JPH0347301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、有極リレーの接点開閉などに用い
られる電磁石装置に関する。

〔背景技術〕

従来の電磁石装置を第２図に示す。第２図にお
いて、５１は電磁石ブロツクで、Ｕ字状の鉄心５
２およびこの鉄心５２に巻回されたコイル５３と
からなつている。５４は接極子ブロツクで、１対
の磁性体片５５，５５が平行に配設され、中央に
軸を挿通させる軸孔５６が穿設された軸受部５７
が設けられ、この軸受部５７の両側に永久磁石５
８，５８がそれぞれ極性の向きをそろえて配設さ
れ、１対の磁性体片５５，５５の両端部間に前記
鉄心５２の両端部５２ａ，５２ａがそれぞれ離間
して配設されている。接極子ブロツク５４は、コ
イル５３の励磁状態を変化させることにより、軸
孔５６を中心として正逆方向に回動し、異なる磁
性体片５５，５５の両端部がそれぞれ鉄心５２の
両端部５２ａ，５２ａに交互に当接されるように
なつている。

以上にみるように、この電磁石装置は、接極子
ブロツク５４と電磁石ブロツク５１とが上下に積
み重ねられたものであつた。このため、全体の高
さ（第２図の縦方向）が高くなり、有極リレーと
して構成した場合に、超薄型リレーを得ることが
できなかつた。しかも、この電磁石装置は、ラツ
チング型になつており、これをシングルステイブ
ル型化するには、鉄心５２の両端部５２ａ，５２
ａなどに厚みの異なる２枚の遮磁板を溶接等によ
つて取り付けるなどしていた。このため、部品点
数および製造工数の増加を招き、コストアツプの
原因となつていた。

〔考案の目的〕

以上の事情に鑑みて、この考案は、薄型で、部
品点数が少なく、製造工数がかからないシングル
ステイブル型の電磁石装置を提供することを目的
とする。

〔考案の開示〕

前記目的を達成するため、この考案は、コイル
が巻回された鉄心の一端部に、第１のヨークが直
接つながれているとともに第２のヨークが永久磁
石を介してつながれていて、第１および第２のヨ
ークの一端部が前記鉄心の他端部を間にして対向
している固定ブロツクを備え、これに、前記鉄心
の他端部が臨む位置で枢支されているとともに両
端部を前記第１および第２のヨークの一端部にそ
れぞれ臨ませている接極子が組み合わされてい
て、コイルの励磁状態を変化させることにより、
前記接極子が正逆方向に回動し、その両端部がそ
れぞれ前記第１および第２のヨークの一端部に交
互に接近、離間されるようになつている電磁石装
置をその要旨とする。

以下にこれを、その一実施例をあらわす図面を
参照しながら詳しく説明する。

第１図にみるように、この電磁石装置は、固定
ブロツク１と接極子２とを備えている。固定ブロ
ツク１は、コイル枠３を介してコイル４が巻回さ
れた鉄心５と第１のヨーク６および第２のヨーク
７とを有する。第１および第２のヨーク６，７
は、ともにＬ字形になつていて、それぞれの横片
６ａ，７ａで永久磁石８を挟んでいる。第１のヨ
ーク６は、その横片６ａにおいて、鉄心５の一端
部５ａに直接つながれている。また、第２のヨー
ク７は、永久磁石８を介して鉄心５の一端部５ａ
につながれている。第１および第２のヨークの縦
片６ｂ，７ｂは、それぞれコイル４の両側面に密
接して沿うように形成されている。そして、それ
ぞれの先端部（第１および第２のヨークの一端
部）６ｃ，７ｃは、鉄心５の他端部５ｂを間にし
て対向している。鉄心の他端部５ｂは、山形に尖
つている。

接極子２は、棒状になつていて、その中央部の
一側がへこんでいる。このへこみに鉄心の他端部
たる尖端部５ｂが入り込んで、接極子２は、鉄心
の他端部５ｂが臨む位置で、鉄心の他端部５ｂに
よつて枢支されている。このように、鉄心５の他
端部５ｂが尖つていて、接極子２の一側に形成さ
れたへこみがこの尖端部５ｂに嵌合されることに
より接極子２が枢支されているようであると、枢
支状態が安定し易い。この実施例では、接極子と
鉄心の他端部とが接していて、接極子が鉄心の他
端部によつて枢支されているが、接極子と鉄心の
他端部とが単に磁気的につながれているのみであ
つて、接極子が別部品によつて枢支されていても
よい。しかし、この実施例のようにすれば、接極
子を枢支する別部品が不要となるので、安価に構
成することができる。鉄心の他端部５ｂによつて
枢支されている接極子２は、その両端部２ａ，２
ｂをそれぞれ第１および第２のヨーク６，７の一
端部６ｃ，７ｃに臨まれている。すなわち、端部
２ａを第１のヨーク６の一端部６ｃに臨ませてい
て、端部２ｂを第２のヨーク７の一端部７ｃに臨
ませている。

以上のようにして、接極子２は、固定ブロツク
１に組み合わされていて、つぎに示すのように動
作する。

第１図にみる状態から、コイル４の電流を流
し、永久磁石８の磁束Ｂを打ち消す方向、すなわ
ち、図中、矢印Ａ方向にコイルによる磁束を発生
させると、接極子２は、図中、矢印Ｃ方向に回動
し、端部２ｂが第２のヨーク７の一端部７ｃから
離され、端部２ａが第１のヨーク６の一端部６ｃ
に当接する。矢印Ｃ方向に回動した後において、
コイル４への通電を断つと、接極子２は、図中、
矢印Ｄ方向へ回動し、端部２ａが第１のヨーク６
の一端部６ｃから離され、端部２ｂが第２のヨー
ク７の一端部７ｃに当接する。これは、第１のヨ
ーク６が鉄心５の一端部５ｂに直接つながつてい
るのに対し、第２のヨーク７が鉄心５の一端部５
ｂに永久磁石８を介してつながつているため、永
久磁石８の磁束Ｂによつて、接極子２の端部２ｂ
と第２のヨーク７の一端部７ｃとの間に強い吸引
力が働くからである。このように、、接極子２は、
コイル４の励磁状態を変化させることにより、正
逆方向に回動し、両端部２ａ，２ｂがそれぞれ第
１および第２のヨークの一端部６ｃ，７ｃに交互
に接近、離間されるようになつている。

以上の動作説明にみるように、この電磁石装置
は、コイルへの通電を断つた状態（無励磁状態）
のとき、一方向に安定するシングルステイブル型
の電磁石装置となつている。

以上にみてきたように、この電磁石装置は、固
定ブロツク１に接極子２が併設され、接極子２の
回動方向にコイル４と永久磁石８が配設されてい
るため、第２図に示された従来の電磁石装置のよ
うに、接極子ブロツク５４と電磁石ブロツク５１
とが上下に積み重なることがなく、薄型になつて
いる。しかも、従来のシングルステイブル型の電
磁石装置のように、遮磁板を溶接等によつて取り
付ける必要がないため、部品点数が少なく、製造
工数がかからないシングルステイブル型の電磁石
装置となつている。

この考案にかかる電磁石装置は、前記実施例に
限定されない。

〔考案の効果〕

この考案にかかる電磁石装置は、以上にみてき
たように構成されているため、薄型で、部品点数
が少なく、製造工数がかからないシングルステイ
ブル型の電磁石装置が実現可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる電磁石装置の一実施
例をあらわす概略平面図、第２図は電磁石装置の
従来例をあらわす斜視図である。 １……固定ブロツク、２……接極子、２ａ，２
ｂ……接極子の端部、４……コイル、５……鉄
心、５ａ……鉄心の一端部、５ｂ……鉄心の他端
部、６……第１のヨーク、６ａ……第１のヨーク
の横片、６ｂ……第１のヨークの縦片、６ｃ……
第１のヨークの一端部、７……第２のヨーク、７
ａ……第２のヨークの横片、７ｂ……第２のヨー
クの縦片、７ｃ……第２のヨークの一端部、８…
…永久磁石。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コイルが巻回された鉄心の一端部に、第１の
   ヨークが直接つながれているとともに第２のヨ
   ークが永久磁石を介してつながれていて、第１
   および第２のヨークの一端部が前記鉄心の他端
   部を間にして対向している固定ブロツクを備
   え、これに、前記鉄心の他端部が臨む位置で枢
   支されているとともに両端部を前記第１および
   第２のヨークの一端部にそれぞれ臨ませている
   接極子が組み合わされていて、コイルの励磁状
   態を変化させることにより、前記接極子が正逆
   方向に回動し、その両端部がそれぞれ前記第１
   および第２のヨークの一端部に交互に接近、離
   間されるようになつている電磁石装置。 (2) 第１および第２のヨークが、Ｌ字形になつて
   いて、それぞれの縦片がコイルの両側面に密接
   して沿つているとともにそれぞれの横片で永久
   磁石を挟んでいる実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の電磁石装置。 (3) 鉄心の他端部が尖つており、接極子の一側に
   形成されたへこみがこの尖端部に嵌合されるこ
   とによつて、前記接極子が、前記鉄心の他端部
   が臨む位置で枢支されている実用新案登録請求
   の範囲第１項または第２項記載の電磁石装置。