JP4509648B2 - 摩擦撹拌接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦撹拌接合方法に係り、特に、板材等の板状部材と中空形材等の中空部材を重ね合わせ、その重ね合せ部分を摩擦撹拌接合する技術に関するものである。
近年、地球環境の保護や省エネルギーの観点から、自動車の排出する有害ガスや二酸化炭素の発生の抑止、燃費の向上等が、要求されている。そして、このような要求を満たすためには、自動車の軽量化が最も有効であり、ボディ部材や各種部品において、鋼材からアルミニウム合金材への転換が盛んに検討されている。
そして、アルミニウム合金材を用いる場合において、自動車ボディの構造としては、板プレス品を、抵抗スポット溶接や摩擦撹拌接合にて接合するモノコック構造が、主流となっている。しかし、アルミニウム合金は、押出性に優れているところから、押出成形によってパイプ状のフレーム材(形材)を得て、それをアーク溶接で組み立て、これに板材を接合せしめたスペースフレーム構造の自動車も、登場している。
ここで、そのようなスペースフレームに板材を接合するに際しては、パイプ状のフレーム材に鍔部を設けて、かかる鍔部に板材を重ね合わせ、その重ね合せ部分を接合する、重ね接合法が採用されている。この場合、接合手法としては、一般に、抵抗スポット溶接や機械的接合等が用いられるが、何れの手法も、被接合部である重合せ部分を挟持しなければならないところから、被接合材の形状には制限がある。このため、かかる手法では、フレーム材に鍔部が設けられていない場合に、フレーム材と板材とを重ね接合することが、非常に困難となるのである。
また、接合部を挟持する必要が無く、重ね合せ部分の一方の側の面から接合することが出来る手法として、AUDI A2(独国:アウディ社製乗用車)の製造に採用されるレーザ溶接法があるが、このレーザ溶接法にあっては、ポロシティや溶け落ちが生じ易く、また、母材表面の酸化被膜や油の影響を受けるため、接合状態が安定しないといった問題が内在している。
ところで、近年、摩擦熱を利用してアルミニウム合金材を突合せ接合する、摩擦撹拌接合法が、開発されている(特許文献1参照)。この摩擦撹拌接合法は、硬質の裏当て部材の上に、接合対象であるアルミニウム合金材等の軟質素材を突き合わせて拘束した状態において、該突合せ部に、ロッド形状の工具本体の先端にピン状の硬質プローブを固定した構造の工具本体を、高速回転させながら差し込み、該突合せ部に沿ってピンを相対的に移動せしめることにより、摩擦熱を発生せしめ、そしてその摩擦熱を利用して接合を実現する固相接合法であって、この接合法によれば、突き合わせたアルミニウム合金材同士を溶融させることなく接合することが出来、突合せ部の接合状態も非常に安定となる特徴が発揮される。このため、昨今においては、安定した接合状態を維持、確保し得る摩擦撹拌接合法を、被接合材の端部において行う突き合わせ接合だけでなく、重ね接合に採用することも、検討されてきている(例えば、特許文献2)。
そこで、本発明者等は、前述せる如き板材と中空構造のフレーム材とを、摩擦撹拌接合法にて重ね接合すべく、種々検討した。しかしながら、図9に示されるように、矩形筒状の押出形材1と板材2とを重ね合せて、押出形材1の幅方向の中央部位を接合する場合には、中空部3内に裏当て治具を配置することが困難であり、そのため、裏当て治具を用いないまま、板材2側から、摩擦撹拌接合工具の工具本体4から突出するプローブ5を差し込んで、摩擦撹拌接合を実施すると、接合時の荷重で、押出形材1の上面が内側(図9において、下側)に押されて座屈したり、或いは、図9に示されるように、摩擦撹拌されたメタルが、裏側には膨出乃至ははみ出したりする(図9中、A部)等して、接合部6にメタルが不足し、これにより、接合部6内部にポロシティ乃至は空洞が形成される等の、欠陥が惹起されるといった問題があった。
また、座屈を回避すべく、押出形材1の幅方向端部の側壁部位7に向かってプローブ5を差し込んで、摩擦撹拌接合を行う場合にあっても、図10に示されるように、摩擦撹拌されたメタルが、裏側のコーナー部に膨出したり、或いははみ出したりして、肉漏れが惹起され(図10中、B部)、接合部6に、メタル不足による欠陥が生じることが明らかとなった。
なお、本発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある。
特許第2712838号公報 特開10−286682号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、板状の第一の部材と、板状部と該板状部から垂下するように一体的に設けられた少なくとも一つのリブ部と有する第二の部材とを重ね合わせて、その重合せ部を摩擦撹拌接合法にて重ね接合する際に、上述せる如き座屈やメタル不足による欠陥の発生を有利に防止することの出来る摩擦撹拌接合方法を提供することにある。中でも、本発明は、特に、板材と中空構造の成形材とを、摩擦撹拌接合法にて、有利に重ね接合する技術を提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題を解決すべく完成されたものであって、その第一の態様とするところは、板状の第一の部材を、板状部と該板状部から垂下するように一体的に設けられた少なくとも一つのリブ部とを備えてなる構造の第二の部材の該板状部上に重ね合せ、その重合せ部に対して、摩擦撹拌接合工具の円柱状の工具本体の先端面から同軸的に突出するプローブを、該工具本体と共に回転させつつ、該第一の部材の外表面側から該第二の部材に達するように差し込み、更に該工具本体の先端面を該第一の部材の外表面に押圧することにより、かかる工具本体の先端面から該プローブの周りにおいて前記第一の部材及び前記第二の部材の板状部の塑性流動を惹起せしめ、該工具本体の先端面側においては幅が広く、該プローブの先端部に向かって漸次幅が狭くなって集束して、湾曲した円弧状の縁部を与える、前記第一の部材から前記第二の部材の板状部に至る摩擦攪拌接合部を形成して、それら第一の部材と第二の部材とを摩擦撹拌接合するに際して、前記プローブを、前記第一の部材を通じて、前記第二の部材の前記リブ部が配設された前記板状部の部位に差し込むようにする一方、該プローブの中心線を含む断面において、前記第一の部材の外表面と差し込まれた該プローブの中心線との交点(O)から該プローブの差し込み部位に形成される前記摩擦撹拌接合部の縁部(P)までの距離(r)と、該交点(O)から該摩擦撹拌接合部の縁部(P)を通って該第二の部材の前記リブ部の形成された側の外表面(Q)までの距離(D)が、該摩擦攪拌接合部の縁部のすべての点において、次式:D≧1.5rを満たすようにして、かかる摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする摩擦撹拌接合方法にある。
また、本発明に従う摩擦撹拌接合方法における望ましい第二の態様においては、前記第一の部材の厚み(t)と、前記第二の部材における前記板状部の厚み(Tu)及び前記リブ部の厚み(Tt)のうちの何れか薄い方の厚み(T)とが、次式:2.5t≦Tを満足するように、該第一の部材と該第二の部材とが組み合わされることとなる。
さらに、本発明に従う摩擦撹拌接合方法の第三の態様においては、前記第一の部材の厚み(t)と、前記第二の部材における前記板状部の厚み(Tu)及び前記リブ部の厚み(Tt)のうちの薄い方の厚み(T)とが、次式:T<2.5tを満たす場合において、前記第二の部材の前記リブ部の端部が、前記板状部の板面に近づくに連れて厚くなる末広がり形状とされる構成が、有利に採用される。
加えて、本発明の第四の態様においては、前記第二の部材として、前記プローブの差し込まれる部位に位置するリブ部の両側に前記板状部が延出するように形成されてなる構造のものが採用される。
また、本発明に従う摩擦撹拌接合方法の第五の態様では、前記第二の部材の前記板状部における、前記リブ部の設けられた側とは反対側の面に突設された凸部が形成され、この凸部に対して、前記プローブが、前記第一の部材を通じて差し込まれることとなる。
さらに、本発明に従う摩擦撹拌接合方法の第六の態様においては、前記第一の部材として板材が採用される一方、前記第二の部材として中空構造の成形材が採用される。
更にまた、本発明に従う摩擦撹拌接合方法の第七の態様においては、前記成形材として、矩形の押出形材が、有利に用いられることとなる。
そして、この本発明に従う摩擦撹拌接合方法における、先述した第一の態様によれば、先ず、板状の第一の部材を、板状部及びリブ部を有する第二の部材の板状部上に重ね合わせた後、従来から公知の摩擦撹拌接合工具の工具本体から突出するプローブを、工具本体と共に回転させながら、第一の部材を通じて、第二の部材のリブ部が配設された板状部の部位に差し込むようにしているところから、かかるリブ部が裏当て治具の役割を奏し、以て、座屈の発生が有利に防止され得ることとなる。
しかも、プローブの中心線を含む断面において、第一の部材の外表面に対する該プローブ先端の接点、換言すれば、第一の部材の外表面とプローブの中心線とが交わる点(O)から、プローブの差し込み部位の周りに形成される摩擦撹拌接合部の縁部(P)までの距離をrとする一方、O点を始点として、P点を通る直線と第二の部材の外表面とが交わる点(Q)までの距離をDとしたとき、式:D≧1.5rを満たすようにして摩擦撹拌接合が行なわれるようになっていることによって、格別の特徴が発揮されることとなるのである。つまり、かかる構成の採用により、摩擦撹拌接合によって形成される接合部領域と該接合部領域の周辺の特定の領域に、肉(材料)の無い空間部乃至は中空部が存在しないようにして、摩擦撹拌接合が行われるようになっているところから、接合部の裏側、特に、第二の部材の板状部とリブ部にて形成されるコーナー部に肉漏れが生ずるようなことも有利に防止され、これにて、接合部に、ボイド等の欠陥が発生するようなことも、効果的に防止され得るようになっているのである。なお、ここで、「摩擦撹拌接合部」とは、文字通り、摩擦撹拌接合操作によって形成される接合部であり、摩擦撹拌接合時に、可塑化され、塑性流動せしめられる部分であるところから、例えば、接合部近傍の断面を電子顕微鏡等で観察すれば、容易にその領域を視認することが出来る。
このように、本発明に係る第一の実施形態によれば、裏当て治具を用いなくとも、座屈の発生を防止することが出来ると共に、接合部でメタル不足が生ずるようなこともなく、健全な接合が有利に実現され得ることとなるのである。
また、本発明に従う摩擦撹拌接合方法の第二の態様によれば、上述せる如き条件式:D≧1.5rを有利に満足せしめることが可能となる特徴がある。
さらに、本発明に従う摩擦撹拌接合方法の第三の態様に従って、第一の部材の厚み(t)と、第二の部材における板状部の厚み(Tu)及びリブ部の厚み(Tt)のうちの薄い方の厚み(T)とが、前記第二の態様を満たさない場合、つまり、次式:T<2.5tを満たす場合、リブ部の端部を所定の末広がり形状と為すことによって、上述せる如き条件式:D≧1.5rを有利に満足せしめることが可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従って摩擦撹拌接合される、第一の部材である板材10と第二の部材である中空構造の押出形材12とが、板材10が上になるようにして、上下方向に重ね合わされた状態で、配置されている。なお、ここにおいて、上記した板材10及び押出形材12の材質としては、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金等の、摩擦撹拌接合が可能な公知の材料を挙げることが出来、それら材料が適宜に選択されて、用いられることとなる。そして、その中でも、特に、アルミニウム合金を採用する場合には、時効処理によって強度を高めることが可能な、Al−Cu−Mg系(2000系)、Al−Mg−Si系(6000系)、Al−Zn−Mg系(7000系)の熱処理型Al合金が、有利に用いられ得るのである。
より具体的には、押出形材12は、全体として矩形形状を呈するものであって、上下方向に所定の間隔をあけて平行に配置された所定厚さの二つの板状の上下板部14,16と、それら上下板部14,16の幅方向(図1中、左右方向)の端部同士を連結する所定厚さの二つの板状の側壁部18,20と、上下板部14,16に対して略垂直に設けられ、且つそれら上下板部14,16の幅方向中央部位において、上下板部14,16の向かい合わせ面間を連結する、所定厚さの板状のリブ部22を有して構成されており、かかるリブ部22によって、矩形形状の内部空間が二つに仕切られ、これにより、押出形材12は、図1に示されるように、日の字状の断面形状とされている。そして、そのような中空構造の押出形材12の上板部(板状部)14上に、該上板部14を覆うように、板材10が重ね合わされているのである。更に、それら板材10と押出形材12は、上下方向や水平方向等に相対的に移動することがないように、図示しない固定治具によって、固定、拘束されている。
また、そのような重ね合せ状態下、図1に示される実施形態においては、押出形材12の摩擦撹拌接合部位における厚みが、板材10の厚み:tよりも遥かに大きくなっている。具体的には、押出形材12においては、上板部14の厚み:Tuが、リブ部22の厚み:Ttよりも僅かに小さくされているのであるが、その薄い方の厚み:T(ここでは、Tu)が、式:2.5t≦Tを満たしている、つまり、板材10の厚み:tの2.5倍以上の厚みとされている。
一方、本発明に従う摩擦撹拌接合操作に用いられる摩擦撹拌接合工具は、従来と同様な構造のものであり、図1に示される摩擦撹拌接合工具24は、図示しない駆動装置により軸周りに高速回転せしめられると共に、被接合部である板材10と押出形材12の重合せ部に近接及び離間する方向(上下方向)に移動可能とされた工具本体26を有して、構成されている。また、かかる工具本体26は、全体としてロッド形状を呈しており、その円形状の先端面(ショルダ面)28の中心部には、所定長さにおいて下方に突出するピン形状のプローブ30が同心的に設けられている。また、かかるプローブ30と工具本体26の先端面28は、少なくとも、接合されるべき板材10や押出形材12よりも硬質の材料にて形成されており、これにて、それらプローブ30と先端面28の損耗が防止されるようになっている。
そして、かかる摩擦撹拌接合工具24を用いて、上記した板材10と押出形材12の重ね合せ部を接合するには、先ず、摩擦撹拌接合工具24の工具本体26から突出するプローブ30を、工具本体26と共に一体的に高速回転させつつ、図1に示されるように、押出形材12のリブ部22の配設部位に向かって、下方に移動させることにより、工具本体26のプローブ30を板材10の外表面(上面)11側から押し付けて、工具本体26の先端面28が、板材10の外表面11に当接するまで、プローブ30を差し込むようにするのである。これにより、プローブ30が、図2に拡大して示されるように、板材10を厚さ方向に貫通して、押出形材12のリブ部22が配設された上板部14の部位に差し込まれることとなる。
このような操作によって、高速回転せしめられるプローブ30と板材10及び押出形材12の上板部14との接触部、及び、高速回転せしめられる工具本体26の先端面28とかかる先端面28によって押圧される板材10との接触部において、摩擦熱が発生させられて、その周囲が可塑化され、塑性流動せしめられる一方、プローブ30の高速回転に伴う撹拌作用にて、重ね合わされた板材10と押出形材12の組織が入り交じり合わされ、そして、ここでは、プローブ30及び工具本体26を、それら板材10と押出形材12の接合方向であるリブ部22の延出方向(図2中、紙面に垂直な方向)に相対的に移動させるようになっていることにより、プローブ30の差し込まれた部位において、板材10と押出形材12とが線接合形態において重ね接合されるのである。
ここで、本実施形態にあっては、かくの如き摩擦撹拌接合操作に際して、図2に示される如く、プローブ30の中心線:イを含み、接合方向と交差する断面(図2では、直交する断面)において、板材10の外表面11に対するプローブ30の先端部の接点、換言すれば、板材10の外表面11とプローブ30の中心線:イとの交点を、Oとし、また、プローブ30の差し込み部位に形成される摩擦撹拌接合部32(図2において、クロス線で示される領域)の縁部の任意の点を、Px(なお、xは、摩擦撹拌接合部32の縁部の任意の点を識別するための数字又は記号であり、図2には、任意の4つの点P1 ,P2 ,P3 ,P4 が示されている。)とし、更に、それら2点、O及びPxを通る直線:axと押出形材12のリブ部22が形成された側の表面13との交点を、Qxとしたとき、点O−点Px間の距離:rxと点O−点Qx間の距離:Dx(図2においては、D4 のみが表示されている)が、次の関係式:Dx≧1.5rxを満足するように、より好ましくは、Dx≧1.8rx、更に好ましくはDx≧2rxを満足するようにして、摩擦撹拌接合が行われるようになっているのである。なお、かかる関係式中のDxは、板材10の厚みと押出形材12の上板部14やリブ部22の厚みを予め求めておけば、前記プローブ30の先端部の接点:Pの位置に基づいて、計算にて求めることが出来、また、rxは、摩擦撹拌接合後にその接合部32を切断して、その切断面を観察することによって、求めることが出来る。
つまり、図2においては、点Oからの距離が1.5rx、1.8rx及び2rxである部位が、それぞれ、2点鎖線で示されているのであるが、かかる2点鎖線で囲われた領域内のうち、少なくとも1.5rxの領域内に、好ましくは1.8rxの領域内に、更に好ましくは2rxの領域内に、点Qxが位置しないようにして、換言すれば、肉(材料)の無い空間部乃至は中空部が存在しないように、摩擦撹拌接合が行われる。
このように、摩擦撹拌接合によって形成される接合部32の領域とかかる接合部32の領域の周辺の特定の領域に空間部が存在しないようにして、摩擦撹拌接合が行われるところから、接合部32の裏側、特に、押出形材12の上板部14とリブ部22にて形成されるコーナー部34が膨出する等して、肉漏れが惹起されるようなことが、有利に防止され得るようになっているのである。そして、これによって、接合部32に、ポロシティや空洞、ボイド等の欠陥が発生するようなことも、効果的に抑制乃至は防止され得ることとなるのである。しかも、摩擦撹拌接合工具24の工具本体26から突出するプローブ30を、板材10を通じて、押出形材12のリブ部22が配設された上板部14の部位に差し込んでいるところから、かかるリブ部22が裏当て治具の如く作用するようになる。このため、本実施形態にあっては、裏当て治具を用いなくても、座屈の発生を有利に防止しつつ、健全な接合部32を形成することが出来るようになっているのである。
なお、上記の式:Dx≧1.5rxを満たさない状況下で摩擦撹拌接合する場合には、摩擦撹拌されたメタルが、裏側のコーナー部34に膨出したり、はみ出したりする等して、接合部32にメタル不足が生じ、これにより、接合部32内部にポロシティや空洞が形成される等、欠陥が生じることとなる。ここにおいて、rxの大きさ、換言すれば摩擦撹拌接合部32の大きさは、摩擦撹拌接合工具24の工具本体26の先端面28の大きさやプローブ30の長さ、被接合材の材質等によって異なるものの、本実施形態においては、押出形材12のリブ部22の上端部において、その左右方向両側に押出形材12の板状部(14)が延出するように形成されていると共に、板材10の厚み:tと、押出形材12における上板部14の厚み:Tu及びリブ部22の厚み:Ttのうちの何れか薄い方の厚み:Tとが、式:2.5t≦Tを満足しているところから、上述せる如きDxとrxの条件式を、極めて有利に満足することが出来るようになっているのである。
ところで、本発明は、上記した実施形態のものに限定して解釈されるものでは決してなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、各種の変形を加えることが可能であり、その別の実施形態が、図3乃至図8に示されている。なお、それら図3乃至図8において、上記実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、図中、それぞれ、上述の実施形態と同一の符号を付与することにより、その詳細な説明を省略する。
すなわち、先ず、図3には、上記の実施形態と同様に、本発明に従って摩擦撹拌接合される、第一の部材である板材10と第二の部材である略日の字状の断面形状を有する押出形材36とが、板材10が上になるように、上下方向に重ね合わされた状態で、示されているのであるが、本実施形態では、かかる重ね合せ状態下、板材10の厚み:tと、押出形材36における上板部14の厚み:Tu及びリブ部40の厚み:Ttのうちの何れか薄い方の厚み:Tとが、上述せる条件式:2.5t≦Tを満足しておらず、具体的には、上板部14もリブ部40も、板材10と同程度の厚みとされており、T<2.5tとなっている。
しかしながら、本実施形態においては、摩擦撹拌接合工具24のプローブ30が差し込まれる部位に位置する押出形材36のリブ部40の上端部が、上板部(板状部)14の板面に近づくに連れて厚くなる末広がり形状とされており、これにより、押出形材36のリブ部40と上板部14にて形成される角部42,42に、あたかも、肉盛りが施された形態となって、角部42,42が充分な厚さを与える形態となっているのである。
そして、図3に示されるように、位置固定的に重ね合わせた板材10と押出形材36に向かって、摩擦撹拌接合工具24の工具本体26から突出するプローブ30を、工具本体26と共に一体的に高速回転させつつ、下方に移動させることにより、工具本体26のプローブ30を板材10の外表面11側から押し付け、図4に拡大して示されるように、プローブ30を、板材10を通じて、押出形材36のリブ部40が配設された上板部14の部位に差し込み、そしてリブ部40の延出方向に相対的に移動せしめることにより、板材10と押出形材36とが摩擦撹拌接合されることとなる。
この摩擦撹拌接合操作に際しても、本発明に従って、上記実施形態と同様に、プローブ30の中心線:イを含み、接合方向と交差する方向の断面において、点O−点Px間の距離:rxと点O−点Qx間の距離:Dxが、式:Dx≧1.5rxを満足するように、より好ましくは、Dx≧1.8rx、更に好ましくはDx≧2rxを満足するように、摩擦撹拌接合が行われるようになっているのである。これにより、接合部32にメタル不足が惹起されるようなことが有利に防止され得ると共に、リブ部40が裏当て治具の如く作用して、座屈の発生が効果的に抑制乃至は防止され得、以て、健全な接合部32が得られることとなる。
特に、本実施形態においては、押出形材36のリブ部40の上端部において、その左右方向両側に押出形材36の板状部(14)が延出するように形成されていると共に、プローブ30の差し込まれる部位に位置するリブ部40の上端部が、上板部14に向かって厚肉となる末広がり形状とされているところから、接合部32近傍に肉(材料)が充分に存在して、上述せる如きDxとrxの条件式を満足することが出来るようになっているのである。
また、図5には、更に別の実施形態が示されているのであるが、ここでは、第一の部材として、板材10が用いられる一方、第二の部材として、断面矩形形状の中空部43を有する押出形材44が用いられ、かかる押出形材44の上に、板材10が位置固定的に重ね合わされている。
より具体的に、押出形材44は、上下板部46,48及び左右側壁部50,52の4つの板状部を有して構成されており、かかる4つの板状部で囲まれた部分が、矩形柱状の中空部43とされている。また、板材10に重ね合わされる上板部46の一方の端部は、左側壁部50より外方に突出し、フランジ部54を形成している。
また、本実施形態では、押出形材44を構成する板状部の厚みが、何れも、板材10の厚み:tの2.5倍以上とされている。このため、板材10の厚み:tと、かかる板材10に接する押出形材44における上板部46の厚み:Tu及びリブ状の左側壁部50の厚み:Ttのうちの何れか薄い方の厚み:Tとが、上述せる条件式:2.5t≦Tを満たしているのである。
そして、重ね合わされた板材10と押出形材44を摩擦撹拌接合するには、図5に示されるように、フランジ部54が形成された側の左側壁部(リブ部)50に向かって、摩擦撹拌接合工具24の工具本体26から突出するプローブ30を、工具本体26と共に一体的に高速回転させつつ、下方に移動させることにより、工具本体26のプローブ30を板材10の外表面11側から押し付け、プローブ30を、板材10を通じて、押出形材44の左側壁部50が配設された上板部46の部位に差し込み、そして左側壁部50の長さ方向(図5中、紙面に垂直な方向)に相対的に移動せしめることにより、板材10と押出形材44とを摩擦撹拌接合せしめるのである。この摩擦撹拌接合操作に際しても、図示はしないものの、本発明に従って、上記実施形態と同様に、上述せる如き式:Dx≧1.5rxを満足するように、より好ましくは、Dx≧1.8rx、更に好ましくはDx≧2rxを満足するように、摩擦撹拌接合が行われることとなる。
なお、本実施形態においては、フランジ部54が形成されているところから、押出形材44の左側壁部50の上端部において、その左右方向両側に押出形材44の板状部(46)が延出するように形成されていると共に、板材10の厚み:tと、押出形材44における上板部46の厚み:Tu及び左側壁部50の厚み:Ttのうちの何れか薄い方の厚み:Tとが、式:2.5t≦Tを満足しているところから、上述せる如きDxとrxの条件式を、極めて有利に満足することが出来るようになっている。
その結果、接合部にメタル不足による欠陥が惹起されるようなことが有利に防止され得ると共に、左側壁部50が裏当て治具の如く作用して、座屈の発生が効果的に防止され、以て、健全な接合部が得られるのである。
また、図6には、図5に示される実施形態と同様に、フランジ部54を有する矩形形状の押出形材56(第二の部材)を、板材10(第一の部材)と接合する場合の具体例が示されているのであるが、ここでは、押出形材56を構成する板状部の厚みが、何れも、板材10の厚み:tと略同程度とされており、それ故、板材10の厚み:tと、かかる板材10に接する押出形材56における上板部46の厚み:Tu及びリブ状の左側壁部58の厚み:Ttのうちの何れか薄い方の厚み:Tとが、T<2.5tの関係式を満たす形態となっている。
このため、本実施形態においては、図3及び図4に示される実施形態と同様に、摩擦撹拌接合工具24のプローブ30が差し込まれる部位に位置する押出形材56の左側壁部58の上端部が、上板部46の板面に近づくに連れて厚くなる末広がり形状とされているのである。即ち、ここでは、左側壁部58の表面59と上板部14の下面47にて形成される角部60,60が、肉盛りされて、湾曲面形状の隅部となっているのであり、かかる左側壁部58と上板部46との連結部位において、押出形材56が厚肉となっている。
そして、重ね合わされた板材10と押出形材56を摩擦撹拌接合するには、図6に示されるように、フランジ部54が形成された側の左側壁部58に向かって、摩擦撹拌接合工具24の工具本体26から突出するプローブ30を、工具本体26と共に一体的に高速回転させつつ、下方に移動させることにより、工具本体26のプローブ30を板材10の外表面11側から押し付け、プローブ30を、板材10を通じて、押出形材44の左側壁部50が配設された上板部46の部位に差し込み、そして側壁部50の長さ方向(図5中、紙面に垂直な方向)に相対的に移動せしめることにより、板材10と押出形材44とを摩擦撹拌接合せしめるのである。
このような摩擦撹拌接合操作に際しても、図示はしないものの、本発明に従って、上記実施形態と同様に、上述せる如き式:Dx≧1.5rxを満足するように、より好ましくは、Dx≧1.8rx、更に好ましくはDx≧2rxを満足するように、摩擦撹拌接合が行われることとなる。なお、本実施形態においては、フランジ部54が形成されていることにより、押出形材56の左側壁部58の上端部において、その左右方向両側に押出形材56の板状部(46)が延出するように形成されていると共に、プローブ30の差し込まれる部位に位置する左側壁部58の上端部が、上板部46の板面に向かって湾曲面状に厚肉となる末広がり形状とされているところから、上述せる如きDxとrxの条件式を有利に満足できるようになっている。
従って、上述せる如き実施形態と同様に、接合部にメタル不足による欠陥が惹起されるようなことが有利に防止され得ると共に、側壁部58が裏当て治具の如く作用して、座屈の発生が効果的に防止され、以て、健全な接合部が得られることとなる。
また、図7及び図8には、更に別の実施形態が示されており、ここでも、第一の部材として、板材10が用いられていると共に、第二の部材として、中空構造の押出形材62が用いられているのであるが、本実施形態では、かかる押出形材62として、上板部64の上面65に、上方に向かって突出する凸部66が一体的に設けられたものが採用されているところが、先の実施形態のものとは異なっている。
より具体的には、かかる押出形材62は、図1に示される押出形材12と同様に、上下板部64,16、側壁部18,20及びリブ部22を有して構成されており、その横断面は、上下板部64,16及び側壁部18,20の四つの板状部にて囲われた矩形柱状の中空部が上板部64の下面63から下板部16に向かって直角に垂下するように一体的に設けられた板状のリブ部22にて左右に二分割されることによって、略日の字状とされている。また、上板部64における、リブ部22が形成された部位の上側の部位には、図7に示されるように、所定幅の横断面台形状の凸部(凸条)66が、かかるリブ部22の延出方向(図7中、紙面に垂直な方向)に沿って一体的に設けられており、この凸部66の存在にて、リブ部22が配設された上板部64の部位が、厚肉となっている。
そして、本実施形態においては、かかる押出形材62の凸部66上に、板材10が重ね合わされており、また、その位置固定的に重ね合わせた板材10と押出形材62とを接合するに際しては、図7に示されるように、押出形材62のリブ部22形成部位に向かって、摩擦撹拌接合工具24の工具本体26から突出するプローブ30を、工具本体26と共に一体的に高速回転させつつ、下方に移動させることにより、工具本体26のプローブ30を板材10の外表面11側から押し付け、図8に拡大して示されるように、プローブ30を、板材10を通じて、押出形材62のリブ部22が配設された上板部64の凸部66に差し込み、更に図8に示される形態において、リブ部22の延出方向に相対的に移動せしめることにより、板材10と押出形材62とが摩擦撹拌接合されるようになっている。
このような摩擦撹拌接合操作に際しても、図8に示される如く、本発明に従って、プローブ30の中心線:イを含み、接合方向と交差する方向の断面において、点O−点Px間の距離:rxと点O−点Qx間の距離:Dxが、式:Dx≧1.5rxを満足するように、より好ましくは、Dx≧1.8rx、更に好ましくはDx≧2rxを満足するように、摩擦撹拌接合が行われる。なお、本実施形態においては、押出形材62の上板部64の上面65に凸部66が設けられているところから、上板部64の上面65と板材10の下面との間に空間部68が形成されることとなる。従って、本実施形態においては、かかる空間部68も、図8において二点鎖線で囲まれる特定の領域内に入り込まないように、摩擦撹拌接合が行われるのである。つまり、点O及び点Pxを通る直線:axと押出形材62の凸部66の側面70との交点を、Rxとしたとき、点O−点Px間の距離:rxと点O−点Rx間の距離:D'x も、次の関係式:D'x ≧1.5rxを満足するように、より好ましくは、D'x ≧1.8rx、更に好ましくはD'x ≧2rxを満足するようにして、摩擦撹拌接合が行われるようになっているのである。
これにより、例え、板材10の厚み:tと、押出形材62における上板部64の厚み:Tu及びリブ部22の厚み:Ttのうちの何れか薄い方の厚み:Tとが、T<2.5tを満たしていても、接合部32にメタル不足による欠陥が惹起されるようなことが有利に防止され得ると共に、リブ部22が裏当て治具の如く作用して、座屈の発生が効果的に防止され、以て、健全な接合部が形成される。
かくして、上述せる如き各種実施形態からも明らかな如く、摩擦撹拌接合工具24のプローブ30を、第一の部材(板材10)を通じて、第二の部材(押出形材12,36,44,56,62)のリブ部22,40や側壁部50,58等の支柱部に向かって差し込むようにすると共に、摩擦撹拌接合によって形成される摩擦撹拌接合部とかかる接合部周囲の特定の領域に、肉(材料)の無い空間部乃至は中空部が存在しないようにして、摩擦撹拌接合を行うようにすると、座屈やメタル不足による欠陥の発生を効果的に防止することが出来るのである。従って、本発明によれば、板材に対して、裏当て治具の設置が困難な中空構造の成形材を、極めて有利に重ね接合することが出来るといった利点が得られることとなる。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、上記の実施形態では、第一の部材として、板材が用いられていたが、第一の部材の形状としては、板材に何等限定されるものではなく、接合される部位が、それぞれ、板状乃至は面板状である限りにおいて、何れも採用可能である。また、第二の部材にあっても、上例では中空構造の成形材である矩形の押出形材が用いられていたが、板状部と、その板状部に対して垂直に延びるように一体的に設けられたリブ部乃至は壁部を少なくとも一つ備えた構造のものであれば、何れも採用することが出来る。
また、上例では、摩擦撹拌接合工具24のプローブ30を、第一の部材(板材10)を通じて、リブ部22,40や側壁部50,58が配設された上板部14,46,64の部位に差し込んだ後、リブ部22,40や側壁部50,58の延出方向に相対的に移動せしめることにより、二つの部材を線状に摩擦撹拌接合するようにしていたが、プローブ30を相対的に移動せしめることなく、そのまま抜いて、点接合することも可能であり、この場合にも、座屈の発生が有利に防止され得ると共に、摩擦撹拌されたメタルが裏側に膨出したり、はみ出したりするようなことが有利に抑制され得ることとなるのである。
また、上例においては、第一の部材と第二の部材が上下方向に重ね合わされていたが、それらを水平方向に重ね合わせることも勿論、可能である。
さらに、摩擦撹拌接合工具24の工具本体26や先端面28、プローブ30の形状も、上例の形状に何等限定されるものではなく、公知の各種の形状が何れも採用され得ることは、言うまでもないところである。
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様のものが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
なお、下記実施例及び比較例では、摩擦撹拌接合工具として、プローブ直径:4mm、プローブ長さ:1.5mmのプローブが、回転工具本体の先端部に同心的に設けられた、回転工具の肩径:12mmであるものを用いると共に、回転数:1500rpm、接合速度(接合時の移動速度):500mm/分の条件の下に、摩擦撹拌接合を行なった。
<実施例1>
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図1に示される如き断面日の字状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:3mm、左・右側壁部:3mm、下板部:3mm、リブ部:3mmであった。そして、それら板材と押出形材を、図1に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、中柱状のリブ部形成部位に向かって差し込み、更に、リブ部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥が何等惹起されることはなく、強固な接合状態が得られた。また、図2に示される如き切断面において、接合部を観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
<実施例2>
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図3に示されるように、断面が略日の字状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:2mm、左・右側壁部:2mm、下板部:2mm、リブ部:2mmであり、かかるリブ部の上端は上板部に向かって45°程度の角度で厚肉となり、最大厚みは:6mmであった。そして、それら板材と押出形材とを、図3に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、中柱状のリブ部形成部位に向かって差し込み、更に、リブ部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥がなく、強固な接合状態が得られた。また、図4に示される如き切断面において、接合部を観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
<実施例3>
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図5に示される如き形状(フランジ部付き角パイプ形状)の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:3mm、左・右側壁部:3mm、下板部:3mm、フランジ部(上板部)の突出長さ:3mmであった。そして、それら板材と押出形材とを、図5に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、左側壁部の形成部位に向かって差し込み、更に、左側壁部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥が惹起されることなく、強固な接合状態が得られた。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
<実施例4>
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図6に示される如き形状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:2mm、左・右側壁部:3mm、下板部:2mm、フランジ部(上板部)の突出長さ:2mmであり、左側壁部の上端は上板部に向かって湾曲状に厚肉となり、上板部と左側壁部にて形成される角部の肉盛り部には、5mmのRが付いていた。そして、それら板材と押出形材とを、図6に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、左側壁部の形成部位に向かって差し込み、更に、左側壁部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥が惹起されることなく、強固な接合状態が得られた。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
<実施例5>
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図7に示される如き形状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:2mm、左・右側壁部:2mm、下板部:2mm、リブ部:3mmであり、また、上板部の上面に長さ方向に亘って延出するように設けられた凸部は、上底:20mm、下底:24mm、高さ:2mmの台形状断面を有していた。そして、それら板材と押出形材とを、図7に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、リブ部形成部位に向かって差し込み、更に、リブ部乃至は凸部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥が惹起されることなく、強固な接合状態が得られた。また、図8に示される如き切断面において、接合部を観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
<比較例1>
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図9に示される如き断面矩形状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:1.8mm、左・右側壁部:2mm、下板部:2mmであった。そして、それら板材と押出形材とを、図9に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、左右側壁部間の中間に位置する部位に向かって差し込み、更に、押出形材の長手方向に移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、裏当て治具を使用しなかったため、摩擦撹拌されたメタルが裏側にはみ出して、接合部にメタル不足による欠陥が発生すると共に、上板部が下方に押されて座屈した。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dx/rxの最小値は1.4となった。なお、かかるDxには、裏側にはみ出したメタルの厚みは含まれていない。
また、同じ板材と押出形材とを、図10に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、押出形材の左壁部に向かって差し込み、更に、左側壁部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、摩擦撹拌されたメタルが左側壁部のサイドにはみ出して、接合部にメタル不足による欠陥が発生した。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dx/rxの最小値は1.4となった。なお、かかるDxには、はみ出したメタルの厚みは含まれていない。
<比較例2>
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図1に示される如き断面日の字状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:1.8mm、左・右側壁部:2mm、下板部:2mm、リブ部:2mmであった。そして、それら板材と押出形材とを、図1に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、中柱状のリブ部形成部位に向かって差し込み、更に、リブ部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、リブ部の上で摩擦撹拌接合を行なっても、押出形材の裏側が膨出して変形すると共に、接合部ではメタル不足となって欠陥が生じた。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dx/rxの最小値は1.4となった。なお、かかるDxには、膨出したメタルの厚みは含まれていない。
本発明に従って、第一の部材たる板材と第二の部材たる押出形材を摩擦撹拌接合する工程の一例を示す、押出形材の長手方向(接合方向)に対して直交する方向の断面説明図であって、重ね合わされた二つの部材に対して、摩擦撹拌接合工具のプローブを差し込む前の状態を示している。 本発明に従って、重ね合わされた二つの部材を摩擦撹拌接合する、図1に続く工程を示す、接合方向に対して直交する方向の断面説明図であって、摩擦撹拌接合工具のプローブが差し込まれた状態を示している。 本発明に従って、第一の部材たる板材と第二の部材たる押出形材を摩擦撹拌接合する工程の別の一例を示す、押出形材の長手方向(接合方向)に対して直交する方向の断面説明図であって、重ね合わされた二つの部材に対して、摩擦撹拌接合工具のプローブを差し込む前の状態を示している。 本発明に従って、重ね合わされた二つの部材を摩擦撹拌接合する、図3に続く工程を示す、接合方向に対して直交する方向の断面説明図であって、摩擦撹拌接合工具のプローブが差し込まれた状態を示している。 本発明に従って、第一の部材たる板材と第二の部材たる押出形材を摩擦撹拌接合する工程の更に別の一例を示す、図1と同様な断面説明図であって、重ね合わされた二つの部材に対して、摩擦撹拌接合工具のプローブを差し込む前の状態を示している。 本発明に従って、第一の部材たる板材と第二の部材たる押出形材を摩擦撹拌接合する工程の他の一例を示す、図1と同様な断面説明図であって、重ね合わされた二つの部材に対して、摩擦撹拌接合工具のプローブを差し込む前の状態を示している。 本発明に従って、第一の部材たる板材と第二の部材たる押出形材を摩擦撹拌接合する工程の別の一例を示す、図1と同様な断面説明図であって、重ね合わされた二つの部材に対して、摩擦撹拌接合工具のプローブを差し込む前の状態を示している。 本発明に従って、重ね合わされた二つの部材を摩擦撹拌接合する、図7に続く工程を示す、図2と同様な断面説明図であって、摩擦撹拌接合工具のプローブが差し込まれた状態を示している。 従来の摩擦撹拌接合手法に従って、板材と押出形材とを摩擦撹拌接合する工程の一例を示す断面説明図である。 従来の摩擦撹拌接合手法に従って、板材と押出形材とを摩擦撹拌接合する工程の他の一例を示す断面説明図である。
符号の説明
10 板材
12,36,44,56,62 押出形材
14,46,64 上板部 16,48 下板部
22,40 リブ部 24 摩擦撹拌接合工具
26 工具本体 28 先端面
30 プローブ 32 摩擦撹拌接合部
34 コーナー部 38,43 中空部
42,60 角部 50,58 左側壁部
54 フランジ部 66 凸部
68 空間部

Claims (7)

  1. 板状の第一の部材を、板状部と該板状部から垂下するように一体的に設けられた少なくとも一つのリブ部とを備えてなる構造の第二の部材の該板状部上に重ね合せ、その重合せ部に対して、摩擦撹拌接合工具の円柱状の工具本体の先端面から同軸的に突出するプローブを、該工具本体と共に回転させつつ、該第一の部材の外表面側から該第二の部材に達するように差し込み、更に該工具本体の先端面を該第一の部材の外表面に押圧することにより、かかる工具本体の先端面から該プローブの周りにおいて前記第一の部材及び前記第二の部材の板状部の塑性流動を惹起せしめ、該工具本体の先端面側においては幅が広く、該プローブの先端部に向かって漸次幅が狭くなって集束して、湾曲した円弧状の縁部を与える、前記第一の部材から前記第二の部材の板状部に至る摩擦攪拌接合部を形成して、それら第一の部材と第二の部材とを摩擦撹拌接合するに際して、
    前記プローブを、前記第一の部材を通じて、前記第二の部材の前記リブ部が配設された前記板状部の部位に差し込むようにする一方、該プローブの中心線を含む断面において、前記第一の部材の外表面と差し込まれた該プローブの中心線との交点(O)から該プローブの差し込み部位に形成される前記摩擦撹拌接合部の縁部(P)までの距離(r)と、該交点(O)から該摩擦撹拌接合部の縁部(P)を通って該第二の部材の前記リブ部の形成された側の外表面(Q)までの距離(D)が、該摩擦攪拌接合部の縁部のすべての点において、次式:D≧1.5rを満たすようにして、かかる摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
  2. 前記第一の部材の厚み(t)と、前記第二の部材における前記板状部の厚み(Tu)及び前記リブ部の厚み(Tt)のうちの何れか薄い方の厚み(T)とが、次式:2.5t≦Tを満足するように、該第一の部材と該第二の部材とが組み合わされている請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
  3. 前記第一の部材の厚み(t)と、前記第二の部材における前記板状部の厚み(Tu)及び前記リブ部の厚み(Tt)のうちの薄い方の厚み(T)とが、次式:T<2.5tを満たす場合において、前記第二の部材の前記リブ部の端部が、前記板状部の板面に近づくに連れて厚くなる末広がり形状とされている請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
  4. 前記第二の部材が、前記プローブの差し込まれる部位に位置するリブ部の両側に前記板状部が延出するように形成されてなる構造とされている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の摩擦撹拌接合方法。
  5. 前記第二の部材の前記板状部における、前記リブ部の設けられた側とは反対側の面に突設された凸部が形成され、この凸部に対して、前記プローブが、前記第一の部材を通じて差し込まれる請求項1乃至請求項4の何れかに記載の摩擦撹拌接合方法。
  6. 前記第一の部材が板材である一方、前記第二の部材が中空構造の成形材である請求項1乃至請求項5の何れかに記載の摩擦撹拌接合方法。
  7. 前記成形材が、矩形の押出形材である請求項6に記載の摩擦撹拌接合方法。
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