JP4148869B2 - コンプライアンス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンプライアンス装置に関するものである。
一般に、自動組立機等においては、その組立時に必要なワークの搬送のための搬送装置が設けられている。そして、搬送装置には、近年、ワークの搬送時に必然的に生じる位置ずれを補正するコンプライアンス装置が設けられている。
コンプライアンス装置は、例えば本体に対して二次元平面上を可動状態となるように構成されたスライダを備えており、このスライダに設けられたワーク保持部によってワークが保持される。そして、搬送時に生じた位置ずれのため組立時にワーク等に外力が作用した場合、この外力にならってスライダが変位し、それによりワークの位置ずれが補正されるようになっている。
ところで、従来のコンプライアンス装置では、前述したスライダはボールベアリングを用いることで二次元平面上を可動するように構成されている。このため、スライダが変位する際には、ボールベアリングの摺動により塵や埃が発生してしまうという問題がある。そして、このような問題を有するため、従来のボールベアリングを用いたコンプライアンス装置は、塵埃を嫌う近年の精密機器用の自動組立機には不向きである。中には、塵埃を吸引するための構成を付加した技術も開示されているが、このような構成では装置が大型化してしまうという別の問題が新たに生じる(特許文献1参照)。
また、一般にコンプライアンス装置は、外力の作用によって変位したスライダをその外力の作用がなくなったときにスライダをもとの初期位置に復帰させるための構成を備えている。従来のコンプライアンス装置ではそのための構成として、バネによって付勢されたボールが元の位置に戻る際の力を利用するものが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、かかる構成でもボールが元の位置に戻る際に周囲と接触するため、塵埃の発生が避けられない。しかも、ボールやバネを設けるスペースが必要となる等、装置が大型化する原因にもなるという問題もある。
特開2002−307366号公報
本発明は、塵埃の発生をなくして小型化が可能なコンプライアンス装置を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.外力の作用によって相対的に変位する固定部(ベース2)及び可動部(スライダ15)を有するコンプライアンス装置において、
加圧気体の噴出により前記固定部と前記可動部とを相対的に非接触支持する静圧発生部(多孔質体8,球面多孔質体38)を設けるとともに、前記固定部と前記可動部との両者を磁気によって引き寄せるように構成したコンプライアンス装置。
手段1によれば、静圧発生部から噴出される加圧気体によって固定部と可動部との間に静圧が生成される。その結果、固定部と可動部とを相対的に非接触の状態で支持することができる。さらに、磁気によって固定部と可動部との両者が引き寄せられることにより、固定部と可動部との間では静圧の発生と引き寄せとが同時に行われる。これにより、両者の相対的な非接触支持を安定した状態で行うことができる。すなわち、加圧気体の噴出による静圧力と磁気力との関係で決められる所定の浮上量を維持しながら、固定部と可動部とを相対的に非接触支持することができる。そして、このように固定部と可動部とを相対的に非接触支持する構成としたことにより、外力の作用によって固定部と可動部とが相対的に変位した場合でも、その変位時に塵埃が発生するのを防止できる。このため、従来のように塵埃を取り除くための構成は不要であり、その分装置を小型化することができる。
手段2.前記静圧発生部による静圧発生と、前記磁気による引き寄せとを、固定部及び可動部の相対向する平面間で行うように構成した手段1に記載のコンプライアンス装置。
手段2によれば、固定部及び可動部の相対向する平面間で静圧発生部により静圧が生成され、磁気による両者の引き寄せが行われ、これにより固定部及び可動部はその相対向する平面で相対的に非接触支持されることになる。かかる構成によれば、静圧や磁気による吸引力の作用する領域を確保することができ、安定した非接触支持を確実に行うことができる。
手段3.磁石を利用して磁気による引き寄せを行うように構成した手段1又は2に記載のコンプライアンス装置。
手段3によれば、非接触支持を安定化すべく固定部と可動部との両者を引き寄せるための構成が磁石を設けることで可能となる。磁石自体は小型化することが十分可能であるから、前述したように塵埃を除去する構成が不要となるという点に加えて、小型化された部材を用いることができるという点で、コンプライアンス装置全体を一層小型化することができる。
手段4.外力の作用により相対的に変位する固定部(ベース2)及び可動部(スライダ15)を有し、外力が除かれることで相対変位した固定部及び可動部を自動的に初期状態に復帰させる復帰手段を設けたコンプライアンス装置であって、
加圧気体の噴出により前記固定部と前記可動部とを相対的に非接触支持する静圧発生部(多孔質体8,球面多孔質体38)を設けるとともに、前記固定部と前記可動部との両者を磁石によって引き寄せるように構成し、その磁石を利用して前記復帰手段を構成したコンプライアンス装置。
手段4によれば、静圧発生部から噴出される加圧気体によって固定部と可動部との間に静圧が生成される。その結果、固定部と可動部とを相対的に非接触の状態で支持することができる。さらに、磁石の磁気によって固定部と可動部とが引き寄せられることにより、固定部と可動部との間では静圧の発生と引き寄せとが同時に行われる。これにより、両者の相対的な非接触支持を安定した状態で行うことができる。すなわち、加圧気体の噴出による静圧力と磁石の磁気力との関係で決められる所定の浮上量を維持しながら、固定部と可動部とを相対的に非接触支持することができる。そして、このように固定部と可動部とを相対的に非接触支持する構成としたことにより、外力の作用によって固定部と可動部とが相対的に変位した場合でも、その変位時に塵埃が発生するのを防止できる。このため、従来のように塵埃を取り除くための構成は不要であり、その分装置を小型化することができる。
また、手段4では安定した非接触支持のために用いられる前記磁石を利用して復帰手段が構成されていることから、固定部及び可動部が相対変位した位置から初期状態に復帰させる手段において従来のように部材同士が接触することがない。このため、初期状態への復帰時に塵埃が発生することを防止できる。しかも、固定部と可動部とを相対変位可能とするための構成とは別に初期状態へ復帰させる構成を設けることも不要となるから装置の小型化にも大きく寄与する。
手段5.前記固定部及び前記可動部の一方を非磁性体によって形成してその非接触支持面に前記磁石を設け、他方の非接触支持面には、磁性体によって形成され、前記磁石と相対向する面の形状がその磁石の対向面と同一形状をなす着磁部を設け、その着磁部の周囲には環状溝を備え、これにより前記復帰手段を構成した手段4に記載のコンプライアンス装置。
手段5によれば、固定部及び可動部の一方に設けられた単体の磁石によって、他方に形成された着磁部は着磁される。これにより、固定部及び可動部の両者は引き寄せられ、両者の相対的な非接触支持が安定化される。そして、外力の作用しない状態では、固定部及び可動部は、磁石と着磁部の相対向する面が、二次元平面上又は球面上における位置において位置ずれなくほぼ一致した状態の位置で非接触支持されることになる。それというのも、磁石と着磁部の相対向する面が同一形状となるように構成されているため、そのような位置ずれのない状態は互いに引き合う磁石と着磁部とが安定した状態にあるからである。このような状態が手段5における初期状態となる。そして、外力の作用により固定部及び可動部が相対変位するも、その外力が除かれると、固定部及び可動部は磁石の作用により非接触状態のまま前記初期状態に自動的に復帰する。このように、自動的に復帰させるための構成としては磁石を設けるだけでよく、しかもその磁石はそもそも非接触支持を安定化させるためにも利用していることから、余分な構成が不要となり装置の大幅な小型化が実現できる。さらに、磁石は固定部及び可動部の一方だけに設ければよいから、製造コストの削減にもつながる。
手段6.前記固定部及び前記可動部を非磁性体によって形成し、その両非接触支持面(支持面2a,被支持面15a)に前記磁石をそれぞれ設け、両磁石を、互いに相対向する面の形状が同一形状となるように構成し、これによって前記復帰手段を構成した手段4に記載のコンプライアンス装置。
手段6によれば、固定部及び可動部の両非接触支持面に設けられた磁石によって両者は引き寄せられ、両者の相対的な非接触支持が安定化される。そして、外力の作用しない状態では、固定部及び可動部は、それぞれに設けられた磁石の相対向する面が、二次元平面上又は球面上における位置において位置ずれなくほぼ一致した状態の位置で非接触支持されることになる。それというのも、両磁石の相対向する面が同一形状となるように構成されているため、そのような位置ずれのない状態が互いに引き合う磁石として安定した状態にあるからである。このような状態が手段6における初期状態となる。そして、外力の作用により固定部及び可動部が相対変位するも、その外力が除かれると、固定部及び可動部は磁石の作用により非接触状態のまま前記初期状態に自動的に復帰する。このように、自動的に復帰させるための構成としては磁石を設けるだけでよく、しかもその磁石はそもそも非接触支持を安定化させるためにも利用していることから、余分な構成が不要となり装置の大幅な小型化が実現できる。さらに、両非接触支持面に磁石を設けた構成としたことにより、例えば複数の磁石を設けたような場合には手段5の構成よりも製造が容易でコスト削減も可能となる。複数の磁石に対応する着磁部ごとにその周囲に環状溝を備える必要がないからである。
手段7.前記磁石を前記固定部及び前記可動部の両非接触支持面ごとに複数設け、各磁石をそれぞれ離間して配置するとともに、各非接触支持面における複数の磁石の配置を同一とした手段6に記載のコンプライアンス装置。
手段7によれば、外力の作用しない状態では、固定部及び可動部は、それぞれに設けられた複数の磁石の相対向する面、及び各磁石の配置が、二次元平面上又は球面上における位置において位置ずれなくほぼ一致した状態の位置で非接触支持されることになる。しかも、複数の磁石はそれぞれが離間した状態で配置されるため、各非接触支持面に円形状の磁石を一つだけ設けた場合と異なり、二次元平面上又は球面上においてどの方向を向いているかという方向性まで特定される。このような状態が手段7における初期状態となる。このため、固定部及び可動部の初期状態に特定の方向性をもたせる必要がある場合にきわめて有益となる。加えて、複数の磁石が離間して配置される構成により、一つの磁石を設けただけの場合に比べて磁石の配置を様々に工夫することができる。このため、磁石の周辺に別部材を設ける必要があったり、静圧発生部の形状が特定されたりした場合など、磁石の設置状況に制約がある場合にも幅広く対応することができる。
手段8.前記複数の磁石を、その各磁石を順に直線で結んでできる形状の中心と、非接触支持面の中心とが略一致するように配置した手段7に記載のコンプライアンス装置。
手段8によれば、固定部と可動部とが引き寄せられる場合の中心が、非接触支持面の中心となるから、その両者の引き寄せを非接触支持面上で偏りなく行うことができる。
手段9.手段5においては磁石及び着磁部を、手段6においては両磁石をそれぞれ非接触支持面上に一つ設け、その両者が相対向する面の形状を非円形状としたコンプライアンス装置。
手段9によれば、磁石等の各形状を非円形状とすることで、それが円形状である場合と異なり、固定部及び可動部の非接触支持が二次元平面上又は球面上における位置において位置ずれなくほぼ一致した状態の位置で行われるだけでなく、その二次元平面上又は球面上においてどの方向を向いているかという方向性まで特定された状態で行われる。そして、この状態が初期状態となる。このため、外力の作用により固定部及び可動部が相対的に変位した後、その外力が除かれると、その方向性まで特定された初期状態に自動的に復帰することになる。従って、固定部及び可動部の初期状態に特定の方向性をもたせる必要がある場合にきわめて有益となる。もっとも、非円形状とはいえ角の多い多角形状となると円形状に近くなるため、角が多くなる程方向性を特定することが困難となり得る。このため、多角形状とする場合であれば、三角形状、四角形状、5角形状、6角形状など、比較的角の少ない形状である方が方向性を特定する点では好ましい。
手段10.前記磁気によって固定部と可動部との両者を引き寄せる構成又は前記磁石の外側に前記静圧発生部を配置し、その静圧発生部を可動部の非接触支持面の周方向に沿って環状に設けた手段1乃至8のいずれかに記載のコンプライアンス装置。
手段10によれば、前記磁気によって固定部と可動部との両者を引き寄せる構成又は前記磁石の外側で非接触支持面の周方向に沿って環状に設けられた静圧発生部によって固定部と可動部との間に静圧が生成される。そして、静圧発生部の内側で磁気又は磁石によって固定部と可動部とが引き寄せられる。これにより、静圧の発生が一部の領域に限られず可動部の非接触支持面に沿った広い領域で行われることになって、安定した非接触支持が可能となる。
手段11.手段1乃至10のいずれかにおいて、前記磁気によって固定部と可動部との両者を引き寄せる構成又は前記磁石を固定部及び可動部の非接触支持面の略中央部に設けたコンプライアンス装置。
手段11によれば、非接触支持面の略中央部で固定部と可動部との両者が引き寄せられることになるから、その両者の引き寄せを非接触支持面上で偏りなく行うことができる。
手段12.前記静圧発生部を多孔質体によって構成した手段1乃至11のいずれかに記載のコンプライアンス装置。
手段12によれば、静圧発生部が多孔質体により構成されているため、多孔質体を通過する際に気体が絞られることで好適に静圧を発生させることができ、しかも単なる絞り通路よりも均等に静圧を発生させることができる。その結果、固定部と可動部とを安定した状態で非接触支持することができる。
以下、コンプライアンス装置の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はコンプライアンス装置の断面図、図2はその平面図、図3はベースをスライダ側からみた平面図、図4はスライダをベース側からみた平面図である。なお、図1は図2におけるA−A線断面図である。
図1,2に示すように、コンプライアンス装置1は平面視において略四角形状をなすベース2を備えている。ベース2はステンレス鋼などの非磁性体によって形成され、その外面には任意の位置にポート3が設けられている。ポート3は、例えば配管が接続されるための雌ネジが形成された雌ネジ孔として形成したり、ワンタッチ継手を設けたりする等、各種形態が考えられる。コンプライアンス装置1の使用時においてこのポート3には図示しない圧力供給装置からの配管が接続される。なお、ベース2の形状は略円形状とするなど図示の形状に限られるものではない。
ベース2の前記ポート3の設けられた面とは異なる一平面は支持面2aとされ、この支持面2aは平坦面として高精度な仕上げ処理がなされている。支持面2aには円環状に形成された収容溝5が形成されている。収容溝5の底面にはさらに、収容溝5と同様に円環状に流通溝6が形成されている。そして、ベース2の内部にはこの流通溝6内に開口する気体通路7が形成されており、かかる気体通路7を介して流通溝6内は前記ポート3に連通されている。
収容溝5には円環状に形成された多孔質体8がベース2の支持面2aから突出した状態で密に収容され、その状態で固定されている。この多孔質体8はその突出した平面8a(以下、突出面8aという。)が高精度に仕上げ処理されており、平坦度の高められたものである。図示しない圧力供給装置から前記ポート3に供給された加圧気体は、気体通路7、流通溝6を経てこの多孔質体8に供給されることになる。そして、ベース2の支持面2aから突出した多孔質体8の外周部にはシールが施されているため(図示略)、多孔質体8に供給された加圧気体はその突出面8aから噴出する。なお、多孔質体8は、例えば焼結アルミニウム、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料によって構成することができるが、それ以外にも、焼結三フッ化樹脂、焼結四フッ化樹脂、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等の合成樹脂材料や、焼結カーボン、焼結セラミックスなどによって構成することもできる。
ベース2には多孔質体8の内側において支持面2aの略中央部に、平面視において四角形状をなす収容凹部9が形成されている。図3にも示すように、収容凹部9には、同収容凹部9と同一外形をなす磁石10(永久磁石)が収容され、その状態で固定されている。そして、この磁石10の表面がベース2の支持面2aの一部を構成している。ベース2においては、支持面2aの略中央部、すなわち磁石10の露出面の略中央部を通る線(図3において支持面2aの略中央部を通り、紙面と直交する線)をベース中心線とする。ベース2及び磁石10にはベース中心線を中心として、支持面2aからその反対側の面2bにかけて貫通するベース貫通孔11が形成されている。
また、ベース2の前記支持面2aとは反対側の面2bに、その面2bから突出する取付用突部12が設けられている。取付用突部12はその中心がベース中心線と一致するように設けられ、この取付用突部12にも前記ベース貫通孔11が延設されている。そして、取付用突部12の外周部には雄ネジ部12aが形成されており、この取付用突部12を介してベース2が他の部材に取り付けられるよう構成されている。なお、ベース2と他の部材との取付構成は、この取付用突部12の外周部に雄ネジ部12aを形成するものに限定されず、例えばビス等の固定具を用いて取り付けるよう構成してもよい。
ベース2の支持面2a側には、スライダ15が設けられている。スライダ15は、例えば磁性ステンレス鋼のような磁性体によって形成され、平面視において略円形状に形成されている。そして、その径はベース2の支持面2aに円環状に設けられた多孔質体8の外径よりも大きくなるように形成されている。このため、スライダ15はそのベース2側の面15a(以下、被支持面15aという。)で多孔質体8の突出面8aから噴出する加圧気体によって非接触支持されることになる。すなわち、多孔質体8の突出面8aとスライダ15の被支持面15aとの間に圧力エア層が形成され、静圧がもたらされる。これにより、スライダ15はベース2の支持面2a(より詳しくは、多孔質体8の突出面8a)において非接触支持される。
なお、スライダ15の被支持面15aは平坦面として高精度な仕上げ処理がなされている。また、後述するようにスライダ15はその中心軸線がベース中心線と略一致した状態で非接触支持されるが、外力の作用によりスライダ15がその状態からずれたような場合であっても、想定範囲の位置ずれであれば多孔質体8の露出が避けられるように構成されている。
ここで、スライダ15が単に静圧によって非接触支持されているだけであると、ベース2によるスライダ15の支持は不安定なものとなる。このため、コンプライアンス装置1は前記磁石10を設けたことに加えて、以下のような構成を採用することによって、スライダ15を安定した状態で非接触支持している。
図4に示すように、スライダ15の被支持面15aには、その平面視において、中心軸線を中心として略四角形状をなす環状に形成された環状溝16が設けられている。これにより、環状溝16の内側には環状溝16の底部を基準として凸となる着磁部17が形成されている。なお、厳密に考えれば、スライダ15が磁性体によって形成されている以上、スライダ15全体が着磁部であると考えられなくはない。ただ、本実施形態では被支持面15aに形成された環状溝16によってその内側と外側とが区分されている。このため、環状溝16の内側では磁石10による着磁が外側よりも強められているという意味で、環状溝16の内側を着磁部17と呼称することにする。着磁部17を平面視した場合の形状、すなわちスライダ15の被支持面15aを平面視した場合に環状溝16の内側辺によって形成される形状は、前記ベース2の支持面2aに設けられた磁石10を平面視した形状と同一の形状となるように形成されている。そして、スライダ15の着磁部17とベース2側の磁石10とは相対向し、しかも前述した通りスライダ15は磁性体によって形成されているから、磁石10の作用によってスライダ15にはベース2側に引き寄せられる吸引力が作用することになる。
ここで、磁石の一般的な性質について図5に従って説明する。なお、図5では磁石Mは固定された状態にあるものと仮定する。また、磁性部材Jが磁石Mに引き寄せられることにより本来なら両者は接触した状態となるはずであるが、説明の便宜上、両者が離れた状態が維持されているものと仮定する。磁石Mの極は図示の場合と逆であってもよい。
磁石Mと磁性部材Jが同一の平面形状をなす平行な対向平面Ma,Jaをそれぞれ有する場合、両者は、図5(a)に示したように、その対向平面Ma,Ja同士が平面視した場合に重なり合う状態で保持されることになる。それというのも、磁性部材Jに作用する磁石Mの磁力が最も安定しているのがこの状態だからである。このため、図5(b)に示したように、磁石Mに対して磁性部材Jの位置がずれた状態にあると、磁石Mの磁力によって磁性部材Jは図5(a)に示した安定状態に自然と復帰しようとする。そして、その磁力が復帰を妨げる力(例えば、磁性部材Jに作用する外力など)に勝れば、磁性部材Jは図5(a)の状態に復帰する。
本実施形態ではこのような磁石の性質を利用している。すなわち、ベース2の支持面2aに設けられた磁石10の形状に合わせて、スライダ15の被支持面15aに着磁部17が形成されていることから、両者が互いに位置ずれすることなく相対向した状態でスライダ15はベース2側へ引き寄せられる。静圧によって非接触支持された状態にあるスライダ15は、この引き寄せとあいまって、磁石10と着磁部17とが位置ずれなく対向した位置で安定した状態で非接触支持されることになる。そして、着磁部17の中心はスライダ15の中心軸線が通り、磁石10の略中央部にもベース2のベース中心線が通っていることから、スライダ15はその中心軸線がベース中心線と略一致した状態で非接触支持されることになる。スライダ15にはその中心軸線を中心とするスライダ貫通孔18が形成されていることから、このスライダ貫通孔18はベース貫通孔11につながる。なお、多孔質体8の突出面8aとスライダ15の被支持面15aとの間にできる微小な隙間は、磁石10の磁力と加圧気体の噴出量によって決定されることになる。従って、これら磁力や噴出量の調整を行えば所望の隙間を得ることが可能である。また、コンプライアンス装置1はスライダ15を下にして配置される場合もあるから、そのような場合はスライダ15がベース2から落下しないだけの吸引力をスライダ15に作用させる磁石10が必要となる。
また、磁石10と着磁部17の形状を略四角形状としていることから、非接触支持されたスライダ15のベース2に対する位置は特定された位置となる。すなわち、略四角形状をなす磁石10と着磁部17とが位置ずれなく相対向する位置、より詳しくは、スライダ15を平面視した場合の上下・左右の位置と、その位置における向き(方向性)が特定された位置がスライダ15の初期状態として特定される。このため、仮にスライダ15に対して何らかの外力が作用してスライダ15の位置が前記初期状態からずれてしまったとしても、その外力の作用がなくなれば、スライダ15はもとの初期状態に復帰する。これに対して、磁石10と着磁部17の形状が円形状であると、両者が位置ずれなく対向する位置でスライダ15は非接触支持されるものの、その位置は上下・左右の位置が特定されるだけで向きを特定することはできない。このため、外力の作用によりスライダ15の位置ずれが生じた後、外力の作用がなくなって復帰しても、外力が作用する前の初期状態と向きまで同じ状態には復帰しない。
なお、スライダ15にはその被支持面15aとは逆側の平面の略中央部において、同平面から中心軸線方向に突出する突出部19が設けられている。そして、この突出部19には図示しない取り付け部が形成されており、この取り付け部を介して突出部19の先端部に吸着パッドその他の各種部品が取り付けられるようになっている。突出部19にも前記スライダ貫通孔18が形成されている。
ここで、以上のように構成されたコンプライアンス装置1の具体的な寸法の一例を示すことにする。図2に示すような平面視において、ベース2はその一辺が11mmとされ、スライダ15はその径が10.2mmとされている。そして、スライダ15が二次元平面上で可動し、ベース2に対する位置ずれが生じる場合の最大ずれ量は、0.5mmとして想定されている。ベース2の支持面2aとスライダ15の突出部19の平面との間の高さは11mmとされ、ベース2とスライダ15との間の隙間は0.4mmとされている。また、多孔質体8はその外径が9mm、内径が6.8mmとされている。磁石10は支持面2aに現れた部分の一辺が4mmとされ、環状溝16はその幅が0.6mmとされている。このように、コンプライアンス装置1は装置自体非常に小型化されたものであり、想定されるスライダ15の位置ずれも0.5mm以内という微小な範囲となっている。
次に、以上のように構成されたコンプライアンス装置1をワークの吸着搬送装置に適用した場合を、コンプライアンス装置の一用途例として説明する。
図6に示すように、吸着搬送装置21は装置本体22を備えている。装置本体22は図示しないアクチュエータ等の搬送装置と連結され、同搬送装置によって所定位置に移動するように構成されている。装置本体22にはロッド挿通孔23が形成され、そのロッド挿通孔23にはロッド24が挿通されている。ロッド24の内部にはその長手方向に沿って吸引用孔25が形成されている。そして、ロッド24の先端部にはコンプライアンス装置1が取り付けられている。具体的には、ロッド24の先端部に形成された雌ネジ部24aにベース2の取付用突部12に形成された雄ネジ部12aをねじ込むことで取り付けられる。この取り付けにより、ロッド24の吸引用孔25とコンプライアンス装置1のベース貫通孔11及びスライダ貫通孔18とが連通される。さらに、コンプライアンス装置1のスライダ15の突出部19には、図示しない取り付け部を介して吸着パッド26が取り付けられている。なお、ロッド24と装置本体22との間には図示しない緩衝機能が設けられている。
他方、ロッド24の基端部には図示しない吸引装置からの配管が接続される。そして、この吸引装置の吸引力がロッド24の基端部に作用することにより、この吸引力がロッド24の吸引用孔25、コンプライアンス装置1のベース貫通孔11及びスライダ貫通孔18を介して吸着パッド26内部に作用する。これにより、吸着パッド26にはワークが吸着されることになる。
次に、以上のように構成された吸着搬送装置21の動作について図7を参照しながら説明する。なお、図7では、理解を容易にするために、ワークWの位置ずれやベース2に対するスライダ15の変位が強調されている。
まず、図7(a)に示すように、吸着搬送装置21はワーク収容部27に置かれているワークW(例えば、レンズや半導体チップなど)を吸着パッド26に吸着させる動作を行う。この場合、図示しない搬送装置は吸着搬送装置21をワークWの上方に配置し、その後、ワークWに向けて下降させる。すると、吸着パッド26がワークWに当接する。このとき、吸着装置に設けられた図示しない緩衝装置の機能により、吸着パッド26がワークWに当接した際の衝撃が緩和される。そして、図示しない吸引装置を駆動して吸着パッド26に吸引力を作用させると、ワークWは吸着パッド26に吸着される。
次いで、吸着したワークWを次の工程へ移動させるべく搬送装置が駆動される。搬送装置は別のワーク収容部28(図7(b)参照)の上方に吸着搬送装置21を配置し、さらにワーク収容部28に向けて下降させる。この途中でワークWに対して何らかの外力が作用すると、スライダ15のベース2に対する位置は当初の初期状態からずれるが、外力の作用がなくなれば、ベース2に設けられた磁石10とスライダ15の着磁部17との関係から、初期状態に自動的に復帰する。
ここで、搬送装置がワーク収容部28の上方に吸着搬送装置21を配置する際、吸着搬送装置21の位置とワーク収容部28との位置を完全に一致させることは困難であり、両者の間に微妙な位置ずれが生じることを避けられない。このため、図7(b)に示したように、吸着搬送装置21をワーク収容部28に向けて下降させると、ワーク収容部28の周縁に形成されたテーパー部(倣い面)29にワークWが当接することになる。そして、その当接後もさらに吸着搬送装置21を下降させると、コンプライアンス装置1のスライダ15がテーパー部29に倣って自動的に変位する。それというのも、前述したようにスライダ15はベース2に設けられた磁石10によって引き寄せられながら静圧によって非接触支持された状態にあるため、ベース2に対して二次元平面上を移動可能な状態となっているからである。そして、テーパー部29に当接しながら下降することでワークWに作用する外力がスライダ15に作用し、その外力によってスライダ15が自動的に変位し、位置ずれが吸収される。その結果、吸着搬送装置21の下降を継続すると、図7(c)に示すように、最終的にワークWはワーク収容部28に配置されることになる。
なお、ワークWがテーパー部29に当接した時も、その後に下降を継続する時も、その際に生じる衝撃は吸着搬送装置21に設けられた緩衝装置により緩和されて、ワークWの破損が防止される。また、コンプライアンス装置1が想定しているスライダ15の位置ずれ量(前述した具体的寸法においては0.5mm以内)は、吸着搬送装置21によるワークWの搬送時に生じる位置ずれが考慮されている。従って、ワークWの搬送時における位置ずれ量も微小なものが想定されている。
その後、吸着パッド26への吸引力の作用を停止し、搬送装置によって吸着搬送装置21を上昇させると、吸着パッド26とワークWとが離れ、ワークWがワーク収容部28に置かれたまま、吸着搬送装置21だけが上昇することになる。このとき、スライダ15に作用していた外力がなくなるため、ベース2に設けられた磁石10とスライダ15の着磁部17との関係から、スライダ15は初期状態に自動的に復帰する。
以上詳述した本実施の形態のコンプライアンス装置1によれば、多孔質体8による静圧発生と、磁石10と着磁部17との作用により、ベース2とスライダ15との間では静圧の発生と引き寄せとが同時に行われる。これにより、両者の相対的な非接触支持を安定した状態で行うことができる。そして、このような構成により、外力の作用によってベース2とスライダ15とが相対的に変位した場合でも、その変位時に塵埃が発生するのを防止できる。このため、従来のように塵埃を取り除くための構成は不要であり、その分装置を小型化することができる。しかも、非接触支持であるためにベース2とスライダ15との間の磨耗がなく、装置1は半永久的な使用が可能となる。さらに、非接触支持のため、スティックスリップ等による振動をなくすこともでき、かかる振動がワークに与える影響を考慮する必要もなくなる。
また、外力の作用によりスライダ15がベース2に対して変位した場合に、その変位した位置から初期状態への復帰は前記磁石10と前記着磁部17の作用により行われるため、その復帰のための手段において従来の構成のように部材同士が接触することがない。このため、スライダ15が初期状態への復帰する時にも塵埃が発生することを防止できる。しかも、磁石10及び着磁部17は非接触支持かつ変位可能とするための構成を兼ねていることから、コンプライアンス装置1の小型化にも大きく寄与できる。
さらに、スライダ15の被支持面15aを円形状とし、多孔質体8を円環状に形成し、いずれも円形状という同一形状となっているため、多孔質体8はスライダ15の被支持面15aの周方向に沿って設けられている。このため、スライダ15の被支持面15aにおいて静圧の発生が一部の領域に限定されず、被支持面15aの周方向に沿った広い領域で行われることになる。このため、スライダ15の非接触支持を安定した状態で行うことができる。
さらにまた、ベース2とスライダ15とを引き寄せるとともに、スライダ15の初期状態を決める磁石10及び着磁部17はそれぞれベース2の支持面2a、スライダ15の被支持面15aの略中央部に設けられている。このため、ベース2及びスライダ15の略中央部でその両者が引き寄せられることになり、その両者の引き寄せを偏りなく行うことができる。
なお、実施の形態は上記した内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、ベース2の支持面2aに現れる形状が略四角形状となる磁石10を設けたが、磁石10の形状はこの形状に限られない。例えば、円形状や三角形状などの多角形状であってもよい。この場合、スライダ15の被支持面15aに形成される着磁部17の形状も、磁石10の形状に合わせて形成されることになる。ただ、前述したように円形状の場合は位置ずれしたスライダ15が位置ずれのない位置に自動的に復帰するという作用は得られるものの、向きまで特定された位置に復帰することが困難である。このため、方向性が特定されるワークWには不向きであるという欠点がある。その意味では、非円形状であることが円形状であるよりも好ましい。
(b)上記実施の形態では、ベース2の支持面2aに略四角形状の磁石10を一つだけ設けたが、複数の磁石をそれぞれが離間した状態で配置した構成としてもよい。例えば、図8に示すように複数の磁石32を順に直線で結んだ形状が略正方形となるように配置した構成が考えられる。この場合、スライダ15には磁石32ごとに対応する着磁部17を形成してもよいが、スライダ15を非磁性体によって構成し、スライダ15の被支持面15aのベース2側磁石32と対応する位置に磁石を新たに設けた構成としてもよい。このような構成によれば、一つの磁石を設けただけの場合に比べて磁石の配置を様々に工夫することができるため、磁石32の周辺に別部材を設ける必要があったり、多孔質体8の形状が特定されたりした場合など、磁石32の設置状況に制約がある場合にも幅広く対応することができるというメリットがある。
なお、ベース2の支持面2a及びスライダ15の被支持面15aにおける前記各複数の磁石32は、その各磁石32を順に直線で結んでできる形状の中心と、支持面2a及び被支持面15aの中心とが略一致するように配置することが好ましい。これにより、ベース2とスライダ15とが引き寄せられる場合の中心が、支持面2a及び被支持面15aの中心となるから、その両者の引き寄せを支持面2a及び被支持面15a上で偏りなく行うことができる。
(c)上記実施の形態では、スライダ15が二次元平面上を移動する、いわゆる平面倣いを行う構成において、磁石10の作用を利用してスライダ15をベース2に対して非接触支持しているが、球面倣いを行う構成においても同様に磁石を利用してスライダを非接触支持する構成を採用することができる。この場合、例えば、図9に示すような構成が一例として考えられる。図9において、球面倣い装置33の本体34はポート35から通路36、流通溝37を介して加圧気体が供給される球面多孔質体38を備え、その加圧気体が球面多孔質体38の表面から噴出することによって、スライダ39が非接触支持されるものである。球面多孔質体38とスライダ39のそれぞれの対向面に磁石40a,40b
を設けることで、かかる磁石40a,40bの作用により、スライダ39に作用した外力がなくなると、スライダ39は、同スライダ39側の磁石40aと本体34側の磁石40bとが位置ずれなく対向する位置に復帰する。このため、本実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
(d)上記実施の形態では、ベース2を非磁性体によって構成し磁石10を設けるとともに、スライダ15を磁性体によって構成し着磁部17を形成したが、これと逆の構成であってもよい。すなわち、スライダ15を非磁性体によって構成し着磁部17が形成されていた箇所に磁石10を設け、ベース2を磁性体によって構成し磁石10が設けられていた箇所に着磁部17を形成する構成とすることも可能である。
(e)上記実施の形態では、スライダ15自体を磁性体によって構成し、磁石10の形状と合わせて着磁部17を形成する構成としたが、スライダ15を非磁性体によって構成し、その被支持面15aに着磁部17の代わりとして磁石10の形状とあわせた磁石を設けた構成とすることも可能である。また、磁石を設けるのではなく、着磁部17の部分だけを磁性体によって構成することも可能である。
(f)上記実施の形態では、スライダ15の被支持面15aに環状溝16を形成して着磁部17を設けたが、被支持面15aから突出するように着磁部17を設けることも可能である。
(g)上記実施の形態では、多孔質体8に加圧気体を供給してスライダ15を非接触支持する構成のみを示したが、スライダ15を吸引して保持することも可能である。すなわち、ポート3に吸引装置からの配管を接続して、気体通路7、流通溝6を介して多孔質体8に負圧を作用させると、多孔質体8の突出面8a周辺に存在する気体が吸引されることになる。これに伴い、スライダ15の被支持面15aがベース2の支持面2a(より詳しくは、多孔質体8の突出面8a)に吸着され、その位置で固定されることになる。このため、スライダを初期状態で固定することはもとより、外力の作用により初期状態からずれた位置でも固定することが可能であり、任意の位置で固定可能という点で吸着装置としての利用の幅を広げることができる。
(h)上記実施の形態では、多孔質体8を円環状に形成したが、略四角形状をなす環状に形成したり、複数の独立した多孔質体8を設けたりする構成としてもよい。ただ、製造の容易性やコストの面を考慮すると、円環状に形成することが最も好ましい。
(i)上記実施の形態では、コンプライアンス装置1の一用途例として説明した吸着搬送装置21はワークWを吸着した際の状態をそのまま維持しながら搬送するものであったが、ワークWを吸着させた後にワークWを所定の方向へ旋回させて向きを変える旋回機能をもたせてもよい。また、コンプライアンス装置1の用途は吸着搬送装置21に限定されるものではなく、例えば、スライダ15側にワークWを吸着させた状態で当該ワークWに各種作業を行うステージとして利用することも可能である。
(j)上記実施の形態では、磁石10の磁気を利用してベース2とスライダ15とを引き寄せるように構成したが、磁気を発生させる手段としては磁石10以外に電磁石等を用いることも可能である。もっとも、装置の小型化という要請や操作性の点からみて、磁石を用いることが好ましいといえる。
本実施の形態のコンプライアンス装置を示す断面図(図2のA−A線断面図)。 図1の平面図。 ベースをスライダ側からみた状態を示す平面図。 スライダをベース側からみた状態を示す平面図。 磁石の性質を説明するための説明図。 コンプライアンス装置を用いたワークの吸着搬送装置を示す一部断面図。 吸着搬送装置によるワークの搬送過程を示す概略図。 本実施形態の別例として、ベースをスライダ側からみた状態を示す平面図。 本実施形態の別例として、球面倣い装置を示す一部断面図。
符号の説明
1…コンプライアンス装置、2…ベース、8…多孔質体、10…磁石、15…スライダ、17…着磁部。

Claims (4)

  1. 外力の作用により相対的に変位する固定部及び可動部を有し、外力が除かれることで相対変位した固定部及び可動部を自動的に初期状態に復帰させる復帰手段を設けたコンプライアンス装置であって、
    加圧気体の噴出により前記固定部と前記可動部とを相対的に非接触支持する静圧発生部を設けるとともに、前記固定部と前記可動部との両者を磁石によって引き寄せるように構成し、
    前記固定部及び前記可動部の一方を非磁性体によって形成してその非接触支持面に前記磁石を設け、
    前記固定部及び前記可動部の他方を磁性体によって形成してその非接触支持面に環状溝を設け、その環状溝の内側に、該環状溝の底部を基準として凸となり、前記磁石と相対向するとともに、その相対向する面の形状が前記磁石の対向面と同一形状をなす着磁部を設け、
    これにより前記復帰手段を構成したコンプライアンス装置。
  2. 前記磁石の外側に前記静圧発生部を配置し、その静圧発生部を可動部の非接触支持面の周方向に沿って環状に設けた請求項1に記載のコンプライアンス装置。
  3. 請求項1又は2において、前記磁石を固定部及び可動部の非接触支持面の中央部に設けたコンプライアンス装置。
  4. 前記静圧発生部を多孔質体によって構成した請求項1乃至のいずれかに記載のコンプライアンス装置。
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