JP4515845B2 - ナフトキノン系化合物およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
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有機感光体の感度特性を向上させることを目的として、従来、電荷輸送能に優れた種々の電荷輸送剤が開発されており、例えば、特許文献1には、電荷輸送能(電子輸送能)に優れた化合物として、下記一般式(2)に示すナフトキノン系化合物が挙げられている。
また、現像剤として、パラフィン系溶媒などの電気絶縁性の高い溶剤中に着色剤、ポリマー粒子等を分散させてなる、いわゆる湿式現像剤を使用する液体現像法においては、感光層が湿式現像剤の溶剤と長時間にわたって接触することにより、感光層中の電荷輸送剤が上記溶剤中に溶出して、感度特性や耐久性が低下するという問題がある。
(1) 下記一般式(1)で示されることを特徴とする、ナフトキノン系化合物、
(2) 導電性基体上に感光層を備える電子写真感光体であって、前記感光層が、電荷発生剤と、下記一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物と、バインダ樹脂とを含むことを特徴とする、電子写真感光体、
(3) 前記感光層が単層型であることを特徴とする、前記(2)に記載の電子写真感光体
を提供するものである。
一般式(1)中、R1およびR2としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、ハロゲン原子が挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、sec−ペンチル、2−メチルペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどが挙げられる。
炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル、o、mまたはp−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−または3,5−キシリル、o、mまたはp−クメニル、メシチル、ナフチル、ビフェニルなどが挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
一般式(1)中、Aで示される2価基としては、上記一般式(1−1)、一般式(1−2)、一般式(1−3)、一般式(1−4)または一般式(1−5)で示される二価基が挙げられる。
炭素数3〜8のシクロアルキレン基としては、例えば、1,2−シクロプロピレン、1,2−シクロブチレン、1,3−シクロブチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレンなどが挙げられ、好ましくは、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレンなどが挙げられる。なかでも、炭素数5または6のシクロアルキレン基が好ましい。
一般式(1−1)中、aおよびbとしては、独立して、0〜4の整数が挙げられる。なかでも、0、1または2が好ましく、0がより好ましい。
一般式(1−1)で示される2価基の具体例としては、例えば、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン、下記式(1−1a)で表される基、下記式(1−1b)で表される基、下記式(1−1c)で表される基、下記式(1−1d)で表される基などが挙げられ、より好ましくは、1,3−シクロへキシレンが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、ヘキサメチレンなどが挙げられ、好ましくは、メチレンが挙げられる。
炭素数3〜8のシクロアルキレン基および炭素数3〜8のシクロアルキリデン基としては、R3で示されるものと同様の基が挙げられ、好ましくは、シクロへキシリデン基が挙げられる。
一般式(1−2)中、cおよびdとしては、独立して、0〜4の整数が挙げられる。なかでも、0または1が好ましい。
一般式(1−3)中、eとしては、1〜4の整数が挙げられる。なかでも、1または2が好ましい。また、fとしては、0〜4の整数が挙げられる。なかでも、0または1が好ましい。
一般式(1−4)中、R10、R11、R12およびR13としては、炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられる。この炭素数1〜6のアルキレン基としては、R4で示されるものと同様のアルキレン基が挙げられ、好ましくは、エチレンが挙げられる。
一般式(1−4)中、R14としては、炭素数1〜6のアルキレン基または炭素−酸素間単結合が挙げられる。この炭素数1〜6のアルキレン基としては、R4で示されるものと同様のアルキレン基が挙げられ、好ましくは、エチレンが挙げられる。
一般式(1−5)中、mおよびnとしては、独立して、0〜4の整数が挙げられる。なかでも、0、1または2が好ましく、1がより好ましい。
本発明のナフトキノン系化合物は、具体的には、下記一般式(11)、一般式(12)、一般式(13)、一般式(14)または一般式(15)で示される。
一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物の合成方法は、特に限定されないが、例えば、上記一般式(14)で示されるナフトキノン系化合物は、下記の反応式(I)〜(III)に示すように、式(21)で示されるジオール類を出発原料として合成することができる。
上記反応式(I)に示す反応は、例えば、ディーンスタークトラップを取り付けた反応容器中で、還流下、反応により生成する水をトルエンなどの溶媒から除去しつつ、実施すればよい。
上記反応式(II)に示す反応は、例えば、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下、テトラヒドロフラン(THF)などの溶媒中で実施すればよい。
上記反応式(III)に示す反応は、例えば、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下、THFなどの溶媒中で実施すればよい。
さらに、上記反応式(III)に示す反応で得られた式(24)で示される化合物を、クロラニルなどで酸化することによって、上記式(14)で示されるナフトキノン系化合物を得ることができる。
上記一般式(12)で示されるナフトキノン系化合物は、式(21)で示されるジオール類に代えて、式(26)で示されるジオールを出発原料とすること以外は、上記と同様にして合成することができる。
上記一般式(13)で示されるナフトキノン系化合物は、式(21)で示されるジオール類に代えて、式(27)で示されるジオールを出発原料とすること以外は、上記と同様にして合成することができる。
上記一般式(15)で示されるナフトキノン系化合物は、式(21)で示されるジオール類に代えて、式(28)で示されるジオールを出発原料とすること以外は、上記と同様にして合成することができる。
本発明のナフトキノン系化合物を、電子写真感光体の感光層に含有させる場合には、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体を単独で含有させてもよく、2種以上を混合して含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物と、バインダ樹脂とを含む感光層を備えている。
本発明の電子写真感光体において、電荷発生剤としては、特に限定されず、例えば、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン(TiOPc)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、例えば、ジスアゾ顔料、ジスアゾ縮合顔料、モノアゾ顔料、ペリレン系顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料などが挙げられる。
レーザビームプリンタなどのデジタル光学系の画像形成装置には、一般に、露光光源として、半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)が使用されており、その波長は680〜830nm前後の長波長領域(いわゆる「近赤外領域」)が主流である。従って、デジタル光学系の画像形成装置に用いられる電子写真感光体においては、電荷発生剤として、好ましくは、近赤外領域での感度に優れている無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料が挙げられる。
本発明の電子写真感光体において、上記一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物は、電子輸送剤として感光層に含有される。このナフトキノン系化合物としては、本発明のナフトキノンについて例示したものと同様のものが挙げられる。
他の電子輸送剤としては、例えば、ベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ジナフトキノン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物、フルオレノン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、ニトロアントアラキノン系化合物、ジニトロアントラキノン系化合物などが挙げられる。
正孔輸送剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ビフェニル、o−,m−,p−ターフェニル、ビナフタレン、スチルベン、スチリルスチルベンなどの芳香族炭化水素に、置換基を有していてもよいジアリールアミノ基を1、2または3個置換してなる化合物(具体的には、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン系化合物、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどのスチリル系化合物など。)、例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、例えば、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、例えば、有機ポリシラン化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基としては、R1およびR2で示されるものと同様の基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ヘキセニルなどの炭素数が1〜6のアルケニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいジアリールアミノ基のジアリールアミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジスチリルアミノなどが挙げられる。
本発明においては、感光層に、必須成分としての電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物(電子輸送剤)と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて、任意成分としての他の電子輸送剤と、正孔輸送剤とを含有させること以外に、例えば、分散剤、増感剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、例えば、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、例えば、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするための界面活性剤やレベリング剤などを含有させることができる。
本発明の電子写真感光体のうち、感光層が単層型である電子写真感光体は、例えば、電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物(電子輸送剤)と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて、他の電子輸送剤、正孔輸送剤および他の成分とを、分散媒に分散または溶解させて、こうして得られた感光層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることによって製造することができる。
感光層形成用塗布液は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などを、分散媒とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて分散混合することによって、調製することができる。
単層型感光層において、電荷発生剤の含有割合は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、0.1〜50重量部、より好ましくは、0.5〜30重量部である。上記一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物の含有割合は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、5〜100重量部、より好ましくは、10〜80重量部である。一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物と、他の電子輸送剤とを併用する場合において、両者の総量に占める一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物の割合は、好ましくは、5重量%以上であり、より好ましくは、20重量%以上である。任意に正孔輸送剤を含有させる場合において、正孔輸送剤の含有割合は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、10〜200重量部、より好ましくは、20〜100重量部である。また、電子輸送剤と正孔輸送剤との総量は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、20〜300重量部、より好ましくは、30〜200重量部である。
上記電荷発生層または電荷輸送層は、導電基体上に、直接に形成してもよく、または、下引き層を介して形成してもよい。また、感光体の表面には保護層を形成してもよい。
電荷発生層形成用塗布液および電荷輸送層形成用塗布液は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などの所定の成分を、分散媒とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて分散混合することによって、調製することができる。
積層型感光層の電荷発生層において、電荷発生剤の含有割合は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、5〜1000重量部であり、より好ましくは、30〜500重量部である。また、積層型感光層の電荷輸送層において、上記一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物の含有割合は、特に限定されないが、好ましくは、10〜500重量部、より好ましくは、25〜200重量部である。
合成例1
下記反応式(i)〜(iv)に示す反応を経て、式(14−1)で示されるナフトキノン系化合物を合成した。
合成例2
上記合成例1の反応式(i)に示す反応において、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(31)に代えて、下記式(35)で示される1,3−シクロヘキサンジオール41.8g(0.38mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物を得た。なお、合成例2における上記反応式(ii)〜(iv)に対応する反応において、各反応の出発物質である上記化合物(32)〜(34)に対応する化合物は、いずれも合成例1の場合と同モル量使用した。
合成例3
上記合成例1の反応式(i)に示す反応において、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(31)に代えて、下記式(36)で示される4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゼン7.61g(0.38mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(12−1)で示されるナフトキノン系化合物を得た。なお、合成例3における上記反応式(ii)〜(iv)に対応する反応において、各反応の出発物質である上記化合物(32)〜(34)に対応する化合物は、いずれも合成例1の場合と同モル量使用した。
上記合成例1の反応式(i)に示す反応において、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(31)に代えて、下記式(37)で示される2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン97.4g(0.38mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(12−2)で示されるナフトキノン系化合物を得た。なお、合成例4における上記反応式(ii)〜(iv)に対応する反応において、各反応の出発物質である上記化合物(32)〜(34)に対応する化合物は、いずれも合成例1の場合と同モル量使用した。
上記合成例1の反応式(i)に示す反応において、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(31)に代えて、下記式(38)で示される1,1−ジ(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン102g(0.38mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(12−3)で示されるナフトキノン系化合物を得た。なお、合成例5における上記反応式(ii)〜(iv)に対応する反応において、各反応の出発物質である上記化合物(32)〜(34)に対応する化合物は、いずれも合成例1の場合と同モル量使用した。
上記合成例1の反応式(i)に示す反応において、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(31)に代えて、下記式(39)で示されるジエチレングリコール40.3g(0.38mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(13−1)で示されるナフトキノン系化合物を得た。なお、合成例6における上記反応式(ii)〜(iv)に対応する反応において、各反応の出発物質である上記化合物(32)〜(34)に対応する化合物は、いずれも合成例1の場合と同モル量使用した。
す。
合成例7
上記合成例1の反応式(i)に示す反応において、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(31)に代えて、下記式(40)で示される3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジオール57.1g(0.38mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(13−2)で示されるナフトキノン系化合物を得た。なお、合成例7における上記反応式(ii)〜(iv)に対応する反応において、各反応の出発物質である上記化合物(32)〜(34)に対応する化合物は、いずれも合成例1の場合と同モル量使用した。
上記合成例1の反応式(i)に示す反応において、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(31)に代えて、下記式(41)で示される1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン 75.3g(0.38mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(14−2)で示されるナフトキノン系化合物を得た。なお、合成例8における上記反応式(ii)〜(iv)に対応する反応において、各反応の出発物質である上記化合物(32)〜(34)に対応する化合物は、いずれも合成例1の場合と同モル量使用した。
合成例9
上記合成例1の反応式(i)に示す反応において、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(31)に代えて、下記式(42)で示される3,5−ジヒドロキシメチルテトラヒドロピラニルエーテル 55.5g(0.38mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(15−1)で示されるナフトキノン系化合物を得た。なお、合成例9における上記反応式(ii)〜(iv)に対応する反応において、各反応の出発物質である上記化合物(32)〜(34)に対応する化合物は、いずれも合成例1の場合と同モル量使用した。
X型無金属フタロシアニン(電荷発生剤)5重量部と、上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物(電子輸送剤)20重量部と、下記式(HT−1)で示されるN,N,N’,N’−テトラ(3,4−キシリル)−1,3−フェニレンジアミン(正孔輸送剤)60重量部と、ポリカーボネート(結着樹脂)100重量部と、テトラヒドロフラン(溶剤)800重量部とを配合して、ボールミルにて50時間、混合分散させることにより、単層型感光層用の塗布液を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例3
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−3)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例5
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(13−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(13−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例7
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(14−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(14−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例9
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(15−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、下記式(ET−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、下記式(ET−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、下記式(ET−3)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、下記式(ET−4)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記実施例1〜9および比較例1〜4で得られた電子写真感光体の感度を、GENTEC社製のドラム感度試験機を用いて測定した。
この感度特性試験では、まず、感光体の表面に印加電圧を加えて、表面電位(初期表面電位V0)が+700Vとなるように帯電させた後、ハロゲンランプ(露光光源)の白色光からバンドパスフィルタを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅20nm、光強度1.5μJ・cm-2)を、感光体表面に照射した。次いで、露光開始から0.5秒経過した時点での表面電位を測定して、残留電位Vrとした。
上記感度特性試験の測定結果を、表1に示す。
N,N,N’,N’−テトラ(3,4−キシリル)−1,3−フェニレンジアミンに代えて、下記式(HT−2)で示されるビス−1,4−〔4’−〔N−(2''−エチル−6''−メチル)フェニル−N−m−トリル〕アミノ−2’−メチルスチリル〕ベンゼン60重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例12
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−3)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例14
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(13−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(13−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例16
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(14−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(14−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例18
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(15−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(ET−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
比較例6
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(ET−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(ET−3)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
比較例8
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(ET−4)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例10と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
N,N,N’,N’−テトラ(3,4−キシリル)−1,3−フェニレンジアミンに代えて、下記式(HT−3)で示されるビス−1,2−〔4’−〔N,N−ジ(p−トリル)〕アミノスチリル〕ベンゼン60重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例19と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例21
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例19と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(12−3)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例19と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例23
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(13−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例19と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(13−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例19と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例25
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(14−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例19と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(14−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例19と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例27
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(15−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例19と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(ET−1)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例7と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
比較例10
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(ET−2)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例7と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(ET−3)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例7と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
比較例12
上記式(11−1)で示されるナフトキノン系化合物に代えて、上記式(ET−4)で示されるナフトキノン系化合物20重量部を使用したこと以外は、実施例7と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (3)
- 下記一般式(1)で示されることを特徴とする、ナフトキノン系化合物。
- 導電性基体上に感光層を備える電子写真感光体であって、前記感光層が、電荷発生剤と、下記一般式(1)で示されるナフトキノン系化合物と、バインダ樹脂とを含むことを特徴とする、電子写真感光体。
- 前記感光層が単層型であることを特徴とする、請求項2に記載の電子写真感光体。
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