JP4522611B2 - 磁気バネ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸方向に一定の力を作用させる磁気バネ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ICチップ等の小型精密部品を移送する方法として、吸着パッドが取り付けられたホルダをアクチュエータ等の装置に取り付けて、その吸着パッドに移送対象物を吸着させて移送する方法が知られている。このときに用いられる真空吸着パッド取付金具は、図9に示されるものである。すなわち、中空円筒状の固定軸101の内部に可動軸102が挿入され、固定軸101には外周に雄ねじ部が形成され、ナット120によって図示しないロボットハンド等の装置に固定できるようになっている。可動軸102には、その端部にパッドはめこみ部102Aが設けられ、更にその先端にはパッド103が嵌合して一体に設けられている。パッドはめこみ部102A及びパッド103には、軸心に吸引流路105が形成され、それに直交するようにパッドはめこみ部102Aを貫いて形成されたエア流路106と吸引流路105とが連通している。そのエア流路106には真空回路(図示せず)が連絡される。そして、こうした固定軸101と可動軸102との間には、可動軸102にかかる荷重をクッション機能を働かせて受けるようにしたコイルスプリング107が取り付けられている。
【0003】
上記構成の吸着パッドホルダ100では、まず、移送対象物にパッド103を押し付けて密着させる。このとき可動軸102と固定軸101との間に設けられたコイルスプリング107によって、パッド103が移送対象物を押圧する。これにより、移送対象物とパッド103の吸着面103Aとが隙間なく密着する。そして、エア流路106からエアを吸引すると吸引流路105内のエアが吸引され、パッド103に移送対象物が吸着する。そこで、吸着パッドホルダ100を移動させれば、パッド103に吸着された移送対象物を目的の場所へ移すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来の吸着パッドホルダ100には次のような問題があった。
(1)移送対象物にパッドを押し付ける際、移送対象物の寸法公差や移送対象物の位置決め精度等がずれると、吸着パッドホルダ100における可動軸102のストロークにばらつきが生じる。そして、コイルスプリング107のバネ力はその伸縮量に比例するため、可動軸102のストロークにばらつきが生じると、コイルスプリング107の圧縮量にもばらつきが生じ、その結果、移送対象物に押し付けられるパット103の押圧力にばらつきが生じてしまう。
【0005】
そのため、可動軸102のストロークが小さく、パッド103を押圧する力が弱い場合には、移送対象物とパッド103の吸着面103Aとの気密性が悪くなり、エア漏れを生じるなどして真空回路による移送対象物の吸着が不完全になってしまう。一方、こうした問題を回避するため、可動軸102のストロークを大きくとるようにしたり、コイルスプリング107をバネ力の大きいものにすると、パッド103の吸着面103Aが移送対象物と強く擦れ合い、移送対象物の表面を傷付けたり、逆にパッド103の吸着面103Aにエア漏れを生じさせるような傷が付いたりしてしまう。
【0006】
(2)コイルスプリング103には金属スレが生じるため、その金属スレによって発生する摩耗粉が半導体製造工程等のようにわずかなパーティクルをも嫌う場所では大きな問題となる。
(3)方向性のある対象物を移送する場合には、吸着パッドホルダ100にパッド103の回転方向のズレを防止すべく、回り止めのためのピン等を別途取り付ける必要があった。そのため、このピンが接触することにより、さらなるパーティクルが発生する問題があった。また、可動軸102にフラット面を設けて回り止めなどした場合には、パッド103の動きがスムーズでなくなり、ICチップ等の小型精密部品を扱う場合などには精密さに欠ける問題があった。
【0007】
ところで、コイルスプリングなどの機械バネを使用し、軸軸方向にかかる荷重をクッション機能を働かせて受けるようにした従来のバネ装置は、吸着パッドホルダに限らず後述する緩衝機能を持った搬送置台などの構成として各種方面で利用されている。そして、そこには吸着パッドホルダ100と同様、荷重を受ける可動側のストロークとバネ伸縮によるバネ力とが比例関係にあるため、ストロークの変化によって適正なバネ力が得られない問題があった。また、パーティクルなどの問題も生じることがあった。
【0008】
そこで本発明は、こうした問題点を解決すべく、可動側のストローク変化にかかわらず一定のバネ力を得ることが可能な磁気バネ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明の磁気バネ装置は、軸部材をそれより径の大きい筒体内に同軸上に挿入し、一方を固定して他方を軸方向に移動自在に配置したものであって、前記軸部材にはその外周に第1永久磁石が設けられ、前記筒体にはその内周に第1永久磁石に対向して第2永久磁石が設けられ、前記第1永久磁石の外周面と前記第2永久磁石の内周面との互いに対向する面が異なる磁極で着磁されたものであることを特徴とする。
【0010】
上記構成を有する磁気ネジ装置は、第1永久磁石と第2永久磁石との対向する磁極が異なって吸引し合っており、移動自在な軸部材又は筒体に対して軸方向に加重がかかると、その荷重方向に反して引き戻そうとする軸方向の吸引力、すなわちいわゆるバネ力が作用する。このバネ力は、移動初期の僅かなストローク範囲では急上昇するものの、その後は広いストローク範囲でほぼ一定となる。そのため、本発明によれば、このバネ力一定の範囲で被対象物に作用させるようにすることで、可動側のストローク変化にかかわらず一定のバネ力を得ることが可能となる。
【0011】
また、本発明の磁気バネ装置は、前記第1永久磁石及び第2永久磁石が、それぞれ非磁性体を挟んで軸方向に複数に分割されたものであることを特徴とする。
ある長さをもった永久磁石は、その端部に磁気の強い部分ができ、その端部間に磁力線が密に発生して、永久磁石同士を引きつけようするするバネ力を作用させると考えられる。そのため、本発明でも、軸方向にこうした磁力線が密に発生する部分を複数設けることで、その数によりバネ力を調整することができる。
【0012】
また、本発明の磁気バネ装置は、前記第1永久磁石及び第2永久磁石が、それぞれ円周方向に複数に分割され、N極とS極とが交互に着磁されたものであることを特徴とする。
よって本発明によれば、円周方向すなわち回転方向に前述したような第1及び第2永久磁石同士を引きつけようするする吸引力を複数箇所で作用させるので、軸部材及び筒体が非接触であるにもかかわらず回転を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る磁気バネ装置の一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。磁気バネ装置は様々なものへの応用が可能であり、先ず第1実施形態として、前記従来例で挙げた吸着パッドホルダを構成する場合について説明する。図1及び図2は、第1実施形態の吸着パッドホルダを示した一部断面の側面図であり、それぞれ異なる動作状態を示している。
本実施形態の吸着パッドホルダ1は、アクチュエータ(図示せず)等の装置に取り付けられる中空円筒状の固定軸2を備え、その内部に円柱状の可動軸3が同軸上に挿入されている。可動軸3の外周面と固定軸2の内周面とは、ガイド8,8のガイドブッシュのみが接触している。
【0014】
そして、可動軸3の外周面には円筒状のマグネット5が設けられ、固定軸2の内周面には円筒状のマグネット6がマグネット5と対面するように設けられている。このマグネット(永久磁石)5,6は、軸方方向の長さ寸法が同じにして形成されている。マグネット5,6は、図3の(a)及びその断面図である(b)に示すように、円周方向に4分割され軸方向に沿ってN極とS極とが各90度の幅で帯状に形成されたN極帯5N,6NとS極帯5S,6Sとから構成されている。そのためマグネット5,6は、ともに異なる磁極同士が交互に対面するようになっている。こうして磁極を円周方向に分割している為に、このマグネット5,6は回り止めとして機能する。
【0015】
固定軸2と可動軸3とに設けられたマグネット5,6は、固定軸2と可動軸3との相対変位に反発するように作用する磁力を発生するものであり、前記従来例で挙げたコイルスプリングのようにバネ機能を発揮させるようにしたものである。従って、本実施形態の吸着パッドホルダ1においては、固定軸2に対して可動軸3を軸方向に移動可能にし、それぞれにマグネット5,6を設けた構成部分が磁気バネ装置に相当する。
【0016】
吸着パッドホルダ1は、こうした磁気バネ装置10に対し、更に可動軸6の一端(図面右側)にあけられたネジ穴に止めネジ7が取り付けられ、固定軸2の両端にはマグネット6を挟んでガイド8,8が設けられている。止めネジ7がガイド8,8の内径より大きいため、可動軸3は止めネジ7の反対側に抜けてしまうことはないようにしている。
そして、こうした可動軸3には、止めネジ7の反対側端部に吸着パッドホルダ1を構成するための吸引部20が設けられている。吸引部20は、固定軸2の端面に突き当たる大きさの径で形成された短円柱形の吸引ブロック11が可動軸3に形成され、その吸引ブロック11にパッド12が取り付けられている。そして、パッド12の吸着面12Aに開口する吸引流路13が軸心に形成され、それに直交するように吸引ブロック11を貫いて形成されたエア流路14が連通している。このエア流路14に図示しない真空回路が接続される。
【0017】
続いて、磁気バネ装置10によって構成された吸着パッドホルダ1の作用について説明する。吸着パッドホルダ1は、通常の状態では図1に示すように同じ長さのマグネット5,6が軸方向に同じ位置で対面している。すなわち、マグネット5,6は、図3に示すようにN極帯5N,6N及びS極帯5S,6S同士が対面して共に吸引し合い、固定軸2に対して可動軸3が位置決めされている。このとき吸着パッドホルダ1は、図1に示すように止めネジ7がガイド8に当接し、可動軸3は、吸引部20側が固定軸2から突出している。
【0018】
そこで、この吸着パッドホルダ1を不図示のアクチュエータなどによって移動させ、パッド12の吸着面12Aを移動対象物に軸方向から押し付けると、可動軸3は反対の軸方向Hに押し返され、固定軸2内を同方向に移動する。そして、可動軸3に伴いマグネット5も同様に移動する。このとき可動軸3及びマグネット5は、図2に示すようにストロークT分だけ軸方向Hに移動することができる。
こうしてマグネット5,6の位置がずれると、両者の間には、固定のマグネット6に対して移動したマグネット5を引き戻そうとする吸引力が働く。この吸引力は、可動軸3の変位に反発するように作用するため、パッド11を移送対称物に押し付けた際のクッションとなり、更にパッド11を移送対称物に押し付ける押圧力となる。すなわち、磁気バネ装置10のマグネット5,6は、コイルスプリング等と同様にいわゆるバネ力を発揮する。
【0019】
磁気バネ装置10では、こうしてマグネット5,6がバネとして作用した場合、マグネット5を元の位置に戻そうとする軸方向に作用する吸引力(推力)が、図4に示すように所定のストローク間でほぼ同じ値を示すようになる。図4は、磁気バネ装置10のストローク−推力静特性について行った測定結果をグラフにしたものである。すなわち図1に示すように、マグネット5,6が揃ったストロークがゼロの状態から徐々に軸方向Hに荷重を加え、マグネット5,6間の軸方向変位を大きくしていくと、その可動軸3には逆に引き戻そうとする推力が作用する。ここで図4は、その推力の測定結果を示したものであり、横軸にストロークをとり、縦軸に各ストロークで発生する推力(軸方向Hに加える荷重)をとっている。
【0020】
そこで、マグネット5,6による推力は、図示するように移動初期の僅かなストローク範囲(約0〜1mm)では急上昇するものの、その後は広いストローク範囲(約1〜5mm)でほぼ一定となった。本実施形態の磁気バネ装置10は、こうしたマグネット(永久磁石)の磁力による吸引力をバネ力として利用し、ストロークにかかわらず一定の推力を得ることを可能としている。ところで、こうしたストローク−推力静特性を示すのは、推力(軸方向の力)を発生させるマグネット5,6が軸方向にずれた際、図5(a)の矢印で示すように端部5A,6Aにおいて斜めに発生する磁力線の軸方向分力によって一定の推力を生じさせていると考えられるからである。
【0021】
つまりこれは、マグネット5,6がずれて重なっている場合には、その端部5A,6Aに図のような斜めの磁力線がほぼ一定方向(ほぼ一定の傾き)に生じ、その間の重なり部分には、軸方向の力に影響しない垂直方向のみの磁力線が生じていると考えられる。そのため、マグネット5,6には、重なり幅に関係なく端部に発生する斜めの磁力線の軸方向分力のみによって軸方向の力が作用すると考えられる。
【0022】
これにより、磁気バネ装置10を利用した吸着パッドホルダ1では、移送対象物を吸着保持するとき常にパッド12を移送対称物に対して一定の力で押さえ付けるようにすることができる。すなわち、推力一定のストローク範囲が広いため、パッド12を移送対象物に押さえ付ける際のストロークにばらつきが生じても、吸着面12Aの押し付け不足や、逆に押し付け過ぎをなくし、常に適切な押圧力でパッド12を移送対象物を押さえ付けることができる。
【0023】
次に、こうしたほぼ一定値を示す当該推力の大きさは、パッド12を移送対称物に押さえ付ける押圧力、すなわちマグネット5,6によって生じるバネ力であり、こうしたバネ力は、マグネット5,6自体の材質を代えたり、着磁条件(例えば電圧など)を変えたり、以下のような構造にすることによって調整することができる。図6は、一対のマグネットを示した一部断面図であり、図(a)及び図(b)ともに軸方向に同じ長さ分のマグネットを使用したものである。すなわち図示したマグネット25N,25N/26S,26Sは、対向する面がそれぞれN極又はS極に着磁され、いずれも軸方向(図面横方向)の長さを等しくしたものであり、図面上では省略しているが円筒形をしたものである。
【0024】
そしてこうしたマグネット25N,25N/26S,26Sを、一方では図6(a)に示すように軸方向に直接連結した構造Aとし、他方では図6(b)に示すように非磁性体9を間に挟み込んで連結した構造Bとした。すると、マグネット25N,25N/26S,26Sを非磁性体9で軸方向に分割した構造Bの方が、直接連結して一体にした構造Aに比べて2倍の推力を得ることができた。これは、マグネットを2分割したことによって、構造Bの方が構造Aよりも端部に生じる斜めの磁力線の数が2倍になっているからである。
【0025】
つまり、磁気バネ装置10によって発生する推力の調整は、推力を発生させる磁力線の数の調整であり、図6(b)のようにマグネットを分割して構成すれば、そのマグネットの軸方向長さに影響されずにマグネット端部の数によって推力を調整することができる。また、このことはマグネット端部の総面積の調整でもあるため、磁気バネ装置10において所定の推力を得るには、マグネットの構造を図6(b)に示すように非磁性体を介して軸方向に分割する他、単にマグネットの径を大きくするなどしてもよい。
【0026】
ところで、推力を大きくした図6(b)に示す構造Bでは、マグネット25N,25N/26S,26Sをそれぞれ各極とも軸方向に分割するため、その間に非磁性体9を介在させることが必須の構成になる。この非磁性体9を設けるのは、N極及びS極のマグネット25N,26Sを一対一に対応させて磁力線を生じさせるためである。そのため非磁性体9の軸方向寸法は、磁気バネ装置10の使用に際して要求されるストローク分の長さがあることが望ましい。
【0027】
続いて、本実施形態の磁気バネ装置10では、マグネット5,6をN極帯5N,6N及びS極帯5S,6Sでそれぞれ円周方向に4分割し(図3(b)参照)、これによってそのマグネット5,6を回り止めとして機能させている。軸バネ装置10は、図1に示すように吸着パッドホルダ1などに使用すると、その対称物から可動軸3が回転方向に力を受けることがある。このときマグネット5,6は、例えば対面関係にあるN極帯5NとS極帯6Sとの間には、図5(b)の矢印で示すように磁力線が生じている。N極帯5N及びS極帯6Sの間には放射状に磁力線が生じ、回転方向にずれた場合には円周方向の端部において傾いた磁力線が生じる。従って、その傾いた磁力線が回転方向とは逆にマグネット5を引き戻す吸引力を作用させ、可動軸3の回転を防止させる回り止めとして機能することになる。そして、この回転を防止させる保持トルクを大きくする場合には、磁石の材質や着磁条件を変える他、磁力線を増やすために端部の総面積を増やすことが考えられる。
【0028】
よって、磁気バネ装置10によれば、従来パーティクルの発生原因であったコイルスプリングや回り止めピンを、ともにマグネット5,6がバネ及び回り止めとして代替する構成とすることができる。そのため、磁気バネ装置10を利用した吸着パッドホルダ1では、前述した常にパッド12を移送対称物に対して適切な力で押さえ付けることができる効果に加え、更に非接触構造によるパーティクルの発生防止及び可動軸3のスムーズな動きを可能とした効果が得られた。
【0029】
次に、第2実施形態として磁気バネ装置を利用した搬送置台について説明する。図7は、磁気バネ装置を備えた搬送置台を示す外観斜視図である。搬送置台30は、基台31の四隅に磁気バネ装置32,32,32,32を立設させたものであり、その搬送置台30を構成する磁気バネ装置を示した一部断面図である。本実施形態では、基台31に固定する中空円筒状の固定軸33の内部に、円柱状の可動軸34が同軸上に挿入されている。基台31には、この可動軸34が上下動できるように、固定軸33がはめ込まれる部分に穴があけられている。
【0030】
その可動軸34の外周面に円筒状のマグネット35が設けられ、固定軸2の内周面には円筒状のマグネット36がマグネット35と対面するように設けられている。このマグネット(永久磁石)35,36は、軸方方向の長さ寸法が同じで形成されている。マグネット35,36は、前記第1実施形態と同様に円周方向に4分割され、軸方向に沿ってN極とS極とが各90度の幅で帯状に形成されたものである。そうしたマグネット35,36は、ともに異なる磁極同士が交互に対面し、本実施形態でも回り止めとして機能する構成となっている。固定軸33の両端には、マグネット36を挟んでガイド37,37が設けられ、可動軸34には、横荷重を受けて傾かないように摺動パイプ38がはめ合わされている。更に、ここでは搬送置台30を構成するため、移送搬送物を直接受ける可動軸34の先端にクッション材39が取り付けられている。
【0031】
こうした搬送置台30は、図7に示すようにガラス移送搬送物40を4個の磁気バネ装置32,32,32,32で支えることになる。その際、第1実施形態でも述べたように、マグネット35,36がバネとして作用し、移送搬送物40を柔らかく支持することができる。特に、従来のコイルスプリングを使用した吸着パッドホルダで吸着保持する場合、移送搬送物40が上から強く押さえ付けられても、この磁気バネ装置32…のバネ力がストロークにかかわらず一定であるため、移送搬送物40を逃がしながら所定の荷重で吸着パッドホルダ側へ受け渡すことができる。従って、傷つき易い物や、擦れによるパーティクルの発生を嫌うような場面での使用に非常に効果的である。
【0032】
以上、磁気バネ装置の一実施形態について説明したが、これらは単なる例示にすぎず本発明を何ら限定するものではない。従って、本発明は、これ以外にもその趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、改良が可能である。
例えば、本実施形態ではマグネット5,6は断面円形とした場合を説明したが、これ以外にも断面形状を多角形にしたものであってもよい。
また、前記実施形態では、同軸に設けた筒状体を固定側とし、中心の円柱体を可動側にしたが、これらは逆であっても当然に磁気バネ装置を構成することができる。
また、本実施形態では、吸着パッドホルダなどを構成する場合について説明したが、一定の押圧力及び回り止めを必要とするテンショナー、プローブホルダー等にも適用できることは当然である。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、軸部材をそれより径の大きい筒体内に同軸上に挿入し、一方を固定して他方を軸方向に移動自在に配置したものであって、前記軸部材にはその外周に第1永久磁石が設けられ、前記筒体にはその内周に第1永久磁石に対向して第2永久磁石が設けられ、前記第1永久磁石の外周面と前記第2永久磁石の内周面との互いに対向する面が異なる磁極で着磁されたものとしたので、可動側のストローク変化にかかわらず一定のバネ力を得ることができる磁気バネ装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気バネ装置の実施形態を示した吸着パッドホルダの一部断面の側面図である。
【図2】磁気バネ装置の実施形態を示した吸着パッドホルダの一部断面の側面図である。
【図3】磁気バネ装置のマグネット部分を示す図である。
【図4】磁気バネ装置のストローク−推力静特性について行った測定結果をグラフにした図である。
【図5】磁気バネ装置によって発生する推力の原理を概念的に図示したものである。
【図6】磁気バネ装置によって発生する推力を調整するための原理を概念的に図示したものである。
【図7】磁気バネ装置を備えた搬送置台を示す外観斜視図である。
【図8】搬送置台を構成する磁気バネ装置を示した一部断面図である。
【図9】従来のバネ装置を利用した吸着パッドホルダの側面図である。
【符号の説明】
1 吸着パッドホルダ
2 固定軸
3 可動軸
5,6 マグネット
10 磁気バネ装置
Claims (2)
- 軸部材をそれより径の大きい筒体内に同軸上に挿入し、一方を固定して他方を軸方向に移動自在に配置したものであって、
前記軸部材にはその外周に第1永久磁石が設けられ、前記筒体にはその内周に第1永久磁石に対向して第2永久磁石が設けられ、
前記第1永久磁石の外周面と前記第2永久磁石の内周面との互いに対向する面が異なる磁極で着磁されたものであり、
前記第1永久磁石は、円周方向に複数に分割され、N極とS極とが交互に着磁されたものであり、
前記第2永久磁石は、円周方向に複数に分割され、N極とS極とが交互に着磁されたものであり、
前記軸部材の前記筒体に対するストローク動作時の推力が、所定の前記ストローク範囲内では、一定である
ことを特徴とする磁気バネ装置。 - 請求項1に記載された磁気バネ装置において、
前記第1永久磁石及び第2永久磁石は、それぞれ非磁性体を挟んで軸方向に複数に分割されたものであることを特徴とする磁気バネ装置。
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