JP2004270767A - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】マウント支持カラーをダンパロッドに組付けるに際し、組付工数を低減しながら、ダンパロッドの強度を低下させず、マウント支持カラーをダンパロッドの軸方向荷重に対して確実に固定すること。
【解決手段】ダンパロッド13にマウント支持カラー60を固定する油圧緩衝器10において、ダンパロッド13の外周にカラー固定溝75を設け、カラー固定溝75にマウント支持カラー60を加締めて固定可能にするもの。
【選択図】 図1
【解決手段】ダンパロッド13にマウント支持カラー60を固定する油圧緩衝器10において、ダンパロッド13の外周にカラー固定溝75を設け、カラー固定溝75にマウント支持カラー60を加締めて固定可能にするもの。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧緩衝器は、ダンパチューブの下部に車軸側取付部を備え、ダンパロッドに車体側取付部を備え、ダンパチューブとダンパロッドの間に介装した懸架ばねにより路面からの衝撃を吸収し、ダンパチューブが内蔵する減衰装置により懸架ばねの伸縮振動を制振する。
【0003】
従来の油圧緩衝器において、車体側取付部はダンパロッドに支持したマウントラバーに保持され、マウントラバーはダンパロッドに設けたマウント支持カラーにより支持されてダンパロッドに取付けられる。ダンパロッドへのマウント支持カラーの固定構造としては、特許文献1に記載の如く、ダンパロッドにおけるマウント取付部の外径を、該マウント取付部に対する下部側の外径より小径とし、小径マウント取付部の下部に設けられる大径段差部にマウント支持カラーを載せて保持するものがある。
【0004】
また、ダンパロッドへのマウント支持カラーの他の固定構造として、特許文献1に記載の如く、ダンパロッドの外周に設けた溝にCリングを係着し、このCリングの上にマウント支持カラーを載せて保持するものもある。
【0005】
【特許文献1】
実公昭61−12439(1頁、第2図、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ダンパロッドに設けた段差部にマウント支持カラーを載せて保持する構造では、ダンパロッドの段差部より上部のマウント取付部が小径化し、ダンパロッドの強度が低下する。例えば、外径12.5mmのダンパロッドで、1mmの段差を作ると、ダンパ取付部の直径は10mmになり、強度低下する。
【0007】
ダンパロッドに設けた溝に係着したCリングにマウント支持カラーを載せて保持する構造では、溝の深さが0.5〜0.75mm程度で足り、外径12.5mmのダンパロッドでは、溝径が11mm程度になり、ダンパロッドの強度が余り低下しない。ところがこの場合には、マウント支持カラーをダンパロッドの軸方向荷重に対して保持するCリングの強度が弱く、部品点数的にもCリングとカラーの2部品が必要になり組付工数もかかる。
【0008】
本発明の課題は、マウント支持カラーをダンパロッドに組付けるに際し、組付工数を低減しながら、ダンパロッドの強度を低下させず、マウント支持カラーをダンパロッドの軸方向荷重に対して確実に固定することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ダンパロッドにマウント支持カラーを固定する油圧緩衝器において、ダンパロッドの外周にカラー固定溝を設け、該カラー固定溝にマウント支持カラーを加締めて固定可能にするようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ダンパロッドが軸方向において前記カラー固定溝を挟む上下部の外径を同一径にし、該ダンパロッドにおける該カラー固定溝の上部をマウント取付部とし、該ダンパロッドの上端部にマウント固定ナットのためのねじ部を設けたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記ダンパロッドの外周にシート固定溝を設け、該シート固定溝にリバウンドシートを加締めて固定可能にし、該リバウンドシートと前記マウント支持カラーを同一形状にしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は油圧緩衝器を示す半断面図、図2はダンパロッドへのマウント取付状態を示す断面図、図3はダンパロッドを示す正面図、図4はマウント支持カラーを示す断面図、図5マウント支持カラーとリバウンドシートの加締め固定状態を示す半断面図である。
【0013】
油圧緩衝器10は、図1に示す如く、ダンパチューブ11にシリンダ12を内蔵した二重管を構成し、シリンダ12にダンパロッド13を挿入し、ダンパチューブ11の下部にアイジョイントからなる車軸側取付部14を備えるとともに、ダンパロッド13の上部に車体側取付部15を備え、車両の懸架装置を構成する。
【0014】
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11の外周の下スプリングシート16と、ダンパロッド13の上端部の車体側取付部15に設けられた上スプリングシート(不図示)の間に懸架ばね17を介装する。
【0015】
油圧緩衝器10は、シリンダ12に挿入されるダンパロッド13のためのロッドガイド21、ブッシュ22、オイルシール23を、ダンパチューブ11の上端加締部24とシリンダ12の上端部の間に挟圧固定している。
【0016】
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30とボトムバルブ装置40を有し、それらが発生する減衰力により、懸架ばね17による衝撃力の吸収に伴うダンパロッド13の伸縮振動を制振する。
【0017】
(ピストンバルブ装置30)
ピストンバルブ装置30は、ダンパロッド13にバルブストッパ31、チェックバルブ32、ピストン33、ディスクバルブ34、バルブストッパ35を装着し、これらをピストン固定ナット36で固定している。
【0018】
そして、圧縮時には、ピストン側油室37Aの油が、ピストン33の圧側流路38Aを通りチェックバルブ32を撓み変形させて開き、ロッド側油室37Bに導かれる。また、伸張時には、ロッド側油室37Bの油が、ピストン33の伸側流路38B(不図示)を通り、ディスクバルブ34を撓み変形させて開き、ピストン側油室37Aに導かれ、伸側減衰力を発生させる。
【0019】
(ボトムバルブ装置40)
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11とシリンダ12の間隙をリザーバ室41とし、このリザーバ室41の内部を油室とガス室に区画している。そして、ボトムバルブ装置40は、ダンパチューブ11の底部11Aをスピニング成形により閉じ、シリンダ12の内部のピストン側油室37Aとリザーバ室41とを仕切るボトムピース43をシリンダ12の下端部に配置し、ピストン側油室37Aとリザーバ室41とをボトムピース43に設けた不図示の流路により連絡可能とする。ボトムピース43にはボルト44、ナット45が締結され、ボルト44とナット45の間にはディスクバルブ46、ボトムピース43、チェックバルブ47、バルブストッパ48を介装している。
【0020】
そして、圧縮時には、シリンダ12に進入するダンパロッド13の進入容積分の油が、ピストン側油室37Aからボトムピース43の圧側流路49Aを通ってディスクバルブ46を撓み変形させて開き、リザーバ室41へ押出され、圧側減衰力を得る。伸張時には、シリンダ12から退出するダンパロッド13の退出容積分の油が、チェックバルブ47を押し開き、リザーバ室41からボトムピース43の伸側流路49B(不図示)経由でピストン側油室37Aに補給される。
【0021】
尚、油圧緩衝器10にあっては、シリンダ12のロッド側油室37Bに位置するダンパロッド13まわりで、ピストン33の側(下側)に固定された第1カラー51と、ロッドガイド21の側(上側)に遊挿した第2カラー52との間に、ダンパロッド13の伸切り時(油圧緩衝器10の最伸張状態)に圧縮変形せしめられるリバウンドスプリング53を介装している。そして、ダンパロッド13のシリンダ12に挿入されている部分の外周に後述する如くにリバウンドシート50を固定し、リバウンドスプリング53の下端部に装填した第1カラー51をリバウンドシート50の上に載せて支持する。
【0022】
また、油圧緩衝器10にあっては、ダンパロッド13の上部に対する車体側取付部15の取付構造を以下の如くに構成している(図2)。ダンパロッド13のシリンダ12から突出している部分の外周に後述する如くにマウント支持カラー60を固定し、ダンパロッド13の後述するマウント取付部77に順に挿着した受け座61、ジョイントカラー62、受け座63をマウント支持カラー60の上に載せて支持し、受け座61と受け座63の間にマウントラバー64A、64Bを設け、このマウントラバー64A、64Bの間に車体側取付部15の基端部15Aを挟持した状態でダンパロッド13の上端部にマウント固定ナット65が螺装される。
【0023】
しかるに、前述のリバウンドシート50、マウント支持カラー60はダンパロッド13に対し以下の如くに固定される。
【0024】
ダンパロッド13は、図3に示す如く、長さL1の下端部を小径のピストン取付部71(例えば直径8mm)とし、このピストン取付部71の先端部にピストン固定ナット36のためのねじ部71A(例えばM8)を設ける。ダンパロッド13は、ピストン取付部71の上に段差を介して続く長さL2の下側軸部72(例えば直径12.5mm)を設け、この下側軸部72の上にシート固定溝73(例えば溝径11.5mm)を設け、このシート固定溝73の上に長さL3の中間軸部74(例えば直径12.5mm)を設け、この中間軸部74の上にカラー固定溝75(例えば溝径11mm)を設け、このカラー固定溝75の上に長さL4の上側軸部76(例えば直径12.5mm)を設け、この上側軸部76の上に該上側軸部76とほぼ同一直径で長さL5のマウント取付部77(例えば直径12mm)を設け、このマウント取付け部77の先端部にマウント固定ナット65のためのねじ部77A(例えばM12)を設ける。
【0025】
リバウンドシート50とマウント支持カラー60は、図4に示す如くの同一形状のフランジ付円管状をなす。
【0026】
リバウンドシート50は、図5に示す如く、ダンパロッド13のシート固定溝73に円管部50Aを加締めて固定し、リバウンドスプリング53のための第1カラー51をフランジ部50Bの上端面に載せて支持する。シート固定溝73は三角形状溝又は台形形状溝等を採用できる。リバウンドシート50の円管部50Aは全周加締め、又は周方向の4点、8点等の複数箇所の部分加締めでも良い。
【0027】
マウント支持カラー60は、図5に示す如く、ダンパロッド13のカラー固定溝75に円管部60Aを加締めて固定し、車体側取付部15のマウントラバー64A、64Bのための受け座61をフランジ部60Bの上端面に載せて支持する。カラー固定溝75は三角形状溝又は台形形状溝等を採用できる。マウント支持カラー60の円管部60Aは全周加締め、又は周方向の4点、8点等の複数箇所の部分加締めでも良い。
【0028】
マウント支持カラー60の円管部60Aはダンパロッド13のカラー固定溝75に加締めて固定されるとともに、上側軸部76に被着される。従って、ダンパロッド13は軸方向においてカラー固定溝75を挟む上下部(中間軸部74と上側軸部76)の外径を同一径(例えば直径12.5mm)にし、ダンパロッド13におけるカラー固定溝75、上側軸部76の上部をマウント取付部77とし、マウント取付部77の上端部にマウント固定ナット65のためのねじ部を備える。
【0029】
油圧緩衝器10の組立手順は以下の如くになる。
(1)ダンパロッド13の下部〜中間部にピストン33、リバウンドシート50等を設け、リバウンドスプリング53等を装填してシリンダ12に挿入する。
【0030】
(2)ダンパチューブ11とシリンダ12の上部にロッドガイド21、オイルシール23等を組付け、ダンパチューブ11の上端加締め部24を設ける。
【0031】
(3)ダンパロッド13の上部にマウント支持カラー60等を組付け、車体側取付部15を設ける。
【0032】
本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(請求項1に対応する作用効果)
▲1▼マウント支持カラー60を加締めるために必要なカラー固定溝75の深さは、0.5〜0.75mm程度で足り、外径12.5mmのダンパロッド13では、溝径が11mm程度になって小径化せず、ダンパロッド13の強度が低下しない。
【0033】
▲2▼マウント支持カラー60はカラー固定溝75に加締めて固定されるから、マウント支持カラー60をダンパロッド13の軸方向荷重に対して強固に確実に固定でき、信頼性が向上する。
【0034】
▲3▼マウント支持カラー60を直接的にダンパロッド13に組付けるものであり、部品点数を多部品化せず、組付工数も低減できる。
【0035】
▲4▼ダンパロッド13にマウント支持カラー60を組付けたサブ組み状態で運搬するとき、マウント支持カラー60の抜け止めを図る必要がない。
【0036】
(請求項2に対応する作用効果)
▲5▼ダンパロッド13のカラー固定溝75を挟む上下部(中間軸部74と上側軸部76)の外径を同一径(例えば12.5mm)にすることにより、カラー固定溝75、上側軸部76の上部のマウント取付部77を小径段差化する必要がない。ダンパロッド13の外径が小径であって、マウント支持カラー60を載せるための段差部を形成できない場合にも、マウント支持カラー60を確実に固定できる。小径のダンパロッド13には特に有効であるが、小径のダンパロッド13に限らず適用でき、特にダンパロッド13の外径とマウント固定ナット65のねじ径が近いとき(例えばダンパロッド13の外径12.5mmに対し、M12mmのマウント固定ナット65を用いるとき)、ダンパロッド13に段差部を設けるものでないから有効である。
【0037】
(請求項3に対応する作用効果)
▲6▼マウント支持カラー60とリバウンドシート50を同一形状にすることにより、部品を共通化し、コスト低減できる。このとき、リバウンドシート50の加締機とマウント支持カラー60の加締機を共用化でき、設備の簡素化を図ることもできる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の油圧緩衝器は、車両のリア用ダンパに限らず、フロント用ダンパにも適用できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、マウント支持カラーをダンパロッドに組付けるに際し、組付工数を低減しながら、ダンパロッドの強度を低下させず、マウント支持カラーをダンパロッドの軸方向荷重に対して確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器を示す半断面図である。
【図2】図2はダンパロッドへのマウント取付状態を示す断面図である。
【図3】図3はダンパロッドを示す正面図である。
【図4】図4はマウント支持カラーを示す断面図である。
【図5】図5マウント支持カラーとリバウンドシートの加締め固定状態を示す半断面図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器
13 ダンパロッド
50 リバウンドシート
60 マウント支持カラー
65 マウント固定ナット
73 シート固定溝
75 カラー固定溝
77 マウント取付部
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧緩衝器は、ダンパチューブの下部に車軸側取付部を備え、ダンパロッドに車体側取付部を備え、ダンパチューブとダンパロッドの間に介装した懸架ばねにより路面からの衝撃を吸収し、ダンパチューブが内蔵する減衰装置により懸架ばねの伸縮振動を制振する。
【0003】
従来の油圧緩衝器において、車体側取付部はダンパロッドに支持したマウントラバーに保持され、マウントラバーはダンパロッドに設けたマウント支持カラーにより支持されてダンパロッドに取付けられる。ダンパロッドへのマウント支持カラーの固定構造としては、特許文献1に記載の如く、ダンパロッドにおけるマウント取付部の外径を、該マウント取付部に対する下部側の外径より小径とし、小径マウント取付部の下部に設けられる大径段差部にマウント支持カラーを載せて保持するものがある。
【0004】
また、ダンパロッドへのマウント支持カラーの他の固定構造として、特許文献1に記載の如く、ダンパロッドの外周に設けた溝にCリングを係着し、このCリングの上にマウント支持カラーを載せて保持するものもある。
【0005】
【特許文献1】
実公昭61−12439(1頁、第2図、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ダンパロッドに設けた段差部にマウント支持カラーを載せて保持する構造では、ダンパロッドの段差部より上部のマウント取付部が小径化し、ダンパロッドの強度が低下する。例えば、外径12.5mmのダンパロッドで、1mmの段差を作ると、ダンパ取付部の直径は10mmになり、強度低下する。
【0007】
ダンパロッドに設けた溝に係着したCリングにマウント支持カラーを載せて保持する構造では、溝の深さが0.5〜0.75mm程度で足り、外径12.5mmのダンパロッドでは、溝径が11mm程度になり、ダンパロッドの強度が余り低下しない。ところがこの場合には、マウント支持カラーをダンパロッドの軸方向荷重に対して保持するCリングの強度が弱く、部品点数的にもCリングとカラーの2部品が必要になり組付工数もかかる。
【0008】
本発明の課題は、マウント支持カラーをダンパロッドに組付けるに際し、組付工数を低減しながら、ダンパロッドの強度を低下させず、マウント支持カラーをダンパロッドの軸方向荷重に対して確実に固定することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ダンパロッドにマウント支持カラーを固定する油圧緩衝器において、ダンパロッドの外周にカラー固定溝を設け、該カラー固定溝にマウント支持カラーを加締めて固定可能にするようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ダンパロッドが軸方向において前記カラー固定溝を挟む上下部の外径を同一径にし、該ダンパロッドにおける該カラー固定溝の上部をマウント取付部とし、該ダンパロッドの上端部にマウント固定ナットのためのねじ部を設けたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記ダンパロッドの外周にシート固定溝を設け、該シート固定溝にリバウンドシートを加締めて固定可能にし、該リバウンドシートと前記マウント支持カラーを同一形状にしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は油圧緩衝器を示す半断面図、図2はダンパロッドへのマウント取付状態を示す断面図、図3はダンパロッドを示す正面図、図4はマウント支持カラーを示す断面図、図5マウント支持カラーとリバウンドシートの加締め固定状態を示す半断面図である。
【0013】
油圧緩衝器10は、図1に示す如く、ダンパチューブ11にシリンダ12を内蔵した二重管を構成し、シリンダ12にダンパロッド13を挿入し、ダンパチューブ11の下部にアイジョイントからなる車軸側取付部14を備えるとともに、ダンパロッド13の上部に車体側取付部15を備え、車両の懸架装置を構成する。
【0014】
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11の外周の下スプリングシート16と、ダンパロッド13の上端部の車体側取付部15に設けられた上スプリングシート(不図示)の間に懸架ばね17を介装する。
【0015】
油圧緩衝器10は、シリンダ12に挿入されるダンパロッド13のためのロッドガイド21、ブッシュ22、オイルシール23を、ダンパチューブ11の上端加締部24とシリンダ12の上端部の間に挟圧固定している。
【0016】
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30とボトムバルブ装置40を有し、それらが発生する減衰力により、懸架ばね17による衝撃力の吸収に伴うダンパロッド13の伸縮振動を制振する。
【0017】
(ピストンバルブ装置30)
ピストンバルブ装置30は、ダンパロッド13にバルブストッパ31、チェックバルブ32、ピストン33、ディスクバルブ34、バルブストッパ35を装着し、これらをピストン固定ナット36で固定している。
【0018】
そして、圧縮時には、ピストン側油室37Aの油が、ピストン33の圧側流路38Aを通りチェックバルブ32を撓み変形させて開き、ロッド側油室37Bに導かれる。また、伸張時には、ロッド側油室37Bの油が、ピストン33の伸側流路38B(不図示)を通り、ディスクバルブ34を撓み変形させて開き、ピストン側油室37Aに導かれ、伸側減衰力を発生させる。
【0019】
(ボトムバルブ装置40)
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11とシリンダ12の間隙をリザーバ室41とし、このリザーバ室41の内部を油室とガス室に区画している。そして、ボトムバルブ装置40は、ダンパチューブ11の底部11Aをスピニング成形により閉じ、シリンダ12の内部のピストン側油室37Aとリザーバ室41とを仕切るボトムピース43をシリンダ12の下端部に配置し、ピストン側油室37Aとリザーバ室41とをボトムピース43に設けた不図示の流路により連絡可能とする。ボトムピース43にはボルト44、ナット45が締結され、ボルト44とナット45の間にはディスクバルブ46、ボトムピース43、チェックバルブ47、バルブストッパ48を介装している。
【0020】
そして、圧縮時には、シリンダ12に進入するダンパロッド13の進入容積分の油が、ピストン側油室37Aからボトムピース43の圧側流路49Aを通ってディスクバルブ46を撓み変形させて開き、リザーバ室41へ押出され、圧側減衰力を得る。伸張時には、シリンダ12から退出するダンパロッド13の退出容積分の油が、チェックバルブ47を押し開き、リザーバ室41からボトムピース43の伸側流路49B(不図示)経由でピストン側油室37Aに補給される。
【0021】
尚、油圧緩衝器10にあっては、シリンダ12のロッド側油室37Bに位置するダンパロッド13まわりで、ピストン33の側(下側)に固定された第1カラー51と、ロッドガイド21の側(上側)に遊挿した第2カラー52との間に、ダンパロッド13の伸切り時(油圧緩衝器10の最伸張状態)に圧縮変形せしめられるリバウンドスプリング53を介装している。そして、ダンパロッド13のシリンダ12に挿入されている部分の外周に後述する如くにリバウンドシート50を固定し、リバウンドスプリング53の下端部に装填した第1カラー51をリバウンドシート50の上に載せて支持する。
【0022】
また、油圧緩衝器10にあっては、ダンパロッド13の上部に対する車体側取付部15の取付構造を以下の如くに構成している(図2)。ダンパロッド13のシリンダ12から突出している部分の外周に後述する如くにマウント支持カラー60を固定し、ダンパロッド13の後述するマウント取付部77に順に挿着した受け座61、ジョイントカラー62、受け座63をマウント支持カラー60の上に載せて支持し、受け座61と受け座63の間にマウントラバー64A、64Bを設け、このマウントラバー64A、64Bの間に車体側取付部15の基端部15Aを挟持した状態でダンパロッド13の上端部にマウント固定ナット65が螺装される。
【0023】
しかるに、前述のリバウンドシート50、マウント支持カラー60はダンパロッド13に対し以下の如くに固定される。
【0024】
ダンパロッド13は、図3に示す如く、長さL1の下端部を小径のピストン取付部71(例えば直径8mm)とし、このピストン取付部71の先端部にピストン固定ナット36のためのねじ部71A(例えばM8)を設ける。ダンパロッド13は、ピストン取付部71の上に段差を介して続く長さL2の下側軸部72(例えば直径12.5mm)を設け、この下側軸部72の上にシート固定溝73(例えば溝径11.5mm)を設け、このシート固定溝73の上に長さL3の中間軸部74(例えば直径12.5mm)を設け、この中間軸部74の上にカラー固定溝75(例えば溝径11mm)を設け、このカラー固定溝75の上に長さL4の上側軸部76(例えば直径12.5mm)を設け、この上側軸部76の上に該上側軸部76とほぼ同一直径で長さL5のマウント取付部77(例えば直径12mm)を設け、このマウント取付け部77の先端部にマウント固定ナット65のためのねじ部77A(例えばM12)を設ける。
【0025】
リバウンドシート50とマウント支持カラー60は、図4に示す如くの同一形状のフランジ付円管状をなす。
【0026】
リバウンドシート50は、図5に示す如く、ダンパロッド13のシート固定溝73に円管部50Aを加締めて固定し、リバウンドスプリング53のための第1カラー51をフランジ部50Bの上端面に載せて支持する。シート固定溝73は三角形状溝又は台形形状溝等を採用できる。リバウンドシート50の円管部50Aは全周加締め、又は周方向の4点、8点等の複数箇所の部分加締めでも良い。
【0027】
マウント支持カラー60は、図5に示す如く、ダンパロッド13のカラー固定溝75に円管部60Aを加締めて固定し、車体側取付部15のマウントラバー64A、64Bのための受け座61をフランジ部60Bの上端面に載せて支持する。カラー固定溝75は三角形状溝又は台形形状溝等を採用できる。マウント支持カラー60の円管部60Aは全周加締め、又は周方向の4点、8点等の複数箇所の部分加締めでも良い。
【0028】
マウント支持カラー60の円管部60Aはダンパロッド13のカラー固定溝75に加締めて固定されるとともに、上側軸部76に被着される。従って、ダンパロッド13は軸方向においてカラー固定溝75を挟む上下部(中間軸部74と上側軸部76)の外径を同一径(例えば直径12.5mm)にし、ダンパロッド13におけるカラー固定溝75、上側軸部76の上部をマウント取付部77とし、マウント取付部77の上端部にマウント固定ナット65のためのねじ部を備える。
【0029】
油圧緩衝器10の組立手順は以下の如くになる。
(1)ダンパロッド13の下部〜中間部にピストン33、リバウンドシート50等を設け、リバウンドスプリング53等を装填してシリンダ12に挿入する。
【0030】
(2)ダンパチューブ11とシリンダ12の上部にロッドガイド21、オイルシール23等を組付け、ダンパチューブ11の上端加締め部24を設ける。
【0031】
(3)ダンパロッド13の上部にマウント支持カラー60等を組付け、車体側取付部15を設ける。
【0032】
本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(請求項1に対応する作用効果)
▲1▼マウント支持カラー60を加締めるために必要なカラー固定溝75の深さは、0.5〜0.75mm程度で足り、外径12.5mmのダンパロッド13では、溝径が11mm程度になって小径化せず、ダンパロッド13の強度が低下しない。
【0033】
▲2▼マウント支持カラー60はカラー固定溝75に加締めて固定されるから、マウント支持カラー60をダンパロッド13の軸方向荷重に対して強固に確実に固定でき、信頼性が向上する。
【0034】
▲3▼マウント支持カラー60を直接的にダンパロッド13に組付けるものであり、部品点数を多部品化せず、組付工数も低減できる。
【0035】
▲4▼ダンパロッド13にマウント支持カラー60を組付けたサブ組み状態で運搬するとき、マウント支持カラー60の抜け止めを図る必要がない。
【0036】
(請求項2に対応する作用効果)
▲5▼ダンパロッド13のカラー固定溝75を挟む上下部(中間軸部74と上側軸部76)の外径を同一径(例えば12.5mm)にすることにより、カラー固定溝75、上側軸部76の上部のマウント取付部77を小径段差化する必要がない。ダンパロッド13の外径が小径であって、マウント支持カラー60を載せるための段差部を形成できない場合にも、マウント支持カラー60を確実に固定できる。小径のダンパロッド13には特に有効であるが、小径のダンパロッド13に限らず適用でき、特にダンパロッド13の外径とマウント固定ナット65のねじ径が近いとき(例えばダンパロッド13の外径12.5mmに対し、M12mmのマウント固定ナット65を用いるとき)、ダンパロッド13に段差部を設けるものでないから有効である。
【0037】
(請求項3に対応する作用効果)
▲6▼マウント支持カラー60とリバウンドシート50を同一形状にすることにより、部品を共通化し、コスト低減できる。このとき、リバウンドシート50の加締機とマウント支持カラー60の加締機を共用化でき、設備の簡素化を図ることもできる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の油圧緩衝器は、車両のリア用ダンパに限らず、フロント用ダンパにも適用できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、マウント支持カラーをダンパロッドに組付けるに際し、組付工数を低減しながら、ダンパロッドの強度を低下させず、マウント支持カラーをダンパロッドの軸方向荷重に対して確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器を示す半断面図である。
【図2】図2はダンパロッドへのマウント取付状態を示す断面図である。
【図3】図3はダンパロッドを示す正面図である。
【図4】図4はマウント支持カラーを示す断面図である。
【図5】図5マウント支持カラーとリバウンドシートの加締め固定状態を示す半断面図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器
13 ダンパロッド
50 リバウンドシート
60 マウント支持カラー
65 マウント固定ナット
73 シート固定溝
75 カラー固定溝
77 マウント取付部
Claims (3)
- ダンパロッドにマウント支持カラーを固定する油圧緩衝器において、
ダンパロッドの外周にカラー固定溝を設け、該カラー固定溝にマウント支持カラーを加締めて固定可能にすることを特徴とする油圧緩衝器。 - 前記ダンパロッドが軸方向において前記カラー固定溝を挟む上下部の外径を同一径にし、該ダンパロッドにおける該カラー固定溝の上部をマウント取付部とし、該ダンパロッドの上端部にマウント固定ナットのためのねじ部を設けた請求項1に記載の油圧緩衝器。
- 前記ダンパロッドの外周にシート固定溝を設け、該シート固定溝にリバウンドシートを加締めて固定可能にし、
該リバウンドシートと前記マウント支持カラーを同一形状にした請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
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