JP3873836B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアアクチュエータに関し、特にその信頼性向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
リニアアクチュエータは、バネを併用し共振させることによって少ない損失で駆動できることから、コンプレッサモータ等として利用されている。そして、このリニアアクチュエータを用いたコンプレッサは高効率である等優れた性能を発揮できることから、冷蔵庫や、冷凍庫、あるいはエアコンディショナ用としての利用が期待されている。
【0003】
リニアアクチュエータとしては、ボイスコイルモータがある。このボイスコイルモータは、永久磁石により作られた磁界の中でコイルに電流を流すことによりコイルに生じる力で駆動を行うもので、コイルを含む可動子が動く可動コイル型とも呼ばれている。
【0004】
また、他のリニアアクチュエータとして、上記可動コイル型のものに対して永久磁石とコイルとを入れ替えた構造であって、永久磁石を含む可動子が動く可動磁石型と呼ばれるものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した可動コイル型のものは、可動子にコイルが含まれることから、可動子に電流を流さなければならず、このための給電線に可動子の移動で断線を生じてしまうことがあり、信頼性に劣るという問題があった。
【0006】
また、上記した可動磁石型のものには、図9に示すように、固定子100に対し往復動可能に設けられた可動子101に、往復動の方向に直交して磁極を並べた状態の永久磁石102,103を互いの磁極の並びを逆にした状態で一対設け、これら永久磁石102,103の両側にそれぞれエアギャップを介して対向するように固定子100のアウタヨーク104およびインナヨーク105を配置したものがある。このような構成のものでは、磁気回路構成上固定子のインナヨークが必ず必要になるため、インナヨークの分、ピストンやシリンダ等の他部品を配置するスペースを確保できないという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は、信頼性を向上させることができ、しかも他部品を配置可能なスペースを確保できるリニアアクチュエータの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のリニアアクチュエータは、コイルを設けた固定子と、少なくとも一部に鉄部材を有し中心軸線に沿って往復動可能に設けられた可動子とを有するものであって、前記可動子には、前記固定子との間で磁気回路が閉塞するように、前記中心軸線に対し直交方向に磁極を並べた状態の永久磁石が前記固定子対向側に設けられるとともに該永久磁石の前記固定子対向側に対し反対側に前記鉄部材が設けられ、前記固定子は、軸直交方向の分割面で分割された形状をなし、予め巻回された前記コイルを挟んで突合わされており、該コイルを収納する前記固定子の収納空間部が閉塞されていることを特徴としている。
【0009】
これにより、コイルが固定子側に設けられるため、可動子側に給電する必要がなくなって、移動する可動子がコイルへの給電線に断線を生じさせてしまうことがなくなる。また、固定子と可動子との間で磁気回路が閉塞するように可動子に永久磁石を配置していることから、可動子の永久磁石に対し反対側に固定子の一部をバックヨークとして配置しない構成にできる。
【0010】
そして、分割された前記固定子の前記永久磁石側の突合せ部にはテーパー面が形成されており、前記コイルと前記永久磁石との間に三角形状の磁気ギャップが形成されていることを特徴とする構成にしてもよい。
また、鉄部材からなる可動子の軸方向における中央の外周側に凹部が形成され、該凹部に前記永久磁石が1つだけ嵌め入れられていることを特徴とする構成にしてもよい。
また、前記可動子において、前記永久磁石は前記鉄部材側の磁極と前記固定子対向側の磁極とが前記中心軸線方向に隣り合うもの同士で相反する配置であることを特徴とする構成にしても良い。
【0011】
また、前記可動子において、前記永久磁石は前記鉄部材側の磁極と前記固定子対向側の磁極とが前記中心軸線方向に隣り合うもの同士で相反する配置であり、かつ前記永久磁石は前記鉄部材側の磁極と前記固定子対向側の磁極とが回転方向に隣り合うもの同士で相反する配置であることを特徴とする構成にしても良い。
【0012】
さらに、前記固定子は前記コイルの間に前記可動子を挟んだ状態で配置されることを特徴とする構成にしても良い。
【0013】
加えて、前記固定子は、積層コアに前記コイルを巻回した状態で配置されることを特徴とする構成にしても良い。
【0014】
さらに、前記固定子と前記可動子とをバネによって接続することを特徴とする構成にしても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを図1〜図5を参照して以下に説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のリニアアクチュエータ11は、ヨーク(固定子)12と、このヨーク12の内側に軸中心に沿って往復動可能(移動可能)に設けられた可動子13と、可動子13の外側すなわちヨーク12側に固定された永久磁石14,15,16と、ヨーク12に固定されたコイル18とを備えている。第1実施形態では、ヨーク12と可動子13との間で磁気回路が閉塞するように可動子13に永久磁石14,15,16が配置されている。
【0017】
上記ヨーク12は、全体として円筒形状をなしている。このヨーク12の軸線方向における中央の所定範囲であって径方向における内周面19と外周面20との間の所定範囲には、略円筒状の収納空間部22が形成されている。さらに、このヨーク12の軸線方向における中央の所定範囲であって内周面19と収納空間部22との間には、軸線方向における中央位置が内周面19に一致しこの位置から軸線方向外側に位置するほど半径方向外側に広がるように軸線方向両側にテーパ面23が形成されている。そして、これら一対のテーパ面23と収納空間部22との間が軸線方向のエアギャップ(磁気ギャップ)24とされている。つまり、分割されたヨーク12の永久磁石14,15,16側の突合せ部にはテーパー面23が形成されており、コイル18と永久磁石15との間に三角形状の磁気ギャップが形成されている。
【0018】
なお、ヨーク12は、例えば磁性材料である焼結材で焼結により成形されている。また、このヨーク12には、可動子13の内側に延出する形状のバックヨークは設けられていない。ここで、ヨーク12を積層電気鉄板で形成しても良い。
【0019】
そして、このヨーク12の収納空間部22には、円筒状に巻かれたコイル18が配設されている。なお、このコイル18の収納空間部22への収納のため、ヨーク12は、コイル軸線方向における中央位置において軸直交方向の分割面で分割された形状をなしている。つまり、ヨーク12は、軸直交方向の分割面で分割された形状をなし、予め巻回されたコイル18を挟んで突合わされ、コイル18を収納するヨーク12の収納空間部22が閉塞されている。
【0020】
可動子13は、全体として円筒状をなしており、その外径がヨーク12の内径よりも所定量小径とされている。この可動子13は、全体が磁化されていない磁性材料である鉄部材からなっており、例えば焼結材からなっている。そして、この可動子13はヨーク12の内径側に、同軸をなすように挿入されることによって、ヨーク12に対してヨーク12の軸線方向に往復動可能に設けられる。なお、可動子13を積層電気鉄板で形成しても良い。
【0021】
上記永久磁石14,15,16は、同径円筒状のフェライトリング磁石からなるもので、互いに同軸をなし軸線方向に直列に隣接するように並べられた状態で、全体として可動子13の半径方向における外周面25の全面を覆うように可動子13に嵌合固定されている。ここで、永久磁石14,15,16の軸方向長さは等しくされており、これらの軸方向長さの合計が可動子13の軸方向長さと等しくされている。なお、永久磁石14,15,16の外径はヨーク12の内径よりもエアギャップを形成する所定量小径とされている。
【0022】
これら永久磁石14,15,16は、軸線方向に直交する方向に磁極を並べたラジアル異方性のもので、隣接するもの同士で互いの磁極の並びを逆にしている。具体的には、軸線方向における一側の永久磁石14は、N極14aが内径側にS極14bが外径側に配置されており、中間の永久磁石15は、N極15aが外径側にS極15bが内径側に配置されており、他側の永久磁石16は、N極16aが内径側にS極16bが外径側に配置されている。すなわち、可動子13において、永久磁石14,15,16は可動子13側の磁極とヨーク12対向側の磁極とが軸方向に隣り合うもの同士で相反する配置である。
【0023】
ここで、可動子13の軸線方向長さ、すなわち永久磁石14,15,16の軸線方向長さの合計は、ヨーク12の軸線方向における長さよりも長くされている。具体的には、ヨーク12および可動子13が互いに軸線方向における中央位置を合わせた状態で、軸線方向における両外側の永久磁石14,16がその軸線方向における半分の長さ分、それぞれヨーク12よりも外側に突出するように設定されている。
【0024】
中間の永久磁石15は、これに対向するヨーク12の永久磁石15側に形成されたエアギャップ24によって、軸線方向における中央を境に第1領域27と第2領域28とに磁気的に分割されており、その結果、第1領域27および第2領域28がそれぞれ別々の永久磁石として作用する。
【0025】
そして、永久磁石14と、永久磁石15のこれに近接する側の第1領域27とが対をなしており、永久磁石16と、永久磁石15のこれに近接する側の第2領域28とが対をなしている。すなわち、一対の永久磁石14および永久磁石15の第1領域27と、一対の永久磁石15の第2領域28および永久磁石16とは、互いの近接側となる第1領域27および第2領域28を一つの永久磁石15で共用としており、その結果、互いの近接側である永久磁石15の第1領域27および第2領域28同士が磁極を同じ向きに配設している。また、ヨーク12には、一対の永久磁石14および永久磁石15の第1領域27と、一対の永久磁石15の第2領域28および永久磁石16との間位置に対し、軸直交方向に隣接してエアギャップ24が形成されている。
【0026】
以上により、可動子13には、その往復動の方向に直交して磁極を並べた状態の永久磁石14,15,16がヨーク12側に固定されており、言い換えれば永久磁石14,15,16のヨーク12に対し反対側に全体が鉄部材からなる可動子13が固定されている。また、ヨーク12の可動子13側に、可動子13の往復動の方向の磁気ギャップであるエアギャップ24を設け、軸線方向における中央の永久磁石15をエアギャップ24に対向する位置に設けており、さらに、可動子13の往復動の方向における永久磁石15の両側に永久磁石15と磁極の並びを逆にした状態の第2の永久磁石としての永久磁石14,16を設けている。
【0027】
上記構造のリニアアクチュエータ11において、コイル18に電流を流していない状態では、永久磁石14および永久磁石15の第1領域27によって、ヨーク12、永久磁石14、可動子13、永久磁石15の第1領域27およびヨーク12をこの順に結ぶループで磁束が形成されるとともに、永久磁石15の第2領域28および永久磁石16によって、ヨーク12、永久磁石16、可動子13、永久磁石15の第2領域28およびヨーク12をこの順に結ぶループで磁束が形成される。このとき、可動子13は停止状態とされる。
【0028】
そして、コイル18に交流電流(正弦波電流、矩形波電流)を流す。
例えば、図2に示すように、コイル18に一方向(図2における右側から見て時計回り方向)に流れるように電流が流れると、このコイル18を一方向に周回するように起磁力が生じる。すると、図2に二点鎖線で示すように、永久磁石14〜16およびエアギャップ24によって、ヨーク12と、永久磁石16と、可動子13と、永久磁石15の第1領域27と、ヨーク12とを、この順に結ぶループで磁束が形成されることになる。
【0029】
以上によって、軸線方向における一側(図2における右側)となる永久磁石16と、軸線方向における一側(図2における左側)となる永久磁石15の第1領域27とに磁束が導かれることで、永久磁石16および永久磁石15の第1領域27がヨーク12に対し軸線方向における位置を合わせることで、可動子13が軸線方向における一方向(図2における左方向)に移動する。
【0030】
次に、図3に示すように、コイル18に逆方向(図3における右側から見て反時計回り方向)に流れるように電流が流れると、このコイル18を上記に対し逆方向に周回するように起磁力が生じる。すると、図3に二点鎖線で示すように、永久磁石14〜16およびエアギャップ24によって、ヨーク12と、一対の永久磁石14と、可動子13と、永久磁石15の第2領域28と、ヨーク12とを、この順に結ぶループで磁束が形成されることになる。
【0031】
以上によって、軸線方向における逆側(図3における左側)となる永久磁石14と、軸線方向における逆側(図3における右側)となる永久磁石15の第2領域28とに磁束が導かれることで、永久磁石14および永久磁石15の第2領域28がヨーク12に対し軸線方向における位置を合わせることで、可動子13が軸線方向における逆方向(図3における右方向)に移動する。
【0032】
そして、交流電流によってコイル18への電流の流れの方向が交互に変化することにより、以上の作動を繰り返して、可動子13はヨーク12に対して軸線方向に所定のストロークで往復動することになる。
【0033】
以上に述べた本実施形態のリニアアクチュエータ11によれば、コイル18が可動子13ではなくヨーク12に設けられるため、可動子13側に給電する必要がなくなって、移動する可動子13がコイル18への給電線に断線を生じさせてしまうことがなくなる。したがって、連続運転等に対する信頼性を向上させることができる。
【0034】
加えて、上述したようなループの磁束で可動子13を移動させることから、可動子13の永久磁石14〜16に対し反対側すなわち内径側にヨーク12の一部をバックヨークとして配置しない構成にできる。したがって、可動子13の永久磁石14〜16に対し反対側すなわち内径側の貫通する空間30を有効利用できる。具体的には、別途のシリンダやそのピストン等を配置することができる。同様に、バックヨークが不要となったことで可動子13の両端支持が可能となり、モーメントの発生しない非常に安定した軸受け構造にできる。さらに、バックヨークが不要となったことで機器組み込み時の設計自由度が大幅に改善される。
【0035】
加えて、鉄部材からなる可動子13で永久磁石14〜16を保持することで、極めて過酷な運転条件で使用されるコンプレッサ等への適用であっても、非常に硬く脆い性質をもっている永久磁石14〜16の機械強度が上がり、信頼性を向上させることができる。
【0036】
さらに、ヨーク12の可動子13側に往復動の方向の磁気ギャップであるエアギャップ24を設けているため、可動子13の往復動方向における永久磁石15の一側の第1領域27で磁束を導くこと、および可動子13の往復動方向における永久磁石15の逆側の第2領域28で磁束を導くことが確実にできる。
【0037】
また、磁束ループ上に永久磁石15に加えて第2の永久磁石としての永久磁石14,16が設けられるため、駆動力を増大させることができる。
【0038】
ここで、第1実施形態のリニアアクチュエータ11は、例えば、図4に示すように、可動子13をヨーク12に直線移動可能に支持する支持機構32を設けることでリニアモータとして使用される。この支持機構32は、可動子13の軸線方向における各端部をヨーク12の軸線方向における近接する各端部に連結させる一対の板バネ33を有しており、板バネ33は、コイル18に電流が流れていないときにヨーク12の軸線方向における中央に可動子13を配置する。なお、可動子13をヨーク12に直線移動可能に支持する支持機構として、ボールブッシュや空気軸受け(気体軸受け)、滑り軸受け等を用いることが可能である。
【0039】
加えて、第1実施形態のリニアアクチュエータ11は、例えば、図5に示すように、可動子13の軸線方向における中央の外周側に凹部35を形成し、軸線方向の中央の永久磁石15のみをこの凹部35に嵌め入れるように配置しても良い(図5はこのようなリニアアクチュエータに一対の板バネ33からなる支持機構32を設けた例を図示している)。
【0040】
さらに、上述したリニアアクチュエータ11について、中心軸線側と外径側とで構成を反転させるようにしても良い。すなわち、図示は略すが、コイル18を含むヨーク12の外径側に、内径側に永久磁石14〜16が固定された状態の円筒状の可動子13を設けるのである。
【0041】
ここで、永久磁石14〜16としては、上記したフェライトリング磁石以外にも、ネオジウム、サマリウムコバルト等の希土類系のものを用いたり、プラスチック磁石を用いることも可能であるが、フェライト磁石を用いるのがコスト低減の観点からより好ましい。
【0042】
また、上記リニアアクチュエータ11に位置、速度等を検出するセンサを設け、閉ループ制御を行うことで速度や位置の制御が可能なリニアサーボアクチュエータとして利用できる。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータを図6および図7を参照して以下に説明する。
【0044】
図6に示すように、第2実施形態のリニアアクチュエータ41は、ヨーク(固定子)42と、このヨーク42の内側に往復動可能に設けられた可動子43と、可動子43の外側すなわちヨーク42側に固定された一対の永久磁石44,45と、可動子43の外側すなわちヨーク42側に固定された一対の永久磁石46,47と、ヨーク42に固定された二つのコイル48とを備えている。
【0045】
上記ヨーク42は、その中心位置に貫通穴51が形成されることにより全体として角筒形状をなしている。貫通穴51は、円筒の内周面を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなし互いに離間状態で対向する二カ所の円筒面部52と、各円筒面部52のそれぞれの両端縁部から円筒面部52同士を結ぶ方向に沿って外側に延出する平面部53と、各平面部53のそれぞれの円筒面部52に対し反対側の端縁部から平面部53と直交して外側に延出する平面部54と、円筒面部52同士を結ぶ方向に延在して各平面部54の対応するもの同士をそれぞれ連結させる平面状の内面部55とを有している。ここで、二カ所の円筒面部52は、同径同長同幅をなしており同軸に配置されている。また、平面部53、平面部54および内面部55で、各円筒面部52の円周方向における両側に半径方向に凹む凹部56がそれぞれ形成されている。
【0046】
なお、このヨーク42は、図示は略すが、上記二カ所の円筒面部52と四カ所の平面部53と四カ所の平面部54と二カ所の内面部55とを有する形状に薄板状の鋼板をプレスで打ち抜いて基部材を形成し、この基部材を貫通穴51の貫通方向に複数、位置を合わせながら積層しつつ接合させた積層電気鉄板からなっている。また、このヨーク42には、可動子43の内側に延出する形状のバックヨークは設けられていない。ここで、ヨーク42を焼結材で形成しても良い。
【0047】
ヨーク42においては、各内面部55と各内面部55に平行をなしてそれぞれ近接する外面部57との間の部分がコイル巻回部58とされており、その結果、このようなコイル巻回部58が二カ所互いに平行に設けられている。コイル巻回部58には内面部55の全幅にわたってコイル48が巻き付けられ、その結果、各コイル48はリング状をなしてヨーク42に固定されている。ヨーク42はコイル48の間に可動子43を挟んだ状態で配置されている。
【0048】
可動子43は、全体として円筒状をなしており、その外径がヨーク42の内径よりも所定量小径とされている。この可動子43は、全体が磁化されていない磁性材料である鉄部材からなっており、例えば焼結材からなっている。そして、この可動子43はヨーク42の内径側に、同軸をなすように挿入されることによって、ヨーク42に対してヨーク42の軸線方向に往復動可能に設けられる。なお、可動子43を積層電気鉄板で形成しても良い。
【0049】
上記永久磁石44,45は、円筒を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなす同径同長同幅のフェライト磁石からなるもので、互いに同軸をなし円周方向の位置を合わせ軸線方向に直列に隣接するように並べられた状態で、可動子43の半径方向の外周面62に接合固定されている。ここで、永久磁石44,45の軸方向長さは等しくされており、これらの軸方向長さの合計が可動子43の軸方向長さと等しくされている。なお、可動子43は、永久磁石44,45をヨーク42の一方の円筒面部52に常に対向させており、永久磁石44,45の外径は対向するヨーク42の一方の円筒面部52の内径よりもエアギャップを形成する所定量小径とされている。
【0050】
これら永久磁石44,45は、軸線方向に直交する方向に磁極を並べたラジアル異方性のもので、互いの磁極の並びを逆にしている。具体的には、可動子43の軸線方向における一側の永久磁石44は、N極44aが内径側にS極44bが外径側に配置されており、他側の永久磁石45は、N極45aが外径側にS極45bが内径側に配置されている。
【0051】
上記永久磁石46,47は、円筒を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなす同径同長同幅のフェライト磁石からなるもので、互いに同軸をなし円周方向の位置を合わせ軸線方向に直列に隣接するように並べられた状態で、しかも永久磁石44,45に対し180度位置を異ならせて、可動子43の外周面62に接合固定されている。ここで、永久磁石46,47の軸方向長さは等しくされており、これらの軸方向長さの合計が可動子43の軸方向長さと等しくされている。なお、可動子43は、永久磁石46,47をヨーク42の他方の円筒面部52に常に対向させており、永久磁石46,47の外径は対向するヨーク42の他方の円筒面部52の内径よりもエアギャップを形成する所定量小径とされている。
【0052】
これら永久磁石46,47は、軸線方向に直交する方向に磁極を並べたラジアル異方性のもので、互いの磁極の並びを逆にしている。具体的には、可動子43の軸線方向における一側の永久磁石46は、N極46aが外径側にS極46bが内径側に配置されており、他側の永久磁石47は、N極47aが内径側にS極47bが外径側に配置されている。
【0053】
よって、可動子43の往復動の方向に位置が合う永久磁石44および永久磁石46は互いにヨーク42側すなわち外径側の磁極を逆にしており、可動子43の往復動の方向に位置が合う永久磁石45および永久磁石47も互いにヨーク42側すなわち外径側の磁極を逆にしている。すなわち、可動子43において、永久磁石44〜47は可動子43側の磁極とヨーク42対向側の磁極とが、軸方向に隣り合うもの同士で相反する配置でありかつ回転方向に隣り合うもの同士で相反する配置である。
【0054】
以上により、可動子43に、その往復動の方向に直交して磁極を並べた状態の永久磁石44〜47をそのヨーク42側すなわち外側に設けることになり、言い換えれば、永久磁石44〜47のヨーク42に対し反対側に全体として鉄部材からなる可動子43が設けられている。
【0055】
また、永久磁石44,45が互いに可動子43の往復動の方向に隣り合いかつ互いの磁極の並びを逆にした状態で一対設けられてなる、一つの第1永久磁石組65と、永久磁石46,47が互いに可動子43の往復動の方向に隣り合いかつ互いの磁極の並びを逆にした状態で一対設けられてなる、一つの第2永久磁石組66とを有していて、これら第1永久磁石組65および第2永久磁石組66は、可動子43の往復動の方向に位置が合う永久磁石同士がヨーク42側の磁極を逆にしている。なお、永久磁石44,45を可動子43の移動方向に複数対設けて第1永久磁石組65とし、かつ永久磁石46,47を可動子43の移動方向に複数対設けて第2永久磁石組66としても良い。また、第1永久磁石組65および第2永久磁石組66をそれぞれ円周方向に複数設けても良い(第3実施形態参照)。
【0056】
ここで、可動子43の軸線方向長さ、すなわち永久磁石44,45の軸線方向長さの合計および永久磁石46,47の軸線方向長さの合計は、ヨーク42の軸線方向における長さよりも長くされている。具体的には、ヨーク42および可動子43が互いに軸線方向における中央位置を合わせた状態で、永久磁石44,45がその軸線方向における半分の長さ分、それぞれヨーク42よりも外側に突出するように設定されており、同様に、永久磁石46,47がその軸線方向における半分の長さ分、それぞれヨーク42よりも外側に突出するように設定されている。
【0057】
上記構造の第2実施形態のリニアアクチュエータ41においては、両側のコイル48に交流電流(正弦波電流、矩形波電流)を同期して流す。ここで、両側のコイル48には、それぞれのコイル巻回部58よりも可動子43側の部分に、可動子43の軸線方向に沿って逆向きの電流を流すことになる。
【0058】
なお、両側のコイル48に電流を流していない状態では、一対の永久磁石44,45によって、ヨーク42、永久磁石44、可動子43、永久磁石45およびヨーク42をこの順に結ぶループで磁束が形成されるとともに、一対の永久磁石46,47によって、ヨーク42、永久磁石47、可動子43、永久磁石46およびヨーク42をこの順に結ぶループで磁束が形成される。このとき、可動子43は停止状態とされる。
【0059】
そして、例えば、図6に示すように、一方(図6(a)における左側)のコイル48に一方向に電流を流すと、その内側のコイル巻回部58に一方向(図6(a)における上方向)に起磁力が生じる。すると、一対の永久磁石44,45および一対の永久磁石46,47によって、この一方のコイル48側には、図6に二点鎖線で示すように、ヨーク42、一方の永久磁石44、可動子43、可動子43の軸線方向において上記一方の永久磁石44と位置が合う一方の永久磁石46およびヨーク42を、この順に結ぶループで磁束が形成されることになる。これと同時に、他方(図6(a)における右側)のコイル48に一方向に流れるように電流を流すと、コイル巻回部58に一方向(図6(a)における上方向)に起磁力が生じる。すると、図6に二点鎖線で示すように、一対の永久磁石44,45および一対の永久磁石46,47によって、この他方のコイル48側にも、ヨーク42、一方の永久磁石44、可動子43、可動子43の軸線方向において上記一方の永久磁石44と位置が合う一方の永久磁石46およびヨーク42をこの順に結ぶループで磁束が形成されることになる。
【0060】
以上によって、可動子43が軸線方向における永久磁石44,46の位置をヨーク42に合わせるように、その軸線方向における一方向(図6(b)における右方向)に移動する。
【0061】
次に、図7に示すように、一方(図7(a)における左側)のコイル48に逆方向に電流を流すと、その内側のコイル巻回部58に逆方向(図7(a)における下方向)に起磁力が生じる。すると、図7に二点鎖線で示すように、一対の永久磁石44,45および一対の永久磁石46,47によって、この一方のコイル48側に、ヨーク42、他方の永久磁石47、可動子43、可動子43の軸線方向において上記他方の永久磁石47と位置が合う他方の永久磁石45およびヨーク42を、この順に結ぶループで磁束が形成されることになる。これと同時に、他方(図7(a)における右側)のコイル48に逆方向に電流を流すと、コイル巻回部58に逆方向(図7(a)における下方向)に起磁力が生じる。すると、図7に二点鎖線で示すように、一対の永久磁石44,45および一対の永久磁石46,47によって、この他方のコイル48側に、ヨーク42、他方の永久磁石47、可動子43、可動子43の軸線方向において上記他方の永久磁石47と位置が合う他方の永久磁石45およびヨーク42を、この順に結ぶループで磁束が形成されることになる。
【0062】
以上によって、可動子43が軸線方向における永久磁石45,47の位置をヨーク42に合わせるように、その軸線方向における逆方向(図7(b)における左方向)に移動する。
【0063】
そして、交流電流によって両コイル48への電流の流れの方向が交互に変化することにより、以上の作動を繰り返して、可動子43はヨーク42に対してその軸線方向に所定のストロークで往復動することになる。
【0064】
以上に述べた第2実施形態のリニアアクチュエータ41によれば、コイル48が可動子43ではなくヨーク42に設けられるとともに、可動子43の永久磁石44〜47に対し反対側すなわち内径側にヨーク42の一部をバックヨークとして配置しない構成にできるため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0065】
加えて、ヨーク42は可動子43の往復動の方向に積層された積層電気鉄板からなるため、ムク材から削り出されて形成される場合に比して渦電流損失を低減することができる一方、焼結で形成される場合に比してヒステリシス損を低減することができる。したがって、性能を向上させることができる。また、特にヨーク42を大型化する場合に、ムク材からの削り出しおよび焼結に比して製造が容易となる。したがって、全体の大型化に伴うヨーク42の大型化に容易に対応することができる。
【0066】
なお、第2実施形態においても、永久磁石44〜47としては、上記したフェライト磁石以外にも、ネオジウム、サマリウムコバルト等の希土類系のものを用いたり、プラスチック磁石を用いることも可能であるが、フェライト磁石を用いるのがコスト低減の観点からより好ましい。
【0067】
また、このリニアアクチュエータ11は、可動子43にバネを組み込んだり、外部に置かれたバネとの併用で共振させて使用されるのが一般的であるが、勿論、このまま使用することも可能である。
【0068】
さらに、このリニアアクチュエータ11に位置、速度等を検出するセンサを設け、閉ループ制御を行うことで速度や位置の制御が可能なリニアサーボアクチュエータとして利用できる。
【0069】
次に、本発明の第3実施形態のリニアアクチュエータを図8を参照して以下に説明する。
【0070】
第3実施形態のリニアアクチュエータ71は、ヨーク(固定子)72と、このヨーク72の内側に往復動可能に設けられた可動子73と、可動子73のヨーク72側に固定された四組の永久磁石74,75と、可動子73のヨーク72側に固定された四組の永久磁石76,77と、ヨーク72に固定された八つのコイル78とを備えている。
【0071】
上記ヨーク72は、その中心位置に貫通穴81が形成されることにより全体として円筒形状をなしている。貫通穴81は、円筒の内周面を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなし円周方向に等間隔で配置される八カ所の円筒面部82を有している。ここで、円周方向に隣り合う円筒面部82同士の間は、半径方向外方に凹む凹部83とされており、その結果、円周方向に隣り合う凹部83同士の間には、円筒面部82を有する凸部84が形成されている。ここで、八カ所の円筒面部82は、同径同長同幅をなしており同軸に配置されている。なお、このヨーク72は、図示は略すが、第1実施形態と同様に、上記八カ所の凹部83および凸部84を有する形状に薄板状の鋼板をプレスで打ち抜いて基部材を形成し、この基部材を貫通穴81の貫通方向に複数、位置を合わせながらを積層させつつ接合させた積層電気鉄板からなっている。
また、このヨーク72には、可動子73の内側に延出する形状のバックヨークは設けられていない。ここで、ヨーク72を焼結材で形成しても良い。
【0072】
第3実施形態において、ヨーク72の各凸部84には、軸線方向と円周方向とに交互に延在するようにコイル78が巻き付けられ、その結果、各コイル78はリング状をなしてヨーク72に固定されている。ヨーク72は、コイル78の間に可動子73を挟んだ状態で配置されている。
【0073】
可動子73は、全体として円筒状をなしており、その外径がヨーク72の内径よりも所定量小径とされている。この可動子73は、全体が磁化されていない磁性材料である鉄部材からなっており、例えば焼結材からなっている。そして、この可動子73はヨーク72の内径側に、同軸をなすように挿入されることによって、ヨーク72に対してヨーク72の軸線方向に往復動可能に設けられる。なお、可動子73を積層電気鉄板で形成しても良い。
【0074】
上記永久磁石74,75は、円筒を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなす同径同長同幅のフェライト磁石からなるもので、互いに同軸をなし円周方向の位置を合わせ軸線方向に隣り合った状態で並べられ、共通の円筒面部82に所定のエアギャップをあけて対向するように可動子73の半径方向における外周面86に接合固定されている。ここで、これら永久磁石74,75は、軸線方向に直交する方向に磁極を並べたラジアル異方性のもので、互いの磁極の並びを逆にしている。具体的には、可動子73の軸線方向における一側の永久磁石74は、N極74aが内径側にS極74bが外径側に配置されており、他側の永久磁石75は、N極75aが外径側にS極75bが内径側に配置されている。そして、このような一対の永久磁石74,75からなる第1永久磁石組88が四つ、円周方向に一つおきに配置された各円筒面部82にそれぞれ所定のエアギャップをあけて対向するように固定されている。
【0075】
上記永久磁石76,77は、円筒の内周面を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなす同径同長同幅をなすフェライト磁石からなるもので、互いに同軸をなし円周方向の位置を合わせ軸線方向に隣り合った状態で並べられて共通の円筒面部82に所定のエアギャップをあけて対向するように可動子73の外周面86に接合固定されている。ここで、これら永久磁石76,77は、軸線方向に直交する方向に磁極を並べたラジアル異方性のもので、互いの磁極の並びを逆にしている。具体的には、可動子73の軸線方向における一側の永久磁石76は、N極76aが外径側にS極76bが内径側に配置されており、他側の永久磁石77は、N極77aが内径側にS極77bが外径側に配置されている。そして、このような一対の永久磁石76,77からなる第2永久磁石組89が四つ、円周方向に一つおきに配置された残りの各円筒面部82にそれぞれ所定のエアギャップをあけて対向するように可動子73の外周面86に固定されている。
【0076】
一対の永久磁石74,75および一対の永久磁石76,77は、可動子73の軸線方向に位置が合う永久磁石同士で外径側すなわちヨーク72の磁極を逆にしている。すなわち、可動子73の軸線方向に位置が合う永久磁石74および永久磁石76は互いに外径側の磁極を逆にしており、可動子73の軸線方向に位置が合う永久磁石75および永久磁石77も互いに外径側の磁極を逆にしている。
【0077】
以上により、可動子73に、その往復動の方向に直交して磁極を並べた状態の永久磁石74〜77をそのヨーク72側すなわち外側に設けることになり、言い換えれば、永久磁石74〜77のヨーク72に対し反対側に全体として鉄部材からなる可動子73が設けられている。
【0078】
また、互いに可動子73の往復動の方向に隣り合いかつ互いの磁極の並びを逆にした状態の永久磁石74,75が一対設けられてなる第1永久磁石組88を四つ有するとともに、互いに可動子73の往復動の方向に隣り合いかつ互いの磁極の並びを逆にした状態の永久磁石76,77が一対設けられてなる第2永久磁石組89を四つ有していて、これら第1永久磁石組88および第2永久磁石組89は、可動子73の往復動の方向に位置が合う永久磁石同士がヨーク72側の磁極を逆にしている。なお、永久磁石74,75を可動子73の移動方向に複数対設けて第1永久磁石組88とし、かつ永久磁石76,77を可動子73の移動方向に複数対設けて第2永久磁石組89としても良い。
【0079】
以上に述べた第3実施形態のリニアアクチュエータ71によれば、第2実施形態のリニアアクチュエータ11と同様の効果を発揮することができ、その上で、一対の永久磁石74,75からなる第1永久磁石組88と一対の永久磁石76,77からなる第2永久磁石組89とがそれぞれ複数具体的には四組に分けられていることから、ヨーク厚さを薄くでき、軽量化が図れる。
【0080】
なお、第3実施形態においても第2実施形態と同様の変更等が可能である。
加えて、上述した第3実施形態のリニアアクチュエータ71について、中心軸線側と外径側とで構成を反転させるようにしても良い。例えば、コイル78を含むヨーク72の外径側に往復動可能に円筒状の可動子73を設けるとともに可動子73のヨーク72側すなわち内径側に永久磁石74〜77を固定するのである。このように構成すれば、全体として同じ大きさとした場合に、コイル78が小さくなるので、銅損失が少なくなり、力を発生させる面積を大きくすることができて、効率を向上させることができる。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のリニアアクチュエータによれば、コイルが固定子側に設けられるため、可動子側に給電する必要がなくなって、移動する可動子がコイルへの給電線に断線を生じさせてしまうことがなくなる。したがって、信頼性を向上させることができる。
【0082】
また、固定子と可動子との間で磁気回路が閉塞するように可動子に永久磁石を配置していることから、可動子の永久磁石に対し反対側に固定子の一部をバックヨークとして配置しない構成にできる。したがって、このバックヨークが不要となる部分に他部品を配置可能なスペースを確保できるため、このリニアアクチュエータが組み込まれる装置を小型化することができる。加えて、バックヨークが不要となったことで可動子の両端支持が可能となり、モーメントの発生しない非常に安定した軸受け構造にできる。さらに、バックヨークが不要となったことで機器組み込み時の設計自由度が大幅に改善される。
【0083】
加えて、可動子で永久磁石を保持することになるため、極めて過酷な運転条件で使用されるコンプレッサ等への適用であっても、非常に硬く脆い性質をもっている永久磁石の機械強度が上がり、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示すもので、(a)は側断面図、(b)は正面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示す側断面図であって、コイルに電流が一方向に流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。
【図3】 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示す側断面図であって、コイルに電流が逆方向に流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。
【図4】 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを含むリニアモータを示すものであって、(a)は側断面図、(b)は正面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータの変形例を含むリニアモータを示すものであって、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図6】 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータのコイルに電流が一方向に流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すもので、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータのコイルに電流が逆方向に流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すもので、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図8】 本発明の第3実施形態のリニアアクチュエータを示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。
【図9】 リニアアクチュエータの一例を示す側断面図である。
【符号の説明】
11,41,71 リニアアクチュエータ
12,42,72 ヨーク(固定子)
13,43,73 可動子
14〜16,44〜47,74〜77 永久磁石
14a,15a,16a,44a,45a,46a,47a,74a,75a,76a,77a N極(磁極)
14b,15b,16b,44b,45b,46b,47b,74b,75b,76b,77b S極(磁極)
18,48,78 コイル
24 エアギャップ(磁気ギャップ)
65,88 第1永久磁石組
66,89 第2永久磁石組
Claims (8)
- コイルを設けた固定子と、少なくとも一部に鉄部材を有し中心軸線に沿って往復動可能に設けられた可動子とを有するリニアアクチュエータにおいて、
前記可動子には、前記固定子との間で磁気回路が閉塞するように、前記中心軸線に対し直交方向に磁極を並べた状態の永久磁石が前記固定子対向側に設けられるとともに該永久磁石の前記固定子対向側に対し反対側に前記鉄部材が設けられ、
前記固定子は、軸直交方向の分割面で分割された形状をなし、予め巻回された前記コイルを挟んで突合わされており、
該コイルを収納する前記固定子の収納空間部が閉塞されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 分割された前記固定子の前記永久磁石側の突合せ部にはテーパー面が形成されており、前記コイルと前記永久磁石との間に三角形状の磁気ギャップが形成されていることを特徴とする請求項1記載のリニアアクチュエータ。
- 鉄部材からなる可動子の軸方向における中央の外周側に凹部が形成され、該凹部に前記永久磁石が1つだけ嵌め入れられていることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアアクチュエータ。
- 前記可動子において、前記永久磁石は前記鉄部材側の磁極と前記固定子対向側の磁極とが前記中心軸線方向に隣り合うもの同士で相反する配置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のリニアアクチュエータ。
- 前記可動子において、前記永久磁石は前記鉄部材側の磁極と前記固定子対向側の磁極とが前記中心軸線方向に隣り合うもの同士で相反する配置であり、かつ前記永久磁石は前記鉄部材側の磁極と前記固定子対向側の磁極とが回転方向に隣り合うもの同士で相反する配置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のリニアアクチュエータ。
- 前記固定子は前記コイルの間に前記可動子を挟んだ状態で配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のリニアアクチュエータ。
- 前記固定子は、積層コアに前記コイルを巻回した状態で配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載のリニアアクチュエータ。
- 前記固定子と前記可動子とをバネによって接続することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載のリニアアクチュエータ。
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