JP4078099B2 - 保持装置および保持方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学素子や半導体などの精密な部品を製造、測定、検査する装置で部品を保持する保持装置に係り、特に、部品を高精度に保持できる保持装置および保持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学素子や半導体など高度な生産技術を要する部品の需要が高まっている。従来の光学素子は、例えば凸レンズ、凹レンズ、ミラー、プリズムといった比較的単純な形状をしたものが多かった。しかしながら、現在は光学素子の形状も複雑な形状をしたものがあり、また小さな形状の物もある。
【0003】
図13および図14は、保持対象の例である光学素子を示す図である。例えば、図13に示す光学素子1340は、レンズ面1341とプリズム面1342を有する。また、図14に示す光学素子1450は、図13の光学素子1340をアレイ状に配列して構成したものである。この光学素子1450は、より小型化されたものもある。
【0004】
このような製品を製造する装置には、精密な加工、成型、検査、測定などの生産技術が必要になり、なかでも特に精密な位置決め技術が要求される。この位置決め技術は、素早く正確に任意の位置に移動させ停止する技術と、任意の位置で一旦停止した後その位置を任意の時間まで高精度に保持し続けるという2つの技術を有している。
【0005】
このような装置のうち、光ディスク露光装置や、半導体露光装置、精密測定機などでは、ナノあるいはサブナノオーダの高精度な位置決め精度が要求される装置もある。
【0006】
特開平10−105241号公報に開示されたステージ装置は、半導体露光装置のステージであり、ステージ位置決め後の振動などでステージが微小変位することを防止しステージを所定位置に保持するために、板バネを真空吸着することによってステージを保持し位置決めの精度を確保するものである。
【0007】
さらに、従来から流体を利用した保持装置が提供されている。流体、特にエアを用いた保持装置は、ステージに外力が加わった場合に、ステージの静止保持力を補助する。このほか、サーボモータを使用した回転ステージがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の保持装置は、実際には振動などの外乱による位置ずれによって、精密な位置保持は困難であるため、位置決め後に長時間その位置関係を保ち続けることが課題となっている。
【0009】
特開平10−105241号公報の技術では、真空吸着はON−OFF制御方法であり、板バネの吸着時に停止位置がずれる可能性があるので、求められる静止精度によってはこの機構では不充分な場合があった。また、保持装置がモータとステージ間ではなく、ステージそのものに取り付けられているために、モータ起因の振動はステージ伝達後に減衰させるので減衰力が弱いものであった。さらに、基本的には板バネの弾性力の影響もあり、経年変化によって板バネの特性が変化した場合には、系の特性自体が変化する問題を有している。
【0010】
また、流体を利用した保持装置は、負荷バランスが変化する際の、いわば補償用に取りつけられるものであり、停電時の安全性、例えば重力方向に荷重がある場合など、特殊な用途に限定して用いられるものであった。
【0011】
さらに、サーボモータを使用した回転ステージでは、エンコーダカウントに起因する、いわゆるサーボ振動が発生しやすい。これをメカ的・電気的な方法で減少させる試みが、長年にわたって続けられており、制御方法やフィルタリング手法の発展により低振動のステージが開発されてきているが、不規則的な微小振動を完全に除去することは困難であった。
【0012】
この不規則的な微小振動は、例えば回転ステージを光学測定機に用いた場合、特にレーザ干渉計を用いた装置などに用いた場合では、測定精度と相関関係が深い干渉縞が不規則に動くなど、干渉縞解析に影響を与えるので測定精度の確保が困難となる。この回転ステージは保持装置の接触圧が完全に制御できず、位置ずれが発生しやすい、床からの振動や、同じテーブル上の他のアクチエータおよび構造体、制御系から発生する不規則的な微小振動を減衰しきれない、等の問題が多かった。
【0013】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、位置決め後の状態を高精度に保持することが可能であり、また、外乱、特に振動の減衰が可能な保持装置および保持方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る保持装置は、固定側の部材と可動側の部材の相対的な運動を規制、保持する保持装置において、固定側の基部と、該基部に対し相対的な運動が可能な1つあるいは複数の可動部と、前記基部と可動部の間である流路に介在され、磁界の強さに反応し凝集する特性を有する磁性体からなる流体と、前記流体に対し磁界を発生させて前記基部に対する可動部の相対位置を固定保持させるための磁界発生手段とを有し、前記基部と可動部は、それぞれ互いの対向面の磁極が異なる磁性体からなり、前記磁界発生手段による磁気回路を構成することを特徴とする。
【0015】
この請求項1の発明によれば、流体に対し磁界を発生させることで、基部に対する可動部の相対的な位置関係の変化を防止できるようになり、簡単な構成で高精度な位置決めがおこなえるようになる。また、基部および可動部を含む磁気回路を構成できるようになり、流体に対し効率良く磁界をかけることができ、大きな保持力を発生させることができる。
【0016】
また、請求項2の発明に係る保持装置は、請求項1に記載の発明において、前記流体として、磁性液体、あるいはMR流体を用いたことを特徴とする。
【0017】
この請求項2の発明によれば、液体の磁性体を用いることで、可動部の移動時の保持力は小さく、可動部の停止後の保持力は大きくすることができる。また、保持開始時の衝撃がほとんど発生しないので、保持開始時の位置ずれを防止でき位置決め状態を高精度に保持できるようになる。
【0018】
また、請求項3の発明に係る保持装置は、請求項1に記載の発明において、前記流体として、磁性粉体を用いたことを特徴とする。
【0019】
この請求項3の発明によれば、保持装置を液体の磁性体よりも安価に保持および減衰特性を持つ装置を構成できる。
【0020】
また、請求項4の発明に係る保持装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記磁界発生手段として、電磁石を用いたことを特徴とする。
【0021】
この請求項4の発明によれば、電磁石に対する電流の供給制御で、流体を凝集させ、可動部の保持がおこなえるようになり、保持動作のON−OFF制御を簡単におこなえるようになる。
【0022】
また、請求項5の発明に係る保持装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記磁界発生手段として、永久磁石を用いたことを特徴とする。
【0023】
この請求項5の発明によれば、特別な構成なく流体の凝集をおこなえるようになり、保持装置を安価に構成できるようになる。
【0024】
また、請求項6の発明に係る保持装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記磁界発生手段は、発生させる磁界の強さを変更可能なことを特徴とする。
【0025】
この請求項6の発明によれば、磁界の強さを変化させることにより、流体の種類によってはこの磁界の強さで流体の保持力を変更させることが可能となる。この特性を有する流体を用いた際には、磁界が小さなときには非凝集で、磁界を大きくして凝集させることができるようになり、可動部の保持力や減衰力を任意に変化させることができるようになる。
【0030】
また、請求項7の発明に係る保持装置は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記基部あるいは可動部には、前記流路内に介在された流体を攪拌するための突起あるいは溝が形成されたことを特徴とする。
【0031】
この請求項7の発明によれば、基部に対する可動部の移動で突起あるいは溝が流路内の流体を攪拌させることができ、流体の沈降による特性変化を防止できるようになる。この攪拌は、原点復帰などの試運転時に可動部を移動させるだけで簡単におこなえる。
【0032】
また、請求項8の発明に係る保持方法は、互いの対向面の磁極が異なる磁性体からなる固定側の基部と可動側の可動部の相対的な運動を規制、保持する保持方法であって、相対的な運動をすることが可能な基部と可動部の間の流路に、磁界の強さに反応し凝集する特性を有する磁性体からなる流体を介在させ、前記基部に対する前記可動部の相対位置を位置決めした後、前記基部と可動部が構成する磁気回路によって前記流体に対し磁界を発生させて前記基部に対する可動部の相対位置を固定保持させることを特徴とする。
【0033】
この請求項8の発明によれば、流路内の流体に磁界を発生させるだけで、基部に対する可動部の相対的な位置関係の変化を防止できるようになり、簡単な工程で高精度な位置決めがおこなえるようになる。また、基部および可動部を含む磁気回路を構成できるようになり、流体に対し効率良く磁界をかけることができ、大きな保持力を発生させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る保持装置および保持方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、この発明の保持装置における保持の基本構成を示す図である。
固定の基部101と可動する可動部102を有し、これら基部101と可動部102の間には流路106が設けられる。基部101,可動部102にはそれぞれ対向配置され磁界を発生させる磁石103,104が設けられる。
【0036】
基部101と可動部102はともに磁性体からなる。磁石103,104は対向する面が互いに異なる磁極を有するよう配置される。これにより、基部101,可動部102は磁石103,104による磁気回路を構成している。
【0037】
そして、流路106には粉体、あるいは液体などの流体105が封入される。この流体105は、磁界107に反応する物質であり、いわゆる磁性体としての性質を持つものである。この流体105が粉体であれば、砂鉄、磁性粉などの磁性粉体が用いられる。液体であれば、磁性流体、MR流体などが用いられる。
【0038】
MR流体は、通常は液体としての挙動を示すが、磁界の強さに比例して粘性が変化し、強磁界下では固体のような挙動を示す物質である。同様の特性を持つものとして電界に反応して粘性が変化する電気粘性流体と呼ばれるものも存在するが、MR流体は電気粘性流体に比べて、粘性の変化量が20〜50倍程度大きいという特徴を持つ。
【0039】
流路106に封入された流体(磁性粉体,磁性流体,MR流体)105は、磁石103,104の近傍では磁界が強くなる為に、磁性粉体は凝集し、磁性流体とMR流体は粘性が増加して固体状になる。そのため、流体105は、磁界の強い部分は凝集部105aが形成され、磁界の弱い部分は非凝集部105bが形成される。このように、磁界の強い部分は凝集部105aとなり、流体の場合は粘性が増加し、可動部102の不必要な移動を規制することができる。
【0040】
上記構成は、基部101に対する可動部102の相対運動を規制するものであるため、基部101と可動部102の位置関係を逆の構成とすることもでき、また、基部101と可動部102の双方ともに可動部として構成することもできる。
【0041】
ところで、凝集部105aは、磁性粉体の場合は固体であるが、磁性流体やMR流体の場合は粘性が増加した固体状になっているので、弾性があり振動に対して減衰効果のあるダンパとしての働きも併せ持つことができる。
【0042】
流体105として液体の磁性体を用いることで、可動部102の移動時の保持力は小さく、機構の停止時の保持力は大きくすることができる。また、可動部102に対して保持開始時の衝撃がほとんど発生しないので、保持による位置ずれを防止できる。一方、流体105に粉体の磁性体を用いると、液体の磁性体よりも安価に、保持および減衰特性を持つことができる。
【0043】
上記説明した、流体105に磁性流体やMR流体を用いた構成を、例えば部品保持用のステージに取り付けることにより、位置決め後その位置を保持および固定でき、この後は振動も減衰させることができるようになる。
【0044】
すなわち、既存の除振台を用いれば、床からの振動は大きく減衰されるが、それでも伝達される振動がある。また、クリーンルーム内では、エアの噴き出しや、騒音の為に微小な振動が装置に伝わる。また高性能な除振台を用いても、除振台上のアクチエータなどから発生する振動は避けられず、不規則的で微小な振動は除去することが非常に困難である。半導体の露光装置、光ディスクの露光装置、光素子の測定装置など、ナノ、サブナノオーダの精度での位置決め、測定精度が要求され、微少な振動を抑制したい装置に対し、上記構成を適用して(特に流体105として磁性流体やMR流体を用いた構成)振動抑制の効果が得られるようになる。
【0045】
ところで、上記構成において磁界を発生させる磁石103,104は、一般的には電磁石が用いられる。電磁石は、電気を流したときに磁界が発生する(ON)ので、位置決め前には磁界を発生させない(OFF)ようにしておく。この場合、流体105として、対応して流路106の中は全て非凝集部105bとなっている。この際、基部101と可動部102の間の保持力が小さくなるので、可動部102は滑らかに移動することが可能になる。
【0046】
可動部102を移動させ、任意の位置で位置決めした後は、磁石103,104に電気を流し磁界を発生させる(ON)ことによって、流路106の中に凝集部105aを生成して保持力を発生させればよい。さらに磁界の強さを変化させて凝集部105aの保持力を可変させることもできる。磁石103,104として、永久磁石を使用してもよく、この場合、機械的に磁力をスイッチング(ON−OFF)させる構成とすればよい。
【0047】
ところで、上記磁石103,104は、必ずしもスイッチングが必要というわけでは無い。流体105として磁性流体やMR流体を用いた場合は、せん断速度によって粘性が変わる傾向がある。そこで、可動部102を位置決めする際には、ある程度の速度で動かすことで、粘性抵抗を減らし、任意の位置決め位置では速度を低下させることによって粘性抵抗を大きくし、位置決め位置では速度が0なので粘性抵抗は最大になる。
【0048】
このような手法を用いれば、磁界をスイッチング(ON−OFF)させずとも保持力を得ることができる。この場合は、磁石103,104に電磁石を用いる必要は無い。そして、永久磁石を用い、かつ機械的なスイッチング機構も不要な保持装置を構成できるようになる。
【0049】
図2は、実施の形態1による保持装置の動作手順を示すフローチャートである。部品の保持動作を手順に沿って説明する。
▲1▼基部101に対して可動部102をアクチエータなど(図示せず)で移動させ任意の位置で位置決めする(ステップS201)。
▲2▼磁石103,104からの磁界を流路106にかける(ステップS202)。
▲3▼流路106に封入した流体105に磁界がかかる(ステップS203)。
▲4▼流体105が凝集する。磁性流体やMR流体は粘性増加により、凝集部105aと非凝集部105bを形成する(ステップS204)。
▲5▼流体105の凝集によって基部101と可動部102が保持され、位置関係が固定される(ステップS205)。
▲6▼磁性流体やMR流体の凝集部105aは振動を減衰させるダンパ効果があり、微小な振動を減衰させる(ステップS206)。
▲7▼磁石103,104からの磁界を無くせば、流体105の凝集を解ける。磁性流体やMR流体は粘性が低下して保持力を解く(ステップS207)。
【0050】
図3は、直動型の保持装置の構成例を示す図である。図示のように、基部101と可動部102の長さ方向に磁石103,104を複数個並べて配置させたものである。このように磁石103,104を複数個並べる構成とすることにより、直動ステージを構成することができる。
【0051】
図4は、回転型の保持装置の構成例を示す図である。図示のように、基部101の中央部に円形状の溝を形成し、内部に小径な円形状の可動部102を配置することにより円環状の流路106を形成させている。磁石103,104は円環状の流路106に沿って、例えば、図示のように等角度間隔で配置する。この構成によれば、可動部102を回転させることができ、回転ステージを構成することができる。
【0052】
図5は回転型の保持装置を組み込んだ直動ステージの全体構成を示す図である。図5(a)は平面図、図5(b)は側面図である。テーブル564は、リニアガイド566に軸支され、ボールネジ565に連結されている。ボールネジ565は、カップリング562を介してモータ561に連結されている。モータ561の回転力は、カップリング562を介してボールネジ565を回転させ、テーブル564をリニアガイド566に沿った方向に移動させる。モータ561の駆動により、テーブル564を任意の位置に移動、停止させることができる。
【0053】
図示のようにボールネジ565のネジ軸には、回転型の保持装置563の可動部102(図4参照)を接続させている。基部101は、直動ステージ側に固定されている。この構成によれば、ピン打ちやゴムブレーキの接触による固定方法に比べて停止時のブレーキをかけた瞬間での位置ずれはほとんど発生しない。また、流体105として磁性流体やMR流体を用いた場合には、凝集部105a(図4参照)がダンパとして作用するため、モータ561などに起因する微小な回転振動を吸収し、振動がテーブル564に伝達することを防ぐことができるようになる。
【0054】
図6は、直動型の保持装置を組み込んだ直動ステージの全体構成を示す図である。テーブル564を移動させるための直動機構(モータ561,カップリング562,ボールネジ565,リニアガイド566)の構成は図5と同一であり、モータ561の駆動により、テーブル564を任意の位置に移動、停止させることができる。
【0055】
そして、テーブル564の移動方向に沿って直動型の保持装置663を配置させ、テーブル564に可動部102(図4参照)を連結させている。基部101は直動ステージ側に固定されている。
【0056】
このように、直動ステージに対して回転型、あるいは直動型の保持装置を用いて位置決め後の保持位置を正確に保持させることができるようになる。直動ステージに限らず、インデックステーブルなどの回転ステージについても同様に上記構成の保持装置を適用でき、位置決め時に回転を停止させた際にモータに起因する振動を減衰させることが可能である。
【0057】
そして、この発明の保持装置は、上記説明したような一般的なステージへの適用に限らず、基部101に対し可動部102が相対運動をする構成に適用して保持が可能である。したがって、サーフェースモータ(2次元モータ)や、ロボットのチャック、回転ローラの保持などの装置の機構部に適用することにより、上記同様の作用効果を得ることができる。
【0058】
(実施の形態2)
次に、この発明の保持装置の実施の形態2の構成について説明する。図7は、この発明の保持装置の実施の形態2による構成を示す図である。この実施の形態2において、前述した実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を附している。
【0059】
実施の形態1(図1)に示した保持装置では、基部101と可動部102がともに磁性体であり磁気回路が構成されているので、効率良く磁力を利用できる。図7に示す実施の形態2では、基部701にのみ磁石103を設けて、可動部702側には磁石を設けない構成となっている。但し、可動部702に磁性体を用いることにより、図示のように磁気回路を形成させて効率良く磁界707を形成することができる。
【0060】
図8は、実施の形態2による保持装置の変形例を示す図である。図示の構成は、基部701にのみ磁石103を設け、可動部802側には磁石を設けていない。加えてこの可動部802は非磁性体であり磁力線がとおりにくく、可動部802には磁気回路が形成されない。
【0061】
このように、磁性体が片面だけであれば、非磁性の可動部802が磁力によって力を受けることがないので、基部701に対する非磁性の可動部802の位置決め状態、例えば表面のうねりなどによる2面(流路106)のギャップ距離の大小の影響が少なく、より高精度に位置決め可能である。また、保持力も両面が磁性体の場合に比べて、ギャップが変動してもほぼ一定に保つことが可能である。このように可動部802が磁性体である必要は無い。磁性体は片面だけの構成でも良く、例えば、磁性体の可動部802に磁石104(図1参照)を設け、基部701側には磁石103を設けない構成としてもよい。
【0062】
図9は、実施の形態2による保持装置の他の変形例を示す図である。図示のように、磁性体の基部701と、非磁性体の可動部902を所定長さで設け、基部701の長さ方向に複数個の磁石103を設けた構成としてもよい。また、図示のように、磁石103のN,S極を基部701の長さ方向に向けて配置してもよい。
【0063】
(実施の形態3)
次に、この発明の保持装置の実施の形態3の構成について説明する。図10は、この発明の保持装置の実施の形態3による構成を示す図である。図10は、実施の形態1で説明した図1の拡大図である。
【0064】
上記各実施の形態で説明した流体105のうち、磁性粉体は、時間の経過と共に凝集し、MR流体も長期的には粒子の沈殿を生じる。このため、ある時間の間隔で攪拌させる必要性がある。なお、磁性流体を用いる場合には沈殿は生じないので攪拌は必要無い。
【0065】
このため、基部101と可動部102には、それぞれ流路106側に突出する突起1001,1002を設ける。これにより、可動部102の移動によって流路106に封入された流体105を攪拌させる。この突起1001,1002は必ずしも基部101と可動部102の両方から突出形成する必要はなく、攪拌さえできれば良いので、突起1001,1002のいずれか一方のみ突出形成してもよい。
【0066】
図11は、実施の形態3の構成の変形例を示す図である。図示の構成では、基部101,102上で流路106に磁石103,104が突出するよう設けたものである。このように、基部101,102に突起を形成するに限らず、磁石103,104を突出配置させても同様に攪拌可能である。
【0067】
図12は、実施の形態3の構成の変形例を示す図である。図示の構成では、攪拌のために、基部101と可動部102にそれぞれ溝1201,1202を形成したものである。このように、突起に限らず溝1201,1202を形成しても同様に可動部102の移動によって流体105を攪拌させることができる。
【0068】
実施の形態3で説明した流体105の攪拌動作は、例えば、この発明の保持装置をステージに適用した場合には、電源投入後の初期動作(原点復帰や試運転)をおこなう際に可動部102を移動させる制御で攪拌させることが可能である。
【0069】
以上説明した保持装置は、精密な光学素子、例えば、コピー機やプリンタ内部で使用される書込み光学系、読み取り光学系に適用し位置決め状態を精密に保持できるようになる。具体的には、等倍結像素子、光学プリズム、fθレンズ、fθミラー、プロジェクターに用いるマイクロレンズアレイなどがある。また、光通信機器などに用いられる微小光学素子や、精密位置決めが必要な半導体などの部品の位置検出、検査、測定などをおこなう各装置に適用して位置決め状態を精密に保持できるものである。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、固定側の部材と可動側の部材の相対的な運動を規制、保持する保持装置において、固定側の基部と、該基部に対し相対的な運動が可能な1つあるいは複数の可動部と、前記基部と可動部の間である流路に介在され、磁界の強さに反応し凝集する特性を有する磁性体からなる流体と、前記流体に対し磁界を発生させて前記基部に対する可動部の相対位置を固定保持させるための磁界発生手段とを有するため、流体に対し磁界を発生させることで、基部に対する可動部の相対的な位置関係の変化を防止できるようになり、簡単な構成で高精度な位置決めがおこなえるようになるという効果を奏する。
【0071】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記流体として、磁性液体、あるいはMR流体を用いたため、液体の磁性体を用いることで、可動部の移動時の保持力は小さく、可動部の停止後の保持力は大きくすることができる。また、保持開始時の衝撃がほとんど発生しないので、保持開始時の位置ずれを防止でき位置決め状態を高精度に保持できるという効果を奏する。
【0072】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記流体として、磁性粉体を用いたため、保持装置を液体の磁性体よりも安価に保持および減衰特性を持つ装置を構成できるという効果を奏する。
【0073】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記磁界発生手段として、電磁石を用いたため、電磁石に対する電流の供給制御で、流体を凝集させ、可動部の保持がおこなえるようになり、保持動作のON−OFF制御を簡単におこなえるという効果を奏する。
【0074】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記磁界発生手段として、永久磁石を用いたため、特別な構成なく流体の凝集をおこなえるようになり、保持装置を安価に構成できるという効果を奏する。
【0075】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記磁界発生手段は、発生させる磁界の強さを変更可能なため、磁界の強さを変化させることにより、流体の種類によってはこの磁界の強さで流体の保持力を変更させることが可能となる。この特性を有する流体を用いた際には、磁界が小さなときには非凝集で、磁界を大きくして凝集させることができるようになり、可動部の保持力や減衰力を任意に変化させることができるという効果を奏する。
【0076】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記基部および可動部がいずれも磁性体からなるため、基部および可動部を含む磁気回路を構成できるようになり、流体に対し効率良く磁界をかけることができ、大きな保持力を発生させることができるという効果を奏する。
【0077】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記基部あるいは可動部のいずれか一方が磁性体からなり、他方が非磁性体からなるため、例えば、磁性体の基部に対する非磁性の可動部の位置決め時に、表面のうねりなどによる2面のギャップ距離の大小の影響が少なく、より高精度に位置決めが可能となる。また、保持力も両面が磁性体の場合に比べて、ギャップが変動してもほぼ一定に保つことが可能という効果を奏する。
【0078】
また、請求項9に記載の発明によれば、請求項1〜8のいずれか一つに記載の発明において、前記基部あるいは可動部には、前記流路内に介在された流体を攪拌するための突起あるいは溝が形成されたため、基部に対する可動部の移動で突起あるいは溝が流路内の流体を攪拌させることができ、流体の沈降による特性変化を防止できるようになる。この攪拌は、原点復帰などの試運転時に可動部を移動させるだけで簡単におこなえるという効果を奏する。
【0079】
また、請求項10に記載の発明によれば、固定側の部材と可動側の部材の相対的な運動を規制、保持する保持方法であって、相対的な運動をすることが可能な基部と可動部の間の流路に、磁界の強さに反応し凝集する特性を有する磁性体からなる流体を介在させ、前記基部に対する前記可動部の相対位置を位置決めした後、前記流体に対し磁界を発生させて前記基部に対する可動部の相対位置を固定保持させるため、流路内の流体に磁界を発生させるだけで、基部に対する可動部の相対的な位置関係の変化を防止できるようになり、簡単な工程で高精度な位置決めがおこなえるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る保持装置の基本構成を示す図である。
【図2】実施の形態1による保持装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】直動型の保持装置の構成例を示す図である。
【図4】回転型の保持装置の構成例を示す図である。
【図5】回転型の保持装置を組み込んだ直動ステージの全体構成を示す図である。
【図6】直動型の保持装置を組み込んだ直動ステージの全体構成を示す図である。
【図7】この発明の保持装置の実施の形態2による構成を示す図である。
【図8】実施の形態2による保持装置の変形例を示す図である。
【図9】実施の形態2による保持装置の他の変形例を示す図である。
【図10】この発明の保持装置の実施の形態3による構成を示す図である。
【図11】実施の形態3の構成の変形例を示す図である。
【図12】実施の形態3の構成の変形例を示す図である。
【図13】保持対象の例である光学素子を示す図である。
【図14】保持対象の例である光学素子を示す図である。
【符号の説明】
101 基部
102 可動部
103,104 磁石
105 流体
105a 凝集部
105b 非凝集部
106 流路
107 磁界
561 モータ
562 カップリング
563 保持装置
564 テーブル
565 ボールネジ
566 リニアガイド
663 保持装置
701 基部
702,802,902 可動部
707 磁界
1001,1002 突起
1201,1202 溝
1340,1450 光学素子

Claims (8)

  1. 固定側の部材と可動側の部材の相対的な運動を規制、保持する保持装置において、
    固定側の基部と、該基部に対し相対的な運動が可能な1つあるいは複数の可動部と、
    前記基部と可動部の間である流路に介在され、磁界の強さに反応し凝集する特性を有する磁性体からなる流体と、
    前記流体に対し磁界を発生させて前記基部に対する可動部の相対位置を固定保持させるための磁界発生手段と、を有し、
    前記基部と可動部は、それぞれ互いの対向面の磁極が異なる磁性体からなり、前記磁界発生手段による磁気回路を構成することを特徴とする保持装置。
  2. 前記流体として、磁性液体、あるいはMR流体を用いたことを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  3. 前記流体として、磁性粉体を用いたことを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  4. 前記磁界発生手段として、電磁石を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の保持装置。
  5. 前記磁界発生手段として、永久磁石を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の保持装置。
  6. 前記磁界発生手段は、発生させる磁界の強さを変更可能なことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の保持装置。
  7. 前記基部あるいは可動部には、前記流路内に介在された流体を攪拌するための突起あるいは溝が形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の保持装置。
  8. 互いの対向面の磁極が異なる磁性体からなる固定側の基部と可動側の可動部の相対的な運動を規制、保持する保持方法であって、
    相対的な運動をすることが可能な基部と可動部の間の流路に、磁界の強さに反応し凝集する特性を有する磁性体からなる流体を介在させ、
    前記基部に対する前記可動部の相対位置を位置決めした後、
    前記基部と可動部が構成する磁気回路によって前記流体に対し磁界を発生させて前記基部に対する可動部の相対位置を固定保持させることを特徴とする保持方法。
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