JP4510955B2 - 液晶ディスプレイのデータ線駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイの信号線駆動回路に関し、より詳細には、ドット反転型のデータ線駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
フルカラーの液晶ディスプレイ(LCD)として、各画素の階調を制御するために薄膜トランジスタ(TFT)を用いたTFT液晶ディスプレイ(TFT−LCD)が多用されている。単純マトリクスLCDなどと比較して、TFT−LCDが滲みが少なく、また、鮮明な画像を表示することができる理由による。
上記TFT−LCDは、複数のゲート線と複数のデータ線をマトリクス状に交差配置し、各交差点の画素に薄膜トランジスタを配置した液晶パネルと、液晶パネルのゲート線を駆動するために並列的に配置されたゲート線駆動回路と、液晶パネルのデータ線を駆動するために並列的に配置されたデータ線駆動回路とを備えている。
【0003】
液晶パネルにおいては、各画素ごとに画素電極と対向電極とが設けられ、これらの間に液晶が充填されている。画素電極にはTFTが形成され、データ線駆動回路からのデータ線がTFTを介して画素電極に接続されている。その一方、ゲート線駆動回路からのゲート線が、TFTのゲート電極に接続されている。したがって、ある画素のゲート電極にゲート線から所定の電圧が印加されると、TFTを介して、データ線からの階調電圧が画素電極に印加され、これにより当該画素に対応する液晶が駆動される。
一般に、液晶ディスプレイでは液晶分子の劣化を防止するために、液晶に印加される電圧が交流の状態である必要がある。すなわち、ある時点で対向電極の電位に対して+Vの階調電圧を与えた場合には、次の時点において、同じ階調であっても、対向電極の電位に対して−Vの階調電圧を与える必要がある。これを実現するためにはコモン一定駆動法とコモン反転駆動法が知られている。
【0004】
コモン一定駆動法においては、対向電極の電位を一定レベルに固定したまま画素電極に対向電極電位に対して正の極性を有する電圧と負の極性を有する電圧を交互に付与している。図16は、コモン一定駆動法を実現するためにデータ線に正の極性および負の極性の電位を交互に付与するデータ線駆動回路の一部を示すブロックダイヤグラムである。図16においては、データ線駆動回路のうち2本(2CH)のデータ線に表示階調に対応する電圧を出力する回路の部分が示されている。このデータ線駆動回路400は、2チャンネル分の階調電圧を出力するために、データラッチ412−1、412−2、レベルシフト回路414−1、414−2、負極用デコーダ418−1、正極用デコーダ418−2、オペアンプ422−1、422−2を有している。
【0005】
データラッチ412−1、412−2は、データ線(階調データ線)を介して与えられた所定のビット数(たとえば6ビット)の階調データを所定のタイミングでラッチする。また、レベルシフト回路414−1、414−2は、データラッチ12から出力されたデータのレベルを調整する。負極用デコーダ418−1は、負極用抵抗ラダー416−1から出力される複数(たとえば64種)の負の極性の階調電圧を受け入れ、階調データにしたがった階調電圧を選択して出力し、正極用デコーダ418−2は、正極用抵抗ラダー416−2から出力される複数(たとえば64種)の正の極性の階調電圧を受け入れ、階調データにしたがった階調電圧を選択して出力する。オペアンプ422−1、422−2は、受け入れた階調電圧を出力するボルテージフォロア回路として機能する。
【0006】
データラッチ412−1、412−2とレベルシフト回路414−1、414−2との間にはスイッチ(図示せず)が設けられ、あるタイミングでは、データラッチ412−1の出力がレベルシフト回路414−1に伝達され、かつ、データラッチ412−2の出力がレベルシフト回路414−2に伝達され、次のタイミングでは、データラッチ412−1の出力がレベルシフト回路414−2に伝達され、かつ、データラッチ412−2の出力がレベルシフト回路414−1に伝達されるようになっている。
【0007】
同様に、負極用デコーダ418−1および正極側デコーダ418−2と、オペアンプ422−1、422−2との間にもスイッチ(図示せず)が設けられ、上述したあるタイミングでは、負極用デコーダ418−1および正極側デコーダ418−2の出力が、それぞれ、オペアンプ422−1および422−2にそれぞれ伝達され、その一方、次のタイミングでは、負極用デコーダ418−1および正極側デコーダ418−2の出力が、それぞれ、オペアンプ422−2および422−1に伝達されるようになっている。
【0008】
上記データ線駆動回路400において、上述したあるタイミングでは、データラッチ412−1に与えられた階調データij(H)(チャンネル(n)に対する階調データ)は、レベルシフト回路414−1を経て負極側デコーダ418−1に与えられる。したがって、負極側デコーダ418−1により、対応する負の極性を有する階調電圧−Vが選択され、これがオペアンプ422−1を介して出力される(図16の破線の矢印参照)。その一方、データラッチ412−2に与えられた階調データij(H)(チャンネル(n+1)に対する階調データ)は、レベルシフト回路424−2を経て正極側デコーダ418−2に与えられる。したがって、正極側デコーダ418−2により、対応する正の極性を有する階調電圧Vが選択され、これがオペアンプ422−2を介して出力される(図16の破線の矢印参照)。
【0009】
次のタイミングにおいても、チャンネル(n)およびチャンネル(n+1)にそれぞれ同一の階調データが与えられたと考えると、データラッチ412−1に与えられた階調データij(H)(チャンネル(n)に対する階調データ)は、レベルシフト回路414−2を経て正極側デコーダ418−2に与えられる。したがって、正極側デコーダ418−2により、対応する正の極性を有する階調電圧Vが選択され、これがオペアンプ422−1を介して出力される(図16の一点鎖線の矢印参照)。その一方、データラッチ412−2に与えられた階調データij(H)(チャンネル(n+1)に対する階調データ)は、レベルシフト回路424−1を経て負極側デコーダ418−1に与えられる。したがって、負極側デコーダ418−1により、対応する負の極性を有する階調電圧−Vが選択され、これがオペアンプ422−2を介して出力される(図16の一点鎖線の矢印参照)。
このように、図16に示すデータ線駆動回路では、2チャンネルごとに負極用デコーダおよび正極用デコーダを切り換えて使用することにより、デコーダ数を削減し、これにより、回路規模を縮小している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のデータ線駆動回路においては、抵抗ラダー416−1の負の極性を有する出力の最小値(たとえば、図16においてはGMA18)から、抵抗ラダー416−2の正の極性を有する出力の最高値(たとえば、図14においてはGMA1)までの範囲をダイナミックレンジとすると、レベルシフト回路412−1、412−2、負極側デコーダ418−1および正極側デコーダ481−2、並びに、オペアンプ422−1、422−2を、上記ダイナミックレンジに耐えることができる回路とする必要がある。したがって、上記従来のデータ線駆動回路においては、上記回路要素は、アナログ電源電圧が供給されても耐えられるように設計されている。したがって、比較的大きな回路規模、および、比較的大きな消費電力を要するという問題点があった。
【0011】
本発明は、回路規模の縮小および消費電力の低減を可能とするデータ線駆動回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、マトリクス状に配置された複数の画素電極と対向電極との間に液晶が充填され、前記画素電極の各々が、その制御端子が対応するゲート線に接続された薄膜トランジスタを介して対応するデータ線に接続され、かつ、前記対向電極には所定の対向電極電圧が印加され、前記ゲート線が活性化される毎に、前記画素電極に、前記データ線および薄膜トランジスタを経て、所定の表示階調に対応したレベルを有し、かつ、対向電極に対して相対的に正または負の極性を有する階調電圧が与えられ、これにより、画素電極と対向電極との間に充填された液晶が駆動される液晶ディスプレイにおいて、前記データ線に階調電圧を供給するデータ線駆動回路であって、予め与えられた前記負の極性にそれぞれ対応する複数の階調電圧のうち、所定のものを選択するデコーダ回路と、負の極性の階調電圧を出力する際に、前記選択された階調電圧を前記データ線に与える一方、正の極性の階調電圧を出力する際に、対向電極電圧に対応するレベルに対して階調電圧を反転して、反転された電圧を前記データ線に与えるように構成された出力回路とを備えたことを特徴とするデータ線駆動回路により達成される。
【0013】
本発明によれば、デコーダ回路に与えられる階調電圧が、負の極性であるため、デコーダ回路の耐圧を、本来のダイナミックレンジの略半分のレベルにすることができる。したがって、デコーダ回路をディジタル電源電圧を耐圧とするように設計することができ、これにより、回路規模の縮小および消費電力の削減が可能となる。また、本発明によれば、デコーダ回路に階調電圧を供給する抵抗ラダーが、負の極性のものを出力できるように設計すれば良い。したがって、抵抗ラダーの回路規模を略半分にすることが可能となる。
【0014】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記出力回路が、二つの入力端子および一つの出力端子を有するオペアンプと、前記デコーダ回路から前記入力端子への入力を選択する入力選択スイッチと、前記入力選択スイッチと前記入力端子のうちマイナス端子との間に介在する第1のキャパシタと、前記入力端子のうちプラス端子と前記対向電極電位と略等しい基準電位との接続を制御する正極性動作用スイッチと、前記入力端子のうちマイナス端子と出力端子との接続を制御する入出力短絡スイッチと、前記マイナス端子と出力端子との間に介在する第2のキャパシタとを有し、前記負の極性の階調電圧を出力する際に、前記入力選択スイッチにより、前記デコーダ回路と前記プラス端子とを接続し、かつ、入出力短絡スイッチをオンする一方、前記正極性動作スイッチをオフにすることにより、前記出力回路をボルテージフォロア回路として機能させ、その一方、前記正の極性の階調電圧を出力する際に、前記入力選択スイッチにより、前記デコーダ回路と前記マイナス端子とを接続し、かつ、正極性動作スイッチをオンする一方、前記入出力短絡スイッチをオフにすることにより、前記出力回路を反転出力回路として機能させる。この実施態様によれば、デコーダ回路の耐圧をディジタル電源電圧とすることができるほか、出力回路のうち、入力選択スイッチおよび第1のキャパシタの耐圧をディジタル電源電圧とすることができる。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記出力回路が、さらに、前記出力端子からの出力のデータ線への伝達を制御する出力イネーブルスイッチと、前記第1のキャパシタの両端と、前記対向電極電圧と略等しい基準電位との接続をそれぞれ制御する2つのリセット用スイッチとを有し、前記正の極性の階調電圧を出力する際に、出力イネーブルスイッチをオフにする一方、2つのリセットスイッチおよび入出力短絡スイッチをオンすることにより、回路内の各ノードを基準電位とした後に、前記出力回路を反転出力回路として機能させる。この実施態様においては、さらに、2つのリセットスイッチのうち、入力側(デコーダ側)に位置するリセットスイッチの耐圧をディジタル電源電圧とすることができる。この実施態様によれば、正の極性の階調電圧を出力する際に、いったん、回路内の各ノードを、基準電位を用いてリセットすることができるため、回路要素自体の精度を高める必要なく、精度の良い出力電圧を得ることが可能となる。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記入力選択スイッチが、出力回路とプラス端子との接続を制御するプラス側入力イネーブルスイッチと、出力回路とマイナス端子との接続を制御するマイナス側入力イネーブルスイッチとからなり、前記出力回路が、さらに、前記出力端子と、前記マイナス側入力イネーブルスイッチおよび前記第1のキャパシタの間のノードとの接続を制御するオフセットキャンセル用スイッチを有し、前記負の極性の階調電圧を出力する際に、プラス側入力イネーブルスイッチ、マイナス入力イネーブルスイッチおよび前記入出力短絡スイッチをオンにして、前記第1のキャパシタによりオフセット電圧を測定した後に、前記マイナス側入力イネーブルスイッチおよび前記入出力短絡スイッチをオフにする一方、前記オフセットキャンセル用スイッチおよび出力イネーブルスイッチをオンにして、回路からの出力が、オフセット電圧をキャンセルした電圧となるように構成されている。この実施態様によれば、負の極性の階調電圧を出力する際に、いわゆるオフセットキャンセルができるため、回路要素自体の精度を高めることなく、精度の良い出力電圧を得ることが可能となる。
【0017】
また、本発明の目的は、マトリクス状に配置された複数の画素電極と対向電極との間に液晶が充填され、前記画素電極の各々が、その制御端子が対応するゲート線に接続された薄膜トランジスタを介して対応するデータ線に接続され、かつ、前記対向電極には所定の対向電極電圧が印加され、前記ゲート線が活性化される毎に、前記画素電極に、前記データ線および薄膜トランジスタを経て、所定の表示階調に対応したレベルを有し、かつ、対向電極に対して相対的に正または負の極性を有する階調電圧が与えられ、これにより、画素電極と対向電極との間に充填された液晶が駆動される液晶ディスプレイにおいて、前記データ線に階調電圧を供給するデータ線駆動回路であって、前記負の極性の階調電圧を出力する際に、所定の階調電圧を選択するための階調電圧選択データを反転して出力するデータ反転回路と、あらかじめ与えられた負の極性にそれぞれ対応する複数の階調電圧から、所定のものを、前記階調電圧選択データ或いはその反転したデータに基づき選択するデコーダ回路と、負の極性の階調電圧を出力する際に、前記デコーダ回路から出力される階調電圧のダイナミックレンジの略中央に位置するレベルに対して、前記選択された階調電圧を反転して、反転された電圧を前記データ線に与える一方、正の極性の階調電圧を出力する際に、対向電極電圧に対応するレベルに対して、前記選択された階調電圧を反転して、反転された電圧を前記データ線に与えるように構成された出力回路とを備えたことを特徴とするデータ線駆動回路によっても達成される。
この発明によれば、出力回路が、正の極性および負の極性の階調電圧を出力する際に、それぞれ、別個の基準電位を用いた反転出力回路となるように構成されている。したがって、非反転出力回路におけるオフセット電圧などの問題を考慮することなく、適切な出力電圧を得ることが可能となる。
【0018】
上記発明の好ましい実施態様においては、前記出力回路が、二つの入力端子および一つの出力端子を有するオペアンプと、前記デコーダ回路からの信号線と前記入力端子のうちマイナス端子との間に介在する第1のキャパシタと、前記入力端子のうちプラス端子と前記対向電極電位と略等しい第1の基準電位との接続を制御する正極性動作用スイッチと、前記プラス端子と前記ダイナミックレンジの略中央に位置する電位と略等しい第2の基準電位との接続を制御する負極性動作用スイッチと、前記入力端子のうちマイナス端子と出力端子との間に介在する第2のキャパシタとを有し、前記負の極性の階調電圧を出力する際に、前記負極性動作用スイッチをオンにする一方前記正極性動作用スイッチをオフにすることにより、前記出力回路を前記第2の基準電位を基準とする反転出力回路として機能させ、その一方、前記正の極性の階調電圧を出力する際に、前記正極性動作用スイッチをオンにする一方前記負極性動作用スイッチをオフにすることにより、前記出力回路を前記第1の基準電位を基準とする反転出力回路として機能させている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき説明を加える。図1は、本発明の実施の形態にかかるデータ線駆動回路の一部の構成を示すブロックダイヤグラムである。図1においては、1チャンネル分の回路が示されている。したがって、回路全体では、図2に示すように、チャンネル数(N個)のデータ線駆動回路10−1、10−2、…10−Nが並列的に配置されている。なお、以下では、1チャンネル分の回路も、N個並列的に配置されているものも、説明の便宜上、データ線駆動回路10と称する。
【0020】
図1に示すように、データ線駆動回路10は、データ線(階調データ線)を介して与えられた所定のビット数(たとえば6ビット)の階調データを、所定のタイミングでラッチするデータラッチ12、データラッチ12から出力されたデータのレベルを調整するレベルシフト回路14、レベルシフト回路14からのデータに基づき、抵抗ラダー16の電圧の何れかを選択して出力する機能を備えたデコーダ18、オペアンプやスイッチ等を含む出力回路20、および、出力回路のスイッチの開閉等を制御する制御回路21を備えている。また、データ線駆動回路10のデコーダ18には、階調データのデータ値のそれぞれに対応した電圧を供給する抵抗ラダー16が接続されている。
【0021】
図1および図2に示すように、データラッチ12は、消費電力の低減のために、より低圧な第1のディジタル電源電圧(たとえば、VCC=3V)にて駆動されるようになっている。そこで、レベルシフト回路14では、入力したデータのレベルを、以下に述べるデコーダ18等にて利用可能な信号レベルである第2のディジタル電源電圧(たとえば、VDD=5V)のレベルに変更する。また、デコーダ18、出力回路20および制御回路21にも、第2のディジタル電源電圧が供給されている。また、出力回路20には、液晶を駆動するためのより高圧なアナログ電源電圧(たとえば、VDD1=10V)およびアナログ電源電圧とグラウンド(VSS)との間の中心電圧(Vop=1/2(VDD1―VSS)も供給されるようになっている。
【0022】
抵抗ラダー16からは、各階調に対応した電圧が供給されるようになっている。この実施の形態においては、合計で64種の電圧がデコーダに与えられ、デコーダ18において、これらのうちの何れかが選択されて、出力回路20に与えられる。また、出力回路20は、オペアンプ22、複数の半導体スイッチ24〜36、および、複数のキャパシタ38、40から構成されている。本実施の形態においては、後述するように、制御回路21からの正逆制御信号等により、半導体スイッチ24〜36の開閉を制御することによって、出力回路20自体を、正極性で動作(反転出力)させ、或いは、負極性で動作(非反転出力)させることができる。半導体スイッチは、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとが並列に接続された構成であり、それぞれのトランジスタのゲートには互いに論理が逆の信号が印加される。
【0023】
図1から理解できるように、本実施の形態においては、一つのデータ線駆動回路10ごとに(すなわちチャンネルごとに)、単一のデコーダ18のみを設け、正極性動作の場合および負極性動作の場合の何れも、同一の階調を示すデータをデコーダ18に与え、階調データにしたがって、同一の電圧を選択するように構成している。これにより、デコーダ18を第2のディジタル電源電圧にて駆動する、つまり、その耐圧を第2のディジタル電源電圧のレベルにすることができる。
【0024】
このように構成されたデータ線駆動回路10の動作につき以下に説明を加える。図3は、負極性動作の場合の出力回路20の等価回路を示す図である。図3から理解できるように、出力回路20において、制御回路21からの正逆制御信号により、スイッチ24、28、30および32がオフとなり、その一方、スイッチ26、34および36がオンとなる。したがって、負極性の出力を供給する場合には、出力回路20は非反転出力するボルテージフォロア回路として機能する。
【0025】
データラッチ12およびレベルシフト回路14を介して、階調を示す複数ビット(たとえば6ビット)の階調データが、デコーダ18に与えられると、デコーダ18から、階調データに対応する電圧が出力される。出力回路20において、デコーダ18からの出力は、スイッチ26を介してオペアンプ22の+(プラス)端子に供給される。これにより、オペアンプ22を介して、与えられた電圧値に対応する出力を得ることが可能となる。図4は、階調データと出力回路20からの出力電圧との関係を示す図である。図4において実線にて示すように、階調データが増加するのにしたがって、VSSないしVop(=1/2(VDD1−VSS))まで、出力回路20からの出力電圧もリニアに増大する。
【0026】
次に、正極性動作を得る場合につき説明を加える。図5(a)は、正極性の出力を供給する場合の出力回路20の等価回路を示す図である。図5(a)に示すように、この場合には、制御回路21からの正逆制御信号により、スイッチ26がオフとなり、かつ、スイッチ32がオンとなる。その一方、スイッチ24、28、30、34および36は、以下に述べるリセットモードおよび出力モードにしたがって、適宜オン/オフされる。図5(a)から理解できるように、出力回路20は反転増幅回路として機能する。
【0027】
反転増幅回路として動作する場合に、出力回路20において、まず、回路内部の各ノードが、基準電圧であるVopにて初期化される。より詳細には、制御回路21からの正逆制御信号(図示せず)により、スイッチ28、30および34がオンされ、その一方、スイッチ24および36がオフにされる(図5(b)参照)。
【0028】
次いで、スイッチ28、30、34がオフにされてリセットが解除され、かつ、スイッチ24がオンされて、デコーダ18からの電圧がオペアンプの−(マイナス)端子に与えられる。その後に、スイッチ36がオンにされ(図5(a)参照)、出力電圧を得ることができる。図4において破線にて示すように、出力回路20が反転増幅回路として作動する場合に、その出力電圧は、負極性動作の出力電圧と比較して、Vopを中心に対象となる値をとるようになっている。たとえば、負極性動作に関して、階調データ“ij(HEX)”に対応する電圧値がVpである場合に、正極性動作に関して、同じ階調データに対応する電圧値Vp’は、Vop+(Vop−Vp)=VDD1−VSS−Vpとなる。すなわち、階調データが同じであれば、負極性動作および正極性動作の、基準電圧Vopからの差分値を等しくすることができ、これにより、階調データが同じである場合に、負極性動作であっても正極性動作であっても、同じ駆動電力を液晶に供給することが可能となる。
【0029】
次に、第1の実施の形態に関して、各回路要素の電源電圧、基準電圧等につき説明を加える。前述したように、本実施の形態にかかるデータ線駆動回路10においては、データラッチ12が、第1のディジタル電源電圧(たとえば、VCC=3V)にて駆動され、レベルシフト回路14、抵抗ラダー16およびデコーダ18は、第2のディジタル電源電圧(たとえば、VDD=5V)にて駆動されている。本実施の形態では、出力回路20が、入力した電圧を略そのまま出力し、或いは、これを、基準電圧Vop(=1/2(VDD1−VSS))を対象軸として反転させて出力しているため、その出力電圧範囲は上記第2のディジタル電圧VDD≒1/2VDD1であれば足りる。
【0030】
また、図1から理解できるように、出力回路20においても、スイッチ24、26および28には、第2のディジタル電圧VDD以上の電圧が与えられることはないため、これらスイッチの耐圧も第2のディジタル電圧VDD程度でよい。その一方、スイッチ30、32、34、36、オペアンプ22、キャパシタ38、40には、VSS〜VDD1の電圧が与えられる可能性があるため、これらの耐圧はアナログ電源電圧VDD1となる。
【0031】
このように、本実施の形態によれば、出力回路20において、正極性動作の場合に、回路のダイナミックレンジの略半分の基準電圧を対称軸にして、入力した電圧を反転出力するように構成したため、出力回路20の上流に位置する回路要素のダイナミックレンジを、出力回路20にて必要なダイナミックレンジの略半分にすることが可能となる。一般に、第2のディジタル電源電圧VDDは5V程度、液晶パネルを駆動するためのアナログ電源電圧が10V程度であるため、上記回路要素の耐圧を、従来のものの約半分にすることが可能となる。さらに、出力回路20においても、全ての回路要素の耐圧をアナログ電源電圧レベルにする必要はない。すなわち、オペアンプの入力段では、そのダイナミックレンジがディジタル電源電圧レベルである限り、回路要素の耐圧をディジタル電源電圧レベルにすれば足りる。たとえば、図1に示す出力回路において、スイッチ24、26、28の耐圧は、第2のディジタル電源電圧レベルとすることができる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態につき説明を加える。第2の実施の形態では、出力回路が、負極性動作(非反転出力)の場合に、そのオフセットをキャンセルできるように構成されている。図6は、第2の実施の形態にかかる出力回路120の構成を示す図であり、第1の実施の形態にかかるものと同じ機能を有する回路要素の符号の先頭には、“1”が付されている。なお、第2の実施の形態において、データラッチ12、レベルシフト回路14、抵抗ラダー16およびデコーダ18の構成は第1の実施の形態のものと同様である。また、制御回路21に関して、出力回路120内のスイッチの開閉、および、そのタイミングのみが第1の実施の形態のものと異なっている。
【0033】
図6に示すように、出力回路120は、オペアンプ122、半導体スイッチ124〜136、142、144および146、並びに、キャパシタ138、140から構成されている。上記スイッチのうち、スイッチ146は、後述する負極性動作におけるオフセット測定のために利用され、スイッチ128、130、142および144は、正極性動作におけるリセットのために利用される。
また、この実施の形態においても、出力回路120は、制御回路121からの正逆制御信号等により、上記半導体スイッチ124〜136、142および146を適宜開閉することにより、出力回路120を正極性動作(反転出力)或いは負極性動作(非反転出力)の何れかの下で作動することが可能となる。
【0034】
以下に、第2の実施の形態にかかるデータ線駆動回路100の動作につき説明を加える。図7は、負極性動作の場合の出力回路120の等価回路を示す図、図8は、正極性動作の場合の出力回路120の等価回路を示す図である。
負極性動作の場合には、出力回路120のスイッチ126〜132および142、144はオフとなっている。また、図7(a)から、非反転の電圧を出力する場合に、スイッチ126、136および146がオンとなり、その一方、スイッチ124、134がオフとなるため、出力回路120はボルテージフォロア回路として機能していることが理解できる。
【0035】
これに対して、正極性動作の場合には、出力回路120のスイッチ126、146はオフとなっている。また、図8(a)から、反転された電圧を出力する場合に、スイッチ124、132、136および144がオンとなり、その一方、スイッチ128、130、134および142がオフとなるため、出力回路120は、反転増幅回路として機能していることが理解できる。
【0036】
このように構成されたデータ線駆動回路100の動作につき以下に説明を加える。本実施の形態にかかる出力回路120は、負極性動作および正極性動作の何れかにて作動するが、負極性動作には、オフセット測定および非反転の電圧出力が含まれる。その一方、正極性動作には、リセットおよび反転された電圧出力が含まれる。
【0037】
図9に示すように、負極性動作の下、制御回路121からの制御信号(図示せず)により、スイッチ124、126および134がオンにされ、かつ、スイッチ126および146がオフにされる(図7(b)参照)。このときに、キャパシタ138によりオフセット電圧ΔVが測定される。次いで、制御信号により、スイッチ124および134がオフにされ、その一方スイッチ146がオンにされ、これによりオフセット測定が終了する。さらに、スイッチ136がオンとなることにより、入力された電圧がオペアンプ122を経て出力可能となる(図7(a)参照)。この場合に、出力回路120に入力された電圧をVIN、出力回路120からの出力電圧をVOUTとすると、VOUT=(VIN+ΔV)−ΔVとなり、オフセット電圧ΔVをキャンセルすることができる。第2の実施の形態においても、階調データと出力電圧との関係は、図4の実線に示すようになる。
【0038】
これに対して、正極性出力の動作では、まず、制御回路121からの制御信号(図示せず)により、スイッチ128、130、134および142がオンにされ、かつ、スイッチ124、136および144がオフにされる(図8(b)参照)。これにより、各ノードが基準電圧Vopにリセットされる。次いで、制御信号(図示せず)により、スイッチ124、144がオンにされ、その一方、スイッチ128、130、134および142がオフにされて、リセットが終了する。さらに、スイッチ136がオンとなることにより、入力された電圧がオペアンプ122を経て出力可能となる(図8(a)参照)。この場合にも、階調データと出力電圧との関係は、第1の実施の形態のものと同様に、図4の破線に示すようになる。なお、第2の実施の形態にかかる正極性動作においては、スイッチ128、130、134および142をオフとしてリセットを解除し、その後に、スイッチ136をオンすることにより、オフセットキャンセルを実現することもできる。
【0039】
図9は、第2の実施の形態にかかる出力回路120をシミュレーションするための各スイッチの開閉タイミングおよび出力電圧を示すタイミングチャート、図10は、上記タイミングチャートにしたがって、入力電圧0.5V、1.5V、2.5V、3.5Vおよび4.5Vがそれぞれ与えられたときの、非反転出力および反転出力の電圧値を示すグラフ、図11は、オペアンプ自体が数十mVのオフセット電圧を持つ場合に、入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。図10においては、負極性動作において、1.8μSのオフセット測定期間の後に、ノンオーバーラップ期間として0.2μSを設けている。ノンオーバーラップ期間経過後に、スイッチ136を開いている。正極性動作においても、1.8μSのリセット期間、0.2μSのノンオーバーラップ期間を設け、その後に、スイッチ136を開いている。
【0040】
図10から理解できるように、負極性動作(非反転出力)および正極性動作(反転出力)の双方について、入力電圧に沿った出力電圧が得られている。たとえば、曲線1001に関して、4.5Vの入力電圧に対して、負極性動作では略同じ電圧が出力され、その一方、正極性動作では基準電位(5V)に対して略対称となる電圧(約5.5V)が出力されている。また、図11において、横軸は出力期待値、縦軸は出力期待値に対して実際の出力値にどれだけオフセットが含まれていたかを示す値であり、また、四角の点を結んだ曲線は従来のものの特性、菱形の点を結んだ曲線は本実施の形態にかかるものの特定を示す。図11から理解できるように、本実施の形態においては、従来のものと比較してオフセット電圧を低減できている。
【0041】
本実施の形態によれば、さらに、オフセット測定用のスイッチを設けて、これらの開閉を制御することにより、キャパシタにてオフセット電圧を測定し、このオフセット電圧を用いて、出力時にオフセットキャンセルを実現している。したがって、トランジスタ等の特性に多少のばらつきがあった場合でも、精度の高い電圧を出力可能なデータ線駆動回路を提供することが可能となる。
【0042】
次に、本発明の第3の実施の形態につき説明を加える。この実施の形態では、負極性動作および正極性動作の双方の下で、出力回路220を反転増幅回路として機能させている。なお、この実施の形態において、データラッチに、入力データを反転/非反転させる回路等が付加されたデータラッチの構成(図12参照)、出力回路220の構成、および、当該出力回路220を構成する種々のスイッチを開閉するための制御回路の構成を除き、第1の実施の形態のものと同様である。
【0043】
図12に示すように、データラッチ212は、データ線(階調データ線)を介して受け入れた階調データを反転させた出力および非反転の出力(そのままの出力)を供給する正/反転回路90と、正逆制御信号によりオンされて反転出力をラッチ回路96に出力する第1のスイッチ92と、正逆制御信号の反転信号によりオンされて非反転出力をラッチ回路96に出力する第2のスイッチ94と、ラッチ回路96とを有している。ここで、データラッチ212に与えられる正逆制御信号は、負極性動作のときにアクティブとなる。したがって、負極性動作のときに第1のスイッチ92がオンされ、その一方、正極性動作のときに第2のスイッチ94がオンされる。
【0044】
次に、本実施の形態にかかる出力回路220につき説明を加える。図13は、第3の実施の形態にかかる出力回路220の構成を示す図である。図13に示すように、この実施の形態にかかる出力回路220は、オペアンプ222、複数の半導体スイッチ224〜236、および、複数のキャパシタ238、240から構成されている。この出力回路222において、スイッチ228、230および232の一方の側は、第1の実施の形態と同様に、第1の基準電位Vop1(=1/2(VDD1−VSS))に接続され、これらスイッチは、正極性動作の際のリセットのために利用される。これに対して、スイッチ229、231および233の一方の側は、第1の基準電位の略半分、より詳細には、後述するようにロムデコーダの出力範囲の略半分である第2の基準電位Vop2(=1/2(GMA1−GMA9))に接続され、これらスイッチは、負極性動作の際のリセットのために利用される。
【0045】
このように構成されたデータ線駆動回路200の動作につき以下に説明を加える。まず、負極性動作の場合につき説明を加える。図12に示すように、データ線(階調データ線)から与えられた階調データは、正/反転回路90に与えられ、その反転出力がスイッチ92に伝達され、その一方、非反転出力がスイッチ94に伝達される。負極性動作の場合には、スイッチ92をアクティブにする正逆制御信号が出力されるため、スイッチ92がオンし、その結果、階調データの反転出力がラッチ回路96によりラッチされる。
【0046】
ラッチ回路16から出力された階調データの反転出力は、レベルシフト回路14を経てデコーダ18に伝達される。デコーダ18においては上記レベルシフトを経た階調データの反転出力に基づき、抵抗ラダー16からの電圧のうち所定のものを選択して出力回路220に与える。ここで、デコーダ18には、階調データの反転出力が与えられているため、デコーダ18により選択される電圧は、階調データが最小(たとえば00(H))のときには最大電圧値(GMA9)となり、階調データが大きくなるのにしたがって略リニアに減少し、階調データが最大(たとえば3F(H))のときには最小電圧値(GMA1)となる(図14の実線参照)。
【0047】
このようにしてデコーダにより選択された電圧が出力回路220に供給される。図15(a)は、負極性動作の場合の出力回路220の等価回路を示す図である。図15(a)から明らかなように、出力回路220において、正極性動作の際、リセット用スイッチ228、230はオフにされている。また、オペアンプ222のプラス入力をイマジナリーショートの状態にするためにスイッチ233がオン状態となる。したがって、この出力回路220は、電位Vop2を基準電位とする反転増幅回路として機能する。第1の実施の形態にかかる出力回路20にて正極性動作を行う場合と同様に、出力回路220においては、まず、回路内部の各ノードが基準電位Vop2にて初期化される。より詳細には、制御回路(図示せず)からの正逆制御信号により、スイッチ229、231および234がオンされ、その一方、スイッチ224および236がオフにされる。
【0048】
次いで、スイッチ229、231および234がオフにされリセットが解除され、かつ、スイッチ224がオンされて、デコーダ18からの電圧がオペアンプ222の−(マイナス)端子に与えられる。その後に、スイッチ236がオンにされ(図15(a)参照)、基準電位Vop2に対して入力電位を反転した出力が出力端子から得られる。前述したように、出力回路220に与えられる電圧は、階調データが大きくなるのにしたがって徐々にその電圧値が減少するようになっており、その最大値はGMA9、その最小値はGMA1となっている。したがって、基準電位Vop(=1/2(GMA9−GMA1)を基準電位として反転することにより、図15の点線で示すような出力電圧を得ることができる。この出力電圧は、階調データが最小(00(H))のときに最小値(GMA1)となり、階調データが増大するのにしたがって略リニアに増大し、階調データが最大(3F(H))のときに最大値(GMA9)となる。
【0049】
次に、正極性動作の場合につき説明を加える。この場合には、スイッチ90をアクティブにするための制御信号が与えられスイッチ94がオンする。これにより、階調データの非反転出力がラッチ回路96によりラッチされる。ラッチ回路96から出力された階調データの非反転出力は、レベルシフト回路14を経てデコーダ18に伝達され、階調データの非反転出力に基づき、抵抗ラダー16からの電圧のうち所定のものが選択され、出力回路220に与えられる。
ここで、デコーダ18には、階調データの非反転出力が与えられているため、デコーダ18により選択される電圧は、階調データが最小(たとえば00(H))のときには最小電圧値(GMA1)となり、階調データが大きくなるのにしたがって略リニアに増大し、階調データが最大(たとえば3F(H))のときには最大電圧値(GMA9)となる(図14の破線参照)。
【0050】
図15(b)は正極性動作の場合の出力回路220の等価回路を示す図である。図15(b)から明らかなように、出力回路220において、負極性動作の際のリセット用スイッチ229、231はオフにされる。また、オペアンプ222のプラス入力をイマジナリショートの状態にするためにスイッチ232がオン状態となる。したがって、出力回路220は、電位Vop1を基準電位とする反転増幅回路として機能する。正極性動作の場合にも、まず、出力回路220内部の各ノードが基準電位Vop1にて初期化される。より詳細には、制御回路(図示せず)からの正逆制御信号により、スイッチ228、230および234がオンされ、その一方、スイッチ224および236がオフにされる。
次いで、スイッチ228、230および234がオフにされリセットが解除され、かつ、スイッチ224がオンされて、デコーダ18からの電圧がオペアンプ222の−(マイナス)端子に与えられる。その後に、スイッチ236がオンにされ(図15(b)参照)、基準電位Vop1に対して入力電位を反転した出力が出力端子から得られる。したがって、図14の破線にて示す入力電圧に対して、一点鎖線にて示す出力電圧を得ることが可能となる。
【0051】
上述したように、本実施の形態においては、負極性動作および正極性動作の双方で、出力回路を反転増幅回路として機能させている。たとえば、負極性動作の場合には、抵抗ラダーの出力のダイナミックレンジの略中心に位置するVop2に基準電位を定め、当該基準電位に対して入力電圧を反転した出力電圧を得ている。その一方、正極性動作の場合には、出力電圧のダイナミックレンジの略中心に位置するVop1に基準電位を定め、当該基準電位に対して入力電圧を反転した出力電圧を得ている。したがって、本実施の形態によれば、オフセットの存在を略無視することができるため、キャパシタ等の回路要素を特に高精度のものを用いることなく、階調データにしたがった精度良い出力電圧を得ることができる。
【0052】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
たとえば、アナログ電源電圧およびディジタル電源電圧の電圧値は、上記実施の形態のものに限定されず、したがって、反転増幅回路において基準となる基準電位も、上記アナログ電源電圧により変化する。また、階調データのビット数も、上記実施の形態のものに限定されないことは言うまでもない。
また、本明細書において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、回路規模の縮小および消費電力の低減を可能とするデータ線駆動回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるデータ線駆動回路の一部の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】 図2は、第1の実施の形態にかかるデータ線駆動回路の全体を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】 図3は、第1の実施の形態において、負極性動作の場合の出力回路の等価回路を示す図である。
【図4】 図4は、第1の実施の形態において、階調データと出力回路からの出力電圧との関係を示す図である。
【図5】 図5は、第1の実施の形態において、正極性動作の場合の出力回路の等価回路を示す図である。
【図6】 図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる出力回路の構成を示す図である。
【図7】 図7は、第2の実施の形態において、負極性動作の場合の出力回路の等価回路を示す図である。
【図8】 図8は、第2の実施の形態において、正極性動作の場合の出力回路120の等価回路を示す図である。
【図9】 図9は、第2の実施の形態にかかる出力回路120をシミュレーションするための各スイッチの開閉タイミングおよび出力電圧を示すタイミングチャートである。
【図10】 図10は、上記タイミングチャートにしたがって、所定の入力電圧がそれぞれ与えられたときの、非反転出力および反転出力の電圧値を示すグラフである。
【図11】 図11は、オペアンプ自体がオフセット電圧を持つ場合に、入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【図12】 図12は、本発明の第3の実施の形態にかかるデータラッチの構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図13】 図13は、第3の実施の形態にかかる出力回路の構成を示す図である。
【図14】 図14は、第3の実施の形態において、階調データと出力回路からの出力電圧との関係を示す図である。
【図15】 図15は、第3の実施の形態において、負極性動作および正極性動作の場合の出力回路の等価回路を示す図である。
【図16】 図16は、従来のデータ線駆動回路の一部の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【符号の説明】
10 データ線駆動回路
12 データラッチ
14 レベルシフト回路
16 抵抗ラダー
18 デコーダ
20 出力回路
21 制御回路
22 オペアンプ
24、26、18、30、32、34、36
半導体スイッチ
38、40 キャパシタ
Claims (4)
- マトリクス状に配置された複数の画素電極と対向電極との間に液晶が充填され、前記画素電極の各々が、その制御端子が対応するゲート線に接続された薄膜トランジスタを介して対応するデータ線に接続され、かつ、前記対向電極には所定の対向電極電圧が印加され、前記ゲート線が活性化される毎に、前記画素電極に、前記データ線および薄膜トランジスタを経て、所定の表示階調に対応したレベルを有し、かつ、対向電極に対して相対的に正または負の極性を有する階調電圧が与えられ、これにより、画素電極と対向電極との間に充填された液晶が駆動される液晶ディスプレイにおいて、前記データ線に階調電圧を供給するデータ線駆動回路であって、
前記負の極性の階調電圧を出力する際に、所定の階調電圧を選択するための階調電圧選択データを反転して出力するデータ反転回路と、
あらかじめ与えられた負の極性にそれぞれ対応する複数の階調電圧から、所定のものを、前記階調電圧選択データ或いはその反転したデータに基づき選択するデコーダ回路と、
負の極性の階調電圧を出力する際に、前記デコーダ回路から出力される階調電圧のダイナミックレンジの略中央に位置するレベルに対して、前記選択された階調電圧を反転して、反転された電圧を前記データ線に与える一方、正の極性の階調電圧を出力する際に、対向電極電圧に対応するレベルに対して、前記選択された階調電圧を反転して、反転された電圧を前記データ線に与えるように構成された出力回路と、
を備え、
前記出力回路が、二つの入力端子および一つの出力端子を有するオペアンプと、前記デコーダ回路からの信号線と前記入力端子のうちマイナス端子との間に介在する第1のキャパシタと、前記入力端子のうちプラス端子と前記対向電極電位と略等しい第1の基準電位との接続を制御する正極性動作用スイッチと、前記プラス端子と前記ダイナミックレンジの略中央に位置する電位と略等しい第2の基準電位との接続を制御する負極性動作用スイッチと、前記入力端子のうちマイナス端子と出力端子との間に介在する第2のキャパシタとを有し、
前記負の極性の階調電圧を出力する際に、前記負極性動作用スイッチをオンにする一方前記正極性動作用スイッチをオフにすることにより、前記出力回路を前記第2の基準電位を基準とする反転出力回路として機能させ、その一方、
前記正の極性の階調電圧を出力する際に、前記正極性動作用スイッチをオンにする一方前記負極性動作用スイッチをオフにすることにより、前記出力回路を前記第1の基準電位を基準とする反転出力回路として機能させる、
データ線駆動回路。 - 前記出力回路が、前記出力端子からの出力のデータ線への伝達を制御する出力イネーブルスイッチと、前記マイナス端子と前記出力端子との接続を制御する入出力短絡スイッチと、前記第1のキャパシタの両端と前記第2の基準電位との接続をそれぞれ制御する2つの負極性動作用リセットスイッチとを更に有し、
前記負の極性の階調電圧を出力する際に、前記出力イネーブルスイッチをオフにする一方、2つの前記負極性動作用リセットスイッチおよび前記入出力短絡スイッチをオンすることにより、回路内の各ノードを第2の基準電位とした後に、前記出力回路を反転出力回路として機能させる、
請求項1に記載のデータ線駆動回路。 - 前記出力回路が、前記第1のキャパシタの両端と前記第1の基準電位との接続をそれぞれ制御する2つの正極性動作用リセットスイッチを更に有し、
前記正の極性の階調電圧を出力する際に、前記出力イネーブルスイッチをオフにする一方、2つの前記正極性動作用リセットスイッチおよび前記入出力短絡スイッチをオンすることにより、回路内の各ノードを第1の基準電位とした後に、前記出力回路を反転出力回路として機能させる、
請求項1又は2に記載のデータ線駆動回路。 - 前記各スイッチがMOSトランジスタで構成される、請求項1乃至3の何れかに記載のデータ線駆動回路。
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