JP2002061695A - 油圧緩衝器の軸力保持構造 - Google Patents

油圧緩衝器の軸力保持構造

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JP2002061695A
JP2002061695A JP2000248966A JP2000248966A JP2002061695A JP 2002061695 A JP2002061695 A JP 2002061695A JP 2000248966 A JP2000248966 A JP 2000248966A JP 2000248966 A JP2000248966 A JP 2000248966A JP 2002061695 A JP2002061695 A JP 2002061695A
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inner cylinder
cylinder
shock absorber
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JP2000248966A
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Toshiyuki Takakusaki
利之 高草木
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Honda Motor Co Ltd
Showa Corp
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Honda Motor Co Ltd
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内外筒一体化構造の油圧緩衝器において、軸
封部に及ぼす軸力を保持すること。 【解決手段】 外筒12の内周壁にリブ14によって内
筒13の外周壁を一体に結合した油圧緩衝器10の軸力
保持構造において、内筒13の上端部と外筒12の上端
部の間で軸封部20を挟む範囲内に圧縮バネ材72を介
装したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧緩衝器の軸力保
持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧緩衝器として、特開平11-182
610号公報に記載の如く、外筒の内周壁にリブによって
内筒の外周壁を一体に結合したものがある。この油圧緩
衝器では、内筒の上端部と外筒の上端部の間にピストン
ロッドのための軸封部を固定し、内筒の下端部と外筒の
下端部の間にボトムピースを固定している。
【0003】この内外筒一体化構造の油圧緩衝器によれ
ば、外筒がリブを介して内筒に支持され、外筒の剛性を
高めることができるし、内、外筒をリブによってセンタ
リングし、組付作業性も向上できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】内筒と外筒の間に挟
持される軸封部は、内外筒が一体化されているから、外
筒の上端部が内筒の上端部に対して上方に突き出る、外
筒の短い軸長分が生成する弾性的軸力と、軸封部を構成
するシールが生成する弾性的軸力だけにより固定され
る。このため、軸力は小さく、外筒の材質(アルミ合金
等)と軸封部を構成するロッドガイドの材質(鋼等)の
相違による両者の熱膨張量の差や、シールを形成する心
金周囲のゴム材の劣化により軸力が抜け、軸封部にがた
を生ずる虞がある。
【0005】内筒と外筒の間に挟持されるボトムピー
スも、軸封部と同様に、外筒とボトムピースの熱膨張量
の差により軸力が抜け、ボトムピースにがたを生ずる虞
がある。
【0006】本発明の課題は、内外筒一体化構造の油圧
緩衝器において、軸封部に及ぼす軸力を保持することに
ある。
【0007】また、本発明の課題は、内外筒一体化構造
の油圧緩衝器において、ボトムピースに及ぼす軸力を保
持することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、外筒
の内周壁にリブによって内筒の外周壁を一体に結合し、
内筒に挿入されるピストンロッドのための軸封部を内筒
の上端部と外筒の上端部の間に固定してなる油圧緩衝器
の軸力保持構造において、内筒の上端部と外筒の上端部
の間で軸封部を挟む範囲内に圧縮バネ材を介装したもの
である。
【0009】請求項2の発明は、外筒の内周壁にリブに
よって内筒の外周壁を一体に結合し、内筒の内部の油室
と、内筒と外筒の間のリザーバ室とを仕切るボトムピー
スを内筒の下端部と外筒の下端部の間に固定してなる油
圧緩衝器の軸力保持構造において、内筒の下端部と外筒
の下端部の間でボトムピースを挟む範囲内に圧縮バネ材
を介装したものである。
【0010】請求項3の発明は、外筒の内周壁にリブに
よって内筒の外周壁を一体に結合し、内筒に挿入される
ピストンロッドのための軸封部を内筒の上端部と外筒の
上端部の間に固定し、内筒の内部の油室と、内筒と外筒
の間のリザーバ室とを仕切るボトムピースを内筒の下端
部と外筒の下端部の間に固定してなる油圧緩衝器の軸力
保持構造において、内筒の上端部と外筒の上端部の間で
軸封部を挟む範囲内に圧縮バネ材を介装するとともに、
内筒の下端部と外筒の下端部の間でボトムピースを挟む
範囲内に圧縮バネ材を介装したものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの発明において更に、前記外筒と内筒とリブがアルミ
合金により一体成形されてなるようにしたものである。
【0012】
【作用】請求項1、3の発明によれば下記の作用があ
る。 内外筒一体化のために、外筒が軸封部に及ぼす弾性的
軸力は、外筒の上端部が内筒の上端部に対する軸長が短
くなる分だけ小さいものの、圧縮バネ材がこの軸力の低
下を補う。即ち、圧縮バネ材が軸封部に及ぼす軸力を補
い、外筒と軸封部のロッドガイドの熱膨張量の差や、軸
封部のシールを形成する心金周囲のゴム材の劣化に対し
ても必要な軸力を保持し、軸封部にがたを生じない。
【0013】請求項2、3の発明によれば下記の作用
がある。 内外筒一体化のために、外筒がボトムピースに及ぼす
弾性的軸力は、外筒の下端部が内筒の下端部に対する軸
長が短くなる分だけ小さいものの、圧縮バネ材がこの軸
力の低下を補う。即ち、圧縮バネ材がボトムピースに及
ぼす軸力を補い、外筒とボトムピースの熱膨張量の差に
対しても必要な軸力を保持し、ボトムピースにがたを生
じない。
【0014】請求項4の発明によれば下記の作用があ
る。 アルミ合金で内外筒を一体成形したから、外筒をリブ
によって内筒に支持して剛性を高めることにて外筒の直
径、肉厚を小寸法化できることと相まって、油圧緩衝器
の全体を軽量化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態の油圧緩衝器
を示す半断面図、図2はダンパチューブの上端部を示す
拡大図、図3はダンパチューブの下端部を示す拡大図、
図4はダンパチューブの横断面図、図5は第2実施形態
のダンパチューブの下端部を示す拡大図、図6は第3実
施形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図、図7は
第4実施形態のダンパチューブの下端部を示す拡大図、
図8は第5実施形態のダンパチューブの下端部を示す拡
大図である。
【0016】(第1実施形態)(図1〜図4) 図1は、ストラット型サスペンションを構成する複筒型
式油圧緩衝器10であり、ダンパチューブ11を外筒1
2と内筒13からなる二重管とし、外筒12、内筒13
を後述するリブ14によって同芯に結合している。油圧
緩衝器10は、外筒12に内蔵の内筒13に中空ピスト
ンロッド15を挿入し、ピストンロッド15の上端部に
固定の取付ブラケット(不図示)を車体に連結し、外筒
12の下端部をナックルブラケット16により車輪側に
連結し、車両の懸架装置を構成する。ナックルブラケッ
ト16は外筒12の下端部外周に巻回され、溶接されて
いる。
【0017】油圧緩衝器10は、外筒12の外周の下ス
プリングシート17と、ピストンロッド15の上端部の
取付ブラケットにスラスト軸受(不図示)を介して背面
支持した上スプリングシート(不図示)の間に懸架ばね
18を介装している。
【0018】油圧緩衝器10は、内筒13に挿入される
ピストンロッド15のためのロッドガイド21(ブッシ
ュ22)とオイルシール23からなる軸封部20を、内
筒13の上端部と外筒12の上端部の間に後述する如く
に固定している。
【0019】尚、油圧緩衝器10は、外筒12の上端部
にバンプストッパ24を備え、ピストンロッド15が備
えるバンプラバー(不図示)をバンプストッパ24に衝
合せしめて最圧縮ストロークを規制する。また、ピスト
ンロッド15は内筒13への挿入部にリバウンドシート
25、リバウンドラバー26を備え、リバウンドラバー
26をロッドガイド21に衝合せしめて最伸長ストロー
クを規制する。
【0020】油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置3
0とベースバルブ装置50を有し、それらが発生する減
衰力により、懸架ばね18による衝撃力の吸収に伴うピ
ストンロッド15の伸縮振動を制振する。
【0021】(ピストンバルブ装置30)(図1、図
3) ピストンバルブ装置30は、図3に示す如く、ピストン
ロッド15のピストン装着部31にバルブストッパ3
2、バルブシート33、チェックバルブ34、ピストン
35、ディスクバルブ36、バルブシート37、バルブ
ストッパ38を装着し、これらをナット39で固定し、
更にピストンロッド15の外端面を加締加工してこのナ
ット39の固着化を図っている。そして、ピストン35
は、内筒13の内部をピストンロッド15が収容されな
いピストン側油室40Aと、ピストンロッド15が収容
されるロッド側油室40Bとに区画し、両油室40A、
40Bを連通する圧側流路41Aと伸側流路41Bを備
える。圧側流路41Aはチェックバルブ34により開閉
され、伸側流路41Bはディスクバルブ36により開閉
される。
【0022】これにより、油圧緩衝器10のピストンバ
ルブ装置30にあっては、圧縮時に、ピストン側油室4
0Aの油が圧側流路41Aを通りチェックバルブ34を
たわみ変形させて開き、ロッド側油室40Bに導かれ
る。また、伸長時には、ロッド側油室40Bの油が伸側
流路41Bを通りディスクバルブ36をたわみ変形させ
て開き、ピストン側油室40Aに導かれ、伸側減衰力を
生ずる。
【0023】(ベースバルブ装置50)(図1、図3) 油圧緩衝器10は、外筒12と内筒13の間隙をリザー
バ室51とし、このリザーバ室51の内部を油室とガス
室とに区画している。そして、ベースバルブ装置50
は、外筒12の下端底部をキャップ52、Oリング52
Aによって後述する如くに閉じ、内筒13の下端部に、
ピストン側油室40Aとリザーバ室51とを仕切るボト
ムピース53を後述する如くに固定して構成され、この
ボトムピース53とキャップ52との間に設けた流路5
4により、リザーバ室51とピストン側油室40Aとを
連絡する。尚、ボトムピース53にはボルト55(ナッ
ト55A)が挿着され、ボルト55とナット55Aの間
にディスクバルブ56、ボトムピース53、チェックバ
ルブ57、ばね58を介装している。
【0024】即ち、油圧緩衝器10の圧縮時には、内筒
13に進入するピストンロッド15の進入容積分の油が
チェックバルブ57の開口、ボトムピース53の流路5
3Aを通ってディスクバルブ56をたわみ変形させて開
き、ピストン側油室40Aからボトムピース53の流路
53A、流路54経由でリザーバ室51へ押出され、圧
側の減衰力を得る。
【0025】また、油圧緩衝器10の伸長時には、内筒
13から退出するピストンロッド15の退出容積分の油
が、ばね58に抗してチェックバルブ57を押し開き、
リザーバ室51から流路54、ボトムピース53の流路
53B経由でピストン側油室40Aに補給される。
【0026】然るに、油圧緩衝器10にあっては、ダン
パチューブ11の構成、軸封部20の固定構造、ボトム
ピース53の固定構造を以下の如くにしている。
【0027】(A)ダンパチューブ11の構成(図1〜図
4) ダンパチューブ11は、図4に示す如く、外筒12の内
周壁にリブ14によって内筒13の外周壁を一体に結合
している。リブ14は、外筒12と内筒13の周方向に
等間隔に、本実施形態では6本設けられ、外筒12と内
筒13の軸方向の略全長に渡り、内筒13の上端部より
一定長下方まで、内筒13の下端部より一定長上方まで
の範囲に延在される。リブ14は、内筒13の上端部よ
り一定長下方の上端面の上部に、外筒12と内筒13の
間の周方向に連続する環状連続空間61を形成し、軸封
部20においてピストンロッド15がブッシュ22を通
ってロッドガイド21の上面とオイルシール23の間に
まで掻上げた油をロッドガイド21の油戻し路21Aか
らリザーバ室51に戻すとき、この油を環状連続空間6
1から外筒12と内筒13の間のリブ14により区分さ
れたリザーバ室51の各室(6室)へばらつきなく均等
に分配可能とする。リブ14は、内筒13の下端部の一
定長上方の下端面の下部に、外筒12と内筒13の間の
周方向に連続する環状連続空間62を形成し、油圧緩衝
器10の圧縮時に、ボトムピース53の流路53A、流
路54経由でピストン側油室40Aから押出されてくる
油を、環状連続空間62から外筒12と内筒13の間の
リブ14により区分されたリザーバ室51の各室(6
室)へばらつきなく均等に分配可能とする。
【0028】外筒12と内筒13とリブ14は、アルミ
合金によって一体成形され、例えば引き抜き成形又は押
し出し成形により連続的に成形された後、所定長に切断
されて供される。
【0029】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。アルミ合金で内外筒12、13を一体成形した
から、外筒12をリブによって内筒13に支持して剛性
を高めることにて外筒12の直径、肉厚を小寸法化でき
ることと相まって、油圧緩衝器10の全体を軽量化でき
る。
【0030】(B)軸封部20の固定構造(図2) ダンパチューブ11は、外筒12の上端部を内筒13の
上端部よりも上方に長く延長し、この外筒12の上端部
と内筒13の上端部の間の部分に軸封部20のロッドガ
イド21(ブッシュ22)、オイルシール23を固定し
ている。ロッドガイド21は、下端側小外径部を内筒1
3の内径に、上端側大外径部を外筒12の内径に嵌合さ
れるとともに、小外径部の上側段差部を内筒13の上端
に載せ、その上面にオイルシール23を載置した状態に
おいて、このオイルシール23とともに外筒12の上端
部の加締部71により固定される。
【0031】このとき、外筒12の上端部の内筒13の
上端部に対する軸長の延長部分が軸封部20の及ぼす弾
性的軸力を補うため、内筒13の上端部と外筒12の上
端部の間で軸封部20を挟む範囲内に皿ばね等の圧縮バ
ネ材72を介装している。本実施形態では、外筒12の
加締部71とオイルシール23の芯金23Aの間に圧縮
バネ材72を挟圧している。
【0032】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。内外筒一体化のために、外筒12が軸封部20
に及ぼす弾性的軸力は、外筒12の上端部が内筒13の
上端部に対する軸長が短くなる分だけ小さいものの、圧
縮バネ材72がこの軸力の低下を補う。即ち、圧縮バネ
材72が軸封部20に及ぼす軸力を補い、外筒12と軸
封部20のロッドガイド21の熱膨張量の差や、軸封部
20のオイルシール23を形成する心金周囲のゴム材の
劣化に対しても必要な軸力を保持し、軸封部20にがた
を生じない。
【0033】(C)ボトムピース53の固定構造(図3) ダンパチューブ11は、外筒12の下端部を内筒13の
下端部よりも下方に長く延長し、この外筒12の下端部
と内筒13の下端部の間の部分にボトムピース53、キ
ャップ52(Oリング52A)を固定している。ボトム
ピース53は、上端側小外径部を内筒13の内径に嵌合
されるとともに、小外径部の下側段差部を内筒13の下
端に嵌め、その下面の脚部81のテーパ状座面をキャッ
プ52の陥凹座面上にセンタリングさせて着座させた状
態において、このキャップ52とともに外筒12の下端
部の加締部82により固定される。
【0034】このとき、外筒12の下端部の内筒13の
下端部に対する軸長の延長部分がキャップ52、ボトム
ピース53に及ぼす弾性的軸力を補うため、内筒13の
下端部と外筒12の下端部の間でキャップ52、ボトム
ピース53を挟む範囲内に皿ばね等の圧縮バネ材83を
介装する。本実施形態では、外筒12の加締部82とキ
ャップ52の端面の間に圧縮バネ材83を挟圧してい
る。
【0035】これにより、ボトムピース53の固定手順
は下記(1)〜(4)の如くになる。 (1)油圧緩衝器10の組立工程でダンパチューブ11
(外筒12、内筒13)を十分洗浄後、ボトムピース5
3(ボトムピース53にボルト55、ナット55Aでデ
ィスクバルブ56、チェックバルブ57、ばね58を組
付けたサブ組立体)を内筒13の下端部に嵌合する。
【0036】(2)キャップ52(Oリング52A)を外
筒12の下端部に嵌合し、ボトムピース53の脚部81
の座面をキャップ52に着座させた状態として、ボトム
ピース53をキャップ52により保持する。
【0037】(3)外筒12の下端部でキャップ52に当
接する位置に圧縮バネ材83を装填する。
【0038】(4)外筒12の下端部を加締め、この加締
部82によりボトムピース53、キャップ52、圧縮バ
ネ材83を外筒12の下端部と内筒13の下端部との間
に挟圧して固定する。
【0039】尚、圧縮バネ材83をキャップ52とボト
ムピース53の間に介装し、キャップ52を上述(4)で
外筒12の下端部にねじ結合又は圧入するものとしても
良い。
【0040】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 内外筒一体化のために、外筒12がボトムピース53
に及ぼす弾性的軸力は、外筒12の下端部が内筒13の
下端部に対する軸長が短くなる分だけ小さいものの、圧
縮バネ材83がこの軸力の低下を補う。即ち、圧縮バネ
材83がボトムピース53に及ぼす軸力を補い、外筒1
2とボトムピース53の熱膨張量の差に対しても必要な
軸力を保持し、ボトムピース53にがたを生じない。
【0041】内外筒一体化構造の油圧緩衝器10にお
いて、ボトムピース53を内筒13に嵌合した後に、ボ
トムピース53を保持するキャップ52を外筒12の端
部に加締め、ネジ結合又は圧入により固定する。従っ
て、内筒13にボトムピース53を組込んだ後に溶接を
伴うことを不要とし、溶接スパッタが外筒12の内部へ
入る可能性を排除して油圧緩衝器10の品質を向上でき
る。
【0042】ボトムピース53の組込みとキャップ5
2の固定に溶接を伴わないから、これらの組付作業をゴ
ミ等の入る可能性の少ない組立ラインで行なうことがで
き、油圧緩衝器10の品質を向上できる。
【0043】尚、油圧緩衝器10において、ボトムピー
ス53に挿着されるボルト55のナット55Aの側と反
対側の端部をネジ部とし、キャップ52の中央に設けた
孔にOリングを介してこのボルト55のネジ部を挿通
し、その挿通端にナットを螺着することにより、ボトム
ピース53を予めキャップ52に結合一体化したサブ組
立体とするものであっても良い。尚、ボトムピース53
はキャップ52に、ボルトによらず、嵌合(圧入)一体
化されてサブ組立体とされるものであっても良い。この
場合には、キャップ52が結合済のボトムピース53を
上述(1)の如くに内筒13の下端部に嵌合し、これと同
時にキャップ52を外筒12の下端部に嵌合する状態を
得て、上述(3)の如くに外筒12の下端部でキャップ5
2に当接する位置に圧縮バネ材83を装填し、上述(4)
の如くに外筒12の下端部を加締め、この加締部82に
よりボトムピース53、キャップ52、圧縮バネ材83
を固定するものとなる。これによれば、ボトムピース5
3をキャップ52に結合したことにより、ボトムピース
53とキャップ52の組込みを一括して行なうことにな
り、組立工数を削減できる。
【0044】(第2実施形態)(図5) 第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、ボトムピー
ス53の固定構造にある。
【0045】即ち、ダンパチューブ11は、外筒12の
下端部を内筒13の下端部よりも下方に長く延長し、こ
の外筒12の下端部と内筒13の下端部の間の部分にボ
トムピース53、キャップ52(Oリング52A)、圧
縮バネ材83を固定している。ボトムピース53は、上
端側小外径部を内筒13の内径に嵌合されるとともに、
小外径部の下側段差部を内筒13の下端に嵌め、その下
面の脚部81のテーパ状座面をキャップ52の陥凹座面
上にセンタリングさせて着座させた状態において、この
キャップ52も内筒13の下端部に嵌合した上で、キャ
ップ52、圧縮バネ材83を保持する固定部材91を外
筒12の下端部にネジ結合(加締め又は圧入でも可)す
ることにより固定される。
【0046】これにより、ボトムピース53の固定手順
は下記(1)〜(4)の如くになる。 (1)油圧緩衝器10の組立工程でダンパチューブ11
(外筒12、内筒13)を十分洗浄後、ボトムピース5
3(ボトムピース53にボルト55、ナット55Aでデ
ィスクバルブ56、チェックバルブ57、バネ58を組
付けたサブ組立体)を内筒13の下端部に嵌合する。
【0047】(2)キャップ52(Oリング52A)を外
筒12の下端部に嵌合し、ボトムピース53の脚部81
の座面をキャップ52に着座させた状態として、ボトム
ピース53をキャップ52により保持する。
【0048】(3)外筒12の下端部でキャップ52に当
接する位置に圧縮バネ材83を装填する。
【0049】(4)外筒12の下端部に固定部材91をネ
ジ結合し、この固定部材91によりボトムピース53、
キャップ52、圧縮バネ材83を外筒12の下端部と内
筒13の下端部との間に挟圧して固定する。
【0050】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 内外筒一体化構造の油圧緩衝器10において、ボトム
ピース53を内筒13に、キャップ52を外筒12に嵌
合した後に、キャップ52を保持する固定部材91を外
筒12の端部に加締め、ネジ結合又は圧入により固定す
る。従って、内筒13にボトムピース53を組込んだ後
に溶接を伴うことを不要とし、溶接スパッタが外筒12
の内部へ入る可能性を排除して油圧緩衝器10の品質を
向上できる。
【0051】ボトムピース53のキャップ52の組込
みと固定部材91の固定に溶接を伴わないから、これら
の組付作業をゴミ等の入る可能性の少ない組立ラインで
行なうことができ、油圧緩衝器10の品質を向上でき
る。
【0052】(第3実施形態)(図6) 第3実施形態が第2実施形態と異なる点は、固定部材9
1と実質的に同一の固定部材91Aをナックルブラケッ
ト92に別工程で予め溶接一体化したことにある。
【0053】従って、この場合には、第2実施形態の前
述(4)で、ナックルブラケット92を外筒12の外周に
ネジ結合(圧入又は加締めでも可)すると同時に、ナッ
クルブラケット92の固定部材91Aを外筒12の下端
部に結合し、この固定部材91Aによりボトムピース5
3、キャップ52、圧縮バネ材83を外筒12の下端部
と内筒13の下端部との間に挟圧して固定できる。ナッ
クルブラケット92は回り止め93により外筒12の外
周に固定される。
【0054】本実施形態によれば、ナックルブラケット
92の外筒12への固定に溶接を伴わないから、これを
組立ラインで行なうことができる。
【0055】(第4実施形態)(図7) 第4実施形態が第1実施形態と異なる点は、ボトムピー
ス53の固定構造にある。
【0056】即ち、ダンパチューブ11は、外筒12の
下端部を下方に長く延長し、この外筒12の下端部に設
けた加締部103により予めキャップ52(Oリング5
2A)、圧縮バネ材83を固定している。ボトムピース
53は、ボルト55のナット55Aの側と反対側の端部
をネジ部55Bとし、外周にOリング101を装着され
た状態で、外筒12の上端部から内筒13の内面にOリ
ング101を摺接させながら挿入されて内筒13に嵌合
し、ボルト55のねじ部55Bをキャップ52の中央に
設けた孔にOリング102を介して挿通し、ボルト55
のその挿通端にナット55Cを螺着すること(圧入又は
加締めでも可)により、キャップ52に結合される。
【0057】これにより、ボトムピース53の固定手順
は下記(1)〜(3)の如くになる。 (1)油圧緩衝器10の組立工程でダンパチューブ11
(外筒12、内筒13)を十分洗浄後、キャップ52を
圧縮バネ材83とともに外筒12の下端部に加締め、こ
の加締部103により固定する。キャップ52は切欠部
104を備えて流路54を形成する。
【0058】(2)ボトムピース53(ボトムピース53
にボルト55、ナット55Aでディスクバルブ56、チ
ェックバルブ57、ばね58を組付けたサブ組立体)を
Oリング101とともに、外筒12の上端部から挿入し
て内筒13の下端部に嵌合する。
【0059】(3)ボトムピース53に締結されているボ
ルト55のネジ部55Bをキャップ52に挿通し、その
挿通端にナット55Cを螺着し、ボトムピース53をキ
ャップ52に結合する。
【0060】尚、圧縮バネ材83をキャップ52と内筒
13の下端部の間に介装し、キャップ52を上述(1)で
外筒12の下端部にネジ結合又は圧入するものとしても
良い。
【0061】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 内外筒一体化構造の油圧緩衝器10において、キャッ
プ52を一端部に固定した外筒12の他端部からボトム
ピース53を挿入し、該ボトムピース53を内筒13に
嵌合し、該ボトムピース53をキャップ52に結合す
る。従って、内筒13にボトムピース53を組込んだ後
に溶接を伴うことを不要とし、溶接スパッタが外筒12
の内部へ入る可能性を排除して油圧緩衝器10の品質を
向上できる。
【0062】ボトムピース53の組込みに溶接を伴わ
ないから、この組付作業をゴミ等の入る可能性の少ない
組立ラインで行なうことができ、油圧緩衝器10の品質
を向上できる。
【0063】(第5実施形態)(図8) 第5実施形態が第4実施形態と異なる点は、キャップ5
2を外筒12の下端部に予め溶接により固定したことに
ある。
【0064】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内外筒一
体化構造の油圧緩衝器において、軸封部に及ぼす軸力を
保持することができる。
【0066】また、本発明によれば、内外筒一体化構造
の油圧緩衝器において、ボトムピースに及ぼす軸力を保
持することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の油圧緩衝器を示す半断面
図である。
【図2】図2はダンパチューブの上端部を示す拡大図で
ある。
【図3】図3はダンパチューブの下端部を示す拡大図で
ある。
【図4】図4はダンパチューブの横断面図である。
【図5】図5は第2実施形態のダンパチューブの下端部
を示す拡大図である。
【図6】図6は第3実施形態のダンパチューブの下端部
を示す拡大図である。
【図7】図7は第4実施形態のダンパチューブの下端部
を示す拡大図である。
【図8】図8は第5実施形態のダンパチューブの下端部
を示す拡大図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 12 外筒 13 内筒 14 リブ 15 ピストンロッド 20 軸封部 51 リザーバ室 53 ボトムピース 72、83 圧縮バネ材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒の内周壁にリブによって内筒の外周
    壁を一体に結合し、内筒に挿入されるピストンロッドの
    ための軸封部を内筒の上端部と外筒の上端部の間に固定
    してなる油圧緩衝器の軸力保持構造において、 内筒の上端部と外筒の上端部の間で軸封部を挟む範囲内
    に圧縮バネ材を介装したことを特徴とする油圧緩衝器の
    軸力保持構造。
  2. 【請求項2】 外筒の内周壁にリブによって内筒の外周
    壁を一体に結合し、内筒の内部の油室と、内筒と外筒の
    間のリザーバ室とを仕切るボトムピースを内筒の下端部
    と外筒の下端部の間に固定してなる油圧緩衝器の軸力保
    持構造において、 内筒の下端部と外筒の下端部の間でボトムピースを挟む
    範囲内に圧縮バネ材を介装したことを特徴とする油圧緩
    衝器の軸力保持構造。
  3. 【請求項3】 外筒の内周壁にリブによって内筒の外周
    壁を一体に結合し、内筒に挿入されるピストンロッドの
    ための軸封部を内筒の上端部と外筒の上端部の間に固定
    し、内筒の内部の油室と、内筒と外筒の間のリザーバ室
    とを仕切るボトムピースを内筒の下端部と外筒の下端部
    の間に固定してなる油圧緩衝器の軸力保持構造におい
    て、 内筒の上端部と外筒の上端部の間で軸封部を挟む範囲内
    に圧縮バネ材を介装するとともに、内筒の下端部と外筒
    の下端部の間でボトムピースを挟む範囲内に圧縮バネ材
    を介装したことを特徴とする油圧緩衝器の軸力保持構
    造。
  4. 【請求項4】 前記外筒と内筒とリブがアルミ合金によ
    り一体成形されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の
    油圧緩衝器の軸力保持構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014199062A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 カヤバ工業株式会社 フロントフォーク及びフロントフォークの製造方法
JP2016061313A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 Kyb株式会社 緩衝器

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