JPH08130862A - 磁石可動形リニアアクチュエータ - Google Patents

磁石可動形リニアアクチュエータ

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JPH08130862A
JPH08130862A JP29379194A JP29379194A JPH08130862A JP H08130862 A JPH08130862 A JP H08130862A JP 29379194 A JP29379194 A JP 29379194A JP 29379194 A JP29379194 A JP 29379194A JP H08130862 A JPH08130862 A JP H08130862A
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linear actuator
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の磁石可動形リニアアクチュエータが有
する問題点を解決することが主たる目的であり、特に、
可動子を構成する円筒状永久磁石を改良することで、可
動子の構造を簡素化し、可動子の軽量化を実現し、推力
とともに応答性の向上を可能とし、生産性が良く信頼性
が高い磁石可動形リニアアクチュエータの提供を目的と
する。 【構成】 可動子1を構成する永久磁石構成体11に外
周面から軸方向両端面に向かって偏倚するよう着磁した
円筒状ボンド磁石11a,11bを用い、軸方向に異磁
極を交互に形成するようにして隣接配置したことによ
り、従来の構成において必須要素であった可動ヨークの
配置を不要とし、ボンド磁石が有する磁気特性を最も効
率的に活用することによって、可動子の構造を簡素化
し、生産性が良く信頼性の高い磁石可動形リニアアクチ
ュエータの提供を提供できるとともに、可動子の軽量化
を実現し、推力とともに応答性の向上を可能にした磁石
可動形リニアアクチュエータを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車のアクティブ
サスペンション等の振動制御機器をはじめ各種工作機械
等、広範囲の分野で使用される磁石可動形リニアアクチ
ュエータの改良に係り、例えば、可動子を構成する永久
磁石構成体に外周面から軸方向両端面に向かって偏倚す
るよう着磁した円筒状ボンド磁石を用いて、磁気効率が
良く小型で生産性を向上させた磁石可動形リニアアクチ
ュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車のアクティブサスペン
ションの振動制御機器等に使用される電磁アクチュエー
タとしては、VCM(ボイスコイル型リニアモータ)に
代表されるような電流力を利用したリニアアクチュエー
タが使用されていた。
【0003】電流力を利用したリニアアクチュエータ
は、周波数応答性は良いが、体積あたりの発生推力があ
まり大きくないことから、大推力を得るためには全体的
な外径寸法が大きくなり、また、磁石使用量も多くな
り、必ずしも磁気効率が良い構成とは言い難かった。最
近では、これらの分野に、大推力が得られ、比較的磁石
の使用量が少なく、体積あたりの発生推力が大きな磁石
可動形リニアアクチュエータ、すなわち、磁気力を利用
したリニアアクチュエータの採用が検討されている(1
992年6月社団法人電気学会発行 電気学会リニアド
ライブ研究会資料LD−92−46「可動磁石型アクチ
ュエータ推力向上に関する検討」、1993年11月
社団法人電気学会発行 電気学会リニアドライブ研究会
資料LD−93−87 「小型リニアアクチュエータの
研究」)。
【0004】従来から知られる磁石可動形リニアアクチ
ュエータの基本的な構成を図8および図9に示す。図8
は全体の概要構成を示す縦断面説明図であり、図9は可
動子を示す縦断面説明図である。図中1は可動子であ
り、円筒状永久磁石構成体11を円筒状の可動ヨーク1
2を介して出力軸13に固着した構成からなっている。
特に、円筒状永久磁石構成体11は、希土類系焼結磁石
からなる一対のラジアル方向に磁化された円筒状永久磁
石11c,11dを、その磁化の向き(図中の矢印にて
示す向き)が交互に逆向きになるように、すなわち軸方
向に異磁極を交互に形成するようにして隣接配置した構
成からなっている。
【0005】図中2は固定子であり、円筒状の固定ヨー
ク21の内周部に、前記可動子1の円筒状永久磁石構成
体11と所定の空隙を形成して対向配置する磁極部22
を有し、特に、磁極部22は複数の磁極22a,22
b,22cからなり、これらの磁極22a,22b,2
2cが軸方向に異磁極を交互に形成するよう駆動コイル
23を巻回配置した構成からなっている。図中3は可動
子1の支持部であり、可動子1の出力軸13を軸受31
を介して軸方向(図中左右方向)移動可能に支持するフ
ランジ部32から構成され、該フランジ部32が固定子
2の各々端部に固着されている。
【0006】以上の構成において、駆動コイル23に所
定方向の電流を通電すると、固定子2の磁極部22に軸
方向に異磁極が交互に形成され、可動子1の円筒状永久
磁石構成体11を構成する一対の円筒状永久磁石11
c,11dとの磁気的作用により、可動子1が軸方向に
移動する。図8では、可動子1を構成する円筒状永久磁
石構成体11が一対の円筒状永久磁石からなる最も基本
的な磁石可動形リニアアクチュエータの例を示したが、
要求される推力等に応じてこれら円筒状永久磁石の数量
とともに、固定子2の磁極部22を構成する各々磁極の
数量を増加した構成等が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁石可動形リニ
アアクチュエータにおいては、先に説明したように可動
子を構成する円筒状永久磁石構成体として、希土類系焼
結磁石からなるラジアル方向に磁化された円筒状永久磁
石が使用されていた。しかし、希土類系焼結磁石からな
る円筒状永久磁石は、その寸法等によっては一体品とし
て歩留りよく生産することができず、通常、複数の断面
弓形状希土類系焼結磁石を円筒状可動ヨークの外周面に
接着固定して、全体として円筒状を形成するようにして
用いていた。このような、構成は可動子の生産性の点か
ら望ましくないだけでなく、作動中の断面弓形状希土類
系焼結磁石の脱落等が懸念され、信頼性の点からも望ま
しい構成とは言い難いものであった。
【0008】さらに、各々の円筒状永久磁石はラジアル
方向に磁化される構成であることから、隣接配置する各
々の円筒状永久磁石が有する磁気特性を有効に活用する
ためには、互いの円筒状永久磁石間に効率的な磁路を形
成することが必要となり、可動ヨークの配置が必須の要
件となる。この可動ヨークの配置は可動子の全体重量を
大きくする要因となっており、特に、推力の向上を実現
させるために円筒状永久磁石を大きくすると必然的に可
動ヨークも大きくなり、要求される応答性を実現するこ
とが困難となる。
【0009】また、最近では、リニアアクチュエータの
分野においても、形状の任意性や寸法精度の良さ等の観
点から、種々のボンド磁石を採用することが検討されて
いるものの、磁石の本質的な磁気特性が焼結磁石と比べ
て低く、従来の磁石可動形リニアアクチュエータを構成
する円筒状永久磁石を単にボンド磁石に置き換えるだけ
では、要求される推力を得ることができなかった。
【0010】この発明は、以上に説明したような従来の
磁石可動形リニアアクチュエータが有する問題点を解決
することが主たる目的であり、特に、可動子を構成する
円筒状永久磁石を改良することで、可動子の構造を簡素
化し、生産性が良く信頼性の高い磁石可動形リニアアク
チュエータの提供を目的とするものである。また、可動
子の軽量化を実現し、推力とともに応答性の向上を可能
とする磁石可動形リニアアクチュエータの提供を目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来の磁石
可動形リニアアクチュエータが有する問題点を解決する
ために、特に、可動子の構成に着目し種々検討した結
果、円筒状永久磁石構成体を構成する円筒状永久磁石
に、特定方向に磁路を形成するように着磁されたボンド
磁石を用いて構成することにより、従来の構成において
必須要素であった可動ヨークの配置を不要とし、ボンド
磁石が有する磁気特性を最も効率的に活用することによ
って、目的を達成したものである。
【0012】すなわち、この発明は、外周面の軸方向に
異磁極を交互に形成してなる円筒状永久磁石構成体を有
する可動子と、前記円筒状永久磁石構成体と所定の空隙
を形成して対向配置し、内周面の軸方向に異磁極を交互
に形成するよう駆動コイルを巻回配置してなる磁極部を
有する固定子とからなる磁石可動形リニアアクチュエー
タにおいて、前記円筒状永久磁石構成体が少なくとも一
対の円筒状ボンド磁石からなり、かつ各々の円筒状ボン
ド磁石を外周面から軸方向両端面に向かって偏倚する磁
路を形成するように着磁したことを特徴とする磁石可動
形リニアアクチュエータである。ここで、円筒状永久磁
石構成体を構成する少なくとも一対の円筒状ボンド磁石
とは、当該永久磁石構成体の表面にN極とS極の対が最
低限一つあれば良いことから最小、2個の円筒状ボンド
磁石で構成されることを意味し、このN極とS極の対が
複数対で円筒状ボンド磁石が偶数個であってもよいほ
か、例えば、当該永久磁石構成体の表面にN極、S極、
N極が現れる如く、円筒状ボンド磁石が奇数個で構成さ
れてもよく、奇数個(奇数極)で構成される場合は、磁
気的バランスを考慮して、軸方向の磁石寸法、ピッチ等
を調整すると良い。
【0013】また、併せて、外周面の軸方向に異磁極を
交互に形成してなる円筒状永久磁石構成体を有する可動
子と、前記円筒状永久磁石構成体と所定の空隙を形成し
て対向配置し、内周面の軸方向に異磁極を交互に形成す
るよう駆動コイルを巻回配置してなる磁極部を有する固
定子とからなる磁石可動形リニアアクチュエータにおい
て、前記円筒状永久磁石構成体が外周面の軸方向に少な
くとも一対の異磁極を形成してなる円筒状ボンド磁石か
らなり、かつ前記の隣接する異磁極間を略湾曲状に偏倚
する磁路を形成するように着磁したことを特徴とする磁
石可動形リニアアクチュエータを提案する。ここで、外
周面の軸方向に少なくとも一対の異磁極を形成してなる
円筒状ボンド磁石からなる円筒状永久磁石構成体は、1
つの円筒状ボンド磁石のみで構成されるが、当該永久磁
石構成体の表面には最低限、N極とS極の一対の異磁極
を形成するもので、N極とS極の対が複数対のほか、表
面にN極、S極、N極が現れる如く、奇数極を形成する
ことができ、奇数極の場合に磁気的バランスを取ること
は上述のとおりである。
【0014】さらに、上記のいずれの磁石可動形リニア
アクチュエータにおいても好ましい構成として、円筒状
永久磁石構成体を構成する円筒状ボンド磁石が希土類ボ
ンド磁石であることを特徴とする磁石可動形リニアアク
チュエータを提案するものである。
【0015】
【作用】この発明による磁石可動形リニアアクチュエー
タの作用を、図1および図2に示す一実施例に基づき詳
細に説明する。図1は全体の概要構成を示す縦断面説明
図であり、図2は可動子を示す縦断面説明図である。図
中1は可動子であり、一対の円筒状ボンド磁石11a,
11bからなる円筒状永久磁石構成体11を出力軸13
に直接固着した構成からなっている。この発明の特徴で
ある一対の円筒状ボンド磁石11a,11bは、それぞ
れ外周面から軸方向両端面に向かって偏倚する磁路を形
成するように着磁されており、かつその磁化の向き(図
中の矢印にて示す向き)が交互に逆向きになるように、
すなわち軸方向に異磁極を交互に形成するようにして隣
接配置している。
【0016】図中2は固定子であり、従来の磁石可動形
リニアアクチュエータと本質的に同様な構成からなる。
すなわち、円筒状の固定ヨーク21の内周部に、前記可
動子1の円筒状永久磁石構成体11と所定の空隙を形成
して対向配置する磁極部22を有し、特に、磁極部22
は複数の磁極22a,22b,22cからなり、これら
の磁極22a,22b,22cが軸方向に異磁極を交互
に形成するよう駆動コイル23を巻回配置した構成から
なっている。図中3は可動子1の支持部であり、可動子
1の出力軸13を軸受31を介して軸方向(図中左右方
向)移動可能に支持するフランジ部32から構成され、
該フランジ部32が固定子2の各々端部に固着されてい
る。
【0017】以上の構成において、駆動コイル23に所
定方向の電流を通電すると、固定子2の磁極部22に軸
方向に異磁極が交互に形成され、可動子1の円筒状永久
磁石構成体11を構成する一対の円筒状ボンド磁石11
a,11bとの磁気的作用により、可動子1が軸方向に
移動する。図1および図2から明らかなように、この発
明による磁石可動形リニアアクチュエータにおいては、
可動子1を構成する一対の円筒状ボンド磁石11a,1
1bと出力軸13とが可動ヨーク(図8および図9参
照)を介することなく直接固着した構成からなるが、各
々の円筒状ボンド磁石11a,11bが外周面から軸方
向両端面に向かって偏倚する磁路を形成するように着磁
されていることから、可動ヨークがなくとも隣接配置す
る各々の円筒状ボンド磁石11a,11b間に効率的な
磁路を形成することが可能となり、ボンド磁石が有する
磁気特性を最も効果的に発現することができるのであ
る。
【0018】可動ヨークを不要とすることによって、可
動子1の構造が簡素化され、また、作動中に円筒状ボン
ド磁石11a,11bが脱落する等の懸念もなく、生産
性が良く信頼性の高い磁石可動形リニアアクチュエータ
の提供を可能とする。特に、可動ヨークを不要とするこ
とは、従来の可動ヨークに相当する部分までもボンド磁
石にて形成することができ、可動子の全体重量を増やす
ことなく磁石体積を大きくすることが可能となり、推力
向上や応答性向上に効果的な構成であると言える。
【0019】可動子1を構成する円筒状ボンド磁石11
a,11bは、等方性の円筒状ボンド磁石を図3に示す
着磁器40にて着磁することによって得られる。例え
ば、等方性の円筒状ボンド磁石11aを、該円筒状ボン
ド磁石11aの各々端面に当接する円柱状磁極部41
a,41bと円筒状ボンド磁石11aの外周面軸方向中
央部に当接する環状磁極部42とを有する着磁ヨーク内
に配置し、前記円柱状磁極部41a,41bの周囲に巻
回配置した一対の励磁コイル43a,43bに所定方向
の電流を印加することによって、図中の破線にて示す磁
路を形成し、目的とする円筒状ボンド磁石を得ることが
できる。また、他の構成として、あらかじめ円筒状ボン
ド磁石の成形時に上記と同様な磁化を施すことによっ
て、円筒状ボンド磁石が外周面から軸方向両端面に向か
って偏倚する磁路を形成するように配向された所謂異方
性ボンド磁石を用いることも磁気特性の点から有効であ
る。
【0020】上記のような特定方向に磁路を形成するよ
うに着磁された円筒状ボンド磁石を軸方向に複数対配置
することによって図4に示すような磁石可動形リニアア
クチュエータを得ることができる。すなわち、図4にお
いて、1は複数対の円筒状ボンド磁石からなる円筒状永
久磁石構成体11を出力軸13に固着してなる可動子で
あり、また、2は前記円筒状永久磁石構成体11の外周
面に形成される磁極数に応じて複数の磁極を有する磁極
部22を固定ヨーク21の内周部に形成してなる固定子
である。
【0021】図5に示す可動子1は、この発明の他の一
実施例からなる磁石可動形リニアアクチュエータを構成
する可動子の縦断面説明図である。すなわち、先に説明
した図2に示す可動子においては、円筒状永久磁石構成
体を一対の円筒状ボンド磁石から構成した場合を示した
が、図5に示す可動子は一つの円筒状ボンド磁石のみを
配置した円筒状永久磁石構成体を使用することで図2に
示す可動子と同様な効果を得ることができる。
【0022】図5において、11は外周面の軸方向に一
対の異磁極を形成する一つの円筒状ボンド磁石からなる
円筒状永久磁石構成体であり、出力軸13に可動ヨーク
を介することなく直接固着した構成からなっている。こ
の円筒状ボンド磁石は、隣接する異磁極間を略湾曲状に
偏倚する磁路を形成するよう(図中の矢印にて示す方
向)に着磁されており、結果として円筒状永久磁石構成
体11の外周面の軸方向に一対の異磁極を形成してい
る。このような構成からなる円筒状永久磁石構成体11
を有する可動子1を図1に示す固定子2内に配置するこ
とで、図1に示す磁石可動形リニアアクチュエータと同
様な作用効果を有する磁石可動形リニアアクチュエータ
を得ることができる。
【0023】図5に示す可動子1を構成する一つの円筒
状ボンド磁石からなる円筒状永久磁石構成体11は、等
方性の円筒状ボンド磁石を図6に示す着磁器50にて着
磁することによって得られる。例えば、等方性の円筒状
ボンド磁石11eを、該円筒状ボンド磁石11eの外周
面軸方向の2箇所にて当接する環状磁極部52a,52
bを有する略円筒状の着磁ヨーク内に配置し、該環状磁
極部52a,52b間に巻回配置した励磁コイル53に
所定方向の電流を印加することによって、図中の破線に
て示す磁路を形成し、目的とする円筒状ボンド磁石を得
ることができる。また、他の構成として、あらかじめ円
筒状ボンド磁石の成形時に上記と同様な磁化を施すこと
によって、円筒状ボンド磁石が隣接する異磁極間を略湾
曲状に偏倚する磁路を形成するように配向された所謂異
方性ボンド磁石を用いることも磁気特性の点から有効で
ある。
【0024】上記のような特定方向に磁路を形成するよ
うに着磁された円筒状ボンド磁石11eを軸方向に複数
配置することも可能であり、また、図7に示すように長
尺の円筒状ボンド磁石11fの軸方向外周面に複数の磁
極を形成することによって実質的に図4に示す構成と同
様な円筒状永久磁石構成体11が得られ、同等の効果を
有する磁石可動形リニアアクチュエータを得ることがで
きる。特に、円筒状永久磁石構成体11表面に奇数極を
配置する構成の場合は、着磁のみで容易に得られる。図
5示す可動子は、円筒状ボンド磁石と出力軸とを一体成
形にて製作することも可能であり、図2に示す可動子の
構成に比べ、工業的規模における生産性を一層向上する
ことができる。
【0025】この発明の磁石可動形リニアアクチュエー
タにおける円筒状永久磁石構成体を構成する円筒状ボン
ド磁石としては、種々の材質からなるものが使用可能で
あり、磁気特性の点からはFe−B−Nd系ボンド磁石
やSm−Co系ボンド磁石等の希土類ボンド磁石が好ま
しいが、特に残留磁束密度が高く、温度特性や着磁特性
に優れるFe3B−Nd系ボンド磁石等の所謂スプリン
グ磁石(1993年7月 日本工業出版発行 新素材
第63頁から第67頁 「等方性高磁束密度Fe3B−
Nd系ボンド磁石」)の使用が好ましい。また、この発
明の磁石可動形リニアアクチュエータを構成する円筒状
固定ヨークをけい素鋼板の積層体にて構成することによ
って周波数特性を向上することができる。
【0026】
【実施例】
実施例 円筒状永久磁石構成体を構成する円筒状ボンド磁石とし
て、残留磁束密度が0.67T、最大エネルギー積が7
2kJ/m3からなる等方性Fe−B−Nd系ボンド磁
石を用いて図1に示すこの発明の磁石可動形リニアアク
チュエータを作成した。なお、可動子の外径寸法は30
mmであり、固定子の外径寸法は68mmであった。ま
た、各々円筒状ボンド磁石の外径は30mmであり内径
は6mmであった。この磁石可動形リニアアクチュエー
タにおいて、50.8Nの発生推力(最大値)を得るこ
とができた。また、図5に示す構成の可動子1を上記の
実施例と同一材料、寸法で作製し、磁石可動形リニアア
クチュエータを組立たところ、同様の発生推力が得られ
ることを確認した。
【0027】比較例 比較例として、円筒状永久磁石構成体を構成する円筒状
永久磁石に、残留磁束密度が1.29T、最大エネルギ
ー積が287kJ/m3からなる6つの断面弓形状異方
性Fe−B−Nd系焼結磁石を用いて図8に示す従来の
磁石可動形リニアアクチュエータを作成した。なお、可
動子および固定子の外径寸法は上記の構成と同寸法とし
た。また、円筒状永久磁石の外径は30mmであり内径
は24mmであった。この比較例においては、本質的に
円筒状永久磁石構成体を構成する永久磁石の最大エネル
ギー積が大きいため、この発明の磁石可動形リニアアク
チュエータの発生推力(最大値)よりも大きな発生推力
を得ることが可能であったが、それぞれの永久磁石が有
する最大エネルギー積と発生推力との関係から算出され
る磁気効率の点からはこの発明の磁石可動形リニアアク
チュエータとほぼ同程度であることが確認された。
【0028】上記比較例のFe−B−Nd系焼結磁石に
代えて、この発明の磁石可動形リニアアクチュエータに
使用した等方性Fe−B−Nd系ボンド磁石と同材質か
らなるラジアル方向に着磁した外径30mmで内径24
mmの円筒状ボンド磁石を配置した構成においては、こ
の発明の磁石可動形リニアアクチュエータの発生推力の
約80%程度の推力しか得ることができなかった。
【0029】
【発明の効果】この発明は、特に、自動車のアクティブ
サスペンション等の振動制御機器として使用される磁石
可動形リニアアクチュエータに有効であり、可動子を構
成する円筒状永久磁石構成体を特定方向に磁路を形成す
るように着磁されたボンド磁石にて構成することによ
り、従来の構成において必須要素であった可動ヨークの
配置を不要とし、ボンド磁石が有する磁気特性を最も効
率的に活用することによって、可動子の構造を簡素化
し、生産性が良く信頼性の高い磁石可動形リニアアクチ
ュエータの提供を提供できるとともに、可動子の軽量化
を実現し、推力とともに応答性の向上を可能にした磁石
可動形リニアアクチュエータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の磁石可動形リニアアクチュエータの
一実施例を示す縦断面説明図である。
【図2】図1の磁石可動形リニアアクチュエータを構成
する可動子を示す縦断面説明図である。
【図3】図2に示す可動子を構成する円筒状ボンド磁石
を作製する着磁装置の概略を示す縦断面説明図である。
【図4】この発明の磁石可動形リニアアクチュエータの
他の実施例を示す縦断面説明図である。
【図5】この発明の磁石可動形リニアアクチュエータを
構成する他の可動子を示す縦断面説明図である。
【図6】図5に示す可動子を構成する円筒状ボンド磁石
を作製する着磁装置の概略を示す縦断面説明図である。
【図7】この発明の磁石可動形リニアアクチュエータを
構成する他の可動子を示す縦断面説明図である。
【図8】従来の磁石可動形リニアアクチュエータを示す
縦断面説明図である。
【図9】図8の磁石可動形リニアアクチュエータを構成
する可動子を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 可動子 2 固定子 3 支持部 11 円筒状永久磁石構成体 11a,11b,11e,11f 円筒状ボンド磁石 11c,11d 円筒状永久磁石 12 可動ヨーク 13 出力軸 21 固定ヨーク 22 磁極部 22a,22b,22c 磁極 23 駆動コイル 31 軸受 32 フランジ部 40,50 着磁器 41a,41b 円柱状磁極部 42,52a,52b 環状磁極部 43a,43b,53 励磁コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面の軸方向に異磁極を交互に形成し
    てなる円筒状永久磁石構成体を有する可動子と、前記円
    筒状永久磁石構成体と所定の空隙を形成して対向配置
    し、内周面の軸方向に異磁極を交互に形成するよう駆動
    コイルを巻回配置してなる磁極部を有する固定子とから
    なる磁石可動形リニアアクチュエータにおいて、前記円
    筒状永久磁石構成体が少なくとも一対の円筒状ボンド磁
    石からなり、かつ各々の円筒状ボンド磁石を外周面から
    軸方向両端面に向かって偏倚する磁路を形成するように
    着磁したことを特徴とする磁石可動形リニアアクチュエ
    ータ。
  2. 【請求項2】 外周面の軸方向に異磁極を交互に形成し
    てなる円筒状永久磁石構成体を有する可動子と、前記円
    筒状永久磁石構成体と所定の空隙を形成して対向配置
    し、内周面の軸方向に異磁極を交互に形成するよう駆動
    コイルを巻回配置してなる磁極部を有する固定子とから
    なる磁石可動形リニアアクチュエータにおいて、前記円
    筒状永久磁石構成体が外周面の軸方向に少なくとも一対
    の異磁極を形成してなる円筒状ボンド磁石からなり、か
    つ前記の隣接する異磁極間を略湾曲状に偏倚する磁路を
    形成するように着磁したことを特徴とする磁石可動形リ
    ニアアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 円筒状永久磁石構成体を構成する円筒状
    ボンド磁石が希土類ボンド磁石であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の磁石可動形リニアアク
    チュエータ。
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