JP2009116078A - 感光性転写材料及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】仮支持体と、前記仮支持体上に形成された感光性樹脂層と、ヘイズ度の最大値が3.0%以下であり、前記感光性樹脂層を覆うカバーフィルムと、を少なくとも有する感光性転写材料である。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は、転写された感光性樹脂層を現像した際、白抜けの発生を抑制できる感光性転写材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、白抜けの発生が抑制されたカラーフィルタ及びその製造方法、表示の見栄えが良好な表示装置を提供することを目的とする。
即ち、前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<2> カラーフィルタの製造に用いられることを特徴とする<1>に記載の感光性転写材料である。
<4> 前記感光性樹脂層の総厚みが2μm以上25μm以下であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性転写材料である。
<5> 前記感光性樹脂層の総厚みと、前記仮支持体の厚みと、の比〔感光性樹脂層の総厚み/仮支持体の厚み〕が、0.10以上0.22以下であることを特徴とする<4>に記載の感光性転写材料である。
また、本発明によれば、白抜けの発生が抑制されたカラーフィルタ及びその製造方法、表示の見栄えが良好な表示装置を提供することができる。
<感光性転写材料>
本発明の感光性転写材料は、仮支持体と、前記仮支持体上に設けられた感光性樹脂層と、ヘイズ度の最大値が3.0%以下のカバーフィルムであって前記感光性樹脂層を覆うカバーフィルムと、を少なくとも有して構成される。
ヘイズ度の最大値が3.0%を超えるカバーフィルムを有する感光性転写材料の感光性樹脂層を基板上に転写し、現像すると、白抜けが急激に増加する。
この原因は定かではないが、ヘイズ度の最大値が3.0%を超えるカバーフィルムは表面の凹凸が大きく、該カバーフィルムで覆われた感光性樹脂層の表面凹凸が大きくなることが原因の一つとして考えられる。そして、前記感光性樹脂層を基板にラミネートすると、基板と該感光性樹脂層との間にボイド等が発生し、該感光性樹脂層を現像した際、白抜けが発生するものと推定される。
本発明における「ヘイズ度」は、JIS K7136:2000に準拠し、光学式ヘイズメーター(「HGM−2DP」,スガ試験機(株)製)を用いて測定された値を指す。
本発明において「ヘイズ度の最大値」とは、長手方向を2等分する直線と幅方向を11等分する直線との交点に位置する10点の測定点について測定されたヘイズ度の最大値を指す。
本発明の感光性転写材料は仮支持体を有する。
前記仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが好ましい。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みには特に限定はないが、5〜300μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。
本発明の感光性転写材料は、熱可塑性樹脂層を少なくとも1層有していてもよい。該熱可塑性樹脂層は、仮支持体と感光性樹脂層との間に設けられることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。
本発明の感光性転写材料は、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を少なくとも1層有していてもよい。該中間層は、仮支持体と感光性樹脂層との間(前記熱可塑性樹脂層を有する場合には、該熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間)に設けられることが好ましい。
該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
本発明の感光性転写材料は感光性樹脂層を少なくとも1層有する。
前記感光性樹脂層がブラックマトリクスなどの遮光部の形成に供される場合は、特開2005−3861号公報の感光性黒色樹脂層や、特開2004−240039号公報の着色組成物からなる層と同様にして、感光性樹脂層を形成することができる。RGBなどの着色画素の形成に供される場合は、特開2006−23696号公報や、特開2006−276818号公報の着色感光性樹脂組成物からなる層と同様にして、感光性樹脂層を形成することができ、スペーサなどの構造物を形成する場合は、特開2006−276496号公報や、特開2006−64921号公報の感光性樹脂組成物からなる層と同様にして、感光性樹脂層を形成することができる。
本発明の感光性転写材料には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために感光性樹脂層を覆うようにして、カバーフィルムが設けられる。カバーフィルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。カバーフィルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
カバーフィルムのヘイズ度の最大値を3.0以下に調整する具体的な方法としては、下記(1)及び/又は(2)に示す方法が挙げられる。
(1)ポリマーを溶融した状態からフィルム化する際の条件を、急冷、低延伸とすることによりヘイズ度を調整する。
(2)ポリマーを溶融した状態からフィルム化した後、所定の厚みに延伸する際、加熱温度、延伸度をコントロールすることによりヘイズ度を調整する。
前記感光性転写材料は、例えば特開2005−3861号公報の段落[0064]〜[0066]に記載の工程によって製造することができる。
以上で説明した本発明の感光性転写材料を製造する方法としては、特に限定はないが、例えば特開2005−3861号公報の段落[0064]〜[0066]に記載の工程によって製造することができる。
本発明の感光性転写材料の製造方法の一例としては、仮支持体上に感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を形成する工程と、形成された前記感光性樹脂層をヘイズ度の最大値が3.0%以下であるカバーフィルムで覆う工程と、を有して構成される方法が挙げられる。
仮支持体上に、前記感光性樹脂層組成物、前記熱可塑性樹脂層形成用の塗布液、前記中間層形成用の塗布液を塗布する方法としては公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて、それらの塗液を塗布し、乾燥させることにより形成できる。
前記圧着の条件としては、雰囲気温度20〜45℃、線圧1000〜10000N/mが好ましい。
前記カバーフィルムとしては、前述のヘイズの測定方法により選別された、ヘイズ度の最大値が3.0以下であるカバーフィルムを用いてもよいし、前述のヘイズ度の調製方法により作製された、最大値が3.0以下であるカバーフィルムを用いてもよい。
仮支持体の厚みは85μm以上200μm以下が好ましく、90μm以上150μm以下がより好ましい。
転写層の総厚みとしては、2μm以上25μm以下が好ましく、5μm以上22μm以下がより好ましい。
ここで転写層とは、感光性転写材料から仮支持体とカバーフィルムを除いた層をいい、少なくとも1層の感光性樹脂層を含む。例えば、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層、及びカバーフィルムがこの順に設けられている構成の場合には、前記熱可塑性樹脂層の厚みと、前記中間層の厚みと、前記感光性樹脂層の厚みとの総和が、転写層の総厚みとなる。
前記転写層の総厚みと、前記仮支持体の厚みと、の比〔転写層の総厚み/仮支持体の厚み〕としては、0.10以上0.25以下であることが好ましく、0.10以上0.22以下であることがより好ましく、0.12以上0.22以下が特に好ましい。
本発明のカラーフィルタは、上記本発明の感光性転写材料を少なくとも1種類用いて作製されたものである。具体的には、前記感光性転写材料を用いて基板上に構造物(パターン画像)を設けた形態が挙げられる。
前記カラーフィルタは、現像後の白抜けの発生が少ない感光性転写材料を用いて作製されるため、白抜けの発生が抑制される。
前記構造物としては、ブラックマトリクスなどの遮光部(以下、K画像ともいう)、赤(R)、緑(G)及び青(B)等の着色画像(画素)、オーバーコート層、樹脂スペーサー、液晶配向用リブ材等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、前記構造物の少なくとも1つが、本発明の感光性転写材料により形成される。
本発明のカラーフィルタにおいて、前記構造物が設けられる基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、感光性樹脂層との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、500〜1200μmが一般的に好ましく、700〜1100μmが特に好ましい。
前記転写工程は、前記カバーフィルムが除去された前記感光性転写材料の前記感光性樹脂層を基板上に転写する工程である。
この際、前記感光性転写材料の感光性樹脂層を基板にラミネート後、仮支持体を除去することによって行う方法が好ましい。
感光性樹脂層の基板表面への転写(貼り合わせ)は、感光性樹脂層を基板表面に重ね、加圧、加熱することに行われる。貼り合わせには、ラミネーター、真空ラミネーター、および、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターを使用することができる。
前記露光工程、現像工程、及びその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0035]〜[0051]に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
具体的には、上記基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、及び中間層を介してマスク上方から露光する方法が挙げられる。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
前記現像は、現像液を用いて行うことができる。
前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は感光性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。
尚、熱可塑性樹脂層や中間層を設けた場合には、現像の前に感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
本発明の表示装置は、前記カラーフィルタを有して構成される。
本発明の表示装置は、構成要素である構造物の欠陥が少ない前記カラーフィルタを有するため、表示の見栄えに優れる。
前記表示装置としては特に限定はなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などが挙げられる。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
複数のカバーフィルム(王子製紙(株)製アルファンE−501)のそれぞれについて、長手方向を2等分する直線と幅方向を11等分する直線との交点に位置する10点の測定点についてヘイズ度を測定した。
ここで、各測定点におけるヘイズ度は、JIS K7136:2000に準拠し、光学式ヘイズメーター(「HGM−2DP」,スガ試験機(株)製)を用いて測定した。
次に、ヘイズ度を測定した上記複数のカバーフィルムの中から、下記カバーフィルムA〜Dを選定した。
ヘイズ度の最大値が0.5%のカバーフィルムである。
−カバーフィルムB−
ヘイズ度の最大値が1.5%のカバーフィルムである。
−カバーフィルムC−
ヘイズ度の最大値が2.9%のカバーフィルムである。
−カバーフィルムD−
ヘイズ度の最大値が3.2%のカバーフィルムである。
<感光性樹脂転写材料の作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記表1に示す処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.5μmの中間層と、乾燥膜厚が2.3μmの感光性樹脂層と、を設け、該感光性樹脂層上にカバーフィルムAを圧着した。
前記カバーフィルムAの圧着は、ラミネーションロールを用い、25℃の雰囲気下で5000N/mの条件にて行った。
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比) =55/11.7/4.5/28.8、分子量=9万、Tg≒70℃) ・・・ 21部
・メチルエチルケトン ・・・ 26部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・ 13部
・メタノール ・・・ 40部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) ・・・ 42部
・メチルエチルケトン ・・・ 49.5部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・8.5部
・下記構造物1 ・・・ 30部
・メチルエチルケトン ・・・ 70部
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) ・・・ 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン(株)製、K−30)
・・・ 14.9部
・蒸留水 ・・・ 524部
・メタノール ・・・ 429部
着色感光性樹脂組成物K1は、まず表2に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合し、150rpmで10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及びフェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌し、更に、表2に記載の量の前記界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得た。
・カーボンブラック(商品名:Nipex35、デグサ ジャパン(株)製)
・・・ 13.1部
・分散剤(下記化合物1) ・・・ 0.65部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) ・・・ 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 79.53部
〜バインダー1の組成〜
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) ・・・ 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 73部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) ・・・ 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 24部
300mm×400mm(0.12m2)の無アルカリガラス基板に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で、100℃2分間加熱して次のラミネーターに送った。
前記感光性樹脂転写材料K1のカバーフィルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、120℃に加熱した前記基板に、上ゴムローラー温度95℃、下ゴムローラー温度120℃、線圧100N/cm、搬送速度2.5m/分でラミネートした。
仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスクとの距離を100μmに設定し、露光量95mJ/cm2でパターン露光した。
引き続き炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士フイルム(株)製を純水で5倍に希釈した液)を用い、32℃60秒(コーン型ノズル圧力0.15MPa)でシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き、旭サナック(株)製高圧ジェット水洗装置で10.0MPaで水洗し、ブラックマトリクス(BM)パターンを得た。
その後、該基板に対して両面から超高圧水銀灯で2000mJ/cm2の露光量でポスト露光後、240℃、100分間熱処理した。
これによりブラックマトリクス付き基板を得た。
上記ブラックマトリクス付き基板について、下記評価を行った。評価結果を表3に示す。
〜白抜けの評価〜
ブラックマトリクスを光学顕微鏡(倍率200倍)で観察し、単位面積あたりの現像後白抜けの個数を測定した。8.0個/cm2以下であれば実用上許容範囲内である。
感光性樹脂転写材料を基板にラミネートした後であって仮支持体の剥離前に、15000cd/cm2の照度を持つ面状光源で透過面検を実施した。
基板を30mm×40mm×100マスの仮想領域に分け、気泡の入り方を次のようにランク分けして判断した。
〜判断基準〜
A・・・気泡面積 5/100以下
B・・・気泡面積 6/100〜20/100
C・・・気泡面積 21/100〜40/100
D・・・気泡面積 41/100〜60/100
E・・・気泡面積 61/100以上
実施例1において、カバーフィルムAを、カバーフィルムB、カバーフィルムC、又はカバーフィルムDに変更した以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂転写材料を作製し、実施例1と同様にしてブラックマトリクス(BM)パターンを形成し、ブラックマトリクス付き基板を得た。得られたブラックマトリクスについて実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例1において、熱可塑性樹脂層を設けなかった以外は実施例1と同様にして感光性樹脂転写材料を作製し、実施例1と同様にしてブラックマトリクス(BM)パターンを形成し、ブラックマトリクス付き基板を得た。得られたブラックマトリクスについて実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<カラーフィルタの作製(感光性樹脂転写材料のラミネートによる作製)>
(感光性樹脂転写材料R1、G1、B1、S1の作製)
実施例1の感光性樹脂転写材料K1の作製において、熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1を下記表4に記載の処方H2に変更し、着色感光性樹脂組成物K1を、下記表5に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1、G1、B1、S1に変更した以外は実施例1と同様の方法によって、感光性樹脂転写材料R1、G1、B1、S1を作製した。
その他の各成分の詳細な組成は下記の通りである。
・C.I.P.R.254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・・・ 8部
・分散剤(前記化合物1) ・・・ 0.8部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3万) ・・・ 8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 83部
・C.I.P.R.177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・・・ 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3万) ・・・ 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 70部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量4万) ・・・ 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 73部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) ・・・ 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 73部
・ポリマー(メタクリル酸/アリルメタクリレート=20/80モル比のランダム共重合物、分子量3.6万) ・・・ 100部
〜コロイダルシリカ分散物の組成〜
・コロイダルシリカ ・・・ 30部
・メチルイソブチルケトン ・・・ 70部
実施例1で得られたブラックマトリクス付き基板をブラシで洗浄し、更に純水シャワー洗浄し、その後、シランカップリング剤は使用せずに基板予備加熱装置に送った。更に、該基板予備加熱装置で100℃2分間加熱し、前述のラミネーターに送った。
ブラシによる洗浄の条件及び純水シャワー洗浄の条件は、実施例1における無アルカリガラス基板に対する条件と同様である。
次に、前記感光性樹脂転写材料R1を用い、前記実施例1における感光性樹脂転写材料K1と同様の工程で、前記加熱後のブラックマトリクス付き基板のブラックマトリクス形成面側に、熱処理済みのレッド(R)画素を形成し、「ブラックマトリクス及びR画素付き基板」を得た。但し、露光量は40mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は35℃35秒とした。
次に、得られた「ブラックマトリクス及びR画素付き基板」を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。更に、該基板予備加熱装置で100℃2分間加熱し、ラミネーターに送った。
次に、前記加熱後の「ブラックマトリクス及びR画素付き基板」上に、前記感光性樹脂転写材料G1を用い、前記感光性樹脂転写材料R1と同様の工程で、前記基板のR画素形成面側に、熱処理済みのグリーン(G)の画素を形成し、「ブラックマトリクス、R画素、及びG画素付き基板」を得た。但し、露光量は40mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は34℃45秒とした。
次に、得られた「ブラックマトリクス、R画素、及びG画素付き基板」を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。更に、該基板予備加熱装置で100℃2分間加熱し、ラミネーターに送った。
次に、前記加熱後の「ブラックマトリクス、R画素、及びG画素付き基板」上に、前記感光性樹脂転写材料B1を用い、前記感光性樹脂転写材料R1と同様の工程で、前記基板のG画素形成面側に、熱処理済みのブルー(B)の画素を形成し、「ブラックマトリクス、R画素、G画素、及びB画素付き基板」得た。但し露光量は30mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は36℃40秒とした。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、スペーサー付きカラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置を作製した。
(表示の見栄え)
前記で得られた液晶表示装置の各々について、表示の見栄えの評価として、ブラックのテスト信号を入力させたときのブラック表示を目視にて観察し、輝点欠陥の個数を下記評価基準にしたがって評価した。A、B、又はCであれば実用上許容範囲内である。
〜評価基準〜
A:輝点欠陥は2個/m2未満であった。
B:輝点欠陥は2個/m2以上4個/m2未満であった。
C:輝点欠陥は4個/m2以上6個/m2未満であった。
D:輝点欠陥は6個/m2以上8個/m2未満であった。
E:輝点欠陥は8個/m2以上であった。
実施例5において、実施例1で得られたブラックマトリクス付き基板を、実施例2〜3、比較例1で得られたブラックマトリクス付き基板に変更した以外は実施例5と同様にしてカラーフィルタ及び液晶表示装置を作製し、実施例5と同様にして評価を行った。評価結果を表6に示す。
<大型基板を用いた画像付き基板の作製>
実施例1のブラックマトリクス付き基板の作製において、無アルカリガラス基板のサイズを300mm×400mm(0.12m2)から1100mm×1300mm(1.43m2)に変更し、感光性樹脂転写材料K1の仮支持体の厚みを100μmに変更した以外は実施例1と同様にしてブラックマトリクス付き基板(画像付き基板)を作製した。
(白抜けの評価)
実施例1における白抜けの評価と同様の評価を行った。
形成された画像(ブラックマトリクス)を光学顕微鏡(倍率200倍)で観察し、単位面積あたりの白抜けの個数を測定し、下記判断基準に従って評価した。A、B、及びCであれば実用上許容範囲内である。
〜判断基準〜
A:現像後の白抜けが2個/cm2未満であった。
B:現像後の白抜けが2個/cm2以上5個/cm2未満であった。
C:現像後の白抜けが5個/cm2以上8個/cm2未満であった。
D:現像後の白抜けが8個/cm2以上11個/cm2未満であった。
E:現像後の白抜けが11個/cm2以上であった。
前記ラミネーターにおいて800枚処理した後の転写ロールの汚れを目視にて評価した。汚れが全く無い場合を「A」、汚れがあるが実用上許容範囲内である場合を「B」、汚れがひどく実用上許容範囲を超える場合を「C」とした。
白抜け及びロール汚れの観点より、生産性が特に優れる条件を「A」、生産性が「A」よりは劣るが実用上許容範囲内である場合を「B」、生産性が悪く実用上の許容範囲を超える場合を「C」と判断した。
〜判断基準〜
A:白抜け及びロール汚れのうち、一方がAランクで他方がBランク以上のもの
B:白抜け及びロール汚れのうち、一方がBランク以上で他方がCランク以上であって、生産性が上記Aランクではないもの
C:上記以外
なお、上記において、「Cランク以上」とはA、B、又はCを表し、「Bランク以上」とはA又はBを表す。
実施例8において、仮支持体の厚み、及び転写層(熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層)の厚みを下記表7のように変更した以外は実施例8と同様にして画像付き基板を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
実施例8において、カバーフィルムAをカバーフィルムDに変更した以外は実施例8と同様にして画像付き基板を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
以上、実施例8〜17、比較例2の評価結果を表7に示す。
Claims (9)
- 仮支持体と、前記仮支持体上に設けられた感光性樹脂層と、ヘイズ度の最大値が3.0%以下であり、前記感光性樹脂層を覆うカバーフィルムと、を少なくとも有する感光性転写材料。
- カラーフィルタの製造に用いられることを特徴とする請求項1に記載の感光性転写材料。
- 前記仮支持体の厚みが85μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性転写材料。
- 前記仮支持体と前記カバーフィルムとを除いた転写層の総厚みが2μm以上25μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
- 前記転写層の総厚みと、前記仮支持体の厚みと、の比〔転写層の総厚み/仮支持体の厚み〕が、0.10以上0.22以下であることを特徴とする請求項4に記載の感光性転写材料。
- 仮支持体上に、感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を形成する工程と、形成された前記感光性樹脂層をヘイズ度の最大値が3.0%以下であるカバーフィルムで覆う工程と、を有する感光性転写材料の製造方法。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の感光性転写材料、又は請求項6に記載の感光性転写材料の製造方法により製造された感光性転写材料を少なくとも1種類用いて作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の感光性転写材料、又は請求項6に記載の感光性転写材料の製造方法により製造された感光性転写材料から前記カバーフィルムを除去するカバーフィルム除去工程と、
前記カバーフィルムが除去された前記感光性転写材料の前記感光性樹脂層を基板上に転写する転写工程と、
基板上に転写された前記感光性樹脂層を露光する露光工程と、
露光された前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。 - 請求項7に記載のカラーフィルタ、又は請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法によって製造されたカラーフィルタを有する表示装置。
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