JP4520597B2 - 油圧緩衝器のボトム固定構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧緩衝器のボトム固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧緩衝器として、特開平11-182610号公報に記載の如く、外筒の内周壁にリブによって内筒の外周壁を一体に結合したものがある。この油圧緩衝器では、内筒の上端部と外筒の上端部の間にピストンロッドのための軸封部を固定し、内筒の下端部と外筒の下端部の間にボトムピースを固定している。
【0003】
この内外筒一体化構造の油圧緩衝器によれば、外筒がリブを介して内筒に支持され、外筒の剛性を高めることができるし、内、外筒をリブによってセンタリングし、組付作業性も向上できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
内外筒を一体化した油圧緩衝器では、内筒の端部に予めボトムピースを圧入等したサブ組立体を外筒に入れて組立てることができない。そこで、従来技術では、ボトムピースを内筒に嵌合した後、ボトムピースをキャップにより保持するため、キャップを外筒の端部に溶接している。このため、以下の問題点がある。
【0005】
▲1▼ボトムピースを組込んだ後に溶接工程を伴うため、溶接スパッタが外筒の内部に入る可能性があり、これがボトムピースのバルブ類を汚損し油圧緩衝器の品質を損なう。
【0006】
▲2▼溶接は内外筒の加工ラインで行なうのが一般的であり、ボトムピースやキャップを組込み済の内外筒のその後の組立ラインまでの物流段階で、内外筒の内部にゴミ等が入る可能性がある。ボトムピースやキャップが組込み済の内外筒の内部を洗浄し、ゴミを除去するには多大な困難がある。
【0007】
本発明の課題は、内外筒一体化構造の油圧緩衝器において、内筒にボトムピースを組込んだ後に溶接を伴うことを不要とし、内筒へのボトムピースの組込みを組立ラインで行なえるようにし、油圧緩衝器の品質を簡易に向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、外筒の内周壁にリブによって内筒の外周壁を一体に結合し、内筒の内部の油室と、内筒と外筒の間のリザーバ室とを仕切るボトムピースを内筒の下端部と外筒の下端部の間に固定してなる油圧緩衝器のボトム固定構造において、ボトムピースを内筒に嵌合し、ボトムピースをキャップにより保持するとともに、キャップを外筒の端部に嵌合し、キャップを保持する固定部材を外筒の端部に加締め、ネジ結合又は圧入により固定するものであり、前記固定部材がナックルブラケットであるようにしたものである。
【0013】
【作用】
請求項1の発明によれば下記(a)〜(c)の作用がある。
【0016】
(a)内外筒一体化構造の油圧緩衝器において、ボトムピースを内筒に、キャップを外筒に嵌合した後に、キャップを保持する固定部材を外筒の端部に加締め、ネジ結合又は圧入により固定する。従って、内筒にボトムピースを組込んだ後に溶接を伴うことを不要とし、溶接スパッタが外筒の内部へ入る可能性を排除して油圧緩衝器の品質を向上できる。
【0017】
(b)ボトムピースのキャップの組込みと固定部材の固定に溶接を伴わないから、これらの組付作業をゴミ等の入る可能性の少ない組立ラインで行なうことができ、油圧緩衝器の品質を向上できる。
【0018】
(c)ナックルブラケットの外筒への固定に溶接を伴わないから、これを組立ラインで行なうことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は第1参考形態の油圧緩衝器を示す半断面図、図2はダンパチューブの上端部を示す拡大図、図3はダンパチューブの下端部を示す拡大図、図4はダンパチューブの横断面図、図5は第2参考形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図、図6は本発明実施形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図、図7は第3参考形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図、図8は第4参考形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図、図9はダンパチューブの変形例を示す横断面図である。
【0022】
(第1参考形態)(図1〜図4)
図1は、ストラット型サスペンションを構成する複筒型式油圧緩衝器10であり、ダンパチューブ11を外筒12と内筒13からなる二重管とし、外筒12、内筒13を後述するリブ14によって同芯に結合している。油圧緩衝器10は、外筒12に内蔵の内筒13に中空ピストンロッド15を挿入し、ピストンロッド15の上端部に固定の取付ブラケット(不図示)を車体に連結し、外筒12の下端部をナックルブラケット16により車輪側に連結し、車両の懸架装置を構成する。ナックルブラケット16は外筒12の下端部外周に巻回され、溶接されている。
【0023】
油圧緩衝器10は、外筒12の外周の下スプリングシート17と、ピストンロッド15の上端部の取付ブラケットにスラスト軸受(不図示)を介して背面支持した上スプリングシート(不図示)の間に懸架ばね18を介装している。
【0024】
油圧緩衝器10は、内筒13に挿入されるピストンロッド15のためのロッドガイド21(ブッシュ22)とオイルシール23からなる軸封部20を、内筒13の上端部と外筒12の上端部の間に後述する如くに固定している。
【0025】
尚、油圧緩衝器10は、外筒12の上端部にバンプストッパ24を備え、ピストンロッド15が備えるバンプラバー(不図示)をバンプストッパ24に衝合せしめて最圧縮ストロークを規制する。また、ピストンロッド15は内筒13への挿入部にリバウンドシート25、リバウンドラバー26を備え、リバウンドラバー26をロッドガイド21に衝合せしめて最伸長ストロークを規制する。
【0026】
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30とベースバルブ装置50を有し、それらが発生する減衰力により、懸架ばね18による衝撃力の吸収に伴うピストンロッド15の伸縮振動を制振する。
【0027】
(ピストンバルブ装置30)(図1、図3)
ピストンバルブ装置30は、図3に示す如く、ピストンロッド15のピストン装着部31にバルブストッパ32、バルブシート33、チェックバルブ34、ピストン35、ディスクバルブ36、バルブシート37、バルブストッパ38を装着し、これらをナット39で固定し、更にピストンロッド15の外端面を加締加工してこのナット39の固着化を図っている。そして、ピストン35は、内筒13の内部をピストンロッド15が収容されないピストン側油室40Aと、ピストンロッド15が収容されるロッド側油室40Bとに区画し、両油室40A、40Bを連通する圧側流路41Aと伸側流路41Bを備える。圧側流路41Aはチェックバルブ34により開閉され、伸側流路41Bはディスクバルブ36により開閉される。
【0028】
これにより、油圧緩衝器10のピストンバルブ装置30にあっては、圧縮時に、ピストン側油室40Aの油が圧側流路41Aを通りチェックバルブ34をたわみ変形させて開き、ロッド側油室40Bに導かれる。また、伸長時には、ロッド側油室40Bの油が伸側流路41Bを通りディスクバルブ36をたわみ変形させて開き、ピストン側油室40Aに導かれ、伸側減衰力を生ずる。
【0029】
(ベースバルブ装置50)(図1、図3)
油圧緩衝器10は、外筒12と内筒13の間隙をリザーバ室51とし、このリザーバ室51の内部を油室とガス室とに区画している。そして、ベースバルブ装置50は、外筒12の下端底部をキャップ52、Oリング52Aによって後述する如くに閉じ、内筒13の下端部に、ピストン側油室40Aとリザーバ室51とを仕切るボトムピース53を後述する如くに固定して構成され、このボトムピース53とキャップ52との間に設けた流路54により、リザーバ室51とピストン側油室40Aとを連絡する。尚、ボトムピース53にはボルト55(ナット55A)が挿着され、ボルト55とナット55Aの間にディスクバルブ56、ボトムピース53、チェックバルブ57、ばね58を介装している。
【0030】
即ち、油圧緩衝器10の圧縮時には、内筒13に進入するピストンロッド15の進入容積分の油がチェックバルブ57の開口、ボトムピース53の流路53Aを通ってディスクバルブ56をたわみ変形させて開き、ピストン側油室40Aからボトムピース53の流路53A、流路54経由でリザーバ室51へ押出され、圧側の減衰力を得る。
【0031】
また、油圧緩衝器10の伸長時には、内筒13から退出するピストンロッド15の退出容積分の油が、ばね58に抗してチェックバルブ57を押し開き、リザーバ室51から流路54、ボトムピース53の流路53B経由でピストン側油室40Aに補給される。
【0032】
然るに、油圧緩衝器10にあっては、ダンパチューブ11の構成、軸封部20の固定構造、ボトムピース53の固定構造を以下の如くにしている。
【0033】
(A)ダンパチューブ11の構成(図1〜図4)
ダンパチューブ11は、図4に示す如く、外筒12の内周壁にリブ14によって内筒13の外周壁を一体に結合している。リブ14は、外筒12と内筒13の周方向に等間隔に、本参考形態では6本設けられ、外筒12と内筒13の軸方向の略全長に渡り、内筒13の上端部より一定長下方まで、内筒13の下端部より一定長上方までの範囲に延在される。リブ14は、内筒13の上端部より一定長下方の上端面の上部に、外筒12と内筒13の間の周方向に連続する環状連続空間61を形成し、軸封部20においてピストンロッド15がブッシュ22を通ってロッドガイド21の上面とオイルシール23の間にまで掻上げた油をロッドガイド21の油戻し路21Aからリザーバ室51に戻すとき、この油を環状連続空間61から外筒12と内筒13の間のリブ14により区分されたリザーバ室51の各室(6室)へばらつきなく均等に分配可能とする。リブ14は、内筒13の下端部の一定長上方の下端面の下部に、外筒12と内筒13の間の周方向に連続する環状連続空間62を形成し、油圧緩衝器10の圧縮時に、ボトムピース53の流路53A、流路54経由でピストン側油室40Aから押出されてくる油を、環状連続空間62から外筒12と内筒13の間のリブ14により区分されたリザーバ室51の各室(6室)へばらつきなく均等に分配可能とする。
【0034】
外筒12と内筒13とリブ14は、アルミ合金によって一体成形され、例えば引き抜き成形又は押し出し成形により連続的に成形された後、所定長に切断されて供される。
【0035】
従って、本参考形態によれば、以下の作用がある。アルミ合金で内外筒12、13を一体成形したから、外筒12をリブによって内筒13に支持して剛性を高めることにて外筒12の直径、肉厚を小寸法化できることと相まって、油圧緩衝器10の全体を軽量化できる。
【0036】
(B)軸封部20の固定構造(図2)
ダンパチューブ11は、外筒12の上端部を内筒13の上端部よりも上方に長く延長し、この外筒12の上端部と内筒13の上端部の間の部分に軸封部20のロッドガイド21(ブッシュ22)、オイルシール23を固定している。ロッドガイド21は、下端側小外径部を内筒13の内径に、上端側大外径部を外筒12の内径に嵌合されるとともに、小外径部の上側段差部を内筒13の上端に載せ、その上面にオイルシール23を載置した状態において、このオイルシール23とともに外筒12の上端部の加締部71により固定される。
【0037】
このとき、外筒12の上端部の内筒13の上端部に対する軸長の延長部分が軸封部20の及ぼす弾性的軸力を補うため、内筒13の上端部と外筒12の上端部の間で軸封部20を挟む範囲内に皿ばね等の圧縮バネ材72を介装している。本参考形態では、外筒12の加締部71とオイルシール23の芯金23Aの間に圧縮バネ材72を挟圧している。
【0038】
従って、本参考形態によれば、以下の作用がある。内外筒一体化のために、外筒12が軸封部20に及ぼす弾性的軸力は、外筒12の上端部が内筒13の上端部に対する軸長が短くなる分だけ小さいものの、圧縮バネ材72がこの軸力の低下を補う。即ち、圧縮バネ材72が軸封部20に及ぼす軸力を補い、外筒12と軸封部20のロッドガイド21の熱膨張量の差や、軸封部20のオイルシール23を形成する心金周囲のゴム材の劣化に対しても必要な軸力を保持し、軸封部20にがたを生じない。
【0039】
(C)ボトムピース53の固定構造(図3)
ダンパチューブ11は、外筒12の下端部を内筒13の下端部よりも下方に長く延長し、この外筒12の下端部と内筒13の下端部の間の部分にボトムピース53、キャップ52(Oリング52A)を固定している。ボトムピース53は、上端側小外径部を内筒13の内径に嵌合されるとともに、小外径部の下側段差部を内筒13の下端に嵌め、その下面の脚部81のテーパ状座面をキャップ52の陥凹座面上にセンタリングさせて着座させた状態において、このキャップ52とともに外筒12の下端部の加締部82により固定される。
【0040】
このとき、外筒12の下端部の内筒13の下端部に対する軸長の延長部分がキャップ52、ボトムピース53に及ぼす弾性的軸力を補うため、内筒13の下端部と外筒12の下端部の間でキャップ52、ボトムピース53を挟む範囲内に皿ばね等の圧縮バネ材83を介装する。本参考形態では、外筒12の加締部82とキャップ52の端面の間に圧縮バネ材83を挟圧している。
【0041】
これにより、ボトムピース53の固定手順は下記(1)〜(4)の如くになる。
(1)油圧緩衝器10の組立工程でダンパチューブ11(外筒12、内筒13)を十分洗浄後、ボトムピース53(ボトムピース53にボルト55、ナット55Aでディスクバルブ56、チェックバルブ57、ばね58を組付けたサブ組立体)を内筒13の下端部に嵌合する。
【0042】
(2)キャップ52(Oリング52A)を外筒12の下端部に嵌合し、ボトムピース53の脚部81の座面をキャップ52に着座させた状態として、ボトムピース53をキャップ52により保持する。
【0043】
(3)外筒12の下端部でキャップ52に当接する位置に圧縮バネ材83を装填する。
【0044】
(4)外筒12の下端部を加締め、この加締部82によりボトムピース53、キャップ52、圧縮バネ材83を外筒12の下端部と内筒13の下端部との間に挟圧して固定する。
【0045】
尚、圧縮バネ材83をキャップ52とボトムピース53の間に介装し、キャップ52を上述(4)で外筒12の下端部にねじ結合又は圧入するものとしても良い。
【0046】
従って、本参考形態によれば、以下の作用がある。
(a)内外筒一体化のために、外筒12がボトムピース53に及ぼす弾性的軸力は、外筒12の下端部が内筒13の下端部に対する軸長が短くなる分だけ小さいものの、圧縮バネ材83がこの軸力の低下を補う。即ち、圧縮バネ材83がボトムピース53に及ぼす軸力を補い、外筒12とボトムピース53の熱膨張量の差に対しても必要な軸力を保持し、ボトムピース53にがたを生じない。
【0047】
(b)内外筒一体化構造の油圧緩衝器10において、ボトムピース53を内筒13に嵌合した後に、ボトムピース53を保持するキャップ52を外筒12の端部に加締め、ネジ結合又は圧入により固定する。従って、内筒13にボトムピース53を組込んだ後に溶接を伴うことを不要とし、溶接スパッタが外筒12の内部へ入る可能性を排除して油圧緩衝器10の品質を向上できる。
【0048】
(c)ボトムピース53の組込みとキャップ52の固定に溶接を伴わないから、これらの組付作業をゴミ等の入る可能性の少ない組立ラインで行なうことができ、油圧緩衝器10の品質を向上できる。
【0049】
尚、油圧緩衝器10において、ボトムピース53に挿着されるボルト55のナット55Aの側と反対側の端部をネジ部とし、キャップ52の中央に設けた孔にOリングを介してこのボルト55のネジ部を挿通し、その挿通端にナットを螺着することにより、ボトムピース53を予めキャップ52に結合一体化したサブ組立体とするものであっても良い。尚、ボトムピース53はキャップ52に、ボルトによらず、嵌合(圧入)一体化されてサブ組立体とされるものであっても良い。この場合には、キャップ52が結合済のボトムピース53を上述(1)の如くに内筒13の下端部に嵌合し、これと同時にキャップ52を外筒12の下端部に嵌合する状態を得て、上述(3)の如くに外筒12の下端部でキャップ52に当接する位置に圧縮バネ材83を装填し、上述(4)の如くに外筒12の下端部を加締め、この加締部82によりボトムピース53、キャップ52、圧縮バネ材83を固定するものとなる。これによれば、ボトムピース53をキャップ52に結合したことにより、ボトムピース53とキャップ52の組込みを一括して行なうことになり、組立工数を削減できる。
【0050】
(第2参考形態)(図5)
第2参考形態が第1参考形態と異なる点は、ボトムピース53の固定構造にある。
【0051】
即ち、ダンパチューブ11は、外筒12の下端部を内筒13の下端部よりも下方に長く延長し、この外筒12の下端部と内筒13の下端部の間の部分にボトムピース53、キャップ52(Oリング52A)、圧縮バネ材83を固定している。ボトムピース53は、上端側小外径部を内筒13の内径に嵌合されるとともに、小外径部の下側段差部を内筒13の下端に嵌め、その下面の脚部81のテーパ状座面をキャップ52の陥凹座面上にセンタリングさせて着座させた状態において、このキャップ52も内筒13の下端部に嵌合した上で、キャップ52、圧縮バネ材83を保持する固定部材91を外筒12の下端部にネジ結合(加締め又は圧入でも可)することにより固定される。
【0052】
これにより、ボトムピース53の固定手順は下記(1)〜(4)の如くになる。
(1)油圧緩衝器10の組立工程でダンパチューブ11(外筒12、内筒13)を十分洗浄後、ボトムピース53(ボトムピース53にボルト55、ナット55Aでディスクバルブ56、チェックバルブ57、バネ58を組付けたサブ組立体)を内筒13の下端部に嵌合する。
【0053】
(2)キャップ52(Oリング52A)を外筒12の下端部に嵌合し、ボトムピース53の脚部81の座面をキャップ52に着座させた状態として、ボトムピース53をキャップ52により保持する。
【0054】
(3)外筒12の下端部でキャップ52に当接する位置に圧縮バネ材83を装填する。
【0055】
(4)外筒12の下端部に固定部材91をネジ結合し、この固定部材91によりボトムピース53、キャップ52、圧縮バネ材83を外筒12の下端部と内筒13の下端部との間に挟圧して固定する。
【0056】
従って、本参考形態によれば、以下の作用がある。
(a)内外筒一体化構造の油圧緩衝器10において、ボトムピース53を内筒13に、キャップ52を外筒12に嵌合した後に、キャップ52を保持する固定部材91を外筒12の端部に加締め、ネジ結合又は圧入により固定する。従って、内筒13にボトムピース53を組込んだ後に溶接を伴うことを不要とし、溶接スパッタが外筒12の内部へ入る可能性を排除して油圧緩衝器10の品質を向上できる。
【0057】
(b)ボトムピース53のキャップ52の組込みと固定部材91の固定に溶接を伴わないから、これらの組付作業をゴミ等の入る可能性の少ない組立ラインで行なうことができ、油圧緩衝器10の品質を向上できる。
【0058】
(本発明実施形態)(図6)
本発明実施形態が第2参考形態と異なる点は、固定部材91と実質的に同一の固定部材91Aをナックルブラケット92に別工程で予め溶接一体化したことにある。
【0059】
従って、この場合には、第2参考形態の前述(4)で、ナックルブラケット92を外筒12の外周にネジ結合(圧入又は加締めでも可)すると同時に、ナックルブラケット92の固定部材91Aを外筒12の下端部に結合し、この固定部材91Aによりボトムピース53、キャップ52、圧縮バネ材83を外筒12の下端部と内筒13の下端部との間に挟圧して固定できる。ナックルブラケット92は回り止め93により外筒12の外周に固定される。
【0060】
本実施形態によれば、ナックルブラケット92の外筒12への固定に溶接を伴わないから、これを組立ラインで行なうことができる。
【0061】
(第3参考形態)(図7)
第3参考形態が第1参考形態と異なる点は、ボトムピース53の固定構造にある。
【0062】
即ち、ダンパチューブ11は、外筒12の下端部を下方に長く延長し、この外筒12の下端部に設けた加締部103により予めキャップ52(Oリング52A)、圧縮バネ材83を固定している。ボトムピース53は、ボルト55のナット55Aの側と反対側の端部をネジ部55Bとし、外周にOリング101を装着された状態で、外筒12の上端部から内筒13の内面にOリング101を摺接させながら挿入されて内筒13に嵌合し、ボルト55のねじ部55Bをキャップ52の中央に設けた孔にOリング102を介して挿通し、ボルト55のその挿通端にナット55Cを螺着すること(圧入又は加締めでも可)により、キャップ52に結合される。
【0063】
これにより、ボトムピース53の固定手順は下記(1)〜(3)の如くになる。
(1)油圧緩衝器10の組立工程でダンパチューブ11(外筒12、内筒13)を十分洗浄後、キャップ52を圧縮バネ材83とともに外筒12の下端部に加締め、この加締部103により固定する。キャップ52は切欠部104を備えて流路54を形成する。
【0064】
(2)ボトムピース53(ボトムピース53にボルト55、ナット55Aでディスクバルブ56、チェックバルブ57、ばね58を組付けたサブ組立体)をOリング101とともに、外筒12の上端部から挿入して内筒13の下端部に嵌合する。
【0065】
(3)ボトムピース53に締結されているボルト55のネジ部55Bをキャップ52に挿通し、その挿通端にナット55Cを螺着し、ボトムピース53をキャップ52に結合する。
【0066】
尚、圧縮バネ材83をキャップ52と内筒13の下端部の間に介装し、キャップ52を上述(1)で外筒12の下端部にネジ結合又は圧入するものとしても良い。
【0067】
従って、本参考形態によれば、以下の作用がある。
(a)内外筒一体化構造の油圧緩衝器10において、キャップ52を一端部に固定した外筒12の他端部からボトムピース53を挿入し、該ボトムピース53を内筒13に嵌合し、該ボトムピース53をキャップ52に結合する。従って、内筒13にボトムピース53を組込んだ後に溶接を伴うことを不要とし、溶接スパッタが外筒12の内部へ入る可能性を排除して油圧緩衝器10の品質を向上できる。
【0068】
(b)ボトムピース53の組込みに溶接を伴わないから、この組付作業をゴミ等の入る可能性の少ない組立ラインで行なうことができ、油圧緩衝器10の品質を向上できる。
【0069】
(第4参考形態)(図8)
第4参考形態が第3参考形態と異なる点は、キャップ52を外筒12の下端部に予め溶接により固定したことにある。
【0070】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明が本発明が適用される油圧緩衝器は、内外筒一体化構造のものであれば良く、図9に示す如く、外筒12の内周壁に一体成形したリブ14Aの内径部に内筒13の外周壁を加締め、又は圧入して一体結合するものであっても良い。このとき、外筒12と内筒13は同一材質に限らず、異種材質からなるものでも良い。
【0071】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、内外筒一体化構造の油圧緩衝器において、内筒にボトムピースを組込んだ後に溶接を伴うことを不要とし、内筒へのボトムピースの組込みを組立ラインで行なえるようにし、油圧緩衝器の品質を簡易に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は第1参考形態の油圧緩衝器を示す半断面図である。
【図2】 図2はダンパチューブの上端部を示す拡大図である。
【図3】 図3はダンパチューブの下端部を示す拡大図である。
【図4】 図4はダンパチューブの横断面図である。
【図5】 図5は第2参考形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図である。
【図6】 図6は本発明実施形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図である。
【図7】 図7は第3参考形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図である。
【図8】 図8は第4参考形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図である。
【図9】 図9はダンパチューブの変形例を示す横断面図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器
12 外筒
13 内筒
14 リブ
40A 油室
51 リザーバ室
52 キャップ
53 ボトムピース
91A 固定部材
92 ナックルブラケット
Claims (1)
- 外筒の内周壁にリブによって内筒の外周壁を一体に結合し、内筒の内部の油室と、内筒と外筒の間のリザーバ室とを仕切るボトムピースを内筒の下端部と外筒の下端部の間に固定してなる油圧緩衝器のボトム固定構造において、
ボトムピースを内筒に嵌合し、ボトムピースをキャップにより保持するとともに、キャップを外筒の端部に嵌合し、キャップを保持する固定部材を外筒の端部に加締め、ネジ結合又は圧入により固定するものであり、前記固定部材がナックルブラケットであることを特徴とする油圧緩衝器のボトム固定構造。
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