JP4526180B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は開口部を開閉体によって開閉する開閉装置に関し、例えば、シャッター、ドア、オーバーヘッドドア、窓、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置などに適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電動シャッターの場合、ユーザと保守サービス会社との保守契約に基づき、保守サービス会社の保守員が定期的(例えば半年毎や1年毎)に巡回してシャッターの保守を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ユーザによってシャッターの開閉頻度は異なり、定期的な保守では、開閉体の動作回数などに比較して保守間隔が適切でないことも生じる。また、ユーザなどが保守時期などを判断しようとしても、判断にどのような情報を用いれば分からなかった。
【0004】
そのため、保守時期などの開閉体の使用に関連する情報をユーザなどが容易に認識し得る開閉装置が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明は、開口部を開閉体によって開閉する開閉装置において、(1)上記開閉体の動作内容を検出し、上記開閉体の開動作、閉動作、停止動作、施錠動作及び又は解錠動作などの開閉体動作回数を表す数値パラメータを更新記憶する情報記憶手段と、(2)上記数値パラメータが閾値以上又は以下であるとき、上記数値パラメータ又はその加工情報を報知する情報報知手段と、(3)上記情報報知手段が、報知したとき又はそれ以降において、それ以前より、煩雑な指示操作による動作指示信号だけを許容する操作性変更手段とを有し、(4)上記数値パラメータとして、当該開閉装置の全体若しくは構成部材の寿命判別用の第1の数値パラメータと、当該開閉装置の保守時期判別用の第2の数値パラメータとを適用すると共に、上記閾値として、当該開閉装置の全体若しくは構成部材の寿命判別用の第1の閾値と、当該開閉装置の保守時期判別用の第2の閾値とを適用し、上記情報報知手段は、上記第1の数値パラメータが上記第1の閾値以上のときと、上記第2の数値パラメータが上記第2の閾値以上のときとで異なる態様で報知することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による開閉装置を、電動スラットシャッター(以下、単にスラットシャッターと呼ぶ)に適用した第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0007】
(A−1)第1の実施形態の構成
ここで、図1が、第1の実施形態のスラットシャッターの構成、主として電気的構成を示す概略構成図である。
【0008】
図1において、第1の実施形態のスラットシャッター1は、開口部の両側に上下方向に延びるように設けられた一対のガイドレール2a及び2bと、この一対のガイドレール2a及び2bに案内されて上下動するスラット3と、建物開口部の開放状態でスラット3を収納する収納ボックス4とを有する。収納ボックス4にはまた、開閉機5や制御盤6なども収納されている。
【0009】
この第1の実施形態の場合、スラット3は上下動共に、開閉機5の駆動力によって移動するものである。すなわち、スラット3が開放状態で巻回される図示しない巻取シャフトは、開閉機5の回転シャフトと共通な軸になっているか、又は、スプロケット及びチェーンなどでなる図示しない動力伝達機構を介して開閉機5の回転シャフトに接続されており、開閉機5の回転が巻取シャフトに伝達されて開閉機5の回転速度に応じた速度でスラット3が上下動するようになされている。開閉機5は、モータを中心として構成されているものである。
【0010】
制御盤6は、開閉指示報知部7からの開指示信号や閉指示信号や停止指示信号に基づいて、開閉機5の回転を起動したりその回転方向を設定したり回転を停止させたりなどして、スラット3の上下動を制御するものである。
【0011】
開閉指示報知部7は、例えば、一方のガイドレール2a又は2bの近傍の壁面に設けられている。図2は、開閉指示報知部7の正面図である。開閉指示報知部7は、開動作や閉動作や停止動作を指示するスイッチ7O、7C、7Sや、保守時期報知用発光素子7Lなどを有する。なお、開閉指示報知部7は、蓋付きのものであっても良い。
【0012】
制御盤6は、制御部11、記憶部12、開閉指示報知部インタフェース13及び開閉機インタフェース14を有する。
【0013】
制御部11は、例えばマイクロプロセッサ(CPU)が該当し、スラット3の制御動作を中心的に実行するものである。勿論、制御部11をハードロジックで構成しても良い。記憶部12は、例えばROMやRAMなどが該当し、制御部11が実行する処理ルーチンや処理で必要となる所定データを格納しているものである。
【0014】
第1の実施形態の場合、記憶部12に書換可能に格納されている所定データとして、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2がある。第1の開動作回数データ12D1は、次の保守タイミングを判定するためのものであり、第2の開動作回数データ12D2は、当該スラットシャッター1の寿命を判定するためのものである。
【0015】
なお、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2は消失しないように記憶部12に記憶されていることが好ましい。例えば、EEPROM(不揮発性メモリ)に記憶させることが好ましい。
【0016】
この第1の実施形態の場合、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2が請求項1の「数値パラメータ」に該当する。
【0017】
開閉指示報知部インタフェース13は、開閉指示報知部7から与えられた開指示信号、閉指示信号又は停止指示信号を制御部11へ通知したり、逆に、制御部11からの点灯又は点滅指令を開閉指示報知部7へ通知したりするインタフェース機能を担っているものである。
【0018】
なお、この第1の実施形態の場合、開閉指示報知部インタフェース13は、開指示信号、閉指示信号又は停止指示信号の有効連続期間の監視機能を有し、長押しに係る開指示信号、閉指示信号又は停止指示信号か否かの判別機能をも有しているものとする。
【0019】
開閉機インタフェース14は、制御部11から与えられたデータに基づいて、開閉機5に対する動作信号を形成出力するものである。
【0020】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような各部からなる第1の実施形態のスラットシャッター1の動作を説明する。
【0021】
まず、通常開指示信号が与えられた際の制御部11の制御動作を、図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この明細書においては、所定時間(例えば3秒)以上の間、開動作指示スイッチ7Oが長押しされた際の開指示信号を長押し開指示信号と呼び、上記所定時間より短い間、開動作指示スイッチ7Oが押された際の開指示信号を通常開指示信号と呼んでいる。他の開閉体の動作指示信号についても同様である。
【0022】
制御部11は、開閉指示報知部インタフェース13を介して通常開指示信号が与えられると、図3に示す処理ルーチン(記憶部12に格納されている)を開始し、まず、長押し指示信号の有効モードが設定されているか否か(例えば、記憶部12にフラグで記憶しておく)を判定する(ステップ100)。
【0023】
長押し指示信号の有効モードが設定されていると、制御部11は、直ちに、図3に示す処理ルーチンを終了させる。すなわち、長押し指示信号の有効モードでは、通常開指示信号を無視する。
【0024】
これに対して、長押し指示信号の有効モードが設定されていないと、制御部11は、開閉機インタフェース11を介して開閉機5を開駆動させ、スラット3を開動作させる(ステップ101)。その後、制御部11は、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2をそれぞれ1インクリメントさせる(ステップ102)。
【0025】
そして、第2の開動作回数データ12D2が寿命閾値回数以上であるか否かを判定する(ステップ103)。ここで、寿命閾値回数とは、シャッターメーカーが、当該スラットシャッター1に対して寿命になるまでの保証している開閉回数(例えば10,000回)をいい、記憶部12に格納されている。
【0026】
第2の開動作回数データ12D2が寿命閾値回数以上であると、制御部11は、開閉指示報知部7の保守時期報知用発光素子7Lを点灯させ(ステップ104)、その後、長押し指示信号の有効モードを設定して(ステップ105)、図3の処理ルーチンを終了する。なお、例えば、当該スラットシャッター1のユーザ向けの説明書などに、保守時期報知用発光素子7Lの点灯が、当該スラットシャッター1の寿命時期を表していることを記載しておく。
【0027】
これに対して、第2の開動作回数データ12D2が寿命閾値回数より小さいと、制御部11は、第1の開動作回数データ12D1が保守要求閾値回数以上であるか否かを判定する(ステップ106)。ここで、保守要求閾値回数とは、保守を行った方が良いと判定できる、前回の保守時点からの開閉回数(例えば、2,000回)をいい、記憶部12に格納されている。
【0028】
第1の開動作回数データ12D1が保守要求閾値回数以上であると、制御部11は、開閉指示報知部7の保守時期報知用発光素子7Lを点滅させ(ステップ107)、その後、長押し指示信号の有効モードを設定して(ステップ108)、図3の処理ルーチンを終了する。なお、例えば、当該スラットシャッター1のユーザ向けの説明書などに、保守時期報知用発光素子7Lの点滅が、当該スラットシャッター1の保守時期を表していることを記載しておく。
【0029】
これに対して、第1の開動作回数データ12D1が保守要求閾値回数より小さいと、制御部11は、図3に示す処理ルーチンを終了させる。
【0030】
以上のような処理により、通常開指示信号の発生回数に基づき、言い換えると、スラット3の開動作回数に基づき、適宜、当該スラットシャッター1の寿命時期や保守時期をユーザなどに報知することができる。
【0031】
次に、長押し開指示信号が与えられた際の制御部11の制御動作を、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
制御部11は、開閉指示報知部インタフェース13を介して長押し開指示信号が与えられると、図4に示す処理ルーチン(記憶部12に格納されている)を開始し、まず、長押し指示信号の有効モードが設定されているか否かを判定する(ステップ150)。
【0033】
長押し指示信号の有効モードが設定されていないと、制御部11は、上述した図3に示す処理ルーチンのステップ101の処理にジャンプさせる(ステップ151)。すなわち、長押し開指示信号を通常開指示信号として扱い、長押し指示信号の有効モードが設定されていないときに、通常開指示信号が与えられたときの動作を実行させる。
【0034】
これに対して、長押し指示信号の有効モードが設定されていると、制御部11は、開閉機インタフェース11を介して開閉機5を開駆動させ、スラット3を開動作させて(ステップ152)、図4の処理ルーチンを終了する。
【0035】
以上のように、図3及び図4の処理により、長押し指示信号の有効モードでは、長押し開指示信号の到来によりスラット3を開動作させることができ、通常開指示信号の到来ではスラット3を開動作させることができない。そのため、操作の不便を感じ、ユーザは保守を求めるようになると思われる。
【0036】
なお、フローチャートの図示は省略するが、長押し指示信号の有効モードでは、閉指示信号の到来でも、同様な処理を行う。すなわち、長押し閉指示信号の到来によりスラット3を閉動作させるが、通常閉指示信号の到来ではスラット3を閉動作させない。
【0037】
一方、フローチャートの図示は省略するが、長押し指示信号の有効モードでも、停止指示信号については、長押し停止指示信号の到来でも通常停止指示信号の到来でも、スラット3を停止動作させる。
【0038】
次に、保守終了信号が与えられた際の制御部11の制御動作を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0039】
制御部11は、開閉指示報知部インタフェース13を介して保守終了信号が与えられると、図5に示す処理ルーチン(記憶部12に格納されている)を開始する。例えば、長押し開指示信号及び長押し閉指示信号の同時到来を、保守終了信号の到来と扱う。
【0040】
制御部11は、図5に示す処理ルーチンを開始するとまず、長押し指示信号の有効モードが設定されているか否かを判定する(ステップ200)。
【0041】
長押し指示信号の有効モードが設定されていない場合には、既に、保守終了時の処理が実行されているので、制御部11は、図5に示す処理ルーチンを直ちに終了する。
【0042】
これに対して、長押し指示信号の有効モードが設定されている場合には、制御部11は、長押し指示信号の有効モードを解除し、第1の開動作回数データ12D1を0クリアさせ、開閉指示報知部7の保守時期報知用発光素子7Lを消灯させ(ステップ201〜203)、その後、図5に示す処理ルーチンを終了する。
【0043】
なお、寿命報知に対しては、スラットシャッター1全体の交換で応じることもでき、また、開閉機5やスラット3の交換で応じることができる。後者の場合には、制御盤6などを、従前からのものをそのまま使用できる。この場合には、交換作業者などは、交換完了信号を発生させる。例えば、長押し開指示信号、長押し閉指示信号及び長押し停止指示信号の同時発生を、交換完了信号とする。
【0044】
フローチャートの図示は省略するが、交換完了信号が与えられた際も、制御部11は、保守終了信号が与えられたときと同様な制御動作を行う。すなわち、長押し指示信号の有効モードが設定されていることを確認した後、長押し指示信号の有効モードを解除し、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2を0クリアさせ、開閉指示報知部7の保守時期報知用発光素子7Lを消灯させる。
【0045】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態の開閉装置によれば、通常開指示信号の発生回数に基づき、適宜、当該スラットシャッター1の保守時期や寿命時期をユーザなどに認識させることができる。
【0046】
また、第1の実施形態によれば、保守時期や寿命時期の報知動作後では、スラット3の開動作及び閉動作はスイッチの長押しを条件とするようにしたので、ユーザは操作の不便を感じ、保守サービス員を呼ぶことになる。すなわち、長押しが保守サービス員の招聘のトリガとなっている。
【0047】
(A−4)第1の実施形態の変形実施形態
上記説明では、開指示信号(通常開指示信号)の発生回数に基づき、保守時期や寿命時期の報知タイミングを捉えるものを示したが、開指示信号に代え、又は、開指示信号に加え、閉指示信号若しくは停止指示信号の発生回数も利用するようにしても良い。
【0048】
また、上記説明では、制御盤6に直接接続されている開閉指示報知部7からの開指示信号の発生回数を監視するものを示したが、リモコン受信機能をも有するシャッターであれば、リモコン受信機能部からの開指示信号の発生回数も併せて監視すれば良い。すなわち、スラット3の開動作数を監視すれば良い。
【0049】
なお、スラット3の開動作や閉動作のみをリモコン送信機によってのみ指示できるものであれば、開指示信号の発生回数の監視、保守時期の報知機能等を全てリモコン送信機に持たせるようにしても良い。
【0050】
第1及び第2の開動作回数データも、通常開指示信号だけでなく、長押し開指示信号によってもインクリメントさせるようにしても良い。例えば、第1及び第2の開動作回数データの表示要求に応じて、回数データを表示させる場合には、このような方法が有効に機能する。
【0051】
さらに、上記説明では、寿命閾値回数や保守要求閾値回数を装置が固定的に記憶している場合を示したが、保守サービス員等が任意に設定し得るようにしても良い。また、保守要求閾値回数(や寿命閾値回数)を装置が固定的に記憶している場合であっても、保守要求回数(や交換要求回数)に応じ、次の保守要求閾値回数(や寿命閾値回数)を変更(一般的には減少)させるようにしても良い。
【0052】
さらにまた、上記説明では、保守時期や寿命時期を保守時期報知用発光素子7Lの点滅や点灯で報知するものを示したが、他の報知方法を適用しても良い。例えば、ブザー等による音響的な報知や、スピーカからの音声メッセージでの報知でも良い。また、表示装置を利用した文字列メッセージなどの表示でも良く、さらに、印刷装置を利用した文字列メッセージ等の印刷であっても良い。なお、通信方法を利用した報知については、第2の実施形態で説明する。
【0053】
なお、ユーザなどの報知要求に応じ、その時点での第1及び第2の開動作回数データなどを報知するようにしても良い。
【0054】
また、保守時期報知用発光素子7Lの点滅や点灯で報知する場合も、所定時間(例えば、5秒間)だけ点滅又は点灯させるようにしても良い。この場合は、報知条件を満たすようになった以降の開動作の指示毎に、所定時間の点滅又は点灯を実行すれば良い。
【0055】
また、上記説明では、保守時期や寿命時期の判定用閾値回数と、長押し指示信号の設定モードにするための判定用閾値回数とが同一であるものを示したが、これらの閾値回数を異なるようにさせても良い。例えば、保守時期の報知後、通常開指示信号が所定回数生じた後に長押し指示信号の設定モードにするようにしても良い。
【0056】
このような場合などにおいて、長押し指示信号の設定モードが有効になったことを報知するようにしても良い。
【0057】
また、長押し指示信号の設定モードが有効になっているときには、長押し指示信号の履歴情報(発生時刻など)を記憶し、報知するようにしても良い。この際の報知は、外部から要求があったときでも、格納した情報数が所定数になったときでも、また、外部への報知では直ちにでも良い。この報知の後、さらに、操作性を悪化させても良い。
【0058】
また、長押し指示信号の設定モードを適用するか否かを選択可能としても良い。この際、開閉動作の動作種類毎に、長押し指示信号の設定モードを適用するか否かを選択可能としても良い。
【0059】
さらに、長押し指示信号の設定モードへの移行条件を、開動作や閉動作などの動作種類に変更しても良い。
【0060】
なお、保守時期や寿命時期の報知に関連した操作性の悪化方法は、長押しに限定されず、他の方法であっても良い。開動作の指示を例に他の方法を挙げれば、開指示スイッチの2度押しや、開指示スイッチ及び停止指示スイッチの同時押しなどを挙げることができる。
【0061】
操作性の悪化も段階的にしても良く、段階によって、適用する動作種類を変更するようにしても良い。
【0062】
また、例えば、閾値回数を複数段階に分け、保守時期がまもなく来ることや、保守時期になったことなど、段階的な報知を行うようにしても良い。
【0063】
なお、長押し指示信号の設定モードを設けなくても、保守時期や寿命時期の報知機能による効果は有効に機能する。
【0064】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による開閉装置をスラットシャッターに適用した第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0065】
(B−1)第2の実施形態の構成
図6は、第2の実施形態のスラットシャッターの構成、主として電気的構成を示す概略構成図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
【0066】
第2の実施形態のスラットシャッター1Aは、保守時期や寿命時期の報知のためなどに、制御部11の制御下で、図示しない保守管理センタ装置と通信を行う通信部15を備えている。
【0067】
通信部15は、保守管理センタ装置との通信を行うことができるものであれば、その具体的構成は問われないものである。通信部15として、例えば、PHS電話端末や携帯電話端末での通信構成を適用することができる。
【0068】
図示しない保守管理センタ装置は、例えば、入力装置や出力装置などを有する通信機能に対応できる一般的なコンピュータ装置で構成されており、複数のスラットシャッター1Aの状況を管理するものである。
【0069】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、通常開指示信号が与えられた際の第2の実施形態の制御部11の制御動作を、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0070】
制御部11は、通常開指示信号が与えられると、図7に示す処理ルーチンを開始し、まず、長押し指示信号の有効モードが設定されているか否かを判定する(ステップ250)。
【0071】
長押し指示信号の有効モードが設定されていると、制御部11は、直ちに、図7に示す処理ルーチンを終了させる。これに対して、長押し指示信号の有効モードが設定されていないと、制御部11は、開閉機インタフェース11を介して開閉機5を開駆動させ、スラット3を開動作させた後(ステップ251)、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2をそれぞれ1インクリメントさせる(ステップ252)。
【0072】
そして、第2の開動作回数データ12D2が寿命閾値回数以上であるか否かを判定する(ステップ253)。第2の開動作回数データ12D2が寿命閾値回数以上であると、制御部11は、通信部15を介して、図示しない保守管理センタ装置に寿命時期の到来を通知すると共に、開閉指示報知部7の保守時期報知用発光素子7Lを点灯させ(ステップ254、255)、その後、長押し指示信号の有効モードを設定して(ステップ256)、図7の処理ルーチンを終了する。
【0073】
これに対して、第2の開動作回数データ12D2が寿命閾値回数より小さいと、制御部11は、第1の開動作回数データ12D1が保守要求閾値回数以上であるか否かを判定する(ステップ257)。第1の開動作回数データ12D1が保守要求閾値回数以上であると、制御部11は、通信部15を介して、図示しない保守管理センタ装置に保守時期の到来を通知すると共に、開閉指示報知部7の保守時期報知用発光素子7Lを点滅させ(ステップ258、259)、その後、長押し指示信号の有効モードを設定して(ステップ260)、図7の処理ルーチンを終了する。
【0074】
これに対して、第1の開動作回数データ12D1が保守要求閾値回数より小さいと、制御部11は、図7に示す処理ルーチンを終了させる。
【0075】
以上のような処理により、通常開指示信号の発生回数に基づき、言い換えると、スラット3の開動作回数に基づき、適宜、当該スラットシャッター1の寿命時期や保守時期を保守管理センタ装置に通知することができる。第2の実施形態の場合、保守時期報知用発光素子7Lの点滅や点灯は、主として、長押し指示信号の設定モードへの移行をユーザに報知する意味を有し、保守の必要性の報知は通信によっている。長押し指示信号の設定モードを用意していない開閉装置であれば、保守時期報知用発光素子7Lを省略することができる。
【0076】
なお、この第2の実施形態においても、長押し指示信号の設定モードにおいて長押し開指示信号や長押し閉指示信号が生じたときの動作や、保守終了信号や交換完了信号が生じたときの動作は、第1の実施形態と同様である。
【0077】
次に、保守管理センタ装置から現状報告要求が到来した際の制御部11の制御動作を、図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0078】
制御部11は、通信部15から、現状報告要求が到来したことが通知されると、図8に示す処理ルーチンを開始する。そして、記憶部12から、そのときの第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2を取り出し(ステップ300)、これら第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2を含む報告情報を形成して通信部15を介して保守管理センタ装置に返信し(ステップ301、302)、図8に示す処理ルーチンを終了する。
【0079】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態の開閉装置によっても、通常開指示信号の発生回数に基づき、適宜、当該スラットシャッター1Aの保守時期や寿命時期をユーザや保守管理センタなどに認識させることができる。ここで、保守管理センタに直接報知しているので、保守などの対応が迅速に実行されることが期待できる。なお、保守時期や寿命時期の報知を受けて、自動的に作業者の割当てや作業日の決定などを保守管理センタ装置が行うようにすれば、保守などの対応がより迅速化される。
【0080】
また、第2の実施形態によれば、保守管理センタ側から、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2を取り出させるので、保守管理センタ側において、保守時期などを予測することができ、保守日の割当や部品の取り寄せなどの準備作業などを適宜実行することができる。
【0081】
(B−4)第2の実施形態の変形実施形態
上記第1の実施形態の変形実施形態として挙げたもののうち、いくつかは、そのまま第2の実施形態の変形実施形態となっている。
【0082】
上記説明では、保守管理センタ装置からの現状報告要求の到来により、スラットシャッター1A(制御部11)が、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2を含む報告情報を保守管理センタ装置を送信するものを示したが、スラットシャッター1A(制御部11)が、内蔵するタイマの計時を利用して、定期的(例えば1週間)に第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2を含む報告情報を保守管理センタ装置に送信するようにしても良い。
【0083】
また、通常開指示信号が所定回数(例えば10回)だけ生じる毎に、スラットシャッター1A(制御部11)が、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2を含む報告情報を自動的に保守管理センタ装置に送信するようにしても良い。
【0084】
上記説明では、スラットシャッター1A(制御部11)が保守時期や寿命時期を判定するものを示したが、保守管理センタ装置が、スラットシャッター1A(制御部11)が自律的に送信した報告情報や、現状報告要求の返信として受信した報告情報に基づいて、保守時期や寿命時期などを判定するようにしても良い。
【0085】
また、上記説明では、スラットシャッター1A(制御部11)から保守管理センタ装置に送信する情報が、保守時期や寿命時期の到来や、第1及び第2の開動作回数データ12D1及び12D2などであったが、他の情報であっても良い。例えば、開指示信号などが生じる毎に又は開動作が実行される毎に、その発生日時などのジャーナルを記憶しておき、そのジャーナルを保守管理センタ装置に送信するようにしても良い。また例えば、スラットシャッター1Aに各種の故障検出センサを設け、故障発生時にそのことを保守管理センタ装置に送信するようにしても良い。
【0086】
なお、このような他の情報について、上述した第1の実施形態のシャッターのような開閉装置単体でも、その報知動作(表示や印刷)を実行できるようにしても良い。
【0087】
また、保守時期や寿命時期の判定用閾値回数を、保守管理センタ装置が通信により任意に設定、更新し得るようにしても良い。
【0088】
(C)他の実施形態
本発明を適用し得る開閉装置は、シャッターに限定されず、ドア、オーバーヘッドドア、窓、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置などの各種の開閉装置に適用し得るものである。
【0089】
上記各実施形態のシャッターは、動作回数が閾値以上になったことを報知条件としたが、逆に、動作回数が閾値以下になったことや閾値以下であることを報知条件としても良い。例えば、防火シャッターについて、半年毎に点検が義務付けられている場合において、6ヶ月を経過しても閉動作が0回であれば報知するようにしても良く、また、6ヶ月経過後の該当日より1、2ヶ月だけ前の日において、閉動作が0回であれば点検喚起のために報知するようにしても良い。
【0090】
以上のような所定期間毎に報知判断するという方法は、防火シャッター以外の場合にも適用可能である。
【0091】
上記説明においても、動作履歴情報を種々説明したが、さらに、以下に例示する情報を挙げることができる。
【0092】
開閉体の開閉方向そのものを報知対象としても良い。この場合には、例えば、夜間での不法者の進入に有効である。
【0093】
また、動作履歴情報が、開閉方向毎、又は、方向を問わない、開閉体の移動距離又はその積算距離であっても良い。例えば、ブラインドの場合には、全閉、全開の他、任意の量だけ開放されることが多いので、距離を報知判断のパラメータにすることは有効である。
【0094】
さらに、動作履歴情報が、開閉方向毎、又は、方向を問わない、開閉体の移動時間又はその積算時間や、開閉体の停止時間、全閉時間、全開時間又はその積算時間などであっても良い。
【0095】
さらにまた、動作履歴情報に係る動作は、開動作、閉動作、停止動作に限定されず、施錠や解錠、障害物感知回数、ブラインドシャッターにおけるスラットの回動動作などであっても良い。また、開閉体の直接動作だけでなく、開閉体の動作に間接的に関係する動作であっても良い。例えば、モータや巻き取りシャフトなどの回転数を動作履歴情報としても良い。特許請求の範囲における「開閉体の動作内容」の用語は、このような間接的な動作に係るものをも含んでいる。
【0096】
【発明の効果】
以上のように、本発明の開閉装置によれば、開閉体の動作内容を検出し、動作履歴情報を更新記憶する情報記憶手段と、動作履歴情報が所定条件を満足するとき、又は、外部からの要求により、動作履歴情報又はその加工情報を報知する情報報知手段とを有するので、保守時期などの開閉体の使用に関連する情報をユーザなどが容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のスラットシャッターの要部構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の開閉指示報知部の正面図である。
【図3】第1の実施形態の通常開指示信号の発生時の処理を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の長押し開指示信号の発生時の処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態の保守終了信号の発生時の処理を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態のスラットシャッターの要部構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態の通常開指示信号の発生時の処理を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態の保守管理センタ装置からの現状報告要求の到来時の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1、1A…スラットシャッター、3…スラット、5…開閉機、6…制御盤、7…開閉指示報知部、11…制御部、12…記憶部、15…通信部。
Claims (3)
- 開口部を開閉体によって開閉する開閉装置において、
上記開閉体の動作内容を検出し、上記開閉体の開動作、閉動作、停止動作、施錠動作及び又は解錠動作などの開閉体動作回数を表す数値パラメータを更新記憶する情報記憶手段と、
上記数値パラメータが閾値以上又は以下であるとき、上記数値パラメータ又はその加工情報を報知する情報報知手段と、
上記情報報知手段が、報知したとき又はそれ以降において、それ以前より、煩雑な指示操作による動作指示信号だけを許容する操作性変更手段とを有し、
上記数値パラメータとして、当該開閉装置の全体若しくは構成部材の寿命判別用の第1の数値パラメータと、当該開閉装置の保守時期判別用の第2の数値パラメータとを適用すると共に、上記閾値として、当該開閉装置の全体若しくは構成部材の寿命判別用の第1の閾値と、当該開閉装置の保守時期判別用の第2の閾値とを適用し、上記情報報知手段は、上記第1の数値パラメータが上記第1の閾値以上のときと、上記第2の数値パラメータが上記第2の閾値以上のときとで異なる態様で報知する
ことを特徴とする開閉装置。 - 上記操作性変更手段が許容する動作指示信号を生じさせる煩雑な指示操作は、上記操作性変更手段が許容しない動作指示信号を生じさせる煩雑でない指示操作に比較し、動作指示用の操作スイッチに対する押下時間が長い操作であることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
- 上記情報報知手段が、当該開閉装置の外部装置へ通信により報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉装置。
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