JPH0117798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、有極形電磁継電器などに用いられる
電磁石装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、効率の良い磁気回路を形成して高性能、
小形化、経済化を計るために、第４図に示すよう
な構造の有極形電磁継電器の電磁石装置が提供さ
れている。

この電磁石装置の構成は、鉄心１にコイル２が
巻回され、鉄心１の一端部の両側面に所定間隙を
有して対向し鉄心１の他端部を固定したヨーク３
と中央部に、永久磁石４の両極にそれぞれ磁極片
５，６の一端部を固設したコ字形の接極子組立７
を、その磁極片５，６の他端部が前記鉄心１およ
びヨーク３の間隙Ｔ１，Ｔ２に配置されるように
した構造である。

上記構造における動作は、第４図の状態をコイ
ル２の無励磁状態とすると、永久磁石４から発生
する磁束Φ1によつてコ字形の接極子組立７は、
鉄心１とヨーク３に保持されている。次にコイル
２を磁束Φ1と逆方向の磁束Φ2が生じるように励
磁すると、鉄心１の１端は極性Ｓ、ヨーク３の１
端は極性Ｎとなるためコ字形接極子組立７の磁極
面５ａ，６ａでは反発、磁極面５ｂ，６ｂでは吸
引という作用が生じ、コ字形の接極子組立７は矢
印Ａの方向に移動して第５図に示す状態となる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記構造において、永久磁石４は装置
の小形化を計るために高効率な焼結磁石を用いて
おり、またコ字形接極子７の磁極面５ａ，５ｂ、
６ａ，６ｂの表面磁束密度を大きくするために、
永久磁石４の両極には、磁極５，６を結合してい
る。一般に、焼結磁石は寸法精度が悪く、その精
度をよくするためには、十分な切削、研磨が必要
であり、そして脆く、比重が大という欠点があ
る。かつ、永久磁石４と磁極片５，６の結合に
は、接着剤等により固定する必要があるため組立
が複雑であり、コストアツプ、機械的強度が弱い
という欠点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、これらの欠点を解決するために、コ
字形の接極子組立をプラスチツク磁石を用いて一
体成形したものである。

〔作用および実施例〕

以下、本考案を図面に基づいて詳細に説明する
と、第１図は本考案の実施例を示す電磁石装置の
分解斜視図である。

図中１は鉄心、２はコイル、３はヨーク、８は
プラスチツク磁石を用いて一体成形されたコ字形
の接極子である。

また、第２図、第３図は、本考案のプラスチツ
ク磁石を用いた電磁石装置の実施例を示す組立斜
視図であつて、第２図は、コイル２が無励磁状態
であり、コ字形の接極子８は磁束Φ1により、鉄
心１およびヨーク３に保持されている。

次に、この状態からコイル２を磁束Φ1と逆方
向の磁束Φ2が流れるように励磁すれば、コ字形
の接極子８の磁極面８ａ，８ｃでは反発、磁極面
８ｂ，８ｃでは吸引するという作用が生じ、コ字
形の接極子８は矢印Ａの方向に移動して第３図の
状態となる。

〔考案の効果〕

以上の構成からなる本考案によれば、下記の如
き多大な効果を有する。

プラスチツク磁石を用いてコ字形の接極子を一
体成形したことにより、 (1) 寸法精度の向上、組立の簡略化、経済化、機
械的強度の向上を計ることが出来る。

(2) 移動子が軽量化され、慣性モーメントを小さ
くできるから動作の高速化、耐振動性、耐衝撃
性の向上を計ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電磁石装置の一実施例を示す
分解斜視図、第２図は本考案の電磁石装置におい
て、コイルが無励磁状態における組立斜視図、第
３図は第２図の電磁石装置においてコイルが励磁
状態を示す組立斜視図、第４図は従来の有極形電
磁継電器の電磁石装置おけるコイルが無励磁状態
を示す組立斜視図、第５図は第４図の電磁石装置
においてコイルが励磁状態を示す組立斜視図であ
る。 １は鉄心、２はコイル、３はヨーク、８はコ字
形の接極子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄心にコイルが巻回され、該鉄心の遊端部の両
   側面に所定間隙を有して対向され、鉄心の他端部
   の磁極を生じさせるヨークと、コ字形に一体成形
   されたプラスチツク磁石から成る接極子の両端磁
   極面部を前記鉄心の遊端部とヨークとの間に形成
   された間隙内に配置させ、前記コ字形の接極子が
   移動可能なようにしたことを特徴とする有極形電
   磁継電器の電磁石装置。