】
【数1】
【0029】
入手可能な前記支持フィルムとしては、例えば、東洋紡績(株)製のA2100−16、A4100−25等が挙げられる。
【0030】
上記支持フィルムの厚みは、1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましく、10〜30μmであることが極めて好ましい。この厚みが1μm未満では、機械的強度が低下し、塗工時に重合体フィルムが破れるなどの問題が発生する傾向があり、100μmを超えると解像度が低下し、価格が高くなる傾向がある。
【0031】
本発明の感光性エレメントは、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に、微粒子を含有する樹脂層を積層したポリエステルフィルムを支持フィルムとして、上記樹脂層を形成した反対の面に感光性樹脂組成物の層を塗布、乾燥して得ることができる。上記塗布は、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、80〜150℃、5〜30分程度で行うことができる。
【0032】
このようにして得られる感光性樹脂組成物層と支持フィルムとの2層からなる本発明の感光性エレメントは、例えば、そのまま又は感光性樹脂組成物層の他の面に保護フィルムをさらに積層してロール状に巻きとって貯蔵される。上記保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不活性なポリオレフィンフィルム等が挙げられるが、感光性樹脂組成物層からの剥離性の見地から、ポリエチレンフィルムが好ましい。
【0033】
本発明における(A)スチレン又はスチレン誘導体を必須の共重合成分として含むバインダーポリマーは、スチレン誘導体又はスチレンを共重合成分として、密着性及び剥離特性を共に良好にするには、0.1〜30重量%含むことが好ましく、1〜28重量%含むことがより好ましく、1.5〜27重量%含むことが特に好ましい。この含有量が0.1重量%未満では、密着性が劣る傾向があり、30重量%を超えると、剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
【0034】
上記スチレン誘導体としては、例えば、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン等が挙げられ、また、これらのスチレン誘導体は、ベンゼン環がニトロ基、ニトリル基、アルコキシル基、アシル基、スルホン基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子等の官能基で置換されていてもよく、メチル基、tert−ブチル基等の単一アルキル基で置換されていることが好ましい。密着性の見地からは、スチレン又はp−メチルスチレンが好ましい。これらのスチレン又はスチレン誘導体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0035】
また、本発明における(A)バインダーポリマーに含まれる共重合体は、スチレン若しくはスチレン誘導体と共重合可能なカルボキシル基含有モノマー又はスチレン又はスチレン誘導体以外のビニルモノマーを含むことが好ましい。
【0036】
上記カルボキシル基含有バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル酸、α−ブロモアクリル酸、α−クロルアクリル酸、β−フリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸等のアクリル酸誘導体、メタクリル酸、α−ブロモメタクリル酸、α−クロルメタクリル酸、β−フリルメタクリル酸、β−スチリルメタクリル酸等のメタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらのカルボキシル基含有モノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0037】
また、スチレン又はスチレン誘導体以外のビニルモノマーとしては、例えば、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレートアクリルアミド、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレートアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
【0038】
上記アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、一般式(I)
【化1】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜12のアルキル基を示す)
で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
上記一般式(I)中のR2で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
【0039】
上記一般式(I)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。
また、これらのスチレン又はスチレン誘導体以外のビニルモノマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
これらのバインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0040】
また、本発明における(A)バインダーポリマーは、塗膜性及び解像度の見地から、重量平均分子量が20,000〜300,000であることが好ましく、25,000〜200,000であることがより好ましく、30,000〜150,000であることが特に好ましい。この重量平均分子量が20,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
【0041】
また、本発明における(A)バインダーポリマーの酸価は50〜300mgKOH/gであることが好ましく、60〜250mgKOH/gであることがより好ましく、70〜200mgKOH/gであることが特に好ましい。この酸価が50mgKOH/g未満では、現像時間が遅くなる傾向があり、300mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
【0042】
本発明における(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられるが、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物又はウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物を必須成分とすることが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0043】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0044】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が拳げられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
【0045】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が拳げられる。
【0046】
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。上記EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名UA−11等が挙げられる。また、上記EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名UA−13等が挙げられる。
【0047】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0048】
本発明における(C)成分の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。
【0049】
また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。
また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。
これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0050】
本発明における(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、50〜70重量部とすることが好ましく、55〜65重量部とすることがより好ましい。この配合量が、40重量部未満では感光性エレメントとして用いた場合、塗膜性に劣る傾向があり、80重量部を超えると、光硬化性が不充分となる傾向がある。
【0051】
本発明における(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、30〜50重量部とすることが好ましく、35〜45重量部とすることがより好ましい。この配合量が、20重量部未満では光硬化性が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると塗膜性が悪化する傾向がある。
【0052】
本発明における(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.01〜20重量部とすることが好ましく、0.05〜10重量部とすることがより好ましく、0.1〜5重量部とすることが特に好ましい。この配合量が0.01重量部未満では感度が不十分となる傾向があり、20重量部を超えると解像度が悪化する傾向がある。
【0053】
また、本発明における感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホン酸アミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0054】
本発明における感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N−ジメチルホルムアミド等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することができる。
【0055】
また、感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜200μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm未満では工業的に塗工困難な傾向があり、200μmを超えるとレジスト底部の光硬化性が悪化する傾向がある。
【0056】
上記感光性エレメントを用いてレジストパターンを製造するに際しては、前記保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を加熱しながら回路形成用基板に圧着することにより積層する方法などが挙げられ、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。積層される表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。感光性樹脂組成物層の加熱温度は70〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1MPa(1〜10kgf/cm2)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂組成物層を前記のように70〜130℃に加熱すれば、予め回路形成用基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行うこともできる。
【0057】
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物層は、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する重合体フィルムが透明の場合には、そのまま、活性光線を照射してもよく、また、不透明の場合には、当然除去する必要がある。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
【0058】
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、ウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを製造する。
ウエット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
【0059】
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。
上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。
また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
【0060】
上記水系現像液としては、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる。ここでアルカリ物質としては、前記物質以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2ーアミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1、3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。
現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
【0061】
上記有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。
また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
【0062】
単独で用いる有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20重量%の範囲で水を添加することが好ましい。また、必要に応じて2種以上の現像方法を併用してもよい。
現像の方式には、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
【0063】
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
【0064】
現像後に行われる金属面のエッチングには塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液を用いることができるが、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが望ましい。
【0065】
本発明の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。
上記めっき法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどがある。
次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。
この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。
剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレイ方式等が挙げられ、浸漬方式及びスプレイ方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよい。
【0066】
【実施例】
次に、実施例により本発明を説明する。
【0067】
実施例1、実施例2及び比較例1〜3
表1に示す配合量で(A)成分を合成し、溶液を調整し、それに(B)成分、(C)成分、その他成分及び溶剤を混合して感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0068】
【表1】
【0069】
得られた感光性樹脂組成物の溶液を表3に示す支持フィルム(A2100−16及びA4100−25(微粒子を含有する樹脂層を有する):東洋紡績(株)製、G2−16、G2−19及びV−20(微粒子を含有する樹脂層を有さない):帝人(株)製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は20μmであった。
【0070】
表2に示す支持フィルムのヘーズをJIS K 7105に準拠し、ヘーズメーター(東京電色(株)製TC−H3DP)を用い測定した。
【0071】
また、幅20mm、長さ150mmの試験片を支持フィルム長手方向から5枚採り、それぞれの中央部に100mmの距離をおいて標点を付け、105±3℃、150±3℃及び200±3℃に保持された熱風循環式恒温槽に試験片を垂直につるし、30分間加熱した後取り出し、室温に30分間放置してから標点間距離を測定して、前記式(1)によって算出し、その平均を求めた。
【0072】
次に、銅箔(厚み35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E−61)の銅表面を#600相当のブラシを持つ研磨機(山啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張積層板を80℃に加温し、その銅表面上に前記感光性樹脂組成物層を120℃、0.4MPa(4kgf/cm2)でラミネートした。
【0073】
その後、3KW超高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製)HMW−201Bを用い、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを有するフォトツールと、密着性評価用ネガとして、ライン幅/スペース幅が30/400〜250/400(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを用いて、現像後の残存ステップ段数が8.0となるエネルギー量で露光した。次いで、支持フィルムを除去し、30℃で1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレーすることにより現像した。ここで密着性は、現像後に密着していた細線のライン幅の最も小さい値により評価した。密着性の評価は、数値が小さいほど良好な値である。
【0074】
その後、5μmのくし形パターンを用い、上記密着性の評価と同様にレジストパターンを得て、残存したレジストパターンから解像度(μm)を求めた。解像度の評価は、数値が小さいほど良好な値である。
【0075】
次に、上記エネルギー量でライン幅/スペース幅が50μm/50μmで露光し、20秒間の現像を行い、得たレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、レジストパターンの側面ギザ性を調べた。レジストパターンの側面ギザとは、レジストパターンの形状がストレートではなく、ギザ付があって好ましくない状態をいい、レジストパターンの側面ギザの凹凸は、浅い方が好ましい。
深い:レジストパターンの側面ギザの凹凸が2μmを超える場合
浅い:レジストパターンの側面ギザの凹凸が2μm以下の場合
結果をまとめて表2に示した。
また、耐薬品性についても、実施例1及び実施例2は、比較例1〜3よりも優れていた。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】
請求項1及び2記載の感光性エレメントは、レジストパターンの側面ギザ性、解像度、密着性、レジストパターンの平坦性及び耐薬品性が極めて優れ、マウスバイトの数が少ない。
請求項3記載の感光性エレメントは、請求項1又は2記載の発明の効果を奏し、さらにレジストパターンの側面ギザ性が極めて優れる。
請求項4記載の感光性エレメントは、請求項1、2又は3記載の発明の効果を奏し、さらに解像度が極めて優れる。
請求項5、6及び7記載の感光性エレメントは、請求項1、2、3又は4記載の発明の効果に加えて、さらにラミネート時の感光性エレメントの寸法変化性が極めて優れる。
【0078】
請求項8記載の感光性エレメントは、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の発明の効果に加えて、さらに剥離特性及び密着性が極めて優れる。
請求項9記載の感光性エレメントは、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の発明の効果に加えて、さらにレジスト硬化後の膜強度が極めて優れる。
請求項10記載の感光性エレメントは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の発明の効果に加えて、さらにアルカリ現像性及び剥離性が極めて優れる。
請求項11記載の感光性エレメントは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の発明の効果に加えて、さらに保管時のコールドフロー性が極めて優れる。
【0079】
請求項12記載のレジストパターンの製造法は、レジストパターンの側面ギザ性、解像度、密着性及び耐薬品性が極めて優れ、マウスバイトの数が少ない。
請求項13記載のプリント配線板の製造法は、配線パターンの側面ギザ性、解像度及び密着性が極めて優れ、マウスバイトの数が少ない。
Claims (13)
- 二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に、微粒子を含有する樹脂層を積層した支持フィルムの前記樹脂層を形成した反対の面に感光性樹脂組成物の層を塗布、乾燥してなる感光性エレメントにおいて、前記感光性樹脂組成物が、
(A)スチレン又はスチレン誘導体を必須の共重合成分として含むバインダーポリマー、
(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び
(C)光重合開始剤
を含有してなる感光性エレメント。 - 微粒子の平均粒径が0.01〜5.0μmである請求項1記載の感光性エレメント。
- 微粒子を含有する樹脂層の厚みが0.05〜5.0μmである請求項1又は2記載の感光性エレメント。
- 支持フィルムのヘーズが0.01〜5.0%である請求項1、2又は3記載の感光性エレメント。
- 支持フィルムの長手方向の105℃、30分間における熱収縮率が0.30〜0.60%である請求項1、2、3又は4記載の感光性エレメント。
- 支持フィルムの長手方向の150℃、30分間における熱収縮率が1.00〜1.90%である請求項1、2、3、4又は5記載の感光性エレメント。
- 支持フィルムの長手方向の200℃、30分間における熱収縮率が3.00〜6.50%である請求項1、2、3、4、5又は6記載の感光性エレメント。
- (A)バインダーポリマーがスチレン又はスチレン誘導体を全共重合成分に対して、0.1〜30重量%含有する請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の感光性エレメント。
- (A)バインダーポリマーの重量平均分子量が20,000〜300,000である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の感光性エレメント。
- (A)バインダーポリマーの酸価が50〜300mgKOH/gである請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の感光性エレメント。
- (A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量が、
(A)成分が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、40〜80重量部、
(B)成分が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜60重量部、
(C)成分が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.01〜20重量部である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の感光性エレメント。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の感光性エレメントを、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物の層が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法。
- 請求項12記載のレジストパターンの製造法により、レジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法。
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