JP4524649B2 - 大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置 - Google Patents

大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置 Download PDF

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本発明は、大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置に係わり、更に詳しくは既存の大部屋の病室を個室化するためのパネルシステムにおいて、パネルの適所に空気清浄機等の機器を取付けるための機器取付装置に関するものである。
従来、病院の大部屋病室は、廊下側の中央部に出入口があり、該出入口と対面する側には採光のための複数の窓を有し、その両側は構造壁で仕切られた構造が一般的であり、そして出入口から窓へ向かう通路となる共用空間を設け、その両側にベッドを取り囲むように設けられたカーテンで仕切られた個人用空間を設け、その空間内に構造壁側に頭が向くようにベッドが配置された形態が一般的であり、通常は4人部屋、あるいは6人部屋が多い。このような大部屋をカーテンのみで仕切った従来の個人用空間では、入院患者のプライバシーを確保することは殆ど不可能であるばかりでなく、他の患者に対する気遣いも必要であり、それが過度になると患者に心理的ストレスを生じさせたり、患者同士のトラブルの原因ともなり、お世辞にも快適な療養環境とは言えなかった。また、見舞い者や付添い人にとっても居心地が悪く、疲労感を増大させるものであった。
この改善策として、特許文献1には、病院の大部屋において左右で隣り合うベッドの間を床に設置するサイドパネルによって仕切り、前記各ベッドの頭部側には壁側パネルを設置すると共に、各ベッドの足元側は開閉可能なカーテンを配置した病院の大部屋に形成した個室が開示されている。ここで、前記サイドパネルに、前記ベッドを使用する患者の視野に入る部位に平面状画面のテレビ受像機、又は、該受像機の取付支持具を設けると共に、前記サイドパネル又は壁側パネルに前記ベッドに向けて人感知センサーを設ける点が開示されている。更に、パネルに積層タイプのブロックパネルを使用し、ブロックパネルの一部に光透過性のものを使用するか、又は、適宜の着色等を施したものを使用するか、若しくは、光透過性のパネルと着色等を施したパネルを使用する点、あるいはサイドパネル又は壁側パネルには、収納機能を有する収納壁ブロックを使用する点も開示されている。
一般的に、病室は患者の体臭やその他の物から発生した臭いがこもって不快である。特に、前述のようにパネルシステムによって、サイドパネルやカーテンで仕切って個室化した場合には、臭いのこもりはより顕著になると容易に想像できるが、前述の特許文献1には、その解決手段は開示されてない。
尚、特許文献2には、パネル面の一部を切欠いて形成された開口部を備えたパネルにおいて、前記開口部を挟むようにして前記パネルの裏面に少なくとも2個の取付けブラケットを固着し、該取付けブラケットに機器を取付けたパネルにおける機器取付構造が開示されている。ここで、前記パネルの裏面には係合部が設けられ、前記パネルは該係合部により機器設置部材に着脱自在に取付けられるのである。
しかし、この特許文献2に記載の構造は、パネル板の背面に空気清浄器(機器)を取付けるブラケットを固定するとともに、該パネル板にルーバー式開口部を設ける等の加工を施したものを用意し、そして通常のパネル板と同様に当該パネル板の背面両側に突設した係合部を間仕切パネルの両側部フレームの係合孔に係止して支持するものであるので、空気清浄機器の取付安定性に劣り、地震や不意にパネル板に上向きの力が働くとフレームから外れて落下する恐れもある。
特開2004−353416号公報(図1、図2) 実用新案登録第2571152号公報(図1、図2)
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、既存の大部屋の構造壁に沿って壁側パネルを設置するとともに、該壁側パネルに対して直角に単又は複数のサイドパネルを連結して設置し、該サイドパネルの遊端側に開閉可能なカーテンを配置して個室化するためのパネルシステムにおいて、壁側パネル又はサイドパネルに空気清浄機やフラットパネルディスプレイ等のオプション機器を、着脱可能で簡単且つ強固に取付けることができるとともに、外観性にも優れた大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、大部屋の構造壁に沿って壁側パネルを設置するとともに、該壁側パネルに対して直角に単又は複数のサイドパネルを連結して設置し、該サイドパネルの遊端側に開閉可能なカーテンを配置して個室化するためのパネルシステムにおいて、前記壁側パネル及びサイドパネルを、フレームに複数のパネル板を上下に着脱可能に配したブロックパネル構造とし、前記フレームの上横枠又は下横枠と、両縦枠間の上下中間部に横設した中横枠間、若しくは両縦枠間に上下に間隔を設けて横設した一対の中横枠間に、所定間隔で一対の補助縦枠を固定して取付空間を形成し、該取付空間内にオプション機器を配するとともに、両補助縦枠間に設けた支持部材にオプション機器を取付け、前記縦枠と補助縦枠との間に補助パネル板を着脱可能に取付けてなる大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置を構成した(請求項1)。
ここで、前記補助縦枠の前面を前記フレームの縦枠の前面と面一に設定するとともに、前記縦枠と補助縦枠の前面の同じ高さ位置に少なくとも上下二箇所にそれぞれ係合孔を形成し、前記補助パネル板の背面両側部の上下部に連結具を設け、該上下連結具で前記係合孔に嵌合係止して補助パネル板を着脱可能に取付けてなることが好ましい(請求項2)。
そして、前記中横枠又は下横枠に下部支持部材を取付けるとともに、その上方で両補助縦枠間に上部支持部材を取付け、前記オプション機器を上部支持部材と下部支持部材に連結してなることが好ましい(請求項3)。
また、前記両補助縦枠間の下部に横設した補助横枠に下部支持部材を取付けるとともに、その上方で両補助縦枠間に上部支持部材を取付け、前記オプション機器を上部支持部材と下部支持部材に連結してなることもより好ましい(請求項4)。
更に、前記オプション機器が、空気清浄機であることがより好ましい(請求項5)。
また、本発明は、フレームに複数のパネル板を上下に着脱可能に配したブロックパネル構造の間仕切パネルにおいて、前記フレームの上横枠又は下横枠と、両縦枠間の上下中間部に横設した中横枠間、若しくは両縦枠間に上下に間隔を設けて横設した一対の中横枠間に、所定間隔で一対の補助縦枠を固定して取付空間を形成し、前記補助縦枠の前面を前記フレームの縦枠の前面と面一に設定するとともに、前記縦枠と補助縦枠の前面の同じ高さ位置に少なくとも上下二箇所にそれぞれ係合孔を形成し、前記取付空間内にオプション機器を配するとともに、両補助縦枠間に設けた支持部材にオプション機器を取付け、前記補助パネル板の背面両側部の上下部に設けた上下連結具を前記縦枠と補助縦枠の係合孔に嵌合係止して、前記縦枠と補助縦枠との間に補助パネル板を着脱可能に取付けてなる間仕切パネルにおける機器取付装置を構成した(請求項6)。
以上にしてなる請求項1に係る発明の大部屋の個室化パネルシステムにおける大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置は、既存のブロックパネルのフレームを構成する上横枠又は下横枠と、両縦枠間の上下中間部に横設した中横枠間、若しくは両縦枠間に上下に間隔を設けて横設した一対の中横枠間に、所定間隔で一対の補助縦枠を固定して取付空間を形成し、両補助縦枠間に支持部材を設け、この取付空間内にオプション機器を配して支持部材に取付けるので、オプション機器を簡単且つ強固に取付けることができ、またオプション機器を取付けた空間以外の部位は、縦枠と補助縦枠との間に補助パネル板を着脱可能に取付けるので、その他のパネル板との外観性における統一を図ることができ、施工も簡単である。更に、既存のフレームに一対の補助縦枠と支持部材を追加し、補助パネル板を用意するだけで済むので、コスト上昇を最小限に抑制することができる。また、オプション機器を取付けない場合には、この部分に通常のパネル板を装着すれば、他のブロックパネルと全く同じ外観に保つことができ、レイアウト変更やオプション機器の取付位置に対する自由度が高まるのである。
請求項2によれば、通常のパネル板と同様に、補助パネル板を、その背面両側部の上下部に設けた連結具をフレームの縦枠と補助縦枠の前面に形成した係合孔に嵌合係止することで、着脱可能に取付けることができ、しかもオプション機器を取付けない場合には、両側の縦枠の係合孔に通常のパネル板の上下連結具を嵌合係止して取付けることができ、その場合、前記補助縦枠と支持部材はパネル板の背後に隠蔽することができる。
請求項3によれば、中横枠又は下横枠に取付けた下部支持部材と、両補助縦枠間に取付けた上部支持部材とに、オプション機器を連結して支持するので、支持強度が非常に高くなるとともに、既製のオプション機器に応じて上下の支持部材の形状を変更するだけで、対応することができ、汎用性の高い取付構造となる。
請求項4によれば、両補助縦枠間の下部に横設した補助横枠に取付けた下部支持部材と、両補助縦枠間に取付けた上部支持部材とに、オプション機器を連結して支持するので、支持強度が非常に高くなるとともに、既製のオプション機器に応じて上下の支持部材の形状を変更するだけで、対応することができ、汎用性の高い取付構造となる。
請求項5によれば、オプション機器が、空気清浄機であると、病院等の大部屋病室を壁側パネルとサイドパネル及びカーテンで仕切って個室化した場合にも、個室内の臭いを取り除き、またよどんだ空気を清浄化して清潔で快適な空間にすることが可能である。
請求項6によれば、フレームに複数のパネル板を上下に着脱可能に配したブロックパネル構造の間仕切パネルに、オプション機器を簡単且つ強固に取付けることができ、またオプション機器を取付けた空間以外の部位は、縦枠と補助縦枠との間に補助パネル板を着脱可能に取付けるので、その他のパネル板との外観性における統一を図ることができ、施工も簡単である。更に、既存のフレームに一対の補助縦枠と支持部材を追加し、補助パネル板を用意するだけで済むので、コスト上昇を最小限に抑制することができる。また、オプション機器を取付けない場合には、この部分に通常のパネル板を装着すれば、他のブロックパネルと全く同じ外観に保つことができ、レイアウト変更やオプション機器の取付位置に対する自由度が高まるのである。更に、通常のパネル板と同様に、補助パネル板を、その背面両側部の上下部に設けた連結具をフレームの縦枠と補助縦枠の前面に形成した係合孔に嵌合係止することで、着脱可能に取付けることができ、しかもオプション機器を取付けない場合には、両側の縦枠の係合孔に通常のパネル板の上下連結具を嵌合係止して取付けることができ、その場合、前記補助縦枠と支持部材はパネル板の背後に隠蔽することができる。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明に係る大部屋の個室化パネルシステムが用いられた大部屋病室の例を示す平面図である。図1において、病院の大部屋病室Rは、廊下側の中央部に出入口Dがあり、該出入口Dと対面する側には採光のための複数の窓W,Wを有し、その両側は構造壁C,Cで仕切られており、出入口Dから窓W,W側まで共用空間Sが設けられている。そして、大部屋の個室化パネルシステムA,Aにより、準個室R1〜R4が形成される。また、前記構造壁C側に頭部側を向けてベッドB,…が配置される。
大部屋の個室化パネルシステムAは、大部屋Rの構造壁Cに沿って壁側パネル1,1を設置するとともに、該壁側パネル1,1に対して直角に連結されたサイドパネル2により形成される平面視略T字状とし、該サイドパネル2の遊端側の共用空間Sに面する位置にカーテンCT,CTを設けて、準個室R1,R2(R3,R4)間が仕切られる。ここで、前記カーテンCTの代わりに、扉付きパネル又は衝立等の開閉可能な仕切手段を配置してもよい。尚、該個室化パネルシステムAは、壁側パネル1,…に対して、複数のサイドパネル2,…を、間隔を置いて平面視π字状に連結して構成してもよい。この場合は、一方の構造壁Cの側に三つの準個室が形成され、大部屋Rを6人部屋として使用できる。
このような大部屋の個室化パネルシステムA,…を用いると共に、該パネルシステムAのサイドパネル2の遊端側に開閉可能なカーテンCTを配置すれば、既設の大部屋Rに、よりプライバシーが確保された準個室R1,…を容易に形成することができる。また、本発明に係る大部屋の個室化パネルシステムAは、壁側パネル1,1にサイドパネル2を平面視略T字状、あるいは平面視π字状に連結した構造体であるので、床面Fに自立状態で設置することが可能であり、構造壁Cや床面Fに何ら手を加える必要がない。従って、既存の病院の大部屋Rに、短時間で簡単に設置することが可能であり、その際に騒音等が発生しないので、他の大部屋の入院患者はそのままの状態で施工することも可能である。
図2〜図4は、壁側パネル及びサイドパネルを構成する間仕切パネルの構造の説明図であり、図2は部分分解斜視図、図3はパネル板を縦枠に取付ける構造を示す部分分解斜視図、図4は、フレームの表裏両面にパネル板を取付けた状態を示す縦断側面図である。
壁側パネル1及びサイドパネル2を構成する間仕切パネルは、フレーム11の表裏に複数枚のパネル板21,…を上下方向に配列させて着脱可能とした積層タイプのブロックパネル構造である。フレーム11は両側縦枠12,12間に複数の横枠13,…を横設してなり、縦枠12のパネル板21取付面には係合孔12a,…が形成されている。本実施形態では、両側縦枠12,12の上端間に上横枠13aを横設し、下端間に下横枠13bを横設し、中間部間に単又は複数の中横枠14を横設している。
パネル板21の両側縁部の裏面(フレーム11に対向する面)には、上下の取付孔21a,21aが形成されている。そして、該上下の取付孔21a,21aには、上部連結具31及び下部連結具32が内嵌される。そして、前記フレーム11の両側の縦枠12,12に形成した上下左右の係合孔12a,…に、前記下部連結具32に設けた下向きフック32aを係止するとともに、前記上部連結具31に設けた係合爪31aを抜止め状態で弾性係合させて前記パネル板21を取付ける。従って、パネル板21,…は、壁側パネル1及びサイドパネル2を構成する間仕切パネルのフレーム11,…から容易に着脱することができる。尚、上下のパネル板21,21間には、横目地材22が配設されており、上下のパネル板間の間隙を塞ぐと共に特に意匠面での統一感を向上することができる。
図5及び図6は、間仕切パネルの連結構造の説明図であり、図5は分解斜視図、図6は横断平面図である。連結ブロック41は、水平方向の直交する4方向に間仕切パネルを連結することができる構造となっており、該4方向のうちの1方向には、直接縦枠12が、その通孔12bを通して取付ボルト43を螺孔41bに螺合させることにより取付けられる。そして、他の3方向には、通孔42b,42bを通して螺孔41a,41aに取付ネジ44,44を螺合させて取付部材42を連結ブロック41に固定した状態で、その通孔12bを通して取付ボルト43を取付部材42の螺孔42aに螺合させることにより、縦枠12を取付けることができる。
したがって、図5及び図6に示すように、平面視略T字状の個室化パネルシステムAにおける壁側パネル1,1及びサイドパネル2を強固にかつ容易に連結することができる。なお、連結ブロック41には、壁側パネル1,1及びサイドパネル2が連結されない部分に連結部カバー45が装着され、壁側パネル1及びサイドパネル2間の目地部には、突起部41c,41cに目地カバー46,46が装着される。また、サイドパネル2の遊端部には側カバー47が装着される。
本実施形態では、前記準個室に面する壁側パネル1及びサイドパネル2は、それぞれ3枚の間仕切パネルを直線状に連結して構成されている。各間仕切パネルを直線状に連結するには、隣接するフレーム11,11の両側縦枠12,12同士を、その間に図示しない連結ブロックを介して直接ボルトで連結する。ここで、前記間仕切パネルは、横幅が900mm、あるいは600mm、厚さが90mmのものを使用している。また、前記パネル板21の上下幅は、前記フレーム11の縦枠12に形成した係合孔12a,…の最小上下間隔に取付けることが可能な最小基準幅の整数倍で自由に決定することができる。
次に、図7〜図11に基づいて本発明の大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置を説明する。本実施形態では、前記壁側パネル1にオプション機器として空気清浄機ACを取付ける例を示す。尚、他のオプション機器として、テレビモニターやパソコンモニターとして使用できるフラットパネルディスプレイが挙げられるが、本発明はこれらの機器に限定されるものではない。また、本発明の機器取付装置は、大部屋の個室化パネルシステムに限定されるものではなく、フレーム11に複数のパネル板21,…を上下に着脱可能に配したブロックパネル構造の間仕切パネルにおいて広く採用することができる。
本発明に係る機器取付装置は、大部屋Rの構造壁Cに沿って壁側パネル1,…を設置するとともに、該壁側パネル1,…に対して直角に単又は複数のサイドパネル2,…を連結して設置し、該サイドパネル2の遊端側に開閉可能なカーテンCTを配置して個室化するためのパネルシステムにおいて、前記壁側パネル1及びサイドパネル2を、フレーム11に複数のパネル板21,…を上下に着脱可能に配したブロックパネル構造とし、前記フレーム11の上横枠13a又は下横枠13bと、両縦枠12,12間の上下中間部に横設した中横枠14間、若しくは両縦枠12,12間に上下に間隔を設けて横設した一対の中横枠14,14間に、所定間隔で一対の補助縦枠51,51を固定して取付空間SPを形成し、該取付空間SP内にオプション機器ACを配するとともに、両補助縦枠51,51間に設けた支持部材52,53にオプション機器ACを取付け、前記縦枠12と補助縦枠51との間に補助パネル板54,54を着脱可能に取付けたものである。
図7〜図9に示した実施形態は、前記壁側パネル1の最上段に空気清浄機ACを取付けたものである。前記フレーム11は、両側縦枠12,12の上下端間に上横枠13aと下横枠13bとを横設して正面視四角形のフレーム構造とし、更に両側縦枠12,12の上下中間部間に単又は複数の中横枠14を横設したものである。また、前記上横枠13a、下横枠13b及び中横枠14は、四角パイプ状の部材であり、その奥行方向の寸法は前記縦枠12の奥行寸法よりも十分に小さく設定されている。そして、前記空気清浄機ACを取付ける位置に、両側に間隔を隔てて一対の補助縦枠51,51を設けるのである。ここで、壁側パネル1の最上段にオプション機器(空気清浄機AC)を取付ける場合には、上横枠13aとその直下の中横枠14との間に、前記補助縦枠51,51を垂設して溶接やネジ止め等によって固定する。また、最下段にオプション機器ACを取付ける場合には、下横枠13bとその直上の中横枠14との間に前記補助縦枠51,51を垂設し、上下中間部にオプション機器ACを取付ける場合には、上下の中横枠14,14間に前記補助縦枠51,51を垂設するのである。
また、前記補助縦枠51は、図9に示すように、前記縦枠12の奥行寸法と一致させており、つまり前記補助縦枠51の前面を前記フレーム11の縦枠12の前面と面一に設定している。そして、前記補助縦枠51の少なくとも前面には、前記縦枠12に設けた係合孔12a,…と同じ高さ位置に少なくとも上下二箇所にそれぞれ係合孔51a,…を形成している。更に、両補助縦枠51,51の下部、本実施形態では該補助縦枠51,51を固定した中横枠14に下部支持部材52を取付け、その上方で両補助縦枠51,51間に上部支持部材53を取付け、前記空気清浄機ACを上部支持部材53と下部支持部材52に連結して支持している。尚、前記下部支持部材52は、両補助縦枠51,51の下部間に直接渡設しても良い。ここで、両支持部材52,53に対する空気清浄機ACの連結は、該空気清浄機ACが本来備えている連結構造を利用し、即ち背面側に設けられている螺孔に各支持部材52,53に背面側から貫通したネジ55,…を螺合して行う。前記下部支持部材52は、前記空気清浄機ACの荷重を受けるため、前記中横枠14の上面に直接取付けているが、勿論、それ自体で十分な強度を備えた下部支持部材52を中横枠14とは独立してその上方に横設することも可能である。また、前記上部支持部材53は、空気清浄機ACの本体部を前記壁面パネル1の厚みで抱き込んで保持することができるように後方へ突出した平面視略コ字形の部材である。
そして、前記補助パネル板54は、図10に示すように、両側上下部に前記パネル板21に設けたものと同様の上部連結具56と下部連結具57を設け、前記空気清浄機ACの側方で前記縦枠12の下方の係合孔12aと補助縦枠51の下方の係合孔51aに、下部連結具57のフック57aを係止するとともに、前記縦枠12の上方の係合孔12aと補助縦枠51の上方の係合孔51aに、上部連結具56の係合爪56aを弾性的に嵌入して保持する。また、前記空気清浄機AC及び両補助パネル板54,54の下方には、前記パネル板21を取付ける。本実施形態では、前記構造壁Cに沿って設置される壁側パネル1に空気清浄機ACを取付けたので、該壁側パネル1の裏面側にはパネル板21や補助パネル板54,54は取付けてないが、一般的なブロックパネル構造の間仕切パネルに本発明を適用する場合には、裏面側にもパネル板21や補助パネル板54,54を取付けるものとする。その場合には、前記空気清浄機ACの背面を覆うカバー部材が前記支持部材52,53に設けられ、あるいはカバー機能を有する支持部材を用いる。
前記空気清浄機ACは、本体部の前面に空気の取入口と清浄空気の吹出口を設けたものであるが、取入口と吹出口が分離したタイプのものでも良く、その場合には壁面パネル1の下部に取入口を、上部の吹出口を設け、その間をパネル内部においてダクトで連結する。あるいは、取入口と吹出口を有する複数の空気清浄機AC,…を一つの共用本体部に連結するタイプのものは、共用本体部を適所に設置し、それから壁面パネル1の背面側においてダクトで各空気清浄機AC,…に接続する。尚、本発明において壁面パネル1は構造壁Cに接近して配置するので、該壁面パネル1の背面側にはパネル板21を設ける必要がない。
また、前記フレーム11の上横枠13aと中横枠14との間隔が大きい場合には、図11に示すように、両補助縦枠51,51間の下部に、前記中横枠14と同一断面を有する補助横枠58を横設し、該補助横枠58に前記下部支持部材52を取付けるとともに、その上方で両補助縦枠51,51間に上部支持部材53を取付け、前記オプション機器(空気清浄機AC)を上部支持部材53と下部支持部材52に連結するようにしても良い。尚、前記下部支持部材52と補助横枠58は一体であっても良く、つまり両補助縦枠51,51の上下中間部の間に下部支持部材52を直接渡設しても良い。この場合も、前記空気清浄機ACより下方位置には、前記パネル板21を取付けるとともに、空気清浄機ACの両側に補助パネル板54,54を取付ける。その他の構成は、図9と同様であるので、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
本発明に係る大部屋の個室化パネルシステムは、病院の大部屋病室に適用することを主な用途とするが、その他の既存の大部屋を個室化する用途、例えば簡易宿泊所、緊急避難所等において大部屋、例えば体育館や公民館等の室内を複数に区画して個室化する用途にも適用できるものである。
本発明に係る大部屋の個室化パネルシステムが用いられた大部屋病室の例を示す平面図である。 壁側パネル及びサイドパネルを構成する間仕切パネルの構造の部分分解斜視図である。 パネル板を縦枠に取付ける構造を示す部分分解斜視図である。 フレームの表裏両面にパネル板を取付けた状態を示す縦断側面図である。 間仕切パネルの連結構造を示す分解斜視図である。 同じく横断平面図である。 本発明の簡略斜視図である。 壁面パネルに空気清浄機を取付けた状態の拡大斜視図である。 同じく分解斜視図である。 補助パネル板の背面斜視図である。 他の実施形態を示す分解斜視図である。
符号の説明
A 大部屋の個室化パネルシステム B ベッド
C 構造壁 D 出入口
CT カーテン R 大部屋
R1〜R4 準個室 S 共用空間
W 窓 F 床面
AC オプション機器(空気清浄機)
1 壁側パネル 2 サイドパネル
11 フレーム 12 縦枠
12a 係合孔 12b 通孔
13 横枠 13a 上横枠
13b 下横枠 14 中横枠
21 パネル板
21a 取付孔 22 横目地材
31 上部連結具 31a 係合爪
32 下部連結具 32a フック
41 連結ブロック 41a,41b 螺孔
41c 突起部 42 取付部材
42a 螺孔 42b 通孔
43 取付ボルト 44 取付ネジ
45 連結部カバー 46 目地カバー
47 側カバー
51 補助縦枠 51a 係合孔
52 下部支持部材 53 上部支持部材
54 補助パネル板 55 ネジ
56 上部連結具 56a 係合爪
57 下部連結具 57a フック
58 補助横枠

Claims (6)

  1. 大部屋の構造壁に沿って壁側パネルを設置するとともに、該壁側パネルに対して直角に単又は複数のサイドパネルを連結して設置し、該サイドパネルの遊端側に開閉可能なカーテン又は開閉可能な仕切手段を配置して個室化するためのパネルシステムにおいて、前記壁側パネル及びサイドパネルを、フレームに複数のパネル板を上下に着脱可能に配したブロックパネル構造とし、前記フレームの上横枠又は下横枠と、両縦枠間の上下中間部に横設した中横枠間、若しくは両縦枠間に上下に間隔を設けて横設した一対の中横枠間に、所定間隔で一対の補助縦枠を固定して取付空間を形成し、該取付空間内にオプション機器を配するとともに、両補助縦枠間に設けた支持部材にオプション機器を取付け、前記縦枠と補助縦枠との間に補助パネル板を着脱可能に取付けてなることを特徴とする大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置。
  2. 前記補助縦枠の前面を前記フレームの縦枠の前面と面一に設定するとともに、前記縦枠と補助縦枠の前面の同じ高さ位置に少なくとも上下二箇所にそれぞれ係合孔を形成し、前記補助パネル板の背面両側部の上下部に連結具を設け、該上下連結具で前記係合孔に嵌合係止して補助パネル板を着脱可能に取付けてなる請求項1記載の大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置。
  3. 前記中横枠又は下横枠に下部支持部材を取付けるとともに、その上方で両補助縦枠間に上部支持部材を取付け、前記オプション機器を上部支持部材と下部支持部材に連結してなる請求項1又は2記載の大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置。
  4. 前記両補助縦枠間の下部に横設した補助横枠に下部支持部材を取付けるとともに、その上方で両補助縦枠間に上部支持部材を取付け、前記オプション機器を上部支持部材と下部支持部材に連結してなる請求項1又は2記載の大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置。
  5. 前記オプション機器が、空気清浄機である請求項1〜4何れかに記載の大部屋の個室化パネルシステムにおける機器取付装置。
  6. フレームに複数のパネル板を上下に着脱可能に配したブロックパネル構造の間仕切パネルにおいて、前記フレームの上横枠又は下横枠と、両縦枠間の上下中間部に横設した中横枠間、若しくは両縦枠間に上下に間隔を設けて横設した一対の中横枠間に、所定間隔で一対の補助縦枠を固定して取付空間を形成し、前記補助縦枠の前面を前記フレームの縦枠の前面と面一に設定するとともに、前記縦枠と補助縦枠の前面の同じ高さ位置に少なくとも上下二箇所にそれぞれ係合孔を形成し、前記取付空間内にオプション機器を配するとともに、両補助縦枠間に設けた支持部材にオプション機器を取付け、前記補助パネル板の背面両側部の上下部に設けた上下連結具を前記縦枠と補助縦枠の係合孔に嵌合係止して、前記縦枠と補助縦枠との間に補助パネル板を着脱可能に取付けてなることを特徴とする間仕切パネルにおける機器取付装置。
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