JPH10246270A - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JPH10246270A
JPH10246270A JP5127297A JP5127297A JPH10246270A JP H10246270 A JPH10246270 A JP H10246270A JP 5127297 A JP5127297 A JP 5127297A JP 5127297 A JP5127297 A JP 5127297A JP H10246270 A JPH10246270 A JP H10246270A
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JP
Japan
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magnet
solenoid
outer peripheral
vehicle body
side member
Prior art date
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Application number
JP5127297A
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English (en)
Inventor
Shigetaka Isotani
谷 成 孝 磯
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP5127297A priority Critical patent/JPH10246270A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実にソレノイドと磁石との相対位置を検出
することにより、ソレノイドの通電制御をより容易に行
うことを可能とするサスペンション装置を提供するこ
と。 【解決手段】 ピストンロッド5と一体的に変位する外
周ソレノイドアッセンブリ21及び内周ソレノイドアッ
センブリ23と、外周ソレノイドアッセンブリ21と内
周ソレノイドアッセンブリ23との間に介在されるとと
もに、シリンダ4と一体的に変位する磁石18、19と
を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石とソレノイド
による電磁力を利用して車輪側部材の車体側部材に対す
る相対移動を規制又は制御する車両のサスペンションに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のサスペンション装置は、特開平4
−159116号公報に開示されるものが知られてい
る。この従来のサスペンション装置は、車体に組付けら
れる車体側部材と、車輪に組付けられるとともに、前記
車体側部材に対して相対移動可能に組付けられる車輪側
部材と、前記相対移動方向をその軸として配設されて前
記車体側部材及び前記車輪側部材の内の一方と一体的に
変位する、内外二重に設けられてその間隙中に径方向磁
界を形成する第1磁石対及び前記第1磁石対と前記相対
移動方向で所定距離分離間して配設されるとともに内外
二重に設けられてその間隙中に前記第1磁石対とは逆の
径方向磁界を形成する第2磁石対と、前記相対移動方向
をその軸として前記第1磁石対の間隙部及び前記第2磁
石対の間隙部に配設されるとともに、前記車体側部材と
前記車輪側部材との他方と一体的に変位するソレノイド
群と、前記車体側部材と前記車輪側部材との相対位置を
検出する車高センサとを具備するものである。
【0003】この従来のサスペンション装置は、ソレノ
イド群において磁石対に対向しているソレノイドに、車
体側部材と車輪側部材との相対移動方向と磁石対の磁界
方向と直交する向きに通電することにより、磁界方向と
通電方向との両方に直交する方向、即ち、車体側部材と
車輪側部材との相対移動方向に沿った駆動力を生じるこ
とになる。そして、第1磁石対に対向するソレノイドと
第2磁石対に対向するソレノイドとの通電方向を互いに
逆方向とすることにより、両磁界部分における駆動力の
作用方向が同一とできる。従って、この駆動力により、
車体側部材と車輪側部材は相対移動し、ひいては、サス
ペンション装置は伸長又は短縮する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のサスペンション装置は、車体側部材と車輪側部材と
の相対位置を検出する車高センサを用いて、間接的に、
ソレノイド群において第1磁石対及び第2磁石対に対向
しているソレノイドを検出している。従って、ソレノイ
ド群において第1磁石対に対向しているソレノイド及び
第2磁石対に対向しているソレノイドを正確に検出する
ことは困難であり、ひいては、サスペンション装置の制
御において正確性を損なう虞を有している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明は、請求項1に記載したように、車体
に組付けられる車体側部材と、車輪に組付けられるとと
もに、前記車体側部材に対して相対移動可能に組付けら
れる車輪側部材と、前記相対移動方向をその軸として配
設され、前記車体側部材及び前記車輪側部材の内の一方
と一体的に変位する外周ソレノイド群及び前記外周ソレ
ノイド群の内周側に配設される内周ソレノイド群と、前
記外周ソレノイド群と前記内周ソレノイド群との間に介
在されるとともに、前記車体側部材と前記車輪側部材と
の他方と一体的に変位する磁石とを具備する車両のサス
ペンション装置を構成した。
【0006】好ましくは、請求項2に記載したように、
前記車輪側部材は、その下端部が前記車輪に組付けられ
る作動液を封入したシリンダを有し、前記車体側部材
は、その上端部が前記車体に組付けられると共に、前記
シリンダの上端面から進退可能に突出されたピストンロ
ッドを有し、前記ピストンロッドと前記シリンダとは、
前記車体側部材と前記車輪側部材との相対移動により減
衰力を発生するダンパ装置を構成するサスペンション装
置が望ましい。
【0007】好ましくは、請求項3に記載したように、
前記外周ソレノイド群及び前記内周ソレノイド群は、前
記ダンパ装置の外周側に前記ダンパ装置と同軸に且つ前
記ダンパ装置の軸方向に向かって配設されるサスペンシ
ョン装置が望ましい。
【0008】好ましくは、前記磁石は、前記車体側に配
設される第1磁石と、前記第1磁石に対して所定距離分
離間して前記車輪側に配設される第2磁石とを有し、前
記第1磁石は筒状を呈するとともに、その上端側がS極
及びN極のうちのどちらか一方に磁化され、その下端側
がS極及びN極のうちのどちらか他方に磁化されてお
り、前記第2磁石は筒状を呈するとともに、その上端側
が前記第1磁石の下端側と同極に磁化され、その下端側
が前記第1磁石の上端側と同極に磁化されるサスペンシ
ョン装置が望ましい。
【0009】好ましくは、請求項4に記載したように、
前記磁石は、前記車体側に配設される第1磁石と、前記
第1磁石に対して所定距離分離間して前記車輪側に配設
される第2磁石とを有し、前記第1磁石は筒状を呈する
とともに、その外周側がS極及びN極のうちのどちらか
一方に磁化され、その内周側がS極及びN極のうちのど
ちらか他方に磁化されており、前記第2磁石は筒状を呈
するとともに、その外周側が前記第1磁石の内周側と同
極に磁化され、その内周側が前記第1磁石の外周側と同
極に磁化されるサスペンション装置が望ましい。
【0010】好ましくは、請求項5に記載したように、
前記磁石は、前記車体側に配設される第1磁石と、前記
第1磁石に対して所定距離分離間して前記車輪側に配設
される第2磁石とを有し、前記第1磁石は筒状を呈する
とともに、その外周側がS極及びN極のうちのどちらか
一方に磁化され、その内周側がS極及びN極のうちのど
ちらか他方に磁化されており、前記第2磁石は筒状を呈
するとともに、その外周側が前記第1磁石の内周側と同
極に磁化され、その内周側が前記第1磁石の外周側と同
極に磁化されるサスペンション装置が望ましい。
【0011】好ましくは、請求項6に記載したように、
前記外周ソレノイド群の外周面上に設けられてその下端
が前記車輪側部材の外周面に支持されるとともにその上
端が前記車体側部材に支持されるケースを有してなり、
前記ケース内に封入した空気により前記車輪側部材の前
記車体側部材に対する相対移動に対してばね作用を付与
するエアばね装置を具備したサスペンション装置が望ま
しい。
【0012】請求項1のサスペンション装置は、外周ソ
レノイド群及び内周ソレノイド群の内で少なくともどち
らか一方が非通電とされている場合、磁石が形成する磁
界の影響を受けて、非通電とされているソレノイド群に
おいて磁石に対向するソレノイドに起電力が生じること
になる。即ち、非通電状態とされた複数のソレノイドに
おいて、起電力が生じているソレノイドを検出すること
により、磁石のソレノイド群に対する位置を検出するこ
とが可能となる。ひいては、ばね上部材とばね下部材と
の相対位置をも検出することが可能となる。従って、非
通電状態とされたソレノイド群と磁石とは、ソレノイド
群と磁石との相対位置を検出する相対位置検出手段、及
び、ばね上部材とばね下部材との相対位置を検出する車
高検出手段を構成している。
【0013】請求項2のサスペンション装置は、請求項
1の作用に加えて、ダンパ装置は、ばね上部材とばね下
部材との相対移動に伴う相対速度に応じて、ばね上部材
とばね下部材との相対移動を抑制する減衰力を発生す
る。特に、ダンパ装置においてばね上部材とばね下部材
との相対速度が小さい場合には、ばね上部材とばね下部
材との相対移動を十分に抑制できない虞が生じるが、外
周ソレノイド群と内周ソレノイド群との少なくともどち
らか一方と磁石とで電磁力を生じさせることにより、ば
ね上部材とばね下部材との相対移動を抑制することがで
きる請求項3のサスペンション装置は、請求項2の作用
に加えて、サスペンション装置を小型化可能となる。
【0014】請求項4のサスペンション装置は、請求項
1〜3の何れか一に記載の作用に加えて、外周ソレノイ
ド群及び内周ソレノイド群の内で少なくともどちらか一
方が非通電とされている場合、第1磁石が形成する上端
側から下端側又は下端側から上端側に向かう磁界、及
び、第2磁石が形成する第1磁石とは逆向きの磁界の影
響を受けて、第1磁石及び第2磁石に対向する非通電状
態のソレノイドにおいて起電力が生じることになる。即
ち、非通電状態とされた複数のソレノイドにおいて、起
電力が生じているソレノイドを検出することにより、磁
石のソレノイド群に対する位置を検出することが可能と
なる。
【0015】請求項5のサスペンション装置は、請求項
1〜3の何れか一に記載の作用に加えて、外周ソレノイ
ド群及び内周ソレノイド群の内で少なくともどちらか一
方が非通電とされている場合、第1磁石が形成する内周
側から外周側又は外周側から内周側に向かう磁界、及
び、第2磁石が形成する第1磁石と逆向きの磁界の影響
を受けて、第1磁石及び第2磁石に対向する非通電状態
のソレノイドにおいて起電力が生じることになる。即
ち、非通電状態とされた複数のソレノイドにおいて、起
電力が生じているソレノイドを検出することにより、磁
石のソレノイド群に対する位置を検出することが可能と
なる。
【0016】請求項6のサスペンション装置は、請求項
1〜5の何れか一に記載の作用に加えて、ソレノイド群
及び磁石がエアばね装置内に収容されることになる。
【0017】
【実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的
に説明する。
【0018】(実施の形態1)図1は、車両のサスペン
ション装置に用いられた本発明のサスペンション装置1
の断面図である。図1に示すように、1はサスペンショ
ン装置であり、車体側部材としての車体BDと、ばね下
部材としてのロアアームLAとの間に配設されている。
サスペンション装置1は、ダンパ装置2とエアばね装置
3とを備えている。
【0019】ダンパ装置2は、周知のダンパ装置である
ためその詳述は避けるが、作動液を封入したシリンダ4
と、シリンダ4に軸方向に進退可能に組み付けられたピ
ストンロッド5とを備えている。シリンダ4は、その下
端部にてロアアームLAにブッシュを介して組付けられ
ている。ピストンロッド5は、シリンダ4の上端面から
上方に延出されており、その上端部にて、ネジ6により
車体BDに固定したアッパーサポート7を介して車体B
Dに組付けられている。
【0020】エアばね装置3も又、周知のエアばね装置
であるためその詳述は避けるが、ダンパ装置2の外周に
配設されており、上部ケース8と下部ケース9とから成
るケース10を備えている。
【0021】上部ケース8は、その上面にてアッパーサ
ポート11及び支持プレート12を介して車体BDに支
持されるとともに、支持プレート12を介してピストン
ロッド5の上端部外周に気密的に固定されている。
【0022】下部ケース9は、弾性に富むゴムを主体と
したダイヤフラムにより構成されており、その上端部に
おいてかしめリング13により上部ケース8の下端部内
周面上に気密的に固定されるとともに、その下端部にお
いてシリンダ2の外周に固定されている非磁性材料から
成る支持部材14を介してシリンダ2に気密的に固定さ
れている。
【0023】支持部材14は、後述する磁石18、19
を備えている。
【0024】エアばね装置3は、ケース10によりシリ
ンダ4及びピストンロッド5の外周上に空気室15を形
成している。この空気室15には、図示しない電気的に
制御される吸気及び排気装置がインレット16を介して
接続され、空気室15内の空気量が調節されるようにな
っている。
【0025】支持プレート12の下面には、ゴム製のバ
ウンドストッパ17が配設されている。バウンドストッ
パ17は、シリンダ4の上面との当接により車体BDの
バウンドを弾性的に規制する。
【0026】図2は、図1の磁石18、19近辺の拡大
図である。図2に示すように、略筒状を呈する支持部材
14はその下端部においてシリンダ4に気密的に固定さ
れている。支持部材14の上端部分には、車体BD側に
位置する環状の第1磁石(永久磁石)18と、ロアアー
ムLA側に位置する環状の第2磁石(永久磁石)19と
がそれぞれ配設されている。第1磁石18と第2磁石1
9とはダンパ装置2の軸方向において所定距離分離間し
て配設されている。
【0027】第1磁石18の上端側はN極に、又、下端
側はS極に磁化されている。第2磁石19の上端側はS
極に、又、下端側はN極に磁化されている。
【0028】磁石18、19の外周側には、磁石18、
19の外周面に対向するようにして、ダンパ装置2の軸
方向(図2中上下方向)をその軸方向とする複数の外周
ソレノイド20が配設されている。複数の外周ソレノイ
ド20はそれぞれダンパ装置2の軸方向に等間隔に配置
され、全体として筒状を呈する外周ソレノイドアッセン
ブリ21を形成している。外周ソレノイド群としての外
周ソレノイドアッセンブリ21は上部ケース8に固定さ
れている。
【0029】外周ソレノイドアッセンブリ21の内周
側、ひいては磁石18、19の内周側には、磁石18、
19の内周面に対向するようにして、ダンパ装置2の軸
方向(図2中上下方向)をその軸方向とする複数の内周
ソレノイド22が配設されている。複数の内周ソレノイ
ド22はそれぞれ、ダンパ装置2の軸方向に等間隔に配
置され、全体として筒状を呈する内周ソレノイドアッセ
ンブリ23を形成している。内周ソレノイド群としての
内周ソレノイドアッセンブリ23は上部ケース8に固定
されている。
【0030】外周ソレノイド20及び内周ソレノイド2
2のリード線はそれぞれ気密的に上部ケース8外に取り
出され、サスペンション装置1外に配設される図示しな
い電気制御装置に電気的に接続されている。
【0031】外周ソレノイドアッセンブリ21及び内周
ソレノイドアッセンブリ23の内で少なくともどちらか
一方が非通電とされている場合、第1磁石18が形成す
る上端側から下端側に向かう磁界、或いは、第2磁石1
9が形成する下端側から上端側に向かう磁界の影響を受
けて、第1磁石18又は第2磁石19に対向する非通電
状態のソレノイドアッセンブリにおけるソレノイドにお
いて起電力が生じることになる。即ち、非通電状態とさ
れたソレノイドアッセンブリにおけるソレノイドにおい
て、起電力が生じているソレノイドを検出することによ
り、磁石のソレノイドアッセンブリに対する位置を検出
することが可能となる。ひいては、車体BDとロアアー
ムLAとの相対位置を検出することが可能となる。従っ
て、非通電状態とされたソレノイドアッセンブリと磁石
とは、ソレノイドアッセンブリと磁石との相対位置を検
出する相対位置検出手段、及び、車体BDとロアアーム
LAとの相対位置を検出する車高検出手段を構成してい
るものである。
【0032】更に、非通電状態とされたソレノイドアッ
センブリと磁石とは、ソレノイドアッセンブリと磁石と
の相対位置を検出する相対位置検出手段を構成する一方
で、ソレノイドアッセンブリと磁石との相対速度を検出
する相対速度検出手段をも構成している。例えば、内周
ソレノイドアッセンブリ23が非通電状態とされて、内
周ソレノイドアッセンブリ23と第1磁石18とで構成
される相対位置検出手段により、内周ソレノイドアッセ
ンブリ23に対する第1磁石18の変移に伴って、内周
ソレノイドアッセンブリ23に対する第1磁石18の異
なる二つの相対位置が検出されると、この異なる二つの
相対位置の距離、及び移動に要した時間が演算され、ひ
いては、この演算された距離と時間とから、内周ソレノ
イドアッセンブリ23に対する第1磁石18の速度が演
算可能となる。同様にして、内周ソレノイドアッセンブ
リ23と第2磁石19との相対速度も演算可能となる。
【0033】それぞれのソレノイド20、22は、電気
制御装置内の不図示の駆動回路によって電流の通電又は
非通電、及び、その通電方向が切り替えられる制御が行
われる。ソレノイド20、22に電流が通電されると、
磁束がソレノイドの軸方向、即ち、図2中の上下方向に
通過することになる。ソレノイドへ通電される電流の方
向が順方向の場合には、磁束はソレノイドを下から上に
通過する。即ち、ソレノイドの上方がN極に、下方がS
極に磁化された磁石と等価となる。逆に、ソレノイドへ
通電される電流の方向が逆方向の場合には、磁束はソレ
ノイドを上から下に通過する。即ち、ソレノイドの上方
がS極に、下方がN極に磁化された磁石と等価となる。
【0034】外周ソレノイドアッセンブリ21と内周ソ
レノイドアッセンブリ23とは、同数のソレノイドを備
えるとともにそれぞれが対抗するように配設されてい
る。又、磁石18、19の各長さは、ソレノイド20、
22の3個分の幅にほぼ等しく設定されている。
【0035】ソレノイド20、22をそれぞれ通電制御
することにより、ソレノイドアッセンブリ21、23と
磁石18、19とにより、シリンダ4とピストンロッド
5、ひいては車体BDとロアアームLAとの相対移動を
抑制する作用を得ることができる。例えば、第1磁石1
8に関しては、外周ソレノイドアッセンブリ21におい
て第1磁石18に対抗する3つの外周ソレノイド20よ
りも一つ分ずつ上にずれた3つの外周ソレノイド20を
逆方向に通電する。また、第2磁石19に関しては、外
周ソレノイドアッセンブリ21において第2磁石19に
対抗する3つの外周ソレノイド20よりも一つ分ずつ下
にずれた3つの外周ソレノイド20を順方向に通電す
る。従って、第1磁石18と第1磁石18に対応する外
周ソレノイド20との間には吸引力が作用し、第2磁石
19と第2磁石19に対応する外周ソレノイド20との
間にも吸引力が作用することから、外周ソレノイドアッ
センブリ21に対して磁石18、19はその位置に留ま
ろうとする。この場合、外周ソレノイドアッセンブリ2
1におけるソレノイド20と磁石18、19との相対位
置は、内周ソレノイドアッセンブリ23を非通電状態と
することにより内周ソレノイドアッセンブリ23と磁石
18、19とにより検出されるので、この検出されるソ
レノイド22と磁石18、19との相対位置から外周ソ
レノイドアッセンブリ21において通電すべきソレノイ
ドを決定できる。
【0036】更に、サスペンション装置1が外部から入
力を受けていれば、磁石18、19のソレノイドアッセ
ンブリ21、23との相対位置は絶えず変動する。従っ
て、非通電とされた内周ソレノイドアッセンブリ21と
磁石18、19とから成る相対位置検出手段によって検
出されたソレノイドアッセンブリ21、23と磁石1
8、19との相対位置のみに基づいてソレノイド20、
22の通電制御をしたのでは、外周ソレノイド20に通
電した時には磁石18、19の位置が変わっており、正
確な外周ソレノイドアッセンブリ21と磁石18、19
との通電制御を行うことができないといった状況が生じ
る虞がある。しかしながら、非通電とされた内周ソレノ
イドアッセンブリ23と磁石18、19とは相対速度検
出手段をも構成していることから、内周ソレノイドアッ
センブリ23と磁石18、19とにより検出される現時
点でのソレノイドアッセンブリ21、23と磁石18、
19との相対位置及び相対速度とに基づいて、次回通電
すべき外周ソレノイドアッセンブリ21と磁石18、1
9との相対位置を推定することが可能となる。即ち、よ
り正確に外周ソレノイドアッセンブリ21におけるが外
周ソレノイド20の通電制御を行うことが可能となる。
【0037】上述したようにして外周ソレノイドアッセ
ンブリ21の外周ソレノイド20が駆動回路を介して通
電制御されると、通電された外周ソレノイド20と磁石
18、19の磁力により、磁石18、19がその位置に
維持しようとする。即ち、シリンダ4とピストンロッド
5、ひいては車体BDとロアアームLAとの相対移動を
抑制する作用を得ることとなる。
【0038】電気制御装置には、上述した吸気及び排気
装置が電気的に接続され、更に、不図示の舵角センサ、
不図示の横加速度センサ、及び不図示の車速センサがそ
れぞれ電気的に接続されている。舵角センサは、不図示
の操舵ハンドルの回転角をハンドル舵角として検出する
とともに、ハンドル舵角を表す検出信号を出力する。横
加速度センサは車体BDに組付けられて車体BDの横方
向の加速度を横加速度として検出するとともに、横加速
度を表す検出信号を出力する。車速センサは、車速を検
出するとともに、車速を表す検出信号を出力する。
【0039】次に、上記のように構成したサスペンショ
ン装置1の動作を、図1及び図2を用いて説明する。
【0040】車高調整は、図示しない車高調整プログラ
ムの実行により行われる。電気制御装置のマイクロコン
ピュータは、車高調整プログラムの実行を所定の短時間
毎に実行し、ソレノイドアッセンブリ21又は23と磁
18又は19とで構成される車高検出手段から入力した
車高が、予め決められた基準車高よる高いか低いかを判
定して、この判定結果に基づいて電気制御装置内の駆動
回路を介して吸気及び排気装置を制御する。検出された
検出車高が基準車高よりも高ければ、排気装置はサスペ
ンション装置1のエアばね装置3の空気室15内の空気
を排出する。この排気によって空気室15内の空気圧は
低下し、上部ケース8及びピストンロッド5が下降して
車体BDも下降する。一方、検出された車高が基準車高
よりも低ければ、吸気装置はエアばね装置3の空気室1
5内に空気を供給する。この吸気によって空気室15内
の空気圧は上昇し、上部ケース8及びピストンロッド5
が上昇して車体BDも上昇する。その結果、車体BDの
ロアアームLAに対する高さは常にほぼ一定に保たれ
る。
【0041】一方、路面から車体BDに外力が付与され
ても、空気室15に空気を満たしたエアばね装置3は、
この付与された外力を吸収して車体BDへの衝撃を和ら
げるので、車両の乗り心地が良好となる。
【0042】次に減衰力の切り換え制御について説明す
る。この制御は、図示しない減衰力切り換えプログラム
の実行により行われる。電気制御装置のマイクロコンピ
ュータは、このプログラムを所定の短時間毎に繰り返し
実行し、車速センサにより検出された車速と横加速度セ
ンサにより検出された横加速度とに応じて不図示の減衰
力切り換え装置を駆動制御する。
【0043】この減衰力切り換え制御装置を駆動制御す
ることにより、ダンパ装置2の減衰力が車両の走行状態
に応じてソフトまたはハードに選択的に切り換えられ
る。従って、路面からの入力、車体BDの姿勢変化等に
より、車体BDが上下に振動しても、この振動はダンパ
装置2の減衰力により車両の走行状態に応じて抑制され
る。
【0044】次に、ソレノイド20、22の通電及び非
通電制御について説明すると、この制御は不図示の通電
・非通電制御プログラムの実行により行われる。このプ
ログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行し、ハンドル
舵角センサ及び非通電とされるソレノイドアッセンブリ
と磁石とで構成されるソレノイドアッセンブリに対する
磁石の相対位置検出手段との検出出力に基づいて、外周
ソレノイドアッセンブリ21又は内周ソレノイドアッセ
ンブリ23の内の少なくとも一方の通電を制御する。
【0045】例えば、ハンドル舵角センサにより検出さ
れる検出出力に基づいて舵角速度が演算され、この舵角
速度が所定値以上であると判断されると、非通電とされ
るソレノイドアッセンブリ(例えば、内周ソレノイドア
ッセンブリ23)と磁石18、19とで構成される相対
位置検出手段及び相対速度検出手段により、磁石18、
19のソレノイドアッセンブリ21、23に対する位置
及び速度、ひいては、車体BDとロアアームLAとの相
対位置及び速度が検出され、通電されるソレノイドアッ
センブリ(例えば、外周ソレノイドアッセンブリ21)
において第1磁石18が対向している3つの外周ソレノ
イド20よりも一つ分ずつ上にずれた3つの外周ソレノ
イド20が逆方向に通電され、外周ソレノイドアッセン
ブリ21において第2磁石19が対向している3つの外
周ソレノイド20よりも一つ分ずつ下にずれたソレノイ
ド20が順方向に通電される。
【0046】車体BDがロアアームLAに対して順次高
くなるにしたがって、外周ソレノイドアッセンブリ21
において通電される外周ソレノイド20は、高い位置に
あるソレノイドから順次低い位置にあるソレノイドに移
動する。
【0047】外周ソレノイド20が駆動回路を介して通
電制御されると、通電された外周ソレノイド20と磁石
18、19の磁力により、外周ソレノイドアッセンブリ
21が固定された上部ケース8及びピストンロッド5、
ひいては車体BDと、シリンダ4、ひいてはロアアーム
LAとの相対移動を抑制する力が作用する。
【0048】舵角速度が所定値未満になると、外周ソレ
ノイド20への通電を解除し、そして、舵角速度の絶対
値が再び所定値以上になるまで、外周ソレノイド20は
非通電状態に維持される。
【0049】このように、舵角速度の絶対値が小さいと
きには、ソレノイドは非通電状態に保たれて、上部ケー
ス8には、磁石18、19とソレノイド20との電磁力
による現位置に維持する力が作用しない。従って、この
状態で、路面からの外力が車体BDに作用した場合に
は、車体BDはロアアームLAに対して比較的自由に上
下動できるとともに、エアばね装置3のばね作用により
外力を調和するので、車両の乗り心地が良好に保たれ
る。また、操舵ハンドルの急な回動により車両が急旋回
する場合には、舵角速度の絶対値が大きくなって、上部
ケース8には、電磁力による現位置に維持する力が作用
するので、車体BDの姿勢変化が抑制されて車両の操安
性が良好となる。また、この磁石18、19と外周ソレ
ノイド20との電磁力による車体BDを現位置に維持し
ようとする力は、ダンパ装置2のように車体BDのロア
アームLAに対する相対速度の発生に起因するものでな
く、運転操作に即座に応答させることができるので、サ
スペンション装置1の制御応答性を良好にすることがで
きる。
【0050】更に、ソレノイドと磁石とによるより大き
な電磁力を必要とする場合には、外周ソレノイド20と
内周ソレノイド22との両方に電流を通電することで達
成可能となる。
【0051】以上説明したように、本実施の形態のサス
ペンション装置1によれば、磁石18、19と非通電と
される外周ソレノイドアッセンブリ21及び内周ソレノ
イドアッセンブリ23の組み合わせにより、磁石18、
19のソレノイドアッセンブリにおけるソレノイドに対
する位置を検出することが可能となる。
【0052】更に、磁石18、19のソレノイドアッセ
ンブリにおけるソレノイドに対する位置を、磁石18、
19とソレノイドアッセンブリとの組み合わせで直接検
出することから、確実な磁石18、19とソレノイドア
ッセンブリにおけるソレノイドとの相対位置の検出を可
能としている。
【0053】更に、磁石18、19と非通電とされる内
周ソレノイドアッセンブリ23との組み合わせにより、
磁石18、19と内周ソレノイド23との相対位置、即
ち、内周ソレノイド23において磁石18、19が対向
する内周ソレノイド22を検出することから、車高セン
サ等の別部材を配設する必要が無い。又、磁石18、1
9とソレノイドアッセンブリは簡素な構成でサスペンシ
ョン1内に組み込むことができることから、車両の取付
スペースの有効利用を可能としている。
【0054】更に、磁石18、19と非通電とされる内
周ソレノイドアッセンブリ23の組み合わせにより、磁
石18、19のソレノイドアッセンブリに対する速度を
検出することが可能となる。
【0055】更に、磁石18、19のソレノイドアッセ
ンブリに対する速度を、磁石18、19とソレノイドア
ッセンブリとの組み合わせで直接検出することから、確
実な磁石18、19とソレノイドアッセンブリとの相対
速度の検出を可能としている。
【0056】更に、磁石18、19と非通電とされる内
周ソレノイドアッセンブリ23の組み合わせにより、磁
石18、19のソレノイドアッセンブリに対する速度を
検出することから、速度センサ等の別部材を配設する必
要が無い。又、磁石18、19とソレノイドアッセンブ
リは簡素な構成でサスペンション1内に組み込むことが
できることから、車両の取付スペースの有効利用を可能
としている。
【0057】更に、ソレノイドアッセンブリ21、23
におけるソレノイド20、22と磁石18、19との相
対位置及び相対速度を検出するとともに、この相対位置
及び相対速度に基づいて通電すべきソレノイド20、2
2と磁石18、19との相対位置を検出可能となること
から、より正確なソレノイドの通電制御を可能としてい
る。
【0058】更に、ダンパ装置2において特に車体BD
とロアアームLAとの相対速度が小さい場合には、車体
BDとロアアームLAとの相対移動を十分に抑制できな
い虞が生じるが、外周ソレノイドアッセンブリ21と内
周ソレノイドアッセンブリ23との少なくともどちらか
一方と磁石18、19とで電磁力を生じさせることによ
り、車体BDとロアアームLAとの相対移動を抑制する
ことができることから、安定したサスペンション制御を
行うことが可能となる。
【0059】更に、ソレノイドアッセンブリ21、23
を、ダンパ装置2の外周側に、ダンパ装置と同軸に配設
したことにより、サスペンション装置1を小型化でき、
スペースの有効利用を図ることができる。
【0060】更に、ソレノイドアッセンブリ21、23
及び磁石18、19は、エアばね装置3の内部に収容さ
れていることからソレノイドアッセンブリ20及び磁石
18、19を粉塵等から保護でき、サスペンション装置
1を高品質とするとともに、耐久性の向上を図ることが
可能となる。
【0061】更に、特に磁束が通過するヨーク部材を持
たない構成において、磁石18、19の磁界を軸方向に
向くように構成したことにより、磁石18、19の磁界
を強力にすることが可能となる。
【0062】従って、確実にソレノイド20、22と磁
石18、19との相対位置を検出することにより、ソレ
ノイド20、22の通電制御をより容易に行うことを可
能とするサスペンション装置1を提供することを可能と
している。
【0063】本実施の形態においては、内周ソレノイド
アッセンブリ23を非通電とし、磁石18、19と内周
ソレノイドアッセンブリ23でもって磁石18、19の
ソレノイドアッセンブリに対する位置及び速度を検出
し、外周ソレノイドアッセンブリ21と磁石18、19
とで電磁力を発生させる構成としたが、この構成に限定
するものでないことは言うまでもない。例えば、外周ソ
レノイドアッセンブリ21を非通電として、磁石18、
19と外周ソレノイドアッセンブリ21とで磁石18、
19のソレノイドに対する位置を検出し、内周ソレノイ
ドアッセンブリ23と磁石18、19と電磁力を発生さ
せる本発明のサスペンション装置においても同様の作用
効果が得られる。
【0064】又、本実施の形態においては、外周ソレノ
イドアッセンブリ21及び内周ソレノイドアッセンブリ
23をピストンロッド5と一体的に変位するように配設
し、磁石18、19をシリンダ4と一体的に変位するよ
うに配設しているが、特にこの構成に限定するものでは
なく、例えば、外周ソレノイドアッセンブリ21及び内
周ソレノイドアッセンブリ23をシリンダ4と一体的に
変位するように配設し、磁石18、19をピストンロッ
ド5と一体的に変位するように配設した本発明のサスペ
ンション装置1においても、同様の作用効果が得られ
る。
【0065】又、本実施の形態においては、磁石18、
19の軸方向長さは、ソレノイドの軸方向長さ3つ分に
相当するものであるが、特にこれに限定するものでない
ことは言うまでもない。
【0066】又、本実施の形態においては、外周ソレノ
イドアッセンブリ21の通電及び非通電を運転操作情報
としての舵角速度に応じて制御するようにしたが、特に
これに限定するものでないことは、言うまでもない。
【0067】又、本実施の形態においては、ケース10
は、上部ケース体8と下部ケース体9とから構成されて
いるが、特にこの構成に限定するものでないことは言う
までもない。
【0068】又、本実施の形態においては、第1磁石1
8は、上端側がN極に下端側がS極に磁化されており、
第1磁石18と電磁力を発生するために、第1磁石18
に対応する外周ソレノイド20には逆方向の電流が流さ
れている。また、第2磁石19は、上端側がS極に下端
側がN極に磁化されており、第2磁石19と電磁力を発
生するために、第2磁石19に対応する外周ソレノイド
20には順方向の電流が流されている。しかしながら、
この構成に限定するものではないのは言うまでもない。
【0069】(実施の形態2)図3は、本発明の一つで
あるサスペンション装置の磁石24、25部分の断面図
である。実施の形態1と同様の部材には同様の符号が付
してある。尚、磁石24、25以外は、実施の形態1と
同様であるので説明は省略する。図3に示すように、略
筒状を呈する支持部材14はその下端部においてシリン
ダ4に気密的に固定されている。支持部材14の上端部
分には、車体側に位置する環状の第1磁石(永久磁石)
24と、ロアアームLA側に位置する環状の第2磁石
(永久磁石)25とがそれぞれ配設されている。第1磁
石24と第2磁石25とはダンパ装置2の軸方向(図3
中上下方向)において所定距離分離間して配設されてい
る。第1磁石24の外周側はS極に、又、内周側はN極
に磁化されている。第2磁石25の外周側はN極に、
又、内周側はS極に磁化されている。
【0070】磁石24、25の外周側には、磁石24、
25の外周面に対向するようにして、ダンパ装置2の軸
方向(図3中上下方向)をその軸方向とする複数の外周
ソレノイド20が配設されている。複数の外周ソレノイ
ド20はそれぞれダンパ装置2の軸方向に等間隔に配置
され、全体として筒状を呈する外周ソレノイドアッセン
ブリ21を形成している。外周ソレノイド群としての外
周ソレノイドアッセンブリ21は上部ケース8に固定さ
れている。
【0071】外周ソレノイドアッセンブリ21の内周
側、ひいては磁石24、25の内周側には、磁石24、
25の内周面に対向するようにして、ダンパ装置2の軸
方向をその軸方向とする複数の内周ソレノイド22が配
設されている。複数の内周ソレノイド22はそれぞれ、
ダンパ装置2の軸方向に等間隔に配置され、全体として
筒状を呈する内周ソレノイドアッセンブリ23を形成し
ている。内周ソレノイド群としての内周ソレノイドアッ
センブリ23は上部ケース8に固定されている。外周ソ
レノイド20及び内周ソレノイド22のリード線はそれ
ぞれ気密的に上部ケース外に取り出され、サスペンショ
ン装置1外に配設される図示しない電気制御装置に電気
的に接続されている。
【0072】外周ソレノイドアッセンブリ21及び内周
ソレノイドアッセンブリ23の内で少なくともどちらか
一方が非通電とされている場合、第1磁石24が形成す
る内周側から外周側に向かう磁界、或いは、第2磁石2
5が形成する外周側から内周側に向かう磁界の影響を受
けて、第1磁石24又は第2磁石25に対向する非通電
状態のソレノイドにおいて起電力が生じることになる。
即ち、非通電状態とされたソレノイドアッセンブリにお
いて、起電力が生じているソレノイドを検出することに
より、磁石のソレノイドアッセンブリに対する位置を検
出することが可能となる。ひいては、車体とロアアーム
との相対位置を検出することが可能となる。従って、非
通電状態とされたソレノイドアッセンブリと磁石とは、
ソレノイドアッセンブリと磁石との相対位置を検出する
相対位置検出手段、及び、車体とロアアームとの相対位
置を検出する車高検出手段を構成しているものである。
【0073】更に、非通電状態とされたソレノイドアッ
センブリと磁石とは、ソレノイドアッセンブリのソレノ
イドと磁石との相対位置を検出する相対位置検出手段を
構成する一方で、ソレノイドアッセンブリにおけるソレ
ノイドに対する磁石との相対速度を検出する相対速度検
出手段をも構成している。例えば、内周ソレノイドアッ
センブリ23が非通電状態とされて、内周ソレノイドア
ッセンブリ23と第1磁石18とで構成される相対位置
検出手段により、内周ソレノイドアッセンブリ23に対
する第1磁石18の相対変移に伴って、内周ソレノイド
アッセンブリ23に対する第1磁石18の異なる二つの
位置が検出されると、この異なる二つの相対位置の距
離、及び移動に要した時間が演算され、ひいては、この
演算された距離と時間とから、内周ソレノイドアッセン
ブリ23と第1磁石18との相対速度が演算可能とな
る。同様にして、内周ソレノイドアッセンブリ23と第
2磁石19との相対速度も演算可能となる。
【0074】それぞれのソレノイド20、22は、電気
制御装置内の不図示の駆動回路によって電流の通電又は
非通電、及び、その通電方向が切り替えられる制御が行
われる。ソレノイド20、22に電流が通電されると、
磁束がソレノイドの軸方向、即ち、図3中の上下方向に
通過することになる。ソレノイドへ通電される電流の方
向が順方向の場合には、磁束はソレノイドを下から上に
通過する。即ち、ソレノイドの上方がN極に、下方がS
極に磁化された磁石と等価となる。逆に、ソレノイドへ
通電される電流の方向が逆方向の場合には、磁束はソレ
ノイドを上から下に通過する。即ち、ソレノイドの上方
がS極に、下方がN極に磁化された磁石と等価となる。
【0075】外周ソレノイドアッセンブリ21と内周ソ
レノイドアッセンブリ23とは、同数のソレノイドを備
えるとともにそれぞれが対抗するように配設されてい
る。又、磁石24、25の各長さは、ソレノイド20、
22の3個分の幅にほぼ等しく設定されている。
【0076】ソレノイド20、22をそれぞれ通電制御
することにより、ソレノイドアッセンブリ21、23と
磁石24、25とにより、シリンダ4とピストンロッド
5、ひいては車体とロアアームとの相対移動を抑制する
作用を得ることができる。例えば、第1磁石24に関し
ては、外周ソレノイドアッセンブリ21において第1磁
石24に対抗する3つの外周ソレノイド20よりも一つ
分ずつ上にずれた3つの外周ソレノイド20を逆方向に
通電する。また、第2磁石25に関しては、外周ソレノ
イドアッセンブリ21において第2磁石25に対抗する
3つの外周ソレノイド20よりも一つ分ずつ下にずれた
3つの外周ソレノイド20を順方向に通電する。従っ
て、第1磁石18と第1磁石18に対応する外周ソレノ
イド20との間には吸引力が作用し、第2磁石19と第
2磁石19に対応する外周ソレノイド20との間にも吸
引力が作用することから、外周ソレノイドアッセンブリ
21に対して磁石18、19はその位置に留まろうとす
る。この場合、外周ソレノイドアッセンブリ21のソレ
ノイド20群と磁石24、25との相対位置は、内周ソ
レノイドアッセンブリ23を非通電状態とすることによ
り、内周ソレノイドアッセンブリ23と磁石24、25
とにより検出されるので、この検出されるソレノイド2
2群と磁石24、25との相対位置により外周ソレノイ
ドアッセンブリ21の通電すべきソレノイドを決定でき
る。
【0077】更に、サスペンション装置1が外部から入
力を受けていれば、磁石18、19のソレノイドアッセ
ンブリ21、23との相対位置は絶えず変動する。従っ
て、非通電とされた内周ソレノイドアッセンブリ21と
磁石18、19とから成る相対位置検出手段によって検
出されたソレノイドアッセンブリ21、23と磁石1
8、19との相対位置のみに基づいてソレノイド20、
22の通電制御をしたのでは、外周ソレノイド20に通
電した時には磁石18、19の位置が変わっており、正
確な外周ソレノイドアッセンブリ21と磁石18、19
との通電制御を行うことができないといった状況が生じ
る虞がある。しかしながら、非通電とされた内周ソレノ
イドアッセンブリ23と磁石18、19とは相対速度検
出手段をも構成していることから、内周ソレノイドアッ
センブリ23と磁石18、19とにより検出される現時
点でのソレノイドアッセンブリ21、23と磁石18、
19との相対位置及び相対速度とに基づいて、次回通電
すべき外周ソレノイドアッセンブリ21と磁石18、1
9との相対位置を推定することが可能となる。即ち、よ
り正確に外周ソレノイドアッセンブリ21におけるが外
周ソレノイド20の通電制御を行うことが可能となる。
【0078】上述したようにして外周ソレノイドアッセ
ンブリ21のソレノイド20が駆動回路を介して通電制
御されると、通電されたソレノイド20と磁石24、2
5の磁力により、磁石24、25がその位置に維持しよ
うとする。即ち、シリンダ4とピストンロッド5、ひい
ては車体とロアアームとの相対移動を抑制する作用を得
ることとなる。
【0079】又、上述したサスペンション装置1におい
て、磁束が通過するヨーク部材を配設することにより、
磁石18、19の磁界を強力にすることが可能となる。
【0080】その他の作用効果は、実施の形態1と同様
なので説明は省略する。
【0081】以上、本発明を上記実施の態様に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0082】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、本実施の形態
のサスペンション装置によれば、磁石と非通電とされる
外周ソレノイド群及び内周ソレノイド群の組み合わせに
より、磁石のソレノイド群に対する位置を検出すること
が可能となる。
【0083】更に、磁石のソレノイド群に対する位置
を、磁石とソレノイド群との組み合わせで直接検出する
ことから、確実な磁石とソレノイド群との相対位置の検
出を可能としている。
【0084】更に、磁石と非通電とされる外周ソレノイ
ド群及び内周ソレノイド群の組み合わせにより、磁石の
ソレノイド群に対する速度を検出することが可能とな
る。
【0085】更に、磁石のソレノイド群に対する速度
を、磁石とソレノイド群との組み合わせで直接検出する
ことから、確実な磁石とソレノイド群との相対速度の検
出を可能としている。
【0086】更に、ソレノイドと磁石との相対位置及び
相対速度を検出するとともに、この相対位置及び相対速
度に基づいて通電すべきソレノイドと磁石との相対位置
を検出可能となることから、より正確なソレノイドの通
電制御を可能としている。
【0087】従って、確実にソレノイドと磁石との相対
位置を検出することにより、ソレノイドの通電制御をよ
り容易に行うことを可能とするサスペンション装置を提
供することを可能としている。
【0088】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、安定したサスペンション制御を行うこ
とが可能なダンパ装置を備えたサスペンション装置を提
供することを可能としている。
【0089】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の効果に加えて、スペースの有効利用を図ったサスペン
ション装置を提供することを可能としている。
【0090】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の
いずれか一に記載の発明の効果に加えて、特に磁束が通
過するヨーク部材を持たない構成において、磁石の磁界
を強力にすることが可能となる。
【0091】請求項5の発明によれば、請求項1〜3の
いずれか一に記載の発明の効果に加えて、磁束が通過す
るヨーク部材を配設することにより、磁石の磁界を強力
にすることが可能となる。
【0092】請求項6の発明によれば、サスペンション
装置を高品質とするとともに、耐久性の向上を図ること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のサスペンション装置1の断面
図。
【図2】図1の磁石18、19近傍の拡大図。
【図3】実施の形態2のサスペンション装置1の磁石2
4、25近傍の拡大断面図。
【符号の説明】
1 サスペンション装置 2 ダンパ装置 3 エアばね装置 4 シリンダ 5 ピストンロッド 10 ケース 18、24 第1磁石 19、25 第2磁石 20 外周ソレノイド 21 外周ソレノイドアッセンブリ 22 内周ソレノイド 23 内周ソレノイドアッセンブリ BD 車体 LA ロアアーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に組付けられる車体側部材と、 車輪に組付けられるとともに、前記車体側部材に対して
    相対移動可能に組付けられる車輪側部材と、 前記相対移動方向をその軸として配設され、前記車体側
    部材及び前記車輪側部材の内の一方と一体的に変位する
    外周ソレノイド群及び前記外周ソレノイド群の内周側に
    配設される内周ソレノイド群と、 前記外周ソレノイド群と前記内周ソレノイド群との間に
    介在されるとともに、前記車体側部材と前記車輪側部材
    との他方と一体的に変位する磁石と、 を具備する車両のサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 前記車輪側部材は、その下端部が前記車
    輪に組付けられる作動液を封入したシリンダを有し、前
    記車体側部材は、その上端部が前記車体に組付けられる
    と共に、前記シリンダの上端面から進退可能に突出され
    たピストンロッドを有し、前記ピストンロッドと前記シ
    リンダとは、前記車体側部材と前記車輪側部材との相対
    移動により減衰力を発生するダンパ装置を構成する請求
    項1記載の車両のサスペンション装置。
  3. 【請求項3】 前記外周ソレノイド群及び前記内周ソレ
    ノイド群は、前記ダンパ装置の外周側に前記ダンパ装置
    と同軸に且つ前記ダンパ装置の軸方向に向かって配設さ
    れる請求項2記載の車両のサスペンション装置。
  4. 【請求項4】 前記磁石は、前記車体側に配設される第
    1磁石と、前記第1磁石に対して所定距離分離間して前
    記車輪側に配設される第2磁石とを有し、前記第1磁石
    は筒状を呈するとともに、その上端側がS極及びN極の
    うちのどちらか一方に磁化され、その下端側がS極及び
    N極のうちのどちらか他方に磁化されており、前記第2
    磁石は筒状を呈するとともに、その上端側が前記第1磁
    石の下端側と同極に磁化され、その下端側が前記第1磁
    石の上端側と同極に磁化される請求項1〜3のいずれか
    一に記載の車両のサスペンション装置。
  5. 【請求項5】 前記磁石は、前記車体側に配設される第
    1磁石と、前記第1磁石に対して所定距離分離間して前
    記車輪側に配設される第2磁石とを有し、前記第1磁石
    は筒状を呈するとともに、その外周側がS極及びN極の
    うちのどちらか一方に磁化され、その内周側がS極及び
    N極のうちのどちらか他方に磁化されており、前記第2
    磁石は筒状を呈するとともに、その外周側が前記第1磁
    石の内周側と同極に磁化され、その内周側が前記第1磁
    石の外周側と同極に磁化される請求項1〜3のいずれか
    一に記載の車両のサスペンション装置。
  6. 【請求項6】 前記外周ソレノイド群の外周面上に設け
    られてその下端が前記車輪側部材の外周面に支持される
    とともにその上端が前記車体側部材に支持されるケース
    を有してなり、前記ケース内に封入した空気により前記
    車輪側部材の前記車体側部材に対する相対移動に対して
    ばね作用を付与するエアばね装置を具備した請求項1〜
    5のいずれか一に記載の車両のサスペンション装置。
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