JPH0554834U - 磁気アクチュエータ - Google Patents
磁気アクチュエータInfo
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- JPH0554834U JPH0554834U JP9934691U JP9934691U JPH0554834U JP H0554834 U JPH0554834 U JP H0554834U JP 9934691 U JP9934691 U JP 9934691U JP 9934691 U JP9934691 U JP 9934691U JP H0554834 U JPH0554834 U JP H0554834U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ばね機能又はダンパ機能を発揮し、優れた耐
久性を有する小形アクチュエータを提供することを目的
とする。 【構成】 軸方向に着磁した円筒状の外側磁石に、同じ
く軸方向に着磁した棒状又は円筒状の内側磁石を磁極を
逆方向又は同方向にしてスライド自由に挿入し、磁気的
拘束によって外力に対する引張抵抗力、又は磁気的反発
による外部圧縮力を備えたアクチュエータを構成したこ
とを特徴とする。
久性を有する小形アクチュエータを提供することを目的
とする。 【構成】 軸方向に着磁した円筒状の外側磁石に、同じ
く軸方向に着磁した棒状又は円筒状の内側磁石を磁極を
逆方向又は同方向にしてスライド自由に挿入し、磁気的
拘束によって外力に対する引張抵抗力、又は磁気的反発
による外部圧縮力を備えたアクチュエータを構成したこ
とを特徴とする。
Description
【0001】
この考案は、磁石によってばね機能又はダンパ機能を発揮するようにした磁気 アクチュエータに関する。
【0002】
各種の装置や機構においては、ばね機能を有するアクチュエータを用い、可動 部分を所定の位置に付勢して位置決めし、あるいはダンパ機能を有するアクチュ エータを用い、可動部分が振動する場合にはその振動エネルギーを吸収して振動 を減衰させることが広く行われている。 従来この種のアクチュエータでは、機械的なコイルばねや板ばね等を使用し、 その弾性を利用してアクチュエータを構成するのが一般的であった。
【0003】
しかるに、従来のアクチュエータでは、長期にわたってばね部材に荷重が繰り 返し付加され、あるいはその付加荷重が変動し、ばね部材が伸縮を繰り返すと、 ばね部材に機械的疲労が発生し、折損が発生するという問題があった。 この考案は、かかる問題点に鑑み、耐久性を保証できるようにしたアクチュエ ータを提供することを課題とする。
【0004】 そして本件考案者らは上述の課題を解決すべく鋭意研究した結果、耐久性につ いては磁石の吸引力又は反発力を利用すれば、機械的疲労の発生しないアクチュ エータを構成できることを着目するに至った。 ところで、磁石としては焼結磁石と鋳造磁石とがよく知られている。しかし、 焼結磁石では、粉末の成形工程上、長尺の製品を製造する場合には直径も大きく する必要があり、アクチュエータが大型化してしまう。また、鋳造磁石では、脆 く機械的強度が低く、穴あけや研磨等の加工が難しく、製造が煩雑である。 結局、従来の焼結磁石や鋳造磁石ではばね機能又はダンパ機能を発揮する小形 のアクチュエータを製造することは困難である、というのが一般的な考え方であ った。
【0005】 最近、押出加工法によって製品を製造できるMn−Al系磁石が提案されてい る。かかるMn−Al系磁石では、その加工法上、小径で長尺の健全な製品を容 易に製造でき、しかも押出品の切削加工も容易であることから、ばね機能又はダ ンパ機能を発揮する小形のアクチュエータを製造できることが期待される。
【0006】
そこで本考案に係る磁気アクチュエータは、軸方向に着磁した円筒状の外側磁 石に、同じく軸方向に着磁した棒状又は円筒状の内側磁石を磁極を逆方向又は同 方向にしてスライド自由に挿入し、磁気的拘束によって外力に対する引張抵抗力 又は磁気的反発による外部圧縮力を備えさせたことを要旨とする。
【0007】 ここで本考案に係る磁気アクチュエータは被駆動体を所定位置に位置決めし、 又は所定位置から離脱させるための機構であればどのようなものにでも適用でき 、例えば共振用ばね、除振台、測定器の除振ばね等に適用でき、又外側磁石の断 面内形及び内側磁石の断面外形を円形とし、両磁石を相互に回転可能に構成する と、モータや位置決め機構の磁気軸受に適用することもできる。 また、外側磁石及び内側磁石はMn−Al系磁石とするのがよいが、勿論、押 出加工法が適用できれば、又焼結法や鋳造法によって健全で切削加工が容易な小 径長尺の製品が製造できれば、他の材料の磁石であってもよい。磁気アクチュエ ータの動作を安定させるためには、外側磁石と内側磁石とを同じ長さに設定する 望ましい。 さらに、被駆動体と磁石との連結には内側磁石を円筒形状としその内側に挿通 固定したシャフトによるのがよい。このシャフトは変位量に応じて次第に強くな る付勢力を必要とする場合には非磁性材シャフトを、変位量に関係なく一定の付 勢力を必要とする場合には磁性材シャフトを使用する。 また、着磁方向を軸方向に設定したのは、例えば径方向に着磁した場合に比し て大きな付勢力が得られるからである。外側磁石及び内側磁石の断面積を等しく 設定するのが付勢力の点で効率的である。
【0008】
本考案においては、円筒状の外側磁石内に棒状又は円筒状の内側磁石をスライ ド自由に挿入して引張式又は圧縮式のアクチュエータを構成するようにしたこと から、従来の機械的ばねのような疲労は発生しない。
【0009】
以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4 は本考案の一実施例による磁気アクチュエータを示し、これは引張タイプのアク チュエータに適用した例である。磁気アクチュエータ1において、固定磁石2内 には駆動磁石3がスライド自由に挿入され、該固定磁石2及び駆動磁石3はとも にMn70%−Al30%磁石を用いて円筒形状に作製され、又固定磁石2及び 駆動磁石3は同長さ及び同じ断面積に設定されている。 この固定磁石2及び駆動磁石3は共に軸方向に着磁されるとともに、相互に逆 の磁極に設定され、又駆動磁石3内には被駆動体に連結されるシャフト5が挿通 され、該シャフト5には変位量に応じて次第に強くなる付勢力を必要とする場合 には非磁性材、例えばステンレス製シャフトが、変位量に関係なく一定の付勢力 を必要とする場合には磁性材、例えば鉄製シャフトが使用されており、このよう にして駆動磁石3は外側固定磁石2との間の吸引力によって決まる所定の付勢力 でもって所定位置に位置決めされ、又外側固定磁石2に対して回転可能に設けら れている。なお、圧縮式のアクチュエータを構成する場合には固定磁石2及び駆 動磁石3の磁極を同方向にセットする。
【0010】 次に作用効果について説明する。 無負荷状態においては、駆動磁石3は固定磁石2に対して両磁石2、3の磁気 的拘束力、即ち吸引力によって中立位置(図3の実線参照)に保持されている。 他方、負荷が作用してシャフト5が上方に変位すると(図3の一点鎖線参照)、 駆動磁石3には固定磁石2との吸引力に起因して元の中立位置への復帰力が作用 し、駆動磁石3は中立位置に戻る。 また、駆動磁石3が下方に変位した場合にも、同様に吸引力によって中立位置 に復帰する。
【0011】 このように駆動磁石3が磁石2、3の吸引力によって中立位置に保持される結 果、中立位置にあるシャフト5に機器の可動部分を連結すると、可動部分を所定 位置に位置決めする機構を構成することができる。 また、シャフト5を変位させた状態で機器の可動部分に連結すると、可動部分 には磁石2、3間の吸引力に起因する所望の付勢力を作用させる機構を構成する ことができる。 特に、例えば高真空で潤滑オイルが使用できず、機械的なばね部材を使用し得 ないような用途であっても、駆動磁石3を真空中に置くことによってアクチュエ ータを構成できる点で意義が大きい。
【0012】 また、固定磁石2及び駆動磁石3が円筒状に形成され、駆動磁石3が固定磁石 2内に支持されている結果、機器の回転部分にシャフト5を支承すると、回転部 分が固定磁石2に対して回転自在に支持され、軸受を構成できる。
【0013】 以上のような本実施例の磁気アクチュエータでは、内外一対の固定磁石2と駆 動磁石3を用いアクチュエータ1を構成したので、従来の機械的ばねのような疲 労は発生せず、耐久性を保証できる。 また、シャフト5の変位時に駆動磁石3が固定磁石2の内面に接触する場合に も硬質のMn−Al系磁石を使用しているので、例えばプラスチック磁石等の軟 質の磁石を使用する場合に比して摩耗量が少なく、これによっても耐久性を保証 できる。 さらに、固定磁石2及び駆動磁石3を軸方向に着磁したので、両磁石2、3間 に大きな吸引力を発生させて所望の付勢力を得ることができる。その結果、小形 の磁石2、3によってアクチュエータ1を構成でき、各種機構を構築する際のレ イアウトが容易になる。 また、Mn−Al系磁石2、3を用いてアクチュエータ1を作製しているので 、押出加工によって固定磁石2及び駆動磁石3を所望の寸法及び形状に成形でき 、しかも切削加工も容易に適用でき、製造が非常に簡単にできる。
【0014】 また、図4は本実施例の磁気アクチュエータ1におけるシャフト5の変位ΔZ と磁石2、3の吸引反発力によるシャフト5の付勢力、即ちスラスト荷重Fとの 関係を示す。ここで外径30φ、内径21φ、長さ20mmの外側固定磁石2、 外径20φ、内径10φ、長さ20mmの内側駆動磁石3、及び外径10φのシ ャフト5を使用し、固定磁石2と駆動磁石3との間のギャップ4を0.5mmと した。また、シャフト5には非磁性材(例えば、ステンレス鋼)と磁性材(例え ば、鉄)とを使用した。 図4によれば、非磁性材シャフトを使用した場合にはシャフト5の変位ΔZの 増加に伴ってスラスト荷重Fが増加し、又磁性材シャフトを使用した場合にはシ ャフト5が所定の変位量を越えるとスラスト荷重Fが一定となっている。シャフ ト5が磁性材の場合には磁石2、3間の磁束がシャフト5内にも流れて有効に働 かないからである。 従って、シャフト5の変位に伴って次第に増加するようなスラスト荷重Fが必 要なアクチュエータの場合には非磁性材シャフトを使用する必要がある。他方、 磁性材シャフトを使用すると、シャフト5の変位量に関係なく、一定のスラスト 荷重Fが必要なアクチュエータを構成できる。
【0015】 また、図5は外側固定磁石2の外径φD及びギャップ4とスラスト最大荷重F との関係を示す。ここで固定磁石2及び駆動磁石3の断面積は同一に設定されて いる。 図5によれば、固定磁石2の外径φDが大きいほど、又ギャップ4が小さいほ ど大きなスラスト最大荷重Fが得られることが分かる。
【0016】
【考案の効果】 以上のように、本考案に係る磁気アクチュエータによれば、軸方向に着磁した 円筒状の外側磁石に、同じく軸方向に着磁した棒状又は円筒状の内側磁石を磁極 を逆方向又は同方向にしてスライド自由に挿入してアクチュエータを構成したの で、優れた耐久性の小形アクチュエータを提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例による磁気アクチュエータ
を示す全体斜視図である。
を示す全体斜視図である。
【図2】 上記磁気アクチュエータを固定磁石及び駆動
磁石の構造を示す斜視図である。
磁石の構造を示す斜視図である。
【図3】 上記磁気アクチュエータの作用を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図4】 上記磁気アクチュエータにおけるシャフトの
変位とスラスト荷重との関係を示す図である。
変位とスラスト荷重との関係を示す図である。
【図5】 上記磁気アクチュエータにおける固定磁石の
外径及びギャップとスラスト最大荷重との関係を示す図
である。
外径及びギャップとスラスト最大荷重との関係を示す図
である。
1 磁気アクチュエータ 2 外側固定磁石 3 内側駆動磁石 4 ギャップ 5 シャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 黒 田 直 人 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地 山陽特殊製鋼株式会社内 (72)考案者 調 英 夫 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番地 山陽特殊製鋼株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 軸方向に着磁した円筒状の外側磁石に、
同じく軸方向に着磁した棒状又は円筒状の内側磁石を磁
極を逆方向にしてスライド自由に挿入し、磁気的拘束に
よって外力に対する引張抵抗力を備えさせたことを特徴
とする磁気アクチュエータ。 - 【請求項2】 軸方向に着磁した円筒状の外側磁石に、
同じく軸方向に着磁した棒状又は円筒状の内側磁石を磁
極を同方向にしてスライド自由に挿入し、磁気的反発に
よる外部圧縮力を備えさせたことを特徴とする磁気アク
チュエータ。 - 【請求項3】 外側磁石及び内側磁石をMn−Al系磁
石としたことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気ア
クチュエータ。 - 【請求項4】 円筒状の内側磁石に、非磁性材シャフト
又は磁性材シャフトを挿通したことを特徴とする請求項
1又は2記載の磁気アクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9934691U JPH0554834U (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 磁気アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9934691U JPH0554834U (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 磁気アクチュエータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0554834U true JPH0554834U (ja) | 1993-07-23 |
Family
ID=14245056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9934691U Pending JPH0554834U (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 磁気アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0554834U (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001349374A (ja) * | 2000-06-02 | 2001-12-21 | Delta Tooling Co Ltd | 磁気バネ構造及び該磁気バネ構造を用いた除振機構 |
JP2003071769A (ja) * | 2001-09-05 | 2003-03-12 | Ckd Corp | 緩衝機能付き出力装置 |
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KR100866554B1 (ko) * | 2000-03-29 | 2008-11-03 | 로드코포레이션 | 자기에 의하여 제어되는 댐퍼 |
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Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4859266A (ja) * | 1971-11-29 | 1973-08-20 |
-
1991
- 1991-11-05 JP JP9934691U patent/JPH0554834U/ja active Pending
Patent Citations (1)
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