JPH10264635A - 車両用サスペンション装置のための電気制御装置 - Google Patents

車両用サスペンション装置のための電気制御装置

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JPH10264635A
JPH10264635A JP6998297A JP6998297A JPH10264635A JP H10264635 A JPH10264635 A JP H10264635A JP 6998297 A JP6998297 A JP 6998297A JP 6998297 A JP6998297 A JP 6998297A JP H10264635 A JPH10264635 A JP H10264635A
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JP
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suspension device
relative speed
vehicle
unsprung
coils
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JP6998297A
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Yoshiaki Suzuki
善昭 鈴木
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁力を用いた車両用サスペンション装置に
おいて、振動の減衰制御を積極的に必要とする周波数域
においてのみばね上部材のばね下部材に対する振動を抑
制して、車両の乗り心地及び走行安定性を総合的に良好
に保つ。 【解決手段】 ばね下部材及びばね上部材側の一方に磁
石35,36を設けるとともに、他方に磁石35,36
に対向させて上下方向に並べて複数のコイル37−1,
37−2・・・37−15を設ける。車高センサ51
は、ばね下部材に対するばね上部材の上下方向の相対位
置Hを検出する。CPU52cは、相対位置Hを微分す
ることにより相対速度Vを検出し、同相対速度Vにばね
上部材及びばね下部材の共振周波数近傍の周波数成分を
抽出するフィルタ処理を施し、同フィルタ処理の施され
た相対速度Vと相対位置Hに基づいてコイル37−1,
37−2・・・37−15の通電を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石とコイルとに
より発生する電磁力を用いてばね上部材のばね下部材に
対する振動を抑制する車両用サスペンション装置のため
の電気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開平4
−197817号公報に示されているように、車両のば
ね上部材に磁石を組み付けるとともにばね下部材に同磁
石に対向させてコイルを組み付け、車高センサにより検
出された車高(ばね下部材に対するばね上部材の相対位
置)に基づいてコイルの通電を制御して、磁石とコイル
との間に発生する電磁力により、車高を一定にするよう
に制御している。すなわち、ばね上部材のばね下部材に
対する振動を抑制するように制御して、車両の走行安定
性を良好にするとともに、過度の振動に対する車両の乗
り心地を良好にするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、あらゆる車高の変化に対しても一律にコ
イルの通電を制御するので、不必要に車両の乗り心地が
悪くなるという問題がある。すなわち、ばね上部材の共
振周波数付近及びばね下部材の共振周波数付近のばね下
部材に対するばね上部材の振動に関しては、同振動が大
きくなりかつ長時間に渡って減衰しないために、ばね上
部材の振動を抑制する必要がある。しかし、それ以外の
周波数域のばね下部材に対するばね上部材の振動は短時
間で減衰するために、前記のような振動を抑制するため
に大きな電磁力を作用させると、同周波数域に対する短
時間の振動に対しても大きな減衰力が作用してかえって
車両の乗り心地が悪化する。
【0004】本発明は上記問題に対処するためになされ
たもので、その目的は、振動の減衰制御を積極的に必要
とする周波数域においてのみばね上部材のばね下部材に
対する振動を抑制して、車両の乗り心地及び走行安定性
を総合的に良好に保つようにした車両用サスペンション
装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、車両のばね上部材とばね
下部材の両部材の一方に磁石を組み付けるとともに、他
方に上下方向に沿って前記磁石に対向させて複数のコイ
ルを組み付け、前記磁石と前記複数のコイルとにより発
生する電磁力を用いてばね上部材のばね下部材に対する
振動を抑制する車両用サスペンション装置のための電気
制御装置において、ばね上部材のばね下部材に対する相
対速度を検出する相対速度検出手段と、前記検出された
相対速度にばね上部材及びばね下部材の共振周波数近傍
の周波数成分を抽出するフィルタ処理を施すフィルタ処
理手段と、前記フィルタ処理の施された相対速度が車両
用サスペンション装置の伸び側を表すとき同サスペンシ
ョン装置に縮み側の電磁力が作用するようにコイルを通
電制御し、同相対速度が車両用サスペンション装置の縮
み側を表すとき同サスペンション装置に伸び側の電磁力
が作用するようにコイルを通電制御する通電制御手段と
を設けたことにある。
【0006】
【発明の作用効果】上記のように構成した本発明におい
ては、ばね上部材がばね下部材に対して振動すると、ば
ね下部材に対するばね上部材の相対速度を相対速度検出
手段が検出する。この検出された相対速度はフィルタ手
段によりフィルタ処理されて、同相対速度のあらゆる周
波数成分のうちで、ばね上部材及びばね下部材の共振周
波数近傍の周波数成分が抽出される。そして、通電制御
手段が、前記周波数成分を有する相対速度に基づいて、
同相対速度が車両用サスペンション装置の伸び側を表す
とき同サスペンション装置に縮み側の電磁力が作用する
ようにコイルを通電制御し、同相対速度が車両用サスペ
ンション装置の縮み側を表すとき同サスペンション装置
に伸び側の電磁力が作用するようにコイルを通電制御、
すなわちばね下部材に対するばね上部材の振動を抑制す
るように制御する。したがって、本発明によれば、ばね
上部材及びばね下部材の共振周波数近傍の周波数成分を
有するばね下部材に対するばね上部材の振動が積極的に
抑制されるとともに、振動の積極的な減衰制御を必要と
しない周波数域においては、ばね上部材のばね下部材に
対する振動の減衰力が小さく保たれるので、車両の乗り
心地及び走行安定性が総合的に良好に保たれる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明すると、図1は車両用サスペンション装置
内に設けた電磁式サスペンション機構A1を電気的に制
御する電気制御装置Bをブロック図により示している。
【0008】このサスペンション装置は、図2,3に示
すように、ばね上部材を構成する車体BDとばね下部材
を構成するロアアームLAとの間に配設されており、前
記電磁式減衰力発生機構A1に加え、油圧式減衰力発生
機構A2及びエアばね機構A3を有する。
【0009】油圧式減衰力発生機構A2は、油圧力によ
り車体BDのロアアームLAに対する振動を減衰させる
もので、同軸的に配置したアウタシリンダ11及びイン
ナシリンダ12と、両シリンダ11,12に軸方向に進
退可能に組み付けたピストンロッド13とを備えてい
る。アウタシリンダ11は、その下端にてロアアームL
Aに組み付けられている。インナシリンダ12は、その
上端及び下端にてアウタシリンダ11の内周面上に支持
されている。ピストンロッド13はアウタシリンダ11
から上方に延出されており、その上端にて、ゴム製のア
ッパサポート16を介して車体BDに組み付けられてい
る。
【0010】インナシリンダ12内は、ピストンロッド
13の外周面に固定されてインナシリンダ12の内周面
上を液密的に軸方向に摺動するメインピストン17によ
り上下室R1,R2に区画されている。上下室R1,R
2は作動液(作動油)で満たされており、下室R2はア
ウタシリンダ11とインナシリンダ12との間に形成さ
れて気体の封入された環状室R3にインナシリンダ12
の下端にて連通している。メインピストン17には上下
室R1,R2を連通させてなる固定オリフィス(図示し
ない)が設けられており、同オリフィスはピストンロッ
ド13の上下動に伴い減衰力を発生する。メインピスト
ン17の下方であってピストンロッド13の外周面に
は、サブピストン18がインナシリンダ12の内周面と
の間に多少のクリアランスを設けて固定されている。サ
ブピストン18内には、上下室R1,R2を連通させて
なる可変オリフィス(図示しない)が設けられており、
同可変オリフィスの開度がピストンロッド13の上端に
設けた減衰力切換え用のアクチュエータ21により切り
換えられるようになっている。
【0011】エアばね機構A3は、空気圧により車体B
DをロアアームLAに対して弾性的に支持するもので、
円筒状の上部ケース23及び下部ケース24と、両ケー
ス23,24を気密的に連結する連結ケース25とを備
え、これらのケース23〜25によりアウタシリンダ1
1及びピストンロッド13の外周上に空気室R4を形成
している。この空気室R4には、電気的に制御される吸
気及び排気装置(図示しない)が接続され、同室R4内
の空気量が調整されるようになっている。
【0012】上部ケース23は可撓性を有する樹脂で成
形されており、その上面にてゴム製のアッパサポート2
6及び支持プレート27を介して車体BDに支持される
とともに、支持プレート27を介してピストンロッド1
3の上端部外周面上に気密的に固定されている。下部ケ
ース24も樹脂により成形されており、その下部内周面
上にて、アウタシリンダ11の外周面上に溶接固定した
円筒部材32の外周面上に気密的に固定されている。連
結ケース25は弾性に富むゴムを主体としたダイヤフラ
ムにより構成されており、その上端部にてかしめリング
33により上部ケース23の下端部外周面上に気密的に
固着されているとともに、その下端部にてかしめリング
34により下部ケース24の上部外周面上に気密的に固
着されている。
【0013】電磁式減衰力発生機構A1は、車体BDの
ロアアームLAに対する振動を電磁力により減衰させる
もので、磁石(永久磁石)35,36及び複数(例えば
15個)のコイル37−1,37−2・・・37−15
を有する。磁石35,36は環状に形成されており、円
筒状に非磁性材料で成形された支持部材38の外周面上
に上下方向を軸線方向として固定されている。支持部材
38は、下部ケース24の上端面に立設固定されてい
る。磁石35の下端面及び磁石36の上端面は一方の磁
極(例えばN極)に、磁石35の上端面及び磁石36の
下端面は他方の磁極(例えばS極)に磁化されている。
支持部材38の上端部内周面上には環状のリブ41が固
定されており、同リブ41はその内周面上にてストッパ
プレート31の外周面上に当接しており、支持部材38
がアウタシリンダ11の上端部外周面上に隔離して支持
されるようにしている。また、リブ41の周方向の適宜
複数箇所には上下に連通する穴41aが設けられてお
り、ストッパプレート31の上下の部屋を連通させてい
る。
【0014】コイル37−1,37−2・・・37−1
5は、ピストンロッド13の延設方向を軸方向として円
筒状に樹脂で成形したケーシング42内にそれぞれ樹脂
製のスペーサ43を介して上下方向に沿って等間隔に組
み込まれて、磁石35,36の外周面上に対向して配置
されている。コイル37−1,37−2・・・37−1
5はリード線37aを介して上部ケース23外に導かれ
ている。上部ケース23の内周面上に周方向の適宜箇所
にてリブ47が設けられ、ケーシング42を適宜箇所に
て上部ケース23の内周面上に支持している。
【0015】次に、電磁式減衰力発生機構A1を制御す
るための電気制御装置Bについて説明する。なお、油圧
式減衰力発生機構A1及びエアばね機構A2を制御する
ための電気制御装置に関しては、本発明には直接関係し
ないので説明を省略する。
【0016】電気制御装置Bは、図1に示すように、車
高センサ51及びマイクロコンピュータ52を備えてい
る。車高センサ51は、車体BDとロアアームLAとの
間に設けられてロアアームLAに対する車体BDの上下
方向の相対位置(車高)Hを検出する。なお、相対位置
Hは、基準位置が「0」で表され、それより上方向が正
で表されるとともに下方向が負で表される。マイクロコ
ンピュータ52は、バス52aにそれぞれ接続された入
力インターフェース52b、CPU52c、ROM52
d、RAM52e及び出力インターフェース52fから
なる。入力インターフェース52bは、車高センサ51
から相対位置Hを表す検出信号を入力する。CPU52
cは、内蔵のタイマにより所定の短時間毎に図4に示す
フローチャートに対応したプログラムを繰り返して実行
して、コイル37−1,37−2・・・37−15の通
電を制御する。
【0017】ROM52dは、前記プログラムを記憶す
るとともに、複数(例えば9種類)の相対位置Hにそれ
ぞれ対応して複数の通電パターンPTNを記憶した図5
に示す通電パターンテーブルを備えている。各通電パタ
ーンPTNは、コイル37−1,37−2・・・37−
15の通電、非通電及び通電方向を表すデータ群からな
り、サスペンション装置を伸び側又は縮み側に付勢する
ための電磁力を付与するものである。なお、図5におい
ては、”1”により順方向に通電されるコイルが示さ
れ、”0”により逆方向に通電されるコイルが表され、
それら以外により通電されないコイルが表している。R
AM52eは、前記プログラムの実行に必要なデータを
一時的に記憶するものである。出力インターフェース5
2fは、前記通電パターンPTNを駆動回路53に出力
するものである。
【0018】駆動回路は53は、通電パターンPTNに
よりコイル37−1,37−2・・・37−15の通電
及び非通電を制御するもので、図6に示すように、各コ
イル37−1,37−2・・・37−15に対して4個
のトランジスタTr1〜Tr4でそれぞれ構成されている。
トランジスタTr1,Tr2はPNP型で構成されるととも
に、トランジスタTr3,Tr4はNPN型で構成され、電
源+Vと接地間に直列接続されて各トランジスタTr1,
Tr3とTr2,Tr4の各接続点に各コイル37−1,37
−2・・・37−15の両端がそれぞれ接続されてい
る。この場合、トランジスタTr1,Tr4に制御電圧を付
与して両トランジスタTr1,Tr4を同時にオンさせるこ
とにより図示実線矢印方向に電流が流れて、磁束はコイ
ル37−1,37−2・・・37−15を下から上に通
過する(コイル37−1,37−2・・・37−15の
上方がN極に、下方がS極に磁化された磁石と等価)。
一方、トランジスタTr2,Tr3に制御電圧を付与して両
トランジスタTr2,Tr3を同時にオンさせることにより
図示破線矢印方向に電流が流れて、磁束はコイル37−
1,37−2・・・37−15を上から下に通過する
(コイル37−1,37−2・・・37−15の上方が
S極に、下方がN極に磁化された磁石と等価)。以下、
前者の通電状態を順方向通電といい、後者の通電状態を
逆方向通電という。
【0019】次に、上記のように構成したサスペンショ
ン装置の動作を説明するが、油圧式減衰力発生機構A2
による減衰力の制御及びエアばね機構A3による車高調
整は本願発明に直接関係しないのでそれらの動作説明を
省略し、電磁式減衰力発生機構A1による減衰力の制御
動作についてのみ説明する。
【0020】図示しないイグニッションスイッチの投入
により、CPU52cは図4のプログラムを所定の短時
間毎に繰り返し実行する。このプログラムの実行はステ
ップ100にて開始されて、CPU52cは、ステップ
102にて車高センサ52から相対位置Hを表す検出信
号を入力し、ステップ104にて前記相対位置Hを微分
してロアアームLAに対する車体BDの相対速度Vを計
算する。次に、CPU52cは、ステップ106にて、
車体BDを含むばね上部材の共振周波数付近の振動成分
を抽出するために、通過周波数域を同共振周波数に対応
した所定周波数以下(例えば、約2Hz以下)とするロ
ーパスフィルタ処理を前記計算した相対速度Vに施して
同フィルタ処理の施された相対速度をV1として設定す
る。また、CPU52cは、ステップ108にて、ロア
アームLAを含むばね下部材の共振周波数付近の振動成
分を抽出するために、通過周波数域を同共振周波数に対
応した所定周波数域(例えば、約10〜14Hz)とす
るバンドパスフィルタ処理を前記計算した相対速度Vに
施して同フィルタ処理の施された相対速度をV2として
設定する。
【0021】次に、CPU52cは、ステップ110に
て前記相対速度V1,V2を加算して加算結果を相対速
度V*として設定し、ステップ112にて相対速度V*
の絶対値|V*|と所定の微小値Voとを比較する。前
記絶対値|V*|が微小値Vo未満であれば、コイル3
7−1,37−2・・・37−15の通電制御に対する
ハンチング現象を避けるために、同ステップ112にて
「NO」と判定してプログラムをステップ122に進め
てこのプログラムの実行を終了する。一方、前記絶対値
|V*|が微小値Vo以上であれば、プログラムをコイ
ル37−1,37−2・・・37−15の通電を制御す
るためのステップ114〜120に進める。
【0022】ステップ114においては、ROM52d
内に設けられた通電パターンテーブル(図5)を参照
し、前記入力した相対位置Hに対応した通電パターンP
TNを導出する。次に、ステップ116にて前記計算し
た相対速度V*が正負のいずれかであるかを判定する。
相対速度V*が負であれば、同ステップ116にて「Y
ES」と判定して、ステップ118にて前記導出した通
電パターンPTNを駆動回路53に出力する。駆動回路
53は、コイル37−1,37−2・・・37−15の
うちで前記通電パターンデータPTNにより指定された
コイルに対して順方向又は逆方向に一定の電流を流す。
【0023】この場合、例えば図7(A)に示すように、
コイル37−1,37−2・・・37−15のうちで磁
石35,36と中央位置に対向する3つのコイルが順方
向に通電され、磁石35,36の両端近傍位置に対向す
る各3つのコイルが逆方向に通電される。したがって、
これらの通電されたコイル及び磁石35,36による電
磁力は、車体BDをロアアームLAに対して上方すなわ
ちサスペンション装置の伸び側に付勢するように作用す
る。その結果、車体BDがロアアームLAに対して下方
へ変位すなわち縮み側に変位しつつあるサスペンション
装置が伸び側に付勢され、車体BDのロアアームLAに
対する下方への変位が抑制される。
【0024】また、相対速度V*が正であれば、前記ス
テップ116にて「NO」と判定して、ステップ120
にて前記導出した通電パターンPTNの”1”及び”
0”を”0”及び”1”にそれぞれ反転して、同反転し
た通電パターンPTNを駆動回路53に出力する。な
お、”1”及び”0”以外の値は、そのままに保たれ
る。駆動回路53は、前記反転された通電パターンPT
Nに基づいてコイル37−1,37−2・・・37−1
5を前記場合と同様に通電制御する。この場合、例えば
図7(B)に示すように、コイル37−1,37−2・・
・37−15のうちで磁石35,36と中央位置に対向
する3つのコイルが逆方向に通電され、磁石35,36
の両端近傍位置に対向する各3つのコイルが順方向に通
電される。したがって、これらの通電されたコイル及び
磁石35,36による電磁力は、車体BDをロアアーム
LAに対して下方すなわちサスペンション装置の縮み側
に付勢するように作用する。その結果、車体BDがロア
アームLAに対して上方へ変位すなわち伸び側に変位し
つつあるサスペンション装置が縮み側に付勢され、車体
BDのロアアームLAに対する上方への変位が抑制され
る。
【0025】これらのステップ118,120の制御に
より、車体BDのロアアームLAに対する上下両方向へ
の変位が抑制される。そして、ステップ122にてこの
プログラムの実行を終了する。なお、上記のような電磁
力によるばね下部材に対するばね上部材の振動の制御
は、油圧式減衰力発生機構A1による振動の減衰制御に
重畳して行われる。
【0026】上記のような動作説明からも理解できるよ
うに、上記実施形態においては、車高センサ51及びス
テップ102,104の処理により、車体BDのロアア
ームLAに対する相対速度Vが検出され、ステップ10
6,108の処理により車体BDを含むばね上部材及び
ロアアームLAを含むばね下部材の各共振周波数近傍の
周波数成分のみを有する相対速度V*が抽出される。
【0027】そして、ステップ110〜120の処理に
より、前記相対速度V*に基づいて、同相対速度V*が
サスペンション装置の伸び側を表すとき同サスペンショ
ン装置に縮み側の電磁力が作用するようにコイル37−
1,37−2・・・37−15を通電制御し、同相対速
度V*がサスペンション装置の縮み側を表すとき同サス
ペンション装置に伸び側の電磁力が作用するようにコイ
ル37−1,37−2・・・37−15を通電制御する
ようにした。その結果、上記実施形態によれば、ばね上
部材及びばね下部材の共振周波数近傍の周波数成分を有
するばね下部材に対するばね上部材の振動が積極的に抑
制されるとともに、振動の積極的な減衰制御を必要とし
ない周波数域においては、ばね上部材のばね下部材に対
する振動の減衰力は小さく保たれるので、車両の乗り心
地及び走行安定性が総合的に良好に保たれる。
【0028】また、上記実施形態においては、ロアアー
ムLAに対する車体BDの相対位置Hに対応した通電パ
ターンPTNを記憶した通電パターンテーブルをROM
52d内に用意しておき、ステップ114の処理により
通電パターンPTNに応じてコイル37−1,37−2
・・・37−15の通電を制御するようにしたので、簡
単な構成で通電パターンを決定できると同時にコイル3
7−1,37−2・・・37−15の通電を的確に制御
できる。その結果、上記実施形態によれば、ロアアーム
LAに対する車体BDの振動を的確に減衰させることが
できる。
【0029】次に、上記のように構成した実施形態の変
形例について説明する。この変形例は、上記図4のプロ
グラムに代えて図8に示すプログラムをROM52dに
記憶させておくとともに、CPU52cは同プログラム
を所定の短時間毎に繰り返し実行する。他の構成につい
ては、上記実施形態の場合と同じである。図8のプログ
ラムは、上記実施形態のプログラムにステップ130,
132の処理を加えるとともに、同プログラムのステッ
プ110の処理をステップ134の処理に代えたもので
ある。
【0030】ステップ130においては、通過周波数域
をばね上部材及びばね下部材の共振周波数との間の所定
周波数域(例えば、約2〜10Hz)とするバンドパス
フィルタ処理を前記ステップ104の処理により計算し
た相対速度Vに施して、同フィルタ処理の施された相対
速度をV3として設定する。ステップ132において
は、通過周波数域をばね下部材の共振周波数より高い所
定周波数域(例えば、約14Hz以上)とするハイパス
フィルタ処理を前記ステップ104の処理により計算し
た相対速度Vに施して、同フィルタ処理の施された相対
速度をV4として設定する。ステップ134において
は、前記ステップ106,108,130,132の処
理により計算した各相対速度V1,V2,V3,V4か
ら新たな相対速度V*=V1+V2−V3−V4を計算
する。そして、ステップ112〜120の処理により、
同計算した相対速度V*に応じてコイル37−1,37
−2・・・37−15の通電を上記実施形態の場合と同
様に制御する。
【0031】これによれば、ばね上部材及びばね下部材
の各共振周波数域以外の周波数域に属する相対速度V
3,V4が上記実施形態の相対速度V*から減ぜられた
ことになる。したがって、この変形例によれば、ばね上
部材及びばね下部材の共振周波数域以外の周波数域であ
って振動の積極的な減衰制御を必要としない周波数域に
おいては、ばね上部材のばね下部材に対する振動の減衰
力は上記実施形態の場合に比べてより小さく保たれるの
で、ばね上部材及びばね下部材の共振周波数近傍の周波
数成分を有するばね下部材に対するばね上部材の振動の
抑制が上記実施形態の場合に比べてより強調される。
【0032】なお、上記実施形態及び変形例における磁
石35,36とコイル37−1,37−2・・・37−
15の組み付け位置を逆にして、車体BD(ばね上部
材)側の部材である上部ケース23側に磁石35,36
を固定するとともに、ロアアームLA(ばね下部材)側
の部材である下部ケース24に固定した支持部材35又
は下部ケース24にコイル37−1,37−2・・・3
7−15を固定するようにしてもよい。
【0033】また、上記実施形態及び変形例においては
通電パターンテーブルにサスペンション装置を伸び側に
付勢するための通電パターンPTNを用意するようにし
たが、同通電パターンPTNとしてサスペンション装置
を縮み側に付勢するものを用意しておくようにしてもよ
い。この場合、ステップ118,120の処理を相互に
置換するようにすればよい。また、通電パターンPTN
としてサスペンション装置を伸び側及び縮み側にそれぞ
れ付勢するための2種類の通電パターンPTNを用意し
ておき、通電パターンPTNを反転することなくステッ
プ118,120にて通電パターンテーブルから導出し
た通電パターンPTNをそのまま利用するようにしても
よい。
【0034】さらに、上記実施形態及び変形例における
車高センサ51を速度センサで置換して、同速度センサ
によりロアアームLAに対する車体BDの相対速度Vを
直接検出するようにしてもよい。この場合、上記ステッ
プ102にて検出した相対速度Vを入力するとともに、
上記ステップ104にて前記検出した相対速度Vを積分
することにより相対位置Hを計算するようにすればよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るサスペンション装置
の電磁式減衰力発生機構を制御するための電気制御装置
のブロック図である。
【図2】 前記サスペンション装置の全体を示す一部破
断図である。
【図3】 図2のサスペンション装置の中央部分の拡大
図である。
【図4】 図1のCPUにより実行されるプログラムの
フローチャートである。
【図5】 図1のROM内に設けられた通電パターンテ
ーブルの記憶内容を示すメモリマップである。
【図6】 図1の駆動回路の一部を詳細に示す電気回路
図である。
【図7】 前記通電パターンによる電磁力の発生状態を
説明するための作動説明図である。
【図8】 前記実施形態の変形例に係り、図1のCPU
により実行されるプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
A1…電磁式減衰力発生機構、A2…油圧式減衰力発生
機構、A3…エアばね機構、B…電気制御装置、BD…
車体、LA…ロアアーム、35,36…磁石、37−
1,37−2・・・37−15…コイル、51……車高
センサ、52…マイクロコンピュータ、52c…CP
U、52d…ROM、53…駆動回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のばね上部材とばね下部材の両部材の
    一方に磁石を組み付けるとともに、他方に上下方向に沿
    って前記磁石に対向させて複数のコイルを組み付け、前
    記磁石と前記複数のコイルとにより発生する電磁力を用
    いてばね上部材のばね下部材に対する振動を抑制する車
    両用サスペンション装置のための電気制御装置におい
    て、 ばね上部材のばね下部材に対する相対速度を検出する相
    対速度検出手段と、 前記検出された相対速度にばね上部材及びばね下部材の
    共振周波数近傍の周波数成分を抽出するフィルタ処理を
    施すフィルタ処理手段と、 前記フィルタ処理の施された相対速度が車両用サスペン
    ション装置の伸び側を表すとき同サスペンション装置に
    縮み側の電磁力が作用するように前記コイルを通電制御
    し、同相対速度が車両用サスペンション装置の縮み側を
    表すとき同サスペンション装置に伸び側の電磁力が作用
    するように前記コイルを通電制御する通電制御手段とを
    設けたことを特徴とする車両用サスペンション装置のた
    めの電気制御装置。
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