JP2008034796A - 位置決め構造およびガイド構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 位置決めが簡易にでき、且つ真空中においても非接触の位置決めができる構造を提供する。
【解決手段】 本発明の位置決め構造は、ワーク3およびステージ4の双方に、ピン1またはピンを挿入する挿入孔2のいずれかをそれぞれ設けて、ワークをステージに位置決めするもので、ピンは、軸方向に着磁された磁石ピン1aと磁性体ピン1bを挿入孔に近い側から磁性体ピン、磁石ピンの順となる構成とし、挿入孔は軸方向に着磁されたリング状の磁石孔部材20aとリング状の磁性体孔部材20bをピンに近い側から磁性体孔部材、磁石孔部材の順となる構成にしたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば真空中においてワーク等を非接触で位置決めすることができる位置決め構造およびガイド構造に関する。
従来、ワークとステージなどの2部品の位置決め方法として位置決めピンによる方法が多く使われている。位置決めピンの従来例としての説明図を図6に示す。
図6において1はピン、2は挿入孔、3はワーク、4はステージである。
ワーク3にはピン1もしくは挿入孔2のいずれか一方が設けられ、ステージ4にはピン1もしくは挿入孔2のうちワーク3に設けられていない方が設けられる。そして、これらワーク3及びステージ4にそれぞれ設けられたピン1の凸部と挿入孔2の凹部が嵌合することによってワーク3とステージ4との位置決めが行なわれる。
このように、位置決めピンによる位置決め方法は構造が非常に簡単且つ安価であるため、さまざまなところで使われているが、凸部と凹部を嵌合させる際にピン1と挿入孔2との機械的な接触が生じるので、クリーン環境や真空環境においてはパーティクルの発生が問題となる。機械的な接触の無い位置決め方法として、図7に示すようにステージ4側にワーク3に対して気体を噴出させるための噴出穴7を施し、噴出穴7からの気体の流れによってワーク3を非接触状態で保持する機構を備えた位置決め装置も考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−31799号公報
しかしながら、前述のような気体の流れによって非接触状態で保持する方法では気体を供給するためのポンプや流量を制御するための装置等が必要となり機構が大掛かりとなるうえ、真空環境においては使用が困難である。
したがって、本発明は位置決め機構が簡易にでき、且つ真空中においても使用可能な非接触の位置決め構造およびガイド構造を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、ワークおよびステージの双方に、ピンまたはこのピンを挿入する挿入孔のいずれかをそれぞれ設け前記ワークを前記ステージに位置決めする位置決め構造において、前記ピンは、軸方向に着磁された永久磁石からなる磁石ピンと磁性体からなる磁性体ピンとを結合し、前記磁性体ピンを前記挿入孔側に向けて配置した構成とし、前記挿入孔は、その内部に軸方向に着磁されたリング状の永久磁石からなる磁石孔部材とリング状の磁性体からなる磁性体孔部材とを結合し、前記磁性体孔部材を前記ピン側に向けて配置した構成にするとともに、前記磁石ピンと前記磁石孔部材の磁化方向が互いに逆になるように配置したものである。
請求項2に記載の発明は、前記磁石ピンと前記磁石孔部材は、起磁力の大きさを略同じにしたものである。
請求項3に記載の発明は、前記ピンの固定部に前記ピンを囲むリング状の補助磁石を設け、前記挿入孔の開口部分にリング状の第2補助磁石を設け、前記磁石ピンと前記補助磁石の磁化方向が同じになるようにし、かつ前記磁石孔部材と前記第2補助磁石の磁化方向が同じになるようにしたものである。
請求項4に記載の発明は、一方向に相対的に移動可能なワークおよびステージの双方に、ティースまたはこのティースが挿入される挿入溝のいずれかをそれぞれ設けた前記ワークと前記ステージとのガイド構造において、前記ティースは、前記挿入溝の奥行き方向に着磁された直方体の永久磁石からなる磁石ティースと磁性体からなる直方体の磁性体ティースとを結合し、前記磁性体ティースを前記挿入溝側に向けて配置した構成とし、前記挿入溝は、その両壁面に前記挿入溝の奥行き方向に着磁されるとともに溝に平行に長い直方体の永久磁石からなる磁石溝部材と溝に平行に長い直方体の磁性体からなる磁性体溝部材とを結合し、前記磁性体溝部材を前記ティース側に向けて配置した構成にするとともに、前記磁石ティースと前記磁石溝部材の磁化方向が互いに逆になるように配置したものである。
請求項5に記載の発明は、前記磁石ティースと前記磁石溝部材は、対向する部分における起磁力の大きさを略同じにしたものである。
請求項6に記載の発明は、前記ティースの固定部に前記ティースを挟む2本の直方体の補助磁石を設け、前記挿入溝の開口部両側の前記補助磁石と対向する部分それぞれに溝に平行に長い直方体の第2補助磁石を1本ずつ設け、前記磁石ティースと前記補助磁石の磁化方向が同じになるようにし、かつ前記磁石溝部材と前記第2補助磁石の磁化方向が同じになるようにしたものである。
請求項1〜3に記載の発明によると、位置決め機構が簡易に構成でき、且つ真空中においても使用可能な非接触の位置決め構造を提供することができる。
また、請求項4〜6に記載の発明によると、真空中においても使用可能な非接触のガイド構造を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1を示す位置決め構造の図で、(a)は斜視図、(b)は部分断面図である。
図1において、1はピン、2はピン1を挿入する挿入孔、3はワーク、4はステージ、20は孔部材である。ピン1は、円柱状の永久磁石からなる磁石ピン1aおよび円柱状の磁性体からなる磁性体ピン1bとからなり、ワーク3に固定されている。孔部材20は、リング状の永久磁石からなる磁石孔部材20aおよびリング状の磁性体からなる磁性体孔部材20bとからなり、ステージ4の挿入孔2の内部に内接して設けられている。なお、Gはピン1の外径と挿入孔2の内径間のギャップを示し、磁石ピン1a及び磁石孔部材20a上に描かれた黒矢印はそれぞれの磁化方向を表す。磁石ピン1aと磁石孔部材20aは、磁化方向を互いに逆になるよう、また起磁力の大きさが略同等になるよう軸方向に着磁されている。
本実施例が従来例と異なる部分は、つぎのとおりである。すなわち、ピン1の構成を軸方向に着磁された磁石ピン1aと磁性体ピン1bを挿入孔2に近い側から磁性体ピン1b、磁石ピン1aの順となるような2段積みとした構成とし、また挿入孔2の内部に軸方向に着磁されたリング状の磁石孔部材20aとリング状の磁性体孔部材20bとをピン1に近い側から磁性体孔部材20b、磁石孔部材20aの順となるような2段積みとした構成とするとともに、磁化方向を互いに逆にした点である。
次に、本実施例の動作原理を図2を用いて説明する。
図2において、白矢印は力の発生方向を表す。
まず、ピン1が挿入孔2の外にある状態(図2(a))では、ピン1と挿入孔2を構成する磁石ピン1aと磁石孔部材20aによる磁力の相互作用によって、ピン1には挿入孔2に引き込まれようとする軸方向の吸引力と挿入孔2の軸中心に向かう径方向の反発力が働く。このときピン1が挿入孔2の外側に近づこうとすると近づいた方の反発力が増すため、結果として挿入孔2の軸中心に戻される。
そして、ピン1が挿入孔2の内側部に入ってくると(図2(b))、ピン1にかかる挿入孔2に引き込まれようとする軸方向の吸引力と挿入孔2の軸中心に向かう径方向の反発力はともに更に大きくなり、ピン1は安定して挿入孔2の軸中心を進んでいく。
更に、磁性体ピン1bと磁性体孔部材20bの軸方向位置が重なるところまで挿入が進むと(図2(c))、ピン1にかかる挿入孔2に引き込まれようとする吸引力は更に大きくなり、挿入孔2の軸中心に向かう反発力は小さくなるが、ピン1が挿入孔2の内壁に近づこうとすると近づいた方の反発力が増え挿入孔2の軸中心に戻されるので、ピン1は安定して挿入孔2の軸中心に留まる。
このように、ピン1は挿入孔2に挿入される間、磁石ピン1aと磁石孔部材20aによる磁力の相互作用によって挿入孔2の軸中心に留まるような力がかかりながら挿入孔2側に引き込まれつづけるので、非接触な状態で安定してスムーズに挿入することができ、挿入後もピン1は挿入孔2の軸中心位置に安定して留まることができる。
図3は、本発明の実施例2を示す位置決め構造の図で、(a)は斜視図、(b)は部分断面図である。
図3において、5はワーク3側に設けられたリング状の永久磁石からなる補助磁石、6はステージ4側に設けられたリング状の永久磁石からなる第2補助磁石である。その他の符号は実施例1と同じであるため説明を省く。
本実施例が実施例1と異なる部分は、つぎのとおりである。すなわち、実施例1において磁性体ピン1bと磁性体孔部材20bの軸方向位置が重なるところまで来たときに、ワーク3とステージ4との間にかかるピン1が挿入孔2に引き込まれようとする力とワーク3にかかる重力との合力を打ち消すような力が発生するように、ワーク3側のピン1の固定部にピン1を囲むリング状の補助磁石5を設けるとともにステージ4側の挿入孔2の開口部の補助磁石5と対向する部分にリング状の第2補助磁石6を設け、磁石ピン1aと補助磁石5の磁化方向が同じになるとともに、磁石孔部材20aと第2補助磁石6の磁化方向が同じになるような構成を追加した部分である。
この構造を追加したことにより、ピン1が挿入孔2に挿入されたときに、補助磁石5と第2補助磁石6の間で発生する反発力によって、ワーク3とステージ4との間にかかるピン1が挿入孔2に引き込まれようとする力とワーク3にかかる重力との合力を打ち消すことができ、ワーク3とステージ4とを完全非接触とすることができる。また、磁石ピン1aと補助磁石5の磁化方向が同じになるとともに磁石部材20aと第2補助磁石6の磁化方向が同じになるような構成としているので、磁石ピン1a及び補助磁石5と磁石孔部材20a及び第2補助磁石6とは互いに反発し合い、ピン1が挿入孔2の外に引き寄せられることは無い。
図4は、本発明の実施例3を示すガイド構造の図で、(a)は斜視図、(b)は部分断面図である。
図4において、8はティース、9はティース8を挿入する挿入溝、3はワーク、4はステージ、90は溝部材である。ティース8は、直方体の永久磁石からなる磁石ティース8aおよび直方体の磁性体からなる磁性体ティース8bとからなり、ワーク3に固定されている。溝部材90は、コの字状の溝の両壁面を構成する溝に平行に長い2本の直方体の永久磁石からなる磁石溝部材90aおよび同じくコの字状の溝の両壁面を構成する溝に平行に長い2本の直方体の磁性体からなる磁性体溝部材90bとからなり、各1本ずつがステージ4の挿入溝9の両壁面にそれぞれ内接して設けられている。なお、Gはティース8の側面と挿入溝9の内壁間のギャップを示し、磁石ティース8a及び磁石溝部材90a上に描かれた黒矢印はそれぞれの磁化方向を表す。磁石ティース8aと磁石溝部材90aは、磁化方向を互いに逆になるよう、また対向する部分における起磁力の大きさが略同等になるよう溝の奥行き方向に着磁されている。
本実施例が実施例1と異なる部分は、つぎのとおりである。すなわち、ピン形状であった部分をティース8とし、挿入孔であった部分を挿入溝9とすることで、ワーク3とステージ4が溝に沿って相対的に移動可能となるようにした点である。ティース8は溝の奥行き方向に着磁された直方体の永久磁石からなる磁石ティース8aと磁性体からなる直方体の磁性体ティース8bを挿入溝9に近い側から磁性体ティース8b、磁石ティース8aの順となるような2段積みとした構成となっており、また挿入溝9はその両壁面に溝の奥行き方向に着磁されるとともに溝に平行に長い直方体の永久磁石からなる磁石溝部材90aと溝に平行に長い直方体の磁性体からなる磁性体溝部材90bとをティース8に近い側から磁性体溝部材90b、磁石溝部材90aの順となるような2段積みとした構成となっており、磁石ティース8aと磁石溝部材90aの磁化方向を互いに逆向きになっている。
本実施例の動作原理は基本的に実施例1と同じであり、ティース8には挿入溝9の任意の位置に挿入された状態において挿入溝9の幅方向軸中心に留まるような力が働くので、ティース8が挿入溝9の幅方向中心位置に安定して留まりながらワーク3とステージ4が挿入溝9に沿って相対的に移動可能となることができる。
図5は、本発明の実施例4を示すガイド構造の図で、(a)は斜視図、(b)は部分断面図である。
図5において、5はワーク3側に設けられた2本の直方体の永久磁石からなる補助磁石、6はステージ4側に設けられた2本の長い直方体の永久磁石からなる第2補助磁石である。その他の符号は実施例3と同じであるため説明を省く。
本実施例が実施例3と異なる部分は、つぎのとおりである。すなわち、実施例3において磁性体ティース8bと磁性体溝部材90bが溝の奥行き方向位置が重なるところまで挿入されたときに、ワーク3とステージ4との間にかかるティース8が挿入溝9に引き込まれようとする力とワーク3にかかる重力との合力を打ち消すような力が発生するように、ワーク3側のティース8の固定部にティース8を挟む2本の直方体の補助磁石5を設けるとともにステージ4側の挿入溝9の開口部両側の補助磁石5と対向する部分それぞれに溝に平行に長い直方体の第2補助磁石6を1本ずつ設け、磁石ティース8aと補助磁石5の磁化方向が同じになるとともに、磁石溝部材90aと第2補助磁石6の磁化方向が同じになるような構成を追加した部分である。
この構造を追加したことにより、ティース8が挿入溝9に挿入されたときに、補助磁石5と第2補助磁石6の間で発生する反発力によって、ワーク3とステージ4との間にかかるティース8が挿入溝9に引き込まれようとする力とワーク3にかかる重力との合力を打ち消すことができ、ワーク3側にマグネット、ステージ4側にコイルを配置した図示しないリニアモータ等で駆動することによりワーク3とステージ4とは完全非接触な状態で相対移動可能となる。また、磁石ティース8aと補助磁石5の磁化方向が同じになるとともに磁石溝部材90aと第2補助磁石6の磁化方向が同じになるような構成としているので、磁石ティース8a及び補助磁石5と磁石溝部材90a及び第2補助磁石6とは互いに反発し合い、ティース8を挿入溝9の任意の位置に挿入する場合においてティース8は挿入溝9の外側に引き寄せられることは無い。
このように、本発明によれば、ワーク3にピン1もしくは挿入孔2のどちらか一方が設けられると共に、ステージ4にピン1もしくは挿入孔2のうちワーク3に設けられていない方が設けられた位置決め構造において、ピン1の構成を軸方向に着磁された円柱状の磁石ピン1aと円柱状の磁性体ピン1bを挿入孔2に近い側から磁性体ピン1b、磁石ピン1aの順となるような2段積みとした構成とし、また、挿入孔2の構成をその内部に軸方向に着磁されたリング状の磁石孔部材20aとリング状の磁性体孔部材20bをピン1に近い側から磁性体孔部材20b、磁石孔部材20aの順となるような2段積みとした構成とし、磁石ピン1aと磁石孔部材20aの起磁力は同じ大きさであり且つ磁化方向が互いに逆となっているとともに、ピン1の外径と挿入孔2の内径とが所定のギャップを持つような構成をしているので、従来例において凸部と凹部を嵌合させる際にピン1と挿入孔2との機械的な接触が生じていたのが、磁石ピン1aと磁石孔部材20aによる磁力の相互作用によってピン1は非接触な状態で挿入孔2の中心に留まるような力がかかりながら挿入孔2に引き込まれるため、安定してスムーズに挿入することができる上、永久磁石によるものであることから、真空中においても使用可能な非接触の位置決め構造を提供することができる。
また、磁性体ピン1bと磁性体孔部材20bの軸方向位置が重なるところまで来たときに、ワーク3とステージ4との間にかかるピン1が挿入孔2に引き込まれようとする力とワーク3にかかる重力との合力を打ち消すような力が発生するように、ワーク3側のピン1の固定部側にピン1を囲むリング状の補助磁石5を設けるとともにステージ4の挿入孔2の開口部の補助磁石5と対向する部分にリング状の第2補助磁石6を設け、磁石ピン1aと補助磁石5の磁化方向が同じになるとともに、磁石孔部材20aと第2補助磁石6の磁化方向が同じになるような構成を追加することで、ピン1が挿入孔2の外に引き寄せられること無く、ピン1が挿入孔2に挿入されたときに、補助磁石5と第2補助磁石6の間で発生する反発力によって、ワーク3とステージ4との間にかかるピン1が挿入孔2に引き込まれようとする力とワーク3にかかる重力との合力を打ち消すことができ、ワーク3とステージ4を完全非接触とすることができる。
また、ワーク3およびステージ4を一方向に相対的に移動可能とし、ティース8またはこのティース8が挿入されるとともに上記移動方向に平行な挿入溝9のいずれかをワーク3およびステージ4にそれぞれ設けたガイド構造において、ティース8の構成を溝の奥行き方向に着磁された直方体の永久磁石からなる磁石ティース8aと磁性体からなる直方体の磁性体ティース8bを挿入溝9に近い側から磁性体ティース8b、磁石ティース8aの順となるような2段積みとした構成とし、挿入溝9の構成をその両壁面に溝の奥行き方向に着磁されるとともに溝に平行に長い直方体の永久磁石からなる磁石溝部材90aと溝に平行に長い直方体の磁性体からなる磁性体溝部材90bとをティース8に近い側から磁性体溝部材90b、磁石溝部材90aの順となるような2段積みとした構成とし、磁石ティース8aと磁石溝部材90aの対向する部分における起磁力は同じ大きさであり且つ磁化方向が互いに逆となっているとともに、ティース8の側面と挿入溝9の内壁面とが所定のギャップを持つような構成をしているので、ティース8には挿入溝9の任意の位置に挿入された状態において挿入溝9の幅方向軸中心に留まるような力が働くことにより、ティース8が挿入溝9の幅方向中心位置に安定して留まりながらワーク3とステージ4が溝に沿って相対的に移動可能なガイド構造を提供することができる。
また、磁性体ティース8bと磁性体溝部材90bが溝の奥行き方向位置が重なるところまで挿入されたときに、ワーク3とステージ4との間にかかるティース8が挿入溝9に引き込まれようとする力とワーク3にかかる重力との合力を打ち消すような力が発生するように、ワーク3側のティース8の固定部にティース8を挟む2本の直方体の補助磁石5を設けるとともにステージ4側の挿入溝9の開口部両側の補助磁石5と対向する部分それぞれに溝に平行に長い直方体の第2補助磁石6を1本ずつ設け、磁石ティース8aと補助磁石5の磁化方向が同じになるとともに、磁石溝部材90aと第2補助磁石6の磁化方向が同じになるような構成を追加することで、ティース8が挿入溝9の外に引き寄せられること無く、ティース8が挿入溝9に挿入されたときに、補助磁石5と第2補助磁石6の間で発生する反発力によって、ワーク3とステージ4との間にかかるティース8が挿入溝9に引き込まれようとする力とワーク3にかかる重力との合力を打ち消すことができ、ワーク3とステージ4を完全非接触な状態で、ティース8が挿入溝9の幅方向中心位置に安定して留まりながらワーク3とステージ4が溝に沿って相対的に移動可能なガイド構造を提供することができる。
本発明は、実施例としてワークをステージに対して位置決めする場合を挙げたが、一般的な2つの構造物を位置決めする構成において適用できる。例えば、半導体露光装置において、鏡筒(光軸)の上をレチクル等が搬送される際に、鏡筒内へのパーティクル混入を防ぐため、カバーを所定の位置まで搬送し位置決めすることがある。この場合、鏡筒をステージにカバーをワークにそれぞれ置き換えることができる。
本発明の実施例1を示す位置決め構造の図で、(a)は斜視図、(b)は部分断面図 本発明の実施例1の動作を示す部分斜視図 本発明の実施例2を示す位置決め構造の図で、(a)は斜視図、(b)は部分断面図 本発明の実施例3を示すガイド位置決め構造の図で、(a)は斜視図、(b)は部分断面図 本発明の実施例4を示すガイド位置決め構造の図で、(a)は斜視図、(b)は部分断面図 従来例の位置決め構造を示す斜視図 従来例の他の位置決め構造を示す斜視図
符号の説明
1 ピン
1a 磁石ピン
1b 磁性体ピン
2 挿入孔
20 孔部材
20a 磁石孔部材
20b 磁性体孔部材
3 ワーク
4 ステージ
5 補助磁石
6 第2補助磁石
7 噴出穴
8 ティース
8a 磁石ティース
8b 磁性体ティース
9 挿入溝
90 溝部材
90a 磁石溝部材
90b 磁性体溝部材
G ピン外径と挿入孔内径間のギャップ
黒矢印 永久磁石の磁化方向
白矢印 力の発生方向

Claims (6)

  1. ワークおよびステージの双方に、ピンまたはこのピンを挿入する挿入孔のいずれかをそれぞれ設け前記ワークを前記ステージに位置決めする位置決め構造において、
    前記ピンは、軸方向に着磁された永久磁石からなる磁石ピンと磁性体からなる磁性体ピンとを結合し、前記磁性体ピンを前記挿入孔側に向けて配置した構成とし、
    前記挿入孔は、その内部に軸方向に着磁されたリング状の永久磁石からなる磁石孔部材とリング状の磁性体からなる磁性体孔部材とを結合し、前記磁性体孔部材を前記ピン側に向けて配置した構成にするとともに、前記磁石ピンと前記磁石孔部材の磁化方向が互いに逆になるように配置したことを特徴とする位置決め構造。
  2. 前記磁石ピンと前記磁石孔部材は、起磁力の大きさを略同じにしたことを特徴とする請求項1記載の位置決め構造。
  3. 前記ピンの固定部に前記ピンを囲むリング状の補助磁石を設け、前記挿入孔の開口部分にリング状の第2補助磁石を設け、前記磁石ピンと前記補助磁石ピンの磁化方向が同じになるようにし、かつ前記磁石孔部材と前記第2補助磁石の磁化方向が同じになるようにしたことを特徴とする請求項1記載の位置決め構造。
  4. 一方向に相対的に移動可能なワークおよびステージの双方に、ティースまたはこのティースが挿入される挿入溝のいずれかをそれぞれ設けた前記ワークと前記ステージとのガイド構造において、
    前記ティースは、前記挿入溝の奥行き方向に着磁された直方体の永久磁石からなる磁石ティースと磁性体からなる直方体の磁性体ティースとを結合し、前記磁性体ティースを前記挿入溝側に向けて配置した構成とし、
    前記挿入溝は、その両壁面に前記挿入溝の奥行き方向に着磁されるとともに溝に平行に長い直方体の永久磁石からなる磁石溝部材と溝に平行に長い直方体の磁性体からなる磁性体溝部材とを結合し、前記磁性体溝部材を前記ティース側に向けて配置した構成にするとともに、前記磁石ティースと前記磁石溝部材の磁化方向が互いに逆になるように配置したことを特徴とするガイド構造。
  5. 前記磁石ティースと前記磁石溝部材は、対向する部分における起磁力の大きさを略同じにしたことを特徴とする請求項4記載のガイド構造。
  6. 前記ティースの固定部に前記ティースを挟む2本の直方体の補助磁石を設け、前記挿入溝の開口部両側の前記補助磁石と対向する部分それぞれに溝に平行に長い直方体の第2補助磁石を設け、前記磁石ティースと前記補助磁石の磁化方向が同じになるようにし、かつ前記磁石溝部材と前記第2補助磁石の磁化方向が同じになるようにしたことを特徴とする請求項4記載のガイド構造。
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