JP4513138B2 - 積層コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の積層コンデンサユニットが一体化されている積層コンデンサに関し、より詳細には、複数の積層コンデンサユニットの一体化方法が改良された積層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品の高密度実装に対応するために、複数のコンデンサユニットを一体化してなる積層コンデンサが種々提案されている。この種の積層コンデンサの一例を、図13及び図14を参照して説明する。
【0003】
図13は、従来の積層コンデンサにおいて、外部電極を取り除いた状態を示す斜視図である。
積層コンデンサ51では、誘電体セラミックスよりなるセラミック焼結体52内に、第1,第2の積層コンデンサユニット53,54が構成されている。すなわち、積層コンデンサユニット53の側方に第2の積層コンデンサユニット54が配置されている。
【0004】
積層コンデンサユニット53,54の一方電位に接続される複数の内部電極は側面52aに引き出されており、他方の電位に接続される複数の内部電極は側面52aとは反対側の側面52bに引き出されている。積層コンデンサユニット53では、一方電位に接続される複数の内部電極が、側面52aに形成された外部電極(図示されず)に電気的に接続され、側面52bに引き出された他方電位に接続される内部電極が側面52b上に形成された外部電極(図示されず)に電気的に接続されている。積層コンデンサユニット54においても、同様に、側面52a,52bに外部電極が形成される。
【0005】
図14(a)及び(b)は、それぞれ、積層コンデンサユニット53,54の内部電極を説明するための模式的平面断面図である。すなわち、積層コンデンサユニット53では、一方電位に接続される内部電極55と他方電位に接続される内部電極56とがセラミック層を介して積層されている。積層コンデンサユニット54では、一方電位に接続される内部電極57と他方電位に接続される内部電極58とがセラミック層を介して積層されている。
【0006】
ところで、上記積層コンデンサ51では、第1,第2の積層コンデンサユニット53,54が横方向に並べられている。従って、積層コンデンサユニット53,54間で電気的信号が漏洩する、いわゆるクロストークが発生するという問題があった。
【0007】
そこで、従来、クロストークを低減するために種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1では、横方向に並べられた積層コンデンサユニット間にセラミック焼結体の厚み方向に延びるスルーホールを形成し、該スルーホールに導電体を充填することにより隣り合うコンデンサユニット間が静電遮蔽されている。
【0008】
また、特許文献2では、横方向に並べられた積層コンデンサユニット間にセラミック焼結体の厚み方向に延びる絶縁層が配置され、該絶縁層により隣り合うコンデンサユニット間のクロストークの低減が図られている。
【特許文献1】
特開平7−161568号公報
【特許文献2】
特開平8−273979号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した先行技術に記載の積層コンデンサでは、クロストークを抑制するために、横方向に並べられたコンデンサユニット間に導電体や絶縁体を配置しなければならなかった。すなわち、隣り合うコンデンサユニット間に上記導電体や絶縁体を配置する必要があるため、デッドスペースが生じ、内部電極対向面積が小さくならざるを得なかった。そのため、取得静電容量が低下し、小型化が妨げられ、かつ積層コンデンサのコストが高くなるという問題があった。
【0010】
また、積層コンデンサを得るにあたっては、セラミック積層体を焼成してセラミック焼結体を得るに先立ち、セラミック積層体が厚み方向に加圧される。これは、セラミックグリーンシート同士及びセラミックグリーンシートと内部電極との密着性を高め、セラミック焼結体の緻密化を図るためである。
【0011】
しかしながら、横方向に複数の積層コンデンサユニットが並べられたセラミック積層体を例えば静水圧プレスすると、上面及び下面に凹凸が生じるという問題があった。すなわち、図15に断面図で示すように、静水圧プレスされたセラミック積層体59では、内部電極60,61が積層されている部分の厚みが内部電極60,61が積層されていない部分の厚みに比べて小さいため、静水圧プレス後に、内部電極60,61が積層されていない部分の厚みが薄くなり、積層体59の上面59a及び下面59bに凹凸が生じがちであった。
【0012】
上記のような凹凸を避けるには、静水圧プレスに代えて剛体プレスを用いればよいと考えられる。しかしながら、剛体プレスによりセラミック積層体を厚み方向にプレスすると、上面及び下面の凹凸を無くすことはできるものの、内部電極の積層ずれが生じるという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、取得静電容量の増大及び小型化を図ることができ、上面及び下面の凹凸や内部電極の積層ずれが生じ難い、積層コンデンサを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の積層コンデンサユニットが一体化された積層コンデンサであって、セラミック焼結体と、前記セラミック焼結体に構成された複数の積層コンデンサユニットとを備え、各積層コンデンサユニットが、セラミック層を介して厚み方向に重なり合うように配置されており、かつセラミック焼結体側面に引き出されている引き出し部を有する複数の内部電極と、セラミック焼結体の側面に形成された第1の外部電極及び第2の外部電極とを有し、かつ複数の前記積層コンデンサユニットがセラミック焼結体内において厚み方向に積層されており、かつ各積層コンデンサユニットにおいて、一方の電位に接続される内部電極に接続される第1の外部電極と、前記内部電極と対向する他方の電位に接続される内部電極に接続された第2の外部電極とが前記セラミック焼結体の同一側面上において隣接して配置されており、4個の第1の外部電極及び4個の第2の外部電極が設けられており、前記一方の電位に接続される内部電極の引き出し部がセラミック焼結体側面に露出している部分と、同一側面上において他方の電位に接続される内部電極の引き出し部の該側面上に露出している部分とにより構成される露出部分組の高さ位置が、前記セラミック焼結体を平面視した際の全側面を周回する方向に沿って変化するようにセラミック焼結体の複数の側面に前記露出部分組が配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、好ましくは、上記各積層コンデンサユニットの複数の内部電極は、セラミック焼結体のある高さ位置の平面において、上記引き出し部を除いて周縁にギャップ領域を残すように、ほぼ全面電極の形態で形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0018】
図1(a)は、本参考例に係る積層コンデンサを示す斜視図である。積層コンデンサ1は、直方体状のセラミック焼結体2を用いて構成されている。セラミック焼結体2は、チタン酸バリウム系セラミックスのような適宜の誘電体セラミックスにより構成される。
セラミック焼結体2の内部には、第1〜第4の積層コンデンサユニットが厚み方向に積層されて配置されている。
【0019】
第1〜第4の積層コンデンサユニットの構造を、図1(b),(c)〜図4を参照して説明する。
第1の積層コンデンサユニットは、図1(b)及び(c)に示す内部電極3,4をセラミック層を介して交互に適宜の枚数積層することにより構成されている。内部電極3は、セラミック焼結体2の側面2aに引き出されている引き出し部3aを有する。また、内部電極3は、引き出し部3aを除いて、周縁にギャップ領域3bを残すようにしてほぼ全面電極の形態で形成されている。ここで、全面電極とは、セラミック焼結体2のある高さ位置にある平面において、該平面形状のほぼ全領域を占めるように形成されている電極をいうものとする。もっとも、上記ギャップ領域3bを除いて内部電極3が形成されている。
【0020】
他方、内部電極4は、引き出し部4aを有する。引き出し部4aは、セラミック焼結体2の側面2bに引き出されている。側面2bは、側面2aと対向されている。
内部電極4についても、ギャップ領域4bを残すようにして、ほぼ全面電極の形態で形成されている。
【0021】
第1のコンデンサユニットでは、上記内部電極3,4がセラミック層を介して厚み方向に交互に積層されており、第1のコンデンサユニットの静電容量は、複数の内部電極3と複数の内部電極4とが対向されている部分で取り出される。
【0022】
他方、セラミック焼結体2の側面2a,2bには、それぞれ、第1,第2の外部電極5,6が形成されている。第1の外部電極5は、内部電極3の引き出し部3aに引き出されており、外部電極6は、複数の内部電極4の引き出し部4aに電気的に接続されている。
従って、対向し合っている側面2a,2bに形成された外部電極5,6により、第1の積層コンデンサユニットを外部と電気的に接続することができる。
【0023】
なお、内部電極3,4を構成する電極材料については特に限定されず、Ag、Ag−Pd、Ni、Cuなどの適宜の金属を主成分とするものが用いられる。同様に、外部電極5,6を構成する材料についても特に限定されず、Ag、Ag−Pd、Ni、Snなどの適宜の金属材料を用いることができる。また、外部電極5,6は、複数の金属層を積層することにより構成されてもよい。
【0024】
第1の積層コンデンサユニットの下方には、第2の積層コンデンサユニットが積層されている。第2の積層コンデンサユニットは、図2(a)及び(b)に示す内部電極7,8を厚み方向においてセラミック層を介して交互に適宜の枚数積層することにより構成されている。
【0025】
内部電極7,8は、電極引き出し部7a,8aの位置を除いては、内部電極3,4と同様に構成されている。すなわち、内部電極7の電極引き出し部7aは、セラミック焼結体2の側面2aにおいて、引き出し部3aが引き出されている部分の側方において引き出されている。同様に、内部電極8の引き出し部8aは、側面2bにおいて、外部電極4の引き出し部4aの側方において引き出されている。
【0026】
言い換えれば、内部電極7,8の引き出し部7a,8aは、それぞれ、内部電極3,4の引き出し部3a,4aと厚み方向において重なり合わない位置に引き出されている。
【0027】
内部電極7,8においても、周囲にギャップ領域7b,8bを残すようにして、内部電極7,8がほぼ全面電極の形態で形成されている。
また、内部電極7,8の引き出し部7a,8aに電気的に接続されるように、セラミック焼結体2の側面2a,2bに、第1,第2の外部電極9,10が形成されている。
【0028】
第3の積層コンデンサユニットは、図3(a)及び(b)に示す内部電極11,12をセラミック層を介して厚み方向に交互に適宜の枚数積層することにより構成されている。内部電極11,12は、引き出し部11a,12aの引き出し位置が異なることを除いては、内部電極3,4,7,8と同様に構成されている。すなわち、内部電極11,12の引き出し部11a,12aは、厚み方向において、引き出し部3a,7aまたは引き出し部4a,8aとは重なり合わないように、引き出し部7a,8aを中心として、引き出し部3a,4aとは反対側に配置されている。なお、図3(a)及び(b)において、11b,12bはギャップ領域を示す。
【0029】
また、第3の積層コンデンサユニットでは、引き出し部11a,12aに電気的に接続されるように、側面2a,2b上に、第1,第2の外部電極13,14が形成されている。
【0030】
同様に、第4の積層コンデンサユニットは、図4(a)及び(b)に示す内部電極15,16をセラミック層を介して厚み方向に交互に適宜の枚数積層することにより形成されている。内部電極15,16の引き出し部15a,16aは、引き出し部3a,7a,11aまたは引き出し部4a,8a,12aと厚み方向に重なり合わないように配置されている。
【0031】
なお、図4(a)及び(b)において、15b,16bはギャップ領域を示す。第4の積層コンデンサユニットにおいても、外部と電気的に接続するために、第1,第2の外部電極17,18が側面2a,2bを覆うように形成されている。
【0032】
本参考例の積層コンデンサ1では、上記第1〜第4の積層コンデンサユニットが、上述したようにセラミック焼結体2内において厚み方向に順に積層されている。従って、各積層コンデンサユニットにおける内部電極3,4,7,8,11,12,15,16は、ギャップ領域を残してほぼ全面電極の形態で形成され得る。よって、各積層コンデンサユニットにおける内部電極対向面積を大きくし得るので、積層コンデンサにおける各積層コンデンサユニットの静電容量の増大及び薄型化を図ることができる。
【0033】
加えて、各積層コンデンサユニットにおいて、同じ高さ位置には1枚の内部電極のみが存在するので、セラミック焼結体2を得るに先立ち、セラミック積層体を例えば静水圧プレスによりプレスしたとしても、上面及び下面に凹凸が生じ難い。従って、静水圧プレスを用いてセラミック積層体をプレスすることにより、最終的に得られるセラミック焼結体2の緻密化を確実に図ることができ、しかも上面及び下面が平坦なセラミック焼結体2を得ることができる。
【0034】
本参考例では、内部電極3,4,7,8,11,12,15,16は、全て電極引き出し部を除いては同じ平面形状及び同じ寸法を有するように構成されている。もっとも、内部電極の平面形状は、同一高さ位置に複数の内部電極が配置されない限り、本参考例の構成に限定されるものではない。すなわち、各積層コンデンサユニットの内部電極の平面形状を必ずしも同一とする必要はない。もっとも、全ての積層コンデンサユニットの内部電極を、電極引き出し部を除いて同じ寸法とすることが望ましい。全ての内部電極を同じ寸法とした場合には、静水圧プレスによりセラミック積層体をプレスした場合、上面及び下面の平坦性をより一層高めることができる。また、剛体プレスを用いた場合には、積層されている内部電極間の積層ずれをより一層確実に抑制することができる。
【0035】
図5(a)は、本発明の実施例に係る積層コンデンサを説明するための斜視図である。なお、図5(a)では、内部電極引き出し部を明確にするために、第1,第2の外部電極の図示は省略してある。第1,第2の外部電極は、参考例の場合と同様に、各積層コンデンサユニットにおいて、一方または他方の電位に接続される内部電極の引き出し部に電気的に接続されるように、セラミック焼結体の側面に形成される。
【0036】
参考例では、各積層コンデンサユニットの一方電位に接続される複数の内部電極の引き出し部が引き出されている側面と、他方電位に接続される複数の内部電極の引き出し部が引き出されている側面とが対向されていたが、本実施例では、1つの積層コンデンサユニットの一方電位に接続される内部電極の引き出し部と、他方電位に接続される内部電極の引き出し部とは、同じ側面に引き出されている。その他の点については、参考例と同様であるため、異なる部分のみを説明することとする。
【0037】
実施例に係る積層コンデンサでは、セラミック焼結体22内において、上から順に第1〜第4の積層コンデンサユニットが積層されている。
第1の積層コンデンサユニットでは、図5(b),(c)に示す内部電極23,24がセラミック層を介して厚み方向において交互に積層されている。内部電極23の引き出し部23a及び内部電極24の引き出し部24aは、いずれも、側面22cに引き出されている。もっとも、側面22c上において、引き出し部23aと引き出し部24aとは、厚み方向に重なり合わないように、配置されている。
【0038】
また、第2の積層コンデンサユニットでは、図6(a)及び(b)に示す内部電極25,26がセラミック層を介して厚み方向において交互に積層されている。内部電極25,26は、引き出し部25a,26aを有し、引き出し部25a,26aは、側面22bに引き出されている。同様に、第3の積層コンデンサユニットでは、図7(a)及び(b)に示す内部電極27,28が厚み方向において交互に積層されており、かつ内部電極27,28の引き出し部27a,28aは側面22dに引き出されている。
【0039】
さらに、図8(a),(b)に示すように、第4の積層コンデンサユニットでは、内部電極29,39が、厚み方向においてセラミック層を介して交互に積層されており、内部電極29,30の引き出し部29a,30aは、側面22aに引き出されている。
【0040】
すなわち、本実施例では、1つの積層コンデンサユニットの一方電位に接続される内部電極の引き出し部と、他方電位に接続される内部電極の引き出し部とが、同じ側面に引き出されている。
【0041】
本実施例の積層コンデンサにおいても、第1の積層コンデンサと同様に、各内部電極が、引き出し部を除いて、周縁にギャップ領域を残すようにほぼ全面電極の形態で形成されているので、大きな静電容量を得ることができ、従って薄型化が可能である。また、ほぼ全面電極の形態で外部電極が形成されているので、焼成に先立ちセラミック積層体を加圧した場合、上面または下面において凹凸が生じ難い。
【0042】
図9(a)は、他の参考例に係る積層コンデンサを説明するための斜視図である。図9(a)に示す焼結体32では、実施例の場合と同様に、各積層コンデンサユニットの第1,第2の外部電極の図示は省略してある。
【0043】
他の参考例では、前述の参考例と同様に、第1〜第4の積層コンデンサユニットが厚み方向に積層されており、かつ各積層コンデンサユニットの一方電位に接続される内部電極の引き出し部と、他方電位に接続される内部電極の引き出し部が、対向し合う一対の側面32a,32bに形成されている。
【0044】
すなわち、第1の積層コンデンサユニットでは、内部電極33,34が厚み方向においてセラミック層を介して交互に積層されている。内部電極33の引き出し部33aは、側面32aに引き出されており、内部電極34の引き出し部34aは、側面32bに引き出されている。また、内部電極33,34は、引き出し部33a,34aを除いて、周縁にギャップ領域33b,34bを残すようにほぼ全面電極の形態で形成されている。
【0045】
第2〜第4の積層コンデンサユニットは、それぞれ、図10(a),(b)、図11(a),(b)及び図12(a)及び(b)に示す各内部電極35,36,37,38,39,40を有する。また、第2の積層コンデンサを構成している内部電極35,36の引き出し部35a,36aは、図9(a)に示されているように、側面32a,32bにそれぞれ引き出されており、但し、引き出し部33a,34aとは厚み方向において重なり合わない位置とされている。同様に、第3の積層コンデンサユニットの内部電極37,38の引き出し部37a,38aもまた、側面32a,32bにそれぞれ引き出されており、第4の積層コンデンサを構成している内部電極39,40の引き出し部39a,40aも対向し合っている側面32a,32bにそれぞれ引き出されている。
【0046】
もっとも、他の参考例では、前述の参考例と異なり、第1の積層コンデンサユニットを例にとると、内部電極33の引き出し部33aと、内部電極34の引き出し部34aとは、セラミック焼結体32を介して対向する位置には形成されていない。すなわち、引き出し部34aは、側面32bにおいて、側面32c側に寄せられて形成されており、引き出し部33aは、側面32aにおいて、側面32d側に寄せられて形成されている。
【0047】
同様に、第2〜第4の各積層コンデンサユニットにおいても、一方電位に接続される内部電極の引き出し部と、他方電位に接続される内部電極の引き出し部とは、セラミック焼結体32を介して対向する位置には形成されておらず、側面32c,32dを結ぶ方向においてずらされている。
【0048】
上記実施例から明らかなように、本発明に係る積層コンデンサにおいて、積層コンデンサユニットを構成している内部電極の引き出し部については、厚み方向において、他の引き出し部と重なり合わない限り、セラミック焼結体の外周側面のいずれの位置に引き出されていてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る積層コンデンサでは、複数の積層コンデンサユニットがセラミック焼結体において厚み方向に積層されているので、横方向すなわちセラミック焼結体の厚み方向と直交する方向には複数の積層コンデンサユニットが配置されていない。従って、セラミック焼結体を得るに先立ちセラミック生積層体を例えば静水圧プレスによりプレスしたとしても、セラミック積層体の上面または下面に凹凸が生じ難い。よって、緻密であり、上面及び下面が平坦なセラミック焼結体を得ることができ、積層コンデンサの信頼性を高め得る。
【0050】
加えて、複数の積層コンデンサユニットが厚み方向に積層されているので、各積層コンデンサユニットの内部電極を、セラミック焼結体のある高さ位置の平面において、大きな面積を占めるように形成することができるので、同じ内部電極積層数であれば、従来の積層コンデンサの積層コンデンサユニットに比べて大きな静電容量を得ることができる。従って、積層コンデンサの小型化及び大容量化を果たし得る。
さらに、一方の電位に接続される内部電極に接続される第1の外部電極と、前記一方の電位に接続される内部電極と対向している他方電位に接続される内部電極に接続される第2の外部電極とが前記セラミック焼結体の同一側面において隣接するように配置されているので、入力側から出力側への電流経路を短くすることができる。
【0051】
本発明において、各積層コンデンサユニットの複数の内部電極が、セラミック焼結体のある高さ位置の平面において、引き出し部を除いて、周縁にギャップ領域を残すようにほぼ全面電極の形態で形成されている場合には、内部電極面積が非常に大きくなり、従ってより一層小型化及び大容量化を果たすことができる。
【0052】
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の参考例に係る積層コンデンサを示す斜視図、(b)及び(c)は、第1の積層コンデンサユニットの内部電極を示す各模式的斜視図。
【図2】 (a)及び(b)は、参考例の積層コンデンサの第2の積層コンデンサユニットの内部電極を示す各模式的斜視図。
【図3】 (a)及び(b)は、参考例の積層コンデンサの第3の積層コンデンサユニットの内部電極を示す各模式的斜視図。
【図4】 (a)及び(b)は、参考例の積層コンデンサの第4の積層コンデンサユニットの内部電極を示す各模式的斜視図。
【図5】 (a)は、実施例に係る積層コンデンサを説明するための斜視図、(b)及び(c)は、第1の積層コンデンサユニットの内部電極を示す模式的斜視図。
【図6】 (a)及び(b)は、実施例の積層コンデンサの第2の積層コンデンサユニットの内部電極を示す各斜視図。
【図7】 (a)及び(b)は、実施例の積層コンデンサの第3の積層コンデンサユニットの内部電極を示す各斜視図。
【図8】 (a)及び(b)は、実施例の積層コンデンサの第4の積層コンデンサユニットの内部電極を示す各斜視図。
【図9】 (a)は、本発明の他の参考例に係る積層コンデンサを説明するための斜視図、(b)及び(c)は、第1の積層コンデンサユニットの内部電極を説明するための模式的斜視図。
【図10】 (a)及び(b)は、他の参考例に係る積層コンデンサの第2の積層コンデンサユニットの内部電極を説明するための模式的斜視図。
【図11】 (a)及び(b)は、他の参考例に係る積層コンデンサの第3の積層コンデンサユニットの内部電極を説明するための模式的斜視図。
【図12】 (a)及び(b)は、他の参考例に係る積層コンデンサの第4の積層コンデンサユニットの内部電極を説明するための模式的斜視図。
【図13】 従来の積層コンデンサの一例を説明するための模式的斜視図。
【図14】 (a)及び(b)は、それぞれ、図13に示した従来の積層コンデンサの内部電極形状を説明するための各平面図。
【図15】 従来の積層コンデンサの問題点を説明するための模式的断面図。
【符号の説明】
1…積層コンデンサ
2…セラミック焼結体
2a〜2d…側面
3,4…内部電極
3a,4a…引き出し部
3b,4b…ギャップ領域
5,6…第1,第2の外部電極
7,8…内部電極
7a,8a…引き出し部
7b,8b…ギャップ領域
9,10…第1,第2の外部電極
11,12…内部電極
11a,12a…引き出し部
11b,12b…ギャップ領域
13,14…第1,第2の外部電極
15,16…内部電極
15a,16a…引き出し部
15b,16b…ギャップ領域
17,18…第1,第2の外部電極
22…セラミック焼結体
22a〜22d…側面
23〜30…内部電極
23a〜30a…引き出し部
23b,24b…ギャップ領域
32…セラミック焼結体
32a〜32d…側面
33〜40…内部電極
33a〜40a…引き出し部
Claims (2)
- 複数の積層コンデンサユニットが一体化された積層コンデンサであって、
セラミック焼結体と、
前記セラミック焼結体に構成された複数の積層コンデンサユニットとを備え、
各積層コンデンサユニットが、セラミック層を介して厚み方向に重なり合うように配置されており、かつセラミック焼結体側面に引き出されている引き出し部を有する複数の内部電極と、セラミック焼結体の側面に形成された第1の外部電極及び第2の外部電極とを有し、かつ
複数の前記積層コンデンサユニットがセラミック焼結体内において厚み方向に積層されており、かつ各積層コンデンサユニットにおいて、一方の電位に接続される内部電極に接続される第1の外部電極と、前記内部電極と対向する他方の電位に接続される内部電極に接続された第2の外部電極とが前記セラミック焼結体の同一側面上において隣接して配置されており、4個の第1の外部電極及び4個の第2の外部電極が設けられており、
前記一方の電位に接続される内部電極の引き出し部がセラミック焼結体側面に露出している部分と、同一側面上において他方の電位に接続される内部電極の引き出し部の該側面上に露出している部分とにより構成される露出部分組の高さ位置が、前記セラミック焼結体を平面視した際の全側面を周回する方向に沿って変化するようにセラミック焼結体の複数の側面に前記露出部分組が配置されていることを特徴とする、積層コンデンサ。 - 前記各積層コンデンサユニットの複数の内部電極が、セラミック焼結体のある高さ位置の平面において、前記引き出し部を除いて周縁にギャップ領域を残すように、ほぼ全面電極の形態で形成されている、請求項1に記載の積層コンデンサ。
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