JP4719981B2 - 積層フィルム及びプリント配線板の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層フィルム及びプリント配線板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板を製造する際にめっき又はエッチング用のレジスト膜を形成するために用いられる積層フィルム1は、支持層(ベースフィルム)2′の上に、感光性樹脂組成物を塗布乾燥して感光性樹脂組成物層3とし、次いで、感光性樹脂組成物層3上に被覆層(保護フィルム)4′を積層して構成されている(図2(a)参照)。そして、従来は、支持層2′と感光性樹脂組成物層3とが転移層5′となって、ラミネートすべきプリント配線板の基板6上にラミネートされるようになっていた。
この従来の積層フィルム1をラミネートする際には、被覆層4′を剥離してから、感光性樹脂組成物層3を基板6側に向けて転移層5′を基板6上に載せ、その後、支持層2′側から加熱ロールにより転移層5′を加圧して圧着させる。したがって、ラミネート後の断面は図2(b)のようになる。
【0003】
次に、支持層2′上にネガマスクを置き、そのネガマスクを介して露光用の光線を照射して感光性樹脂組成物層3を露光する。その後、ネガマスクを取外し、さらに支持層2′を剥離してから現像すると、前記ネガマスクと同じパターンを持つ感光性樹脂組成物層3が得られる。基板上に残された感光性樹脂組成物層3をレジスト膜として、次のめっき又はエッチング工程を行う。
支持層2′としては、80℃における単位幅あたりのフィルム長手方向の5%伸び荷重(以下、L5値と称する)が9.8×10−1N/mm(100gf/mm)以上のフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム)が用いられ、その厚みは、通常20μm程度である。この支持層2′は、積層フィルム1の引張り強度を上げるために、この程度の厚みが必要であり、また、その硬さもある程度大きくする必要がある。
【0004】
感光性樹脂組成物層3は、紫外線等を照射すると照射箇所の物性が変化する感光性樹脂組成物により形成され、使用目的に応じて好適な組成物が選択される。
感光性樹脂組成物層3の厚みは、目的に応じて、例えば、25μm、33μm、40μmあるいは50μmに設定される。被覆層4′はポリエチレンなどのフィルムが用いられ、その厚みは、例えば、30μmである。
転移層5′は、ラミネートするとき、基板の凹凸に対して追従し、感光性樹脂組成物層3と基板6間の未接着部分がないようにしなければならない。
【0005】
近年、プリント配線板の配線の高密度化が進んでおり、高い解像性が要求されている。積層フィルム1の高解像度化のためには、感光性樹脂組成物層3の薄膜化が効果的であるが、基材の表面凹凸へ追従する感光性樹脂組成物層量が減少するため、従来の積層フィルム1では、基板6と転移層5′との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題がある。また、従来の積層フィルムでは、支持層2′が必要とする前述の厚み及び硬さにより転移層5′全体の柔軟性が不充分となり、ラミネートすべき基板の表面の凹凸に転移層5′が追従し難く、その結果、基板6と転移層5′との未接着部分が多くなり、充分な製造歩留まりが得られないという問題がある。
【0006】
このような課題に対処して様々な手法が提案されている。例えば、基板に水を塗布したのち、積層フィルムを積層する方法が記載されている(特開昭57−21890号公報及び特開昭57−21891号公報参照)。
この方法では、水の薄い層を均一に付着させるため、基板表面を清浄にしなければならない。また小径スルーホール等が存在する場合は、スルーホール中に溜まった水分と感光性樹脂組成物層とが反応を起こしやすく、現像性を低下させるなどの欠点が生じる。
【0007】
また、基板に液状の樹脂を積層して接着中間層を形成した後、積層フィルムを積層する方法も提案されている(特開昭52−154363号公報参照)。
この方法では、小径スルーホールの現像性、剥離性等が低下し、液状樹脂塗布によるコスト増加等の欠点がある。
【0008】
また、真空ラミネーターを用いて減圧下に積層する方法も知られている(特公昭53−31670号公報及び特開昭51−63702号公報参照)。
この方法では、装置が高価であり、真空引きに時間がかかるために、通常の回路形成には使用されることは少なく、導体形成後に用いる永久マスクのラミネートとして利用されているにすぎない。この永久マスクのラミネートの時も、さらに導体への追従性向上が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生産コストを上昇させずにラミネートすべき対象の表面の凹凸に転移層が良好に追従し、解像性及びレジストパターン精度を向上でき、プリント配線板の製造歩留まりを大幅に向上することができる積層フィルムを第1のフィルムの巻取り性を低下させることなく提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果を奏し、さらに解像性及びレジストパターン精度が優れ、また、巻取り時の作業性が優れる積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果を奏し、さらに解像性及びレジストパターン精度が優れ、また、巻取り時の作業性(第1のフィルムの巻取り性を含む)が優れる積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果を奏し、さらに解像性及びレジストパターン精度が優れ、また、巻取り時の作業性(第1のフィルムの巻取り性を含む)が優れる積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果を奏し、さらに解像性及びレジストパターン精度が優れる積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果を奏し、さらにラミネートすべき対象の表面の凹凸に転移層が良好に追従する積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果に加えて、さらに感度及び架橋密度が優れる積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果に加えて、さらに保存安定性及び第1のフィルムの感光性樹脂組成物層からのはく離性が優れる積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果を奏し、さらに感度及び解像性が優れる積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果に加えて、第1のフィルムの感光性樹脂組成物層からのはく離時の第1のフィルムの破損を低減した、作業性の良好な積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果に加えて、取扱性が優れる積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の発明の効果に加えて、ラミネート時の作業性を向上した積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、生産コストを上昇させずにラミネートすべき対象の表面の凹凸に転移層が良好に追従し解像性及びレジストパターン精度を向上でき、プリント配線板の製造歩留まりを大幅に向上することができるプリント配線板の製造法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、滑剤含有量の多い層(A層)と滑剤含有量の少ない層(B層)からなる二層構成を有する第1のフィルム上に感光性樹脂組成物層を有する積層フィルムにおいて、第1のフィルムの80℃における単位幅あたりのフィルム長手方向の5%伸び荷重(L5値)が3.92×10−2〜8.83×10−1N/mm(4〜90gf/mm)である積層フィルムに関する。
また、本発明は、B層と接する面に感光性樹脂組成物層を有する前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、滑剤の平均粒径が0.05〜4μmである前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、A層の滑剤の含有率が0.01〜5重量%及びB層の滑剤の含有率が0.001〜0.5重量%である前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、A層の厚みが第1のフィルムの厚みの0.1〜80%である前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、第1のフィルムの破断伸び(フィルム長手方向の値とし、以下同じ)が50〜1000%である前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、第1のフィルムの酸素透過量が3.95×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa以下(400ミリリットル/m2・24h・atm以下)である前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、第1のフィルムの吸水率が5%以下である前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、第1のフィルムのヘイズが10%以下である前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、第1のフィルムのエレメンドルフ引裂強度が44.13N/cm以上(4.5kgf/cm以上)である前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、感光性樹脂組成物層及び第1のフィルムの他に、さらに感光性樹脂組成物層の第1のフィルムとは反対側に第2のフィルムを有するものである前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、第2のフィルムと感光性樹脂組成物層の間の接着力が、第1のフィルムと感光性樹脂組成物層の間の接着力よりも小さいものである前記積層フィルムに関する。
また、本発明は、前記積層フィルムを、感光性樹脂組成物層と基板とが接するように基板上にラミネートし、次いで、露光、現像することを特徴とするプリント配線板の製造法に関する。
また、本発明は、前記積層フィルムを、第2のフィルムをはく離して、感光性樹脂組成物層と基板とが接するように基板上にラミネートし、次いで、露光、現像することを特徴とするプリント配線板の製造法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下の記載において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味する。
本発明における第1のフィルムは、滑剤含有量の多い層(A層)と滑剤含有量の少ない層(B層)からなる二層構成を有する必要がある。また、解像性、レジストパターンの精度及び巻取り時の作業性(第1のフィルムの巻取り性を含む)向上の見地からは、感光性樹脂組成物層はB層と接する面に積層することが好ましい。
滑剤としては、例えば、シリカ、カリオン、タルク、アルミナ、リン酸カルシウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子などを挙げることができ、透明性の見地からはシリカの粒子が好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記滑剤は、解像性、レジストパターンの精度及び巻取り時の作業性向上の見地から、平均粒径0.05〜4μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。
A層中の滑剤の含有率は、レジストパターンの精度及び巻取り時の作業性向上の見地から、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜1重量%であることがより好ましい。B層中の滑剤の含有率は、レジストパターンの精度及び巻取り時の作業性向上の見地から、0.001〜0.5重量%であることが好ましく、0.01〜0.1重量%であることがより好ましい。滑剤含有量の差は0.009〜4.5重量%であることが好ましい。
前記第1のフィルムに対するA層の厚みは、A層がどんなに薄くてもよいが、0.1〜80%であることが好ましく、0.1〜50%であることがより好ましく、0.1〜10%であることが特に好ましい。
【0012】
本発明における第1のフィルムの80℃における単位幅あたりのフィルム長手方向の5%伸び荷重(L5値)は、3.92×10−2〜8.83×10−1N/mm(4〜90gf/mm)である必要があり、7.85×10−2〜8.83×10−1N/mm(8〜90gf/mm)であることが好ましく、7.85×10−2〜5.88×10−1N/mm(8〜60gf/mm)であることがより好ましく、7.85×10−2〜2.94×10−1N/mm(8〜30gf/mm)であることが特に好ましい。このL5値が3.92×10−2N/mm(4gf/mm)未満ではラミネートする際に転移層が伸びて膜厚が減少する不具合が生じ、8.83×10−1N/mm(90gf/mm)を超えるとラミネートすべき対象の表面の凹凸に対する感光性樹脂組成物層の追従性が低下するという不具合が生じる。本発明において、L5値は、テンシロン万能型引張試験機に恒温槽を取りつけ80℃にて10mm幅の短冊型試料をチャック間10cm、引張速度10cm/分で引張試験を行い、試料が5%の伸びをした時の荷重を試料の幅で除した値とする。
【0013】
本発明における第1のフィルムの破断伸びは、50〜1000%であることが好ましく、100〜1000%であることがより好ましく、100〜800%であることが特に好ましく、150〜600%であることが極めて好ましく、150〜400%であることが非常に極めて好ましい。この破断伸びが50%未満ではラミネートすべき対象の表面の凹凸に対する感光性樹脂組成物層の追従性が低下する傾向があり、1000%を超えるとラミネートする際に転移層が伸びて膜厚が減少する不具合が生じる傾向がある。本発明において、破断伸びは、JISC 2318に準拠して決められる。
【0014】
また、本発明における第1のフィルムは、酸素透過量が3.95×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa(400ml/m2・24h・atm)以下であることが好ましく、1.97×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa(200ml/m2・24h・atm)以下であることがより好ましく、9.87×10−4ミリリットル/m2・24h・Pa(100ml/m2・24h・atm)以下であることが特に好ましい。この酸素透過量が、3.95×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa(400ml/m2・24h・atm)を超えると感光性樹脂組成物層が酸素阻害を受けるため、露光時の感度低下、硬化レジスト膜の架橋密度低下等の問題が発生する傾向がある。本発明において、酸素透過量は、JIS Z 1707に準拠して決められる。
【0015】
また、本発明における第1のフィルムは、吸水率が5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。この吸水率が、5%を超えると感光性樹脂組成物層と第1のフィルムの接着力が増加し、現像前の第1のフィルムの剥離が困難となる上、積層フィルムの保存安定性も低下する傾向がある。本発明において、吸水率は、JIS K 7209に準拠して決められる。
【0016】
また、本発明における第1のフィルムは、ヘイズが10%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましく、4%以下であることが特に好ましく、1%以下であることが極めて好ましい。このヘイズが10%を超えると露光用光線の透過率が減少すると同時に、屈折や散乱なども大きくなるため、解像性が著しく悪化する傾向がある。本発明において、ヘイズは、JIS K 6782に準拠して決められる。
【0017】
また、本発明における第1のフィルムは、エレメンドルフ引裂強度が44.13N/cm(4.5kgf/cm)以上であることが好ましく、49.03N/cm(5kgf/cm)以上であることがより好ましく、68.65N/cm(7kgf/cm)以上であることが特に好ましい。上限としては特に制限はないが490.3N/cm(50kgf/cm)程度であることが好ましい。このエレメンドルフ引裂強度が44.13N/cm(4.5kgf/cm)未満であると感光性樹脂組成物層から第1のフィルムを剥離する工程において、第1のフィルムが破れやすい傾向がある。本発明において、エレメンドルフ引裂強度は、JIS K 7128 B法に準拠して決められる。
【0018】
また、本発明における第1のフィルムは、屈折率(Nx)、屈折率(Ny)が共に1.55以上であることが好ましく、1.60以上であることがより好ましく、1.65以上であることが特に好ましい。上限としては特に制限はないが3程度である。この屈折率が1.55より小さいと、露光時に入射する斜め光線を垂直方向に矯正する性能が低下するため、解像性が悪化する傾向がある。本発明において、屈折率(Nx)、屈折率(Ny)は、JIS K 7105に準拠して決められる。
【0019】
本発明における第1のフィルムは、例えば、単独重合ポリエステル、共重合ポリエステル、ブレンドポリエステル(単独重合ポリエステル同志のブレンド、単独重合ポリエステルと共重合ポリエステルとのブレンド、共重合ポリエステル同士のブレンド等)等の材質フィルム、ガスバリヤ層(例えばポリ塩化ビニリデンコート等)を設けた無延伸ポリプロピレンフィルム又は二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどであることが好ましい。これらは、前記特性を満足する上に、無延伸ポリエチレン、無延伸ポリアミド等に比較して耐熱性、防湿性のバランスに優れるためである。耐熱性が低いとラミネートの際の温度により溶融しやすく、また、吸湿性が高いと感光性樹脂組成物層と第1のフィルムの接着力が増加し、現像前の第1のフィルムの剥離が困難となりやすい。入手可能な第1のフィルムとしては、例えば、二軸延伸イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートとのブレンドフィルム(二軸延伸)等が挙げられる。
【0020】
本発明における第1のフィルムの厚みは、2〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましく、8〜14μmであることが特に好ましい。この厚みが2μm未満ではラミネートする際に転移層が伸びる不具合が生じる傾向があり、30μmを超えると露光用光線の屈折や散乱などが大きくなりやすく解像性が低下する傾向があり、また、ラミネートすべき対象の表面の凹凸への追従性が低下する傾向がある。
【0021】
本発明における感光性樹脂組成物層としては、公知の感光性樹脂組成物を用いることができるが、希アルカリ水で現像可能とするため、通常、必須成分として(A)バインダーポリマー、(B)光重合開始剤及び(C)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を含むものであることが好ましい。
【0022】
上記(A)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
上記バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
【0024】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、一般式(I)
【化1】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜12のアルキル基を示す)
で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
上記一般式(I)中のR2で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
【0025】
上記一般式(I)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸へキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
また、前記(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造するこができる。また、前記(A)バインダーポリマーは、可とう性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。
【0027】
これらの(A)バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0028】
前記(B)光重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0029】
前記(C)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0030】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】
上記α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
【0032】
上記グリシジル基含有化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル等が挙げられる。
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス((メタ)アクリロイルオキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
【0033】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0034】
本発明において、(A)成分の配合量は、(A)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して、40〜80重量部であることが好ましい。この配合量が40重量部未満では得られる感光性樹脂組成物が塗膜性に劣る傾向があり、80重量部を超えると、光硬化性が不充分となる傾向がある。
【0035】
本発明において、(B)成分の配合量は、(A)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましい。この配合量が0.01重量部未満では感度が不充分となる傾向があり、20重量部を超えると、露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0036】
本発明において、(C)成分の配合量は、(A)成分及び(C)成分の総量100重量部に対し、20〜60重量部であることが好ましい。この配合量が20重量部未満では光硬化性が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると、塗膜性が悪化する傾向がある。
【0037】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(C)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0038】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することができる。
【0039】
感光性樹脂組成物層の厚みとしては用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、3〜100μmであることがより好ましく、5〜100μmであることが特に好ましい。
【0040】
前記感光性樹脂組成物層の流動性は、基板等の被着体への追従性、感光性樹脂組成物層の低変形性、低エッジフュージョン性等の点から、50〜500μmであることが好ましく、100〜300μmであることがより好ましく、100〜250μmであることが特に好ましい。流動性を前記の範囲とすることは、感光性樹脂組成物層を構成する各成分の種類と配合量を調節することにより行うことができる。ここにいう流動性は、直径20mm、厚み2mmの感光性樹脂組成物層をサンプルとし、このサンプルを平面の基板上に置いて、その上に直径50mmの円筒形の5kgの静荷重を加え、変形していく感光性樹脂組成物層の10秒後の厚み(T1μm)と900秒後の厚み(T2μm)を測定した時のT1−T2(μm)である。
【0041】
本発明の積層フィルムは、例えば、前記した第1のフィルムのB層の上に、前記した感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して製造することができる。
また、本発明の積層フィルムは、取扱い性の見地から、前記感光性樹脂組成物層及び第1のフィルムの他に、さらに感光性樹脂組成物層の第1のフィルムとは反対側に第2のフィルムを有するものであることが好ましい。
このような第2のフィルムを使用した本発明の積層フィルムは、例えば、第2のフィルム上に、前記した感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して感光性樹脂組成物層とし、その感光性樹脂組成物層の上に第1のフィルムを積層(感光性樹脂組成物層とB層とが接するように)して製造することができる。
【0042】
本発明における第1のフィルムは、比較的軟かいため、比較的腰のある第2のフィルムを使用し、この上に前記感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することが、均一な感光性樹脂組成物層の形成ができる点で好ましい。
また、この場合、第2のフィルムと感光性樹脂組成物層との間の接着力は、第1のフィルムと感光性樹脂組成物層との間の接着力よりも小さいものであることが、第2のフィルムが剥離して転移層が容易に形成できるため好ましい。
【0043】
本発明における第2のフィルムと感光性樹脂組成物層の間の接着力(A1)は、180°ピール強度として、1.96×10−3〜9.80×10−2N/cm(0.2〜10gf/cm)であることが好ましい。この接着力(A1)が1.96×10−3N/cm(0.2gf/cm)未満では積層フィルムの製造時に感光性樹脂組成物層と第2のフィルムの貼り合わせが困難となる傾向があり、9.80×10−2N/cm(10gf/cm)を超えると、第2のフィルムの剥離がスムーズに行えなくなる傾向がある。
また、第1のフィルムと感光性樹脂組成物層との間の接着力(A2)は、180°ピール強度において接着力(A1)より大きいことが好ましく、それ以外に特に制限はないが、9.8×10−3N/cm(1gf/cm)〜9.8×10−1N/cm(100gf/cm)であることが好ましい。
【0044】
本発明における第2のフィルムは、ラミネートする前に剥離されるので、可撓性を有していて前記感光性樹脂組成物層の剥離可能に接着できるものであり、乾燥炉の温度で損傷を受けないものであれば、特に制限されないが、例えば、紙、離型紙、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有ビニル重合体、ナイロン等のポリアミド、セロファン等のセルロース、ポリスチレンなどのフィルムが挙げられ、これらは、透明であっても非透明であってもよく、離型処理が施されたものであってもよい。入手可能な第2のフィルムとしては、王子製紙(株)製、製品名E−200H、タマポリ(株)製、製品名NF−13等が挙げられる。
【0045】
本発明における第2のフィルムの厚みは、特に制限されないが、ロール状に巻いた場合のサイズの点を考慮すると、5〜200μmとすることが好ましく、10〜100μmとすることがより好ましく、10〜50μmとすることが特に好ましい。
【0046】
このようにして得られる本発明の積層フィルムは、ロール状に巻いて保管することができる。
また、本発明の積層フィルムは、感光性樹脂組成物層、第1のフィルム及び必要に応じて用いる第2のフィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
【0047】
本発明のプリント配線板の製造法は、前記感光性樹脂組成物層及び第1のフィルムを有する積層フィルムを、感光性樹脂組成物層と基板とが接するように基板上にラミネートし、次いで、露光、現像することを特徴とする。
また、本発明のプリント配線板の製造法は、前記感光性樹脂組成物層、第1のフィルム及び第2のフィルムを有する積層フィルムを、第2のフィルムを剥離して、感光性樹脂組成物層と基板とが接するように基板上にラミネートし、次いで、露光、現像することを特徴とする。
【0048】
以下、図1を用いて、本発明のプリント配線板の製造法の一例について詳述する。
図1は、本発明のプリント配線板の製造法における積層フィルム1を基板6上にラミネートとした状態を示した模式図である。なお、図1において、積層フィルム1は、感光性樹脂組成物層3、第1のフィルム4及び第2のフィルム2を有するものであり、感光性樹脂組成物層3及び第1のフィルム4は転移層5である。
本発明における基板6としては、例えば、銅、鉄、アルミニウム等の金属シート、ステンレス、42アロイ等の合金のシート、銅張り積層板等が挙げられる。
【0049】
図1(a)は、感光性樹脂組成物層3と第1のフィルム4を有する転移層5及び第2のフィルム2を有する本発明の積層フィルム1の模式図であり、図1(b)は、この積層フィルム1の第2のフィルム2を剥離して、基板6上にラミネートした状態を示した模式図である。
基板6上に積層フィルム1をラミネートする方法としては、特に制限はないが、例えば、加熱可能なロールを備えたラミネーターを用いる方法等が挙げられる。通常、ラミネート時の、温度は、60〜150℃(好ましくは80〜130℃)であり、圧力は、0.1〜1MPa(1〜10kgf/cm2)(好ましくは0.3〜0.7MPa(3〜7kgf/cm2))であり、送り速度は、0.1〜10m/分(好ましくは1〜5m/分)である。
【0050】
本発明における露光方法としては、特に制限はないが、例えば、第1のフィルム4上(第1のフィルムが剥離されている場合は感光性樹脂組成物層3上)に所定のパターンのネガマスクを載せ、このネガマスク上から超高圧水銀ランプ等の光源を用いて活性光線を照射する方法、レーザーを用いるCADにより活性光線をパターン状に照射する方法等が挙げられる。
【0051】
本発明における現像とは、感光性樹脂組成物層3を現像して、感光性樹脂組成物層3のレジストパターンとしたい部分以外の部分(不要部)を除去することを言う。
現像の方法としては、特に制限はないが、例えば、露光により生じた感光性樹脂組成物層3の露光部と未露光部の現像液に対する溶解度差を利用するウェット現像法、露光部と未露光部の接着力差を利用するドライ現像法等が挙げられる。
解像性の点からはウェット現像法が好ましく、その現像液としては、特に制限はないが、例えば、1,1,1,−トリクロロエタン等の有機溶剤、1重量%炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液等が挙げられる。ウェット現像法では、これらの現像液を露光した後の感光性樹脂組成物層3に接触させ、露光部及び未露光部のどちらか一方を溶解又は剥離して除去する。
【0052】
現像後、基板上にレジストパターンが形成される。この後、常法により、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液等のエッチング液によるエッチング又は硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっき等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどのめっきを行い、次いでレジストパターンを1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等の強アルカリ性の水溶液で剥離することにより、本発明におけるプリント配線板を得ることができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
実施例1〜4及び比較例1〜8
〔感光性樹脂組成物層材料(I)の作製〕
表1及び表2に示す材料を配合し、感光性樹脂組成物層材料(I)を作製した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
実施例1
〔積層フィルムAの作製〕
第2のフィルムとして、厚み30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(王子製紙(株)製、商品名E−200H)を用い、その上に、感光性樹脂組成物層材料(I)を、乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布し、80℃10分間温風乾燥し感光性樹脂組成物層とした。
【0058】
次いで、第1のフィルムとして、2層構造を有する(A層(滑剤含有率0.5重量%、滑剤の平均粒径0.5μm)/B層(滑剤含有率0.03重量%、滑剤の平均粒径0.5μm)=1μm/10μm)厚み11μmの二軸延伸イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、HK19−4(フィルムサンプル)、L5値5.39×10−1N/mm(55gf/mm)(テンシロン万能型引張試験機に恒温槽を取りつけ80℃にて10mm幅の短冊型試料をチャック間10cm、引張速度10cm/分で引張試験を行い、試料が5%の伸びを示した時の荷重を試料の幅で除した値をL5値(N/mm)(gf/mm)とし、以下同じ)、破断伸び150%(JIS C 2318に準拠し、以下同じ)、酸素透過量1.68×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa(170ml/m2・24h・atm)(JIS Z 1707に準拠し、以下同じ)、吸水率0.3%(JIS K 7209に準拠し、以下同じ)、ヘイズ0.5%(JIS K 6782に準拠し、以下同じ)、エレメンドルフ引裂強度73.55N/cm(7.5kgf/cm)(JIS K 7128B法に準拠し、以下同じ)、屈折率Nx1.64、Ny1.64(JIS K 7105に準拠。以下同じ)を用い、これを前記感光性樹脂組成物層に被覆(感光性樹脂組成物層とB層が接するように)して積層フィルムAを作製した。得られた積層フィルムAを、第1のフィルムが外側となるように巻き取った。
【0059】
実施例2
〔積層フィルムBの作製〕
実施例1において、第1のフィルムに用いたHK19−4に代えて、2層構造を有する(A層(滑剤含有率0.35重量%、滑剤の平均粒径0.5μm)/B層(滑剤含有率0.05重量%、滑剤の平均粒径0.5μm)=9μm/2μm)厚み11μmのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、HK19−2(フィルムサンプル)、L5値5.39×10−1N/mm(55gf/mm)、破断伸び150%、酸素透過量1.68×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa(170ml/m2・24h・atm)、吸水率0.3%、ヘイズ1.5%、エレメンドルフ引裂強度73.55N/cm(7.5kgf/cm)、屈折率Nx1.64、Ny1.64)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムBを作製し、得られた積層フィルムBを、第1のフィルムが外側となるように巻き取った。
【0060】
比較例1
〔積層フィルムCの作製〕
実施例1において、第1のフィルムに用いたHK19−4に代えて、単層構造(滑剤含有)の厚み11μmの二軸延伸イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、HK−4(フィルムサンプル)、L5値5.39×10−1N/mm(55gf/mm)、破断伸び150%、酸素透過量1.68×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa(170ml/m2・24h・atm)、吸水率0.3%、ヘイズ4%、エレメンドルフ引裂強度73.55N/cm(7.5kgf/cm)、屈折率Nx1.64、Ny1.64)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムCを作製し、得られた積層フィルムCを、第1のフィルムが外側となるように巻き取った。
【0061】
比較例2
〔積層フィルムDの作製〕
実施例1において、第1のフィルムに用いたHK19−4に代えて、単層構造(滑剤含有)の厚み11μmのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートとのブレンドフィルム(二軸延伸、帝人(株)製、HK−7(フィルムサンプル)、L5値1.96×10−1N/mm(20gf/mm)、破断伸び180%、酸素透過量1.28×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa(130ml/m2・24h・atm)、吸水率0.3%、ヘイズ2.9%、エレメンドルフ引裂強度74.53N/cm(7.6kgf/cm)、屈折率Nx1.63、Ny1.64)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムDを作製し、得られた積層フィルムDを、第1のフィルムが外側となるように巻き取った。
【0062】
比較例3
〔積層フィルムEの作製〕
実施例1において、第1のフィルムに用いたHK19−4に代えて、単層構造(滑剤非含有)の厚み11μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、HK−20(フィルムサンプル)、L5値8.34×10−1N/mm(85gf/mm)、破断伸び110%、酸素透過量1.28×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa(130ml/m2・24h・atm)、吸水率0.3%、ヘイズ0.3%、エレメンドルフ引裂強度39.23N/cm(4.0kgf/cm)、屈折率Nx1.65、Ny1.66)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層フィルムEを作製し、得られた積層フィルムEを、第1のフィルムが外側となるように巻き取った。
【0063】
比較例4
〔積層フィルムFの作製〕
単層構造(滑剤含有)の厚み19μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、商品名G2−19 L5値1.47N/mm(150gf/mm)、破断伸び150%、酸素透過量8.88×10−4ミリリットル/m2・24h・Pa(90ml/m2・24h・atm)、吸水率0.3%、ヘイズ1.5%、エレメンドルフ引裂強度58.84N/cm(6.0kgf/cm)、屈折率Nx1.65、Ny1.66)の上に、感光性樹脂組成物層材料(I)を、乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布し、80℃10分間温風乾燥し感光性樹脂組成物層とした。
次いで、厚み25μmの無延伸ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、商品名NF−13)を前記感光性樹脂組成物層に被覆して積層フィルムFを作製した。得られた積層フィルムFを、G2−19のフィルムが外側となるように巻き取った。
得られた積層フィルムについて、表3にまとめた。
【0064】
【表3】
【0065】
実施例3及び4並びに比較例5〜8
〔プリント配線板aの作製〕
厚み35μmの銅はくを、片面に積層したガラスエポキシ基板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E67−35S)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥して銅張積層板を得た。
【0066】
次いで、得られた銅張積層板を80℃に加温した後、高温ラミネーター(日立化成工業(株)製、HLM−3000)を用いて、上記基板に、実施例1〜2及び比較例1〜4で作製した、積層フィルムA、積層フィルムB、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFの感光性樹脂組成物層を基材に向けて、積層フィルムA及び積層フィルムBは第1のフィルム側をロールに触れるようにして、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルム側をロールに触れるようにしてラミネートした。
この際のラミネート速度は1.5m/分、ロール温度は100℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm2)とした。
【0067】
次いで、ラミネート終了後、23℃まで冷却した後、積層フィルムA及び積層フィルムBは第1のフィルムの上に、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルムの上に、ネガマスク(ストーファー21段ステップタブレットとライン/スペースが400/6〜400/47(解像性、単位:μm)の配線パターンを有するネガマスク)を密着させ、オーク製作所(株)製露光機(型式HMW−590、水銀ショートアークランプ)を用い、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が6.0となるエネルギー量で露光した。
【0068】
次いで、積層フィルムA及び積層フィルムBは第1のフィルムを除去し、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルムを除去し、1重量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で20秒間スプレー現像し、基板上にレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンの、現像残りの無い最小スペース幅の値を解像性として測定し、結果を表4に示した。なお、この値が小さいほど解像性が優れたものである。
【0069】
次いで、塩化第2銅エッチング液(2モル/リットル CuCl2、2N−HCl水溶液、50℃、スプレー圧力0.2MPa(2kgf/cm2))を100秒間スプレーし、レジストで保護されていない部分の銅を溶解し、さらに、レジストパターンを剥離液(3重量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力0.2MPa(2kgf/cm2))で剥離し、基板上に銅のラインが形成されたプリント配線板aを作製した。
【0070】
〔プリント配線板bの作製〕
ライン幅/スペース幅が1000μm/400μmのネガマスクを用いた以外は、プリント配線板aの作製と同様の方法にてレジストパターンの形成された銅張積層板を得た(積層フィルムはFのみ使用)。次いで得られた基板を100g/リットルの過硫酸アンモニウム水溶液(30℃)に1.25〜15分間浸漬し、さらに、レジストパターンを剥離液(3重量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力0.2MPa(2kgf/cm2))で剥離し、凹み深さが1〜12μm、凹み幅が400μmの銅張積層板を得た。
【0071】
次いで、得られた銅張積層板を80℃に加温した後、高温ラミネーター(日立化成工業(株)製のHLM−3000を使用した)を用いて、上記基板に、実施例1〜2及び比較例1〜4で作製した、積層フィルムA、積層フィルムB、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFの感光性樹脂組成物層を基材に向けて、積層フィルムA及び積層フィルムBは第1のフィルム側をロールに触れるようにして、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルム側をロールに触れるようにしてラミネート(ラミネートロールの軸と基板の傷の長さ方向は平行とした)した。この際のラミネート速度は1.5m/分、ロール温度は110℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm2))とした。
【0072】
次いで、ラミネート終了後、23℃まで冷却した後、積層フィルムA及び積層フィルムBは第1のフィルムの上に、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルムの上に、ライン幅/スペース幅が100μm/100μmのネガマスクを基板の傷の長さ方向と直角に交差する方向に置き、オーク製作所(株)製露光機(型式HMW−590、水銀ショートアークランプ)を用い、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が6となるエネルギー量で露光した。
【0073】
次いで、積層フィルムA及び積層フィルムBは第1のフィルムを除去し、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルムを除去し、1重量%炭酸ナトリウム水溶液で20秒間スプレー現像し、基板上にレジストパターンを形成した。
【0074】
次いで、塩化第2銅エッチング液(2モル/リットル CuCl2、2N−HCl水溶液、50℃、スプレー圧力0.2MPa(2kgf/cm2))を100秒間スプレーし、レジストで保護されていない部分の銅を溶解し、さらに、レジストパターンを剥離液(3重量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力0.2MPa(2kgf/cm2))で剥離し、基板上に銅のラインが形成されたプリント配線板bを作製した。
【0075】
基板上の凹みに積層フィルムが追従していない場合は、レジストと基板間に空隙があるため、銅のラインはレジストと凹みの交点部分でエッチング液が浸み込み、銅が溶解し、銅ラインが接続しないこととなり、断線不良となる。この断線が開始する傷深さ(μm)を凹凸追従性(この値が大きい程、追従性は優れる)として、結果を表4に示した。
【0076】
〔プリント配線板cの作製〕
厚み35μmの銅箔を、片面に積層したエポキシ基板(厚み1.0mm)を所定の凹凸を有した金型を備えたプレスを用いてプレスすることにより、凹み深さが1〜18μm、凹み幅が300〜2000μmの銅張積層板を得た。
【0077】
次いで、得られた銅張積層板を80℃に加温した後、高温ラミネーター(日立化成工業(株)製のHLM−3000を使用した)を用いて、上記基板に、実施例1〜2及び比較例1〜4で作製した、積層フィルムA、積層フィルムB、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFの感光性樹脂組成物層を基材に向けて、積層フィルムA及び積層フィルムBは第1のフィルム側をロールに触れるようにして、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルム側をロールに触れるようにしてラミネート(ラミネートロールの軸と、基板の凹み長さ方向とは平行とした)した。この際のラミネート速度は1.5m/分、ロール温度は110℃、ロールのシリンダー圧力は0.4MPa(4kgf/cm2)とした。
【0078】
次いで、ラミネート終了後、23℃まで冷却した後、積層フィルムA及び積層フィルムBを用いたものは第1のフィルムの上に、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFを用いたものはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルムの上に、ネガマスク(ライン/スペースが100μm/100μm)とストーファー21段ステップタブレットを、凹み長さ方向と直角に交差する方向に密着させ、オーク製作所(株)製露光機(型式HMW−590、水銀ショートアークランプ)を用い、ストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が6.0となるエネルギー量で露光した。
【0079】
次いで、室温で15分間放置した後、積層フィルムA及び積層フィルムBを用いたものは第1のフィルムを、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE積層及びフィルムFを用いたものはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルムを除去し、1重量%炭酸ナトリウム水溶液で20秒間スプレー現像し、基板上にレジストパターンを形成した。
【0080】
次いで、塩化第2鉄エッチング液(45度ボーメ、50℃、スプレー圧力0.2MPa(2kgf/cm2))を100秒間スプレーし、レジストで保護されていない部分の銅を溶解し、さらに、レジストパターンを剥離液(3重量%NaOH水溶液、45℃、スプレー圧力0.2MPa(2kgf/cm2))で剥離し、基板上に銅のラインが形成されたプリント配線板cを作製した。
【0081】
基板上の凹みに積層フィルムが追従していない場合は、レジストと基板間に空隙があるため、銅のラインはレジストと凹みの交点部分でエッチング液が浸み込み、銅が溶解し、銅ラインが接続しないこととなり、断線不良となる。この断線が開始する凹み深さ(μm)をウェーブ追従性(この値が大きい程、追従性は優れる)として、結果を表4に示した。
【0082】
〔ピール破れ率〕
プリント配線板aの作製と同様の方法にて、露光工程まで行った基板を作製し、次いで、積層フィルムA及び積層フィルムBは第1のフィルムを、積層フィルムC、積層フィルムD、積層フィルムE及び積層フィルムFはそれぞれHK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルムを、感光性樹脂組成物層から手作業により剥離するテスト(ピールテスト)を、各フィルムにつき100枚実施した。ピールテストの際に剥離した又はしようとしたフィルムに破れが発生した割合を、ピール破れ率(この値が小さい程、感光性樹脂組成物層からの剥離性に優れる)として、結果を表4に示した。
【0083】
〔レジストパターン形状〕
ライン幅/スペース幅が15μm/15μmのネガマスク(ガラスネガ)を使用したこと及びストーファー21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が5.0となるエネルギー量で露光したこと以外は、プリント配線板aの作製と同様の方法にてレジストパターンの形成された銅張積層板を得た。
銅張積層板の銅上に形成されたレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。観察結果を表4に示した。
【0084】
〔第1のフィルムの巻外観〕
HK19−4、HK19−2、HK−4、HK−7、HK−20、G2−19のフィルムサンプル(フィルム幅:1300mm、巻長さ:3000m)をフィルムメーカーより入手し、巻外観を観察した。観察結果を表4に示した。
巻外観に問題が有る場合、▲1▼感光性樹脂組成物のコーティング時に感光性樹脂組成物層の膜厚精度が低下する▲2▼感光性樹脂組成物層への貼合わせ時にしわが生じる▲3▼積層フィルムの長尺巻が困難になるといった問題が生じる。
【0085】
【表4】
【0086】
本発明の積層フィルム(積層フィルムA及び積層フィルムB)を用いた実施例3及び4は、積層フィルムC及び積層フィルムDを用いた比較例5及び6に比較して解像性、レジストパターン形状が優れる。
また、積層フィルムEを用いた比較例7に比較して凹凸追従性、ウェーブ追従性、ピール破れ率、第1のフィルムの巻外観に優れる。また、積層フィルムFを用いた比較例8に比較して解像性、凹凸追従性、ウェーブ追従性、レジストパターン形状に優れるものであった。
【0087】
【発明の効果】
本発明の積層フィルムは、生産コストを上昇させずにラミネートすべき対象の表面の凹凸に転移層が良好に追従し、解像性及びレジストパターン精度を向上でき、プリント配線板の製造歩留まりを大幅に向上することを、第1のフィルムの巻取り性を低下させることなく可能とする。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果を奏し、さらに解像性及びレジストパターン精度が優れ、また、巻取り時の作業性が優れる。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果を奏し、さらに解像性及びレジストパターン精度が優れ、また、巻取り時の作業性(第1のフィルムの巻取り性を含む)が優れる。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果を奏し、さらに解像性及びレジストパターン精度が優れ、また、巻取り時の作業性(第1のフィルムの巻取り性を含む)が優れる。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果を奏し、さらに解像性及びレジストパターン精度が優れる。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果を奏し、さらにラミネートすべき対象の表面の凹凸に転移層が良好に追従する
。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果に加えて、さらに感度及び架橋密度が優れる。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果に加えて、さらに保存安定性及び第1のフィルムの感光性樹脂組成物層からのはく離性が優れる。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果を奏し、さらに感度及び解像性が優れる。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果に加えて、第1のフィルムの感光性樹脂組成物層からのはく離時の第1のフィルムの破損を低減し、作業性が良好である。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果に加えて、取扱性が優れる。
本発明の積層フィルムは、上記の発明の効果に加えて、ラミネート時の作業性が向上する。
本発明のプリント配線板の製造法は、生産コストを上昇させずにラミネートすべき対象の表面の凹凸に転移層が良好に追従し解像性及びレジストパターン精度を向上でき、プリント配線板の製造歩留まりを大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の積層フィルムの模式図の一例及び(b)基板上に本発明の積層フィルムがラミネートされた状態の模式図の一例。
【図2】(a)従来の積層フィルムの模式図の一例及び(b)基板上に従来の積層フィルムがラミネートされた状態の模式図の一例。
【符号の説明】
1 積層フィルム
2 第2のフィルム
2′ 支持層
3 感光性樹脂組成物層
4 第1のフィルム
4′ 被覆層
5、5′ 転移層
6 基板
Claims (13)
- 滑剤含有量の多い層(A層)と滑剤含有量の少ない層(B層)からなる二層構成を有する第1のフィルム上に感光性樹脂組成物層を有する積層フィルムにおいて、前記第1のフィルムの80℃における単位幅あたりのフィルム長手方向の5%伸び荷重が3.92×10−2〜8.83×10−1N/mm(4〜90gf/mm)であり、A層の滑剤の含有率が0.01〜5重量%及びB層の滑剤の含有率が0.001〜0.5重量%であって、前記感光性樹脂組成物層が、
(A)バインダーポリマー、
(B)光重合開始剤、及び
(C)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を含む積層フィルム。 - B層と接する面に感光性樹脂組成物層を有する請求項1記載の積層フィルム。
- 滑剤の平均粒径が0.05〜4μmである請求項1又は2記載の積層フィルム。
- A層の厚みが第1のフィルムの厚みの0.1〜80%である請求項1、2又は3記載の積層フィルム。
- 第1のフィルムの長手方向の破断伸びが50〜1000%である請求項1、2、3又は4記載の積層フィルム。
- 第1のフィルムの酸素透過量が3.95×10−3ミリリットル/m2・24h・Pa以下(400ミリリットル/m2・24h・atm以下)である請求項1、2、3、4又は5記載の積層フィルム。
- 第1のフィルムの吸水率が5%以下である請求項1、2、3、4、5又は6記載の積層フィルム。
- 第1のフィルムのヘイズが10%以下である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の積層フィルム。
- 第1のフィルムのエレメンドルフ引裂強度が44.13N/cm以上(4.5kgf/cm以上)である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の積層フィルム。
- 感光性樹脂組成物層及び第1のフィルムの他に、さらに感光性樹脂組成物層の第1のフィルムとは反対側に第2のフィルムを有するものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の積層フィルム。
- 第2のフィルムと感光性樹脂組成物層の間の接着力が、第1のフィルムと感光性樹脂組成物層の間の接着力よりも小さいものである請求項10記載の積層フィルム。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の積層フィルムを、感光性樹脂組成物層と基板とが接するように基板上にラミネートし、次いで、露光、現像することを特徴とするプリント配線板の製造法。
- 請求項10又は11記載の積層フィルムを、第2のフィルムをはく離して、感光性樹脂組成物層と基板とが接するように基板上にラミネートし、次いで、露光、現像することを特徴とするプリント配線板の製造法。
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