JPH1128581A - 摩擦撹拌接合による継手の形成方法 - Google Patents
摩擦撹拌接合による継手の形成方法Info
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Abstract
する。プローブの挿入深さを浅くしながら両ワークをし
っかりと接合することができ、しかも、プローブに充分
な強度をもたせながら両ワークのコーナー部の接合不良
の発生を防止しうるようにする。 【解決手段】 第1ワーク6の一方の面に溝6aが設け
られ、この溝6aに第2ワーク7を嵌合し、第1ワーク
6の背面がわから、直径が溝幅よりも大の摩擦撹拌用プ
ローブ3を第2ワーク7の肉に及ぶように作用せしめ、
両ワーク6,7をT字状に摩擦撹拌接合する。
Description
金属製構造材等のワークの継手、特に、例えばT継手な
どを摩擦撹拌接合によって形成する方法に関する。
法として、摩擦撹拌接合法と称される接合法がある。
接合させるもので、図5に示されるような回転子(1)
をツールとして用いる。この回転子(1)は、円柱状回
転子本体(2)の先端軸芯部に、この円柱状回転子本体
(2)よりも径小なピン状の摩擦撹拌用プローブ(3)
を同軸一体に突設させたもので、硬質で耐熱性に優れ
た、鋼などの材料にて製作されている。
子(1)を自軸回りで回転させながら、そのプローブ
(3)の先端を、ワーク(51)(52)の突き合わせ
境界部(53)に押付け状態に当接させ、その摩擦熱で
当接部分を軟化可塑化させる。そして、回転子(1)を
更にワーク(51)(52)に押し付けて、プローブ
(3)をワーク(51)(52)の肉厚方向に挿入させ
ていき、円柱状回転子本体(2)の先端のショルダー部
(4)をワーク(51)(52)に押付け状態に当接さ
せる。しかる後、その状態を維持しながら、回転子
(1)をワーク(51)(52)の突き合わせ境界部
(53)に沿って移動させていく。回転子(1)の通過
する突き合わせ境界部では、周辺の材料が、回転子
(1)の回転による摩擦熱で軟化撹拌され、かつ、円柱
状回転子本体(2)のショルダー(4)にて飛散を規制
されながらプローブ(3)の通過溝を埋めるように塑性
流動したのち、熱を急速に失って冷却固化される。こう
して、突き合わせ部(53)における材料の軟化、密着
変形、撹拌、冷却固化が回転子(1)の移動に伴って順
次繰り返されていき、突き合わせ部(53)においてワ
ーク(51)(52)同士が互いに一体化され、順次接
合(58)されていく。
ことなく軟化状態でワーク(51)(52)同士を直接
接合させるものであり、溶接の場合のような熱影響等に
よる品質面での問題が発生せず、高品質で強固な接合部
(58)を形成できる。
摩擦撹拌接合法では、溶接によれば隅肉溶接となるよう
なT継手形式の場合、直角な壁に囲まれたコーナー部に
対して斜め方向から回転子を作用させるのは実際上非常
に難しく、そのため、摩擦撹拌接合法による隅肉接合は
困難とされていた。これまで、摩擦撹拌接合法は、両ワ
ーク(51)(52)の側縁部同士をこれらワーク(5
1)(52)にわたって平坦となるように突き合わせて
接合する場合にしか用いられないものとされていたので
ある。
合、図4(イ)に示されるように、第1ワーク(55)
の一方の面に第2ワーク(56)をT字状に組み合わ
せ、第1ワーク(55)の背面側からプローブ(3)を
第2ワーク(56)の肉に及ぶように作用せしめて接合
を行うことが考えられる。
第1ワーク(55)の肉厚深さを越えて第2ワーク(5
6)の肉に及ぶように深く挿入しなければならない。ま
た、プローブ(3)の長さをある程度長いものにしなけ
ればならず、直径も大きくして強度を確保しておく必要
がある。
ように、プローブ(3)の直径を強度等の理由から第2
ワーク(56)の肉厚を越えて大きくしたような場合、
このプローブ(3)を第2ワーク(56)の肉内まで挿
入すると、図4(ハ)に示されるように、第1ワーク
(55)と第2ワーク(56)との間の両コーナー部
(C)(C)において第2ワーク(56)の塑性流動部
が遠心力で側方に飛び出し、接合不良を招いてしまう不
都合を生じる。特に、第2ワーク(56)の肉厚が薄い
ような場合には、この問題は摩擦撹拌接合によるT継手
の実現を妨げる大きな要因となる。
ークを組み合わせ、第1ワークのもう一方の面がわから
摩擦撹拌用のプローブを第1ワークの肉を介して第2ワ
ークの肉に及ぶように作用せしめるという新たな接合方
法の採用において、プローブの挿入深さを浅くしながら
両ワークをしっかりと接合することができ、しかも、プ
ローブに充分な強度をもたせながら両ワークのコーナー
部の接合不良の発生を防止し品質良好な接合品を製作す
ることができる摩擦撹拌接合による継手の形成方法を提
供することを課題とする。
の一方の面に溝が設けられ、この溝に第2ワークを嵌合
し、第1ワークのもう一方の面がわから摩擦撹拌用プロ
ーブを第2ワークの肉に及ぶように作用せしめ、第1ワ
ークと第2ワークとを摩擦撹拌接合することを特徴とす
る摩擦撹拌接合による継手の形成方法によって解決され
る。
れ、この溝に第2ワークを嵌合するものであることによ
り、溝により、第1ワークの肉厚が減少され、両ワーク
の肉内へのプローブの挿入深さを浅くしながら、両ワー
クをしっかりと接合することができるのはいうまでもな
い。
や第2ワークの肉厚などの理由から、第1ワークの溝の
幅よりも大きいものとなるような場合であっても、プロ
ーブを第1ワークの溝内の第2ワークの肉に作用させれ
ば両者はしっかりと接合されるから、第1ワークと第2
ワークとのコーナー部位置を越えて深く挿入する必要が
なく、従って、コーナー部において第2ワークの塑性流
動部が遠心力で側方に飛び出して接合不良を招いてしま
うというような不都合を生じさせることもなく、品質良
好な接合品が得られる。
径が第1ワークの溝の幅よりも大きい場合に、特に有効
的な方法といえる。この場合、プローブを両ワークのコ
ーナー部ギリギリのところまで挿入して摩擦撹拌接合を
行っていくことにより、第1ワークと第2ワークとを、
コーナー部に上記のような接合不良を生じさせることな
く、接合面積非常に広くしっかりと強固に接合すること
ができる。
が薄いような場合、第2ワークの溝嵌合部は同第2ワー
クの本体部よりも厚肉にしておくのが、第1ワークと第
2ワークとの接合面積を大きくし得て接合強度を高いも
のにしうる等の理由から好ましい。特に、この厚肉部
は、第1ワークの溝の外へ一部突出されているものとす
るのが良い。即ち、第2ワークの肉厚が薄いような場
合、接合面積を広く確保しながら、薄肉部に摩擦撹拌接
合部が及ぶのを防ぐことができる。
基づいて説明する。
手を形成する。
は第1ワーク、(7)は第2ワークである。両ワーク
(6)(7)は、アルミニウム製の押出形材によるもの
で、第1ワーク(6)は板状材、第2ワーク(7)は第
1ワーク(6)を補強するリブである。
第2ワーク(7)を嵌合させる溝(6a)が押出一体成
形されている。第2ワーク(7)は、その本体部(7
a)が第1ワーク(6)の溝(6a)の幅よりも薄く、
この溝(6a)に嵌合される溝嵌合部(7b)が溝(6
a)に適合状態に嵌合される厚肉に押出一体成形されて
いる。この厚肉の溝嵌合部(7b)は、第2ワーク
(7)を第1ワーク(6)の溝に嵌合した状態で、その
一部が溝(6a)の外方に突出され、第2ワーク(7)
の薄肉の本体部(7a)と厚肉の溝嵌合部(7b)との
連接部が溝(6a)の外に突出されるようになされてい
る。
のプローブ(3)の直径が、第1ワーク(6)の溝(6
a)の幅よりも大きく設定されている。このプローブ
(3)の外周面には、ネジ(3a)が形成されており、
回転子(1)はネジ(3a)の螺旋方向とは逆の方向に
回転駆動されるものとなされて、ワークの肉へのプロー
ブ(3)の回転挿入中、プローブ(3)をワークへの挿
入方向とは逆の方向に付勢し、その付勢力の反力にて肉
を特にT継手用に効果的に撹拌するものとなされてい
る。なお、ネジ(3a)の代え、ループ状の環状溝、凹
凸粗面が形成されたものであってもよい。
(3b)に形成されている。また、ショルダー(4)
は、その外周縁からプローブ(3)側に向けてくぼんで
いくように傾斜されている。
接合は、次のようにして行う。まず、第1ワーク(6)
の溝(6a)に第2ワーク(7)を嵌合して、両ワーク
(6)(7)をT字状に組み合わせる。溝(6a)に嵌
合して組み合わせるから、両ワーク(6)(7)を容易
に相互位置決め状態に組み合わせることができる。次い
で、図1(ロ)に示されるように、第1ワーク(6)の
背後から、回転子(1)を回転させながら、プローブ
(3)を第1ワーク(6)の肉を介して第2ワーク
(7)の肉に及ぶように挿入していく。
ように、両ワーク(6)(7)のコーナー部(C)
(C)のギリギリのところまで挿入する。このような挿
入により、コーナー部(C)(C)に接合不良を生じさ
せることなく、両ワーク(6)(7)の接合面積を極限
まで大きくできる。また、プローブ(3)の先端の凸球
面(3b)が第2ワーク(7)の肉に深く及び撹拌効果
が高められる。更に、プローブ(3)の挿入深さは、溝
(6a)の深さ分浅くしえ、それでもプローブ(3)は
第2ワーク(7)の肉内に適正深さ挿入される。また、
第2ワーク(7)の溝嵌合部(7b)は一部、第1ワー
ク(6)の溝(6a)から外方に突出しているから、プ
ローブ(3)の撹拌効果が第2ワーク(7)の薄肉本体
部(7a)に及ぶこともない。
がら、回転子(1)を溝(6a)の長手方向に移動させ
ていく。これにより、第1ワーク(6)と第2ワーク
(7)との品質良好なT継手が形成される。
深さdを0.1〜0.5mm、第2ワーク(7)の溝嵌
合部(7b)の外方突出長さaを0.5〜1.0mmに
設計している。
ク(7)において、溝嵌合部(7b)と本体部(7a)
との肉厚と同じに設計したものである。その他は第1実
施形態と同様である。この場合も、両ワーク(6)
(7)は品質良好に接合される。
ク(7)において、溝嵌合部(7b)を本体部(7a)
よりも薄肉に設計したものである。その他は第1実施形
態と同様である。この場合も、両ワーク(6)(7)は
品質良好に接合される。
発明は、その技術思想を逸脱しない範囲で各種の変更を
なし得る。例えば、上記実施形態では、ワークとしてア
ルミニウム製押出形材を用いたが、その他の金属であっ
てもよく、また、押出材でなくてもよい。溝もあとから
刻設されたものであってよい。また、上記実施形態で
は、板状材にリブを接合する場合を説明したが、骨材同
士をT字状に接合する場合など、広く各種の構造を形成
する場合に適用されてよい。また、本発明方法は、T継
手の形成に限らず、重ね継手などの形成であってもよ
く、要は、第1ワークの一方の面に第2ワークを組み合
わせ、第1ワークのもう一方の面がわから摩擦撹拌用の
プローブを第1ワークの肉を介して第2ワークの肉に及
ぶように作用せしめる形式の接合に広く適用され得るも
のである。
よる継手の形成方法は、第1ワークの一方の面に溝が設
けられ、この溝に第2ワークを嵌合し、第1ワークのも
う一方の面がわから摩擦撹拌用プローブを第2ワークの
肉に及ぶように作用せしめ、第1ワークと第2ワークと
を摩擦撹拌接合するものであるから、両ワークの肉内へ
のプローブの挿入深さを浅くしながら、両ワークをしっ
かりと接合することができるのはいうまでもない。
溝の幅よりも大きいものとなるような場合であっても、
第1ワークと第2ワークとのコーナー部に接合不良を生
じさせることがなく、両者をしっかりと接合でき、品質
良好な接合品を得ることができる。
拌接合では困難とされていたT継手をも、摩擦撹拌接合
にて支障なく品質良好に形成することができ、摩擦撹拌
接合法の適用範囲を拡大することができる。
の溝の幅よりも大きくすることにより、プローブの強度
を高いものにしながら、上記のように、第1ワークと第
2ワークとのコーナー部に接合不良を生じさせずに両者
をしっかりと接合でき、品質良好な接合品を得ることが
できる。この場合、プローブを両ワークのコーナー部ギ
リギリのところまで挿入して摩擦撹拌接合を行っていく
ことにより、両ワークを、上記のような接合不良を生じ
させることなく、接合面積を極限まで大きくして強固に
接合することができる。
クの本体部よりも厚肉にしておくことにより、第2ワー
クの肉厚が薄いような場合であっても、第1ワークと第
2ワークとの接合面積を大きく確保することができる。
を分離状態で示す斜視図、図(ロ)は両ワークの組み合
わせ状態を示す横断面図、図(ハ)はプローブの挿入状
態を示す横断面図である。
を分離状態で示す斜視図、図(ロ)は両ワークの組み合
わせ状態を示す横断面図、図(ハ)はプローブの挿入状
態を示す横断面図である。
を分離状態で示す斜視図、図(ロ)は両ワークの組み合
わせ状態を示す横断面図、図(ハ)はプローブの挿入状
態を示す横断面図である。
示すもので、図(イ)ないし図(ハ)は接合前後のワー
クの断面図である。
で、図(イ)は側面図、図(ロ)は先端面図である。
は接合中のワークの横断面図、図(ロ)は平面図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 第1ワークの一方の面に溝が設けられ、
この溝に第2ワークを嵌合し、第1ワークのもう一方の
面がわから摩擦撹拌用プローブを第2ワークの肉に及ぶ
ように作用せしめ、第1ワークと第2ワークとを摩擦撹
拌接合することを特徴とする摩擦撹拌接合による継手の
形成方法。 - 【請求項2】 撹拌用プローブの直径が前記溝の幅より
も大きい請求項1に記載の摩擦撹拌接合による継手の形
成方法。 - 【請求項3】 前記第2ワークの溝嵌合部が同第2ワー
クの本体部よりも厚肉である請求項2に記載の摩擦撹拌
接合による継手の形成方法。
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