JP4525892B2 - Soiウェーハの製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子デバイス作製用ウェーハであるSOIウェーハの製造方法に関し、特にデバイス動作に悪影響を及ぼす重金属不純物を除去するためのゲッタリング層を有するSOIウェーハの製造方法に関する。
半導体集積回路等のデバイスを作製するための半導体ウェーハとしては、主にCZ法によって育成されたシリコン単結晶ウェーハが用いられている。このウェーハ上にデバイスを形成する際、p−nジャンクションや絶縁体を形成することにより各素子間の分離を行っている。しかし近年、素子分離用絶縁体を予めウェーハ内に形成しておく構造のウェーハが使われるようになってきた。この代表的なものがSOI(Silicon on insulator)ウェーハである。SOIウェーハの具体的構造はウェーハの深さ方向に対して、表層のシリコン単結晶層(SOI層)の下に酸化膜等の絶縁体層(埋め込み酸絶縁層)をはさみ、その下部にまたシリコン単結晶層(支持基板)をもつ三層構造になっている。
このSOIウェーハの製法には大きく分けて、二種類の方法がある。第一の方法は、シリコン単結晶ウェーハの表層から酸素イオンを注入して高濃度酸素イオン注入層を形成し、その後の熱処理にて二つのシリコン単結晶層間にシリコン酸化膜を形成する、いわゆるSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)である。第二の方法は、少なくとも一方のシリコン単結晶ウェーハの表面に熱酸化等の方法で酸化膜を形成し、その酸化膜と新たに用意したシリコン単結晶ウェーハを貼り合わせた後、一方のウェーハを薄膜化することによりSOI層を形成する、いわゆる貼り合わせSOIウェーハである。
一方、デバイス動作に悪影響を及ぼす重金属不純物はシリコン単結晶ウェーハを電子デバイス作製用基板として用いる場合に問題とされており、その除去法としてのゲッタリング技術も様々な方法にて開発が進められてきている。これら重金属不純物がデバイスに与える影響については、SOIウェーハを電子デバイス作製用基板として用いる場合にも問題であり、様々な工夫が施されている。具体的には、後に作製される電子デバイスは表層単結晶層(SOI層)に形成されるため、このSOI層中の金属を除去するため、SOI層直下、または絶縁酸化膜直下、絶縁酸化膜下の基板全体、SOIウェーハ全体の裏面などに、シリコン単結晶ウェーハのゲッタリング技術として培われたあらゆる手法が適用されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
しかし、近年、酸化膜中の金属の物性が明らかになってきており、従来の手法ではSOIウェーハを電子デバイス用として使用する際の問題となる重金属除去の立場において、全く対処できない場合があることがわかってきた。具体的には、SOI構造にFeが混入した場合である。酸化膜中のFeの固溶度は単結晶シリコン中のFeの固溶度と比較し、1000℃で7桁以上高く、1000℃より低温ではその差はさらに広がることが報告されている(非特許文献1)。
そのため、SOI構造中にFeが混入すると、従来のいかなるゲッタリング手法、例えば、裏面poly−Si膜、高濃度ホウ素添加層(基板)、サンドブラストなどによる結晶歪み層、酸素析出物を高密度に含む層(基板)などを付加しても、Feをゲッタリング層へ移動させることはできない。何故なら、これらのゲッタリング手法では、ゲッタリング領域におけるFeの固溶度がシリコン酸化膜と比して低いため、同一系内によりFeの高固溶を可能たらしめる層、すなわちシリコン酸化膜などが存在すれば、そのシリコン酸化膜中にFeが存在する方が安定なため、そちらに移動することになる。これが偏析固溶の機構であり、従来の偏析型ゲッタリング手法(例えば、裏面poly−Si膜など)はシリコン酸化膜よりは弱いものの、この現象を利用したものである。
これらの事情から、通常考えうるSOIウェーハへのFeの混入は、SOIウェーハの埋め込み絶縁層(埋め込み酸化膜)中へのFeの高濃度固溶を意味し、埋め込み酸化膜の絶縁性を著しく悪化させ、ひいてはSOI層に形成される電子デバイスの特性も著しく悪化させることになり、問題である。
特開平6−275525 特開平9−326396 D.A.Ramappa et al.;J.Electrochem.Soc.146(10)(1999)3773−3777
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、SOIウェーハに混入した金属不純物がシリコン酸化膜(埋め込み酸化膜)に存在することを防ぐことができ、またシリコン酸化膜を汚染した金属不純物をSOI層を汚染することなく除去できる能力をもつSOIウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
SOIウェーハ内の埋め込み酸化膜に不純物が偏析する理由は、他の層と比して高固溶度だからである。言い換えれば、金属不純物の存在しうる系内で、最も安定して存在しうる層が埋め込み酸化膜だからである。本発明はその点を考慮してなされたもので、埋め込み酸化膜から不純物を除去し、しかも、除去後に再放出が起こらないよう安定に存在させるために、埋め込み酸化膜よりさらに高固溶度の別層(高融点金属膜及び/又は高融点金属酸化膜)を埋め込み酸化膜の下部(SOI層とは反対側)に設けるところに特徴がある。
そのような高融点金属としては、融点が1200℃以上、好ましくはシリコンの融点以上、より好ましくは1500℃以上であり、かつ高融点金属そのものがシリコン単結晶ウェーハ中で不純物とならないように、シリコン中における溶解度が低く、かつ拡散の遅い元素が好ましい。具体的には、例えばTi,Ta,V,Pd,Zr,及びWなどの高融点金属膜やその金属酸化膜を挙げることができる。これらの高融点金属のうち、Ti又はTaが特に好適である。これらの層は、少なくともパーセントオーダーの金属固溶度を有すものが多く、場合によっては全率固溶するものもある。従って、これら金属やその酸化膜をSOI構造中に配置することによって、埋め込み酸化膜中の不純物除去という目的が達成できる。
本SOIウェーハの第1の態様は、ベースウェーハと表面に設けられたSOI層とを有するSOIウェーハであって、該ベースウェーハ上に、少なくとも高融点金属膜、及びシリコン酸化膜、SOI層が順次積層された構造を有することを特徴とする。上記高融点金属膜とシリコン酸化膜との間に、さらに高融点金属酸化膜を設ける構成とすることもできる。上記高融点金属膜としてはTi,Ta,V,Pd,Zr,及びWからなる群から選択された1種又は2種以上の金属の膜が好適に用いられる。
本SOIウェーハの第2の態様は、ベースウェーハと表面に設けられたSOI層とを有するSOIウェーハであって、該ベースウェーハ上に、少なくとも高融点金属酸化膜、シリコン酸化膜、及びSOI層が順次積層された構造を有することを特徴とする。上記高融点金属酸化膜としてはTi,Ta,V,Pd,Zr,及びWからなる群から選択された1種又は2種以上の金属の酸化膜が好適に用いられる。上記ベースウェーハとしてはシリコン単結晶ウェーハを用いることができる。
本発明のSOIウェーハの製造方法の第1の態様は、第1のシリコン単結晶ウェーハの表面に高融点金属膜を形成する工程と、第2のシリコン単結晶ウェーハの表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記高融点金属膜と前記シリコン酸化膜を介して前記第1のシリコン単結晶ウェーハと前記第2のシリコン単結晶ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成する工程と、前記貼り合わせウェーハの前記第2のシリコン単結晶ウェーハを薄膜化してSOI層を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明のSOIウェーハの製造方法の第2の態様は、第1のシリコン単結晶ウェーハの表面に高融点金属膜を形成する工程と、前記高融点金属膜の表面に高融点金属酸化膜をさらに形成する工程と、第2のシリコン単結晶ウェーハの表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、該高融点金属酸化膜と前記シリコン酸化膜を介して前記第1のシリコン単結晶ウェーハと前記第2のシリコン単結晶ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成する工程と、前記貼り合わせウェーハの前記第2のシリコン単結晶ウェーハを薄膜化してSOI層を形成する工程とを有することを特徴とする。上記高融点金属膜としてはTi,Ta,V,Pd,Zr,及びWからなる群から選択された1種又は2種以上の金属の膜が好適に用いられる。
本発明のSOIウェーハの製造方法の第3の態様は、第1のシリコン単結晶ウェーハの表面に高融点金属酸化膜を形成する工程と、第2のシリコン単結晶ウェーハの表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記高融点金属酸化膜と前記シリコン酸化膜を介して前記第1のシリコン単結晶ウェーハと前記第2のシリコン単結晶ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成する工程と、前記貼り合わせウェーハの前記第2のシリコン単結晶ウェーハを薄膜化してSOI層を形成する工程とを有することを特徴とする。上記高融点金属酸化膜としてはTi,Ta,V,Pd,Zr,及びWからなる群から選択された1種又は2種以上の金属の酸化膜が好適に用いられる。
本発明のSOIウェーハは、SOIウェーハに混入した金属不純物が絶縁性シリコン酸化膜に存在することを防ぐことができ、また絶縁性シリコン酸化膜を汚染した金属不純物をSOI層を汚染することなく除去することができる。本発明のSOIウェーハの製造方法によれば、本発明のSOIウェーハを効率よく製造することができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
図1は本SOIウェーハの第1の構造例を示す断面的模式図である。図1において、10aは本SOIウェーハで、ベースウェーハ12上に、高融点金属膜14、シリコン酸化膜16及びSOI層18が順次積層された構造を有している。このようにシリコン酸化膜(埋め込み酸化膜)16よりさらに高固溶度の高融点金属膜14を該シリコン酸化膜16の下部側に設けることによって、シリコン酸化膜16から不純物を高融点金属膜14によって除去し、しかも除去した不純物が高融点金属膜14から再放出しない構造とすることができる。
本SOIウェーハの構造としては図1に示した以外の態様を採用することも可能であり、さらに説明する。図2は本SOIウェーハの第2の構造例を示す断面的模式図である。図2において、10bは本SOIウェーハで、ベースウェーハ12上に、高融点金属膜14、高融点金属酸化膜15、シリコン酸化膜16及びSOI層18が順次積層された構造を有している。つまり、図2の構造は、図1の構造において、高融点金属膜14とシリコン酸化膜16との間に、さらに高融点金属酸化膜15を設けるようにしたものである。図2の構造においてもシリコン酸化膜16よりさらに高固溶度の高融点金属膜14及び高融点金属酸化膜15がシリコン酸化膜16の下部側に設けられており、図1の構造と同様に、シリコン酸化膜16から不純物を高融点金属膜14及び高融点金属酸化膜15によって除去し、除去した不純物が高融点金属膜14及び高融点金属酸化膜15から再放出しないようにすることができる。
図3は本SOIウェーハの第3の構造例を示す断面的模式図である。図3において、10cは本SOIウェーハで、ベースウェーハ12上に、高融点金属酸化膜15、シリコン酸化膜16及びSOI層が順次積層された構造を有している。図3の構造においても、シリコン酸化膜16よりさらに高固溶度の高融点金属酸化膜15がシリコン酸化膜16の下部側に設けられており、図1及び図2の構造と同様に、シリコン酸化膜16から不純物を高融点金属酸化膜15によって除去し、除去した不純物が高融点金属酸化膜15から再放出しないようにすることができる。
続いて、本発明のSOIウェーハの製造方法について説明する。図4は本発明のSOIウェーハの製造方法の工程順の第1の例(上述した本発明のSOIウェーハ10aの製造工程)を示すフローチャート、図5は図4の工程順の模式図である。まず、第1シリコン単結晶ウェーハ(ベースウェーハ)12及び第2シリコン単結晶ウェーハ(ボンドウェーハ)13を用意する〔図4のステップ100及び100a、図5(a1)及び(a2)〕。ついで、第1シリコン単結晶ウェーハ12表面に高融点金属膜14を形成する〔図4のステップ102、図5(b1)〕。第2シリコン単結晶ウェーハ13表面にシリコン酸化膜16を形成する〔図4のステップ102a、図5(b2)〕。そして、上記高融点金属膜14とシリコン酸化膜16を介して上記第1シリコン単結晶ウェーハ12と第2シリコン単結晶ウェーハ13とを貼り合わせる〔図4のステップ104、図5(c)〕。貼り合わせたウェーハの第2シリコン単結晶ウェーハ13を薄膜化してSOI層18を形成し〔図4のステップ106、図5(d)〕、図1に示した構造のSOIウェーハ10aを完成する(図4ステップ108)。
図6は本発明のSOIウェーハの製造方法の工程順の第2の例(上述した本発明のSOIウェーハ10bの製造工程)を示すフローチャート、図7は図6の工程順の模式図である。図6及び図7の工程順においては、第1シリコン単結晶ウェーハ12表面に高融点金属膜14を形成し〔図6のステップ102、図7(b1)〕、ついでその高融点金属膜14の表面にさらに高融点金属酸化膜15を形成し〔図6のステップ103、図7(b3)〕、上記高融点金属酸化膜15とシリコン酸化膜16を介して上記第1シリコン単結晶ウェーハ12と第2シリコン単結晶ウェーハ13とを貼り合わせる〔図6のステップ104a、図7(c)〕点を除いて、図4及び図5の工程順と同様であるので再度の説明は省略する。図6及び図7の製造工程によれば図2に示した構造のSOIウェーハ10bが得られる。
図8は本発明のSOIウェーハの製造方法の工程順の第3の例(上述した本発明のSOIウェーハ10cの製造工程)を示すフローチャート、図9は図8の工程順の模式図である。図8及び図9の工程順においては、第1シリコン単結晶ウェーハ12表面に高融点金属酸化膜15を形成し〔図8のステップ102b、図9(b3)〕、ついで上記高融点金属酸化膜15とシリコン酸化膜16を介して上記第1シリコン単結晶ウェーハ12と第2シリコン単結晶ウェーハ13とを貼り合わせる〔図8のステップ104b、図9(c)〕点を除いて、図4及び図5の工程順と同様であるので再度の説明は省略する。図8及び図9の製造工程によれば図3に示した構造のSOIウェーハ10cが得られる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(実施例1〜3及び比較例1)
CZ法により、直径8インチ、初期酸素濃度14ppma(JEIDAスケール)、方位<100>の結晶棒を、通常の引き上げ速度(1.2mm/min)で引き上げた。この結晶棒をスライス、ラップ、エッチング、鏡面研磨等の加工を行い、一方の面(表面)が鏡面のシリコン単結晶ウェーハを4枚作製した。
これらのウェーハ(第1のシリコン単結晶ウェーハ又はベースウェーハ)のうちの2枚のウェーハの鏡面には、スパッタリング法によりチタン膜を形成し、1枚のウェーハの鏡面にはチタン酸化膜を形成した。さらに、上記チタン膜を形成した2枚のウェーハから1枚を抜き取り、酸化性雰囲気で熱処理することによりチタン膜の表面にチタン酸化膜を形成し、上記2種類のウェーハとあわせて合計3種類のウェーハを作製した。
また、上記のシリコン単結晶ウェーハと同一条件で作製されたウェーハ4枚を別途用意し、これらのウェーハ(第2のシリコン単結晶ウェーハ又はボンドウェーハ)に1000℃、120分で酸素雰囲気の熱処理を施し、表面に100nmのシリコン酸化膜を形成した。
上記のチタン膜及び/又はチタン酸化膜が表面(鏡面側)に形成された3種類のウェーハのそれぞれに対し、別途用意した酸化膜付きウェーハの鏡面側を密着させ、1100℃、120分の結合熱処理を酸素雰囲気にて施した。こうしてシリコン単結晶/シリコン酸化膜/チタン膜/シリコン単結晶という構造(実施例1)と、シリコン単結晶/シリコン酸化膜/チタン酸化膜/シリコン単結晶という構造(実施例2)と、シリコン単結晶/シリコン酸化膜/チタン酸化膜/チタン膜/シリコン単結晶という構造(実施例3)をもつ貼り合わせウェーハを作製し、それぞれの第2のシリコン単結晶ウェーハをその裏面(鏡面ではない方の面)から研削・研磨により薄膜化し、最表層のシリコン単結晶層厚(SOI層厚)を10μmにした。
また、比較例用として前記したチタン膜及び/又はチタン酸化膜のない鏡面シリコン単結晶ウェーハ(第1のシリコン単結晶ウェーハ又はベースウェーハ)と、前記した酸化膜付きシリコン単結晶ウェーハ(第2のシリコン単結晶ウェーハ又はボンドウェーハ)を重ね、同様に1100℃、120分の結合熱処理を酸素雰囲気にて施した後、酸化膜付きウェーハをその裏面(鏡面ではない方の面)から研削・研磨により薄膜化し、最表層のシリコン単結晶層厚(SOI層厚)を10μmにした(比較例1)。
これら4種類(実施例1〜3の3種類、比較例1の1種類)のSOIウェーハのSOI層上にFeを4×1013cm-2の濃度で塗布した。続いて、1000℃、8時間の熱処理を施し、Feの汚染(拡散)を行った。その後、SOI層に残留したFe濃度をDLTS法で測定した。
その結果、チタン膜及び/又はチタン酸化膜層を含まない通常の三層構造のSOIウェーハ(比較例1)では、3×1011cm-3の濃度でFeが検出されたのに対し、チタン膜及び/又はチタン酸化膜層を含む3種類のSOIウェーハ(実施例1〜3)ではFeは検出されなかった。表面への初期塗布量からウェーハの深さ方向に均一にFeが分布したとすると、6×1014cm-3の濃度のFeが存在することになることから、実施例1〜3のいずれのSOIウェーハも表面SOI層からFeをある程度除けていることがわかる。
さらに表層SOI層をフッ化水素酸と硝酸の混合液によるエッチングで除去し、絶縁性シリコン酸化膜中Fe濃度を化学分析法にて測定したところ、チタン膜及び/又はチタン酸化膜を含まない通常の三層構造のSOIウェーハ(比較例1)では、4×1018cm-3の濃度でFeが検出された。この値は初期汚染したFeのほぼ全量が酸化膜中に存在していることを示す。つまり絶縁性シリコン酸化膜に全ての汚染されたFeを集めてしまった結果になり、酸化膜の絶縁性は著しく損なわれたことになる。一方、チタン膜及び/又はチタン酸化膜を含む構造のSOIウェーハ(実施例1〜3)では、Feは検出されなかった。
以上の結果から、チタン膜及び/又はチタン酸化膜を挟み込むことで、SOI層と絶縁性シリコン酸化膜層のどちらからもFeを除去できた。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、かつ同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、本発明において、SOIウェーハに挟み込む高融点金属膜及び/又は金属酸化膜は、チタンやチタン酸化膜に限定するものではなく、また酸化膜形成の手法を問われておらず、同様の効果が得られれば本発明の範囲に含まれる。
また、上記実施例においては、第2のシリコン単結晶ウェーハの薄膜化を研削・研磨により行ったが、第2のシリコン単結晶ウェーハの表面に形成したシリコン酸化膜を通して、第2のシリコン単結晶ウェーハの表層部に予め水素イオンを注入しておき、第1のシリコン単結晶ウェーハと貼り合わせた後、水素イオン注入層で剥離することにより薄膜化する、いわゆるスマートカット(登録商標)法によって第2のシリコン単結晶ウェーハの薄膜化を行うこともできる。
本SOIウェーハの第1の構造例を示す断面的模式図である。 本SOIウェーハの第2の構造例を示す断面的模式図である。 本SOIウェーハの第3の構造例を示す断面的模式図である。 本発明のSOIウェーハの製造方法の工程順の第1の例を示すフローチャートである。 図4の工程順の模式図である。 本発明のSOIウェーハの製造方法の工程順の第2の例を示すフローチャートである。 図6の工程順の模式図である。 本発明のSOIウェーハの製造方法の工程順の第3の例を示すフローチャートである。 図8の工程順の模式図である。
符号の説明
10a,10b,10c:本SOIウェーハ、12:第1のシリコン単結晶ウェーハ(ベースウェーハ)、13:第2のシリコン単結晶ウェーハ(ボンドウェーハ)、14:高融点金属膜、15:高融点金属酸化膜、16:シリコン酸化膜、18:SOI層。

Claims (5)

  1. 第1のシリコン単結晶ウェーハの表面に高融点金属膜を形成する工程と、第2のシリコン単結晶ウェーハの表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記高融点金属膜と前記シリコン酸化膜を介して前記第1のシリコン単結晶ウェーハと前記第2のシリコン単結晶ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成する工程と、前記貼り合わせウェーハの前記第2のシリコン単結晶ウェーハを薄膜化してSOI層を形成する工程とを有することを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  2. 第1のシリコン単結晶ウェーハの表面に高融点金属膜を形成する工程と、前記高融点金属膜の表面に高融点金属酸化膜をさらに形成する工程と、第2のシリコン単結晶ウェーハの表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、該高融点金属酸化膜と前記シリコン酸化膜を介して前記第1のシリコン単結晶ウェーハと前記第2のシリコン単結晶ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成する工程と、前記貼り合わせウェーハの前記第2のシリコン単結晶ウェーハを薄膜化してSOI層を形成する工程とを有することを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  3. 前記高融点金属膜がTi,Ta,V,Pd,Zr,及びWからなる群から選択された1種又は2種以上の金属の膜であることを特徴とする請求項またはに記載されたSOIウェーハの製造方法。
  4. 第1のシリコン単結晶ウェーハの表面に高融点金属酸化膜を形成する工程と、第2のシリコン単結晶ウェーハの表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、前記高融点金属酸化膜と前記シリコン酸化膜を介して前記第1のシリコン単結晶ウェーハと前記第2のシリコン単結晶ウェーハとを貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成する工程と、前記貼り合わせウェーハの前記第2のシリコン単結晶ウェーハを薄膜化してSOI層を形成する工程とを有することを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  5. 前記高融点金属酸化膜がTi,Ta,V,Pd,Zr,及びWからなる群から選択された1種又は2種以上の金属の酸化膜であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載されたSOIウェーハの製造方法。
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