JP3669393B2 - ディスク装置用リニアアクチュエータ - Google Patents

ディスク装置用リニアアクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP3669393B2
JP3669393B2 JP11530096A JP11530096A JP3669393B2 JP 3669393 B2 JP3669393 B2 JP 3669393B2 JP 11530096 A JP11530096 A JP 11530096A JP 11530096 A JP11530096 A JP 11530096A JP 3669393 B2 JP3669393 B2 JP 3669393B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
linear actuator
magnetic
movable coil
yoke
field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11530096A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09285098A (ja
Inventor
貴俊 大山
信之 眞保
重男 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP11530096A priority Critical patent/JP3669393B2/ja
Publication of JPH09285098A publication Critical patent/JPH09285098A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3669393B2 publication Critical patent/JP3669393B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Moving Of Heads (AREA)
  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動コイルを巻回した可動コイル体への通電により、光ピックアップ、磁気ヘッドの少なくとも一方を有する移動ユニットを直線移動させることが可能なディスク装置用リニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ピックアップ駆動用リニアアクチュエータとしては、特開平4−19847号で提案されている構成が知られている。この特開平4−19847号の光ピックアップ駆動用リニアアクチュエータは、図10及び図11に示すように、永久磁石1を囲むように設けられた磁気回路2と、該磁気回路2の永久磁石1に対向した部分であるセンターヨーク3に対し直線移動自在な如く周回、巻装されたコイル4とを具備し、永久磁石1とセンターヨーク3間のギャップに発生した磁束がコイル4の一部と鎖交している。従って、コイル4に駆動用電流を流すことによりフレミングの左手の法則に従って推力を発生させることができ、光ピックアップを有する光ピックアップユニット5がコイル4とともに直線移動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図10及び図11に示す従来の光ピックアップ駆動用リニアアクチュエータの場合、コイル4の一部分(主として永久磁石1に対向する部分)しか磁束と鎖交しないため、推力が大きくとれない。また、図11で示す永久磁石1の幅Xを短くすると推力の低下を招き、その幅Xを短縮して偏平にすることができないため、リニアアクチュエータの薄型化が困難な欠点があった。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑み、推力の増大、小型化、薄型化を図ることが可能なディスク装置用リニアアクチュエータを提供することを目的とする。
【0005】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のディスク装置用リニアアクチュエータは、同極対向された2個の永久磁石間に軟磁性体のポールピースを同軸上に設けた構造を有する界磁体と、該界磁体の軸方向に直線移動自在であって当該界磁体の外側を周回するように駆動コイルを巻回した可動コイル体と、前記界磁体の両端面にそれぞれ設けられた軟磁性体のサイドヨークと、前記可動コイル体の外側を囲む如く前記サイドヨーク間を接続する軟磁性体の外部ヨークとを有するリニアアクチュエータ本体を備え、
前記外部ヨークは前記界磁体の周囲を前記可動コイル体の移動空間を隔てて筒状に囲みかつ前記可動コイル体のジョイント部の移動部分に切欠を有しており、前記界磁体、サイドヨーク及び外部ヨークで磁気回路を構成して、前記駆動コイル全周に対して前記界磁体による磁束を鎖交させ、前記可動コイル体の直線運動により光ピックアップ、磁気ヘッドの少なくとも一方を有する移動ユニットを所定方向に直線移動させる構成としている。
【0007】
また、前記リニアアクチュエータ本体が前記移動ユニットの両側にそれぞれ配設され、両方のリニアアクチュエータ本体のサイドヨーク同士を一体に形成するか、あるいは前記サイドヨーク同士をホルダーで連結一体化した構成としてもよい。
【0008】
さらに、前記移動ユニットの一方の側に配設されたリニアアクチュエータ本体が有する永久磁石と、他方の側に配設されたリニアアクチュエータ本体が有する永久磁石とを、相互に引き合う向きに配列するとよい。
【0009】
前記ポールピースの両端面に外縁よりも凹んだザグリ部を形成し、前記永久磁石が前記ザグリ部に吸着保持される構成とすることもできる。
【0010】
また、前記界磁体を構成する2個の永久磁石及びポールピースを非磁性金属又は樹脂製のパイプ又は巻ブッシュで覆って保持する構成としてもよい。
【0011】
あるいは、前記界磁体を構成する2個の永久磁石及びポールピースを熱収縮チューブで覆って保持する構成としてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るディスク装置用リニアアクチュエータの実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
図1及び図2は本発明に係るディスク装置用リニアアクチュエータの第1の実施の形態を示す。このディスク装置用リニアアクチュエータは、左右2個のリニアアクチュエータ本体10で光ピックアップ、磁気ヘッドの少なくとも一方を有する移動ユニット30を直線移動させるものである。各リニアアクチュエータ本体10は、2個の永久磁石11A,11B及びそれらに挟まれた軟磁性体のポールピース12を同軸上に配列して非磁性金属又は樹脂製の非磁性パイプ13で覆い保持一体化した界磁体15と、該界磁体15の外周をその軸方向に直線移動(摺動)自在なボビン21に駆動コイル22を巻装してなる可動コイル体20と、前記界磁体15の両端面にそれぞれ設けられたサイドヨーク25と、前記可動コイル体20の本体部分(駆動コイルを巻回した部分)の移動空間を残して前記界磁体15の外側を囲む如く配置されていて界磁体15の両側のサイドヨーク25同士を接続する外部ヨーク26と、両端がサイドヨーク25に固定されたガイド軸27とを備えている。
【0014】
前記永久磁石11A,11Bは、例えば、小型で強力な磁力を発生可能な四角柱状希土類永久磁石である。鉄等の四角柱状の軟磁性体で形成されたポールピース12は同極対向された2個の四角柱状永久磁石11A,11Bに挟まれ吸着されていて、それらの外周面は同一となっている。永久磁石11A,11B及びポールピース12は、非磁性材料であるステンレス、真鍮等の非磁性金属、樹脂等の薄肉の角筒状非磁性パイプ13の内側に挿入されることで当該パイプ13で覆われるとともに一体的に保持されている。このように、永久磁石11A,11Bとポールピース12とをパイプ13で覆って四角柱形状の界磁体15を構成することで、永久磁石11A,11B及びポールピース12の保持一体化を確実にするとともに、可動コイル体20の摺動性の向上を実現している。なお、界磁体15の軸方向(可動コイル体20が直線移動する長手方向)と永久磁石11A,11Bの磁化方向とが一致している。
【0015】
前記四角柱形状の界磁体15の外周に沿って摺動自在な可動コイル体20が有するボビン21は、例えば、耐摩耗性、摺動性に優れた絶縁樹脂製であり、界磁体15の外周面、すなわちパイプ部材13の外周面を環状に囲みかつ両端に鍔21aを持つ断面がコ字状である。可動コイル体20はボビン21の鍔21a間に駆動コイル22を巻装した構造を持つものである。これらのコイル22は前記界磁体15の外側を周回する向きにボビン21に巻かれている。このボビン21の両側の鍔21aには、可動コイル体20の動きを外部に出力するためのジョイント部(出力取出し部)21bがそれぞれ一体に形成され、ここに前記ガイド軸27に対する軸受部21cが形成されている。
【0016】
前記サイドヨーク25及び外部ヨーク26は磁気回路のパーミアンス向上(磁気抵抗の低減)と、磁気漏洩を防止するために設けられているものである。外部ヨーク26は鉄板等の軟磁性体で角筒状に形成したもので、界磁体15の周囲を可動コイル体20の移動空間を隔てて囲むものであり、外部ヨーク26の両端には同材質のサイドヨーク25が接続、固定されている。外部ヨーク26で接続された両方のサイドヨーク25の内面の凹部には、永久磁石11A,11Bの同極対向している磁極の反対側磁極が当接し、固着されている。
【0017】
各サイドヨーク25は、移動ユニット30の左右両側のリニアアクチュエータ本体10に対して共通に用いられており、2個のリニアアクチュエータ本体10を一体化するとともにガイド軸27を固定するためのホルダーを兼ねた構造となっている。すなわち、サイドヨーク25で各リニアアクチュエータ本体10のガイド軸27が相互に平行かつ界磁体15に対し平行に固定支持されており、サイドヨーク25の中間部に取付穴28を有する取付部29が形成されている。
【0018】
このように、各リニアアクチュエータ本体10の永久磁石11A,11Bから発生する磁束が通る磁路を軟磁性体のポールピース12、サイドヨーク25、これと一体的に固着された外部ヨーク26により構成している。
【0019】
なお、可動コイル体20が界磁体15の軸方向に移動することに伴ってジョイント部21bが通過する部分、すなわち可動コイル体20の可動範囲におけるジョイント部21bの移動部分には、外部ヨーク26に対して切割(切欠)26aが形成されている。前記可動コイル体20のボビン21に一体に形成されたそれらのジョイント部21bは切割26aを通して外部ヨーク26の外側に突出(延在)している。
【0020】
前述したように、左右両側のリニアアクチュエータ本体10に共通なサイドヨーク25によって、各リニアアクチュエータ本体10のガイド軸27が外部ヨーク26の外側において界磁体15に平行に支持固定されているが、該ガイド軸27は可動コイル体20を円滑に摺動させるために例えば円柱金属シャフト(磁性、非磁性を問わない)で構成されている。そして、可動コイル体20側のジョイント部21bの軸受部21cがガイド軸27にがたつきなく摺動自在に嵌合している(ガイド軸27が軸受部21cを摺動自在に貫通している)。これらの軸受部21cはガイド軸27の周囲を環状に囲む軸受構造となっている。また、界磁体15の外周面を構成する非磁性パイプ13とボビン21との摺動は、最低限の摺動抵抗とするのが望ましいため、ボビン21の内周部に部分的な一対の突起等を設けた回り止め構造とするとよい。すなわち、ボビン21内周面に形成された一対の突起等によってボビン21は非磁性パイプ13の外周面に対し微小面積で接触し(好ましくは点接触又は微小幅の線接触)、ガイド軸27を回転中心とした回転方向のがたつきを防止するようにすることが好ましい。
【0021】
前記移動ユニット30は光ピックアップ、磁気ヘッドの少なくとも一方を有するものである。例えば、光磁気ディスク装置に適用する場合、移動ユニット30には光ピックアップが搭載され、磁気ディスク装置に適用する場合には磁気ヘッドが移動ユニット30に搭載され、移動ユニット30は光ピックアップ又は磁気ヘッドのシーク動作等のために直線移動されるものである。この移動ユニット30の左側には1対の延長アーム部31が、右側にも1対の延長アーム部32が一体に形成されている。ここで、一方の延長アーム部32に形成された軸受部32aはガイド軸27の周囲を環状に囲む軸受構造であり、他方の延長アーム部31に形成された切欠係合部31aはガイド軸27の上下2点で接する回り止め構造となっている。なお、1対の延長アーム部31,32は多少先端部の間隔が広がる向きに弾性を持たせて形成することが好ましく、こうすることで各リニアアクチュエータ本体10の1対のジョイント部21bの内側面に延長アーム部31,32の先端外側面が圧接することで軸方向のがたつき発生を無くすことができる。
【0022】
なお、1対の延長アーム部31,32に、先端部の間隔が広がる向きの弾性を持たせる代わりに、1対のジョイント部21bに先端部の間隔が狭まる向きの弾性を持たせて軸方向のがたつきを無くすようにすることも可能である。
【0023】
いずれにしても、可動コイル体20のジョイント部21bと移動ユニット30の延長アーム部31,32との接続はフリージョイント構造(回転方向は自由であるが、軸方向の動きはがたつきなく伝達するジョイント構造)となっている。
【0024】
なお、左側のリニアアクチュエータ本体10内の永久磁石11A,11Bと右側のリニアアクチュエータ本体10内の永久磁石11A,11B間の相互の磁極関係は、動作原理上はとくに制約はないが、図1中の磁極N,Sに示すように、左側のリニアアクチュエータ本体10が有する永久磁石と、右側のリニアアクチュエータ本体10が有する永久磁石とが相互に引き合う向きに磁極を配列することで、一方のリニアアクチュエータ本体10の磁気回路から出た漏洩磁束は他方のリニアアクチュエータ本体10の磁気回路に吸い込まれるようになり、各リニアアクチュエータ本体10の外部ヨーク26外部に漏れ出る漏洩磁束をいっそう低減することができる。
【0025】
以上の第1の実施の形態の構成において、各リニアアクチュエータ本体10内の2個の永久磁石11A,11Bが同極対向で軟磁性体のポールピース12を挟んで同軸上に配置されていることにより、ポールピース12の外面と外部ヨーク26の内面との間の角筒状空間(可動コイル体20の移動空間)に磁束が発生し、すなわち界磁体15の軸方向(可動コイル体20の移動方向)に垂直な磁界成分が生じる。従って、駆動コイル22に電流を流すことにより、フレミングの左手の法則に基づく推力を可動コイル体20に発生することができ、該可動コイル体20を界磁体15並びにガイド軸27に沿って円滑に直線移動させることができ、その可動コイル体20のジョイント部21bを介し移動ユニット30を所定方向に直線移動可能である。
【0026】
図3は本発明の第1の実施の形態で用いたリニアアクチュエータ本体10の推力が、図10及び図11の従来の可動コイル型リニアアクチュエータよりも大幅に増大することを説明するためのもので、図3(A)は図10及び図11に示した従来の可動コイル型リニアアクチュエータの磁気回路で1個の永久磁石を用いた面対向(片側)構造、図3(B)は従来の可動コイル型リニアアクチュエータの磁気回路で2個の永久磁石を用いた面対向(両側)構造(「リニアモータとその応用」電気学会、昭和62年9月30日再版発行の2章リニア直流モータ第6〜7頁に記載)、図3(C)は第1の実施の形態で用いたリニアアクチュエータ本体10の磁気回路である。この第1の実施の形態のリニアアクチュエータ本体10の磁気回路は永久磁石を2個用いたものであるため、従来例として2個の永久磁石を用いた図3(B)の磁気回路(コイルの鎖交磁束数は図3(A)の2倍)の場合とで推力の比較実験を行った。その結果を図4及び図5に示す。図4は、図3(B)の磁気回路を有する従来のリニアアクチュエータのストロークと推力との関係を示し、図5は第1の実施の形態におけるリニアアクチュエータ本体10のストロークと推力との関係を示している。但し、この実験では各リニアアクチュエータの全体積と、使用する永久磁石の材質及び質量が同一となるように設計して比較した。
【0027】
これらの図4,図5から、第1の実施の形態におけるリニアアクチュエータ本体10の推力特性は図3(B)の磁気回路を有する従来のリニアアクチュエータの推力特性よりも約30%増大していることがわかる。
【0028】
この第1の実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0029】
(1) 2個の永久磁石11A,11B及びそれらに挟まれた軟磁性体のポールピース12を持つ界磁体15の両端面に軟磁性体のサイドヨーク25を配置し、かつ可動コイル体20の本体部分(駆動コイル22が巻回された部分)の可動範囲の外側に軟磁性体の外部ヨーク26を配置して磁気回路を構成しており、可動コイル体20が有する駆動コイル22の全周に対して前記界磁体15による磁束を鎖交させることが可能であり、大幅な推力向上を図ることができる。従って、移動ユニット30を高速駆動可能で、光ピックアップ、磁気ヘッドのシーク動作等の迅速化を図ることができる。
【0030】
(2) 切割26aの部分を除き、界磁体15の周囲は外部ヨーク26及びサイドヨーク25で閉塞されており、磁気シールド効果が高く、漏洩磁束は少ない。
【0031】
(3) さらに、一方のリニアアクチュエータ本体10が有する永久磁石と、他方のリニアアクチュエータ本体10が有する永久磁石とが相互に引き合う向きに各永久磁石の磁極を配列することで、一方のリニアアクチュエータ本体10の磁気回路から出た漏洩磁束は他方のリニアアクチュエータ本体10の磁気回路に吸い込まれるようになり、各リニアアクチュエータ本体10の外部ヨーク26から外部に漏れ出る漏洩磁束をいっそう低減することができる。
【0032】
(4) サイドヨーク25が2個のリニアアクチュエータ本体10に共通に使用されており、両リニアアクチュエータ本体10を一体化するとともにガイド軸27を固定支持するホルダーを兼用した構造であり、構造の簡素化、部品点数の削減を図ることができる。
【0033】
(5) 前記可動コイル体20の駆動コイル22の全周に磁束が鎖交するので、磁気回路の形状の自由度が大きく、偏平化、薄型化を図ることができる。
【0034】
(6) 界磁体15は、2個の永久磁石11A,11B及びそれらに挟まれた軟磁性体のポールピース12を非磁性パイプ13で覆い保持した構造であり、永久磁石11A,11Bとポールピース12の保持一体化が確実であり、しかも必要な磁束を発生する機能と可動コイル体20のガイド体としての機能を兼ねるため、簡素で、小型化に適した構造となっている。また、非磁性パイプ13として摩擦の少ない材質を用いることで、可動コイル体20の動きの円滑化を図ることができる。
【0035】
図6乃至図7は本発明の第2の実施の形態を示す。このディスク装置用リニアアクチュエータは、左右2個のリニアアクチュエータ本体40で光ピックアップ、磁気ヘッドの少なくとも一方を有する移動ユニット30を直線移動させるものである。各リニアアクチュエータ本体40は、2個の円柱状永久磁石41A,41B及びそれらに挟まれた軟磁性体の円柱状ポールピース42を同軸上に連結、一体化した界磁体45と、該界磁体45の外周をその軸方向に直線移動(摺動)自在なボビン51に駆動コイル52を巻装してなる可動コイル体50と、前記界磁体45の両端面にそれぞれ設けられたサイドヨーク55と、前記可動コイル体50の本体部分(駆動コイルを巻回した部分)の移動空間を残して前記界磁体45の外側を囲む如く配置されていて界磁体45の両側のサイドヨーク55同士を接続する外部ヨーク56と、両端がサイドヨーク55に固定されたガイド軸27とを備えている。
【0036】
前記永久磁石41A,41Bは、例えば、小型で強力な磁力を発生可能な円柱状希土類永久磁石である。鉄等の円柱状の軟磁性体で形成されたポールピース42は永久磁石41A,41Bよりも多少大径であり、その両端面に外縁よりも凹んだザグリ部42aが形成されている。そして、ポールピース42を挟み込む如く、同極対向の永久磁石41A,41Bの端面がザグリ部42aに吸着、保持されている。ポールピース42の両端面にザグリ部42aを形成したことにより、非磁性パイプ等を使用しなくとも、永久磁石41A,41Bとポールピース42相互の位置ずれ、ポールピース42の脱落を防止することができる。なお、界磁体45の軸方向(可動コイル体50が直線移動する長手方向)と永久磁石41A,41Bの磁化方向とが一致している。
【0037】
前記界磁体45が有する円柱状ポールピース42の外周に沿って摺動自在な可動コイル体50が有するボビン51は、例えば、耐摩耗性、摺動性に優れた絶縁樹脂製であり、ポールピース42の外周面を環状に囲みかつ両端に鍔51aを持つ断面がコ字状である。可動コイル体50はボビン51の鍔51a間に駆動コイル52を巻装した構造を持つものである。これらのコイル52は前記界磁体45の外側を周回する向きにボビン51に巻かれている。このボビン51の両側の鍔51aには、可動コイル体50の動きを外部に出力するための出力取出し部(ジョイント部)51bがそれぞれ一体に形成され、ここに前記ガイド軸27に対する軸受部51cが形成されている。
【0038】
前記サイドヨーク55及び外部ヨーク56は磁気回路のパーミアンス向上(磁気抵抗の低減)と、磁気漏洩を防止するために設けられているものである。外部ヨーク56は鉄板等の軟磁性体で円筒状に形成したもので、界磁体45の周囲を可動コイル体50の移動空間を隔てて囲むものであり、外部ヨーク56の両端には同材質のサイドヨーク55が接続、固定されている。サイドヨーク55の内面には、永久磁石41A,41Bの同極対向している磁極の反対側磁極が当接し、固着されている。
【0039】
各サイドヨーク55は、移動ユニット30の左右両側のリニアアクチュエータ本体40に対して共通に用いられており、2個のリニアアクチュエータ本体40を一体化するとともにガイド軸27を固定するためのホルダーを兼ねた構造となっている。すなわち、サイドヨーク55で各リニアアクチュエータ本体40のガイド軸27が相互に平行かつ界磁体45に対し平行に固定支持されており、サイドヨーク55の中間部に取付穴58を有する取付部59が形成されている。
【0040】
なお、可動コイル体50が界磁体45の軸方向に移動することに伴ってジョイント部51bが通過する部分、すなわち可動コイル体50の可動範囲におけるジョイント部51bの移動部分には、外部ヨーク56に対して切割(切欠)56aが形成されている。
【0041】
なお、その他の構成部分は前述した第1の実施の形態と同様である。
【0042】
この第2の実施の形態によれば、界磁体45のポールピース42の両端面にザグリ部42aを形成したことにより、非磁性パイプ等を使用しなくとも、永久磁石41A,41Bとポールピース42相互の位置ずれ、ポールピース42の脱落を防止することができ、部品点数の削減、組立工数の削減も可能である。
【0043】
図8はリニアアクチュエータ本体に用いる界磁体の変形例であり、2個の同極対向の永久磁石61A,61B及びこれらと同径の軟磁性体のポールピース62を、非磁性金属又は樹脂製の平板を筒状に加工した巻ブッシュ63で覆って保持一体化したものである。各永久磁石及びポールピースの断面を方形にすれば前述の第1の実施の形態における界磁体として使用でき、各永久磁石及びポールピースの断面を円形にすれば前述の第2の実施の形態における界磁体として使用できることは明らかである。この場合、完全なパイプ形状とするよりも巻ブッシュ63とした方が材質によっては製造容易となり、コスト低減を図ることができる。
【0044】
図9はリニアアクチュエータ本体に用いる界磁体の変形例であり、2個の同極対向の永久磁石61A,61B及びこれらと同径の軟磁性体のポールピース62を、熱収縮チューブ64で覆って保持一体化したものである。各永久磁石及びポールピースの断面を方形にすれば前述の第1の実施の形態における界磁体として使用でき、各永久磁石及びポールピースの断面を円形にすれば前述の第2の実施の形態における界磁体として使用できることは明らかである。この場合、熱収縮チューブ64の熱収縮性を利用して永久磁石61A,61B及びポールピース62の3者をがたつきなく保持でき、製造コスト低減にも有効である。
【0045】
上記第1又は第2の実施の形態では、いずれも移動ユニット30の左右両側にリニアアクチュエータ本体10,40を配置したが、1個のリニアアクチュエータ本体10,40で移動ユニット30を駆動する構成とすることができる。この場合、可動コイル体20,50のジョイント部に移動ユニット30の延長アーム部を固着一体化するジョイント構造等とすることができる。
【0046】
上記第1又は第2の実施の形態では、いずれも可動コイル体20,50のボビン21,51に一体に形成されたジョイント部21b,51bがガイド軸27の外周に対して摺動する軸受構造を有するが、逆に可動コイル体のボビンが界磁体15,45の外周を環状に囲んで摺動する軸受構造を持ち、かつ当該可動コイル体はガイド軸27の外周面に微小面積で接する回り止め構造を持つ構成としてもよい。
【0047】
なお、可動コイル体の出力取出し部としてのジョイント部をボビンの鍔に一体に形成したが、ボビンとは別部品のアーム状部材を可動コイル体のボビン等に固着、連結等で取り付けるようにしても差し支えない。
【0048】
また、外部ヨークの一端にサイドヨークを予め一体に作製しておくこともできる。
【0049】
さらに、移動ユニット30の両側のリニアアクチュエータ本体10,40のサイドヨークを共通に用いてガイド軸27を固定支持するホルダー兼用としたが、ガイド軸27を固定支持するホルダーの両側に各リニアアクチュエータ本体のサイドヨークを固着する構造とすることも可能である。
【0050】
なお、第2の実施の形態において、サイドヨーク55にも永久磁石端部が嵌入するザグリ部を形成してもよい。
【0051】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るディスク装置用リニアアクチュエータは、同極対向された2個の永久磁石間に軟磁性体のポールピースを同軸上に設けた構造を有する界磁体と、該界磁体の軸方向に直線移動自在であって当該界磁体の外側を周回するように駆動コイルを巻回した可動コイル体と、前記界磁体の両端面にそれぞれ設けられたサイドヨークと、前記可動コイル体の外側を囲む如く前記サイドヨーク間を接続する外部ヨークとを有するリニアアクチュエータ本体を備えており、前記界磁体、サイドヨーク及び外部ヨークで磁気回路を構成することで、前記駆動コイル全周に対して前記界磁体による磁束を鎖交させることができる。
【0053】
従って、推力の大幅向上を図ることができ、前記可動コイル体の直線運動により光ピックアップ、磁気ヘッドの少なくとも一方を有する移動ユニットを所定方向に高速で直線移動させることができる。
【0054】
また、前記界磁体の形状は設計上の自由度が大きく、例えば、角柱状、円柱状、偏平板形状等とすることができ、偏平、薄型形状としても推力低下がなく、多様なディスク装置に使用できる。
【0055】
さらに、前記界磁体の周囲は外部ヨーク及びサイドヨークで実質的に閉塞されており、磁気シールド効果が高く、漏洩磁束は少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスク装置用リニアアクチュエータの第1の実施の形態の一部を断面とした平面図である。
【図2】同じく一部を断面とした側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のリニアアクチュエータ本体の磁気回路と従来の可動コイル型リニアアクチュエータの磁気回路とを対比して示す説明図である。
【図4】従来の可動コイル型リニアアクチュエータの推力特性を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施の形態のリニアアクチュエータ本体の推力特性を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す一部を断面とした平面図である。
【図7】同じく一部を断面とした側面図である。
【図8】本発明で使用可能な界磁体の変形例を示す分解斜視図である。
【図9】本発明で使用可能な界磁体の他の変形例を示す斜視図である。
【図10】従来の光ピックアップ駆動用リニアアクチュエータの平面図である。
【図11】従来の光ピックアップ駆動用リニアアクチュエータの正断面図である。
【符号の説明】
1,11A,11B,41A,41B,61A,61B 永久磁石
2 磁気回路
3 センターヨーク
4 コイル
5 光ピックアップユニット
10,40 リニアアクチュエータ本体
12,42,62 ポールピース
13 非磁性パイプ
15,45 界磁体
20,50 可動コイル体
21,51 ボビン
22,52 駆動コイル
25,55 サイドヨーク
26,56 外部ヨーク
27 ガイド軸
30 移動ユニット
31,32 延長アーム部
63 巻ブッシュ
64 熱収縮チューブ

Claims (6)

  1. 同極対向された2個の永久磁石間に軟磁性体のポールピースを同軸上に設けた構造を有する界磁体と、該界磁体の軸方向に直線移動自在であって当該界磁体の外側を周回するように駆動コイルを巻回した可動コイル体と、前記界磁体の両端面にそれぞれ設けられた軟磁性体のサイドヨークと、前記可動コイル体の外側を囲む如く前記サイドヨーク間を接続する軟磁性体の外部ヨークとを有するリニアアクチュエータ本体を備え、
    前記外部ヨークは前記界磁体の周囲を前記可動コイル体の移動空間を隔てて筒状に囲みかつ前記可動コイル体のジョイント部の移動部分に切欠を有しており、前記界磁体、サイドヨーク及び外部ヨークで磁気回路を構成して、前記駆動コイル全周に対して前記界磁体による磁束を鎖交させ、前記可動コイル体の直線運動により光ピックアップ、磁気ヘッドの少なくとも一方を有する移動ユニットを所定方向に直線移動させることを特徴とするディスク装置用リニアアクチュエータ。
  2. 前記リニアアクチュエータ本体が前記移動ユニットの両側にそれぞれ配設され、両方のリニアアクチュエータ本体のサイドヨーク同士を一体に形成するか、あるいは前記サイドヨーク同士をホルダーで連結一体化してなる請求項1記載のディスク装置用リニアアクチュエータ。
  3. 前記移動ユニットの一方の側に配設されたリニアアクチュエータ本体が有する永久磁石と、他方の側に配設されたリニアアクチュエータ本体が有する永久磁石とが相互に引き合う向きに配列されている請求項2記載のディスク装置用リニアアクチュエータ。
  4. 前記ポールピースの両端面に外縁よりも凹んだザグリ部を形成し、前記永久磁石が前記ザグリ部に吸着保持されている請求項1,2又は3記載のディスク装置用リニアアクチュエータ。
  5. 前記界磁体を構成する2個の永久磁石及びポールピースを非磁性金属又は樹脂製のパイプ又は巻ブッシュで覆って保持した請求項1,2又は3記載のディスク装置用リニアアクチュエータ。
  6. 前記界磁体を構成する2個の永久磁石及びポールピースを熱収縮チューブで覆って保持した請求項1,2又は3記載のディスク装置用リニアアクチュエータ。
JP11530096A 1996-04-15 1996-04-15 ディスク装置用リニアアクチュエータ Expired - Fee Related JP3669393B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11530096A JP3669393B2 (ja) 1996-04-15 1996-04-15 ディスク装置用リニアアクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11530096A JP3669393B2 (ja) 1996-04-15 1996-04-15 ディスク装置用リニアアクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09285098A JPH09285098A (ja) 1997-10-31
JP3669393B2 true JP3669393B2 (ja) 2005-07-06

Family

ID=14659230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11530096A Expired - Fee Related JP3669393B2 (ja) 1996-04-15 1996-04-15 ディスク装置用リニアアクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3669393B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3683199B2 (ja) * 2001-03-16 2005-08-17 松下電器産業株式会社 リニアモータ
JP6023691B2 (ja) * 2013-11-18 2016-11-09 日本電産コパル株式会社 振動アクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09285098A (ja) 1997-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3863429B2 (ja) リニア振動アクチュエータ
JP5766748B2 (ja) リニアアクチュエータ
KR20060003092A (ko) 왕복직선구동 액츄에이터 및 그를 이용한 전동칫솔
JP2009545867A (ja) 電磁駆動装置
JP3348124B2 (ja) 可動磁石式アクチュエータ
JP2016509829A (ja) 双安定電磁アクチュエータおよび外科器具
US6877391B2 (en) Gear change device
JPS5827749B2 (ja) リニアモ−タ
JP3669393B2 (ja) ディスク装置用リニアアクチュエータ
JPH079081U (ja) 可動磁石式アクチュエータ
JP5168714B2 (ja) アクチュエータ
KR100407893B1 (ko) 솔레노이드와 영구자석을 이용한 직선구동장치
JP2009273224A (ja) リニアアクチュエータ
WO2002069479A1 (en) Long stroke linear voice coil actuator with the proportional solenoid type characteristic
JP4924914B2 (ja) アウタ可動型リニアアクチュエータ
KR100407897B1 (ko) 기동자석형 vcm을 이용한 정밀 액츄에이터스테이지장치
JP3669389B2 (ja) 可動コイル型リニアアクチュエータ
JP3680182B2 (ja) 可動コイル型リニアアクチュエータ
JP3818910B2 (ja) 磁石可動型電磁アクチュエータ
JPH07303363A (ja) リニアアクチュエータ
JP4692713B2 (ja) リニアアクチュエータ
JP4744734B2 (ja) 開閉装置用電磁駆動機構
JP2002112519A (ja) 電磁往復駆動装置
JPH0644385U (ja) 可動磁石式アクチュエータ
JPH08163850A (ja) 単極形リニア直流モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080422

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100422

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees