JP4744734B2 - 開閉装置用電磁駆動機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、開閉装置の駆動機構に関するものであり、特に、電磁力を利用した駆動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来の開閉装置用電磁駆動機構の構成を示す断面図である。図10において、開閉装置用電磁駆動機構101は、往復移動させて固定接点(図示しない)に接離させる可動接点(図示しない)に連結された可動軸102と、この可動軸102を囲むように設けられた環状の上部駆動コイル103及び下部駆動コイル104と、これら上部駆動コイル103及び下部駆動コイル104の間に設けられた永久磁石105と、可動軸102が摺動可能に貫通し、上部駆動コイル103、下部駆動コイル104及び永久磁石105を囲っている継鉄106とを備えている。
【0003】
可動軸102は、上部駆動コイル103及び下部駆動コイル104の共通する中心軸線上で往復移動する可動鉄心部107と、この可動鉄心107が往復移動する方向に可動鉄心部107から延びる可動軸部108とから構成されている。可動鉄心部107は、継鉄106内で往復移動可能に配置されている。可動軸部108は、継鉄106に設けられた可動軸貫通孔106aに貫通され、可動鉄心部107とともに往復移動するようになっている。
【0004】
上部駆動コイル103は、下部駆動コイル104よりも可動接点側に設けられており、上部駆動コイル103及び下部駆動コイル104に通電することにより、可動鉄心部107及び可動軸部108を移動させ可動接点及び固定接点を接離させるようになっている。また、上部駆動コイル103は可動鉄心部107の上部側面を囲むように設けられ、下部駆動コイル104は可動鉄心部107の下部側面を囲むように設けられている。
【0005】
永久磁石105は、可動鉄心部107及び継鉄106の間に、可動鉄心部107の軸線を中心に同一極(例えばN極)が向かい合うように配設されている。この永久磁石105の可動鉄心部107側には、内部継鉄110が可動鉄心部107の側面に対向するように設けられており、永久磁石105からの磁束が通る磁路を形成している。
【0006】
継鉄106は、可動軸102が往復移動する方向に垂直な方向に複数の鉄板が積層されて形成されたものである。従って、図10ではそのうちの1枚の鉄板のみが示されている。この継鉄106は、上部駆動コイル103側の上辺部106bと、下部駆動コイル104側の下辺部106cとを有し、上辺部106bには、可動軸102が貫通する可動軸貫通孔106aが設けられている。
【0007】
図10は、可動鉄心部107が継鉄106の下辺部106cに当接している状態、即ち固定接点及び可動接点が互いに離れている開極状態を示している図であるが、この状態において、可動鉄心部107の両側に互いにN極を対向させて永久磁石105が配置されているので、上部駆動コイル103の周囲には、永久磁石105、内部継鉄110、可動鉄心部107、上辺部106b及び継鉄106の側辺部を通る一点線で示す磁路が形成され、下部駆動コイル104の周囲には、永久磁石105、内部継鉄110、可動鉄心部107、下辺部106c及び継鉄106の側辺部を通る一点線で示す磁路が形成されている。上部駆動コイル103の周囲に形成された磁路には、可動鉄心部107と上辺部106bとの間に、下部駆動コイル104の周囲に形成された磁路には見られない空間であるギャップ111が存在しており、このギャップ111により磁気抵抗が大きくなるので、永久磁石105からの磁束の多くは、矢印の向きに内部継鉄110を通って可動鉄心部107内で下辺部106cに向かい、下辺部106c、継鉄106の側辺部を通って永久磁石105に戻るという下部駆動コイル104の周囲に形成される磁路を通る。従って、可動鉄心部107は、下部駆動コイル106cの周囲に形成された磁路を通る磁束により下辺部106cに吸引されて開極状態を保持している。
【0008】
また、上部駆動コイル103は、通電されると、上部駆動コイル103の周囲に形成されている磁路内を通る永久磁石105の磁束と同一の向きの磁束を発生するように構成され、下部駆動コイル104は、通電されると、下部駆動コイル104の周囲に形成されている磁路内を通る永久磁石105の磁束と同一の向きの磁束を発生するように構成されている。
【0009】
次に、動作について説明する。図10の可動鉄心部107が下辺部106cに吸着された状態、即ち開極状態から閉極状態への閉極動作は、以下のようにして行われる。まず、上部駆動コイル103に通電される。この通電により上部駆動コイル103の周囲に永久磁石105の磁束と同一の向きに磁束が発生する。この上部駆動コイル103の磁束が永久磁石105の磁束に上乗せされて、上部駆動コイル103周囲の磁路における磁束が下部駆動コイル104周囲の磁路における磁束より多くなり、可動鉄心部107が下辺部106cから離れて上辺部106bに移動し、これに伴って、可動軸部108及び可動接点も固定接点に向かって移動する。可動鉄心部107が上辺部106bに到達し可動接点が固定接点に当接して閉極状態になると、可動鉄心部107と下辺部106cとの間に空間のギャップができ、下部駆動コイル104周囲の磁路にギャップが存在することとなり、この磁路の磁気抵抗が大きくなる。逆に、上部駆動コイル103周囲の磁路には、可動鉄心部107と上辺部106bとの間に空間であるギャップ111が無くなるので磁気抵抗が小さくなる。従って、上部駆動コイル103の通電を停止しても、永久磁石105の磁束の多くは、磁気抵抗の小さい上部駆動コイル103の周囲を通り、可動鉄心部107が上辺部106bに吸着された状態を保持し、閉極状態が保持される。
【0010】
閉極状態から開極状態への開極動作は閉極動作と同様の原理に基づいて行われる。即ち、まず下部駆動コイル104に通電される。この通電により下部駆動コイル104の周囲に永久磁石105の磁束と同一の向きに磁束が発生する。この下部駆動コイル104の磁束が永久磁石105の磁束に上乗せされて、下部駆動コイル104周囲の磁路における磁束が上部駆動コイル103周囲の磁路における磁束より多くなり、可動鉄心部107が上辺部106bから離れて下辺部106cに移動し、これに伴って、可動軸部108及び可動接点も固定接点から離れる向きに移動する。可動鉄心部107が下辺部106cに到達し開極状態、即ち図10の状態に戻ると、可動鉄心部107と上辺部106bとの間に空間のギャップ111ができ、上部駆動コイル103周囲の磁路にギャップ111が存在することとなり、この磁路の磁気抵抗が大きくなる。逆に、下部駆動コイル104周囲の磁路には、可動鉄心部107と下辺部106cとの間に空間であるギャップが無くなるので磁気抵抗が小さくなる。従って、下部駆動コイル104の通電を停止しても、永久磁石105の磁束の多くは、磁気抵抗の小さい下部駆動コイル104の周囲を通り、可動鉄心部107が下辺部106cに吸着された状態を保持し、開極状態が保持される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の開閉装置用電磁駆動機構101は、開極動作及び閉極動作の両動作を行うために、高価な上部駆動コイル103及び下部駆動コイル104が2つ必要であり、これら駆動コイルを2つ用いることにより製造コストが高くなり、また、体積が大きくなるという問題点があった。
【0012】
そこでこの発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするもので、駆動コイルを1つにして安価であるとともに、コンパクトな開閉装置用電磁駆動機構を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る開閉装置用電磁駆動機構は、可動接点を往復移動させて前記可動接点を固定接点に接離させる開閉装置用電磁駆動機構であって、前記可動接点に連結される可動軸と、前記可動軸を囲むように設けられた環状の駆動コイルと、前記可動軸の軸線方向について互いに離して配置されているとともに前記可動軸に向かってそれぞれ延設されている第1A継鉄部及び第1B継鉄部を有し、前記駆動コイルが前記第1A継鉄部と前記第1B継鉄部との間に配置された第1継鉄と、前記第1継鉄に設けられた第1永久磁石と、前記可動軸の軸線方向について互いに離して配置されているとともに前記可動軸に向かってそれぞれ延設されている第2A継鉄部及び第2B継鉄部を有し、前記駆動コイルが前記第2A継鉄部と前記第2B継鉄部との間に配置され、前記第1継鉄から離れている第2継鉄と、前記第2継鉄に設けられた第2永久磁石とを備え、前記第1A継鉄部及び前記第2A継鉄部のそれぞれの位置は、前記可動軸の軸線方向について、前記第1B継鉄部の位置と前記第2B継鉄部の位置との間にあるとともに、前記駆動コイルの位置は、前記可動軸の軸線方向について、前記第1A継鉄部の位置と前記第2A継鉄部の位置との間にあり、前記可動軸、前記第1継鉄及び前記第1永久磁石により、前記駆動コイルに鎖交する第1磁路が形成され、前記第1磁路が存在する面と異なる面上で前記駆動コイルに鎖交するとともに前記可動軸において前記第1磁路の磁束の向きと逆向きの磁束を有する第2磁路が形成されるように前記可動軸、前記第2継鉄及び前記第2永久磁石が配設されており、前記第1磁路及び前記第2磁路はそれぞれギャップを有し、前記可動接点及び前記固定接点の接離に対応して、前記第1磁路又は前記第2磁路の一方の磁路のギャップが他方の磁路のギャップより大きくなるようになっており、前記駆動コイルは、通電されることにより前記他方の磁路の磁束を打ち消しつつ前記一方の磁路の磁束を増加させる磁束を発生し、前記可動軸を移動させるようになっている。
【0014】
また、前記可動軸は、可動軸部と、前記可動軸部の径方向の寸法が大きい可動鉄心部からなり、前記第1永久磁石は、前記第1A継鉄部の端部に設けられるとともに前記可動鉄心部の側面と対向させて配置され、前記第1継鉄は、前記第1B継鉄部に前記可動鉄心部の一端面に対向する第1対向面を有し、前記第2永久磁石は、前記第2A継鉄部の端部に設けられるとともに前記可動鉄心部の側面と対向させて配置され、前記第2継鉄は、前記第2B継鉄部に前記可動鉄心部の他端面に対向する第2対向面を有しており、前記一端面及び前記第1対向面の間又は前記他端面及び前記第2対向面の間どちらか一方で前記一方の磁路のギャップを形成している。
【0015】
また、前記第1永久磁石は、互いに永久磁石の同一極が前記可動軸を介して対向する第1永久磁石対を構成し、前記第1永久磁石対の各前記第1永久磁石が前記第1継鉄の各前記第1A継鉄部に設けられ、前記第2永久磁石は、互いに永久磁石の同一極が前記可動軸を介して対向する第2永久磁石対を構成し、前記第2永久磁石対の各前記第2永久磁石が前記第2継鉄の各前記第2A継鉄部に設けられている。
【0016】
また、前記第1継鉄は、前記可動軸に固定された第1B継鉄部を有する第1可動継鉄部と、前記第1A継鉄部及び前記第1可動継鉄部の端面に対向する第1固定対向面を有する第1固定継鉄部とを有し、前記第2継鉄は、前記可動軸に固定された第2B継鉄部を有する第2可動継鉄部と、前記第2A継鉄部及び前記第2可動継鉄部の端面に対向する第2固定対向面を有する第2固定継鉄部とを有しており、前記第1可動継鉄部及び前記第1固定対向面の間又は前記第2可動継鉄部及び前記第2固定対向面の間のどちらか一方で前記一方の磁路のギャップを形成している。
【0017】
また、前記第1可動継鉄部の端面及び前記第1固定対向面の各面積と、前記第2可動継鉄部の端面及び前記第2固定対向面の各面積とがともに大きくなっている。
【0018】
また、前記第1永久磁石は、第1固定継鉄部に内在し、前記第2永久磁石は、第2固定継鉄部に内在している。
【0019】
また、前記駆動コイル及び前記第1永久磁石の間に磁性体を介在させたものである。
【0020】
また、前記駆動コイル及び前記第2永久磁石の間に磁性体を介在させたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る開閉装置用電磁駆動機構の構成を示す斜視図である。図1において、開閉装置用電磁駆動機構1は、可動接点(図示しない)を往復移動させてこの可動接点を固定接点(図示しない)に接離させるものであって、可動接点に連結された可動軸2と、この可動軸2を囲むように設けられた環状の駆動コイル3と、可動軸2に向かって延設されているとともに間に駆動コイル3が介在した第1A継鉄部4及び第1B継鉄部5を有する第1継鉄6と、この第1継鉄6に設けられた第1永久磁石7と、可動軸2に向かって延設されているとともに間に駆動コイル3が介在した第2A継鉄部8及び第2B継鉄部9を有する第2継鉄10と、この第2継鉄10に設けられた第2永久磁石11とを備えている。
【0022】
可動軸2は、可動接点に連結された可動軸部12と、可動軸部12と中心軸線が同一で可動軸部12より径方向に寸法が大きい可動鉄心部13とを有している。可動軸部12は、可動鉄心部13を貫通してこの可動鉄心部13に固定されており、可動鉄心部13とともに可動軸2の軸線方向に移動するようになっている。可動鉄心部13は、直方体であり、その長手方向に可動軸部12が貫通されて固定されている。
【0023】
駆動コイル3は、可動鉄心部13の中間部の周囲を囲むように設けられている。また、駆動コイル3は、図示しない電源に電気的に接続されており、この電源から通電されることにより磁束を発生するようになっている。
【0024】
第1継鉄6は、例えば鉄製の磁性体である。この第1継鉄6は、可動鉄心部13の一端面13a側で可動軸2の軸線にほぼ垂直方向に可動軸部12に向かって延設された第1B継鉄部5が2つ互いに結合されて一体となって形成されており、この結合部分で可動軸部12が摺動可能に貫装されている。この第1B継鉄部5は可動鉄心部13の一端面13aに対向する第1対向面5aを有しており、可動鉄心部13の一端面13a及び第1対向面5aが接離するようになっている。また、第1A継鉄部4は、この2つの第1B継鉄部5のそれぞれと駆動コイル3の外側で第1側辺部14を介して一体となっており、駆動コイル3が設けられている箇所より可動鉄心部13の他端面13b側の両側面に向かって延設されている。
【0025】
第1永久磁石7は、各第1A継鉄部4の端部に1つずつ設けられており、可動鉄心部13の相対する側面にそれぞれ隙間を介して対向するような第1永久磁石対を構成している。また、この各第1永久磁石7は、それぞれ可動鉄心部13の側面に対して同一極(例えば、N極)を対向させて設けられている。
【0026】
第2継鉄10は、例えば鉄製の磁性体である。この第2継鉄10は、可動鉄心部13の他端面13b側で可動軸2の軸線に垂直方向に可動軸部12に向かって延設された2つの第2B継鉄部9が互いに結合されて一体となって形成されており、この第2B継鉄部9の結合部分で可動軸部12が摺動可能に貫装されている。この第2B継鉄部9は可動鉄心部13の他端面13bに対向する第2対向面9aを有しており、可動鉄心部13の他端面13b及び第2対向面9aが接離するようになっている。また、第2A継鉄部8は、この2つの第2B継鉄部9のそれぞれと駆動コイル3の外側で第2側辺部17を介して一体となっており、駆動コイル3が設けられている箇所より可動鉄心部13の一端面13a側の両側面に向かって延設されている。なお、第2B継鉄部9及び第2A継鉄部8は、それぞれ第1B継鉄部5及び第1A継鉄部4にほぼ垂直になっている。
【0027】
第2永久磁石11は、各第2A継鉄部8の端部に1つずつ設けられており、可動鉄心部13の相対する側面にそれぞれ隙間を介して対向するような第2永久磁石対を構成している。また、この各第2永久磁石11は、それぞれ可動鉄心部13の側面に対して同一極(例えば、N極)を対向させて設けられている。なお、第2永久磁石11は、第1永久磁石7が対向している可動鉄心部13の側面と異なる側面に対向し、この側面に対向する極は第1永久磁石7と同一となっている。
【0028】
図2は、図1の可動軸2の軸線を含むyz平面における断面図であり、図3は図1の可動軸2の軸線を含むxz平面における断面図である。また、図1乃至図3における開閉装置用電磁駆動機構1は可動鉄心部13の一端面13aが第1継鉄6の第1対向面5aにほぼ当接し可動接点及び固定接点が当接した状態、即ち閉極状態にある。図2において、第1永久磁石7による磁束は、矢印20の向きに第1永久磁石7、可動鉄心部13及び第1継鉄6により形成されている第1磁路21を通っている。図3において、第2永久磁石11による磁束は、矢印22の向きに第2永久磁石11、可動鉄心部13及び第2継鉄10により形成されている第2磁路23を通っている。従って、可動鉄心部13の内部を通る第1永久磁石7による磁束と第2永久磁石11による磁束とは逆向きになっている。図2及び図3において、閉極状態では可動鉄心部13は一端面13aが第1継鉄6の第1対向面5aにほぼ当接し、可動鉄心部13と第1永久磁石7との間に隙間があるため第1磁路21にはある程度のギャップは存在しているが、他端面13b及び第2対向面9aの間に十分大きな空間部分が存在しているため、この部分が第1磁路21に存在するギャップに比べて十分大きいギャップ24となって第2磁路23に存在していることになる。従って、このギャップ24が大きな磁気抵抗となり、第2磁路23には、第1磁路21を通っている磁束より少ない磁束しか通っていない。このため、第1磁路21上にある一端面13aと第1対向面5aとが互いに吸着し続け、閉極状態が保持されている。
【0029】
次に、図2及び図3を用いて、開閉装置用電磁駆動機構1の動作について説明する。図2及び図3の閉極状態から開極状態に移行する開極動作は、以下のように行われる。まず、第2磁路23の矢印22で示される第2永久磁石11による磁束の向きと同一の向きに磁束が発生するように、駆動コイル3に通電される。この通電により第2磁路23に矢印22の向き、即ち第2永久磁石11による磁束の向きと同一の向きに磁束が発生し、同時に、第1磁路21に矢印20の向き、即ち第1永久磁石7による磁束の向きと逆向きに磁束が発生する。このような駆動コイル3による磁束の発生により、第2磁路23では、第2永久磁石11による磁束にこの駆動コイル3による磁束が上乗せされて、第2磁路23を通る磁束は増加し、第1磁路21では、第1永久磁石7による磁束の向きと駆動コイル3による磁束の向きとが逆であるため打ち消し合い、第1磁路21を通る磁束は減少する。
【0030】
第2磁路23を通る磁束が第1磁路21を通る磁束を上回ると、可動鉄心部13は、第2対向面9aに向かって移動し、他端面13bが第2対向面9aに当接する。これに伴って、可動軸部12も可動接点が固定接点から離れて開極する。従って、他端面13bと第2対向面9aとの間の空間部分が小さくなり、逆に一端面13aと第1対向面5aとの間の空間部分が大きくなるので、第2磁路23に存在していたギャップ24が減少し、この空間部分により第1磁路21のギャップが増加する。このため、第2磁路23を通る磁束が第1磁路21を通る磁束より多くなり、他端面13bが第2対向面9aに当接した状態、即ち開極状態を保持する。
【0031】
開極状態から閉極状態に移行する閉極動作は、開極動作と同様の原理で行われる。即ち、まず第1磁路21の矢印20で示される第1永久磁石7による磁束の向きと同一の向きに磁束が発生するように、駆動コイル3に通電される。この通電により第1磁路21に矢印20の向き、即ち第1永久磁石7による磁束の向きと同一の向きに磁束が発生し、同時に、第2磁路23に矢印22の向き、即ち第2永久磁石11による磁束の向きと逆向きに磁束が発生する。このような駆動コイル3による磁束の発生により、第1磁路21では、第1永久磁石7による磁束にこの駆動コイル3による磁束が上乗せされて、第1磁路21を通る磁束は増加し、第2磁路23では、第2永久磁石11による磁束の向きと駆動コイル3による磁束の向きとが逆であるため打ち消し合い、第2磁路23を通る磁束は減少する。
【0032】
第1磁路21を通る磁束が第2磁路23を通る磁束を上回ると、可動鉄心部13は、第1対向面5aに向かって移動し、一端面13aが第1対向面5aに当接する。これに伴って、可動軸部12も可動接点が固定接点に向かって移動当接し、閉極する。従って、一端面13aと第1対向面5aとの間の空間部分が小さくなり、逆に他端面13bと第2対向面9aとの間に空間部分が大きくなるので、第1磁路21に存在していたギャップが減少し、この空間部分により第2磁路23のギャップが増加して第2磁路23にギャップ24が発生する。このため、第1磁路21を通る磁束が第2磁路23を通る磁束より多くなり、一端面13aが第1対向面5aに当接した状態、即ち閉極状態を保持する。
【0033】
従って、開閉装置用電磁駆動機構1は、1つの駆動コイル3により開極動作及び閉極動作の両動作を行うことができ、従来例に比べて高価な駆動コイルが少なくなっているので、コンパクトになるとともにコスト低減できる。
【0034】
なお、上記実施の形態では、第1継鉄6は第1A継鉄部4、第1B継鉄部5及び第1側辺部14及び第1永久磁石7を2つずつ用いて、可動鉄心部13の両側に設けられているが、第1A継鉄部4、第1B継鉄部5及び第1側辺部14及び第1永久磁石7を1つずつ用いて、可動鉄心部13の片側だけに設けられた構成としても、同様に第1磁路21を形成するので構わない。
【0035】
また、第2A継鉄部8、第2B継鉄部9及び第2側辺部17及び第2永久磁石11を1つずつ用いて、可動鉄心部13の片側だけに設けられた構成としても、同様に第2磁路23を形成するので構わない。
【0036】
また、第1継鉄6及び第2継鉄10は、この第1継鉄6及び第2継鉄10に発生する渦電流を防止するため複数の鉄板が積層された積層体であってもよい。
【0037】
また、上記実施の形態では、第1永久磁石7は第1A継鉄部4の端部に設けられているが、第1永久磁石7は第1継鉄6のどの箇所に設けられても、第1永久磁石7が第1磁路21を通る磁束を発生するので構わない。
【0038】
また、第2永久磁石11は第2継鉄10のどの箇所に設けられても、第2永久磁石11が第2磁路23を通る磁束を発生するので構わない。
【0039】
実施の形態2.
以下、実施の形態1のものと同一又は同等部材、部位は、同一符号を付して説明する。
【0040】
図4は、この発明の実施の形態2に係る開閉装置用電磁駆動機構の構成を示す斜視図である。図4において、第1継鉄6は、可動鉄心部13に固定された第1可動継鉄部30と、この第1可動継鉄部30の端面である第1可動端面30aに対向する第1固定対向面31aを有する第1固定継鉄部31とを有し、第2継鉄10は、可動鉄心部13に固定された第2可動継鉄部32と、この第2可動継鉄部32の端面である第2可動端面32aに対向する第2固定対向面33aを有する第2固定継鉄部33を有している。
【0041】
第1可動継鉄部30は、駆動コイル3の外側の第1側辺部14と第1A継鉄部4とが一体となったものであり、この第1A継鉄部4の端部が可動鉄心部13に固定された構成となっている。また、この第1可動継鉄部30は、第1A継鉄部4が可動鉄心部13の相対する側面に2つ延設されたものであり、可動鉄心部13とともに移動するようになっている。この第1側辺部14の第1固定継鉄部31側の端面が第1可動端面30aとなっている。
【0042】
第1固定継鉄部31は、第1B継鉄部5であり、この端部側面に第1可動端面30aに対向する第1固定対向面31aを有している。第1固定継鉄部31は、2つの第1B継鉄部5が互いに結合されて一体となったものである。この結合部分を可動軸部12が摺動可能に貫通されている。また、この第1固定継鉄部31は、第1永久磁石7を内在しており、それぞれの第1B継鉄部5に可動軸2の軸線を中心に同一極(例えば、N極)が対向するように1つずつ設けられている。
【0043】
第2可動継鉄部32は、駆動コイル3の外側の第2側辺部17と第2A継鉄部8とが一体となったものであり、この第2A継鉄部8の端部が可動鉄心部13に固定された構成となっている。また、この第2可動継鉄部32は、第2A継鉄部8が可動鉄心部13の相対する側面に2つ延設されたものであり、可動鉄心部13とともに移動するようになっている。この第2側辺部17の第2固定継鉄部33側の端面が第2可動端面32aとなっている。
【0044】
第2固定継鉄部33は、第2B継鉄部9であり、この端部側面に第2可動端面32aに対向する第2固定対向面33aを有している。第2固定継鉄部33は、2つの第2B継鉄部9が互いに一体となったものである。この結合部分に可動軸部12が摺動可能に貫通されている。また、この第2固定継鉄部33は、第2永久磁石11を内在しており、それぞれの第2B継鉄部9に可動軸2の軸線を中心に同一極(例えば、N極)が対向するように1つずつ設けられている。なお、この第2永久磁石11が対向する極は各第1永久磁石7が対向する極とも同一となっている。
【0045】
他の構成は実施の形態1と同様となっている。
【0046】
図5は、図4の可動軸2の軸線を含むxz平面における断面図であり、図6は、図4の可動軸2の軸線を含むyz平面における断面図である。また、図4乃至図6における開閉装置用電磁駆動機構1は、第1可動継鉄部30の第1可動端面30aが第1固定継鉄部31の第1固定対向面31aに当接し可動接点及び固定接点が当接した状態、即ち閉極状態にある。図5において、第1永久磁石7による磁束は、矢印35の向きに第1永久磁石7、第1固定継鉄部31、第1可動継鉄部30、可動鉄心部13及び可動軸部12により形成されている第1磁路36を通っている。図6において、第2永久磁石11による磁束は、矢印37の向きに第2永久磁石11、第2固定継鉄部33、可動軸部12、可動鉄心部13及び第2可動継鉄部32により形成されている第2磁路38を通っている。従って、可動鉄心部13の内部を通る第1永久磁石7による磁束と第2永久磁石11による磁束とは逆向きになっている。図5及び図6において、閉極状態では第1可動端面30aが第1固定対向面31aにほぼ当接しているため、第2可動端面32a及び第2固定対向面33aの間に大きな空間部分が存在し、この部分が第1磁路36のギャップより大きなギャップ39となって第2磁路38に存在している。従って、このギャップ39が大きな磁気抵抗となり、第2磁路38には、第1磁路36を通っている磁束より少ない磁束しか通っていない。このため、第1磁路36上にある第1可動端面30aと第1固定対向面31aとが互いに吸着し続け、閉極状態が保持されている。
【0047】
次に、図5及び図6を用いて、開閉装置用電磁駆動機構1の動作について説明する。図5及び図6の閉極状態から開極状態に移行する開極動作は、実施の形態1と同様の原理で以下のように行われる。即ち、まず第2磁路38の矢印37で示される第2永久磁石11による磁束の向きと同一の向きに磁束が発生するように、駆動コイル3に通電される。この通電により第2磁路38に矢印37の向き、即ち第2永久磁石11による磁束の向きと同一の向きに磁束が発生し、同時に、第1磁路36に矢印35の向き、即ち第1永久磁石7による磁束の向きと逆向きに磁束が発生する。このような駆動コイル3による磁束の発生により、第2磁路38では、第2永久磁石11による磁束にこの駆動コイル3による磁束が上乗せされて、第2磁路38を通る磁束は増加し、第1磁路36では、第1永久磁石7による磁束の向きと駆動コイル3による磁束の向きとが逆であるため打ち消し合い、第1磁路36を通る磁束は減少する。
【0048】
第2磁路38を通る磁束が第1磁路36を通る磁束を上回ると、第2可動継鉄部32は、第2固定継鉄部33の第2固定対向面33aに向かって移動し、それとともに可動鉄心部13、可動軸部12、駆動コイル3及び第1可動継鉄部30が第2固定継鉄部33に向かって移動する。その後、第2可動端面32aが第2固定対向面33aにほぼ当接し、可動接点が固定接点から離れた状態となり開極する。従って、第2可動端面32aが第2固定対向面33aにほぼ当接することによって、第2可動端面32aと第2固定対向面33aとの間の空間部分が小さくなり、逆に第1可動端面30aと第1固定対向面31aとの間の空間部分が大きくなるので、第2磁路38に存在していたギャップ39が減少し、第1磁路36に第1可動端面30aと第1固定対向面31aとの間の空間部分によるギャップが増加する。このため、第2磁路38を通る磁束が第1磁路36を通る磁束より多くなり、第2可動端面32aが第2固定対向面33aに当接した状態、即ち開極状態を保持する。
【0049】
閉極動作は、開極動作と同様の原理で行われる。即ち、まず第1磁路36の矢印35で示される第1永久磁石7による磁束の向きと同一の向きに磁束が発生するように、駆動コイル3に通電される。この通電により第1磁路36に矢印35の向き、即ち第1永久磁石7による磁束の向きと同一の向きに磁束が発生し、同時に、第2磁路38に矢印37の向き、即ち第2永久磁石11による磁束の向きと逆向きに磁束が発生する。このような駆動コイル3による磁束の発生により、第1磁路36では、第1永久磁石7による磁束にこの駆動コイル3による磁束が上乗せされて、第1磁路36を通る磁束は増加し、第2磁路38では、第2永久磁石11による磁束の向きと駆動コイル3による磁束の向きとが逆であるため打ち消し合い、第2磁路38を通る磁束は減少する。
【0050】
第1磁路36を通る磁束が第2磁路38を通る磁束を上回ると、第1可動継鉄部30は、第1固定継鉄部31の第1固定対向面31aに向かって移動し、それとともに可動鉄心部13、可動軸部12、駆動コイル3及び第2可動継鉄部32が第1固定継鉄部31に向かって移動する。その後、第1可動端面30aが第1固定対向面31aに当接し、可動接点が固定接点に当接した状態となり閉極する。従って、第1可動端面30aが第1固定対向面31aに当接することによって、第1可動端面30aと第1固定対向面31aとの間の空間部分が小さくなり、逆に第1可動端面32aと第2固定対向面33aとの間の空間部分が大きくなるので、第1磁路36に存在していたギャップが減少し、第2磁路38に第2可動端面32aと第2固定対向面33aとの間の空間部分によるギャップ39が再び増加する。このため、第1磁路36を通る磁束が第2磁路38を通る磁束より多くなり、第1可動端面30aが第1固定対向面31aから離れた状態、即ち閉極状態を保持する。
【0051】
従って、実施の形態1と同様に、開閉装置用電磁駆動機構1は、1つの駆動コイル3により開極動作及び閉極動作の両動作を行うことができ、従来例に比べて高価な駆動コイルが少なくなっているので、コンパクトになるとともにコスト低減できる。
【0052】
なお、第1継鉄6は、第1固定継鉄部31及び第1可動継鉄部30を1つずつ用いて構成され、第1固定継鉄部31に第1永久磁石7が内在するように構成されて、駆動コイル3の片側だけに設けられていても、第1磁路36を形成するので構わない。
【0053】
また、第1永久磁石7は、第1可動継鉄部30に設けられていても、第1磁路を通る磁束を発生するので構わない。
【0054】
また、第2継鉄10は、第2固定継鉄部33及び第1可動継鉄部32を1つずつ用いて構成され、第2固定継鉄部33に第2永久磁石11が内在するように構成されて、駆動コイル3の片側だけに設けられていても、第2磁路38を形成するので構わない。
【0055】
また、第2永久磁石11は、第2可動継鉄部32に設けられていても、第2磁路を通る磁束を発生するので構わない。
【0056】
また、可動鉄心部13は、可動軸2が鉄等の磁性体で第1磁路36及び第2磁路38を形成するだけの十分な断面積を有していれば、無くてもよい。
【0057】
また、可動軸2の往復移動に伴って、第1可動端面30aが第1固定対向面31aに接離するので、第1側辺部14は、第1B継鉄部5と一体となって第1固定継鉄部31を構成してもよいし、第1側辺部14を間で分割して一方が第1A継鉄部4と一体となって第1可動継鉄部30を構成し、他方が第1B継鉄部5と一体となって第1固定継鉄部31を構成してもよい。
【0058】
また、図7は、第1可動端面及び第1固定対向面の面積を大きくした第1継鉄と、第2可動端面及び第2固定対向面の面積を大きくした第2継鉄とを開閉装置用電磁駆動機構に適用した斜視図であるが、図7に示すように、第1可動端面30a及び第1固定対向面31aの面積と、第2可動端面32a及び第2固定対向面33aの面積とを大きくすることにより、小さな第1永久磁石7及び第2永久磁石11による第1可動端面30a及び第1固定対向面31aの吸引力と、第2可動端面32a及び第2固定対向面33aの吸引力とが大きくなるので、第1永久磁石7及び第2永久磁石11により効率的に上記吸引力を発生し、閉極状態及び開極状態を確実に保持することができる。
【0059】
実施の形態3.
図8は、図1の開閉装置用電磁駆動機構1の駆動コイル3及び第1永久磁石7の間に第1磁性体を介在させたときの、可動軸2の軸線を含むyz平面に沿った断面図であり、図9は、図1の開閉装置用電磁駆動機構1の駆動コイル3及び第2永久磁石11の間に第2磁性体を介在させたときの、可動軸2の軸線を含むxz平面に沿った断面図である。
【0060】
図8及び図9において、開閉装置用電磁駆動機構1は、駆動コイル3及び第1永久磁石7の間のみに介在した鉄等の磁性体である第1磁性体40と、駆動コイル3及び第2永久磁石11の間のみに介在した鉄等の磁性体である第2磁性体41とを備えている。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0061】
図8において、第1磁性体40が第1永久磁石7及び駆動コイル3の間に介在されているので、第1永久磁石7によって発生する磁束は第1磁路21及び第1補正磁路42の2つの磁路をそれぞれ矢印43及び矢印44の向きに通っている。また、図9において、同様に第2磁性体41が第2永久磁石11及び駆動コイル3の間に介在されているので、第2永久磁石11によって発生する磁束は第2磁路23及び第2補正磁路45の2つの磁路をそれぞれ矢印46及び矢印47の向きに通っている。従って、実施の形態1と同様の原理により、閉極状態が保持されている。
【0062】
開極動作も実施の形態1と同様の原理により行われるが、駆動コイル3に通電することにより発生する磁束の多くは、第1磁性体40を含む第1駆動磁路48を矢印49の向きに通り、第2磁性体41を含む第2駆動磁路50を矢印51の向きに通るので、駆動コイル3が発生する磁束は、第1永久磁石7及び第2永久磁石11をほとんど通らず、第1永久磁石7及び第2永久磁石11に与える影響が小さい。同様に閉極動作の場合も第1永久磁石7及び第2永久磁石11に与える影響が小さい。
【0063】
従って、第1永久磁石7及び第2永久磁石11が発生する磁束の向きと逆向きの磁束がこの第1永久磁石7及び第2永久磁石11に通って減磁され、第1永久磁石7及び第2永久磁石11の長期信頼性を確保することができなくなることを防止することができる。
【0064】
なお、実施の形態2の開閉装置用電磁駆動機構1の駆動コイル3及び第1永久磁石7の間に第1磁性体40を介在し、駆動コイル3及び第2永久磁石11の間に第2磁性体41を介在しても、同様の効果を奏する。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、この発明に係る開閉装置用電磁駆動機構は、可動接点を往復移動させて前記可動接点を固定接点に接離させる開閉装置用電磁駆動機構であって、前記可動接点に連結された可動軸と、前記可動軸を囲むように設けられた環状の駆動コイルと、前記可動軸に向かって延設されているとともに間に前記駆動コイルが介在した第1A継鉄部及び第1B継鉄部を有する第1継鉄と、前記第1継鉄に設けられた第1永久磁石と、前記可動軸に向かって延設されているとともに間に前記駆動コイルが介在した第2A継鉄部及び第2B継鉄部を有する第2継鉄と、前記第2継鉄に設けられた第2永久磁石とを備え、前記可動軸、前記第1継鉄及び前記第1永久磁石により、前記駆動コイルに鎖交する第1磁路が形成され、前記第1磁路が存在する面と異なる面上で前記駆動コイルに鎖交するとともに前記可動軸において前記第1磁路の磁束の向きと逆向きの磁束を有する第2磁路が形成されるように前記可動軸、前記第2継鉄及び前記第2永久磁石が配設されており、前記第1磁路及び前記第2磁路はそれぞれギャップを有し、前記可動接点及び前記固定接点の接離に対応して、前記第1磁路又は前記第2磁路の一方の磁路のギャップが他方の磁路のギャップより大きくなるようになっており、前記駆動コイルは、通電されることにより前記他方の磁路の磁束を打ち消しつつ前記一方の磁路の磁束を増加させる磁束を発生し、前記可動軸を移動させるようになっているので、1つの前記駆動コイルにより前記可動軸を往復移動させて開閉動作を行うことができ、コンパクトになるとともに安価に製作することができる。
【0066】
また、前記可動軸は、可動軸部と、前記可動軸部の径方向の寸法が大きい可動鉄心部とからなり、前記第1永久磁石は、前記第1A継鉄部の端部に設けられるとともに前記可動鉄心部の側面と対向させて配置され、前記第1継鉄は、前記第1B継鉄部に前記可動鉄心部の一端面に対向する第1対向面を有し、前記第2永久磁石は、前記第2A継鉄部の端部に設けられるとともに前記可動鉄心部の側面と対向させて配置され、前記第2継鉄は、前記第2B継鉄部に前記可動鉄心部の他端面に対向する第2対向面を有しており、前記一端面及び前記第1対向面の間又は前記他端面及び前記第2対向面の間どちらか一方で前記一方の磁路のギャップを形成しているので、前記可動鉄心部が前記第1B継鉄部あるいは前記第2B継鉄部に係止して移動範囲を決定することができる。
【0067】
また、前記第1永久磁石は、互いに永久磁石の同一極が前記可動軸を介して対向する第1永久磁石対を構成し、前記第1永久磁石対の各前記第1永久磁石が前記第1継鉄の各前記第1A継鉄部に設けられ、前記第2永久磁石は、互いに永久磁石の同一極が前記可動軸を介して対向する第2永久磁石対を構成し、前記第2永久磁石対の各前記第2永久磁石が前記第2継鉄の各前記第2A継鉄部に設けられているので、前記駆動コイルによる磁束を効率的に利用でき、前記可動鉄心部は両側から偏りなく力を受けるので、傾かずに滑らかに往復移動することができる。
【0068】
また、前記第1継鉄は、前記可動軸に固定された第1B継鉄部を有する第1可動継鉄部と、前記第1A継鉄部及び前記第1可動継鉄部の端面に対向する第1固定対向面を有する第1固定継鉄部とを有し、前記第2継鉄は、前記可動軸に固定された第2B継鉄部を有する第2可動継鉄部と、前記第2A継鉄部及び前記第2可動継鉄部の端面に対向する第2固定対向面を有する第2固定継鉄部とを有しており、前記第1可動継鉄部及び前記第1固定対向面の間又は前記第2可動継鉄部及び前記第2固定対向面の間のどちらか一方で前記一方の磁路のギャップを形成しているので、前記第1可動継鉄部及び前記第2可動継鉄部がそれぞれ前記第1固定継鉄部及び前記第2固定継鉄部に係止することにより前記可動軸の移動範囲を決定できる。
【0069】
また、前記第1可動継鉄部の端面及び前記第1固定対向面の各面積と、前記第2可動継鉄部の端面及び前記第2固定対向面の各面積とがともに大きくなっているので、開極状態及び閉極状態の保持の信頼性が高くなる。
【0070】
また、前記第1永久磁石は、第1固定継鉄部に内在し、前記第2永久磁石は、第2固定継鉄部に内在しているので、前記第1磁路及び前記第2磁路の形成が容易になり、また、前記可動軸に前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石が設けられている場合より前記可動軸の移動による衝撃が小さく前記第1永久磁石及び前記第2永久磁石の破損に対する信頼性が高くなる。
【0071】
また、前記駆動コイル及び前記第1永久磁石の間に磁性体を介在させたので、前記第1永久磁石の減磁を防止でき、前記第1永久磁石の長期信頼性を確保できる。
【0072】
また、前記駆動コイル及び前記第2永久磁石の間に磁性体を介在させたので、前記第2永久磁石の減磁を防止でき、前記第2永久磁石の長期信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る開閉装置用電磁駆動機構の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1の可動軸の軸線を含むyz平面における断面図である。
【図3】 図1の可動軸の軸線を含むxz平面における断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係る開閉装置用電磁駆動機構の構成を示す斜視図である。
【図5】 図4の可動軸の軸線を含むxz平面における断面図である。
【図6】 図4の可動軸の軸線を含むyz平面における断面図である。
【図7】 第1可動端面及び第1固定対向面の面積を大きくした第1継鉄と、第2可動端面及び第2固定対向面の面積を大きくした第2継鉄とを開閉装置用電磁駆動機構に適用した斜視図である
【図8】 図1の開閉装置用電磁駆動機構の駆動コイル及び第1永久磁石の間に第1磁性体を介在させたときの、可動軸の軸線を含むyz平面に沿った断面図である。
【図9】 図1の開閉装置用電磁駆動機構の駆動コイル及び第2永久磁石の間に第2磁性体を介在させたときの、可動軸の軸線を含むxz平面に沿った断面図である。
【図10】 従来の開閉装置用電磁駆動機構の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 開閉装置用電磁駆動機構、2 可動軸、3 駆動コイル、4 第1A継鉄部、5 第1B継鉄部、5a 第1対向面、6 第1継鉄、7 第1永久磁石、8 第2A継鉄部、9 第2B継鉄部、9a 第2対向面、10 第2継鉄、11 第2永久磁石、12 可動軸部、13 可動鉄心部、13a 一端面、13b 他端面、21,36 第1磁路、23,38 第2磁路、24,39 ギャップ、30 第1可動継鉄部、30a 第1可動端面、31 第1固定継鉄部、31a 第1固定対向面、32 第2可動継鉄部、32a 第2可動端面、33第2固定継鉄部、33a 第2固定対向面、40 第1磁性体(磁性体)、41 第2磁性体(磁性体)。
Claims (8)
- 可動接点を往復移動させて前記可動接点を固定接点に接離させる開閉装置用電磁駆動機構であって、
前記可動接点に連結される可動軸と、
前記可動軸を囲むように設けられた環状の駆動コイルと、
前記可動軸の軸線方向について互いに離して配置されているとともに前記可動軸に向かってそれぞれ延設されている第1A継鉄部及び第1B継鉄部を有し、前記駆動コイルが前記第1A継鉄部と前記第1B継鉄部との間に配置された第1継鉄と、
前記第1継鉄に設けられた第1永久磁石と、
前記可動軸の軸線方向について互いに離して配置されているとともに前記可動軸に向かってそれぞれ延設されている第2A継鉄部及び第2B継鉄部を有し、前記駆動コイルが前記第2A継鉄部と前記第2B継鉄部との間に配置され、前記第1継鉄から離れている第2継鉄と、
前記第2継鉄に設けられた第2永久磁石とを備え、
前記第1A継鉄部及び前記第2A継鉄部のそれぞれの位置は、前記可動軸の軸線方向について、前記第1B継鉄部の位置と前記第2B継鉄部の位置との間にあるとともに、
前記駆動コイルの位置は、前記可動軸の軸線方向について、前記第1A継鉄部の位置と前記第2A継鉄部の位置との間にあり、
前記可動軸、前記第1継鉄及び前記第1永久磁石により、前記駆動コイルに鎖交する第1磁路が形成され、
前記第1磁路が存在する面と異なる面上で前記駆動コイルに鎖交するとともに前記可動軸において前記第1磁路の磁束の向きと逆向きの磁束を有する第2磁路が形成されるように前記可動軸、前記第2継鉄及び前記第2永久磁石が配設されており、
前記第1磁路及び前記第2磁路はそれぞれギャップを有し、前記可動接点及び前記固定接点の接離に対応して、前記第1磁路又は前記第2磁路の一方の磁路のギャップが他方の磁路のギャップより大きくなるようになっており、
前記駆動コイルは、通電されることにより前記他方の磁路の磁束を打ち消しつつ前記一方の磁路の磁束を増加させる磁束を発生し、前記可動軸を移動させるようになっていることを特徴とする開閉装置用電磁駆動機構。 - 前記可動軸は、可動軸部と、前記可動軸部の径方向の寸法が大きい可動鉄心部とからなり、
前記第1永久磁石は、前記第1A継鉄部の端部に設けられるとともに前記可動鉄心部の側面と対向させて配置され、
前記第1継鉄は、前記第1B継鉄部に前記可動鉄心部の一端面に対向する第1対向面を有し、
前記第2永久磁石は、前記第2A継鉄部の端部に設けられるとともに前記可動鉄心部の側面と対向させて配置され、
前記第2継鉄は、前記第2B継鉄部に前記可動鉄心部の他端面に対向する第2対向面を有しており、
前記一端面及び前記第1対向面の間又は前記他端面及び前記第2対向面の間どちらか一方で前記一方の磁路のギャップを形成していることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置用電磁駆動機構。 - 前記第1永久磁石は、互いに前記第1永久磁石の同一極が前記可動軸を介して対向する第1永久磁石対を構成し、前記第1永久磁石対の各前記第1永久磁石が前記第1継鉄の各前記第1A継鉄部に設けられ、
前記第2永久磁石は、互いに前記第2永久磁石の同一極が前記可動軸を介して対向する第2永久磁石対を構成し、前記第2永久磁石対の各前記第2永久磁石が前記第2継鉄の各前記第2A継鉄部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の開閉装置用電磁駆動機構。 - 前記第1継鉄は、前記可動軸に固定された前記第1A継鉄部を有する第1可動継鉄部と、前記第1B継鉄部を有し、前記第1可動継鉄部の端面に対向する第1固定対向面を有する第1固定継鉄部とを有し、
前記第2継鉄は、前記可動軸に固定された前記第2A継鉄部を有する第2可動継鉄部と、前記第2B継鉄部を有し、前記第2可動継鉄部の端面に対向する第2固定対向面を有する第2固定継鉄部とを有しており、
前記第1可動継鉄部及び前記第1固定対向面の間又は前記第2可動継鉄部及び前記第2固定対向面の間のどちらか一方で前記一方の磁路のギャップを形成していることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置用電磁駆動機構。 - 前記第1可動継鉄部の端面及び前記第1固定対向面の各面積と、前記第2可動継鉄部の端面及び前記第2固定対向面の各面積とがともに拡大していることを特徴とする請求項4に記載の開閉装置用電磁駆動機構。
- 前記第1永久磁石は、第1固定継鉄部に内在し、
前記第2永久磁石は、第2固定継鉄部に内在していることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の開閉装置用電磁駆動機構。 - 前記第1永久磁石は、前記第1A継鉄部及び前記第1B継鉄部のいずれかに設けられ、
前記駆動コイル及び前記第1永久磁石の間に磁性体を介在させたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の開閉装置用電磁駆動機構。 - 前記第2永久磁石は、前記第2A継鉄部及び前記第2B継鉄部のいずれかに設けられ、
前記駆動コイル及び前記第2永久磁石の間に磁性体を介在させたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の開閉装置用電磁駆動機構。
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