JPH0673787B2 - 直交二方向移動機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は取付部材たとえば工作機械やＸ−Ｙテーブルや
ドリル研削装置の取付台等に用いられる直交二方向移動
機構に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の直交二方向移動機構としては支持部材上
に中間部材を移動部材の直交する二方向のうちの一方の
移動方向に第一案内機構により移動案内可能に設け、か
つ中間部材上に移動部材を他方の移動方向に第二案内機
構により移動案内可能に設けて構成したものが知られて
いる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら上記従来構造の場合第一、第二の二種類の
案内機構が必要となり、案内面が二個必要となるため複
雑な構造となって、製造コストや小型化の面での不都合
を有している。

〔課題を解決するための手段〕

本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするも
ので、その要旨は、取付部材を直交する二方向に移動案
内可能な機構であって、上記取付部材を支持部材上に平
面移動可能に設け、該支持部材に移動軸を上記取付部材
の一方の移動方向に移動可能に設け、該移動軸を往復動
させる軸移動機構を設け、該移動軸に連結部材を軸回り
回動可能及び軸方向移動不能に設け、上記取付部材に連
結軸を上記取付部材の他方の移動方向に揺動可能及び一
方の移動方向に移動不能に設け、該連結軸を前記連結部
材に摺動可能に嵌挿し、該取付部材の一方の移動方向へ
の移動を可能にして該取付部材を他方の移動方向に押動
させる移動機構を設け、該取付部材の一方の移動方向へ
の移動を可能にして移動機構の非押動時に取付部材を他
方の移動方向に戻動させる戻動機構を設けたことを特徴
とする直交二方向移動機構にある。

〔作用〕

軸移動機構により移動軸を往復移動するとその移動力は
連結部材及び連結軸を経て取付部材に伝わり、移動軸は
一方の移動方向に往復移動し、このとき取付部材を他方
の移動方向に押動させる移動機構及び他方の移動方向に
戻動させる戻動機構は取付部材の一方の移動方向への移
動を可能とし、また移動機構による取付部材の他方の移
動方向への押動時及び戻動機構による取付部材の他方の
移動方向への戻動時に連結軸は取付部材の他方の移動方
向に揺動しかつ連結部材で摺動して取付部材の他方の移
動方向への移動を可能とする。

〔実施例〕

第１図乃至第５図は本発明をドリル研削装置の磁石のＸ
−Ｙ移動に用いた実施例を示し、すなわち、１は取付部
材この場合砥石台であって、機体２に取付部材１を直交
二方向、すなわちＸ−Ｙ移動可能に配置し、取付部材１
に砥石回転用モータ３を取付け、砥石回転用モータ３の
主軸に砥石４を取付け、機体２に旋回台５を旋回軸６中
心に旋回可能に設け、旋回台５にドリルホルダ７を砥石
４に向けて進退可能に設け、ドリルホルダ７にドリル８
を装着し、回転する砥石４に所定角度でドリル８を当て
てドリル８刃先を研削するものである。

９は支持部材であって、支持部材９上に耐摩耗性の良好
な摺動板10を介して取付部材１を平面移動可能に設け、
支持部材９に移動軸11を取付部材１の一方の移動方向た
るＹ方向に軸受12により移動可能に設けている。

13は軸移動機構であって、支持部材９に取付筒14を取付
け、取付筒14にラックピニオン機構を備えるハウジング
15を取付け、ハウジング15に移動用モータ16を取付け、
ハウジング15内のラック17を移動軸11に連結し、移動用
モータ16の正逆回転により移動軸11を往復動させるよう
に構成したものである。

18は連結部材であって、移動軸11に連結部材18を軸受19
により軸回り回動可能に挿通し、連結部材18の両側面に
移動軸11に挿通したリング20をピン21により固定し、連
結部材18を移動軸11の軸方向に移動不能に構成してい
る。

22は連結軸であって、取付部材１の底面に支持ブロック
23を取付け、支持ブロック23に回動杆24を２個のボルト
ピン25により取付部材１の他方の移動方向たるＸ方向に
揺動可能及びＹ方向に移動不能に設け、回動杆24に２個
の連結軸22を固定し、連結軸22間に位置して、回動杆24
を貫通する引上げボルト26を連結部材18に螺着固定し、
引上げボルト26の上部に螺着したナット27と回動杆24と
の間に引上げ用バネ28を介在し、連結部材18を所定位置
に保持し、２個の連結軸22を連結部材18の軸受29内に摺
動可能に嵌挿して構成している。

30は移動機構であって、支持部材９に取付台31を取付
け、取付台31にハウジング32を取付け、ハウジング32に
スプライン筒33を取付け、スプライン筒33にスプライン
軸34をＸ方向にスプライン係合し、スプライン軸34内に
螺軸35を螺合し、ハウジング32にサーボモータ36を取付
け、サーボモータ36の主軸を螺軸35に連結し、スプライ
ン軸34の先端部に押動ローラ37を軸架し、取付部材１に
押圧板38を設け、サーボモータ36の回転により螺軸35及
びスプライン作用によりスプライン軸34をＸ方向に進退
可能に設け、押動ローラ37と押圧板38との当接作用によ
り取付部材１をＹ方向に移動可能にして押動ローラ37に
より押圧板38を押動可能に設けている。

39は戻動機構であって、支持部材９に保持筒40を固定
し、保持筒40内に押圧軸41をピン42により回り止め状態
で進退動可能に設け、押圧軸41に戻動ローラ43を軸着
し、戻動ローラ43を前記支持ブロック23に押圧する戻動
用バネ44を設け、戻動ローラ43と支持ブロック23との当
接作用により取付部材１をＹ方向に移動可能にして戻動
ローラ43により支持ブロック23を戻動弾圧可能に設けて
いる。

この実施例は上記構成であるから、軸移動機構13の移動
用モータ16によりラック17を移動すると移動軸11は移動
し、リング20により連結部材18は移動軸11上で移動不能
なため連結部材18は移動軸11と一緒に移動し、取付部材
１に設けた連結軸22は連結部材18に嵌挿されているため
取付部材１はＹ方向に往復動し、このとき押動ローラ37
は押圧板38上で回動するとともに戻動ローラ43は支持ブ
ロック23上で回動することになり、また移動機構30のサ
ーボモータ36を回転するとスプライン軸34の前進により
押動ローラ37は押圧板38を押動し、取付部材１が前進
し、このとき第４図の如く連結軸22はボルトピン25を中
心にＸ方向に揺動でき、かつ連結部材１は移動軸11の軸
回りに回動でき、さらに連結軸22は連結部材18に対し摺
動可能なため想像線の如く取付部材１はＸ方向に往復動
でき、また戻動機構39の戻動用バネ44により取付部材１
を戻動でき、したがって取付部材１を直交する二方向に
移動案内でき、この場合取付部材１の底面が摺動する摺
動板10の上面としての取付部材１の摺動案内面が一個所
となって簡素な構造となり、製造コストの低減や装置の
小型化を図ることができる。

尚、上記実施例はドリル研削装置に用いたものである
が、他の工作機械等にも用いることができる。

〔発明の効果〕

本発明は上述の如く、取付部材を直交する二方向に移動
案内でき、取付部材の摺動案内面が一個所となって簡素
な構造となり、製造コストの低減や装置の小型化を図る
ことができる。

以上、所期の目的を充分達成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は横断面
図、第２図は縦断面図、第３図は平断面図、第４図は作
動状態の縦断面図、第５図は全体平面図である。 ２……取付部材、９……支持部材、11……移動軸、13…
…軸移動機構、18……連結部材、22……連結軸、30……
移動機構、39……戻動機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】取付部材を直交する二方向に移動案内可能
   な機構であって、上記取付部材を支持部材上に平面移動
   可能に設け、該支持部材に移動軸を上記取付部材の一方
   の移動方向に移動可能に設け、該移動軸を往復動させる
   軸移動機構を設け、該移動軸に連結部材を軸回り回動可
   能及び軸方向移動不能に設け、上記取付部材に連結軸を
   上記取付部材の他方の移動方向に揺動可能及び一方の移
   動方向に移動不能に設け、該連結軸を前記連結部材に摺
   動可能に嵌挿し、該取付部材の一方の移動方向への移動
   を可能にして該取付部材を他方の移動方向に押動させる
   移動機構を設け、該取付部材の一方の移動方向への移動
   を可能にして移動機構の非押動時に取付部材を他方の移
   動方向に戻動させる戻動機構を設けたことを特徴とする
   直交二方向移動機構。