JP4777855B2 - 往復動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、往復動可能な軸状の可動部材を備え、例えば、部品を実装する実装装置に使用される往復動装置に関する。
半導体部品、光デバイスのような、近年、益々高密度化、小型化する実装部品を基板に実装する際に実装部品を扱う製造装置のハンドリングは、高密度化及び小型化した実装部品に対応できるように高精度で動作する必要がある。すなわち、半導体部品、光デバイスのような実装部品を基板に実装する装置のハンドリングには、平面方向及び回転方向の動作に高い精度が要求される。また、部品の製造コストを下げることを目的として実装装置には、高いスループットが求められているため、半導体部品、光デバイスのような実装部品を基板に実装する装置の動作速度は高速化している。しかし、実装装置の動作速度が高速になることで実装部品に衝撃が加えられると実装部品は破壊されてしまうため、実装装置が備える可動軸の吸着ユニットを実装部品に押し当てて吸着する際には、実装部品に負荷がかからないように、実装部品に作用する荷重を弱くする必要がある。
そこで、従来、可動軸に作用する軸方向の荷重を緩和するとともに、磁力によって可動軸の回転を抑制する磁気バネ装置が提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1に記載の磁気バネ装置では、中空円筒状の固定軸と、固定軸の内周面に設けられた円筒状の第2永久磁石とを備え、固定軸内に固定軸の中心軸と同軸上に可動軸を配設している。そして、可動軸の外周には、第2永久磁石と対向するように第1永久磁石を設け、第1永久磁石の外周面と第2永久磁石の内周面とのうち互いに対向する面は、異なる磁極となるように構成されている。そして、可動軸が回転した際には、その回転方向とは反対方向の磁力が作用し、可動軸を回転方向における所定の位置に戻す。また、可動軸に軸方向の荷重が加えられると、可動軸には、作用した軸方向の荷重と反対方向のばね力が第1永久磁石及び第2永久磁石によって付与される。したがって、可動軸に実際に作用する荷重は緩和されるため、可動軸に作用した荷重の反力に起因して作用する実装部品に対する荷重も弱くすることができる。
また、磁力によって出力ロッドの回転を抑制する磁気バネと機械的に出力ロッドの回転を制限するボールスプラインとの両方を備えた緩衝機能付き出力装置が提案されている(特許文献2参照。)。特許文献2に記載の緩衝機能付き出力装置では、出力ロッドが通る貫通孔が装置本体に設けられ、ボール起動溝部と摺接するように貫通孔内にボールスプラインが嵌装されている。このように構成することで、特許文献2に記載の緩衝機能付き出力装置では、出力ロッドの回転を機械的に制限している。
特開2002−54671号公報 特開2003−340767号公報
特許文献1に記載の磁気バネ装置では、装置が平面方向に高速移動する時の軸心のずれによる影響や、装置がワークの回転補正をかける時の回転開始及び停止時の影響で、回転方向の外力が可動軸に加えられると可動軸は回転し、装置が停止して外力が付与されなくなると可動軸は元の位置に戻ろうとする。しかし、磁気バネ装置では、装置が停止しても、可動軸は、外力と磁気バネの反力が釣り合う位置まで回転し、作用する回転力が強過ぎる場合には反転することもある(例えば、第1永久磁石及び第2永久磁石が4極に分割されている場合、可動軸は180°反転することがある。)。また、特許文献1に記載の磁気バネ装置では、元の位置に戻る時、回転方向に振動して(例えば、可動軸の回転方向に3°程度)、徐々に振幅が小さくなって最終的に停止するバネ特有の特性があった。特許文献1に記載の磁気バネ装置では、可動軸に大きな回転力がかかると、その回転力の大きさに応じて可動軸は振動するため、停止するまでに時間がかかる。そして、装置の動作が高速化して可動軸に作用する回転力が大きくなり、なおかつ、求められる振動停止までの時間も短くなっている近年では、回転力が可動軸に加えられた時に、可動軸が振動してから停止するまでに時間を要するという事態を無視することができないという問題もあった。そして、従来の磁気バネ装置において可動軸の振動を小さくするためには、コストをかけて可動軸と可動軸を支持する軸受の加工精度を向上させる方策しかなかった。
また、特許文献1に記載の磁気バネ装置では、外力が加えられて回転方向にずれた可動軸が、再び元の位置に戻ろうとした際、固定軸から可動軸に摺動抵抗が加えられ、元の位置に戻る前に固定軸からの摩擦力と磁力とが釣り合う位置で、わずかにずれたまま停止することもある。特許文献1に記載の磁気バネ装置では、可動軸の回転停止位置の精度が低いという問題もあった。
また、特許文献2に記載の緩衝機能付き出力装置が出力ロッドに予圧を付与しないボールスプラインを用いている場合、ボールスプラインのボールとボール起動溝部との間には出力ロッドの回転方向において隙間が存在する。したがって、磁気バネとボールスプラインの両方を備える緩衝機能付き出力装置であっても、出力ロッドに回転方向の外力が加えられれば、出力ロッドは、ボールとボール起動溝部との間に存在する隙間の分だけ回転方向にずれて、回転停止位置の精度が悪くなるという問題があった。
また、回転停止位置精度を向上させるために、ボールとボール起動溝部との間に存在する隙間を無くして出力ロッドに予圧を付与するボールスプラインを用いる場合には、ボールスプラインのボールとボール起動溝部との間の摺動抵抗が大きくなるため、出力ロッドには軸方向に摩擦力が作用して円滑に移動することができないという問題がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、コストをかけずに回転停止位置精度の向上を実現できるとともに、可動部材の回動を抑制することで可動軸が回転方向にずれた場合に元の位置に戻るまでの時間を短縮することができる往復動装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、固定部材に設けられた挿通孔内に往復動可能に挿通された可動軸部を有する可動部材を備えた往復動装置であって、
前記固定部材に固定され、前記可動部材が挿通されるとともに該可動部材を軸方向において摺動可能に支持するとともに、前記可動部材の回転を一定の角度範囲で許容し、該一定の角度範囲以上の前記可動部材の回転を前記可動部材との当接によって規制する規制部を備えた支持孔部を有する回り止め軸受を備え、前記固定部材及び前記可動部材の少なくとも一方に、前記一定の角度範囲内で回転した状態の前記可動部材を前記規制部との当接によって回転が規制された状態となるように前記可動部材を前記規制部に向かうように付勢する永久磁石が設けられていることを要旨とする。ここで、「可動軸部」とは、充実体の軸(ロッド)に限らず、中空のパイプも含む。
この発明によれば、可動部材は、回り止め軸受により軸方向に摺動可能に支持されるとともに、永久磁石の磁力により回り止め軸受の規制部に向けて付勢されることで、回転しないように所定位置に保持されている。そして、可動部材に永久磁石の磁力では所定位置に保持できない程度の外力が加えられた場合には、所定位置から規制部による制限範囲内で回動されるが、外力が無くなると、可動部材は磁力により所定位置に戻る方向に回転されて所定位置に復帰することができる。したがって、回転方向の外力が可動部材に加えられた場合における可動部材の回転を一定範囲で抑制することができ、可動部材がふらついたとしても、可動部材が回転方向にずれてから元の位置に戻るまでの時間を短縮することができ、可動部材の回転位置停止精度を向上させることができる。そのため、例えば、本発明を高速動作する実装装置の搬送部として用いた場合には、搬送部の実装位置精度が低下することを抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記回り止め軸受は、すべり軸受であることを要旨とする。
この発明によれば、可動部材及びすべり軸受の加工精度はそのままでコストをかけずに可動部材の回転位置停止精度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記固定部材の内周に固定された第1永久磁石と、前記可動軸部に固定された第2永久磁石とで構成された磁気バネ機構を備え、前記可動部材は、前記磁気バネ機構の永久磁石の磁力により前記規制部に向かうように付勢されていることを要旨とする。
この発明によれば、可動部材に磁気バネ機構のバネ力が作用し、可動部材には軸方向の変位に関係なく一定のバネ力を作用させることができる。また、磁気バネ機構を構成する第1永久磁石及び第2永久磁石の磁力により、可動部材は規制部に向かうように付勢されるため、可動部材を規制部に向けて付勢する永久磁石と磁気バネ機構とを別々に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石は、それぞれ筒状に構成され、前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石には、それぞれ円周方向に沿って異なる磁極が交互に着磁され、前記可動部材は、前記規制部に当接することによって回転が規制された前記可動部材を前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石の磁力が前記規制部に向けた方向に回動付勢する状態で前記固定部材に支持されていることを要旨とする。
この発明によれば、可動部材は、磁気バネ機構の永久磁石の磁力によって、支持孔部に対して回転方向に付勢されて規制部により回動が規制される。したがって、回転方向における外力が加えられても、可動部材の回転が抑制され、可動部材を回転方向における所定位置に精度よく停止させておくことができる。そして、可動部材は、可動部材と規制部との間にガタが存在しない状態で軸方向に移動することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石は、それぞれ筒状に構成され、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、中心軸がそれぞれ異なるように配設され、前記可動部材は、前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石の磁力によって前記規制部に接触する状態で保持されていることを要旨とする。
この発明によれば、可動部材には、磁気バネ機構の永久磁石の磁力によって、第1永久磁石と第2永久磁石との間の間隔が小さい側に向かうラジアル方向の力が作用し、可動部材は、その中心軸が第1永久磁石の中心軸に対して偏芯した状態で規制部と接触して規制部に押し付けられる。したがって、可動部材と規制部との接触領域は大きくなり、可動部材は、回転方向における外力が加えられても、可動部材の回転が抑制され、可動部材を回転方向における所定位置に精度よく停止させておくことができる。そして、可動部材と規制部との間にガタが存在しない状態で往復動することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記回り止め軸受は、静圧軸受であることを要旨とする。
この構成によれば、可動部材と回り止め軸受との間の摩擦が小さいため、往復動装置の寿命を延ばすことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記可動軸部は、互いに平行な2つの平面を有する2面幅付の円形ロッド、4角ロッド、6角ロッド、又は断面円形でない異形パイプのいずれかであって、前記支持孔部は、前記可動軸部の断面の外形形状に対応した形状であることを要旨とする。
本発明によれば、可動部材の回転を抑制し、可動部材が回転方向にずれた場合に元の位置に戻るまでの時間を短縮することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1(a)に示すように、往復動装置1は、円筒状(筒状)の固定部材としての本体ケース2を備え、本体ケース2の軸心に沿って挿通孔2aが設けられている。そして、本体ケース2は、挿通孔2aに可動部材3が挿通されることで、可動部材3の中間部位を収容している。
可動部材3は、中空状のテール部材10と、一部がテール部材10内に収容されたジョイント部材12と、図1(a)におけるジョイント部材12の右側端部を嵌着する円筒状のパイプ16と、図1(a)における左側端部がジョイント部材12の端部と当接している可動マグネット31と、一端部が可動マグネット31の内部に挿通されて可動マグネット31に固定された可動軸11とから構成されている。テール部材10、ジョイント部材12、パイプ16、可動軸11及び可動マグネット31は、同軸上に配置されている。また、ジョイント部材12、可動軸11及び可動マグネット31は、可動部材3の可動軸部を構成する。テール部材10には、軸方向に沿って延びる第1真空ポート10aと、ラジアル方向に沿って延びる第2真空ポート10bとが設けられている。第1真空ポート10a及び第2真空ポート10bは、図示しない真空引き装置と接続可能に構成されている。
円筒状のジョイント部材12には、第1真空ポート10aと連通するとともに、連通路12aを介して第2真空ポート10bと連通する第1真空引き通路12bが可動部材3の軸方向に沿って設けられている。ジョイント部材12の外周には、テール部材10とジョイント部材12との間からエアが漏れることを防止するシールリング13が設けられている。
アルミ材から構成された可動軸11には、内部に軸心に沿うように第2真空引き通路11aが設けられるとともに、軸方向における途中部分にフランジ部14が設けられている。可動軸11は、その一部が本体ケース2に収容されるとともに、図1(b)に示すように、フランジ部14より先端側(図1(a)における右側)に互いに平行な平面からなる第1面11b及び第2面11cを有する2面幅付の円形ロッドとして構成されている。
本体ケース2の一端部(図1(a)における左端部)には、ステンレス製のパイプ16を介してジョイント部材12を支持するすべり軸受4が固定され、本体ケース2の他端部(図1(a)における右端部)には、可動軸11を支持するすべり軸受5が固定されている。すべり軸受4は、一端に形成されたフランジ部が本体ケース2の一端に当接する状態で挿通孔2aに固定され、すべり軸受5は、一端に形成されたフランジ部が本体ケース2の他端に当接する状態で挿通孔2aに固定されている。即ち、可動部材3は本体ケース2に対して2個のすべり軸受4,5を介して軸方向に摺動可能に支持されている。
すべり軸受4は、軸心に沿って正面視円形状の挿通孔部4aが設けられ、すべり軸受4の挿通孔部4a内には、ジョイント部材12が挿通されている。なお、ジョイント部材12の外周と挿通孔部4aとの間には、ジョイント部材12及び挿通孔部4aの寸法公差による図示しないガタが存在している。
すべり軸受5には、軸心に沿って支持孔部20(図1(b)参照。)が設けられている。支持孔部20は、支持孔部20を貫通する部分の可動軸11の外形と相似形である2面幅付の円形に形成されている。可動軸11の外面と、支持孔部20の内面との間には、可動軸11及び支持孔部20の寸法公差によるガタが存在している。支持孔部20の平行な2つの面が、可動部材3の回転を規制する規制部を構成する。すべり軸受5は、可動部材3の回転を防止する回り止め軸受として機能する。
可動軸11の先端には、吸着部15が固定されている。吸着部15は、可動軸11より大径に形成されるとともに、第1真空引き通路12bと連通する吸引孔15aが可動軸11の軸心に沿って設けられている。
そして、可動部材3は、図1(a)に示すように、テール部材10がすべり軸受4に当接した状態におけるすべり軸受5と吸着部15との離間距離分だけ、往復動可能に構成されている。
本体ケース2の内周面の他端寄りには第1永久磁石としての固定マグネット30が接着固定されている。固定マグネット30と、パイプ16の内周面に接着されるとともに可動部材3を構成する可動マグネット31により磁気バネ機構6が構成されている。可動マグネット31は、磁気バネ機構6を構成する第2永久磁石として機能する。
固定マグネット30及び可動マグネット31は、それぞれ円筒状であるとともに、互いに同軸となるように配置されている。また、固定マグネット30と可動マグネット31とは、軸方向の長さ寸法が同一長さとなるように形成されるとともに、可動部材3の径方向に間隔を空けて配置されている。さらに、固定マグネット30と可動マグネット31とは、図1(c)に示すように、円周方向に4分割され、90度の幅で内面側と外面側とが交互に異なる磁極になるように構成されている。図1(c)においては、固定マグネット30の内面側の磁極と、可動マグネット31の外面側の磁極を図示している。磁気バネ機構6は、固定マグネット30と可動マグネット31とが互いに引き合うように磁極が配置される状態に構成されている。なお、図1(c)においては、説明の都合上、パイプ16は省略している。
詳述すると、可動マグネット31は、図1(a)に示すように、可動軸11が本体ケース2から最も突出した状態において、固定マグネット30の一端よりすべり軸受4側に突出するように配置されている。そのため、磁気バネ機構6は、軸方向においては、可動マグネット31を固定マグネット30内に引き込むように作用する磁力が常に存在するように構成されており、バネ機能を発揮する。
また、固定マグネット30と可動マグネット31とは、異なる磁極同士が交互に対向する配置から回転方向に所定角度ずれて、可動マグネット31に常に一方向(図1(c)の反時計回り方向)への回動付勢力が作用する状態で配置されている。具体的には、図1(b)に示すように、可動軸11の第1面11b及び第2面11cがそれぞれ対向する支持孔部20の内面に当接した状態で可動軸11の回動が規制され、可動軸11は回転方向における所定位置に位置決めされている。即ち、可動部材3は、磁気バネ機構6の永久磁石の磁力により規制部21に向かうように付勢されている。
この時、可動軸11は、その第1面11b及び第2面11cがそれぞれ対向する支持孔部20の内面と角度α°を成す。この可動軸11が当接している支持孔部20が規制部21となっている。規制部21には、可動軸11の右上角部11d及び左下角部11eが押し付けられ、この状態が可動部材3の基準位置となる。
以下、第1実施形態における往復動装置1の作用を説明する。
往復動装置1は、可動部材3に外力が作用しない通常の状態では、図1(a)に示すようにテール部材10がすべり軸受4の端面に当接して、可動部材3は図1(a)の右側に最大に突出する位置に保持されている。
ここで、可動部材3に外部から磁気バネ機構6のバネ力より大きな没方向(図1(a)の左方向)の力が加えられると、可動軸11は、没方向に移動する。この時、可動軸11の外周に取り付けられた可動マグネット31も同方向に移動する。固定マグネット30と可動マグネット31との間には、位置固定された固定マグネット30に対して移動した可動マグネット31を引き戻そうとする吸引力(磁力)が働く。この吸引力は、可動部材3を突出させる方向に作用するため外力が無くなると、可動部材3は元の位置に復帰する。磁気バネ機構6では、可動マグネット31を元の位置に戻そうとする軸方向に作用する吸引力が、所定のストローク間でほぼ一定の値を示すようになる。
また、可動部材3が基準位置に位置した状態で、可動部材3に磁気バネ機構6から付与されている回転方向の付勢力より大きい図1(b)における時計回り方向の力が外部から与えられると、可動軸11は、図1(b)における時計回り方向に回転する。そして、例えば、図2(a)に示す状態となる。この時、図2(b)に示すように、可動マグネット31は、可動部材3が基準位置に位置している時の位置から図2(b)における時計回り方向にα°ずれた状態になるため、例えば、対面関係にあるN極とS極との回転方向におけるずれは、基準位置における回転方向のずれより大きくなる。すると、可動マグネット31に作用する図2(b)における反時計回り方向(可動部材3の回転方向とは逆方向)の吸引力は、基準位置における吸引力より大きくなるため、可動軸11の回転は抑制される。そして、外力が作用しなくなると、可動マグネット31と共に可動部材3は図2(b)における反時計回り方向に回転され、可動軸11の右上角部11d及び左下角部11eが支持孔部20に当接する元の位置(基準位置)に戻る。したがって、可動部材3は、従来技術と異なり、ふらつくことなく元の位置に戻る。なお、外部から可動部材3に与えられる図1(b)における時計回り方向の力が、磁気バネ機構6から付与されている回転方向の付勢力より小さい場合、可動部材3は回転しない。また、図2(b)では、説明の都合上、パイプ16については図示していない。
また、可動部材3には、可動部材3が図1(b)における時計回り方向にずれることで生じる図2(b)における反時計回り方向(可動部材3の回転方向とは逆方向)の吸引力では、止めることができないような回転方向の外力が加えられることがある。しかし、このような場合であっても、可動部材3の回転角度は、角度α°内に限られるので、可動部材3に付与される回転力の大小によって可動部材3がずれてから停止するまでの時間が左右されることはない。
例えば、支持孔部20において、図1(b)における上下方向の最大寸法が5.03mm、左右方向の最大寸法が6.53mm、軸方向の最大寸法が3.5mmであり、支持孔部20に挿通されている部位における可動軸11の図1(b)における上下方向の最大寸法が5.0mm、左右方向の最大寸法が、6.5mmである往復動装置の場合、可動部材3の回転方向における精度を測定した。その結果、位置決め精度は0.03°であった。ここで述べる可動部材3の回転方向における精度は、可動部材3に回転方向の外力(例えば、±1cN・mの力)を一回加えてその後外力を無くして、可動部材3の回転方向の位置決め精度(基準位置からの角度)を計測する試験を各5回行って得られた計測値の平均値である。
また、比較例として、規制部21が設けられたすべり軸受5を備え、磁力によって可動部材3を規制部21に向けて回動付勢する磁気バネ機構6を備えていない往復動装置について同様の条件で位置決め精度を測定した結果、位置決め精度は2.7°であった。また、規制部21が設けられたすべり軸受5と、磁気バネ機構6とを備えるが、基準位置において可動部材3を規制部21に向けて回動付勢していない構成の往復動装置の場合、位置決め精度は、1.4°であった。
次に第1実施形態の往復動装置1を真空吸着装置として用いた場合の動作について説明する。なお、往復動装置1を真空吸着装置として使用する場合、水平方向及び垂直方向に移動するように駆動される図示しないヘッド部に、往復動装置1を本体ケース2において取り付けた(固定した)状態で使用する。
まず、使用時においては、第1真空ポート10a又は第2真空ポート10bに接続された図示しない真空ポンプが駆動され、連通路12a、第1真空引き通路12b、第2真空引き通路11a及び吸引孔15aを介して真空引きが開始され、吸着部15の先端面15bに吸着対象物(例えば、ICチップ等)を吸着することが可能な状態となる。この状態で、図示しないヘッド部が駆動されることによって往復動装置1は、吸着対象物が収められている部品トレイ上へ移動する。そして、吸着対象物を吸着部15の部分に吸着させる時、吸着部15の先端面15bは、下方に位置する吸着対象物に向けて押し付けられ、可動部材3には、軸方向(没方向)に荷重が作用する。この時、吸着対象物に作用する力は、可動部材3の本体ケース2に対する軸方向への相対移動量に関係なく磁気バネ機能によって一定の値となる。
また、可動部材3に回転方向の外力(荷重)が作用する場合がある。可動部材3に図1(b)の反時計回り方向の外力が作用されると、その回転力は規制部21によって機械的に規制される。また、可動部材3に図1(b)の時計回り方向の外力が作用されると、その回転力は、磁気バネ機構6で発生する磁力によって抑制される。そして、外力が前記磁力より大きな場合は、可動部材3は図1(b)の時計回り方向に回転される。そして、外力が作用しなくなると、可動部材3は元の位置に復帰する。即ち、真空吸着装置を構成する往復動装置1が吸着対象物を吸着する際に可動部材3が回転方向にふらつくことがない。したがって、磁気バネ機構6から発生する磁力のバランスだけで可動部材3の回転方向における位置を保持する往復動装置1(特許文献1の装置)を真空吸着装置に用いた場合に比べて、吸着対象物を正確な実装位置に実装することができる。
第1実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本体ケース2に固定され、可動部材3が挿通されるとともに該可動部材3を軸方向において摺動可能に支持するとともに、可動部材3の回転を規制する規制部21を備えた支持孔部20を有するすべり軸受5を備えている。本体ケース2に固定された固定マグネット30と、可動軸11に固定された可動マグネット31とで構成された磁気バネ機構6を備え、可動部材3は、磁気バネ機構6の固定マグネット30及び可動マグネット31の磁力により規制部21に向かうように付勢されている。したがって、回転方向における外力が加えられても、可動部材3の回転が抑制され、特に、加えられる外力が可動軸11が軸受5の規制部21と接する方向に向けられている場合には可動軸11は回転しないため、可動部材3を回転方向における所定位置に精度よく停止させておくことができる。そして、可動部材3は、可動部材3と規制部21との間にガタが存在しない状態で軸方向に移動することができる。詳述すると、すべり軸受5に規制部21が設けられていない場合、可動部材3は回転方向の外力と磁気バネ機構6からの磁力とが釣り合う角度に至るまで回転してしまうが、本実施形態では、回転方向の外力と磁気バネ機構6からの磁力とが釣り合う角度に至る前に可動部材3の回転を規制することができる。したがって、可動部材3の停止位置精度を向上させることができ、可動部材3が回転方向にずれた場合には元の位置に戻るまでの時間を短縮することができる。
(2)磁気バネ機構6が、可動軸11を規制部21へ付勢する永久磁石を兼ねている。したがって、規制部21へ向けて可動軸11を付勢する永久磁石を磁気バネ機構6とは別に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
(3)磁気バネ機構6を構成する固定マグネット30と可動マグネット31とは、異なる磁極同士を交互に対向配置させて構成されている。したがって、可動部材3に軸方向の変位に関係なく一定方向の回動付勢力を付与する機構が簡単に構成される。
(4)磁気バネ機構6から発生する磁力によって、可動軸11の右上角部11d及び左下角部11eが支持孔部20の規制部21に押し付けられた状態で、可動部材3は回転方向に位置決めされている。したがって、可動軸11と規制部21との間にガタが存在しない状態で可動部材3を往復動させることができるため、回転方向の荷重が作用した時における可動部材3の回転を抑制でき、可動部材3を予め設定された基準位置に精度良く停止させることができる。
(5)可動軸11は、アルミ材によって構成されている。可動軸11をアルミ材で構成すれば、鉄材によって構成する場合に比べて、軽量にすることができる。したがって、本実施形態の往復動装置1を、実装機としての真空吸着装置に用いる場合には、吸着対象物を吸着する際に吸着対象物に作用する押し付け力を小さくすることができる。
(6)本実施形態の往復動装置1を、実装機としての真空吸着装置に用いれば、吸着対象物を正確な実装位置に実装することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図3及び図4にしたがって説明する。この実施形態では、固定マグネット30と可動マグネット31との位置関係及び、本体ケース2に対する可動部材3の配置構成が前記第1実施形態と異なっている。その他の構成は前記第1の実施形態とほぼ同じであり、第1の実施形態と同様の構成部分は同一符号を付して説明を省略又は簡略する。
図3に示すように、可動部材3は、その軸心が本体ケース2の軸心に対して偏芯するように配設されており、可動軸11の外周に取り付けられた可動マグネット40は、その軸心P1が固定マグネット41の軸心P2に対して距離T1だけ偏芯している。このため、可動マグネット40と固定マグネット41との間の間隔は、部位によって異なっており、可動マグネット40には、可動マグネット40と固定マグネット41との間の間隔が小さい側への吸引力が作用している。そして、図4(a)に示すように、可動軸11は、可動マグネット40に作用する吸引力によって、その第1面11b及び第2面11cがそれぞれ対向する支持孔部20の内面に対して平行な状態に保持されるとともに、可動軸11の第1面11bが支持孔部20に押し付けられている。本実施形態においては、可動軸11の第1面11bが、支持孔部20の規制部42となり、可動軸11の第1面11bが支持孔部20に押し付けられている状態が可動部材3の基準位置となる。そして、可動部材3が基準位置に位置している時、可動軸11の第1面11bと支持孔部20との間には、隙間が存在せず、可動軸11の第2面11cと支持孔部20との間には、隙間Gが存在している。
以下、本実施形態における往復動装置1の作用を説明する。
可動部材3は、外部から力が加えられ、例えば、図4(a)の時計回り方向に力を受けることがある。この時、可動マグネット40は、可動部材3が基準位置から、図4(b)の左上角部11fを中心として時計回り方向にずれることがある。しかし、この時、可動マグネット40のずれた距離が固定マグネット41に対する可動マグネット40の偏芯距離T1より小さければ、外力が無くなったときに、磁気バネ機構6の磁力によって、可動マグネット40は、図4(b)に示すように元の位置に復帰する。そして、可動マグネット40が元の位置に復帰することに伴って、可動部材3も基準位置に戻る。
例えば、支持孔部20において、図4(a)における上下方向の寸法が5.03mm、左右方向の寸法が6.53mm、軸方向の寸法が3.5mmであり、支持孔部20に挿通されている部位における可動軸11の図4(a)における上下方向の寸法が5.0mm、左右方向の寸法が、6.5mmである場合、可動部材3の回転方向における精度を測定した。その結果、位置決め精度は0.5°であった。ここで述べる可動部材3の回転方向における精度は、可動部材3に回転方向の外力(例えば、±1cN・mの力)を一回加えて、その後外力を無くして、可動部材3の回転方向の位置決め精度(基準位置からの角度)を計測する試験を5回行って得られた計測値の平均値である。
本実施形態によれば、第1実施形態の(1)、(2)、(5)、(6)の効果の他に以下の効果を得ることができる。
(7)可動軸11の外周に取り付けられた可動マグネット40は、その軸心P1が固定マグネット41の軸心P2に対して距離T1だけ偏芯しており、可動部材3に回転方向の外力が作用しない状態では、可動軸11の第1面11bは、規制部21に対して面接触した状態で押し付けられている。したがって、可動軸11と規制部21との間にガタが存在しない状態で可動部材3を往復動させることができる。また、回転方向の荷重が作用した時における可動部材3の回転を抑制でき、可動部材3を予め設定された基準位置に精度良く停止させることができる。また、可動部材3が回転方向にずれた場合には元の位置に戻るまでの時間を短縮することができる。
実施形態は、前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第1実施形態において、可動部材3が基準位置に位置決めされている時における、対向する支持孔部20の内面に対する可動軸11の第1面11b及び第2面11cの傾斜角度α°の大きさについては特に限定されず、傾斜角度α°は、通常、0.5〜5°程度の範囲内に収まっている。
○ 第2実施形態のように、可動部材3を規制部42に向かうように付勢する構成として、磁気バネ機構6を用いる代わりに、本体ケース2及び可動部材3の少なくとも一方に、可動部材3を規制部42に向かうように付勢する円筒状の永久磁石を設けた構成としてもよい。例えば、図5に示すように、固定マグネット30のみを用いて可動部材3を規制部42に向けて付勢して可動軸50を規制部42と当接させてもよい。この場合、円筒状で磁性材料(例えば、鉄にニッケルめっきした材料、磁性ステンレス材、SUS430等)からなる磁性パイプ51を用意し、可動軸50の外周面に磁性パイプ51の内周面を接着させて、磁性パイプ51が可動軸50と一体的に移動するように構成する。そして、固定マグネット30の軸心P2が、可動軸50の軸心P1に対して偏芯するようにして固定マグネット30を配置する。なお、固定マグネット30は、図5における本体ケース2の下部に接着固定されている。また、磁性パイプ51は、可動軸50が本体ケース2から最も突出した状態において、固定マグネット30の一端よりすべり軸受4側に突出するように配置する。このように構成すれば、固定マグネット30の磁力によって、可動軸50には、軸方向において出方向の磁力が作用する。また、固定マグネット30と磁性パイプ51との間の距離は部位によって異なるため、固定マグネット30との距離が近い方向に引き寄せられる吸引力が作用する。このため、第2実施形態の場合と同様に可動軸50の第1面11bが支持孔部20に押し付けられ、可動軸50の第1面11bが押し付けられている支持孔部20の部位が、支持孔部20の規制部42となる。したがって、可動軸50と規制部42との間にガタが存在しない状態で可動部材3を往復動させることができるため、回転方向の外力が作用した時における可動部材3の回転を抑制でき、可動部材3を予め設定された基準位置に精度良く停止させることができる。また、固定マグネット30を省略し、可動マグネット31のみを用いて、可動部材3を規制部21に向けて付勢して可動軸50を規制部42と当接させてもよい。この場合、例えば、図6に示すように、非磁性材であるアルミ合金製の可動軸50の外周面に円筒状の可動マグネット31の内周面を接着し、固定マグネット30の代わりに磁性材からなる磁性パイプ51を配設する。そして、可動マグネット31を、可動軸50が本体ケース2から最も突出した状態において、磁性パイプ51の一端よりすべり軸受4側に突出するように配置すればよい。このように構成すれば、可動マグネット31の軸心P3は、磁性パイプ51の軸心P4に対して偏芯しているため、可動マグネット31と磁性パイプ51との間の距離は部位によって異なる。したがって、可動軸50は、本体ケース2との距離が近い方向に引き寄せられ、可動軸50が押し付けられている支持孔部20の部位が支持孔部20の規制部42となる。
○ 第2実施形態において、コイルバネを用いて可動部材3に作用する軸方向の荷重を緩和してもよい。例えば、図7に示すように、可動軸50の軸方向における途中であって、すべり軸受5の内側端面5aと当接する位置に受け座7を設け、受け座7とすべり軸受4の内側端面4bとの間にコイルバネ8を介装する。そして、可動軸50を、磁性材によって構成し、固定マグネット30の軸心P2が可動軸50の軸心P1に対して偏芯するようにして固定マグネット30を配置する。なお、固定マグネット30は、図7における本体ケース2の下部に接着固定されており、可動軸50とすべり軸受4との間には、互いの寸法公差による図示しないガタが存在している。このように構成すれば、可動軸50は、固定マグネット30との距離が近い方向に引き寄せられ、可動軸50の第1面11bが押し付けられている支持孔部20の部位が、支持孔部20の規制部42となる。しかも、コイルバネ8によって可動部材3に作用する軸方向の荷重を緩和することもできる。
○ 第2実施形態において、可動部材3を規制部42に向かうように付勢する永久磁石の形状は、円筒形状に限定されない。例えば、図8に示すように、本体ケース2の一部(例えば、図8における本体ケース2の下部)に、ブロック状の永久磁石52を配設してもよい。この場合、永久磁石52が可動軸50の外周面と対向するように配置して可動軸50を磁性材料から構成すれば、可動軸50は、永久磁石52が配置されている方向に引き寄せられる。このため、可動軸50の第2面11cが支持孔部20に押し付けられ、可動軸50の第2面11cが押し付けられている支持孔部20の部位が、支持孔部20の規制部42となる。
○ 磁気バネ機構6とは別に、可動軸11を規制部21に向けて付勢する永久磁石を設けてもよい。この場合、磁気バネ機構6を構成する固定マグネット30及び可動マグネット31は周方向に分割されて異なる磁極が交互に配置される構成とせずに、内周部及び外周部がそれぞれ全周にわたって同じ磁極に着磁された円筒磁石でよい。
○ 可動軸11の支持孔部20に挿通される部分の断面形状を変更してもよい。例えば、図9(a)に示すように、可動軸11の断面形状を略正4角形に変更してもよいし、図9(b)に示すように略正6角形に変更してもよい。そして、このように可動軸11の断面形状を略正4角形や略正6角形のような略正多角形状に変更すれば、中心軸からどの部位における規制部21においても距離が等しくなるため、自動的に可動軸11の軸心を支持孔部20の軸心に一致させる調芯機能を備えることができる。
○ すべり軸受5の代わりに、可動軸11を複数のU字形のボール起動溝が設けられたスプライン軸として構成し、予圧を付与する機構のないボールスプラインを介して可動軸11を本体ケース2に摺動可能に支持してもよい。この場合、ボールスプラインが回り止め軸受として用いられる。回り止め軸受としてボールスプラインを用いる場合には、ボールスプラインのボールが規制部となる。そして、回り止め軸受としてボールスプラインを用いる場合には、磁気バネ機構6から発生する磁力によって、可動軸を回転方向に付勢して、ボール起動溝部をボールスプラインのボールに押し付ける構成にする。また、ボールスプライン軸としての可動軸にラジアル方向の力を作用させることで可動軸をボールに押し付ける構成にしてもよい。この場合、例えば、図10に示すように、ブロック状の永久磁石52を本体ケース2の下部に配置するとともに可動軸53(ボールスプライン軸)の外周面と対向するように配置する。そして、可動軸53を磁性材料から構成すれば、可動軸53は、永久磁石52が配置されている方向に引き寄せられて、ボール起動溝部54の片側(本実施形態では、ボール起動溝部54の下側)がボール55に押し付けられる。したがって、可動軸53の回転は規制され可動部材3の回転位置停止精度を向上させることができる。なお、図10においては、図面の都合上、シリンダ装置の各部材の寸法比は、実際のシリンダ装置とは異なる寸法比で図示している。
○ すべり軸受5の代わりに回り止め軸受として静圧軸受を用いてもよい。この場合、静圧軸受には、正面視円形でない支持孔部を設ける必要がある。そして、回り止め軸受として静圧軸受を用いた場合には、可動軸11と静圧軸受との間の摩擦は小さくなるため、往復動装置1の寿命を延ばすことができる。
○ 可動部材3は、ジョイント部材12、可動マグネット31及び可動軸11から構成することに限定されない。例えば、ジョイント部材12及び可動マグネット31を省略し、可動軸11を軸方向に延設することで可動軸11のみによって可動部材を構成してもよい。この場合、可動マグネット31は可動軸11の途中の外周部に設けられる。
○ 可動軸11として用いる軸部材の種類は、軸状のロッドでなくて、異形パイプに変更してもよい。ただし、この場合、可動軸11の外形に支持孔部20の形状を合わせる必要がある。
○ 磁気バネ機構6が可動軸11を規制部21に向けて付勢する磁力を発生させることができるのであれば、磁気バネ機構6を構成する可動マグネット31及び固定マグネット30の円周方向の分割数についてはとくに限定されない。可動マグネット31及び固定マグネット30は、例えば、6分割以上の偶数分割にしてもよいし、2分割にしてもよい。
○ 可動部材3が外力の作用により軸方向に往復動される往復動装置に限らず、特許文献2に記載された出力装置のように、出力ロッドがモータの作用により軸方向に往復動される構成の往復動装置に適用してもよい。
(a)第1実施形態における往復動装置の側断面図、(b)第1実施形態における往復動装置のA−A線断面図、(c)第1実施形態における往復動装置のB−B線断面図。 (a)第1実施形態において基準位置から可動部材が回転した時における作用を説明する図、(b)第1実施形態において基準位置から可動部材が回転した時に発生する吸引力を説明する図。 第2実施形態における往復動装置の要部拡大側断面図。 (a)第2実施形態における往復動装置の断面図、(b)第2実施形態における可動軸の断面図。 別の実施形態における往復動装置の側断面図。 別の実施形態における往復動装置の側断面図。 別の実施形態における往復動装置の側断面図。 別の実施形態における往復動装置の側断面図。 (a)別の実施形態における可動軸の断面図、(b)別の実施形態における可動軸の断面図。 別の実施形態における往復動装置の側断面図。
符号の説明
P1…中心軸としての軸心、P2…中心軸としての軸心、1…往復動装置、2…固定部材としての本体ケース、2a…挿通孔、3…可動部材、4…すべり軸受、5…回り止め軸受としてのすべり軸受、6…磁気バネ機構、11…可動軸、20…支持孔部、21,42…規制部、30,41…第1永久磁石としての固定マグネット、31,40…第2永久磁石としての可動マグネット、52…永久磁石。

Claims (7)

  1. 固定部材に設けられた挿通孔内に往復動可能に挿通された可動軸部を有する可動部材を備えた往復動装置であって、
    前記固定部材に固定され、前記可動部材が挿通されるとともに該可動部材を軸方向において摺動可能に支持するとともに、前記可動部材の回転を一定の角度範囲で許容し、該一定の角度範囲以上の前記可動部材の回転を前記可動部材との当接によって規制する規制部を備えた支持孔部を有する回り止め軸受を備え、前記固定部材及び前記可動部材の少なくとも一方に、前記一定の角度範囲内で回転した状態の前記可動部材を前記規制部との当接によって回転が規制された状態となるように前記可動部材を前記規制部に向かうように付勢する永久磁石が設けられていることを特徴とする往復動装置。
  2. 前記回り止め軸受は、すべり軸受である請求項1に記載の往復動装置。
  3. 前記固定部材の内周に固定された第1永久磁石と、前記可動軸部に固定された第2永久磁石とで構成された磁気バネ機構を備え、
    前記可動部材は、前記磁気バネ機構の永久磁石の磁力により前記規制部に向かうように付勢されている請求項1又は請求項2に記載の往復動装置。
  4. 前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石は、それぞれ筒状に構成され、前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石には、それぞれ円周方向に沿って異なる磁極が交互に着磁され、前記可動部材は、前記規制部に当接することによって回転が規制された前記可動部材を前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石の磁力が前記規制部に向けた方向に回動付勢する状態で前記固定部材に支持されている請求項3に記載の往復動装置。
  5. 前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石は、それぞれ筒状に構成され、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、中心軸がそれぞれ異なるように配設され、前記可動部材は、前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石の磁力によって前記規制部に接触する状態で保持されている請求項3に記載の往復動装置。
  6. 前記回り止め軸受は、静圧軸受である請求項4に記載の往復動装置。
  7. 前記可動軸部は、互いに平行な2つの平面を有する2面幅付の円形ロッド、4角ロッド、6角ロッド、又は断面円形でない異形パイプのいずれかであって、前記支持孔部は、前記可動軸部の断面の外形形状に対応した形状である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の往復動装置。
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