JP4457598B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents

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本発明は、リニアアクチュエータに関し、特にその構造の簡素化に関する。
リニアアクチュエータは、バネを併用し共振させることによって少ない損失で駆動できることから、コンプレッサモータ等として利用されている。そして、このリニアアクチュエータを用いたコンプレッサは高効率である等優れた性能を発揮できることから、冷蔵庫や、冷凍庫、あるいはエアコンディショナ用としての利用が期待されている。
リニアアクチュエータには、コイルを含む可動子が動く可動コイル型(例えば、ボイスコイルモータ)や、永久磁石を含む可動子が動く可動磁石型等がある(例えば下記の非特許文献)。
「リニア振動アクチュエータの分類と研究開発の現状」、電気学会リニアドライブ研究会、平成9年1月20日、第41頁〜第46頁 「3次元磁気回路を採用したレシプロモータの開発と応用」、月刊フードケミカル、2003年7月号、第65頁〜第69頁
リニアアクチュエータを製造するうえで常に課題となるのは、永久磁石が非常に高価な点である。リニアアクチュエータを如何に安価に製造できるかは、永久磁石の数や大きさを如何に減少させることができるかにかかっているといっても過言ではない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、永久磁石の数や大きさを減らし、リニアアクチュエータ1個当たりの製造単価に占める永久磁石の割合を低減することでリニアアクチュエータの製造コストを削減することを目的としている。
上記の課題を解決するための手段として、次のような構成のリニアアクチュエータを採用する。
すなわち、本発明の請求項1記載のリニアアクチュエータは、固定子と、少なくとも一部に鉄部材を有し前記固定子に対し往復動可能に設けられた可動子と、前記固定子に前記可動子を挟んだ状態で離間して設けられた一対の永久磁石と、前記固定子に設けられたコイルとを備え、
前記一対の永久磁石は、一方の永久磁石が前記往復動方向の一方に、他方の永久磁石が前記往復動方向の他方にそれぞれ寄せて配置され、かつ双方の永久磁石は、前記鉄部材に対向させる磁極を同じくしていることを特徴としている。
上記のリニアアクチュエータにおいては、電流がコイルにある方向に向けて流れた状態では、例えば、固定子、一方の永久磁石、鉄部材、可動子を挟んで一方の永久磁石に対向する固定子を順に巡る磁束のループが形成され、電流がコイルに逆方向に向けて流れた状態では、固定子、他方の永久磁石、鉄部材、可動子を挟んで他方の永久磁石に対向する固定子を順に巡る磁束のループが形成される。
電流がコイルにある方向に向けて流れた状態では、磁束は往復動方向の一方に可動子を付勢する力を発生し、電流がコイルに逆方向に向けて流れた状態では、磁束は往復動の他方に可動子を付勢する力を発生する。したがって、コイルに流れる電流の向きを交互に切り換えることにより、可動子を往復動させることが可能である。
本発明の請求項2記載のリニアアクチュエータは、固定子と、少なくとも一部に鉄部材を有し前記固定子に対し往復動可能に設けられた可動子と、前記固定子に前記可動子を取り囲むようにして等間隔に配置された偶数個の第1の永久磁石と、等間隔に離間する前記第1の永久磁石の間にひとつずつ配置された同数個の第2の永久磁石と、前記固定子に設けられたコイルとを備え、
前記第1の永久磁石は、前記鉄部材に対向させる磁極をすべて同じくして前記往復動方向の一方に寄せて配置され、前記第2の永久磁石は、前記鉄部材に対向させる磁極をすべて前記第1の永久磁石と同じくし、前記往復動方向の他方に寄せて配置されていることを特徴としている。
上記のリニアアクチュエータにおいては、電流がコイルにある方向に向けて流れた状態では、例えば、固定子、第1の永久磁石、鉄部材、第1の永久磁石と隣り合う固定子(第2の永久磁石が設けられていない部分)を順に巡る磁束のループが形成され、電流がコイルに逆方向に向けて流れた状態では、固定子、第2の永久磁石、鉄部材、第2の永久磁石と隣り合う固定子(第1の永久磁石が設けられていない部分)を順に巡る磁束のループが形成される。
電流がコイルにある方向に向けて流れた状態では、磁束は可動子を往復動方向の一方に付勢する力を発生し、電流がコイルに逆方向に向けて流れた状態では、磁束は可動子を往復動の他方に付勢する力を発生する。したがって、コイルに流れる電流の向きを交互に切り換えることにより、可動子を往復動させることが可能である。
本発明のリニアアクチュエータによれば、固定子側に、軸方向(可動子の往復動方向)の全域にわたって永久磁石を設けなくても、従来と同様に可動子を往復動させることが可能である。したがって、永久磁石の数や大きさを減らし、リニアアクチュエータ1個当たりの製造単価に占める永久磁石の割合を低減することができ、結果的にリニアアクチュエータの製造コストを削減することができる。
本発明のリニアアクチュエータの第1の実施形態を図1ないし図6に示して説明する。
本実施形態のリニアアクチュエータ11は、ヨーク(固定子)12と、ヨーク12の内側に往復動可能に設けられた可動子13と、ヨーク12に固定された一対の永久磁石14,15と、ヨーク12に固定された二つのコイル16とを備えている。
ヨーク12は、中央に貫通穴21が形成されることにより全体として角筒形状をなしている。貫通穴21は、円筒の内周面を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなし互いに離間状態で対向する二カ所の円筒面部22と、各円筒面部22のそれぞれの両端縁部から円筒面部22どうしを結ぶ方向に沿って外側に延出する平面部23と、各平面部23のそれぞれの円筒面部22に対し反対側の端縁部から平面部23と直交して外側に延出する平面部24と、円筒面部22どうしを結ぶ方向に延在して各平面部24の対応するものどうしをそれぞれ連結させる平面状の内面部25とを有している。ここで、二カ所の円筒面部22は、同径同長同幅をなしており同軸に配置されている。また、平面部23、平面部24および内面部25で、各円筒面部22の円周方向における両側に半径方向に凹む凹部30がそれぞれ形成されている。
ヨーク12は、上記二カ所の円筒面部22と四カ所の平面部23と四カ所の平面部24と二カ所の内面部25とを有する形状に薄板状の鋼板をプレスで打ち抜いて基部材27を形成し、この基部材27を貫通穴21の貫通方向に複数、位置を合わせながら積層しつつ接合させた積層鋼板からなっている。
なお、ヨーク12には、可動子13の内側に延出する形状のバックヨークは設けられていない。
ヨーク12においては、各内面部25と各内面部25に平行をなしてそれぞれ近接する外面部26との間の部分がコイル巻回部28とされており、その結果、このようなコイル巻回部28が二カ所互いに平行に設けられている。コイル巻回部28には内面部25の全幅にわたってコイル16が巻き付けられ、その結果、各コイル16はリング状をなしてヨーク12に固定されている。
永久磁石14,15は、いずれも円筒を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなす同径同長同幅のネオジウム磁石からなる。永久磁石14は、可動子13の往復動方向の一方(図1では手前側)に寄せて配置され、凸状に湾曲する側面14aを一方の円筒面部22に接して固定されている。永久磁石15は、永久磁石14とは可動子13を挟んで向かい合い、可動子13の往復動方向の他方(図1では奥側)に寄せて配置され、凸状に湾曲する側面15aを他方の円筒面部22に接して固定されている。永久磁石14,15は、軸線方向に直交する方向に磁極を並べた異方性のもので、可動子13に対向させる磁極を同じくしている。具体的には、両磁石ともN極を可動子13に向けている。
可動子13は、中央に貫通穴31が形成されることにより円筒状をなしており、その外径が永久磁石14、15の内径よりも若干小径とされている。可動子13は、永久磁石14,15の内径側に、これらと対向しつつ同軸をなすように挿入されることによって、ヨーク12に対して貫通穴21の貫通方向に往復動可能に設けられている。ここで、可動子13の軸線方向における長さは、ヨーク12の貫通穴21の貫通方向における長さよりも短くなっている。
可動子13は、薄板状の鋼板をプレスで打ち抜いて内側に貫通穴31を有する円環状の基部材32を形成し、この基部材32を貫通穴31の貫通方向に複数、位置を合わせながら積層させて接合させた積層鋼板からなっている。これにより可動子13は全体が鉄部材からなっている。
上記のように構成されたリニアアクチュエータ11においては、両側のコイル16に電流を流していない状態では、永久磁石14によって、図2に二点鎖線で示すように、ヨーク12、永久磁石14、可動子13、永久磁石14よりも可動子13の往復動方向の他方に位置して可動子13に対向するヨーク12(永久磁石14が設けられていない部分、図2では左側)を順に巡る磁束ループが形成されるとともに、永久磁石15によって、ヨーク12、永久磁石15、可動子13、永久磁石14よりも可動子13の往復動方向の一方に位置して可動子13に対向するヨーク12(永久磁石15が設けられていない部分、図2では右側)を順に巡る磁束ループが形成される。このとき、永久磁石14によって形成される磁束ループは可動子13を往復動方向の一方に付勢する力を発生し、永久磁石15によって形成される磁束ループは可動子13を往復動方向の他方に付勢する力を発生するので、可動子13は相反する方向の力に引っ張られて定位置に停止した状態を保つ。
そして、両側のコイル16に交流電流(正弦波電流、矩形波電流)を同期して流すと、リニアアクチュエータ11は可動子13を次のように駆動させる。
まず、図3に示すように、一方(図3では左側)のコイル16に、その可動子13側に貫通穴21の貫通方向の一方(図3を手前から奥に貫く方向)に流れるように電流を流すと、その内側のコイル巻回部28に可動子13の軸方向に直交する向き(図3では下向き)の起磁力が生じる。この方向に起磁力が生じると、この一方のコイル16側には、永久磁石14によって、ヨーク12、永久磁石14、可動子13、可動子13を挟んで永久磁石14に対向するヨーク12を順に巡る磁束ループ(図3の左側の二点鎖線)が形成される。
これと同時に、他方(図3の右側)のコイル16に、その可動子13側に貫通穴21の貫通方向の他方(図3を奥から手前に貫く方向)に流れるように電流を流すと、その内側のコイル巻回部28に可動子13の軸方向に直交する向き(図3では下向き)の起磁力が生じる。この方向に起磁力が生じると、この他方のコイル16側には、永久磁石14によって、ヨーク12、永久磁石14、可動子13、可動子13を挟んで永久磁石14に対向するヨーク12を順に巡る磁束ループ(図3の右側の二点鎖線)が形成される。
両方のコイル16に上記のように通電することによって生じる2つの起磁力の合力f1は、図4に示すように、上下のヨーク12間を可動子13を貫くように下方向に作用する。この力とは別に、永久磁石14によって励起された起磁力f2は、可動子13の往復動方向の一方(永久磁石14が設けられた部分、図4では左側)において下方向に作用する。この部分では、2つの力f1,f2が同方向に作用するために磁束密度が高まる。
その一方で、永久磁石15によって励起された起磁力f3は、可動子13の往復動方向の他方(永久磁石15が設けられた部分、図4では右側)において上方向に作用する。この部分では、2つのf1,f3が相反する方向に作用するために磁束密度が低められてしまう。
その結果、上記の磁束ループは可動子13の往復動方向の一方に集中して形成されることになり、可動子13には往復動方向の一方(図4の左方向)に向けて力Fが作用する。可動子13は、この力Fに付勢されて往復動方向の一方に移動する。
また、図5に示すように、一方(図5では左側)のコイル16に、その可動子13側に貫通穴21の貫通方向の他方(図5を奥から手前に貫く方向)に流れるように電流を流すと、その内側のコイル巻回部28に可動子13の軸方向に直交する向き(図5では上向き)の起磁力が生じる。この方向に起磁力が生じると、この一方のコイル16側には、永久磁石15によって、ヨーク12、永久磁石15、可動子13、ヨーク12を順に巡る磁束ループ(図5の左側の二点鎖線)が形成される。
これと同時に、他方(図5では右側)のコイル16に、その可動子13側に貫通穴21の貫通方向の一方(図5を手前から奥に貫く方向)に流れるように電流を流すと、その内側のコイル巻回部28に可動子13の軸方向に直交する向き(図5では上向き)の起磁力が生じる。この方向に起磁力が生じると、この他方のコイル16側にも、永久磁石15によって、ヨーク12、永久磁石15、可動子13、ヨーク12を順に巡る磁束ループ(図5では右側の二点鎖線)が形成される。
両方のコイル16に上記のように通電することによって生じる2つの起磁力の合力r1は、図6に示すように、上下のヨーク12間を可動子13を貫くように上方向に作用する。この力とは別に、永久磁石15によって励起された起磁力r2は、可動子13の往復動方向の他方(永久磁石15が設けられた部分、図6では右側)において上方向に作用する。この部分では、2つの起磁力r1,r2が同方向に作用するために磁束密度が高まる。
その一方で、永久磁石14によって励起された起磁力r3は、可動子13の往復動方向の一方(永久磁石14が設けられた部分、図6では左側)において下方向に作用する。この部分では、2つの起磁力r1,r3が相反する方向に作用するために磁束密度が低められてしまう。
その結果、上記の磁束ループは可動子13の往復動方向の他方に集中して形成されることになり、可動子13には往復動方向の他方(図6では右方向)に向けて力Rが作用する。可動子13は、この力Rに付勢されて往復動方向の他方に移動する。
上記したように、コイル16には交流電流が流されるので、両コイル16の電流の流れの方向は所定の周期で交互に切り換わる。可動子13は、電流の流れる方向が切り換わるたびに上記の動作を繰り返し、所定のストロークで軸方向に往復動することになる。
上記のように構成されたリニアアクチュエータ11によれば、ヨーク12側に、軸方向の全域にわたって永久磁石14,15を設けなくても、従来と同様に可動子13を往復動させることが可能である。したがって、永久磁石の数や大きさを減らし、リニアアクチュエータ1個当たりの製造単価に占める永久磁石の割合を低減することができ、結果的にリニアアクチュエータの製造コストを削減することができる。
加えて、可動子13に永久磁石がないことから、可動子13への着磁が作業が不要となり、また、可動子13の製造時に可動子13には吸引力が働かないため、可動子13の製造が容易となる。したがって、製造が容易となってコストダウンを図ることができる。
加えて、ヨーク12は可動子13の往復動の方向に積層された積層鋼板からなるため、ムク材から削り出されて形成される場合に比して渦電流損失を低減することができる一方、焼結で形成される場合に比してヒステリシス損を低減することができる。したがって、性能を向上させることができる。また、特にヨーク12を大型化する場合に、ムク材からの削り出しおよび焼結に比して製造が容易となる。したがって、全体の大型化に伴うヨーク12の大型化に容易に対応することができる。
なお、永久磁石14,15としては、上記したネオジウム磁石以外にも、サマリウムコバルト等の希土類系のものや、プラスチック磁石を用いることも可能である。
可動子13にバネを組み込んだり、外部に置かれたバネとの併用で共振させて使用されるのが一般的であるが、勿論、このまま使用することも可能である。
可動子13に位置、速度等を検出するセンサを設け、閉ループ制御を行うことで速度や位置の制御が可能なリニアサーボアクチュエータとして利用できる。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第2の実施形態を図7ないし図12に示して説明する。
本実施形態のリニアアクチュエータ51は、ヨーク(固定子)52と、このヨーク52の内側に往復動可能に設けられた可動子53と、ヨーク52に固定された4つの永久磁石(第1の永久磁石)54と、同じヨーク52に固定された4つの永久磁石(第2の永久磁石)55と、ヨーク52に固定された8つのコイル58とを備えている。
ヨーク52は、中央に貫通穴61が形成されることにより全体として円筒形状をなしている。貫通穴61は、円筒の内周面を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなし円周方向に等間隔で配置される八カ所の円筒面部62を有している。ここで、円周方向に隣り合う円筒面部62どうしの間は、半径方向外方に凹む凹部63とされており、その結果、円周方向に隣り合う凹部63どうしの間には、円筒面部62を有する凸部64が形成されている。ここで、八カ所の円筒面部62は、同径同長同幅をなしており同軸に配置されている。
なお、ヨーク52は、図示は略すが、第1実施形態と同様に、上記八カ所の凹部63および凸部64を有する形状に薄板状の鋼板をプレスで打ち抜いて基部材を形成し、この基部材を貫通穴61の貫通方向に複数、位置を合わせながらを積層させつつ接合させた積層鋼板からなっている。
また、このヨーク52には、可動子53の内側に延出する形状のバックヨークは設けられていない。
本実施形態において、ヨーク52の各凸部64には、軸線方向と円周方向とに交互に延在するようにコイル58が巻き付けられ、その結果、各コイル58はリング状をなしてヨーク52に固定されている。
4つの永久磁石54、および4つの永久磁石55は、すべて円筒を所定の間隔をあけて二カ所その軸線に平行に切断した形状をなす同径同長同幅のネオジウム磁石からなる。4つの永久磁石54は、八カ所の円筒面部62のうちのひとつおきにならぶ四ヶ所の円筒面部62に、可動子53の往復動方向の一方(図7では手前側)に寄せて個々に配置され、凸状に湾曲する側面54aを一方の円筒面部62に接して固定されている。また、4つの永久磁石55は、八カ所の円筒面部62のうち永久磁石54を固定されていない四ヶ所の円筒面部62に、可動子53の往復動方向の他方(図7では奥側)に寄せて個々に配置され、凸状に湾曲する側面55aを一方の円筒面部62に接して固定されている。これにより、永久磁石54,55は、同軸に配置された八カ所の円筒面部62に、周方向に互い違いに、かつ千鳥状に位置をずらして配列されている。永久磁石54,55は、軸線方向に直交する方向に磁極を並べた異方性のもので、可動子53に対向させる磁極を同じくしている。具体的には、両磁石ともすべてN極を可動子53に向けている。
可動子53は、中央に貫通穴71が形成されることにより円筒状をなす鉄部材72とこの鉄部材72の軸線方向における一側に設けられた主部73とを有しており、主部73は鉄部材72と同軸同径をなして隣り合う大径円筒部75と、この大径円筒部75の鉄部材72に対し反対側にこれよりも小径をなして同軸に設けられた小径円筒部76とを有している。なお、鉄部材72および大径円筒部75の外径が、周方向に配列された永久磁石54,55の内径よりも若干小径とされている。この可動子53はヨーク52の円筒面部62の内側すなわち永久磁石54,55の内径側に、これらと同軸をなすように挿入されることにより、ヨーク52に対して貫通穴61の貫通方向に往復動可能に設けられる。ここで、鉄部材72の軸線方向における長さは、ヨーク52の貫通穴61の貫通方向における長さよりも短くされている。また、小径円筒部76には内径側に通した軸等を固定するためのボルト78が半径方向に螺合されている。
なお、この可動子53は、主部73が非磁性材料であるエンジニアリングプラスチック等の合成樹脂からなっており、鉄部材72は焼結材からなっている。可動子53は、鉄部材72を入れ子とする合成樹脂のインサート成形により形成されている。
上記のように構成されたリニアアクチュエータ51においては、8つのコイル58に交流電流(正弦波電流、矩形波電流)を同期して流すと、リニアアクチュエータは可動子53を次のように駆動させる。
まず、各コイル58に、可動子53側から見て時計回りに電流を流すと、図9に示すように、各コイル58の内側の凸部64に可動子53の軸方向に直交する向き(図8では可動子53を中心とする周方向)の起磁力が生じる。この方向に起磁力が生じると、隣り合うコイル58,58間には、永久磁石54によって、ヨーク52、永久磁石54、可動子53、永久磁石54と隣り合う凸部64を順に巡る磁束ループ(図9の二点鎖線)が形成される。
各コイル58に上記のように通電することによって生じるコイル起磁力f1は、図10に示すように、隣り合う凸部64間に可動子53の周方向と同じ向き(図10では下向き)に作用する。この力とは別に、永久磁石54によって励起された起磁力f2は、可動子53の往復動方向の一方(永久磁石54が設けられた部分)において起磁力f1と同じ方向に作用する。この部分では、2つの力f1,f2が同方向に作用するために磁束密度が高まる。
その一方で、永久磁石55によって励起された起磁力f3は、可動子53の往復動方向の他方(永久磁石55が設けられた部分)において起磁力f1とは逆の方向に作用する。この部分では、2つのf1,f3が相反する方向に作用するために磁束密度が低められてしまう。
その結果、上記の磁束ループは可動子53の往復動方向の一方(図10では左側)に集中して形成されることになり、可動子53には往復動方向の一方(図10では左方向)に向けて力Fが作用する。可動子53は、この力Fに付勢されて往復動方向の一方に移動する。
また、各コイル58に、可動子53側から見て半時計回りに電流を流すと、図11に示すように、各コイル58の内側の凸部64に可動子53の軸方向に直交する向き(図9とは逆方向)の起磁力が生じる。この方向に起磁力が生じると、隣り合うコイル58,58間には、永久磁石55によって、ヨーク52、永久磁石54、可動子53、永久磁石55と隣り合う凸部64を順に巡る磁束ループ(図中の二点鎖線)が形成される。
各コイル58に上記のように通電することによって生じるコイル起磁力r1は、図12に示すように、隣り合う凸部64間に可動子53の周方向と同じ向き(図12では上向き)に作用する。この力とは別に、永久磁石55によって励起された起磁力r2は、可動子53の往復動方向の他方(永久磁石55が設けられた部分)において起磁力r1と同じ方向に作用する。この部分では、2つの力r1,r2が同方向に作用するために磁束密度が高まる。
その一方で、永久磁石54によって励起された起磁力r3は、可動子53の往復動方向の一方(永久磁石54が設けられた部分)において起磁力r1とは逆の方向に作用する。この部分では、2つのr1,r3が相反する方向に作用するために磁束密度が低められてしまう。
その結果、上記の磁束ループは可動子53の往復動方向の他方(図12では右側)に集中して形成されることになり、可動子53には往復動方向の他方(図12では右方向)に向けて力Rが作用する。可動子53は、この力Rに付勢されて往復動方向の他方に移動する。
上記第1実施形態と同じく、コイル58には交流電流が流されるので、両コイル58の電流の流れの方向は所定の周期で交互に切り換わる。可動子53は、電流の流れる方向が切り換わるたびに上記の動作を繰り返し、所定のストロークで軸方向に往復動することになる。
上記のように構成されたリニアアクチュエータ51によれば、上記第1実施形態のリニアアクチュエータ11と同様の効果が得られる。しかも、ヨーク52内面の利用効率が向上するので、永久磁石の使用量を減らしても推力の増大が可能になる。さらに、永久磁石が複数、具体的には8つに分けて配設されることから、ヨーク厚さを薄くでき、軽量化が図れる。また、可動子53の軽量化が図れることから、応答性が改善される。
図13には、第2実施形態の変形例を示す。当該のリニアアクチュエータ81は、ヨーク(固定子)82と、このヨーク82の内側に往復動可能に設けられた可動子83と、ヨーク82に固定された2つの永久磁石(第1の永久磁石)84と、同じヨーク82に固定された2つの永久磁石(第2の永久磁石)85と、ヨーク82に固定された4つのコイル88とを備えている。
2つの永久磁石84は、四カ所の円筒面部92のうちのひとつおきにならぶ二ヶ所の円筒面部92に、可動子83の往復動方向の一方(図13では手前側)に寄せて個々に配置され、凸状に湾曲する側面84aを一方の円筒面部92に接して固定されている。また、2つの永久磁石85は、四カ所の円筒面部92のうち永久磁石84を固定されていない二ヶ所の円筒面部92に、可動子83の往復動方向の他方(図13では奥側)に寄せて個々に配置され、凸状に湾曲する側面85aを一方の円筒面部92に接して固定されている。これにより、永久磁石84,85は、同軸に配置された四カ所の円筒面部92に、周方向に互い違いに、かつ千鳥状に位置をずらして配列されている。永久磁石84,85は、軸線方向に直交する方向に磁極を並べた異方性のもので、可動子83に対向させる磁極を同じくしている。具体的には、両磁石ともすべてN極を可動子83に向けている。
上記のリニアアクチュエータ81も、作動原理は上記第二実施形態と同じであり、可動子53は、コイル88を流れる電流の方向が切り換わるたびに上記の動作を繰り返し、所定のストロークで軸方向に往復動することになる。
本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示す正断面図である。 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示す側断面図であって、コイルに電流が流れていないときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示す正断面図であって、コイルに電流が一方向に流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示す側断面図であって、コイルに電流が一方向に流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示す正断面図であって、コイルに電流が逆方向に流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第1実施形態のリニアアクチュエータを示す側断面図であって、コイルに電流が逆方向に流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータを示す正断面図である。 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータを示す図7に示すX−X線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータを示す正断面図であって、コイルに電流が時計回りに流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータを示す断面図(図7に示すX−X線に沿う断面図)であって、コイルに電流が時計回りに流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータを示す正断面図であって、コイルに電流が反時計回りに流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータを示す断面図(図7に示すX−X線に沿う断面図)であって、コイルに電流が反時計回りに流れているときの磁束の状態を二点鎖線で示すものである。 本発明の第2実施形態のリニアアクチュエータの変形例を示す正断面図である。
符号の説明
11 リニアアクチュエータ
12 ヨーク(固定子)
13 可動子
14,15 永久磁石(一対の永久磁石)
16 コイル

Claims (2)

  1. 固定子と、
    少なくとも一部に鉄部材を有し前記固定子に対し往復動可能に設けられた可動子と、
    前記固定子に前記可動子を挟んだ状態で離間して設けられた一対の永久磁石と、
    前記固定子に設けられたコイルとを備え、
    前記一対の永久磁石は、一方の永久磁石が前記往復動方向の一方に、他方の永久磁石が前記往復動方向の他方にそれぞれ寄せて配置され、
    かつ双方の永久磁石は、前記鉄部材に対向させる磁極を同じくしていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 固定子と、
    少なくとも一部に鉄部材を有し前記固定子に対し往復動可能に設けられた可動子と、
    前記固定子に前記可動子を取り囲むようにして等間隔に配置された偶数個の第1の永久磁石と、
    等間隔に離間する前記第1の永久磁石の間にひとつずつ配置された同数個の第2の永久磁石と、
    前記固定子に設けられたコイルとを備え、
    前記第1の永久磁石は、前記鉄部材に対向させる磁極をすべて同じくして前記往復動方向の一方に寄せて配置され、
    前記第2の永久磁石は、前記鉄部材に対向させる磁極をすべて前記第1の永久磁石と同じくし、前記往復動方向の他方に寄せて配置されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
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