JP4518003B2 - 印刷装置、印刷装置制御プログラム、印刷装置制御方法、印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム、印刷用データ生成方法 - Google Patents

印刷装置、印刷装置制御プログラム、印刷装置制御方法、印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム、印刷用データ生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェットプリンタ等の印刷装置、印刷装置制御プログラム、印刷装置制御方法、印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム、印刷用データ生成方法、補正情報生成方法及び補正情報生成装置に係り、特に、印刷ヘッドの濃度むらによる印刷画質の劣化を低減するのに好適な印刷装置、印刷装置制御プログラム、印刷装置制御方法、印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム、印刷用データ生成方法に関する。
従来、印刷ヘッドを構成する、インクジェットプリンタのノズルや、熱昇華型プリンタの加熱素子等の印刷素子を、均一な精度で製造することが困難なことから、印刷素子の特性にバラツキが生じる。このような特性のバラツキは、例えば、各ノズルのインク吐出量やインクの着弾位置にバラツキを生じさせ、その結果、同一濃度のベタ画像などの印刷結果において濃度の濃い部分と薄い部分とが生じる、所謂濃度むらが発生する。
このような濃度むらを補正して、印刷画質を向上する技術として、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置及び特許文献2に記載の画像記録装置がある。
特許文献1の画像形成装置は、印刷素子の濃度むらに対応するために、濃度むら補正テーブルに基づき画像データを補正することで濃度むらの発生を抑えるようにしたものである。
また、特許文献2の画像記録装置は、印刷素子の濃度むらに対応するために、濃度むら補正テーブルに基づき画像データを補正し、更に、所定単位毎(最小の単位は各印刷素子)の階調補正テーブルに基づき画像データを補正することで、どのような階調領域においても濃度むらの発生を抑えることができるようにしたものである。
特開平1−129667号公報 特開平3−162977号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2においては、印刷ヘッドを構成する各印刷素子の形成する各ドットの濃度変化特性がフラットな状態となるように補正を行うため、つまりは、印刷ヘッドの濃度むらの発生を抑えるように補正を行うために、特にマルチヘッド型の印刷装置における各ヘッドのつなぎ目においては、フラットな特性同士が接合することになるため、両者が少しでもずれていた場合には、図14に示すように、濃度が階段状に変化してしまうため、このような部分においては、かえって印刷結果の濃度むらが目立ってしまうといった問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、印刷ヘッドの濃度むらによる印刷画質の劣化を低減するのに好適な印刷装置、印刷装置制御プログラム、印刷装置制御方法、印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム、印刷用データ生成方法を提供することを目的としている。
〔形態1〕 上記目的を達成するために、形態1の印刷装置は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置であって、
前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御する印刷制御手段を備えることを特徴としている。
このような構成であれば、印刷制御手段によって、前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することが可能である。
従って、印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を示す線グラフが勾配を有する線を描くように、例えば、各印刷素子がノズルである場合に、当該ノズルのインクの吐出量等を制御することができるので、これにより、濃度が連続的に徐々に変化するように制御することが可能となるので、印刷ヘッドの濃度むらによる画質劣化を目立たなくすることができるという効果が得られる。
また、従来技術のように、濃度変化特性がフラットになるように補正を行うと、全てのノズルで再現可能な濃度範囲でしか濃度を再現できなくなり、濃度の再現範囲が狭くなってしまうが、本発明では、勾配を有する線を描くように補正を行うため、勾配で変化する分だけ濃度の再現範囲が広がる。即ち、従来技術に比べて濃度の再現範囲を広くできるという効果が更に得られる。
ここで、上記ドットとは、1または複数のノズルから吐出されたインクが印刷媒体に着弾して形成される1つの領域をいう。また、「ドット」は面積が「ゼロ」ではなく、一定の大きさ(面積)をもつことは勿論、大きさごとに複数種類存するものである。但し、インクを吐出して形成されたドットは必ずしも真円になるとは限らない。例えば、楕円形などの真円以外の形状でドットが形成された場合は、その平均的な径をドット径として扱ったり、ある量のインクを吐出して形成されたドットの面積と等しい面積を有する真円の等価ドットを想定し、該等価ドットの径をドット径として扱ったりすることもある。また、濃度の異なるドットの打ち分け方法としては、例えば、ドットの大きさが同じで濃度が異なるドットを打つ方法、濃度が同じで大きさの異なるドットを打つ方法、濃度が同じでインクの吐出量が異なるドットであり、重ね打ちにより濃度を異ならせる方法などが考えられる。また、1つのノズルから吐出された1つのインク滴が分離して着弾してしまった場合も1つのドットとするが、2つのノズルまたは1つのノズルから時間を前後して形成された2つ以上のドットがくっついてしまった場合は、2つのドットが形成されたものとする。以下、形態4以降の「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、「補正情報生成方法」に関する形態、「補正情報生成装置」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
また、上記勾配を有する線とは、勾配を有さないフラットな直線以外の線を含むことになるが、濃度むらの発生を抑える又は濃度むらを目立たなくするという目的から、急激な変化をしない緩い勾配(例えば、勾配が√2以下、最小濃度値が、最大濃度値の80%となる勾配など)の線が望ましい。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、「補正情報生成方法」に関する形態、「補正情報生成装置」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
また、上記濃度変化特性とは、同一値の画素データに対して印刷ヘッドを構成する各印刷素子の形成するドットの濃度値の変化を示すものである。この濃度変化特性は、例えば、シングルヘッドのラインヘッド型印刷装置において、横軸を印刷素子の配列順に対応した各印刷素子の番号とし、縦軸を各番号の印刷素子が同一値の画素データに対して形成したドットの濃度値(又は濃度値の目標値に対する変化分)としたときに、各濃度値(又は変化分)に対応する点を線形補間して形成した線グラフなど、各ノズルの濃度値の変化特性を示す線グラフなどで表現することが可能である。なお、マルチパス型の印刷ヘッドの場合は、同じラインにおける複数の画素データに対して同じ番号の印刷素子が使用されるため、上記したように横軸を印刷素子の配列順としたときに、同じ番号の印刷素子に対して複数の点が線上に存在することになる。以下、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、「補正情報生成方法」に関する形態、「補正情報生成装置」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
また、上記印刷制御手段は、例えば、ソフトウェアとして印刷用データを補正することで、印刷ヘッドの濃度変化特性を示す線グラフが勾配を有する線を描くように印刷処理を制御したり、例えば、電気回路等のハードウェアとして、例えば、ピエゾ素子等に印加する電圧レベルを補正するなど通常の印刷用データから生成される信号を補正することで、印刷ヘッドの濃度変化特性を示す線グラフが勾配を有する線を描くように印刷処理を制御したりする。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態(ここでは印刷制御ステップ)、「印刷装置制御方法」に関する形態(ここでは印刷制御ステップ)、並び発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
また、上記印刷装置の実体としては、プリンタ、印刷機、プリンタや印刷機などと、プリンタコントローラ(例えば、プリンタに外付けされるコントローラPCなど)との組合せ、プリンタや印刷機などと、PCとの組合せなどが含まれる。以下、「印刷装置」に関する形態、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、「補正情報生成方法」に関する形態、「補正情報生成装置」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
〔形態2〕 更に、形態2の印刷装置は、形態1の印刷装置において、
前記印刷ヘッドを複数備え、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成手段は、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することを特徴としている。
このような構成であれば、複数の印刷ヘッドに亘って存在する印刷素子による印刷結果の濃度変化特性を示す線グラフを、勾配を有する線を描くようにできるので、ヘッド間のつなぎ目において、各印刷素子によって形成されるドットの濃度が勾配に沿った変化をすることになり、各印刷素子によって形成されるドットの濃度を緩い勾配で変化するように構成することで、印刷ヘッドのつなぎ目で発生する印刷結果の濃度むらを目立たなくすることができるという効果が得られる。
〔形態3〕 更に、形態3の印刷装置は、形態1又は2の印刷装置において、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
このような構成であれば、濃度変化特性が、例えば、楕円を構成する曲線などの湾曲のなだらかな曲線を描くように印刷処理を制御したり、例えば、なだらかな傾斜を有する直線を描くように印刷処理を制御したりすることができるので、印刷ヘッドの濃度むらによる画質劣化を目立たなくすることができるという効果が得られる。
〔形態4〕 一方、上記目的を達成するために、形態4の印刷装置は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置であって、
前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得手段と、
同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化に基づいて生成されており、且つ当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報を記憶する補正情報記憶手段と、
前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷手段と、を備え、
前記印刷用データ生成手段は、前記画像データ及び前記補正情報に基づき、前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することを特徴としている。
このような構成であれば、画像データ取得手段によって、前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得することが可能であり、補正情報記憶手段によって、同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化に基づいて生成されており、且つ当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報を記憶することが可能であり、印刷用データ生成手段によって、前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成することが可能であり、印刷手段によって、前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷することが可能である。
また、印刷用データ生成手段は、前記画像データ及び前記補正情報に基づき、前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することが可能である。
従って、例えば、各印刷素子がノズルである場合に、当該ノズルのインクの吐出量等を制御して、当該ノズルを含んで構成される印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を示す線グラフが、勾配を有する線を描く印刷処理を行わせることができる印刷用データを生成することができるので、濃度が連続的に徐々に変化する印刷用データを生成することで、印刷ヘッドの濃度むらによる画質劣化を目立たなくすることができるという効果が得られる。
ここで、上記画像データ取得手段は、スキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段などから入力された画像データを取得したり、LANやWAN等のネットワークを介して外部装置に記憶された画像データを受動的又は能動的に取得したり、印刷装置の有するCDドライブ、DVDドライブなどの駆動装置を介してCD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体から画像データを取得したり、印刷装置の有する記憶装置に記憶された画像データを取得したりなどする。つまり、前記取得には、少なくとも入力、獲得、受信および読出が含まれる。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態(ここでは画像データ取得ステップ)、「印刷装置制御方法」に関する形態(ここでは画像データ取得ステップ)、「印刷用データ生成装置」に関する形態、並びに発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
また、上記補正情報記憶手段は、濃度変化特性を補正するための補正情報をあらゆる手段でかつあらゆる時期に記憶するものであり、補正情報をあらかじめ記憶してあるものであってもよいし、補正情報をあらかじめ記憶することなく、本印刷装置の動作時に外部からの入力等によって補正情報を記憶するようになっていてもよい。例えば、工場出荷時などの、本印刷装置が製品として売り出される前に、スキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段などを利用して印刷ヘッドによる印刷結果から当該印刷ヘッドを構成する印刷素子の印刷濃度を検査してその検査結果に基づき補正情報を生成しこれを予め記憶したり、印刷装置の使用時に、前記工場出荷時と同様に印刷ヘッドを構成する印刷素子の印刷濃度を検査してその検査結果に基づき補正情報を生成してこれを記憶したりするなど、製品の使用時に記憶された状態にできるタイミングであればどのようなタイミングでも良い。また、印刷装置の使用後に、その印刷ヘッドの特性が変化した場合に対応するために定期的にあるいは所定の時期にスキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段などを利用してその印刷ヘッドによる印刷結果から当該印刷ヘッドを構成する印刷素子の印刷濃度を検査してその検査結果に基づき補正情報を生成し、これを工場出荷時などのデータと共に、あるいはそのデータに上書きして記憶したりするなど補正情報を更新できるようにしても良い。以下、「印刷用データ生成装置」に関する形態、並びに発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
また、上記ノズルのドット形成内容に関する情報とは、画像データの各画素値に対する、ドットの有無(ノズルによりドットを形成する、形成しない)に関する情報と、形成する場合のドットのサイズ(例えば、大・中・小の3種類のいずれか)に関する情報等のノズルによってドットを形成する際に必要な情報から構成されるものであり、例えば、形成サイズが一種類しかない場合は、ドットの有無に関する情報だけで構成しても良い。あるいは、上記ノズルのドット形成内容に関する情報とは、該ノズルが画像データの各画素値に対して形成すべきドットを表わす情報であり、実際には複数のドットによって形成すべきドットを実現しても良い。以下、「印刷用データ生成装置」に関する形態、並びに発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
また、上記「規定」とは、「印刷装置」が解釈できる「データフォーマット」で「上記ノズルのドット形成内容に関する情報」を構成するという意味である。以下、「印刷装置制御プログラム」に関する形態、「印刷装置制御方法」に関する形態、「印刷用データ生成装置」に関する形態、「印刷用データ生成プログラム」に関する形態、「印刷用データ生成方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである。
〔形態5〕 更に、形態5の印刷装置は、形態4の印刷装置において、
前記印刷ヘッドを複数備え、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成手段は、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することを特徴としている。
このような構成であれば、複数のヘッドに亘って存在する印刷素子による印刷結果の濃度変化特性を示す線グラフが、勾配を有する線を描く印刷用データを生成することができるので、ヘッド間のつなぎ目において、各印刷素子によって形成されるドットの濃度が勾配に沿った変化をすることになり、各印刷素子によって形成されるドットの濃度を緩い勾配で変化する印刷用データを生成することで、印刷ヘッドのつなぎ目で発生する印刷結果の濃度むらを目立たなくすることができるという効果が得られる。
〔形態6〕 更に、形態6の印刷装置は、形態4又は5の印刷装置において、
前記補正情報は、勾配を有する線を形成する連続関数の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、ある入力値に対して出力(印刷)された濃度値を測定し、その濃度値の変化を連続関数で近似することで、濃度変化特性を示す線グラフがターゲットとする勾配の線を描くような印刷用データを簡易に生成することができるという効果が得られる。
〔形態7〕 更に、形態7の印刷装置は、形態4乃至6のいずれか1の印刷装置において、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
このような構成であれば、濃度変化特性を示す線グラフが、例えば、楕円を構成する曲線などの湾曲のなだらかな曲線を描く印刷制御を行う印刷用データを生成したり、例えば、なだらかな傾斜を有する直線を描く印刷制御を行う印刷用データを生成したりすることができるので、印刷ヘッドの濃度むらによる画質劣化を目立たなくすることができるという効果が得られる。
〔形態8〕 一方、上記目的を達成するために、形態8の印刷装置制御プログラムは、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御する印刷制御ステップをコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態1の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態9〕 更に、形態9の印刷装置制御プログラムは、形態8の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記印刷装置は前記印刷ヘッドを複数備えており、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態2の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態10〕 更に、形態10の印刷装置制御プログラムは、形態8又は9の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態3の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態11〕 一方、上記目的を達成するために、形態11の印刷装置制御プログラムは、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記画像データと、同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化に基づいて生成されており、且つ当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報とに基づき、前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態4の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態12〕 更に、形態12の印刷装置制御プログラムは、形態11の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記印刷装置は前記印刷ヘッドを複数備えており、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態5の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態13〕 更に、形態13の印刷装置制御プログラムは、形態11又は12の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記補正情報は、勾配を有する線を形成する連続関数の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態6の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態14〕 更に、形態14の印刷装置制御プログラムは、形態11乃至13のいずれか1の印刷装置制御プログラムにおいて、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態7の印刷装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態15〕 一方、上記目的を達成するために、形態15の印刷装置制御プログラムの記憶されたコンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、形態8乃至形態10のいずれか1の印刷装置制御プログラムの記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であることを特徴としている。
これによって、形態8乃至形態10のいずれか1の印刷装置制御プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、MOなどの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
〔形態16〕 また、上記目的を達成するために、形態16の印刷装置制御プログラムの記憶されたコンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、形態11乃至形態14のいずれか1の印刷装置制御プログラムの記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であることを特徴としている。
これによって、形態11乃至形態14のいずれか1の印刷装置制御プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、MOなどの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
〔形態17〕 一方、上記目的を達成するために、形態17の印刷装置制御方法は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記印刷媒体上にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御する印刷制御する印刷制御ステップを含むことを特徴としている。
これによって、形態1の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
〔形態18〕 更に、形態18の印刷装置制御方法は、形態17の印刷装置制御方法において、
前記印刷装置は前記印刷ヘッドを複数備えており、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することを特徴としている。
これによって、形態2の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
〔形態19〕 更に、形態19の印刷装置制御方法は、形態17又は18の印刷装置制御方法において、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
これによって、形態3の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
〔形態20〕 また、上記目的を達成するために、形態20の印刷装置制御方法は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
前記印刷用データに基づき、前記印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと、を含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記画像データと、同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化に基づいて生成されており、且つ当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報とに基づき、前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することを特徴としている。
これによって、形態4の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
より具体的には、画像データ取得ステップは、例えば、ROM等の記憶媒体に格納されたプログラムをRAMにロードし、このロードしたプログラムをCPUが実行することで、例えば、スキャナ等の入力装置、HDD等の記憶装置、入出力I/Fなどが協働して処理が実現される。また、印刷用データ生成ステップは、ROM等の記憶媒体に格納されたプログラムをRAMにロードし、このロードしたプログラムをCPUが実行し、記憶装置に記憶された補正情報等の各種データを駆使して処理を行うことで実現される。また、印刷ステップは、ROM等の記憶媒体に格納されたプログラムをRAMにロードし、このロードしたプログラムをCPUが実行することで、印刷ヘッドや紙送り機構等の駆動機構等から構成される出力装置に制御信号を入力して、当該出力装置(印刷手段)を制御することで処理が実現される。
また、上記各ステップの順番は、最初に画像データ取得ステップを行い、次に印刷用データ生成ステップを行い、最後に印刷ステップを行う順番が好ましい。
〔形態21〕 更に、形態21の印刷装置制御方法は、形態20の印刷装置制御方法において、
前記印刷装置は前記印刷ヘッドを複数備えており、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することを特徴としている。
これによって、形態5の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
〔形態22〕 更に、形態22の印刷装置制御方法は、形態20又は21の印刷装置制御方法において、
前記補正情報は、勾配を有する線を形成する連続関数の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態6の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
〔形態23〕 更に、形態23の印刷装置制御方法は、形態20乃至22のいずれか1の印刷装置制御方法において、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
これによって、形態7の印刷装置と同等の作用効果が得られる。
〔形態24〕 一方、上記目的を達成するために、形態24の印刷用データ生成装置は、 印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成装置であって、
前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得手段と、
同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化に基づいて生成されており、且つ当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報を記憶する補正情報記憶手段と、
前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、を備え、
前記印刷用データ生成手段は、前記画像データ及び前記補正情報に基づき、前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することを特徴としている。
すなわち、本形態は、前記印刷装置のような実際に印刷を実行するための印刷手段を含むのではなく、例えば、元のM値(M≧2)の画像データに基づいて印刷ヘッドの濃度変化特性に応じた印刷用データを生成するようにしたものである。 従って、形態4の印刷装置と同様の作用及び効果を得ることができると共に、例えば、本形態で生成した印刷用データを印刷装置に送るだけで当該印刷装置で印刷処理を実行できる構成とすることが可能であり、このような構成にすることで、専用の印刷装置を用意することなく、既存のインクジェット方式の印刷装置をそのまま利用することができる。
また、パソコンなどの汎用の情報処理装置を利用することができるため、パソコンなどの印刷指示装置とインクジェットプリンタとからなる既存の印刷システムをそのまま活用することができる。
また、印刷用データ生成装置の実体としては、プリンタコントローラ(プリンタに外付けのコントローラPCなど)、プリンタドライバが動作するPCなどが含まれる。
〔形態25〕 更に、形態25の印刷用データ生成装置は、形態24の印刷用データ生成装置において、
前記印刷ヘッドを複数備え、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成手段は、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することを特徴としている。
これによって、形態5の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
〔形態26〕 更に、形態26の印刷用データ生成装置は、形態24又は25の印刷用データ生成装置において、
前記補正情報は、勾配を有する線を形成する連続関数の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態6の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
〔形態27〕 更に、形態27の印刷用データ生成装置は、形態24乃至26のいずれか1の印刷用データ生成装置において、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
これによって、形態7の印刷装置と同様の作用及び効果が得られる。
〔形態28〕 一方、上記目的を達成するために、形態28の印刷用データ生成プログラムは、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置に使用される印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成プログラムであって、
前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記画像データと、同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化に基づいて生成されており、且つ当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報とに基づき、前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態24の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態29〕 更に、形態29の印刷用データ生成プログラムは、形態28の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記印刷装置は前記印刷ヘッドを複数備えており、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態25の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態30〕 更に、形態30の印刷用データ生成プログラムは、形態28又は29の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記補正情報は、勾配を有する線を形成する連続関数の情報を含むことを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態26の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態31〕 更に、形態31の印刷用データ生成プログラムは、形態28乃至30のいずれか1の印刷用データ生成プログラムにおいて、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、形態27の印刷用データ生成装置と同等の作用および効果が得られる。
〔形態32〕 一方、上記目的を達成するために、形態32の印刷用データ生成プログラムの記憶されたコンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、形態28乃至形態31のいずれか1の印刷用データ生成プログラムの記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であることを特徴としている。
これによって、形態28乃至形態31のいずれか1の印刷用データ生成プログラムと同様の作用及び効果が得られると共に、CD−ROMやDVD−ROM、MOなどの記録媒体を介して前記印刷プログラムを容易に授受することが可能となる。
〔形態33〕 また、上記目的を達成するために、形態33の印刷用データ生成方法は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置に使用される印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成方法であって、
前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、を含み、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記画像データと、同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化に基づいて生成されており、且つ当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報とに基づき、前記印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することを特徴としている。
これによって、形態24の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
より具体的には、画像データ取得ステップは、例えば、印刷用データを生成するPC等の情報処理装置の有するROM等の記憶媒体に格納されたプログラムをRAMにロードし、このロードしたプログラムをCPUが実行することで、例えば、スキャナ等の入力装置、HDD等の記憶装置、入出力I/Fなどが協働して実現される。また、印刷用データ生成ステップは、印刷用データを生成するPC等の情報処理装置の有するROM等の記憶媒体に格納されたプログラムをRAMにロードし、このロードしたプログラムをCPUが実行して、記憶装置に記憶された補正情報等の各種データを駆使して処理を行うことで実現される。
〔形態34〕 更に、形態34の印刷用データ生成方法は、形態33の印刷用データ生成方法において、
前記印刷装置は前記印刷ヘッドを複数備えており、
同一値の画素データに対応する印刷素子が、複数の前記印刷ヘッドに亘って存在し、
前記印刷用データ生成ステップにおいては、前記複数の印刷ヘッドによる印刷結果の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように前記印刷処理を制御することを特徴としている。
これによって、形態25の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態35〕 更に、形態35の印刷用データ生成方法は、形態33又は34の印刷用データ生成方法において、
前記補正情報は、勾配を有する線を形成する連続関数の情報を含むことを特徴としている。
これによって、形態26の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態36〕 更に、形態36の印刷用データ生成方法は、形態33乃至35のいずれか1の印刷用データ生成方法において、
前記勾配を有する線は、曲線及び勾配を有する直線の少なくとも一方であることを特徴としている。
これによって、形態27の印刷用データ生成装置と同等の作用及び効果が得られる。
〔形態37〕 一方、上記目的を達成するために、形態37の補正情報生成方法は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データの生成に用いる補正情報を生成するのに使用する補正情報生成方法であって、
同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化特性に係る濃度変化特性情報を取得する濃度変化特性情報取得ステップと、
勾配を有する線に係る勾配線情報を取得する勾配線情報取得ステップと、
前記濃度変化特性情報及び前記勾配線情報に基づき、前記濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように、前記印刷ヘッドの各印刷素子毎に、当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報を生成する補正情報生成ステップと、を含むことを特徴としている。
従って、上記方法によって、印刷結果の濃度変化特性を示す線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することが可能な補正情報を生成することができるので、この補正情報によって、各印刷素子に対応した各画素データを、当該各印刷素子の印刷濃度が連続的に徐々に変化するように補正を行うことが可能となるので、印刷ヘッドの濃度むらによる画質劣化を目立たなくすることができる印刷用データを簡易に生成することができるという効果が得られる。
〔形態38〕 一方、上記目的を達成するために、形態38の補正情報生成装置は、
印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを備え、当該印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データの生成に用いる補正情報を生成する補正情報生成装置であって、
同一値の画素データに対して前記印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化特性に係る濃度変化特性情報を取得する濃度変化特性情報取得手段と、
勾配を有する線に係る勾配線情報を取得する勾配線情報取得手段と、
前記濃度変化特性情報及び前記勾配線情報に基づき、前記濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように、前記印刷ヘッドの各印刷素子毎に、当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報を生成する補正情報生成手段と、を備えることを特徴としている。
このような構成であれば、濃度変化特性情報取得手段によって、前記印刷ヘッドの印刷結果の濃度変化特性に係る濃度変化特性情報を取得することが可能であり、勾配線情報取得手段によって、勾配を有する線に係る勾配線情報を取得することが可能であり、補正情報生成手段によって、前記濃度変化特性情報及び前記勾配線情報に基づき、前記濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように、前記印刷ヘッドの各印刷素子毎に、当該各印刷素子の濃度変化特性を補正するための補正情報を生成することが可能である。
従って、印刷結果の濃度変化特性を示す線グラフが勾配を有する線を描く印刷用データを生成することが可能な補正情報を生成することができるので、この補正情報によって、各印刷素子に対応した各画素データを、当該各印刷素子の印刷濃度が連続的に徐々に変化するように補正を行うことが可能となるので、印刷ヘッドの濃度むらによる画質劣化を目立たなくすることができる印刷用データを簡易に生成することができるという効果が得られる。
ここで、補正情報生成装置の実体としては、製造工程やメンテナンスで使用されるシステムでスキャナ(フラットベッドスキャナ、フィード機能の付いたラインセンサ等)とデータ処理装置(PCなど)との組合せ、プリンタや印刷機に付加されるセンサ(スキャナ、ラインセンサなど)とデータ処理装置(プリンタ内蔵機器、外付けコントローラ、外付けPCなど)との組合せなどが含まれる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図13は、本発明に係る印刷装置の実施の形態を示す図である。
まず、本発明に係る印刷装置100の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る印刷装置100の構成を示すブロック図である。
印刷装置100は、マルチヘッド型の印刷装置であって、図1に示すように、外部装置や記憶装置等から所定画像を構成する画像データを取得する画像データ取得部10と、当該取得した画像データと補正情報記憶部12に記憶された補正情報とに基づき、画像データの画像を印刷媒体(ここでは、印刷用紙)に印刷するための印刷用データを生成する印刷用データ生成部11と、マルチヘッドの各ノズルの濃度変化特性を補正するための各種情報を含む補正情報を記憶する補正情報記憶部12と、印刷用データに基づき画像データの画像を、インクジェット方式によって印刷媒体に印刷する印刷部13とを含んだ構成となっている。
画像データ取得部10は、M値(M≧2)の画像データ(例えば、1画素あたり各色(R、G、B)ごとの階調(輝度値)が8ビット(0〜255)で表現されるカラーの画像データ)を取得する機能を有しており、このような画像データを、外部装置及び自装置の入力装置等からの印刷指示に応じて、LANやWAN等のネットワークを介して外部装置から取得したり、自装置の備える図示しないCDドライブ、DVDドライブなどの駆動装置を介してCD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体から取得したり、自装置の有する後述する記憶装置70から取得したり、スキャナ等の光学的読取装置を介して取得したりすることが可能となっている。更に、本実施の形態においては、M値のRGBデータを、印刷ヘッド200の各インクに対応するM値のCMYK(4色の場合)データ(以下、CMYK画像データと称す)に変換する機能も同時に発揮するようになっている。
印刷用データ生成部11は、画像データ取得部10からCMYK画像データを取得すると、まず、CMYKの各色毎にN値化処理を行って、各色に対応したN値化画像データを生成し、次に、各色毎に、当該生成したN値化画像データの画像印刷に使用するノズルの中から所定のノズルを選択し、N値化画像データにおける、当該選択ノズルに対応した画素データの画素値に基づき、補正情報記憶部12から、選択ノズル及び画素データの画素値に応じた補正情報を読み出し、当該読み出した補正情報に基いて、N値化処理後の画素データの画素値(正確には、N値化処理後のドット形成サイズの値)を補正してなる印刷用データを生成するようになっている。
補正情報記憶部12は、予め用意された複数種類の目標特性関数に対する補正情報を記憶するようになっており、この補正情報は、ノズル番号及び画素値に対応付けられたデータテーブルとして記憶される。従って、本実施の形態においては、印刷用データ生成部11からのノズル番号、画素値及び目標特性関数の情報に応じて、これらに対応する補正情報を読み出し、印刷用データ生成部11に返すようになっている。ここで、目標特性関数は、印刷結果の濃度変化特性が描く目標線(線グラフ)を規定する関数であり、本実施の形態においては、楕円、直線(勾配あり)、2次曲線の3種類の関数からユーザが任意のものを選択することができるようになっている。また、補正情報は、N値化処理後の画素データの値を補正するためのもので、目標特性関数の種類に応じた目標濃度値及び各ノズルの濃度むら特性(インク吐出性能)などに基づいて、各ノズル毎及び各濃度毎に決定されるものである。また、補正情報は、例えば、工場出荷前などにおいて、印刷ヘッド200の各ノズルの印刷結果(例えば、ベタ画像のサンプル)に対する濃度変化特性の情報を取得する手段(濃度変化特性情報取得手段)と、楕円、2次曲線、所定の勾配を有する直線等の勾配を有する線に係る勾配線情報を取得する手段(勾配線情報取得手段)と、前記取得した濃度変化特性の情報及び勾配線の情報に基づき、印刷ヘッド200の濃度変化特性を線グラフで示したときに、当該線グラフが勾配を有する線を描くように、前記印刷ヘッド200の各ノズル毎に、当該各ノズルの濃度変化特性を補正するための補正情報を生成する手段(補正情報生成手段)とを含んで構成される専用の装置(補正情報生成装置)によって生成される。
ここで、図3は、印刷部13の備える、本発明の印刷ヘッド200の構造を示す図である。
図3に示すように、この印刷ヘッド200は、ブラック(K)インクを専用に吐出する複数個のノズルNがノズル配列方向に直線状に配列された複数のブラックノズルモジュール50a〜50nから構成されるブラックヘッドユニット50と、同じくイエロー(Y)インクを専用に吐出する複数個のノズルNがノズル配列方向に直線状に配列された複数のイエローノズルモジュール52a〜52nから構成されるイエローヘッドユニット52と、同じくマゼンタ(M)インクを専用に吐出する複数個のノズルNがノズル配列方向に直線状に配列された複数のマゼンタノズルモジュール54a〜54nから構成されるマゼンタヘッドユニット54と、同じくシアン(C)インクを専用に吐出する複数個のノズルNがノズル配列方向に直線状に配列された複数のシアンノズルモジュール56a〜56nから構成されるシアンヘッドユニット56といった4つのヘッドユニット50、52、54及び56を含んだ構成となっている。
また、このような構造をした印刷ヘッド200は、各ノズルN1、N2、N3…ごとにそれぞれ設けられた図示しないインクチャンバー内に供給されたインクをそれら各インクチャンバーごとに設けられた図示しないピエゾ素子(piezo actuator)などの圧電素子によって各ノズルN1、N2、N3…から吐出することで、白色の印刷用紙上に円形のドットを印字すると共に、さらに、この圧電素子に加える電圧を多段階に制御することによってインクチャンバーからのインクの吐出量を制御してサイズの異なるドットが印字可能となっている。また、時系列的に短時間で2段階でノズルに電圧を加え、印刷用紙上にて2つの吐出を組み合わせて1つのドットを構成する場合もある。この場合、ドットのサイズによって吐出速度が異なることを利用して、小さいドットにつづいて大きいドットを吐出することによって、紙面上でほぼ同位置にインクを着弾させて1つのさらに大きいドットを構成させることが可能である。
図1に戻って、印刷部13は、印刷媒体又は印刷ヘッド200の一方、あるいは双方を移動させながら前記印刷ヘッド200に形成された前記ヘッドユニット50,52,54及び56の各ノズルモジュールからインクをそれぞれドット状に噴射して前記印刷媒体上に多数のドットからなる所定の画像を形成するようにしたインクジェット方式のプリンタであり、前述した印刷ヘッド200の他に、前記印刷媒体を移動させるための図示しない紙送り機構、前記印刷用データに基づいて印刷ヘッド200のインクの吐出を制御する図示しない印刷制御機構などから構成されている。
なお、この印刷装置100は、前記画像データ取得部10、印刷用データ生成部11、印刷部13などにおける上記各機能をソフトウェア上で実現するため、及び上記各機能の実現に必要なハードウェアを制御するソフトウェアを実行するためのコンピュータシステムを備えている。このコンピュータシステムのハードウェア構成は、図2に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)60と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)62と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)64との間をPCI(Peripheral Component Interconnect)バスやISA(Industrial Standard Architecture)バス等からなる各種内外バス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、HDD等の外部記憶装置(Secondary Storage)70や、印刷部13やCRT、LCDモニター等の出力装置72、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置74、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークケーブルLなどを接続したものである。
そして、電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)等の記憶媒体を介して、またはインターネット等の通信ネットワークを介して記憶装置70にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各機能をソフトウェア上で実現するようになっている。
更に、印刷装置100は、CPU60によって、ROM64の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図4のフローチャートに示す印刷処理を実行するようになっている。なお、前述したようにドットを形成するための印刷ヘッド200は、一般に4色および6色などといった複数種類の色のドットをほぼ同時に形成できるようになっているが、本実施の形態においては、CMYKの4色のインクにそれぞれ対応した4つのヘッドユニットによって構成されたものとして説明する。
図4は、印刷装置100における印刷処理を示すフローチャートである。
印刷処理は、CPU60によって実行されると、図4に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
ステップS100では、画像データ取得部10において、ネットワークケーブルLを介して接続された外部装置からの印刷指示情報が送られてくることにより、あるいは入力装置74を介して印刷指示情報が入力されたことにより、印刷指示があったか否かを判定し、印刷指示があったと判定された場合(Yes)はステップS102に移行し、そうでない場合(No)は印刷指示があるまで判定処理を繰り返す。
ステップS102に移行した場合は、画像データ取得部10において、印刷指示に対応する画像データを、上記したように、外部装置、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体、HDD等の記憶装置70などから取得する処理を行い、これにより画像データを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)はステップS104に移行し、そうでない場合(No)は、印刷指示元に対して印刷不可などの返答を行った後、当該印刷指示に対する印刷処理を放棄してステップS100に移行する。
ステップS104に移行した場合は、画像データ取得部10において、ステップS102で取得した画像データが、CMYK画像データであるか否かを判定し、CMYK画像データであると判定された場合(Yes)はステップS108に移行し、そうでない場合(No)はステップS106に移行する。
ステップS106に移行した場合は、画像データ取得部10において、ステップS102で取得したCMYK画像データ以外の画像データの色情報(例えば、RGB)をCMYK変換してCMYK画像データを生成し、当該生成したCMYK画像データを印刷用データ生成部11に伝送してステップS108に移行する。
ステップS108では、印刷用データ生成部11において、画像データ取得部10からCMYK画像データを取得すると、印刷用データ生成処理を実行して印刷用データを生成してステップS110に移行する。
ステップS110では、印刷用データ生成部11において、ステップS108で生成した印刷用データを、印刷部13に出力してステップS112に移行する。
ステップS112では、印刷部13において、印刷用データ生成部11からの印刷用データに基づき、印刷処理を実行してステップS100に移行する。
次に、図5に基づき、ステップS108の印刷用データ生成処理を詳細に説明する。 図5は、印刷装置100の印刷用データ生成部11における、印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。
この印刷用データ生成処理は、印刷ヘッド200の各ヘッドユニットの同一値の画素データに対してヘッドユニットが印刷素子(ノズル)の配列方向に形成するドットの濃度変化特性を示す線グラフが、所定の勾配を有する線を描く印刷用データを生成する処理であって、ステップS108において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS200に移行するようになっている。
ステップS200では、印刷用データ生成部11において、画像データ取得部10からのCMYK画像データを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)はステップS202に移行し、そうでない場合(No)は取得するまで判定処理を続行する。
ステップS202に移行した場合は、印刷用データ生成部11において、上記取得したCMYK画像データに対して、印刷時の印刷解像度に合わせた解像度変換を施すと共にN値化処理を施し、N値化画像データを生成してステップS204に移行する。
ステップS204では、印刷用データ生成部11において、目標特性関数の種類が選択されているか否かを判定し、選択されていると判定された場合(Yes)はステップS206に移行し、そうでない場合(No)はステップS214に移行する。本実施の形態においては、ユーザが、印刷指示を行う際に、印刷ヘッドの濃度むら補正処理を行うか否かを選択できるようになっており、その際に、補正後の濃度変化をどのような特性にするかを、予め用意された複数の目標特性関数の中から選択できるようになっている。そして、選択された目標特性関数の情報は、例えば、印刷指示情報、又は画像データに付加されて印刷装置100へと送信される。
ステップS206では、印刷用データ生成部11において、補正処理が未処理のノズル番号を選択してステップS208に移行する。本実施の形態においては、印刷ヘッド200の各ノズルユニット毎に、各ヘッドユニットを構成するノズルに通し番号が対応付けられている。従って、未処理ノズル番号の選択は、各ヘッドユニット毎に行われる。
ステップS208では、印刷用データ生成部11において、補正情報記憶部12から、目標特性関数及び選択ノズル番号に対応した補正情報を読み出して取得し、ステップS210に移行する。
ステップS210では、印刷用データ生成部11において、CMYK画像データから、選択ノズルに対応した画素データを選択し、ステップS208で取得した補正情報に基づき、当該選択した画素データを補正してステップS212に移行する。
ステップS212では、印刷用データ生成部11において、全てのノズル番号を選択したか否かを判定し、選択したと判定された場合(Yes)はステップS214に移行し、そうでない場合(No)はステップS206に移行する。
ステップS214では、印刷用データ生成部11において、CMYK画像データの各画素値に対して、ドット形成内容に係る情報を対応付けて印刷用データを生成し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、ドット形成内容に係る情報は、各ドットサイズに対応するドット番号等の、ノズルの形成するドットのサイズに係る情報を含んだものである。
次に、図6〜図11に基づき、本実施の形態の動作を説明する。
ここで、図6は、濃度むらの補正処理を行わない場合の各ヘッドユニットに対応したノズル番号とそのノズルの、ある同一値の画素データに対する出力濃度値との関係を示す図である。図7は、ドットサイズに対する、N値の情報、各N値に対する閾値の情報の一例を示す図である。また、図8は、目標特性関数として楕円関数を選択して補正処理をした場合の各ヘッドユニットに対応したノズル番号とそのノズルの、ある同一値の画素データに対する出力濃度値との関係を示す図である。また、図9は、目標特性関数として直線関数を選択して補正処理をした場合の各ヘッドユニットに対応したノズル番号とそのノズルの、ある同一値の画素データに対する出力濃度値との関係を示す図である。また、図10は、目標特性関数として2次曲線関数を選択して補正処理をした場合の各ヘッドユニットに対応したノズル番号とそのノズルの、ある同一値の画素データに対する出力濃度値との関係を示す図である。また、図11は、補正情報テーブルの一例を示す図である。
一般に、同一濃度の「べた塗り」の印刷物については、印刷ヘッド200の各ノズルがインクの吐出量やインクの射出方向などに不均一な特性を持つために、例えば、図6に示すように、シアンノズルモジュール56a〜56dの各ノズル間及び各ノズルモジュール間に出力濃度値が不均一となる現象が生じる。特に、ノズルモジュール56aとノズルモジュール56bとのつなぎ目といったように、各ノズルモジュール同士のつなぎ目においては、急激な濃度の変化が生じており、このような濃度の急激な変化は、印刷物において濃度むらとして視覚的に捉えられ、印刷物の品質を悪化させてしまう。
ここで、出力濃度値とは、各ノズルの形成する印刷結果のドットの濃度値のことである。
従って、本発明に係る印刷装置100では、各ノズル間におけるドットの濃度変化が急激にならないように、各ノズルの出力濃度値が、所定の勾配を有する線グラフ上において各ノズルの配列順に且つ当該所定の勾配を有する線に沿って並ぶように印刷対象の画像データを補正し、これによって、各ノズル間で出力濃度値がなだらかに(連続的に)変化するようにすることで、印刷物に濃度むらが知覚されるのを抑えることができる印刷用データを生成する。
まず、印刷装置100は、画像データ取得部10において、外部装置等から印刷指示情報を受信すると(ステップS100)、当該印刷指示情報に対応する画像データを、印刷指示情報の送信元である外部装置等から取得し(ステップS102)、当該取得した画像データの色情報がRGB等のCMYK以外であった場合は(ステップS104の「Yes」の分岐)、当該画像データをCMYKデータに色変換したCMYK画像データを印刷用データ生成部11に伝送する(ステップS106)。印刷用データ生成部11は、画像データ取得部10から伝送されたCMYK画像データを取得すると印刷用データの生成処理を実行する(ステップS108)。
印刷用データの生成処理は、印刷用データ生成部11において、画像データ取得部10から伝送されたCMYK画像データを取得することで開始され(ステップS200)、まず、当該取得したCMYK画像データを、実際に印刷するときの印刷解像度に合わせて解像度変換し、次いで、記憶装置70に記憶された、ドットの形成サイズ情報毎に対応したN値化用の閾値と、濃度値とを含んでなるN値化情報を読み出し、当該N値化情報に基づき、解像度変換後のCMYK画像データにおけるN値化処理が未処理の画素データを選択して、当該選択画素データに対してN値化処理を行う(ステップS202)。
本実施の形態において、上記N値化処理は、例えば、選択画素データのN値化前の画素値(輝度(または濃度))が8ビット「256」階調である場合、例えば、図7に示すように、N値化前の画素値が「32」以下のときは、その画素値を「0」とし、N値化前の画素値が「33」〜「64」未満のときは、その画素値を「36」とし、さらにN値化前の画素値が「64」〜「96」未満のときは、その画素値を「73」とするようになっている。さらに、同様にしてN値化前の画素値が「96」〜「128」未満のときは、その画素値を「109」とし、N値化前の画素値が「128」〜「159」未満のときは、その画素値を「146」とし、さらにN値化前の画素値が「159」〜「191」未満のときは、その画素値を「182」とし、さらに、N値化前の画素値が「191」〜「223」未満のときは、その画素値を「219」とし、N値化前の画素値が「223」以上のときは、その画素値を「255」とするようになっている。
なお、前記の例は画素値として輝度を採用した場合であり、画素値として濃度を採用する場合は、図のかっこ内に示すように各輝度の反対の値(「255」から各輝度値を引いた値)をとることになる。また、前記の例は、形成可能なドットサイズの種類に合わせて、選択画素データの画素値を、輝度値「0」を含めて8種類の数値のいずれかに変換するいわゆる8値化処理をする例を説明しているが、本実施の形態における印刷装置100は、この8種類の数値(ドット形成サイズ)に限定されるものではない。各ノズルの出力濃度値を、目標とする濃度変化特性とするために必要なドット形成サイズの種類数に応じてN値化のNの数値が異なってくる。
なお、このようにドットサイズを制御する技術的方法としては、例えば、印刷ヘッドにピエゾ素子(piezo actuator)を使用した方式の場合は、そのピエゾ素子に加える電圧を変えてインクの吐出量をコントロールすることで容易に実現可能となっている。また、各ドットサイズ専用のノズルを備えて、どのノズルから吐出するかを制御することによっても実現可能である。
上記したように選択画素データに対してN値化処理を行うと、次に、当該選択画素データのN値化処理前の輝度値と、N値化後のドット番号に対応する輝度値との誤差を算出して、当該算出した誤差を、選択画素データの画素周辺のN値化処理が未処理の画素に拡散する誤差拡散処理を行う。
この誤差拡散処理とは、従来公知のものそのものであり、例えば、2値化処理を例に挙げると、処理対象となる注目画素が8ビット(256階調)で表現可能でその階調が「101」であった場合、通常の2値化処理では、その階調は閾値(中間値)である「128」に満たないため、「0」すなわちドットを形成しない画素として処理されてしまい、「101」は、そのまま捨てられてしまう。これに対し、誤差拡散処理の場合は、その「101」が所定の誤差拡散マトリックスに従ってその周囲の未処理の画素に対して拡散されることになるため、例えば、選択画素の右隣の画素が通常の2値化処理のみでは選択画素と同じく閾値に満たないことから「ドットを形成しない」として処理されてしまっていたのが、選択画素の誤差を受け取ることによってその濃度値が閾値を超えて「ドットを形成する」というような取り扱いを受けることとなり、より元の画像データに近い2値化データを得ることが可能となる。
つまり、上記したドット形成サイズ毎の輝度値は、誤差拡散処理において用いられるもので、元の画素データの濃度値と、N値化後の対応するドット形成サイズの輝度値との差分が誤差として周辺の未処理画素データに拡散されることになる。
そして、上記N値化処理及び誤差拡散処理が、CMYK画像データにおける全画素データに対して完了すると、このN値化処理及び誤差拡散処理の施されたCMYK画像データがN値化画像データとなる。
このようにしてN値化画像データが生成されると、次に、印刷指示の情報又は取得した画像データに付加された情報から、目標特性関数が選択されているか否かを判定する(ステップS204)。この判定によって、目標特性関数が選択されている場合(ステップS204の「Yes」の分岐」は、当該選択された目標特性関数の種類に応じて、N値化後の各画素データの補正処理を行う。
ここで、本実施の形態においては、目標特性関数として、楕円関数、直線関数、2次曲線関数の3種類が用意されている。
目標特性関数が選択されている場合は、更に、各ヘッドユニット毎に、補正処理が未処理のノズル番号を選択し(ステップS206)、上記選択された目標特性関数、選択ノズル番号及び当該選択ノズル番号に対応する画素データに対応した補正情報を、補正情報記憶部12から読み出して(ステップS208)、当該読み出した補正情報に基づき選択ノズルに対応した画素データを補正する(ステップS210)。
つまり、目標特性関数が選択されている場合は、各ノズルの出力濃度値が、選択された目標特性関数によって描かれる線グラフに、その配列順に沿うようにN値化画像データを補正することになる。
従って、本実施の形態においては、各ヘッドユニット毎に、且つドットを形成可能な各濃度毎に、各ノズルの出力濃度が上記3種類の目標特性関数に対応した線グラフを描くための補正情報が、データテーブルとして用意されている。また、本実施の形態においては、上記した目標関数である、楕円関数及び2次曲線関数については、例えば、接線の勾配が√2以下となるように各ノズルに対する補正情報が生成され、直線関数に対しては、例えば、直線上の最低濃度値が、最低でも最大濃度値の80%となる値となるように各ノズルに対する補正情報が生成される。つまり、出力濃度値が急激な変化をせずになだらかに変化するように勾配に対する条件を設定し、その条件に合わせて補正情報を生成する。
また、補正情報の生成については、例えば、あるノズルが、目標のインク吐出量に対して「−2%」の吐出量となってしまう濃度変化特性を有する場合に、このノズルに対して、上記目標特性関数の描く線に合わせるために、目標のインク吐出量よりも「5%」多くインクを吐出させたいようなときは、前記した「−2%」を考慮して、画素データをインク吐出量が「+7%」となるような値に補正する情報を補正情報として生成することになる。
このようにして生成された補正情報は、例えば、図11に示すような補正情報テーブルとして補正情報記憶部12に記憶される。図11に示す例では、目標特性関数の一つである直線関数と、シアンヘッドユニット56の各ノズルに対応したノズル番号と、ドットを形成可能な濃度範囲とに対して、補正情報として係数が設定されており、N値化処理後の対応する画素値に対して、この係数を乗算した結果が補正結果の画素値となる。
従って、目標特性関数として楕円関数が選択された場合は、楕円関数、選択ノズル及び当該選択ノズルに対応した画素値に対応した補正情報(係数)が選択され、当該選択された補正情報によって選択ノズルに対応した画素値が補正される(係数を乗算)。同様にして、目標特性関数として、直線関数又は2次曲線関数が選択された場合は、それぞれ選択された目標特性関数、選択ノズル及び当該選択ノズルに対応した画素値に対応した補正情報が選択され、当該選択された補正情報によって選択ノズルに対応した画素値が補正される。
上記のような補正処理が、全ヘッドユニットの全ノズルに対して終了すると(ステップS212の「Yes」の分岐)、補正処理結果のN値化画像データに対して、ドットサイズを対応付ける処理を行って、印刷用データを生成する(ステップS214)。
そして、印刷用データ生成部11は、上記生成した印刷用データを印刷部13に出力する(ステップS110)。
そして、印刷部13においては、印刷用データ生成部11から出力された印刷用データに基づき、印刷ヘッド200を用いて印刷媒体上にドットが形成(印刷)される(ステップS112)。
この印刷結果における各ドットの濃度変化特性は、目標特性関数として楕円関数が選択された場合は、図8に示すように、各ノズルの出力濃度値が楕円の一部を描くような特性となり、また、目標特性関数として直線関数が選択された場合は、図9に示すように、直線上の最低濃度値が最大濃度値の80%となる値となる勾配を有した直線を描くような特性となり、また、目標特性関数として2次曲線関数が選択された場合は、図10に示すように、2次曲線の接線の勾配が√2以下となるような曲線を描くような特性となる。
従って、印刷結果が上記図8〜図10のような濃度変化特性を有するように、N値化画像データを補正してなる印刷用データを生成するようにしたので、各ノズル間及び各ノズルモジュール間において、濃度変化をなだらかにすることが可能となるので、印刷物の濃度むらが知覚されるのを抑えることが可能となる。
上記実施の形態において、画像データ取得部10は、形態1、4及び24のいずれか1の画像データ取得手段に対応し、印刷用データ生成部11は、形態4、5、24及び25のいずれか1の印刷用データ生成手段又は形態1の印刷制御手段に対応し、補正情報記憶部12は、形態4又は24の補正情報記憶手段に対応し、印刷部13は、形態1又は4の印刷手段に対応する。
また、上記実施の形態において、ステップS100〜S106は、形態8、11、17、20、28及び33のいずれか1の画像データ取得ステップに対応し、ステップS108は、形態11、12、17、20、21、28、29、33及び34のいずれか1の印刷用データ生成ステップ又は形態8の印刷制御ステップに対応し、ステップS112は、8、11、17、20、28及び33のいずれか1の印刷ステップに対応する。
なお、上記実施の形態においては、各ヘッドユニットの各ノズル毎に、且つ各濃度毎に補正情報(例えば、係数)をデータテーブルとして用意する例を説明したが、これに限らず、データテーブルを設定できるようになっていても良い。
また、目標特性関数の情報と、各濃度に対応する目標特性関数の係数(例えば、直線関数なら、y=ax+bのa,b)をテーブルとして用意しておき、例えば、各ノズル番号を入力値(x)として連続関数の出力値(y)をその都度算出し、この算出結果(y)を各ノズルの目標とする濃度値として、この濃度値と、各ノズルの濃度むら特性(吐出量−5%など)とに基づき、各ノズルの出力結果がこれら目標濃度値となるように補正を行う構成としても良い。また、目標特性関数の情報だけを用意し、当該目標特性関数の係数自体もその都度算出するようにしても良い。従って、この場合に補正情報記憶部12は、例えば、印刷用データ生成部11から、目標特性関数の種類情報、選択ノズル番号、当該選択ノズルに対応する画素データを取得すると、これらの情報に基づき、目標濃度値を算出し、当該算出結果と選択ノズルの濃度特性情報とに基づき、当該選択ノズルに対応する画素データを補正して、選択ノズルが目標濃度値を出力できるような印刷用データを生成する。
このようにすることで、上記実施の形態においては濃度範囲によっては膨大となる補正情報を、その都度算出して求めることができるので、補正処理に必要な情報のメモリ容量を軽減できるという効果が得られる。
また、上記実施の形態においては、各ヘッドユニットの各ノズル毎に、且つ各濃度毎に補正情報(例えば、係数)をデータテーブルとして用意する例を説明したが、これに限らず、N値化処理後のN値化画像データに対して上記補正処理を行わずに、当該N値化画像データにドットサイズ番号を割り当ててなる印刷用データによって印刷処理を行い、その印刷結果に対する各ノズルの濃度値を測定し、この測定値を用いて、例えば、公知の最小二乗法を使用して目標特性関数に対して曲線近似又は直線近似を行って目標特性関数の係数を算出し、当該係数を有する目標特性関数から各ノズルの目標濃度値を算出するような構成としても良い。この場合は、補正情報記憶部12には、各ノズルの濃度特性情報が記憶されており、目標濃度値が算出されたら、各ノズルの濃度特性情報に基づいて各ノズルの出力濃度値が目標濃度値となるようにN値化画像データを補正しても良いし、測定された濃度特性情報から上記実施の形態のようなデータテーブルを作成しても良い。
このようにすることで、各ノズルの濃度特性に応じて、適切な勾配を有した直線又は曲線を求めることができるので、より自然な状態で印刷結果の濃度むらを抑えることができるという効果が得られる。
また、上記実施の形態においては、補正情報を用いて、各ヘッドユニットの印刷結果の濃度値が目標特性関数に対応した線を描く印刷用データを専用のプログラムによって生成する例を説明したが、これに限らず、電気回路等のハードウェアによって、例えば、ピエゾ素子等に印加する電圧レベルを補正するなど上記補正処理を施していない通常の印刷用データから生成される信号を専用の回路を通すことによって直接補正することで、印刷結果の各ノズルの濃度値が目標特性関数に対応した線を描くように印刷処理を制御する構成としても良い。この場合は、例えば、印刷部13において、電気回路による信号変換を行うようにすることが可能であり、このような機能を有した印刷部13は、形態1又は2の印刷制御手段に対応する。
また、上記実施の形態においては、N値化画像データ全体に対して上記補正処理を行う例を説明したが、これに限らず、所定面積以上のベタ画像部分に対してのみ上記補正処理行うようにしても良い。
また、上記実施の形態においては、図5のフローチャートに示すように、ステップS202でN値化処理を行った後に、ステップS204〜ステップS210を経てN値化された画像データの画素値を補正するようにしたが、これに限らず、例えば、図12のフローチャートに示すようにCMYK画像データを補正後にN値化処理を施すなど異なる手順で行うようにしても良い。以下、図12に基づき、印刷用データ生成部11における印刷用データ生成処理の別の形態の流れを説明する。図12は、図5に示す印刷用データ生成処理の別の形態を示すフローチャートである。
この印刷用データ生成処理は、印刷ヘッド200の各ヘッドユニットの印刷結果の濃度変化特性を示す線グラフが、所定の勾配を有する線を描く印刷用データを生成する処理であって、ステップS106において実行されると、図12に示すように、まず、ステップS300に移行するようになっている。
ステップS300では、印刷用データ生成部11において、画像データ取得部10からのCMYK画像データを取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)はステップS302に移行し、そうでない場合(No)は取得するまで判定処理を続行する。
ステップS302に移行した場合は、印刷用データ生成部11において、上記取得したCMYK画像データに対して印刷解像度に合わせて解像度変換を施してステップS304に移行する。
ステップS304では、印刷用データ生成部11において、目標特性関数の種類が選択されているか否かを判定し、選択されていると判定された場合(Yes)はステップS306に移行し、そうでない場合(No)はステップS314に移行する。
ステップS306では、印刷用データ生成部11において、補正処理が未処理のノズル番号を選択してステップS308に移行する。
ステップS308では、印刷用データ生成部11において、補正情報記憶部12から、目標特性関数及び選択ノズル番号に対応した補正情報を読み出して取得し、ステップS310に移行する。
ステップS310では、印刷用データ生成部11において、CMYK画像データから、選択ノズルに対応した画素データを選択し、ステップS308で取得した補正情報に基づき、当該選択した画素データを補正してステップS312に移行する。
ステップS312では、印刷用データ生成部11において、全てのノズル番号を選択したか否かを判定し、選択したと判定された場合(Yes)はステップS314に移行し、そうでない場合(No)はステップS306に移行する。
ステップS314に移行した場合は、印刷用データ生成部11において、補正処理の施されたCMYK画像データに対してN値化処理を施し、N値化画像データを生成してステップS316に移行する。
ステップS316では、印刷用データ生成部11において、N値化画像データの各画素値に対して、ドット形成内容に係る情報を対応付けて印刷用データを生成し、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
つまり、印刷用データ生成部11は、画像データ取得部10から取得したCMYK画像データに対して、実際の印刷時の印刷解像度に合わせた解像度変換を施し(ステップS302)、当該解像度変換の施されたCMYK画像データに対して、目標特性関数を選択し(ステップS304)、当該目標特性関数に応じた補正情報を取得して選択ノズルに対応した画素データを補正し(ステップS306〜S312)、当該補正処理後のCMYK画像データに対してN値化処理を施し(ステップS314)、当該N値化画像データにドット番号を対応付けて印刷用データを生成する(ステップS316)。
これにより、各ノズル間及び各ノズルモジュール間において、濃度変化をなだらかにすることが可能となるので、印刷物の濃度むらが知覚されるのを抑えることが可能となる。
また、上記実施の形態における印刷装置100の特徴は、既存の印刷装置そのものには殆ど手を加えることなくその印刷ヘッドの特性に合わせて画像データから印刷用データを生成するようにしたため、印刷部13として特に専用のものを用意する必要はなく、従来から既存のインクジェット方式のプリンタをそのまま利用するができる。また、上記実施の形態における印刷装置100から印刷部13を分離すれば、その機能はPCなどの汎用の印刷指示端末やプリンタサーバ等(印刷用データ生成装置)で実現することも可能となる。
また、上記実施の形態における印刷装置100は、マルチヘッドのラインヘッド型のインクジェットプリンタのみならず、シングルヘッドのラインヘッド型のインクジェットプリンタ、マルチパス型のインクジェットプリンタにも適用可能である。
図13(A)〜(C)は、ラインヘッド型のインクジェットプリンタとマルチパス型のインクジェットプリンタとによるそれぞれの印刷方式を示したものである。
同図(A)に示すように、矩形状の印刷用紙Sの幅方向を画像データの主走査方向、長手方向を画像データの副走査方向とした場合、ラインヘッド型のインクジェットプリンタでは、同図(B)に示すように、印刷ヘッド200がその印刷用紙Sの紙幅分の長さを有しており、この印刷ヘッド200を固定し、この印刷ヘッド200に対して前記印刷用紙Sを副走査方向に移動させることでいわゆる1パス(動作)で印刷を完了するようにしている。なお、いわゆるフラットベッド式のスキャナのように印刷用紙Sを固定し、印刷ヘッド200側をその副走査方向に移動させたり、あるいは両方をそれぞれ反対方向に移動させながら印刷を行うことも可能である。これに対し、マルチパス型のインクジェットプリンタは、同図(C)に示すように、紙幅分の長さに比べてはるかに短い印刷ヘッド200を主走査方向と直交する方向に位置させ、これを主走査方向に何度も往復動させながら印刷用紙Sを所定のピッチずつ副走査方向に移動させることで印刷を実行するようにしている。従って、後者のマルチパス型のインクジェットプリンタの場合は、前者のラインヘッド型のインクジェットプリンタに比べて印刷時間がかかるといった欠点がある反面、任意の箇所に印刷ヘッド200を繰り返し位置させることができることから、印刷結果に生じるバンディングのうち特に白スジ現象の軽減については、ある程度の対応が可能となっている。
また、上記実施の形態ではインクをドット状に吐出して印刷を行うインクジェットプリンタを例に説明したが、本発明は、印字機構がライン状に並んだ形態の印字ヘッドを用いた他の印刷装置、例えば熱転写プリンタまたは感熱式プリンタなどと称されるサーマルヘッドプリンタについても適用可能である。
本発明の実施の形態に係る印刷装置100の構成を示すブロック図である。 コンピュータシステムのハードウェア構成を示す図である。 本発明の印刷ヘッド200の構造を示す部分拡大底面図である。 印刷装置100における印刷処理を示すフローチャートである。 印刷装置100の印刷用データ生成部11における、印刷用データ生成処理を示すフローチャートである。 濃度むらの補正処理を行わない場合の各ヘッドユニットに対応したノズル番号とそのノズルの、ある同一値の画素データに対する出力濃度値との関係を示す図である。 ドットサイズに対する、N値の情報、各N値に対する閾値の情報の一例を示す図である。 目標特性関数として楕円関数を選択して補正処理をした場合の各ヘッドユニットに対応したノズル番号とそのノズルの、ある同一値の画素データに対する出力濃度値との関係を示す図である。 目標特性関数として直線関数を選択して補正処理をした場合の各ヘッドユニットに対応したノズル番号とそのノズルの、ある同一値の画素データに対する出力濃度値との関係を示す図である。 目標特性関数として2次曲線関数を選択して補正処理をした場合の各ヘッドユニットに対応したノズル番号とそのノズルの、ある同一値の画素データに対する出力濃度値との関係を示す図である。 補正情報テーブルの一例を示す図である。 図5に示す印刷用データ生成処理の別の形態を示すフローチャートである。 (A)〜(C)は、マルチパス型のインクジェットプリンタとラインヘッド型のインクジェットプリンタとによる印刷方式の違いを示す説明図である。 従来技術の濃度変化特性を示す図である。
符号の説明
100…印刷装置、200…印刷ヘッド、10…画像データ取得部、11…印刷用データ生成部、12…補正情報記憶部、13…印刷部、60…CPU、62…RAM、64…ROM、66…インターフェース、70…記憶装置、72…出力装置、74…入力装置、50…ブラックノズルモジュール、52…イエローノズルモジュール、54…マゼンタノズルモジュール、56…シアンノズルモジュール、S…印刷媒体(用紙)、L…ネットワークケーブル、N…ノズル

Claims (6)

  1. 印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを複数備え、当該複数の印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置であって、
    同一値の画素データに対応する印刷素子が、前記複数の印刷ヘッドに亘って存在し、
    前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記同一値の画素データに対して前記複数の印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化特性を補正するための補正情報を記憶する補正情報記憶手段と、
    前記印刷素子の濃度むらの特性を示す濃度むら情報を記憶する濃度むら情報記憶手段と、
    前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
    前記印刷用データに基づき、前記複数の印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷手段と
    前記濃度変化特性の補正処理前の前記印刷用データに基づく前記印刷手段の印刷結果に基づき、前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子に対応する濃度値を測定する濃度値測定手段と、を備え、
    前記補正情報は、接線の勾配が2 1/2 以下となる曲線を形成する連続関数の情報と、最小値が最大値の80%となる勾配を有する直線を形成する連続関数の情報とを含み、
    前記印刷用データ生成手段は、前記補正情報に含まれる前記連続関数の情報に基づき、前記濃度値測定手段の測定結果を用いて前記連続関数に対して曲線近似又は直線近似を行って、前記連続関数の係数を算出し、該算出した係数の設定された前記連続関数を用いて前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子の目標濃度値を算出し、該目標濃度値と前記濃度むら情報とに基づき前記画像データを補正して、前記各印刷素子の出力結果が前記算出した目標濃度値となる印刷用データを生成することを特徴とする印刷装置。
  2. 印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを複数備え、当該複数の印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御プログラムであって、
    前記印刷装置は、同一値の画素データに対応する印刷素子が、前記複数の印刷ヘッドに亘って存在しており、
    前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
    前記印刷用データに基づき、前記複数の印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと
    前記同一値の画素データに対して前記複数の印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化特性であって、当該濃度変化特性の補正処理前の前記印刷用データに基づく前記印刷ステップにおける印刷結果に基づき、前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子に対応する濃度値を測定する濃度値測定ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み
    前記印刷用データ生成ステップにおいては、接線の勾配が2 1/2 以下となる曲線を形成する連続関数の情報と、最小値が最大値の80%となる勾配を有する直線を形成する連続関数の情報とを含む補正情報に基づき、前記濃度値測定ステップの測定結果を用いて前記連続関数に対して曲線近似又は直線近似を行って、前記連続関数の係数を算出し、該算出した係数の設定された前記連続関数を用いて前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子の目標濃度値を算出し、該目標濃度値と前記印刷素子の濃度むらの特性を示す濃度むら情報とに基づき前記画像データを補正して、前記各印刷素子の出力結果が前記算出した目標濃度値となる印刷用データを生成することを特徴とする印刷装置制御プログラム。
  3. 印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを複数備え、当該複数の印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置を制御するのに使用する印刷装置制御方法であって、
    前記印刷装置は、同一値の画素データに対応する印刷素子が、前記複数の印刷ヘッドに亘って存在しており、
    前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
    前記印刷用データに基づき、前記複数の印刷ヘッドによって前記画像を前記媒体に印刷する印刷ステップと
    前記同一値の画素データに対して前記複数の印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化特性であって、当該濃度変化特性の補正処理前の前記印刷用データに基づく前記印刷ステップにおける印刷結果に基づき、前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子に対応する濃度値を測定する濃度値測定ステップと、を含み
    前記印刷用データ生成ステップにおいては、接線の勾配が2 1/2 以下となる曲線を形成する連続関数の情報と、最小値が最大値の80%となる勾配を有する直線を形成する連続関数の情報とを含む補正情報に基づき、前記濃度値測定ステップの測定結果を用いて前記連続関数に対して曲線近似又は直線近似を行って、前記連続関数の係数を算出し、該算出した係数の設定された前記連続関数を用いて前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子の目標濃度値を算出し、該目標濃度値と前記印刷素子の濃度むらの特性を示す濃度むら情報とに基づき前記画像データを補正して、前記各印刷素子の出力結果が前記算出した目標濃度値となる印刷用データを生成することを特徴とする印刷装置制御方法。
  4. 印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを複数備え、当該複数の印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置において使用される印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成装置であって、
    前記印刷装置は、同一値の画素データに対応する印刷素子が、前記複数の印刷ヘッドに亘って存在しており、
    前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記同一値の画素データに対して前記複数の印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化特性を補正するための補正情報を記憶する補正情報記憶手段と、
    前記印刷素子の濃度むらの特性を示す濃度むら情報を記憶する濃度むら情報記憶手段と、
    前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成手段と、
    前記濃度変化特性の補正処理前の前記印刷用データに基づく前記印刷装置の印刷結果に基づき、前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子に対応する濃度値を測定する濃度値測定手段と、を備え、
    前記補正情報は、接線の勾配が2 1/2 以下となる曲線を形成する連続関数の情報と、最小値が最大値の80%となる勾配を有する直線を形成する連続関数の情報とを含み、
    前記印刷用データ生成手段は、前記補正情報に含まれる前記連続関数の情報に基づき、前記濃度値測定手段の測定結果を用いて前記連続関数に対して曲線近似又は直線近似を行って、前記連続関数の係数を算出し、該算出した係数の設定された前記連続関数を用いて前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子の目標濃度値を算出し、該目標濃度値と前記濃度むら情報とに基づき前記画像データを補正して、前記各印刷素子の出力結果が前記算出した目標濃度値となる印刷用データを生成することを特徴とする印刷用データ生成装置。
  5. 印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを複数備え、当該複数の印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置に使用される印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成プログラムであって、
    前記印刷装置は、同一値の画素データに対応する印刷素子が、前記複数の印刷ヘッドに亘って存在しており、
    前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
    前記同一値の画素データに対して前記複数の印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化特性であって、当該濃度変化特性の補正処理前の前記印刷用データに基づく前記印刷装置の印刷結果に基づき、前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子に対応する濃度値を測定する濃度値測定ステップとからなる処理をコンピュータに実行させるのに使用するプログラムを含み
    前記印刷用データ生成ステップにおいては、接線の勾配が2 1/2 以下となる曲線を形成する連続関数の情報と、最小値が最大値の80%となる勾配を有する直線を形成する連続関数の情報とを含む補正情報に基づき、前記濃度値測定ステップの測定結果を用いて前記連続関数に対して曲線近似又は直線近似を行って、前記連続関数の係数を算出し、該算出した係数の設定された前記連続関数を用いて前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子の目標濃度値を算出し、該目標濃度値と前記印刷素子の濃度むらの特性を示す濃度むら情報とに基づき前記画像データを補正して、前記各印刷素子の出力結果が前記算出した目標濃度値となる印刷用データを生成することを特徴とする印刷用データ生成プログラム。
  6. 印刷に用いる媒体にドットを形成可能な印刷素子が連続して配列された印刷ヘッドを複数備え、当該複数の印刷ヘッドによって前記媒体にドットを形成することで画像を印刷するようにした印刷装置に使用される印刷用データを生成するのに使用する印刷用データ生成方法であって、
    前記印刷装置は、同一値の画素データに対応する印刷素子が、前記複数の印刷ヘッドに亘って存在しており、
    前記画像を構成する複数の画素に対応する画素データを含んでなる画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    前記画像データに対応する前記各印刷素子のドット形成内容に関する情報を規定した印刷用データを生成する印刷用データ生成ステップと、
    前記同一値の画素データに対して前記複数の印刷ヘッドが前記印刷素子の配列方向に形成するドットの濃度変化特性であって、当該濃度変化特性の補正処理前の前記印刷用データに基づく前記印刷装置の印刷結果に基づき、前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子に対応する濃度値を測定する濃度値測定ステップと、を含み
    前記印刷用データ生成ステップにおいては、接線の勾配が2 1/2 以下となる曲線を形成する連続関数の情報と、最小値が最大値の80%となる勾配を有する直線を形成する連続関数の情報とを含む補正情報に基づき、前記濃度値測定ステップの測定結果を用いて前記連続関数に対して曲線近似又は直線近似を行って、前記連続関数の係数を算出し、該算出した係数の設定された前記連続関数を用いて前記複数の印刷ヘッドの各印刷素子の目標濃度値を算出し、該目標濃度値と前記印刷素子の濃度むらの特性を示す濃度むら情報とに基づき前記画像データを補正して、前記各印刷素子の出力結果が前記算出した目標濃度値となる印刷用データを生成することを特徴とする印刷用データ生成方法。
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