JP2005329453A - 摩擦撹拌接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 摩擦撹拌接合工具24の工具本体26から突出するプローブ30を、工具本体26と共に回転させながら、第一の部材10を通じて、第二の部材12のリブ部22が配設された板状部14の部位に差し込むようにすると共に、摩擦撹拌接合によって形成される接合部領域32と該接合部領域の周辺の特定の領域に、肉(材料)の無い空間部乃至は中空部が存在しないようにして、摩擦撹拌接合を行うようにした。
【選択図】 図 2
Description
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図1に示される如き断面日の字状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:3mm、左・右側壁部:3mm、下板部:3mm、リブ部:3mmであった。そして、それら板材と押出形材を、図1に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、中柱状のリブ部形成部位に向かって差し込み、更に、リブ部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥が何等惹起されることはなく、強固な接合状態が得られた。また、図2に示される如き切断面において、接合部を観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図3に示されるように、断面が略日の字状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:2mm、左・右側壁部:2mm、下板部:2mm、リブ部:2mmであり、かかるリブ部の上端は上板部に向かって45°程度の角度で厚肉となり、最大厚みは:6mmであった。そして、それら板材と押出形材とを、図3に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、中柱状のリブ部形成部位に向かって差し込み、更に、リブ部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥がなく、強固な接合状態が得られた。また、図4に示される如き切断面において、接合部を観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図5に示される如き形状(フランジ部付き角パイプ形状)の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:3mm、左・右側壁部:3mm、下板部:3mm、フランジ部(上板部)の突出長さ:3mmであった。そして、それら板材と押出形材とを、図5に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、左側壁部の形成部位に向かって差し込み、更に、左側壁部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥が惹起されることなく、強固な接合状態が得られた。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図6に示される如き形状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:2mm、左・右側壁部:3mm、下板部:2mm、フランジ部(上板部)の突出長さ:2mmであり、左側壁部の上端は上板部に向かって湾曲状に厚肉となり、上板部と左側壁部にて形成される角部の肉盛り部には、5mmのRが付いていた。そして、それら板材と押出形材とを、図6に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、左側壁部の形成部位に向かって差し込み、更に、左側壁部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥が惹起されることなく、強固な接合状態が得られた。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図7に示される如き形状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:2mm、左・右側壁部:2mm、下板部:2mm、リブ部:3mmであり、また、上板部の上面に長さ方向に亘って延出するように設けられた凸部は、上底:20mm、下底:24mm、高さ:2mmの台形状断面を有していた。そして、それら板材と押出形材とを、図7に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、リブ部形成部位に向かって差し込み、更に、リブ部乃至は凸部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、得られた接合材には、座屈や欠陥が惹起されることなく、強固な接合状態が得られた。また、図8に示される如き切断面において、接合部を観察したところ、Dxは何れもrxの2倍以上であった。
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図9に示される如き断面矩形状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:1.8mm、左・右側壁部:2mm、下板部:2mmであった。そして、それら板材と押出形材とを、図9に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、左右側壁部間の中間に位置する部位に向かって差し込み、更に、押出形材の長手方向に移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、裏当て治具を使用しなかったため、摩擦撹拌されたメタルが裏側にはみ出して、接合部にメタル不足による欠陥が発生すると共に、上板部が下方に押されて座屈した。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dx/rxの最小値は1.4となった。なお、かかるDxには、裏側にはみ出したメタルの厚みは含まれていない。
厚さ:1mmの6000系アルミニウム合金(6111−T4)板材と、図1に示される如き断面日の字状の6000系アルミニウム合金(6063−T5)押出形材を準備した。なお、押出形材の厚みは、それぞれ、上板部:1.8mm、左・右側壁部:2mm、下板部:2mm、リブ部:2mmであった。そして、それら板材と押出形材とを、図1に示されるように、上下方向に重ね合わせて、位置固定に拘束した後、高速回転する摩擦撹拌接合工具のプローブを、中柱状のリブ部形成部位に向かって差し込み、更に、リブ部の延出方向に沿って移動せしめることにより、それら板材と押出形材との摩擦撹拌接合を行なった。その結果、リブ部の上で摩擦撹拌接合を行なっても、押出形材の裏側が膨出して変形すると共に、接合部ではメタル不足となって欠陥が生じた。また、接合部を、接合方向に対して直交する方向の切断面において観察したところ、Dx/rxの最小値は1.4となった。なお、かかるDxには、膨出したメタルの厚みは含まれていない。
12,36,44,56,62 押出形材
14,46,64 上板部 16,48 下板部
22,40 リブ部 24 摩擦撹拌接合工具
26 工具本体 28 先端面
30 プローブ 32 摩擦撹拌接合部
34 コーナー部 38,43 中空部
42,60 角部 50,58 左側壁部
54 フランジ部 66 凸部
68 空間部
Claims (7)
- 板状の第一の部材を、板状部と該板状部から垂下するように一体的に設けられた少なくとも一つのリブ部とを備えてなる構造の第二の部材の該板状部上に重ね合せ、その重合せ部に対して、摩擦撹拌接合工具の工具本体から突出するプローブを、該工具本体と共に回転させつつ、該第一の部材の外表面側から該第二の部材に達するように差し込むことにより、該第一の部材と該第二の部材とを摩擦撹拌接合するに際して、
前記プローブを、前記第一の部材を通じて、前記第二の部材の前記リブ部が配設された前記板状部の部位に差し込むようにする一方、該プローブの中心線を含む断面において、前記第一の部材の外表面に対する該プローブ先端の接点(O)から該プローブの差し込み部位に形成される摩擦撹拌接合部の縁部(P)までの距離(r)と、該接点(O)から該摩擦撹拌接合部の縁部(P)を通って該第二の部材の前記リブ部の形成された側の外表面(Q)までの距離(D)が、次式:D≧1.5rを満たすようにして、かかる摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする摩擦撹拌接合方法。 - 前記第一の部材の厚み(t)と、前記第二の部材における前記板状部の厚み(Tu)及び前記リブ部の厚み(Tt)のうちの何れか薄い方の厚み(T)とが、次式:2.5t≦Tを満足するように、該第一の部材と該第二の部材とが組み合わされている請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
- 前記第一の部材の厚み(t)と、前記第二の部材における前記板状部の厚み(Tu)及び前記リブ部の厚み(Tt)のうちの薄い方の厚み(T)とが、次式:T<2.5tを満たす場合において、前記第二の部材の前記リブ部の端部が、前記板状部の板面に近づくに連れて厚くなる末広がり形状とされている請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
- 前記第二の部材が、前記プローブの差し込まれる部位に位置するリブ部の両側に前記板状部が延出するように形成されてなる構造とされている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の摩擦撹拌接合方法。
- 前記第二の部材の前記板状部における、前記リブ部の設けられた側とは反対側の面に突設された凸部が形成され、この凸部に対して、前記プローブが、前記第一の部材を通じて差し込まれる請求項1乃至請求項4の何れかに記載の摩擦撹拌接合方法。
- 前記第一の部材が板材である一方、前記第二の部材が中空構造の成形材である請求項1乃至請求項5の何れかに記載の摩擦撹拌接合方法。
- 前記成形材が、矩形の押出形材である請求項6に記載の摩擦撹拌接合方法。
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