JP2001067047A - 液晶ディスプレイのデータ線駆動回路 - Google Patents

液晶ディスプレイのデータ線駆動回路

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JP2001067047A
JP2001067047A JP24259699A JP24259699A JP2001067047A JP 2001067047 A JP2001067047 A JP 2001067047A JP 24259699 A JP24259699 A JP 24259699A JP 24259699 A JP24259699 A JP 24259699A JP 2001067047 A JP2001067047 A JP 2001067047A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路規模の縮小および消費電力の低減を可能
とするデータ線駆動回路を提供する。 【解決手段】 マトリクス状に配置された複数の画素電
極と対向電極との間に液晶が充填され、画像電極にはT
FTを介してデータ線からの電圧が印加される形態の液
晶ディスプレイをコモン一定駆動するデータ線駆動回路
は、抵抗ラダー16から与えられた負の極性にそれぞれ
対応する複数の階調電圧のうち、所定のものを選択する
デコーダ18と、デコーダ18から与えられた電圧をデ
ータ線に伝達する出力回路20とを備えている。出力回
路20は、負の極性の階調電圧を出力する際に、ボルテ
ージフォロア回路として機能し、その一方、正の極性の
階調電圧を出力する際に、対向電極電圧に対応する基準
電圧に対して階調電圧を反転して、反転された電圧をデ
ータ線に与える反転出力回路として機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
の信号線駆動回路に関し、より詳細には、ドット反転型
のデータ線駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】フルカラーの液晶ディスプレイ(LC
D)として、各画素の階調を制御するために薄膜トラン
ジスタ(TFT)を用いたTFT液晶ディスプレイ(T
FT−LCD)が多用されている。単純マトリクスLC
Dなどと比較して、TFT−LCDが滲みが少なく、ま
た、鮮明な画像を表示することができる理由による。上
記TFT−LCDは、複数のゲート線と複数のデータ線
をマトリクス状に交差配置し、各交差点の画素に薄膜ト
ランジスタを配置した液晶パネルと、液晶パネルのゲー
ト線を駆動するために並列的に配置されたゲート線駆動
回路と、液晶パネルのデータ線を駆動するために並列的
に配置されたデータ線駆動回路とを備えている。
【0003】液晶パネルにおいては、各画素ごとに画素
電極と対向電極とが設けられ、これらの間に液晶が充填
されている。画素電極にはTFTが形成され、データ線
駆動回路からのデータ線がTFTを介して画素電極に接
続されている。その一方、ゲート線駆動回路からのゲー
ト線が、TFTのゲート電極に接続されている。したが
って、ある画素のゲート電極にゲート線から所定の電圧
が印加されると、TFTを介して、データ線からの階調
電圧が画素電極に印加され、これにより当該画素に対応
する液晶が駆動される。一般に、液晶ディスプレイでは
液晶分子の劣化を防止するために、液晶に印加される電
圧が交流の状態である必要がある。すなわち、ある時点
で対向電極の電位に対して+Vの階調電圧を与えた場合
には、次の時点において、同じ階調であっても、対向電
極の電位に対して−Vの階調電圧を与える必要がある。
これを実現するためにはコモン一定駆動法とコモン反転
駆動法が知られている。
【0004】コモン一定駆動法においては、対向電極の
電位を一定レベルに固定したまま画素電極に対向電極電
位に対して正の極性を有する電圧と負の極性を有する電
圧を交互に付与している。図16は、コモン一定駆動法
を実現するためにデータ線に正の極性および負の極性の
電位を交互に付与するデータ線駆動回路の一部を示すブ
ロックダイヤグラムである。図16においては、データ
線駆動回路のうち2本(2CH)のデータ線に表示階調
に対応する電圧を出力する回路の部分が示されている。
このデータ線駆動回路400は、2チャンネル分の階調
電圧を出力するために、データラッチ412−1、41
2−2、レベルシフト回路414−1、414−2、負
極用デコーダ418−1、正極用デコーダ418−2、
オペアンプ422−1、422−2を有している。
【0005】データラッチ412−1、412−2は、
データ線(階調データ線)を介して与えられた所定のビ
ット数(たとえば6ビット)の階調データを所定のタイ
ミングでラッチする。また、レベルシフト回路414−
1、414−2は、データラッチ12から出力されたデ
ータのレベルを調整する。負極用デコーダ418−1
は、負極用抵抗ラダー416−1から出力される複数
(たとえば64種)の負の極性の階調電圧を受け入れ、
階調データにしたがった階調電圧を選択して出力し、正
極用デコーダ418−2は、正極用抵抗ラダー416−
2から出力される複数(たとえば64種)の正の極性の
階調電圧を受け入れ、階調データにしたがった階調電圧
を選択して出力する。オペアンプ422−1、422−
2は、受け入れた階調電圧を出力するボルテージフォロ
ア回路として機能する。
【0006】データラッチ412−1、412−2とレ
ベルシフト回路414−1、414−2との間にはスイ
ッチ(図示せず)が設けられ、あるタイミングでは、デ
ータラッチ412−1の出力がレベルシフト回路414
−1に伝達され、かつ、データラッチ412−2の出力
がレベルシフト回路414−2に伝達され、次のタイミ
ングでは、データラッチ412−1の出力がレベルシフ
ト回路414−2に伝達され、かつ、データラッチ41
2−2の出力がレベルシフト回路414−1に伝達され
るようになっている。
【0007】同様に、負極用デコーダ418−1および
正極側デコーダ418−2と、オペアンプ422−1、
422−2との間にもスイッチ(図示せず)が設けら
れ、上述したあるタイミングでは、負極用デコーダ41
8−1および正極側デコーダ418−2の出力が、それ
ぞれ、オペアンプ422−1および422−2にそれぞ
れ伝達され、その一方、次のタイミングでは、負極用デ
コーダ418−1および正極側デコーダ418−2の出
力が、それぞれ、オペアンプ422−2および422−
1に伝達されるようになっている。
【0008】上記データ線駆動回路400において、上
述したあるタイミングでは、データラッチ412−1に
与えられた階調データij(H)(チャンネル(n)に対す
る階調データ)は、レベルシフト回路414−1を経て
負極側デコーダ418−1に与えられる。したがって、
負極側デコーダ418−1により、対応する負の極性を
有する階調電圧−Vが選択され、これがオペアンプ42
2−1を介して出力される(図16の破線の矢印参
照)。その一方、データラッチ412−2に与えられた
階調データij(H)(チャンネル(n+1)に対する階調デ
ータ)は、レベルシフト回路424−2を経て正極側デ
コーダ418−2に与えられる。したがって、正極側デ
コーダ418−2により、対応する正の極性を有する階
調電圧Vが選択され、これがオペアンプ422−2を介
して出力される(図16の破線の矢印参照)。
【0009】次のタイミングにおいても、チャンネル
(n)およびチャンネル(n+1)にそれぞれ同一の階調デー
タが与えられたと考えると、データラッチ412−1に
与えられた階調データij(H)(チャンネル(n)に対す
る階調データ)は、レベルシフト回路414−2を経て
正極側デコーダ418−2に与えられる。したがって、
正極側デコーダ418−2により、対応する正の極性を
有する階調電圧Vが選択され、これがオペアンプ422
−1を介して出力される(図16の一点鎖線の矢印参
照)。その一方、データラッチ412−2に与えられた
階調データij(H)(チャンネル(n+1)に対する階調デ
ータ)は、レベルシフト回路424−1を経て負極側デ
コーダ418−1に与えられる。したがって、負極側デ
コーダ418−1により、対応する負の極性を有する階
調電圧−Vが選択され、これがオペアンプ422−2を
介して出力される(図16の一点鎖線の矢印参照)。こ
のように、図16に示すデータ線駆動回路では、2チャ
ンネルごとに負極用デコーダおよび正極用デコーダを切
り換えて使用することにより、デコーダ数を削減し、こ
れにより、回路規模を縮小している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のデータ線駆動回路においては、抵抗ラダー416−
1の負の極性を有する出力の最小値(たとえば、図16
においてはGMA18)から、抵抗ラダー416−2の
正の極性を有する出力の最高値(たとえば、図14にお
いてはGMA1)までの範囲をダイナミックレンジとす
ると、レベルシフト回路412−1、412−2、負極
側デコーダ418−1および正極側デコーダ481−
2、並びに、オペアンプ422−1、422−2を、上
記ダイナミックレンジに耐えることができる回路とする
必要がある。したがって、上記従来のデータ線駆動回路
においては、上記回路要素は、アナログ電源電圧が供給
されても耐えられるように設計されている。したがっ
て、比較的大きな回路規模、および、比較的大きな消費
電力を要するという問題点があった。
【0011】本発明は、回路規模の縮小および消費電力
の低減を可能とするデータ線駆動回路を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、マトリ
クス状に配置された複数の画素電極と対向電極との間に
液晶が充填され、前記画素電極の各々が、その制御端子
が対応するゲート線に接続された薄膜トランジスタを介
して対応するデータ線に接続され、かつ、前記対向電極
には所定の対向電極電圧が印加され、前記ゲート線が活
性化される毎に、前記画素電極に、前記データ線および
薄膜トランジスタを経て、所定の表示階調に対応したレ
ベルを有し、かつ、対向電極に対して相対的に正または
負の極性を有する階調電圧が与えられ、これにより、画
素電極と対向電極との間に充填された液晶が駆動される
液晶ディスプレイにおいて、前記データ線に階調電圧を
供給するデータ線駆動回路であって、予め与えられた前
記負の極性にそれぞれ対応する複数の階調電圧のうち、
所定のものを選択するデコーダ回路と、負の極性の階調
電圧を出力する際に、前記選択された階調電圧を前記デ
ータ線に与える一方、正の極性の階調電圧を出力する際
に、対向電極電圧に対応するレベルに対して階調電圧を
反転して、反転された電圧を前記データ線に与えるよう
に構成された出力回路とを備えたことを特徴とするデー
タ線駆動回路により達成される。
【0013】本発明によれば、デコーダ回路に与えられ
る階調電圧が、負の極性であるため、デコーダ回路の耐
圧を、本来のダイナミックレンジの略半分のレベルにす
ることができる。したがって、デコーダ回路をディジタ
ル電源電圧を耐圧とするように設計することができ、こ
れにより、回路規模の縮小および消費電力の削減が可能
となる。また、本発明によれば、デコーダ回路に階調電
圧を供給する抵抗ラダーが、負の極性のものを出力でき
るように設計すれば良い。したがって、抵抗ラダーの回
路規模を略半分にすることが可能となる。
【0014】本発明の好ましい実施態様によれば、前記
出力回路が、二つの入力端子および一つの出力端子を有
するオペアンプと、前記デコーダ回路から前記入力端子
への入力を選択する入力選択スイッチと、前記入力選択
スイッチと前記入力端子のうちマイナス端子との間に介
在する第1のキャパシタと、前記入力端子のうちプラス
端子と前記対向電極電位と略等しい基準電位との接続を
制御する正極性動作用スイッチと、前記入力端子のうち
マイナス端子と出力端子との接続を制御する入出力短絡
スイッチと、前記マイナス端子と出力端子との間に介在
する第2のキャパシタとを有し、前記負の極性の階調電
圧を出力する際に、前記入力選択スイッチにより、前記
デコーダ回路と前記プラス端子とを接続し、かつ、入出
力短絡スイッチをオンする一方、前記正極性動作スイッ
チをオフにすることにより、前記出力回路をボルテージ
フォロア回路として機能させ、その一方、前記正の極性
の階調電圧を出力する際に、前記入力選択スイッチによ
り、前記デコーダ回路と前記マイナス端子とを接続し、
かつ、正極性動作スイッチをオンする一方、前記入出力
短絡スイッチをオフにすることにより、前記出力回路を
反転出力回路として機能させる。この実施態様によれ
ば、デコーダ回路の耐圧をディジタル電源電圧とするこ
とができるほか、出力回路のうち、入力選択スイッチお
よび第1のキャパシタの耐圧をディジタル電源電圧とす
ることができる。
【0015】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記出力回路が、さらに、前記出力端子からの出力
のデータ線への伝達を制御する出力イネーブルスイッチ
と、前記第1のキャパシタの両端と、前記対向電極電圧
と略等しい基準電位との接続をそれぞれ制御する2つの
リセット用スイッチとを有し、前記正の極性の階調電圧
を出力する際に、出力イネーブルスイッチをオフにする
一方、2つのリセットスイッチおよび入出力短絡スイッ
チをオンすることにより、回路内の各ノードを基準電位
とした後に、前記出力回路を反転出力回路として機能さ
せる。この実施態様においては、さらに、2つのリセッ
トスイッチのうち、入力側(デコーダ側)に位置するリ
セットスイッチの耐圧をディジタル電源電圧とすること
ができる。この実施態様によれば、正の極性の階調電圧
を出力する際に、いったん、回路内の各ノードを、基準
電位を用いてリセットすることができるため、回路要素
自体の精度を高める必要なく、精度の良い出力電圧を得
ることが可能となる。
【0016】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記入力選択スイッチが、出力回路とプラス端子と
の接続を制御するプラス側入力イネーブルスイッチと、
出力回路とマイナス端子との接続を制御するマイナス側
入力イネーブルスイッチとからなり、前記出力回路が、
さらに、前記出力端子と、前記マイナス側入力イネーブ
ルスイッチおよび前記第1のキャパシタの間のノードと
の接続を制御するオフセットキャンセル用スイッチを有
し、前記負の極性の階調電圧を出力する際に、プラス側
入力イネーブルスイッチ、マイナス入力イネーブルスイ
ッチおよび前記入出力短絡スイッチをオンにして、前記
第1のキャパシタによりオフセット電圧を測定した後
に、前記マイナス側入力イネーブルスイッチおよび前記
入出力短絡スイッチをオフにする一方、前記オフセット
キャンセル用スイッチおよび出力イネーブルスイッチを
オンにして、回路からの出力が、オフセット電圧をキャ
ンセルした電圧となるように構成されている。この実施
態様によれば、負の極性の階調電圧を出力する際に、い
わゆるオフセットキャンセルができるため、回路要素自
体の精度を高めることなく、精度の良い出力電圧を得る
ことが可能となる。
【0017】また、本発明の目的は、マトリクス状に配
置された複数の画素電極と対向電極との間に液晶が充填
され、前記画素電極の各々が、その制御端子が対応する
ゲート線に接続された薄膜トランジスタを介して対応す
るデータ線に接続され、かつ、前記対向電極には所定の
対向電極電圧が印加され、前記ゲート線が活性化される
毎に、前記画素電極に、前記データ線および薄膜トラン
ジスタを経て、所定の表示階調に対応したレベルを有
し、かつ、対向電極に対して相対的に正または負の極性
を有する階調電圧が与えられ、これにより、画素電極と
対向電極との間に充填された液晶が駆動される液晶ディ
スプレイにおいて、前記データ線に階調電圧を供給する
データ線駆動回路であって、前記負の極性の階調電圧を
出力する際に、所定の階調電圧を選択するための階調電
圧選択データを反転して出力するデータ反転回路と、あ
らかじめ与えられた負の極性にそれぞれ対応する複数の
階調電圧から、所定のものを、前記階調電圧選択データ
或いはその反転したデータに基づき選択するデコーダ回
路と、負の極性の階調電圧を出力する際に、前記デコー
ダ回路から出力される階調電圧のダイナミックレンジの
略中央に位置するレベルに対して、前記選択された階調
電圧を反転して、反転された電圧を前記データ線に与え
る一方、正の極性の階調電圧を出力する際に、対向電極
電圧に対応するレベルに対して、前記選択された階調電
圧を反転して、反転された電圧を前記データ線に与える
ように構成された出力回路とを備えたことを特徴とする
データ線駆動回路によっても達成される。この発明によ
れば、出力回路が、正の極性および負の極性の階調電圧
を出力する際に、それぞれ、別個の基準電位を用いた反
転出力回路となるように構成されている。したがって、
非反転出力回路におけるオフセット電圧などの問題を考
慮することなく、適切な出力電圧を得ることが可能とな
る。
【0018】上記発明の好ましい実施態様においては、
前記出力回路が、二つの入力端子および一つの出力端子
を有するオペアンプと、前記デコーダ回路からの信号線
と前記入力端子のうちマイナス端子との間に介在する第
1のキャパシタと、前記入力端子のうちプラス端子と前
記対向電極電位と略等しい第1の基準電位との接続を制
御する正極性動作用スイッチと、前記プラス端子と前記
ダイナミックレンジの略中央に位置する電位と略等しい
第2の基準電位との接続を制御する負極性動作用スイッ
チと、前記入力端子のうちマイナス端子と出力端子との
間に介在する第2のキャパシタとを有し、前記負の極性
の階調電圧を出力する際に、前記負極性動作用スイッチ
をオンにする一方前記正極性動作用スイッチをオフにす
ることにより、前記出力回路を前記第2の基準電位を基
準とする反転出力回路として機能させ、その一方、前記
正の極性の階調電圧を出力する際に、前記正極性動作用
スイッチをオンにする一方前記負極性動作用スイッチを
オフにすることにより、前記出力回路を前記第1の基準
電位を基準とする反転出力回路として機能させている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態につき説明を加える。図1は、本発明の
実施の形態にかかるデータ線駆動回路の一部の構成を示
すブロックダイヤグラムである。図1においては、1チ
ャンネル分の回路が示されている。したがって、回路全
体では、図2に示すように、チャンネル数(N個)のデ
ータ線駆動回路10−1、10−2、…10−Nが並列
的に配置されている。なお、以下では、1チャンネル分
の回路も、N個並列的に配置されているものも、説明の
便宜上、データ線駆動回路10と称する。
【0020】図1に示すように、データ線駆動回路10
は、データ線(階調データ線)を介して与えられた所定
のビット数(たとえば6ビット)の階調データを、所定
のタイミングでラッチするデータラッチ12、データラ
ッチ12から出力されたデータのレベルを調整するレベ
ルシフト回路14、レベルシフト回路14からのデータ
に基づき、抵抗ラダー16の電圧の何れかを選択して出
力する機能を備えたデコーダ18、オペアンプやスイッ
チ等を含む出力回路20、および、出力回路のスイッチ
の開閉等を制御する制御回路21を備えている。また、
データ線駆動回路10のデコーダ18には、階調データ
のデータ値のそれぞれに対応した電圧を供給する抵抗ラ
ダー16が接続されている。
【0021】図1および図2に示すように、データラッ
チ12は、消費電力の低減のために、より低圧な第1の
ディジタル電源電圧(たとえば、VCC=3V)にて駆
動されるようになっている。そこで、レベルシフト回路
14では、入力したデータのレベルを、以下に述べるデ
コーダ18等にて利用可能な信号レベルである第2のデ
ィジタル電源電圧(たとえば、VDD=5V)のレベル
に変更する。また、デコーダ18、出力回路20および
制御回路21にも、第2のディジタル電源電圧が供給さ
れている。また、出力回路20には、液晶を駆動するた
めのより高圧なアナログ電源電圧(たとえば、VDD1
=10V)およびアナログ電源電圧とグラウンド(VS
S)との間の中心電圧(Vop=1/2(VDD1―V
SS)も供給されるようになっている。
【0022】抵抗ラダー16からは、各階調に対応した
電圧が供給されるようになっている。この実施の形態に
おいては、合計で64種の電圧がデコーダに与えられ、
デコーダ18において、これらのうちの何れかが選択さ
れて、出力回路20に与えられる。また、出力回路20
は、オペアンプ22、複数の半導体スイッチ24〜3
6、および、複数のキャパシタ38、40から構成され
ている。本実施の形態においては、後述するように、制
御回路21からの正逆制御信号等により、半導体スイッ
チ24〜36の開閉を制御することによって、出力回路
20自体を、正極性で動作(反転出力)させ、或いは、
負極性で動作(非反転出力)させることができる。半導
体スイッチは、PMOSトランジスタとNMOSトラン
ジスタとが並列に接続された構成であり、それぞれのト
ランジスタのゲートには互いに論理が逆の信号が印加さ
れる。
【0023】図1から理解できるように、本実施の形態
においては、一つのデータ線駆動回路10ごとに(すな
わちチャンネルごとに)、単一のデコーダ18のみを設
け、正極性動作の場合および負極性動作の場合の何れ
も、同一の階調を示すデータをデコーダ18に与え、階
調データにしたがって、同一の電圧を選択するように構
成している。これにより、デコーダ18を第2のディジ
タル電源電圧にて駆動する、つまり、その耐圧を第2の
ディジタル電源電圧のレベルにすることができる。
【0024】このように構成されたデータ線駆動回路1
0の動作につき以下に説明を加える。図3は、負極性動
作の場合の出力回路20の等価回路を示す図である。図
3から理解できるように、出力回路20において、制御
回路21からの正逆制御信号により、スイッチ24、2
8、30および32がオフとなり、その一方、スイッチ
26、34および36がオンとなる。したがって、負極
性の出力を供給する場合には、出力回路20は非反転出
力するボルテージフォロア回路として機能する。
【0025】データラッチ12およびレベルシフト回路
14を介して、階調を示す複数ビット(たとえば6ビッ
ト)の階調データが、デコーダ18に与えられると、デ
コーダ18から、階調データに対応する電圧が出力され
る。出力回路20において、デコーダ18からの出力
は、スイッチ26を介してオペアンプ22の+(プラ
ス)端子に供給される。これにより、オペアンプ22を
介して、与えられた電圧値に対応する出力を得ることが
可能となる。図4は、階調データと出力回路20からの
出力電圧との関係を示す図である。図4において実線に
て示すように、階調データが増加するのにしたがって、
VSSないしVop(=1/2(VDD1−VSS))
まで、出力回路20からの出力電圧もリニアに増大す
る。
【0026】次に、正極性動作を得る場合につき説明を
加える。図5(a)は、正極性の出力を供給する場合の
出力回路20の等価回路を示す図である。図5(a)に
示すように、この場合には、制御回路21からの正逆制
御信号により、スイッチ26がオフとなり、かつ、スイ
ッチ32がオンとなる。その一方、スイッチ24、2
8、30、34および36は、以下に述べるリセットモ
ードおよび出力モードにしたがって、適宜オン/オフさ
れる。図5(a)から理解できるように、出力回路20
は反転増幅回路として機能する。
【0027】反転増幅回路として動作する場合に、出力
回路20において、まず、回路内部の各ノードが、基準
電圧であるVopにて初期化される。より詳細には、制
御回路21からの正逆制御信号(図示せず)により、ス
イッチ28、30および34がオンされ、その一方、ス
イッチ24および36がオフにされる(図5(b)参
照)。
【0028】次いで、スイッチ28、30、34がオフ
にされてリセットが解除され、かつ、スイッチ24がオ
ンされて、デコーダ18からの電圧がオペアンプの−
(マイナス)端子に与えられる。その後に、スイッチ3
6がオンにされ(図5(a)参照)、出力電圧を得るこ
とができる。図4において破線にて示すように、出力回
路20が反転増幅回路として作動する場合に、その出力
電圧は、負極性動作の出力電圧と比較して、Vopを中
心に対象となる値をとるようになっている。たとえば、
負極性動作に関して、階調データ“ij(HEX)”に対応
する電圧値がVpである場合に、正極性動作に関して、
同じ階調データに対応する電圧値Vp’は、Vop+
(Vop−Vp)=VDD1−VSS−Vpとなる。す
なわち、階調データが同じであれば、負極性動作および
正極性動作の、基準電圧Vopからの差分値を等しくす
ることができ、これにより、階調データが同じである場
合に、負極性動作であっても正極性動作であっても、同
じ駆動電力を液晶に供給することが可能となる。
【0029】次に、第1の実施の形態に関して、各回路
要素の電源電圧、基準電圧等につき説明を加える。前述
したように、本実施の形態にかかるデータ線駆動回路1
0においては、データラッチ12が、第1のディジタル
電源電圧(たとえば、VCC=3V)にて駆動され、レ
ベルシフト回路14、抵抗ラダー16およびデコーダ1
8は、第2のディジタル電源電圧(たとえば、VDD=
5V)にて駆動されている。本実施の形態では、出力回
路20が、入力した電圧を略そのまま出力し、或いは、
これを、基準電圧Vop(=1/2(VDD1−VS
S))を対象軸として反転させて出力しているため、そ
の出力電圧範囲は上記第2のディジタル電圧VDD≒1
/2VDD1であれば足りる。
【0030】また、図1から理解できるように、出力回
路20においても、スイッチ24、26および28に
は、第2のディジタル電圧VDD以上の電圧が与えられ
ることはないため、これらスイッチの耐圧も第2のディ
ジタル電圧VDD程度でよい。その一方、スイッチ3
0、32、34、36、オペアンプ22、キャパシタ3
8、40には、VSS〜VDD1の電圧が与えられる可
能性があるため、これらの耐圧はアナログ電源電圧VD
D1となる。
【0031】このように、本実施の形態によれば、出力
回路20において、正極性動作の場合に、回路のダイナ
ミックレンジの略半分の基準電圧を対称軸にして、入力
した電圧を反転出力するように構成したため、出力回路
20の上流に位置する回路要素のダイナミックレンジ
を、出力回路20にて必要なダイナミックレンジの略半
分にすることが可能となる。一般に、第2のディジタル
電源電圧VDDは5V程度、液晶パネルを駆動するため
のアナログ電源電圧が10V程度であるため、上記回路
要素の耐圧を、従来のものの約半分にすることが可能と
なる。さらに、出力回路20においても、全ての回路要
素の耐圧をアナログ電源電圧レベルにする必要はない。
すなわち、オペアンプの入力段では、そのダイナミック
レンジがディジタル電源電圧レベルである限り、回路要
素の耐圧をディジタル電源電圧レベルにすれば足りる。
たとえば、図1に示す出力回路において、スイッチ2
4、26、28の耐圧は、第2のディジタル電源電圧レ
ベルとすることができる。
【0032】次に、本発明の第2の実施の形態につき説
明を加える。第2の実施の形態では、出力回路が、負極
性動作(非反転出力)の場合に、そのオフセットをキャ
ンセルできるように構成されている。図6は、第2の実
施の形態にかかる出力回路120の構成を示す図であ
り、第1の実施の形態にかかるものと同じ機能を有する
回路要素の符号の先頭には、“1”が付されている。な
お、第2の実施の形態において、データラッチ12、レ
ベルシフト回路14、抵抗ラダー16およびデコーダ1
8の構成は第1の実施の形態のものと同様である。ま
た、制御回路21に関して、出力回路120内のスイッ
チの開閉、および、そのタイミングのみが第1の実施の
形態のものと異なっている。
【0033】図6に示すように、出力回路120は、オ
ペアンプ122、半導体スイッチ124〜136、14
2、144および146、並びに、キャパシタ138、
140から構成されている。上記スイッチのうち、スイ
ッチ146は、後述する負極性動作におけるオフセット
測定のために利用され、スイッチ128、130、14
2および144は、正極性動作におけるリセットのため
に利用される。また、この実施の形態においても、出力
回路120は、制御回路121からの正逆制御信号等に
より、上記半導体スイッチ124〜136、142およ
び146を適宜開閉することにより、出力回路120を
正極性動作(反転出力)或いは負極性動作(非反転出
力)の何れかの下で作動することが可能となる。
【0034】以下に、第2の実施の形態にかかるデータ
線駆動回路100の動作につき説明を加える。図7は、
負極性動作の場合の出力回路120の等価回路を示す
図、図8は、正極性動作の場合の出力回路120の等価
回路を示す図である。負極性動作の場合には、出力回路
120のスイッチ126〜132および142、144
はオフとなっている。また、図7(a)から、非反転の
電圧を出力する場合に、スイッチ126、136および
146がオンとなり、その一方、スイッチ124、13
4がオフとなるため、出力回路120はボルテージフォ
ロア回路として機能していることが理解できる。
【0035】これに対して、正極性動作の場合には、出
力回路120のスイッチ126、146はオフとなって
いる。また、図8(a)から、反転された電圧を出力す
る場合に、スイッチ124、132、136および14
4がオンとなり、その一方、スイッチ128、130、
134および142がオフとなるため、出力回路120
は、反転増幅回路として機能していることが理解でき
る。
【0036】このように構成されたデータ線駆動回路1
00の動作につき以下に説明を加える。本実施の形態に
かかる出力回路120は、負極性動作および正極性動作
の何れかにて作動するが、負極性動作には、オフセット
測定および非反転の電圧出力が含まれる。その一方、正
極性動作には、リセットおよび反転された電圧出力が含
まれる。
【0037】図9に示すように、負極性動作の下、制御
回路121からの制御信号(図示せず)により、スイッ
チ124、126および134がオンにされ、かつ、ス
イッチ126および146がオフにされる(図7(b)
参照)。このときに、キャパシタ138によりオフセッ
ト電圧ΔVが測定される。次いで、制御信号により、ス
イッチ124および134がオフにされ、その一方スイ
ッチ146がオンにされ、これによりオフセット測定が
終了する。さらに、スイッチ136がオンとなることに
より、入力された電圧がオペアンプ122を経て出力可
能となる(図7(a)参照)。この場合に、出力回路1
20に入力された電圧をVIN、出力回路120からの
出力電圧をVOUTとすると、VOUT=(VIN+Δ
V)−ΔVとなり、オフセット電圧ΔVをキャンセルす
ることができる。第2の実施の形態においても、階調デ
ータと出力電圧との関係は、図4の実線に示すようにな
る。
【0038】これに対して、正極性出力の動作では、ま
ず、制御回路121からの制御信号(図示せず)によ
り、スイッチ128、130、134および142がオ
ンにされ、かつ、スイッチ124、136および144
がオフにされる(図8(b)参照)。これにより、各ノ
ードが基準電圧Vopにリセットされる。次いで、制御
信号(図示せず)により、スイッチ124、144がオ
ンにされ、その一方、スイッチ128、130、134
および142がオフにされて、リセットが終了する。さ
らに、スイッチ136がオンとなることにより、入力さ
れた電圧がオペアンプ122を経て出力可能となる(図
8(a)参照)。この場合にも、階調データと出力電圧
との関係は、第1の実施の形態のものと同様に、図4の
破線に示すようになる。なお、第2の実施の形態にかか
る正極性動作においては、スイッチ128、130、1
34および142をオフとしてリセットを解除し、その
後に、スイッチ136をオンすることにより、オフセッ
トキャンセルを実現することもできる。
【0039】図9は、第2の実施の形態にかかる出力回
路120をシミュレーションするための各スイッチの開
閉タイミングおよび出力電圧を示すタイミングチャー
ト、図10は、上記タイミングチャートにしたがって、
入力電圧0.5V、1.5V、2.5V、3.5Vおよ
び4.5Vがそれぞれ与えられたときの、非反転出力お
よび反転出力の電圧値を示すグラフ、図11は、オペア
ンプ自体が数十mVのオフセット電圧を持つ場合に、入
力電圧と出力電圧との関係を示す図である。図10にお
いては、負極性動作において、1.8μSのオフセット
測定期間の後に、ノンオーバーラップ期間として0.2
μSを設けている。ノンオーバーラップ期間経過後に、
スイッチ136を開いている。正極性動作においても、
1.8μSのリセット期間、0.2μSのノンオーバー
ラップ期間を設け、その後に、スイッチ136を開いて
いる。
【0040】図10から理解できるように、負極性動作
(非反転出力)および正極性動作(反転出力)の双方に
ついて、入力電圧に沿った出力電圧が得られている。た
とえば、曲線1001に関して、4.5Vの入力電圧に
対して、負極性動作では略同じ電圧が出力され、その一
方、正極性動作では基準電位(5V)に対して略対称と
なる電圧(約5.5V)が出力されている。また、図1
1において、横軸は出力期待値、縦軸は出力期待値に対
して実際の出力値にどれだけオフセットが含まれていた
かを示す値であり、また、四角の点を結んだ曲線は従来
のものの特性、菱形の点を結んだ曲線は本実施の形態に
かかるものの特定を示す。図11から理解できるよう
に、本実施の形態においては、従来のものと比較してオ
フセット電圧を低減できている。
【0041】本実施の形態によれば、さらに、オフセッ
ト測定用のスイッチを設けて、これらの開閉を制御する
ことにより、キャパシタにてオフセット電圧を測定し、
このオフセット電圧を用いて、出力時にオフセットキャ
ンセルを実現している。したがって、トランジスタ等の
特性に多少のばらつきがあった場合でも、精度の高い電
圧を出力可能なデータ線駆動回路を提供することが可能
となる。
【0042】次に、本発明の第3の実施の形態につき説
明を加える。この実施の形態では、負極性動作および正
極性動作の双方の下で、出力回路220を反転増幅回路
として機能させている。なお、この実施の形態におい
て、データラッチに、入力データを反転/非反転させる
回路等が付加されたデータラッチの構成(図12参
照)、出力回路220の構成、および、当該出力回路2
20を構成する種々のスイッチを開閉するための制御回
路の構成を除き、第1の実施の形態のものと同様であ
る。
【0043】図12に示すように、データラッチ212
は、データ線(階調データ線)を介して受け入れた階調
データを反転させた出力および非反転の出力(そのまま
の出力)を供給する正/反転回路90と、正逆制御信号
によりオンされて反転出力をラッチ回路96に出力する
第1のスイッチ92と、正逆制御信号の反転信号により
オンされて非反転出力をラッチ回路96に出力する第2
のスイッチ94と、ラッチ回路96とを有している。こ
こで、データラッチ212に与えられる正逆制御信号
は、負極性動作のときにアクティブとなる。したがっ
て、負極性動作のときに第1のスイッチ92がオンさ
れ、その一方、正極性動作のときに第2のスイッチ94
がオンされる。
【0044】次に、本実施の形態にかかる出力回路22
0につき説明を加える。図13は、第3の実施の形態に
かかる出力回路220の構成を示す図である。図13に
示すように、この実施の形態にかかる出力回路220
は、オペアンプ222、複数の半導体スイッチ224〜
236、および、複数のキャパシタ238、240から
構成されている。この出力回路222において、スイッ
チ228、230および232の一方の側は、第1の実
施の形態と同様に、第1の基準電位Vop1(=1/2
(VDD1−VSS))に接続され、これらスイッチ
は、正極性動作の際のリセットのために利用される。こ
れに対して、スイッチ229、231および233の一
方の側は、第1の基準電位の略半分、より詳細には、後
述するようにロムデコーダの出力範囲の略半分である第
2の基準電位Vop2(=1/2(GMA1−GMA
9))に接続され、これらスイッチは、負極性動作の際
のリセットのために利用される。
【0045】このように構成されたデータ線駆動回路2
00の動作につき以下に説明を加える。まず、負極性動
作の場合につき説明を加える。図12に示すように、デ
ータ線(階調データ線)から与えられた階調データは、
正/反転回路90に与えられ、その反転出力がスイッチ
92に伝達され、その一方、非反転出力がスイッチ94
に伝達される。負極性動作の場合には、スイッチ92を
アクティブにする正逆制御信号が出力されるため、スイ
ッチ92がオンし、その結果、階調データの反転出力が
ラッチ回路96によりラッチされる。
【0046】ラッチ回路16から出力された階調データ
の反転出力は、レベルシフト回路14を経てデコーダ1
8に伝達される。デコーダ18においては上記レベルシ
フトを経た階調データの反転出力に基づき、抵抗ラダー
16からの電圧のうち所定のものを選択して出力回路2
20に与える。ここで、デコーダ18には、階調データ
の反転出力が与えられているため、デコーダ18により
選択される電圧は、階調データが最小(たとえば00
(H))のときには最大電圧値(GMA9)となり、階調
データが大きくなるのにしたがって略リニアに減少し、
階調データが最大(たとえば3F(H))のときには最小
電圧値(GMA1)となる(図14の実線参照)。
【0047】このようにしてデコーダにより選択された
電圧が出力回路220に供給される。図15(a)は、
負極性動作の場合の出力回路220の等価回路を示す図
である。図15(a)から明らかなように、出力回路2
20において、正極性動作の際、リセット用スイッチ2
28、230はオフにされている。また、オペアンプ2
22のプラス入力をイマジナリーショートの状態にする
ためにスイッチ233がオン状態となる。したがって、
この出力回路220は、電位Vop2を基準電位とする
反転増幅回路として機能する。第1の実施の形態にかか
る出力回路20にて正極性動作を行う場合と同様に、出
力回路220においては、まず、回路内部の各ノードが
基準電位Vop2にて初期化される。より詳細には、制
御回路(図示せず)からの正逆制御信号により、スイッ
チ229、231および234がオンされ、その一方、
スイッチ224および236がオフにされる。
【0048】次いで、スイッチ229、231および2
34がオフにされリセットが解除され、かつ、スイッチ
224がオンされて、デコーダ18からの電圧がオペア
ンプ222の−(マイナス)端子に与えられる。その後
に、スイッチ236がオンにされ(図15(a)参
照)、基準電位Vop2に対して入力電位を反転した出
力が出力端子から得られる。前述したように、出力回路
220に与えられる電圧は、階調データが大きくなるの
にしたがって徐々にその電圧値が減少するようになって
おり、その最大値はGMA9、その最小値はGMA1と
なっている。したがって、基準電位Vop(=1/2
(GMA9−GMA1)を基準電位として反転すること
により、図15の点線で示すような出力電圧を得ること
ができる。この出力電圧は、階調データが最小(00
(H))のときに最小値(GMA1)となり、階調データ
が増大するのにしたがって略リニアに増大し、階調デー
タが最大(3F(H))のときに最大値(GMA9)とな
る。
【0049】次に、正極性動作の場合につき説明を加え
る。この場合には、スイッチ90をアクティブにするた
めの制御信号が与えられスイッチ94がオンする。これ
により、階調データの非反転出力がラッチ回路96によ
りラッチされる。ラッチ回路96から出力された階調デ
ータの非反転出力は、レベルシフト回路14を経てデコ
ーダ18に伝達され、階調データの非反転出力に基づ
き、抵抗ラダー16からの電圧のうち所定のものが選択
され、出力回路220に与えられる。ここで、デコーダ
18には、階調データの非反転出力が与えられているた
め、デコーダ18により選択される電圧は、階調データ
が最小(たとえば00(H))のときには最小電圧値(G
MA1)となり、階調データが大きくなるのにしたがっ
て略リニアに増大し、階調データが最大(たとえば3F
(H))のときには最大電圧値(GMA9)となる(図1
4の破線参照)。
【0050】図15(b)は正極性動作の場合の出力回
路220の等価回路を示す図である。図15(b)から
明らかなように、出力回路220において、負極性動作
の際のリセット用スイッチ229、231はオフにされ
る。また、オペアンプ222のプラス入力をイマジナリ
ショートの状態にするためにスイッチ232がオン状態
となる。したがって、出力回路220は、電位Vop1
を基準電位とする反転増幅回路として機能する。正極性
動作の場合にも、まず、出力回路220内部の各ノード
が基準電位Vop1にて初期化される。より詳細には、
制御回路(図示せず)からの正逆制御信号により、スイ
ッチ228、230および234がオンされ、その一
方、スイッチ224および236がオフにされる。次い
で、スイッチ228、230および234がオフにされ
リセットが解除され、かつ、スイッチ224がオンされ
て、デコーダ18からの電圧がオペアンプ222の−
(マイナス)端子に与えられる。その後に、スイッチ2
36がオンにされ(図15(b)参照)、基準電位Vo
p1に対して入力電位を反転した出力が出力端子から得
られる。したがって、図14の破線にて示す入力電圧に
対して、一点鎖線にて示す出力電圧を得ることが可能と
なる。
【0051】上述したように、本実施の形態において
は、負極性動作および正極性動作の双方で、出力回路を
反転増幅回路として機能させている。たとえば、負極性
動作の場合には、抵抗ラダーの出力のダイナミックレン
ジの略中心に位置するVop2に基準電位を定め、当該
基準電位に対して入力電圧を反転した出力電圧を得てい
る。その一方、正極性動作の場合には、出力電圧のダイ
ナミックレンジの略中心に位置するVop1に基準電位
を定め、当該基準電位に対して入力電圧を反転した出力
電圧を得ている。したがって、本実施の形態によれば、
オフセットの存在を略無視することができるため、キャ
パシタ等の回路要素を特に高精度のものを用いることな
く、階調データにしたがった精度良い出力電圧を得るこ
とができる。
【0052】本発明は、以上の実施の形態に限定される
ことなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内
で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内
に包含されるものであることは言うまでもない。たとえ
ば、アナログ電源電圧およびディジタル電源電圧の電圧
値は、上記実施の形態のものに限定されず、したがっ
て、反転増幅回路において基準となる基準電位も、上記
アナログ電源電圧により変化する。また、階調データの
ビット数も、上記実施の形態のものに限定されないこと
は言うまでもない。また、本明細書において、手段とは
必ずしも物理的手段を意味するものではなく、さらに、
一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現
されても、若しくは、二つ以上の手段の機能が、一つの
物理的手段により実現されてもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、回路規模の縮小および
消費電力の低減を可能とするデータ線駆動回路を提供す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる
データ線駆動回路の一部の構成を示すブロックダイヤグ
ラムである。
【図2】 図2は、第1の実施の形態にかかるデータ線
駆動回路の全体を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】 図3は、第1の実施の形態において、負極性
動作の場合の出力回路の等価回路を示す図である。
【図4】 図4は、第1の実施の形態において、階調デ
ータと出力回路からの出力電圧との関係を示す図であ
る。
【図5】 図5は、第1の実施の形態において、正極性
動作の場合の出力回路の等価回路を示す図である。
【図6】 図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる
出力回路の構成を示す図である。
【図7】 図7は、第2の実施の形態において、負極性
動作の場合の出力回路の等価回路を示す図である。
【図8】 図8は、第2の実施の形態において、正極性
動作の場合の出力回路120の等価回路を示す図であ
る。
【図9】 図9は、第2の実施の形態にかかる出力回路
120をシミュレーションするための各スイッチの開閉
タイミングおよび出力電圧を示すタイミングチャートで
ある。
【図10】 図10は、上記タイミングチャートにした
がって、所定の入力電圧がそれぞれ与えられたときの、
非反転出力および反転出力の電圧値を示すグラフであ
る。
【図11】 図11は、オペアンプ自体がオフセット電
圧を持つ場合に、入力電圧と出力電圧との関係を示す図
である。
【図12】 図12は、本発明の第3の実施の形態にか
かるデータラッチの構成を示すブロックダイヤグラムで
ある。
【図13】 図13は、第3の実施の形態にかかる出力
回路の構成を示す図である。
【図14】 図14は、第3の実施の形態において、階
調データと出力回路からの出力電圧との関係を示す図で
ある。
【図15】 図15は、第3の実施の形態において、負
極性動作および正極性動作の場合の出力回路の等価回路
を示す図である。
【図16】 図16は、従来のデータ線駆動回路の一部
の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【符号の説明】
10 データ線駆動回路 12 データラッチ 14 レベルシフト回路 16 抵抗ラダー 18 デコーダ 20 出力回路 21 制御回路 22 オペアンプ 24、26、18、30、32、34、36半導体スイ
ッチ 38、40 キャパシタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 623 G09G 3/20 623E 641 641C Fターム(参考) 2H093 NA16 NA31 NA53 NC03 NC12 NC18 NC21 NC26 NC34 ND35 ND39 ND49 5C006 AA22 AC21 AF45 BB16 BC06 BF04 BF25 BF43 FA41 FA47 5C080 AA10 BB05 CC03 DD22 DD26 EE30 FF01 FF12 GG01 JJ02 JJ03 JJ05 KK01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス状に配置された複数の画素電
    極と対向電極との間に液晶が充填され、前記画素電極の
    各々が、その制御端子が対応するゲート線に接続された
    薄膜トランジスタを介して対応するデータ線に接続さ
    れ、かつ、前記対向電極には所定の対向電極電圧が印加
    され、前記ゲート線が活性化される毎に、前記画素電極
    に、前記データ線および薄膜トランジスタを経て、所定
    の表示階調に対応したレベルを有し、かつ、対向電極に
    対して相対的に正または負の極性を有する階調電圧が与
    えられ、これにより、画素電極と対向電極との間に充填
    された液晶が駆動される液晶ディスプレイにおいて、前
    記データ線に階調電圧を供給するデータ線駆動回路であ
    って、 予め与えられた前記負の極性にそれぞれ対応する複数の
    階調電圧のうち、所定のものを選択するデコーダ回路
    と、 負の極性の階調電圧を出力する際に、前記選択された階
    調電圧を前記データ線に与える一方、正の極性の階調電
    圧を出力する際に、対向電極電圧に対応するレベルに対
    して階調電圧を反転して、反転された電圧を前記データ
    線に与えるように構成された出力回路とを備えたことを
    特徴とするデータ線駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記出力回路が、二つの入力端子および
    一つの出力端子を有するオペアンプと、前記デコーダ回
    路から前記入力端子への入力を選択する入力選択スイッ
    チと、前記入力選択スイッチと前記入力端子のうちマイ
    ナス端子との間に介在する第1のキャパシタと、前記入
    力端子のうちプラス端子と前記対向電極電位と略等しい
    基準電位との接続を制御する正極性動作用スイッチと、
    前記入力端子のうちマイナス端子と出力端子との接続を
    制御する入出力短絡スイッチと、前記マイナス端子と出
    力端子との間に介在する第2のキャパシタとを有し、 前記負の極性の階調電圧を出力する際に、前記入力選択
    スイッチにより、前記デコーダ回路と前記プラス端子と
    を接続し、かつ、入出力短絡スイッチをオンする一方、
    前記正極性動作スイッチをオフにすることにより、前記
    出力回路をボルテージフォロア回路として機能させ、そ
    の一方、 前記正の極性の階調電圧を出力する際に、前記入力選択
    スイッチにより、前記デコーダ回路と前記マイナス端子
    とを接続し、かつ、正極性動作スイッチをオンする一
    方、前記入出力短絡スイッチをオフにすることにより、
    前記出力回路を反転出力回路として機能させることを特
    徴とする請求項1に記載のデータ線駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記出力回路が、さらに、前記出力端子
    からの出力のデータ線への伝達を制御する出力イネーブ
    ルスイッチと、前記第1のキャパシタの両端と、前記対
    向電極電圧と略等しい基準電位との接続をそれぞれ制御
    する2つのリセット用スイッチとを有し、 前記正の極性の階調電圧を出力する際に、出力イネーブ
    ルスイッチをオフにする一方、2つのリセットスイッチ
    および入出力短絡スイッチをオンすることにより、回路
    内の各ノードを基準電位とした後に、前記出力回路を反
    転出力回路として機能させることを特徴とする請求項2
    に記載のデータ線駆動回路。
  4. 【請求項4】 前記入力選択スイッチが、出力回路とプ
    ラス端子との接続を制御するプラス側入力イネーブルス
    イッチと、出力回路とマイナス端子との接続を制御する
    マイナス側入力イネーブルスイッチとからなり、 前記出力回路が、さらに、前記出力端子と、前記マイナ
    ス側入力イネーブルスイッチおよび前記第1のキャパシ
    タの間のノードとの接続を制御するオフセットキャンセ
    ル用スイッチを有し、 前記負の極性の階調電圧を出力する際に、プラス側入力
    イネーブルスイッチ、マイナス入力イネーブルスイッチ
    および前記入出力短絡スイッチをオンにして、前記第1
    のキャパシタによりオフセット電圧を測定した後に、前
    記マイナス側入力イネーブルスイッチおよび前記入出力
    短絡スイッチをオフにする一方、前記オフセットキャン
    セル用スイッチおよび出力イネーブルスイッチをオンに
    して、回路からの出力が、オフセット電圧をキャンセル
    した電圧となるように構成したことを特徴とする請求項
    2または3に記載のデータ線駆動回路。
  5. 【請求項5】 マトリクス状に配置された複数の画素電
    極と対向電極との間に液晶が充填され、前記画素電極の
    各々が、その制御端子が対応するゲート線に接続された
    薄膜トランジスタを介して対応するデータ線に接続さ
    れ、かつ、前記対向電極には所定の対向電極電圧が印加
    され、前記ゲート線が活性化される毎に、前記画素電極
    に、前記データ線および薄膜トランジスタを経て、所定
    の表示階調に対応したレベルを有し、かつ、対向電極に
    対して相対的に正または負の極性を有する階調電圧が与
    えられ、これにより、画素電極と対向電極との間に充填
    された液晶が駆動される液晶ディスプレイにおいて、前
    記データ線に階調電圧を供給するデータ線駆動回路であ
    って、 前記負の極性の階調電圧を出力する際に、所定の階調電
    圧を選択するための階調電圧選択データを反転して出力
    するデータ反転回路と、 あらかじめ与えられた負の極性にそれぞれ対応する複数
    の階調電圧から、所定のものを、前記階調電圧選択デー
    タ或いはその反転したデータに基づき選択するデコーダ
    回路と、 負の極性の階調電圧を出力する際に、前記デコーダ回路
    から出力される階調電圧のダイナミックレンジの略中央
    に位置するレベルに対して、前記選択された階調電圧を
    反転して、反転された電圧を前記データ線に与える一
    方、正の極性の階調電圧を出力する際に、対向電極電圧
    に対応するレベルに対して、前記選択された階調電圧を
    反転して、反転された電圧を前記データ線に与えるよう
    に構成された出力回路とを備えたことを特徴とするデー
    タ線駆動回路。
  6. 【請求項6】 前記出力回路が、二つの入力端子および
    一つの出力端子を有するオペアンプと、前記デコーダ回
    路からの信号線と前記入力端子のうちマイナス端子との
    間に介在する第1のキャパシタと、前記入力端子のうち
    プラス端子と前記対向電極電位と略等しい第1の基準電
    位との接続を制御する正極性動作用スイッチと、前記プ
    ラス端子と前記ダイナミックレンジの略中央に位置する
    電位と略等しい第2の基準電位との接続を制御する負極
    性動作用スイッチと、前記入力端子のうちマイナス端子
    と出力端子との間に介在する第2のキャパシタとを有
    し、 前記負の極性の階調電圧を出力する際に、前記負極性動
    作用スイッチをオンにする一方前記正極性動作用スイッ
    チをオフにすることにより、前記出力回路を前記第2の
    基準電位を基準とする反転出力回路として機能させ、そ
    の一方、 前記正の極性の階調電圧を出力する際に、前記正極性動
    作用スイッチをオンにする一方前記負極性動作用スイッ
    チをオフにすることにより、前記出力回路を前記第1の
    基準電位を基準とする反転出力回路として機能させるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のデータ線駆動回路。
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