JP4520151B2 - ジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明はジカルボン酸の製造方法に関し、より詳細には、シクロアルカン類を連続式反応装置を用い、触媒の存在下で酸素により酸化開裂して対応するジカルボン酸を製造する方法に関する。ジカルボン酸はポリアミドやポリエステルの原料、ポリマーの添加剤、精密化学品の中間原料等として有用である。特に、アジピン酸はナイロン66(ポリアミド66)の原料として極めて重要な化合物である。
【0002】
背景技術
ジカルボン酸の製造法として、シクロアルカノンとシクロアルカノールとの混合物を酸化的に開裂する方法が知られている。例えば、ポリアミド等の原料であるアジピン酸は、シクロヘキサンを空気酸化によりシクロヘキサノンとシクロヘキサノールの混合物に変換し、これを硝酸で酸化する方法により製造されている。しかし、この方法では、硝酸酸化の際、地球温暖化ガスとされる窒素酸化物が多量に発生し、その処理に多大な設備や労力が必要となる。
【0003】
これに対し、窒素酸化物の副生を伴わない方法として、シクロアルカンを直接酸素により酸化して対応するジカルボン酸に変換する方法が長年検討されてきた。この方法が実現すれば、製造工程が著しく短縮されるとともに、ジカルボン酸の製造コストも大幅に低減することが可能となる。
【0004】
例えば、シクロヘキサンを酸化して一段でアジピン酸を得る方法は1960年代から研究されている(特開昭49−100022号公報、WO9407834、特許第3197518号、特許第3056790号など)。しかし、これまで商業運転を始めたプラントはない。この理由は、従来、主にバッチ式反応装置を用いて検討がなされており、ジカルボン酸の生産性を高めるためシクロヘキサンの転化率を上げようとすると、反応時間が長くなること、反応時間が長くなると、目的化合物であるアジピン酸以外のジカルボン酸、例えばグルタル酸、コハク酸の生成量が増加するのに加え、エステル、ラクトン、高沸点化合物等の副生量も増大するため、精製方法が煩雑になるだけでなく、シクロヘキサンの使用率の悪化を招くことになり、結果としてアジピン酸の製造コストが高くなること、及び反応副生物により触媒活性が低下することにある。また、バッチ式反応装置では、経済的な生産規模を考えると、プラント建設設備費が大きくなりすぎるだけでなく、操作性が悪いという問題もある。
【0005】
発明の開示
従って、本発明の目的は、シクロアルカン類の触媒的な酸素酸化により対応するジカルボン酸を高い空時収率で製造できる方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、シクロアルカン類の触媒的な酸素酸化により対応するジカルボン酸を製造するに際し、触媒活性の低下を抑制できる方法を提供することにある。
【0007】
本発明者らは前記目的を達成するため鋭意検討した結果、シクロアルカン類を、触媒の存在下、酸素により酸化開裂してジカルボン酸を得るに際し、連続反応装置を用い且つ特定の滞留時間で反応を行うと、目的のジカルボン酸を高い空時収率で製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、シクロアルカン類を連続式反応装置を用い、触媒の存在下、酸素により液相で酸化開裂して対応するジカルボン酸を製造する方法であって、反応溶媒としてカルボン酸又はニトリルを用いるとともに、触媒として遷移金属触媒を用いる場合にはその使用量を仕込液全体1kg当たり1〜200ミリモルの範囲とし、滞留時間τ(hr)を下記の範囲で行うことを特徴とするジカルボン酸の製造方法。
0.1≦τ≦50/c
[式中、cは仕込液全体に対するシクロアルカン類の割合(重量%)を示す。但し、cは20〜60(重量%)の範囲である
【0009】
触媒としてコバルト化合物、マンガン化合物又はこれらの混合物を使用できる。また、触媒として、下記式(I)
【化3】
Figure 0004520151
[式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)を示す]
で表される環状イミド骨格を有するイミド系化合物を用いることもできる。前記イミド系化合物には、下記式(1)
【化4】
Figure 0004520151
[式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)を示す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を示し、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、又はR1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個以上形成されていてもよい]
で表される化合物が含まれる。
【0010】
反応溶媒としてカルボン酸を用いることができる。反応温度は80℃〜150℃が好ましく、反応圧力は0.5MPa以上が好ましい。
なお、本明細書では、上記の発明のほか、シクロアルカン類を連続式反応装置を用い、触媒の存在下、酸素により液相で酸化開裂して対応するジカルボン酸を製造する方法であって、滞留時間τ(hr)を下記の範囲で行うことを特徴とするジカルボン酸の製造方法についても説明する。
0.1≦τ≦50/c
[式中、cは仕込液全体に対するシクロアルカン類の割合(重量%)を示す]
【0011】
発明を実施するための最良の形態
[シクロアルカン類]
本発明では、原料化合物としてシクロアルカン類(以下、単に「基質」と称することがある)を用いる。
シクロアルカンとしては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロドデカン、シクロテトラデカン、シクロヘキサデカン、シクロオクタデカン、シクロイコサン、シクロドコサン、シクロトリアコンタン等の3〜30員程度のシクロアルカンなどが挙げられる。なかでも、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロドデカン等の5〜15員程度のシクロアルカンが好ましく、特に、シクロヘキサン及びシクロドデカンなどが好ましい。
【0012】
前記シクロアルカンは反応を阻害しない範囲で置換基を有していてもよい。このような置換基として、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基など)、置換チオ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル基等のC1-20アルキル基など、特にC1-4アルキル基)、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル基など)、複素環基などが挙げられる。また、シクロアルカンは、シクロアルカン環に反応を阻害しない範囲で芳香族性又は非芳香族性の炭素環や複素環が縮合していてもよい。従って、橋かけ環式炭化水素であってもよい。
【0013】
なお、反応系に、シクロアルカン類に加えて、該シクロアルカン類に対応するシクロアルカノール類やシクロアルカノン類を供給してもよい。これらの化合物も、対応するジカルボン酸に変換されうる。
【0014】
[酸素]
酸素としては、分子状酸素及び発生期の酸素の何れを使用してもよい。分子状酸素は特に制限されず、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素や空気を使用してもよい。酸素は系内で発生させてもよい。酸素の使用量は、基質の種類によっても異なるが、通常、基質1モルに対して0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度である。基質に対して過剰モルの酸素を使用する場合が多い。分子状酸素は反応容器の気相部に供給してもよく、液相部に導入してもよい。
【0015】
[触媒]
触媒としては、シクロアルカン類を対応するジカルボン酸に変換可能な酸化触媒であれば特に限定されないが、好ましい触媒には、コバルト化合物、マンガン化合物などの遷移金属化合物が含まれる。コバルト化合物としては、例えば、ギ酸コバルト、酢酸コバルト、プロピオン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、乳酸コバルトなどの有機酸塩;水酸化コバルト、酸化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、リン酸コバルトなどの無機化合物;コバルトアセチルアセトナートなどの錯体等の2価又は3価のコバルト化合物などが挙げられる。また、マンガン化合物としては、例えば、ギ酸マンガン、酢酸マンガン、プロピオン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、ステアリン酸マンガン、乳酸マンガンなどの有機酸塩;水酸化マンガン、酸化マンガン、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、リン酸マンガンなどの無機化合物;マンガンアセチルアセトナートなどの錯体等の2価又は3価のマンガン化合物などが挙げられる。これらの遷移金属化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、コバルト化合物、マンガン化合物又はこれらの混合物が好ましい。
【0016】
触媒として遷移金属化合物等を用いる場合、その使用量は、仕込液全体1kg当たり、例えば1〜200ミリモル程度、好ましくは5〜100ミリモル程度である。
【0017】
[イミド系化合物]
本発明では、触媒として前記式(I)で表される環状イミド骨格を有するイミド系化合物を用いることもできる。このイミド系化合物は前記遷移金属化合物(例えば、コバルト化合物及び/又はマンガン化合物)と組み合わせて用いてもよい。触媒として、イミド系化合物と遷移金属化合物とを組み合わせて用いると、反応速度や反応選択性が大幅に向上することがある。
【0018】
式(I)において、窒素原子とXとの結合は単結合又は二重結合である。前記イミド系化合物は、分子中に、式(I)で表されるN−置換環状イミド骨格を複数個有していてもよい。また、このイミド化合物は、前記Xが−OR基であり且つRがヒドロキシル基の保護基である場合、N−置換環状イミド骨格のうちRを除く部分(N−オキシ環状イミド骨格)が複数個、Rを介して結合していてもよい。
【0019】
式(I)中、Rで示されるヒドロキシル基の保護基としては、有機合成の分野で慣用のヒドロキシル基の保護基を用いることができる。このような保護基として、例えば、アルキル基(例えば、メチル、t−ブチル基などのC1-4アルキル基など)、アルケニル基(例えば、アリル基など)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基など)、アリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、3−ブロモベンジル、2−ニトロベンジル、トリフェニルメチル基など);置換メチル基(例えば、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基など)、置換エチル基(例えば、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−イソプロポキシエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−メトキシエチル基など)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、1−ヒドロキシアルキル基(例えば、1−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシヘキシル、1−ヒドロキシデシル、1−ヒドロキシヘキサデシル、1−ヒドロキシ−1−フェニルメチル基など)等のヒドロキシル基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可能な基など;アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル基などのC1-20脂肪族アシル基等の脂肪族飽和又は不飽和アシル基;アセトアセチル基;シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル基などのシクロアルカンカルボニル基等の脂環式アシル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香族アシル基など)、スルホニル基(メタンスルホニル、エタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、ナフタレンスルホニル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシ−カルボニル基など)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基など)、置換又は無置換カルバモイル基(例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル基など)、無機酸(硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸など)からOH基を除した基、ジアルキルホスフィノチオイル基(例えば、ジメチルホスフィノチオイル基など)、ジアリールホスフィノチオイル基(例えば、ジフェニルホスフィノチオイル基など)、置換シリル基(例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル基など)などが挙げられる。
【0020】
また、Xが−OR基である場合において、N−置換環状イミド骨格のうちRを除く部分(N−オキシ環状イミド骨格)が複数個、Rを介して結合する場合、該Rとして、例えば、オキサリル、マロニル、スクシニル、グルタリル、アジポイル、フタロイル、イソフタロイル、テレフタロイル基などのポリカルボン酸アシル基;カルボニル基;メチレン、エチリデン、イソプロピリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、ベンジリデン基などの多価の炭化水素基(特に、2つのヒドロキシル基とアセタール結合を形成する基)などが挙げられる。
【0021】
好ましいRには、例えば、水素原子;ヒドロキシル基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可能な基;カルボン酸、スルホン酸、炭酸、カルバミン酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などの酸からOH基を除した基(アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基等)などの加水分解により脱離可能な加水分解性保護基などが含まれる。
【0022】
式(I)において、nは0又は1を示す。すなわち、式(I)は、nが0の場合は5員のN−置換環状イミド骨格を表し、nが1の場合は6員のN−置換環状イミド骨格を表す。
【0023】
前記イミド系化合物の代表的な例として、前記式(1)で表されるイミド化合物が挙げられる。このイミド化合物において、置換基R1、R2、R3、R4、R5及びR6のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素原子が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル基などの炭素数1〜30程度(特に、炭素数1〜20程度)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。
【0024】
アリール基には、フェニル、ナフチル基などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、オクタデシルオキシ基などの炭素数1〜30程度(特に、炭素数1〜20程度)のアルコキシ基が含まれる。
【0025】
置換オキシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル基などのC1-30アルコキシ−カルボニル基(特に、C1-20アルコキシ−カルボニル基);シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロアルキルオキシカルボニル基(特に、3〜20員シクロアルキルオキシカルボニル基);フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル基などのアリールオキシカルボニル基(特に、C6-20アリールオキシ−カルボニル基);ベンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基(特に、C7-21アラルキルオキシ−カルボニル基)などが挙げられる。
【0026】
アシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル基などのC1-30脂肪族アシル基(特に、C1-20脂肪族アシル基)等の脂肪族飽和又は不飽和アシル基;アセトアセチル基;シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル基などのシクロアルカンカルボニル基等の脂環式アシル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香族アシル基などが例示できる。
【0027】
アシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、オクタノイルオキシ、デカノイルオキシ、ラウロイルオキシ、ミリストイルオキシ、パルミトイルオキシ、ステアロイルオキシ基などのC1-30脂肪族アシルオキシ基(特に、C1-20脂肪族アシルオキシ基)等の脂肪族飽和又は不飽和アシルオキシ基;アセトアセチルオキシ基;シクロペンタンカルボニルオキシ、シクロヘキサンカルボニルオキシ基などのシクロアルカンカルボニルオキシ基等の脂環式アシルオキシ基;ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基などの芳香族アシルオキシ基などが例示できる。
【0028】
前記置換基R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なっていてもよい。また、前記式(1)において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して、二重結合、または芳香族性又は非芳香属性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化水素環である場合が多い。このような環には、例えば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環などの置換基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していてもよい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
【0029】
前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、又はR1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個以上形成されていてもよい。例えば、R1、R2、R3、R4、R5又はR6が炭素数2以上のアルキル基である場合、このアルキル基を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。また、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して二重結合を形成する場合、該二重結合を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。さらに、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成する場合、該環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで前記N−置換環状イミド基が形成されていてもよい。
【0030】
好ましいイミド化合物には、下記式で表される化合物が含まれる。
【化5】
Figure 0004520151
(式中、R11〜R16は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を示す。R17〜R26は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。R17〜R26は、隣接する基同士が結合して、式(1c)、(1d)、(1e)、(1f)、(1h)又は(1i)中に示される5員又は6員のN−置換環状イミド骨格を形成していてもよい。Xは前記に同じ)
【0031】
置換基R11〜R16におけるハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基としては、前記R1〜R6における対応する基と同様のものが例示される。
【0032】
置換基R17〜R26において、アルキル基には、前記例示のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程度のアルキル基が含まれ、ハロアルキル基には、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜4程度のハロアルキル基、アルコキシ基には、前記と同様のアルコキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基、置換オキシカルボニル基には、前記と同様の置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基など)が含まれる。また、アシル基としては前記と同様のアシル基(脂肪族飽和又は不飽和アシル基、アセトアセチル基、脂環式アシル基、芳香族アシル基等)などが例示され、アシルオキシ基としては前記と同様のアシルオキシ基(脂肪族飽和又は不飽和アシルオキシ基、アセトアセチルオキシ基、脂環式アシルオキシ基、芳香族アシルオキシ基等)などが例示される。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換基R17〜R26は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の低級アルキル基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン原子である場合が多い。
【0033】
好ましいイミド化合物のうち5員のN−置換環状イミド骨格を有する化合物の代表的な例として、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α−メチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,α−ジメチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,β−ジメチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,α,β,β−テトラメチルコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド、N,N′−ジヒドロキシナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、α,β−ジアセトキシ−N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,β−ビス(プロピオニルオキシ)コハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,β−ビス(バレリルオキシ)コハク酸イミド、N−ヒドロキシ−α,β−ビス(ラウロイルオキシ)コハク酸イミド、α,β−ビス(ベンゾイルオキシ)−N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシ−4−メトキシカルボニルフタル酸イミド、4−エトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4−ペンチルオキシカルボニルフタル酸イミド、4−ドデシルオキシ−N−ヒドロキシカルボニルフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4−フェノキシカルボニルフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4,5−ビス(メトキシカルボニル)フタル酸イミド、4,5−ビス(エトキシカルボニル)−N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4,5−ビス(ペンチルオキシカルボニル)フタル酸イミド、4,5−ビス(ドデシルオキシカルボニル)−N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒドロキシ−4,5−ビス(フェノキシカルボニル)フタル酸イミドなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRが水素原子である化合物;これらの化合物に対応する、Rがアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基である化合物;N−メトキシメチルオキシフタル酸イミド、N−(2−メトキシエトキシメチルオキシ)フタル酸イミド、N−テトラヒドロピラニルオキシフタル酸イミドなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRがヒドロキシル基とアセタール又はヘミアセタール結合を形成可能な基である化合物;N−メタンスルホニルオキシフタル酸イミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)フタル酸イミドなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRがスルホニル基である化合物;N−ヒドロキシフタル酸イミドの硫酸エステル、硝酸エステル、リン酸エステル又はホウ酸エステルなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRが無機酸からOH基を除した基である化合物などが挙げられる。
【0034】
好ましいイミド化合物のうち6員のN−置換環状イミド骨格を有する化合物の代表的な例として、例えば、N−ヒドロキシグルタルイミド、N−ヒドロキシ−α,α−ジメチルグルタルイミド、N−ヒドロキシ−β,β−ジメチルグルタルイミド、N−ヒドロキシ−1,8−デカリンジカルボン酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,5−デカリンテトラカルボン酸ジイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド(N−ヒドロキシナフタル酸イミド)、N,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRが水素原子である化合物;これらの化合物に対応する、Rがアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基である化合物;N−メトキシメチルオキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド、N,N′−ビス(メトキシメチルオキシ)−1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRがヒドロキシル基とアセタール又はヘミアセタール結合を形成可能な基である化合物;N−メタンスルホニルオキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド、N,N′−ビス(メタンスルホニルオキシ)−1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRがスルホニル基である化合物;N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド又はN,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドの硫酸エステル、硝酸エステル、リン酸エステル又はホウ酸エステルなどの式(1)におけるXが−OR基で且つRが無機酸からOH基を除した基である化合物などが挙げられる。
【0035】
前記イミド系化合物のうち、Xが−OR基で且つRが水素原子である化合物(N−ヒドロキシ環状イミド化合物)は、慣用のイミド化反応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンとを反応させ、酸無水物基の開環及び閉環を経てイミド化する方法により得ることができる。また、前記イミド系化合物のうち、Xが−OR基で且つRがヒドロキシル基の保護基である化合物は、対応するRが水素原子である化合物(N−ヒドロキシ環状イミド化合物)に、慣用の保護基導入反応を利用して、所望の保護基を導入することにより調製することができる。例えば、N−アセトキシフタル酸イミドは、N−ヒドロキシフタル酸イミドに無水酢酸を反応させたり、塩基の存在下でアセチルハライドを反応させることにより得ることができる。また、これ以外の方法で製造することも可能である。
【0036】
特に好ましいイミド化合物は、脂環式多価カルボン酸無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物(例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミド、N−ヒドロキシグルタルイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ−1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドなど);及び該N−ヒドロキシイミド化合物のヒドロキシル基に保護基を導入することにより得られる化合物などが含まれる。
【0037】
式(I)で表されるN−置換環状イミド骨格を有するイミド系化合物は、反応において、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。前記イミド系化合物は反応系内で生成させてもよい。
【0038】
前記イミド系化合物の使用量は、広い範囲で選択でき、例えば、シクロアルカン類(基質)1モルに対して0.0000001〜1モル、好ましくは0.000001〜0.5モル、さらに好ましくは0.00001〜0.4モル程度であり、0.0001〜0.35モル程度である場合が多い。また、イミド系化合物の使用量は、仕込液全体1kg当たり、例えば0.0000006〜6モル程度、好ましくは0.0006〜2.1モル程度である。
【0039】
[助触媒]
反応においては助触媒を用いることができる。上記触媒と助触媒とを併用することにより反応速度や反応の選択性を向上させることができる。助触媒として、少なくとも1つの有機基が結合した周期表15族又は16族元素を含む多原子陽イオン又は多原子陰イオンとカウンターイオンとで構成された有機塩が挙げられる。
【0040】
前記有機塩において、周期表15族元素には、N、P、As、Sb、Biが含まれる。周期表16族元素には、O、S、Se、Teなどが含まれる。好ましい元素としては、N、P、As、Sb、Sが挙げられ、特に、N、P、Sなどが好ましい。
【0041】
前記元素の原子に結合する有機基には、置換基を有していてもよい炭化水素基(脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基など)、置換オキシ基(アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基など)などが含まれる。
【0042】
前記有機塩の代表的な例として、有機アンモニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩などの有機オニウム塩が挙げられる。有機アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリエチルフェニルアンモニウムクロリドなどの第4級アンモニウムクロリド、及び対応する第4級アンモニウムブロミドなどの、窒素原子に4つの炭化水素基が結合した第4級アンモニウム塩;ジメチルピペリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、メチルキノリニウムクロリドなどの環状第4級アンモニウム塩などが挙げられる。また、有機ホスホニウム塩の具体例としては、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリドなどの第4級ホスホニウムクロリド、及び対応する第4級ホスホニウムブロミドなどの、リン原子に4つの炭化水素基が結合した第4級ホスホニウム塩などが挙げられる。有機スルホニウム塩の具体例としては、トリエチルスルホニウムイオジド、エチルジフェニルスルホニウムイオジドなどの、イオウ原子に3つの炭化水素基が結合したスルホニウム塩などが挙げられる。
【0043】
また、前記有機塩には、メタンスルホン酸塩、ドデカンスルホン酸塩などのアルキルスルホン酸塩(例えば、C1-18アルキルスルホン酸塩);ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩などのアルキル基で置換されていてもよいアリールスルホン酸塩(例えば、C1-18アルキル−アリールスルホン酸塩);スルホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体);ホスホン酸型イオン交換樹脂(イオン交換体)なども含まれる。
【0044】
前記有機塩の使用量は、例えば、前記触媒1モルに対して、0.001〜0.1モル程度、好ましくは0.005〜0.08モル程度である。
【0045】
また、助触媒として、強酸(例えば、pKa2(25℃)以下の化合物)が使用されることもある。好ましい強酸には、例えば、ハロゲン化水素、ハロゲン化水素酸、硫酸、ヘテロポリ酸などが含まれる。強酸の使用量は、前記触媒1モルに対して、例えば0.001〜3モル程度である。
【0046】
さらに、助触媒として、電子吸引基が結合したカルボニル基を有する化合物が用いられる場合もある。電子吸引基が結合したカルボニル基を有する化合物の代表的な例として、ヘキサフルオロアセトン、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロフェニルメチルケトン、ペンタフルオロフェニルトリフルオロメチルケトン、安息香酸などが挙げられる。この化合物の使用量は、シクロアルカン類(基質)1モルに対して、例えば0.0001〜3モル程度である。
【0047】
また、反応系内にラジカル発生剤やラジカル反応促進剤を存在させることもある。このような成分として、例えば、ハロゲン(塩素、臭素など)、過酸(過酢酸、m−クロロ過安息香酸など)、過酸化物(過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)等のヒドロペルオキシドなど)、硝酸又は亜硝酸若しくはそれらの塩、二酸化窒素、ベンズアルデヒド等のアルデヒドなどが挙げられる。これらの成分を系内に存在させると、反応が促進される場合がある。これらの成分の使用量は、前記触媒1モルに対して、例えば0.001〜3モル程度である。
【0048】
[反応]
反応は、連続式反応装置を用い、液相で行われる。反応装置における反応容器は、完全混合槽型、プラグフロー型等の何れであってもよい。
【0049】
反応溶媒としては、例えば、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;t−ブタノール、t−アミルアルコールなどのアルコール類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸;ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミド類などが例示でき、これらの溶媒は混合して使用してもよい。反応生成物であるジカルボン酸を反応溶媒として使用することもできる。上記の溶媒の中でも、カルボン酸等のプロトン性有機溶媒及びニトリル類などが好ましく、特に酢酸などのカルボン酸が好ましい。また、反応溶媒を供給することなく反応を行ってもよい。
【0050】
本発明の重要な特徴は、連続式反応装置における滞留時間τ(hr)を下記の範囲で行う点にある。
0.1≦τ≦50/c
【0051】
式中、cは仕込液全体(シクロアルカン類、溶媒、触媒等の総量)に対するシクロアルカン類の割合(重量%)を示す。なお、滞留時間τ(hr)は下記式で求められる。
τ(hr)=反応容器内の液量(L)/仕込液流量(L/hr)
【0052】
滞留時間が0.1時間より短いとシクロアルカン類の転化率が小さくなる。一方、滞留時間を0.1時間から徐々に長くしていくと、シクロアルカン類の転化率は徐々に向上するが、途中から目的のジカルボン酸(シクロアルカン環を構成する炭素数と同じ炭素数の炭素鎖を有するジカルボン酸)以外のジカルボン酸、すなわちシクロアルカン環を構成する炭素数よりも1又は2個以上炭素数の少ない炭素鎖を有するジカルボン酸の生成量が増大するとともに、反応性も低下し、その結果、目的とするジカルボン酸の空時収率(STY)が大きく低下する。
【0053】
より具体的には、例えばシクロヘキサンを酸化してアジピン酸を連続式反応装置を用いて製造する場合、滞留時間を長くしていくと、途中から反応性が低下するとともに、徐々にアジピン酸の総ジカルボン酸(アジピン酸+グルタル酸+コハク酸)基準の選択率が低下する。また、滞留時間が長くなるにつれて、ヒドロキシカプロン酸、ブチロラクトン、バレロラクトン等の副生物が増加するが、ある時点よりこれらの化合物が逆に減少する現象が見られる。このことから、上記の副生物が長時間の反応でさらに別の物質に変化し、その物質の中に触媒(例えば、コバルト化合物やマンガン化合物)の活性を阻害するものが含まれていると推察される。なお、特開昭50−8790号公報には、シクロヘキサンの酸素酸化をバッチ式で行った場合、使用したコバルト化合物触媒を繰り返し使用すると触媒活性が徐々に低下すること、及びこの活性の低下した触媒を有機溶媒で処理すると触媒が賦活することが記載されている。これらのことから、上記阻害物質は有機化合物であり、触媒金属がこれに被毒されて(例えば金属錯体を形成することにより)、触媒活性が低下するものと考えられる。
【0054】
最適の滞留時間は反応容器に供給する仕込液全体に対するシクロアルカン類の割合(仕込液中のシクロアルカン類濃度)によって異なる。仕込液中のシクロアルカン類濃度が高いと、滞留時間を少し長くするだけで、反応中に生成する水の影響により、反応系内でシクロアルカン相と水相とが分液して、反応性が急激に低下する。急激に反応性が低下する直前の滞留時間が最適点である。一方、仕込液中のシクロアルカン類濃度が低く、反応系内で分液が生じない場合であっても、滞留時間を長くすると、前記の反応阻害物質の影響で反応性が低下し始める。この場合は、目的化合物であるジカルボン酸の総ジカルボン酸基準の選択率が低下する直前の滞留時間が最適点である。これらの知見を総合すると、好適な滞留時間の上限は、仕込液中のシクロアルカン類濃度にほぼ反比例し、その値は前記のように50/c(cは前記に同じ)で表される。
【0055】
滞留時間の下限は、好ましくは0.2時間であり、滞留時間の上限は、好ましくは40/cである(cは前記に同じ)。また、前記cの値は、好ましくは15重量%以上(例えば、15〜99.5重量%)、より好ましくは18重量%以上(例えば、18〜95重量%)、さらに好ましくは20重量%以上(例えば、20〜80重量%)であり、特に25重量%以上(例えば、25〜60重量%)が好ましい。前記cの値が低すぎると、シクロアルカン類の転化速度が遅くなり、生成するジカルボン酸の空時収率(単位容積且つ単位時間当たりの生成量)が低下する。
【0056】
なお、本発明者らの検討によると、触媒としてコバルト化合物を用いた場合、滞留時間によらず、反応液中に存在するCo(II)とCo(III)の比率は、ほぼ前者:後者=90:10と一定であった。また、シクロアルカン類の酸化反応においては、三価のコバルトが触媒活性を示し、二価のコバルトは触媒活性を示さないと言われている(例えば、工業化学雑誌、第72巻、第12号、第2590頁(1969)など)。反応系内において、Co(II)とCo(III)の比が一定であることは、コバルトが酸化数を変えずに被毒されて(例えば反応阻害物質と錯体を形成して)、反応活性が低下するものと推定される。
【0057】
反応温度は、例えば80〜200℃、好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは90〜140℃である。反応温度が80℃未満では反応速度が遅くなり、反応温度が高すぎると、目的のジカルボン酸の選択率が低下しやすくなる。反応圧力は、常圧、加圧下の何れであってもよい。加圧下で行う場合、反応圧力は、例えば0.5MPa以上(0.5〜20MPa程度)、好ましくは1〜15MPa程度である。
【0058】
反応により、原料として用いたシクロアルカン類が酸化的に開裂して、シクロアルカン環を構成する炭素数と同じ炭素数の炭素鎖を有するジカルボン酸が主に生成する。すなわち、シクロヘキサンからはアジピン酸が、シクロドデカンからはドデカン二酸が生成する。なお、条件により、シクロアルカン環を構成する炭素数よりも1又は2個炭素数の少ない炭素鎖を有するジカルボン酸や、対応するシクロアルカノール、シクロアルカノン等が副生する場合がある。例えば、シクロヘキサンを原料とした場合には、グルタル酸、コハク酸、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、酢酸、酢酸シクロヘキシル、ラクトン類(ブチロラクトン、バレロラクトン)、アジピン酸エステル類、ヒドロキシカプロン酸などが副生することがある。これらのうち、シクロアルカノールやシクロアルカノン等は反応系にリサイクルすることができる。
【0059】
反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0060】
本発明の製造方法で得られたジカルボン酸は、ポリアミド(ナイロン)やポリエステルの原料、ポリウレタン等のポリマーの添加剤、精密化学品の中間原料などとして利用できる。
【0061】
産業上の利用可能性
本発明によれば、シクロアルカン類の触媒的な酸素酸化により対応するジカルボン酸を高い空時収率で製造することができる。また、触媒活性の低下を抑制できる。
【0062】
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、生成物の分析はガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより行った。表中、「CHX」はシクロヘキサン、「STY」は空時収率(kg−ADA/m3・hr)、「ADA」はアジピン酸を意味する。
【0063】
実施例1〜3、比較例1
3段のパドル形攪拌機(回転数500rpm)を装備した内容積1000mlのチタン製反応器に、シクロヘキサン(CHX)、酢酸(AcOH)、触媒としての酢酸コバルト(II)及びN−アセトキシフタルイミドを、滞留時間τ(hr)が所定の値となるように連続的に供給した。供給量を変えることにより滞留時間を調整した。なお、原料の供給は2系列で行った。その1つはシクロヘキサンを供給するライン、他方は触媒を酢酸に溶解させた溶液を供給するラインである。これらの原料供給ラインは反応器入り口で一つになり、反応器上部から挿入管を経て液相部に供給されるようになっている。
【0064】
シクロヘキサンと酢酸の供給比は、CHX/AcOH=30/70(重量比)、酢酸コバルト(II)の使用量は、仕込総重量に対して21mmol/kg、N−アセトキシフタルイミドの使用量は、仕込総重量に対して23mmol/kgである。仕込総量に対するシクロヘキサンの割合cは30重量%である。反応結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004520151
【0066】
表1より、滞留時間τが0.1≦τ≦1.7(=50/c)の範囲である実施例1〜3では高い空時収率でアジピン酸が得られるが、滞留時間τが上記範囲外である比較例1では空時収率が著しく低いことがわかる。
【0067】
実施例4〜6、比較例2
3段のパドル形攪拌機(回転数500rpm)を装備した内容積1000mlのチタン製反応器に、シクロヘキサン(CHX)、酢酸(AcOH)、触媒としての酢酸コバルト(II)を、滞留時間τ(hr)が所定の値となるように連続的に供給した。供給量を変えることにより滞留時間を調整した。なお、原料の供給は実施例1〜3、比較例1と同様にして行った。
【0068】
シクロヘキサンと酢酸の供給比は、CHX/AcOH=30/70(重量比)、酢酸コバルト(II)の使用量は、仕込総重量に対して21mmol/kgである。仕込総量に対するシクロヘキサンの割合cは30重量%である。反応結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
Figure 0004520151
【0070】
表2より、滞留時間τが0.1≦τ≦1.7(=50/c)の範囲である実施例4〜6では高い空時収率でアジピン酸が得られるが、滞留時間τが上記範囲外である比較例2では空時収率が著しく低いことがわかる。
【0071】
実施例7、比較例3
シクロヘキサンと酢酸の供給比を、CHX/AcOH=60/40(重量比)とした点以外は、実施例1〜3、比較例1と同様の操作を行った。仕込総量に対するシクロヘキサンの割合cは60重量%である。反応結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
Figure 0004520151
【0073】
表3より、滞留時間τが0.1≦τ≦0.83(=50/c)の範囲である実施例7では高い空時収率でアジピン酸が得られるが、滞留時間τが上記範囲外である比較例3では空時収率が著しく低いことがわかる。

Claims (7)

  1. シクロアルカン類を連続式反応装置を用い、触媒の存在下、酸素により液相で酸化開裂して対応するジカルボン酸を製造する方法であって、反応溶媒としてカルボン酸又はニトリルを用いるとともに、触媒として遷移金属触媒を用いる場合にはその使用量を仕込液全体1kg当たり1〜200ミリモルの範囲とし、滞留時間τ(hr)を下記の範囲で行うことを特徴とするジカルボン酸の製造方法。
    0.1≦τ≦50/c
    [式中、cは仕込液全体に対するシクロアルカン類の割合(重量%)を示す。但し、cは20〜60(重量%)の範囲である
  2. 触媒としてコバルト化合物、マンガン化合物又はこれらの混合物を用いる請求項1記載のジカルボン酸の製造方法。
  3. 触媒として、下記式(I)
    Figure 0004520151
    [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)を示す]
    で表される環状イミド骨格を有するイミド系化合物を用いる請求項1記載のジカルボン酸の製造方法。
  4. イミド系化合物が、下記式(1)
    Figure 0004520151
    [式中、nは0又は1を示す。Xは酸素原子又は−OR基(Rは水素原子又はヒドロキシル基の保護基を示す)を示す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を示し、R1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して二重結合、又は芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。前記R1、R2、R3、R4、R5、R6、又はR1、R2、R3、R4、R5及びR6のうち少なくとも2つが互いに結合して形成された二重結合又は芳香族性若しくは非芳香族性の環には、上記式(1)中に示されるN−置換環状イミド基がさらに1又は2個以上形成されていてもよい]
    で表される化合物である請求項3記載のジカルボン酸の製造方法。
  5. 反応溶媒としてカルボン酸を用いる請求項1記載のジカルボン酸の製造方法。
  6. 反応温度を80℃〜150℃とする請求項1記載のジカルボン酸の製造方法。
  7. 反応圧力を0.5MPa以上とする請求項1記載のジカルボン酸の製造方法。
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