JP2006151848A - ナフトキノン誘導体およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度な電子写真感光体を提供することのできる新規なナフトキノン誘導体と、電子写真感光体の感度特性、感光層の耐久性に優れた電子写真感光体とを提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で示されることを特徴とするナフトキノン誘導体、および、導電性基体上に、電荷発生剤と、下記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体と、バインダ樹脂とを含む感光層を備えることを特徴とする電子写真感光体とを提供する。
【化1】

(式中、R1、R2、R、RおよびRは、独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはハロゲン原子を示す。RおよびRは、独立して、水素原子、1〜6のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリール置換アルケニル基またはハロゲン原子を示す。m、nはそれぞれ1〜4の整数である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なナフトキノン誘導体と、そのナフトキノン誘導体を用いた電子写真感光体に関する。
静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタなどの画像形成装置に使用される電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、バインダ樹脂とを含む感光層を形成した、いわゆる有機感光体(OPC)が主流である。
有機感光体の感度特性を向上させることを目的として、従来、電荷輸送能に優れた種々の電荷輸送剤が開発されており、例えば、特許文献1には、電荷輸送能(電子輸送能)に優れた化合物として、下記一般式(98)に示すナフトキノン誘導体が挙げられている。
〔式中、Raは置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示し、Rbは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または下記式(99):
で表される基を示す。Rcは、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を示す。]
特開平9−151157 号公報
近年、画像処理のさらなる高速化や高画質化が要求されているところ、従来公知の電子輸送剤では、このような要求に応え得る高感度な感光体を作製することが困難である。
そこで、本発明の目的は、高感度な電子写真感光体を提供することのできる新規なナフトキノン誘導体と、電子写真感光体の感度特性および耐久性に優れた電子写真感光体とを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、上記一般式(2)で表わされるナフトキノン誘導体のRbに相当する部位に、置換基を有しても良いトリフェニルアミン部位を有した場合に従来のナフトキノン誘導体を使用した電子写真感光体に比べて、その感度特性および感光層の耐久性を向上させることができるという知見を得て、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 下記一般式(1)で示されることを特徴とする、ナフトキノン誘導体、
(式中、R1、R2、R、RおよびRは、独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基またはハロゲン原子を示す。RおよびRは、独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数8〜20のアリール置換アルケニル基またはハロゲン原子を示す。m、nはそれぞれ1〜4の整数である。)
(2)上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体であり、一般式(1)中Rまたは/およびRが置換基を有しても良いフェニル基、または置換基を有しても良いジフェニルエテニル基であることを特徴とするナフトキノン誘導体。
(3)導電性基体上に感光層を備える電子写真感光体であって、前記感光層が、電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体と、バインダ樹脂とを含むことを特徴とする電子写真感光体、
(4)前記感光層が単層型であることを特徴とする、前記(3)に記載の電子写真感光体を提供するものである。
本発明の上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体、および、それを含む本発明の電子写真感光体によれば、一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体は、正孔輸送剤の骨格として代表的なトリフェニルアミン部位を有しているが、ナフトキノン誘導体に置換されたトリフェニルアミン部位が正孔輸送剤と共役することがないので、感光層中での電子と正孔の輸送バランスが良くなり、電子写真感光体の感度を向上することができる。
本発明のナフトキノン誘導体は、上記一般式(1)で示される。
一般式(1)中、R1〜Rとしては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、ハロゲン原子が挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、sec−ペンチル、2−メチルペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどが挙げられる。
前記炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。
炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル、o、mまたはp−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−または3,5−キシリル、o、mまたはp−クメニル、メシチル、ナフチル、ビフェニルなどが挙げられる。
炭素数7〜18のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、フェネチル、1−フェニルプロピル、ベンズヒドリル、o、mまたはp−メチルベンジル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−または3,5−ジメチルベンジルなどが挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
一般式(1)のR1〜R5としては、好ましくは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基が挙げられる。
一般式(1)のR、Rとしては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、ハロゲン原子、炭素数6〜18のアリール基、炭素数8〜20のアリール置換アルケニル基が挙げられる。中でも、炭素数6〜18のアリール基、炭素数8〜20のアリール置換アルケニル基が好ましく、より好ましくは、フェニル基、ジフェニルエテニル基である。
本発明のナフトキノン誘導体の一例は、具体的には、下記一般式(111)、一般式(112)、一般式(113)、一般式(114)、または一般式(115)で示される。
(式中、R1〜Rおよびm、nは、上記と同じである。R、R9、R10およびR11は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基またはハロゲン原子を示す。o、p、q、rは1〜5の整数である。)
一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体の合成方法は、特に限定されないが、例えば、上記一般式(111)で示されるナフトキノン誘導体は、下記の反応式(I)〜(III)に従って合成される。上記一般式(111)で示されるナフトキノン誘導体は式(2)で示される水酸基を有する化合物を出発原料として合成することができる。
上記反応式(I)に示す反応は、例えば、ディーンスタークトラップを取り付けた反応容器中で、還流下、反応により生成する水をトルエンなどの溶媒から除去しつつ、実施すればよい。
上記反応式(II)に示す反応は、例えば、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下、テトラヒドロフラン(THF)などの溶媒中で実施すればよい。
(上記反応式(I)〜(III)中、R、R、R、R、m、nは、上記と同じである。)
上記反応式(III)に示す反応は、例えば、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下、THFなどの溶媒中で実施すればよい。
さらに、上記反応式(III)に示す反応で得られた式(7)で示される化合物を、クロラニルなどで酸化することによって、上記式(111)で示されるナフトキノン系化合物を得ることができる。
上記一般式(115)で示されるナフトキノン誘導体は、上記反応式(I)中の出発原料(2)に代えて、下記の反応式(IV)〜(VII)に従って合成されるトリフェニルアミン誘導体である下記一般式(12)で表わされる化合物を出発原料として合成することができる。
つまり、下記一般式(8)で示されるトリフェニルアミンを、フィルスマイヤー(Vilsmeier)法にホルミル化し、得られた一般式(9)で表わされるホルミル化トリフェニルアミン化合物と、式(16)で表わされるリンイリド誘導体とをウィティッヒ(Wittig)反応させることによって一般式(10)で表わされるトリフェニルアミン誘導体を得、その後一般式(10)で表わされるトリフェニルアミン誘導体をフィルスマイヤー(Vilsmeier)法にホルミル化し、得られた一般式(11)で表わされるホルミル化トリフェニルアミン化合物を還元して得られる、一般式(12)で表わされる化合物を出発原料として合成することができる。
式(16)で表わされるリンイリド誘導体はα−ブロモジフェニルメタンとトリエタノールリン酸とを高温下反応させることで得られる。
上記反応式(IV)に示す反応は、例えば、触媒としてオキシ塩化リン酸の存在下、フィルスマイヤー法を実施して、130℃以下の温度で、反応時間を2〜5時間の範囲内の値とすればよい。
フィルスマイヤー法を実施するにあたり、フィルスマイヤー試薬としては、以下の化合物(i)および(ii)の組み合わせを用いることが好ましい。
(i)オキシ塩化リン、ホスゲン、塩化オキサリル、塩化チオニル、トリフェニルホスフィ
ン−臭素、ヘキサクロロトリホスファザトリエン等のハロゲン化剤
(ii)N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアニリド(MFA)、N−ホルミルモルホリン、N,N−ジイソプロピルホルムアミド
特に、本発明では、フィルスマイヤー試薬として、オキシ塩化リンと、溶媒としても使用できるDMFとの組み合わせが好適に用いられる。
上記反応式(V)に示す反応は、ホルミル化トリフェニルアミン化合物と、リンイリド誘導体と、をウィッティヒ反応させるにあたり、反応温度を、通常−10〜30℃の範囲内の値とするともに、その反応時間を1〜12時間の範囲内の値とすることが好ましい。
また、ウィッティヒ反応に使用する好適な溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
また、かかるウィッティヒ反応に使用する触媒としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等の一価のアルキリリチウム、ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,6−ジリチオへキサン等の二価のアルキルリチウム、ナトリウムメトキシドやナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド、水素化ナトリウムや水素化カリウム等の金属水素化物が好適なものとして挙げられる。
得られた一般式(10)で表されるトリフェニルアミン誘導体を、フィルスマイヤー法によりホルミル化して、一般式(11)で表されるホルミル化トリフェニルアミン誘導体を得ることができる。
なお、フィルスマイヤー法の条件については、一般式(9)で表されるトリフェニルアミン誘導体を得るための工程において説明したようなフィルスマイヤー法における反応温度および反応時間と同様の内容することが好ましい。
得られた一般式(11)で表されるトリフェニルアミン誘導体を、還元試薬を用いて還元し一般式(12)で表わされる化合物を得ることができる。
上記一般式(112)で示されるナフトキノン誘導体は、式(2)で示される化合物に代えて、下記式(17)で示されるトリフェニルアミン誘導体を出発原料とすること以外は、一般式(111)で示されるナフトキノン誘導体上記と同様にして合成することができる。
(R、R、R、R、R、R、m、n、o、pは、上記と同じである。)
本発明のナフトキノン誘導体を、電子写真感光体の感光層に含有させる場合には、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体を単独で含有させてもよく、2種以上を混合して含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体と、バインダ樹脂とを含む感光層を備えている。
本発明の電子写真感光体において、導電性基体としては、特に限定されず、基体自体が導電性を有するか、または、基体の表面が導電性を有する種々の材料が挙げられる。具体的には、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、例えば、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、例えば、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラス、例えば、カーボンブラックなどの導電性微粒子を分散させた樹脂基体などが挙げられる。導電性基体の形状は、電子写真感光体を使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状などの種々の形状を採用することができる。
本発明の電子写真感光体において、感光層の層構成は、特に限定されず、同一の層内に電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体とを含有させる、いわゆる単層型感光層と、電荷発生剤を含有する層(電荷発生層)と電荷輸送剤を含有する層(電荷輸送層)とを分離してなる、いわゆる積層型感光層のいずれであってもよい。
本発明の電子写真感光体において、電荷発生剤としては、特に限定されず、例えば、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン(TiOPc)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、例えば、ジスアゾ顔料、ジスアゾ縮合顔料、モノアゾ顔料、ペリレン系顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料などが挙げられる。
電荷発生剤は、電子写真感光体が所望の吸収波長域で感度を有するように、上記例示の中から種々選択すればよい。上記の電荷発生剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
レーザビームプリンタなどのデジタル光学系の画像形成装置には、一般に、露光光源として、半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)が使用されており、その波長は680〜830nm前後の長波長領域(いわゆる「近赤外領域」)が主流である。従って、デジタル光学系の画像形成装置に用いられる電子写真感光体においては、電荷発生剤として、好ましくは、近赤外領域での感度に優れている無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料が挙げられる。
上記フタロシアニン系顔料の結晶形は、特に限定されるものではないが、例えば、無金属フタロシアニンはX型またはτ型であることが好ましく、チタニルフタロシアニンはα型(X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)7.6°および28.6°に主たる回折ピークを有するもの)、または、Y型(ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる回折ピークを有するもの)であることが好ましく、ヒドロキシガリウムフタロシアニンはV型であることが好ましく、クロロガリウムフタロシアニンはII型であることが好ましい。
露光光源として、ハロゲンランプなどの白色光源を使用しているアナログ光学系の画像形成装置においては、電荷発生剤として、好ましくは、可視領域に感度を有するペリレン系顔料、ビスアゾ系顔料などが挙げられる。
本発明の電子写真感光体において、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体は、電子輸送剤として感光層に含有される。このナフトキノン誘導体としては、本発明のナフトキノンについて例示したものと同様のものが挙げられる。
本発明の電子写真感光体において、バインダ樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールZ型、ビスフェノールA型、ビスフェノールC型、ビスフェノールZC型などのビスフェノールを用いてなるポリカーボネート、例えば、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスチレンおよびポリ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。このなかでも、ポリカーボネートは、感光層の強度、耐磨耗性などをより一層良好なものにすることができ、とりわけ、感光層が単層型である場合に好適である。しかも、電荷輸送剤との相溶性に優れ、その分子内に、電荷輸送剤の電荷輸送能を妨害する部位を有しないものであることから、高感度な電子写真感光体を得る上でも好適である。
本発明の電子写真感光体においては、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体とともに、任意の電子輸送剤として、他の電子輸送剤を含有させてもよい。
他の電子輸送剤としては、例えば、ベンゾキノン系化合物、ナフトキノン誘導体、アントラキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ジナフトキノン誘導体、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系化合物、フルオレノン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、ニトロアントアラキノン系化合物、ジニトロアントラキノン系化合物などが挙げられる。
また、本発明の電子写真感光体においては、感光層に、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体とともに、正孔輸送剤を含有させてもよい。
正孔輸送剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ビフェニル、o−,m−,p−ターフェニル、ビナフタレン、スチルベン、スチリルスチルベンなどの芳香族炭化水素に、置換基を有していてもよいジアリールアミノ基を1、2または3個置換してなる化合物(具体的には、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン系化合物、例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどのスチリル系化合物など。)、例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、例えば、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、例えば、有機ポリシラン化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物が挙げられる。
上記芳香族炭化水素は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アリールアルケニル基などの置換基を有していてもよい。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基としては、R1およびR2で示されるものと同様の基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ヘキセニルなどの炭素数が1〜6のアルケニル基が挙げられる。
アリールアルケニル基としては、例えば、スチリル、シンナミルなどの炭素数が8〜12のアリールアルケニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいジアリールアミノ基のジアリールアミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジスチリルアミノなどが挙げられる。
置換基を有していてもよいジアリールアミノ基の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アリールアルケニル基などが挙げられる。これらの置換基は、上記のものと同様の基が挙げられる。
本発明においては、感光層に、必須成分としての電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体(電子輸送剤)と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて、任意成分としての他の電子輸送剤と、正孔輸送剤とを含有させること以外に、例えば、分散剤、増感剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、例えば、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、例えば、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするための界面活性剤やレベリング剤などを含有させることができる。
分散剤としては、例えば、電荷発生剤のバインダ樹脂中での分散性を向上させるための分散剤として、ジスアゾイエロー、ジアニシジンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレッドなどのアゾ系顔料が挙げられる。増感剤としては、例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレンなどが挙げられる。
本発明の電子写真感光体のうち、感光層が単層型である電子写真感光体は、例えば、電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体(電子輸送剤)と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて、他の電子輸送剤、正孔輸送剤および他の成分とを、分散媒に分散または溶解させて、こうして得られた感光層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることによって製造することができる。
分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、例えば、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素類、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、例えば、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの分散媒は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記感光層は、導電基体上に、直接に形成してもよく、または、下引き層(バリア層)を介して形成してもよい。また、感光体の表面には保護層を形成してもよい。
感光層形成用塗布液は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などを、分散媒とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて分散混合することによって、調製することができる。
単層型感光層において、感光層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μmであり、より好ましくは、10〜50μmである。
単層型感光層において、電荷発生剤の含有割合は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、0.1〜50重量部、より好ましくは、0.5〜30重量部である。上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体の含有割合は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、5〜100重量部、より好ましくは、10〜80重量部である。一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体と、他の電子輸送剤とを併用する場合において、両者の総量に占める一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体の割合は、好ましくは、5重量%以上であり、より好ましくは、20重量%以上である。任意に正孔輸送剤を含有させる場合において、正孔輸送剤の含有割合は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、10〜200重量部、より好ましくは、20〜100重量部である。また、電子輸送剤と正孔輸送剤との総量は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、20〜300重量部、より好ましくは、30〜200重量部である。
本発明の電子写真感光体のうち、感光層が積層型である電子写真感光体は、例えば、まず、電荷発生剤と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて、正孔輸送剤および他の成分とを、分散媒に分散または溶解させて、こうして得られた電荷発生層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることによって、電荷発生層を形成する。次いで、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体(電子輸送剤)と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて、他の電子輸送剤、正孔輸送剤および他の成分とを、分散媒に分散または溶解させて、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布し、乾燥させることによって、電荷輸送層を形成する。こうして、導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順序で積層してなる電子写真感光体を製造することができる。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は、上記の場合と逆の順序であってもよいが、一般に、電荷発生層はその膜厚が薄く、強度が十分ではないことから、上記のとおりの積層順序とするのが好ましい。
分散媒としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
上記電荷発生層または電荷輸送層は、導電基体上に、直接に形成してもよく、または、下引き層を介して形成してもよい。また、感光体の表面には保護層を形成してもよい。
電荷発生層形成用塗布液および電荷輸送層形成用塗布液は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などの所定の成分を、分散媒とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて分散混合することによって、調製することができる。
積層型感光層において、感光層の厚さは、特に限定されないが、電荷発生層が、好ましくは、0.01〜5μm、より好ましくは、0.1〜3μmであり、電荷輸送層が、好ましくは、2〜100μm、より好ましくは、5〜50μmである。
積層型感光層の電荷発生層において、電荷発生剤の含有割合は、特に限定されないが、バインダ樹脂100重量部に対して、好ましくは、5〜1000重量部であり、より好ましくは、30〜500重量部である。また、積層型感光層の電荷輸送層において、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体の含有割合は、特に限定されないが、好ましくは、10〜500重量部、より好ましくは、25〜200重量部である。
本発明の電子写真感光体は、静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタなどの画像形成装置において、とりわけ、画像処理のさらなる高速化や高画質化が要求されている用途において、好適である。
次に、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
合成例1
下記反応式(i)〜(iii)に示す反応を経て、下記式(11−1)で示されるナフトキノン誘導体を合成した。
まず、トルエン50mlに、ブロモ酢酸6.92g(0.0498mol)と濃硫酸1滴を滴下し0.5時間還流後した後、下記式(101)で示されるトリフェニルアミン誘導体15.8g(0.0498mol)をトルエン50mlに溶解した懸濁液を30分かけて滴下し、2時間還流させた。反応溶液を冷却後有機層が中性となるまで水洗し、有機層に無水硫酸ナトリウム及び活性白土で乾燥及び吸着処理を行った。残渣をクロロホルムとメタノールの混合溶媒にて再結晶し、さらにクロロホルムとヘキサンの混合溶媒で晶析後、得られた固体をろ別し、乾燥することによって式(102)で示される化合物を得た。(下記反応式(i)参照)。
化合物(102):収量17.8g、収率81.5%。
次に、アルゴン雰囲気下、氷浴中にて、THF100mlに2−フェニルー1,3-インダンジオン8.11g(0.0365mol)と水素化ナトリウム1.75g(0.0438mol)とを加え、さらにTHF50mlに溶解した上記化合物(102)16g(0.0365mol)を加えて、4時間還流した。反応溶液を冷却後、水500mlを加えて、析出した結晶をろ別し、さらにこうして得られた結晶をクロロホルム200mlに溶解して、水で十分に洗浄した後、無水硫酸ナトリウムと活性白土で乾燥及び吸着処理を行い、こうして得られた残渣をクロロホルムとメタノールの混合溶媒にて再結晶することによって、式(103)で示される化合物を得た。(下記反応式(ii)参照)
化合物(103):収量17.2g、収率81.3%。
次にアルゴン雰囲気下、氷浴中にて、THF50mlとN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)50mlとの混合溶媒に、上記化合物(103)15.5g(0.0267mol)と水素化ナトリウム1.28g(0.0321mol)とを加えて、3時間還流させた。反応溶液を冷却後、水と希塩酸水を加え、ろ過により水層を除去して得られた残渣を、クロロホルムとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することによって、式(104)で示される化合物を得た。(下記反応式(iii)参照)
化合物(104):収量11.3g、収率73%。
次に、上記化合物(104)9.8g(0.0169mol)とクロロホルム500mlを加えた反応容器に、クロラニル4.99g(0.0203mol)を加えて、室温で終夜撹拌した後、反応液から固体をろ別して、有機溶媒を減圧留去した。こうして得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム展開)にて精製して、式(11−1)で示される化合物を得た。(下記反応式(iv)参照)
化合物(11−1):収量7.6g、収率77.8%。
合成例2
下記式(15−1)で示されるナフトキノン誘導体は上記合成例1の反応式(i)に示す反応において式(101)で示される化合物に代えて、式(501)で示される化合物26.1g(0.0498mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(15−1)で示されるナフトキノン誘導体を得た。
上記化合物(501)は、下記に示す反応式に従って合成した。
すなわち、500mlのフラスコ内に、式(511)で表されるトリフェニルアミン化合物60.35g(0.21mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF)450mlと、オキシ塩化リン酸41.8g(0.27mol)とを収容し、85℃以上で、3時間撹拌した。反応後、反応液をイオン交換水600ml中に滴下し、析出した固体をろ別した。得られた固体はイオン交換水にて撹拌洗浄した。その後、固体をトルエンに溶解させ、有機層をイオン交換水にて5回洗浄した。その後、得られた有機層に無水硫酸ナトリウムおよび活性白土を加え、乾燥および吸着処理を行った。その後、トルエンを減圧留去し、式(512)で表わされる化合物を得た。(下記反応式(v)参照)
次いで、式(514)で表されるリンイリド誘導体の合成を、下記の反応式(vi)に沿って実施した。
すなわち、α−ブロモジフェニルメタン150g(0.61mol)と、トリエタノールリン酸121g(0.72mol)とを添加して、210℃で加熱し、1時間撹拌した。その後、室温まで冷却した後、真空蒸留にて精製を実施した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:酢酸エチル溶媒)を用いて精製し、式(514)で表されるリンイリド誘導体168.4gを得た(収率90.7%)。
(下記反応式(vi)参照)
次いで、反応式(v)で得られた化合物(512)と反応式(vi)で得られたリンイリド誘導体(514)を反応させ、下記(515)で表わされる化合物を得た。
すなわち、1000mlの四つ口フラスコ内に、式(514)で表されるリンイリド誘導体27.3g(0.082mol)を加えた後、アルゴンガス置換をおこない、さらにTHF100mlを収容して、5℃以下で反応させた。その後、n−BuLi溶液(ヘキサン溶液中で1.6M)51.2mlを滴下して、7℃以下で30分間撹拌した。さらに、式(512)で表されるホルミル化トリフェニルアミン化合物18.0g(0.057mol)をTHF45mlに溶解したものを滴下し、6℃以下で30分間撹拌した。この反応液をイオン交換水500mlに加え、トルエン抽出を行った。さらに得られた有機層を、イオン交換水を用いて、5回洗浄Sしたあと、有機層を無水硫酸マグネシウムおよび活性白土を用いて、乾燥および吸着処理をおこなった。その後、有機溶媒を留去して、常温で2日間放置し、析出した固体を石油エーテルを用いてろ別し、得たれた固体状物を減圧乾燥した。得られた固体状物は、カラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/へキサン溶媒)にて精製をして、式(515)で表されるトリフェニルアミン誘導体21.3gを得た(収率75.6%)。(下記反応式(vii)参照)
次いで、1000mlのフラスコ内に、化合物(515)で表されるトリフェニルアミン化合物103.7g(0.21mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF)600mlと、オキシ塩化リン酸41.8g(0.27mol)と、を収容し、85℃以上で3時間撹拌した。反応後、反応液をイオン交換水600ml中に滴下し、析出した固体をろ別した式(516)で表わされる化合物77.2gを得た。
次いで、式(516)で表わされる化合物77.2g(0.147mol)のメタノール溶液にNaBHを0.16mol加え、氷浴下で2時間撹拌し、反応溶液を水1000mlに加えた後、クロロホルムで抽出し、有機層を水洗後、硫酸ナトリウムおよび活性白土によって乾燥および吸着処理を行った。その後有機溶媒を留去して、得られた固体物を減圧乾燥し、式(501)で表わされるトリフェニルアミン誘導体58.8gを得た。(収率75.6%)。(下記反応式(viii)参照)
合成例3
下記式(12−1)で示されるナフトキノン誘導体は上記合成例1の反応式(i)に示す反応において式(101)で示される化合物に代えて、下記式(201)で示される、化合物21.3g(0.0498mol)を使用したこと以外は、合成例1の反応式(i)〜(iv)と同様の合成反応を実施して、下記式(12−1)で示されるナフトキノン誘導体を得た。
実施例1
X型無金属フタロシアニン(電荷発生剤)5重量部と、上記式(11−1)で示されるナフトキノン誘導体(電子輸送剤)20重量部と、下記式(HT−1)で示されるN,N,N’,N’−テトラ(3,4−キシリル)−1,3−フェニレンジアミン(正孔輸送剤)60重量部と、粘度平均分子量20000のZ型ポリカーボネート樹脂(結着樹脂)100重量部と、テトラヒドロフラン(溶剤)800重量部とを配合して、ボールミルにて50時間、混合分散させることにより、単層型感光層用の塗布液を得た。
次いで、この塗布液を、アルミニウム素管(導電性基材)上に、ディップコート法にて塗布し、100℃で30分間熱風乾燥することにより、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例2
上記式(11−1)で示されるナフトキノン誘導体に代えて、上記式(15−1)で示されるナフトキノン誘導体20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
実施例3
上記式(11−1)で示されるナフトキノン誘導体に代えて、上記式(12−1)で示されるナフトキノン誘導体20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
比較例1
上記式(11−1)で示されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ET−1)で示されるナフトキノン誘導体20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
比較例2
上記式(11−1)で示されるナフトキノン誘導体に代えて、下記式(ET−2)で示されるナフトキノン誘導体20重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
得られた感光体の初期表面電位(V0)が+700Vとなるように帯電させた後、ハロゲンランプ(露光光源)の白色光からバンドパスフィルタを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅20nm、光強度1.5μJ・cm-2)を、感光体表面に照射した。次いで、露光開始から0.5秒経過した時点での表面電位を測定して、残留電位Vrとした。
また、上記帯電および露光処理を、毎分10サイクルで500分間繰り返して実施し、500分経過後における初期表面電位V0を測定した。こうして、上記帯電および露光処理を繰り返し実施する前の初期表面電位V0と、500分間繰り返し実施した後の初期表面電位V0との差ΔV0(V)を求めた。
上記感度特性試験の測定結果を、表1に示す。
実施例4〜6、比較例3,4
N,N,N’,N’−テトラ(3,4−キシリル)−1,3−フェニレンジアミンに代えて、下記式(HT−2)で示されるビス−1,4−〔4’−〔N−(2''−エチル−6''−メチル)フェニル−N−m−トリル〕アミノ−2’−メチルスチリル〕ベンゼン60重量部を使用したこと以外は、実施例1〜3及び比較例1〜2と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記実施例4〜6、比較例3、4で得られた電子写真感光体について、上記と同様にして、感度特性試験を実施した。その結果を表2に示す。
実施例7〜9、比較例5、比較例6
N,N,N’,N’−テトラ(3,4−キシリル)−1,3−フェニレンジアミンに代えて、下記式(HT−3)で示されるビス−1,2−〔4’−〔N,N−ジ(p−トリル)〕アミノスチリル〕ベンゼン60重量部を使用したこと以外は実施例1〜7及び比較例1〜2と同様にして、膜厚25μmの単層型感光層を備える電子写真感光体を得た。
上記実施例7〜9、比較例5、6で得られた電子写真感光体について、上記と 同様にして、感度特性試験を実施した。その結果を表3に示す。
上記表1〜3より明らかなように、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体を電子輸送剤として使用した場合には、電気特性に優れた電子写真感光体を得ることができた。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。




Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示されることを特徴とする、ナフトキノン誘導体。

    (式中、R1、R2、R、RおよびRは、独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基またはハロゲン原子を示す。RおよびRは、独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数8〜20のアリール置換アルケニル基またはハロゲン原子を示す。m、nはそれぞれ1〜4の整数である。)
  2. 前記一般式(1)中、Rまたは/およびRが置換基を有しても良いフェニル基、または置換基を有してもジフェニルエテニル基であることを特徴とする請求項1に記載のナフトキノン誘導体。
  3. 導電性基体上に感光層を備える電子写真感光体であって、前記感光層が、電荷発生剤と、上記一般式(1)で示されるナフトキノン誘導体と、バインダ樹脂とを含むことを特徴とする電子写真感光体。
  4. 前記感光層が単層型であることを特徴とする、請求項3に記載の電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011125919A1 (ja) * 2010-04-09 2011-10-13 バンドー化学株式会社 新規なトリアリールアミン類とその利用
CN103012173A (zh) * 2012-12-11 2013-04-03 京东方科技集团股份有限公司 一种可交联化合物及其制备方法和由其制成的发光器件

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