JP2001300744A - 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合工具 - Google Patents

摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合工具

Info

Publication number
JP2001300744A
JP2001300744A JP2000122090A JP2000122090A JP2001300744A JP 2001300744 A JP2001300744 A JP 2001300744A JP 2000122090 A JP2000122090 A JP 2000122090A JP 2000122090 A JP2000122090 A JP 2000122090A JP 2001300744 A JP2001300744 A JP 2001300744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joining
probe
rotor
friction stir
butt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000122090A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuaki Tomizawa
勝昭 富沢
Masatoshi Enomoto
正敏 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NISSHO IWAI HITETSU HANBAI KK
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
NISSHO IWAI HITETSU HANBAI KK
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NISSHO IWAI HITETSU HANBAI KK, Showa Denko KK filed Critical NISSHO IWAI HITETSU HANBAI KK
Priority to JP2000122090A priority Critical patent/JP2001300744A/ja
Publication of JP2001300744A publication Critical patent/JP2001300744A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 径大の回転子の端面回転軸線上に径小のプロ
ーブが突設された接合工具を用い、厚さ方向に段差を生
じる態様で突き合わされた2個の接合部材の突合せ部又
はその近傍に、回転するプローブを挿入するとともに、
回転する回転子の端面を突合せ部の表面に当接させ、こ
の状態で、プローブを突合せ部に沿って相対的に移動さ
せることにより、両接合部材を突合せ接合する摩擦撹拌
接合法において、接合欠陥やバリ等が発生することなく
良好に両接合部材を突合せ接合することのできる摩擦撹
拌接合法を提供すること。 【解決手段】 接合工具10として、回転子11の外周面の
端部に側方に向いた切刃13が設けられたものを用いる。
この切刃13によって突合せ部3から突出している高位側
の接合部材1の肩部1aを切削して段差4を解消しなが
ら、プローブ12を移動させることにより、両接合部材1,
2を突合せ接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム材
(アルミニウム合金材を含む)等の金属材を段差を生じ
る態様で突き合わせて接合する場合に用いられる摩擦撹
拌接合法、及びこの場合に好適に用いられる摩擦撹拌接
合工具に関する。
【0002】なお、この明細書において、接合工具の上
下方向については、説明の便宜上、接合工具の回転子の
回転軸に沿う方向を上下方向とし、このうち接合工具の
プローブの突出方向を下方向としている。
【0003】
【従来の技術】固相接合法の範疇に入る摩擦撹拌接合法
として、次のような方法が提案されている。即ち、図9
に示すように、径大の円柱状回転子(111)の端面(111
a)の回転軸線上に径小のピン状プローブ(112)が一体
に突設された接合工具(110)を用いて、前記回転子(1
11)を回転させることによりプローブ(112)を回転さ
せ、このプローブ(112)を突合せ状態に配置された2
個の平板状接合部材(101)(102)の突合せ部(103)
に挿入する。挿入は、回転子(111)の端面(111a)が
突合せ部(103)の表面に当接するまで行われる。そし
て、プローブ(112)を挿入状態のままで突合せ部(10
3)に沿って接合部材(101)(102)に対し相対的に移
動させる。
【0004】すると、プローブ(112)の回転により発
生する摩擦熱と、回転子(111)の端面(111a)と突合
せ部(103)の表面との摺動に伴い発生する摩擦熱とに
よって、プローブ(112)との接触部分近傍において両
接合部材(101)(102)は軟化し、且つ該軟化部分がプ
ローブ(112)の回転力を受けて撹拌されるとともに、
プローブ(112)の移動に伴って該軟化撹拌部分がプロ
ーブ(112)の通過溝を埋めるように塑性流動したのち
摩擦熱を失って冷却固化される。この現象がプローブ
(112)の移動に伴って順次繰り返されていき、最終的
に両接合部材(101)(102)が突合せ部(103)におい
て接合一体化(接合部W')されるものである。
【0005】この摩擦撹拌接合法は、固相接合法の範疇
に入ることから、接合される金属材の種類に制限を受け
ないとか、接合時の熱歪みによる変形が少ない等の優れ
た利点を有し、様々な構造物の組立現場で用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LNGタン
ク等の構造物では、図10に示すように、厚さの異なる
2個の平板状の接合部材(101)(102)を突合せ接合し
なければなからい場合がある。この場合、突合せ部(10
3)には厚さ方向に段差(104)が生じているから、この
突合せ部(104)を摩擦撹拌接合により接合する場合に
は次のような問題が生じる。
【0007】すなわち、接合工具(110)の回転子(11
1)の端面(111a)を高位側の接合部材(101)の表面に
当接させて摩擦撹拌接合を行うと、低位側の接合部材
(102)の表面には、回転子(111)の端面(111a)が当
接しないので、摩擦熱を十分に発生させることができ
ず、接合欠陥を生じやすいという欠点があった。
【0008】一方、回転子(111)の端面(111a)を低
位側の接合部材(102)の表面に当接させるために、回
転子(111)を低位側の接合部材(102)側に傾けると、
突合せ部(103)から突出している高位側の接合部材(1
01)の肩部(101a)にバリが発生するという問題が新た
に生じてしまう。
【0009】さらに、図11に示すように、両接合部材
(101)(102)の突合せ面(101t)(102t)に、切削痕
等からなる凹凸が存在している場合には、両接合部材
(101)(102)を突き合わせると、この突合せ部に前記
凹凸に起因する隙間が形成されることとなる。このよう
な状態のままで突合せ部を摩擦撹拌接合すると、接合部
に未接合部分が生じたりボイドが生じたりして接合欠陥
が発生しやすいという欠点があった。
【0010】この発明は、このような欠点を解決するた
めになされたもので、その目的は、厚さ方向に段差を生
じる態様で突き合わされた2個の接合部材を、接合欠陥
やバリ等が発生することなく良好に突合せ接合すること
のできる摩擦撹拌接合法、及びこれに好適に用いられる
摩擦撹拌接合工具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、径大の回転子の端面の回転軸線
上に径小のプローブが突設された接合工具を用い、厚さ
方向に段差を生じる態様で突き合わされた2個の接合部
材の突合せ部又はその近傍に、回転する前記プローブを
挿入するとともに、回転する前記回転子の端面を突合せ
部の表面に当接させ、この状態で、プローブを突合せ部
に沿って相対的に移動させることにより、両接合部材を
突合せ接合する摩擦撹拌接合法において、回転子の外周
面の端部に設けられ側方に向いた切刃によって、突合せ
部から突出している高位側接合部材の肩部を切削して前
記段差を解消しながら、プローブを移動させることによ
り、両接合部材を突合せ接合することを特徴としてい
る。
【0012】これによれば、突合せ部から突出している
高位側接合部材の肩部が切刃によって切削されて段差が
解消されるので、プローブの移動時に、回転子の端面
が、高位側の接合部材の表面と低位側の接合部材の表面
とに略面接触状態に当接し得るものとなる。この結果、
接合時に摩擦熱を十分に発生させ得て、摩擦熱不足によ
る接合欠陥が防止され、もって得られる突合せ接合品が
高品位なものとなる。
【0013】請求項2の発明は、径大の回転子と、前記
回転子の端面の回転軸線上に突設された径小のプローブ
とを備えた摩擦撹拌接合工具において、回転子の外周面
の端部に、接合予定部を該接合予定部の表面に平行な方
向に切削するための側方に向いた切刃が設けられ、前記
切刃は、接合工具の上下方向において、下端が前記回転
子の端面を含む平面と同じ位置又はこの平面よりも上側
に位置していることを特徴としている。
【0014】これによれば、接合予定部に挿入されたプ
ローブを、回転子の端面を接合予定部に当接させた状態
で、接合方向に移動させることにより、回転子の移動方
向前方側にある接合予定部の部位が順次、回転する切刃
によって接合方向に切削されていく。したがって、例え
ば、厚さ方向に段差を生じる態様で突き合わされた2個
の接合部材を突合せ接合する場合において、回転子の端
面を低位側の接合部材の表面に当接させ、この状態で、
プローブを突合せ部に沿って相対的に移動させることに
より、突合せ部から突出している高位側の接合部材の肩
部を切刃によって切削して段差を解消しながら、突合せ
部を接合することができるようになる。
【0015】請求項3の発明は、径大の回転子の端面の
回転軸線上に径小のプローブが突設された接合工具を用
い、厚さ方向に段差を生じる態様で突き合わされた2個
の接合部材の突合せ部又はその近傍に、回転する前記プ
ローブを挿入し、この状態で、プローブを突合せ部に沿
って相対的に移動させることにより、両接合部材を突合
せ接合する摩擦撹拌接合法において、板状の位置決め部
と、該位置決め部に断面T状をなして連設されるととも
に、一方の側縁部の肉厚が他方の側縁部の肉厚よりも前
記段差に相当する厚さ分だけ厚肉に形成された鍔部とを
備えた接合補助材を用い、前記位置決め部を突合せ部に
介在配置させるとともに、前記鍔部の両側縁部のうち前
記一方の側縁部を低位側の接合部材の表面に重ね合わせ
且つ前記他方の側縁部を高位側の接合部材の表面に重ね
合わせることにより突合せ部における段差を解消し、こ
の状態で、挿入状態のプローブを鍔部及び位置決め部に
接触させるとともに、回転子の端面を鍔部の両側縁部の
表面に圧接し、この鍔部及び位置決め部を両接合部材と
ともに軟化撹拌させることにより、両接合部材を突合せ
接合することを特徴としている。
【0016】これによれば、摩擦熱により軟化した鍔部
の軟化部分の素地の一部乃至全部が、回転子の端面から
の圧力を受けて、突合せ部に形成された隙間内に充填さ
れながら、接合が行われる。この結果、突合せ部に形成
された隙間に起因する未接合部分やボイド等の接合欠陥
の発生が防止される。さらに、接合の際には、接合補助
材によって段差が解消されているから、突合せ部に摩擦
熱を十分に発生させ得て、摩擦熱不足による接合欠陥を
防止することができるようになり、また高位側の接合部
材の肩部におけるバリの発生も防止することができるよ
うになる。したがって、接合部に未接合部分やボイド等
の接合欠陥が生じておらず且つ摩擦熱不足による接合欠
陥も生じておらず、その上、バリも発生していない高品
位な突合せ接合品が得られる。
【0017】請求項4の発明は、径大の回転子の端面の
回転軸線上に径小のプローブが突設された接合工具を用
い、厚さ方向に段差を生じる態様で突き合わされた2個
の接合部材の突合せ部又はその近傍に、回転する前記プ
ローブを挿入し、この状態で、プローブを突合せ部に沿
って相対的に移動させることにより、両接合部材を突合
せ接合する摩擦撹拌接合法において、板状の位置決め部
と、該位置決め部に断面L状をなして連設されるととも
に、前記段差に相当する厚さを有する鍔部とを備えた接
合補助材を用い、前記位置決め部を突合せ部に介在配置
させるとともに、前記鍔部を低位側の接合部材の表面に
重ね合わせることにより突合せ部における段差を解消
し、この状態で、挿入状態のプローブを鍔部及び位置決
め部に接触させるとともに、回転子の端面を高位側の接
合部材の表面と鍔部の表面とに圧接し、この鍔部及び位
置決め部を両接合部材とともに軟化撹拌させることによ
り、両接合部材を突合せ接合することを特徴としてい
る。
【0018】これによれば、上記請求項3と同じ作用を
奏する。
【0019】請求項5の発明は、上記請求項3又は4記
載の摩擦撹拌接合法において、前記位置決め部を、その
両端部のうちの少なくとも一方の端部を突合せ部の端部
から突合せ部の延長線方向にはみ出させる態様にして突
合せ部に介在配置させることを採用している。
【0020】これによれば、位置決め部のはみ出された
端部をその厚さ方向両側から一対のエンドタブ構成片で
挟むことにより、エンドタブの位置決めが行われる。こ
の結果、エンドタブの取付け作業を容易に行い得るもの
となる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0022】図1及び図2は、この発明の第1実施形態
を示している。
【0023】図1において、(1)(2)は、厚さの異
なる2個の板状のアルミニウム接合部材である。これら
接合部材(1)(2)は、同図(ハ)に示すように、裏
面同士が面一に連なる態様にして突き合わされており、
このため突合せ部(3)の表面にて厚さ方向に段差
(4)が該突合せ部(3)に沿って生じている。
【0024】(10)は、摩擦撹拌接合工具である。この
接合工具(10)は、径大の円柱状回転子(11)と、この
回転子(11)の端面(11a)の回転軸(Q)線上に突設
された径小のピン状プローブ(12)とを備えている。前
記回転子(11)の端面(11a)は、平坦面からなる。前
記プローブ(12)は、回転子(11)に一体に設けられて
おり、これにより該プローブ(12)が回転子(11)の回
転動作に伴い該回転子(11)と共に回転軸(Q)を中心
に一体回転するものとなされている。
【0025】前記回転子(11)の外周面の端部には、突
合せ部(3)を該突合せ部(3)の表面に平行な方向に
切削するための側方に向いた複数枚の切刃(13)…が周
方向に並んで設けられている。これら切刃(13)…はい
ずれも回転子(11)に一体に設けられ、これによりこれ
ら切刃(13)…が回転子(11)の回転動作に伴い該回転
子(11)と共に回転軸(Q)を中心に一体回転するもの
となされている。
【0026】各切刃(13)はいずれも、図2に示すよう
に接合工具(10)の上下方向において、下端が回転子
(11)の端面(11a)を含む平面(P)と同じ位置に位
置しており、この位置から回転子(11)の回転軸(Q)
を含む平面内で斜め上に向かって延びているものであ
る。
【0027】また、この接合工具(10)において、回転
子(11)、プローブ(12)及び切刃(13)…はいずれも
接合部材(1)(2)よりも硬質で且つ接合時に発生す
る摩擦熱に耐えうる耐熱材料から形成されている。ま
た、プローブ(12)の周面には、軟化部撹拌用の凸部
(図示せず)が形成されている。
【0028】次に、この接合工具(10)を用いて上記接
合部材(1)(2)を突合せ接合する場合について説明
する。
【0029】まず、接合工具(10)の回転子(11)を回
転させることによりプローブ(12)と切刃(13)を回転
させる。そして、プローブ(12)を突合せ部(3)に挿
入すべく、回転している切刃(13)…を、突合せ部
(3)から突出している高位側の接合部材(1)の肩部
(1a)の一端面に側方から押し付ける。これにより、高
位側の接合部材(1)の肩部(1a)の端部が切刃(13)
…によって切削されて段差(4)が解消され、この状態
でプローブ(12)が突合せ部(3)の端部に挿入され
る。プローブ(12)が突合せ部(3)に挿入されたとき
には、段差が解消されているから、接合工具(10)の回
転子(11)の端面(11a)を、高位側の接合部材(1)
の表面と低位側の接合部材(2)の表面とに両面接触状
態に均一に当接させることができる。そして、図1
(イ)に示すように、回転子(11)の端面(11a)を両
接合部材(1)(2)の表面に均一に当接させた状態の
まま、突合せ部(3)に挿入されたプローブ(12)に、
突合せ部(3)の延びる方向の移動力を加える。
【0030】すると、回転している切刃(13)…によっ
て高位側の接合部材(1)の肩部(1a)が切削されて段
差(4)が解消されながら、回転子(11)の端面(11
a)が両接合部材(1)(2)の表面に均一に当接した
状態のままで、プローブ(12)が突合せ部(3)に沿っ
て移動される。
【0031】このプローブ(12)の移動に伴い、プロー
ブ(12)の回転により発生する摩擦熱と、回転子(11)
の端面(11a)と両接合部材(1)(2)の表面との摺
動に伴い発生する摩擦熱とによって、プローブ(12)と
の接触部分近傍において両接合部材(1)(2)は軟化
するとともに、該軟化部分がプローブ(12)の回転力を
受けて撹拌される。そして、この軟化撹拌部分がプロー
ブ(12)の進行圧力を受けてプローブ(12)の通過溝を
埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷
却固化される。この現象がプローブ(12)の移動に伴っ
て順次繰り返されていき、最終的に両接合部材(1)
(2)が突合せ部(3)において接合一体化(接合部
W)される。
【0032】同図において、(15)は空気等のガスを噴
出するガス噴出ノズルであって、プローブ(12)と共に
移動しうるように接合工具(10)の近傍に配置されてい
る。肩部(1a)の切削により発生した切削屑は、このノ
ズル(15)から噴出されたガスによって吹き飛ばされる
ことになる。こうすることにより、突合せ面間に切削屑
が入る不具合を防止することができて、突合せ面同士を
隙間なくぴったりと接触させることができるようにな
る。
【0033】而して、この摩擦撹拌接合法によれば、接
合工具(10)の回転子(11)の端面(11a)を両接合部
材(1)(2)の表面に均一に当接させた状態のまま
で、プローブ(12)を移動させることができるので、突
合せ部(3)に摩擦熱を十分に発生させることができ
て、摩擦熱不足による接合欠陥の発生を防止することが
できる。しかも、高位側の接合部材(1)の肩部(1a)
におけるバリの発生も防止することができる。したがっ
て、以上のようにして得られた突合せ接合品は、摩擦熱
不足による接合欠陥が生じておらず且つバリも発生して
いない高品位なものとなっている。
【0034】なお、この発明においては、切刃(13)の
下端は、回転子(11)の端面(11a)を含む平面(P)
よりも上側に位置していても良い。この場合には、切刃
(13)の下端は、回転子(11)の端面(11a)を含む平
面(P)よりも1mmを超えない範囲内で上側に位置し
ていることが望ましく、このように設定することによ
り、突合せ部(3)から突出している高位側の接合部材
(1)の肩部(1a)を切刃(13)によって切削しなが
ら、回転子(11)の端面(11a)を突合せ部(3)の表
面に沿ってスムーズに移動させることができるようにな
る。さらに、この発明においては、切刃は上下方向に真
っ直ぐに延びたものであっても良いし、略螺旋状に延び
ているものであっても良い。また、この発明において
は、これら切刃(13)…は、回転子(11)と別体であっ
ても良い。この場合には、これら切刃(13)…を回転子
(11)に止めネジ等の固定部材によって動かないよう固
定装着する。こうすることにより、これら切刃(13)…
が回転子(11)と共に一体回転するものとなる。さら
に、この発明においては、切刃(13)は1枚以上あれば
良い。
【0035】図3〜図6は、この発明の第2実施形態を
示している。以下、この第2実施形態を上記第1実施形
態との相異点を中心に説明する。
【0036】この第2実施形態では、図3に示すよう
に、厚さの異なる2個の板状のアルミニウム接合部材
(1)(2)の突合せ面(1t)(2t)には、いずれもう
ねり状の凹凸が生じている。このため、もし仮にこの両
接合部材(1)(2)を突き合わせると、図4に示すよ
うに、突合せ部(3)には段差(4)と前記凹凸に起因
する隙間(5)とが形成されることになる。なお、図3
及び図4では、説明の便宜上、凹凸及び隙間(5)を誇
張して示している。
【0037】図3において、(20)はこの第2実施形態
の摩擦撹拌接合法に用いられる摩擦撹拌接合工具であ
る。この接合工具(20)は、径大の円柱状回転子(21)
と、この回転子(21)の端面(21a)回転軸(Q)線上
に突設された径小のピン状プローブ(22)とを備えたも
のである点は、上記第1実施形態のもの(10)と同じで
あるが、切刃(13)を備えていない点で、上記第1実施
形態のもの(10)と相異する。他の構成は、上記第1実
施形態のものと同じである。
【0038】而して、両接合部材(1)(2)の突合せ
部(3)に隙間(5)が生じた状態のままで、突合せ部
(3)を摩擦撹拌接合すると、隙間(5)の存在によっ
て未接合部やボイド等の接合欠陥が生じる虞がある。そ
こで、この第2実施形態では、接合補助材(30)を用い
て両接合部材(1)(2)を突合せ接合する。
【0039】この接合補助材(30)は、両接合部材
(1)(2)と同一材質からなるものであって、板状の
位置決め部(31)と、これに断面T字状をなして一体に
連設されるとともに該位置決め部(31)の長さ方向に延
びた帯板状の鍔部(32)とを備え、全体形状が断面T字
状に形成されたものである。前記位置決め部(31)の肉
厚は、図6に示すように、接合工具(20)のプローブ
(22)の径と略同寸に設定されている。前記鍔部(32)
の表面は平坦に形成されており、またこの鍔部(32)の
幅寸法は、接合工具(20)の回転子(21)の径よりも若
干小寸に設定されている。さらに、この鍔部(32)の両
側縁部(32a)(32b)のうち、一方の側縁部(32a)の
肉厚は、他方の側縁部(32b)の肉厚よりも突合せ部
(3)における段差(4)に相当する厚さ分だけ厚肉に
形成されている。
【0040】この接合補助材(30)は、次のようにして
両接合部材(1)(2)の突合せ部(3)に装着され
る。すなわち、図3及び図5に示すように、鍔部(32)
の両側縁部(32a)(32b)のうち前記一方の側縁部(32
a)を低位側の接合部材(2)の上方に位置させるとと
もに前記他方の側縁部(32b)を高位側の接合部材
(1)の上方に位置させる。そして、両接合部材(1)
(2)を少し離し、この離間部内に位置決め部(31)を
挿入配置させる。そして、両接合部材(1)(2)を突
き合わせる。これにより、図6に示すように、接合補助
材(30)は、その位置決め部(31)が両接合部材(1)
(2)の突合せ部(3)に介在配置されるとともに、鍔
部(32)が突合せ部(3)を跨ぐ態様にして該鍔部(3
2)の両側縁部(32a)(32b)のうち前記一方の側縁部
(32a)が低位側の接合部材(2)の表面に重ね合わさ
れ且つ前記他方の側縁部(32b)が高位側の接合部材
(1)の表面に重ね合わされ、これにより突合せ部
(3)における段差(4)が解消される。
【0041】こうして接合補助材(30)を装着した後、
前記接合工具(20)を用いてこの突合せ部(3)を摩擦
撹拌接合する。すなわち、接合工具(20)の回転子(2
1)を回転させることによりプローブ(22)を回転させ
る。そして、回転しているプローブ(22)を、鍔部(3
2)及び位置決め部(31)に接触させる態様にして突合
せ部(3)に挿入する。挿入は、図6に示すように、回
転子(21)の端面(21a)が鍔部(32)の両側縁部(32
a)(32b)の表面に当接するまで行う。そして、この回
転子(21)を下方向に押して該回転子(21)の端面(21
a)を鍔部(32)の両側縁部(32a)(32b)の表面に圧
接しながら、挿入状態のプローブ(22)を鍔部(32)及
び位置決め部(31)に接触させる態様を維持して突合せ
部(3)に沿って移動させる。
【0042】このプローブ(22)の移動に伴い、プロー
ブ(22)の回転により生じる摩擦熱と、回転子(21)の
端面(21a)と鍔部(32)の両側縁部(32a)(32b)の
表面との摺動に伴い発生する摩擦熱とによって、プロー
ブ(22)との接触部分近傍において両接合部材(1)
(2)は軟化するとともに、接合補助材(30)の位置決
め部(31)及び鍔部(32)も軟化する。そして、この鍔
部(32)の軟化部分の素地の一部乃至全部が、回転子
(21)の端面(21a)からの圧力を受けて、突合せ部
(3)に形成された隙間(図4参照、5)内に充填され
ながら、両接合部材(1)(2)の軟化部分と位置決め
部(31)及び鍔部(32)の軟化部分とがプローブ(22)
の回転力を受けて撹拌される。そして、この軟化撹拌部
分がプローブ(22)の進行圧力を受けてプローブ(22)
の通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速
に失って冷却固化される。この現象がプローブ(22)の
移動に伴って順次繰り返されていき、最終的に両接合部
材(1)(2)が突合せ部(3)において接合一体化さ
れる。
【0043】而して、この摩擦撹拌接合法によれば、鍔
部(32)の軟化部分の素地の一部乃至全部が突合せ部
(3)に形成された隙間内に充填されながら、接合が行
われるから、この隙間に起因する未接合部分やボイド等
の接合欠陥の発生を防止することができる。しかも、接
合補助材(30)によって段差が解消されているから、突
合せ部(3)に摩擦熱を十分に発生させることができ
て、摩擦熱不足による接合欠陥の発生を防止することが
できるし、高位側の接合部材(1)の肩部(1a)におけ
るバリの発生も防止することができる。したがって、以
上のようにして得られた突合せ接合品は、接合部(W)
に未接合部分やボイド等の接合欠陥が生じておらず且つ
摩擦熱不足による接合欠陥も生じておらず、その上、バ
リも発生していない高品位なものとなる。
【0044】図7は、この発明の第3実施形態を示して
いる。以下、この第3実施形態を上記第2実施形態との
相違点を中心に説明すると、この第3実施形態で用いら
れた接合補助材(40)は、同図に示すように、板状の位
置決め部(41)と、これに断面L字状をなして一体に連
設されるとともに該位置決め部(41)の長さ方向に延び
た帯板状の鍔部(42)とを備え、全体形状が断面L字状
に形成されたものである。前記鍔部(42)の幅寸法は、
接合工具(20)の回転子(21)の半径と略同寸に設定さ
れている。さらに、この鍔部(42)は突合せ部(3)に
おける段差(4)に相当する厚さを有している。
【0045】この接合補助材(40)を用いて両接合部材
(1)(2)の突合せ部(3)を摩擦撹拌接合する場合
には、上記第2実施形態と同様に、接合補助材(40)の
位置決め部(41)を、突合せ部(3)に介在配置させる
とともに、その鍔部(42)を低位側の接合部材(2)の
表面に重ね合わさせる。これにより、突合せ部(3)に
おける段差(4)が解消される。
【0046】この状態で、接合工具(20)の回転子(2
1)を回転させることによりプローブ(22)を回転させ
る。そして、回転しているプローブ(22)を、鍔部(4
2)及び位置決め部(41)に接触させる態様にして突合
せ部(3)に挿入する。挿入は、同図に示すように、回
転子(21)の端面(21a)が高位側の接合部材(1)の
表面と鍔部(42)の表面とに接触するまで行う。そし
て、この回転子(21)を下方向に押して該回転子(21)
の端面(21a)を高位側の接合部材(1)の表面と鍔部
(42)の表面とに圧接しながら、挿入状態のプローブ
(22)を鍔部(42)及び位置決め部(41)に接触させる
態様を維持して突合せ部(3)に沿って移動させる。こ
のとき、接合補助材(40)によって段差(4)が解消さ
れているから、回転子(21)の端面(21a)を高位側の
接合部材(1)の表面と鍔部(32)の表面とに均一に圧
接させることができる。
【0047】プローブ(22)の移動に伴い、プローブ
(22)の回転により生じる摩擦熱と、回転子(21)の端
面(21a)と高位側の接合部材(1)の表面及び鍔部(4
2)の表面との摺動に伴い発生する摩擦熱とによって、
プローブ(22)との接触部分近傍において両接合部材
(1)(2)は軟化するとともに、接合補助材(40)の
位置決め部(41)及び鍔部(42)も軟化する。そして、
この鍔部(42)の軟化部分の素地の一部乃至全部と、高
位側の接合部材(1)の肩部(1a)の軟化部分の素地の
一部乃至全部とが、回転子(21)の端面(21a)からの
圧力を受けて、突合せ部(3)に形成された隙間内に充
填される。この状態で、これら軟化部分がプローブ(2
2)の回転力を受けて撹拌される。そして、この軟化撹
拌部分がプローブ(22)の進行圧力を受けてプローブ
(22)の通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱
を急速に失って冷却固化される。この現象がプローブ
(22)の移動に伴って順次繰り返されていき、最終的に
両接合部材(1)(2)が突合せ部(3)において接合
一体化される。
【0048】この第3実施形態の摩擦撹拌接合法により
得られる突合せ接合品は、上記第2実施形態と同様の理
由により、接合部に未接合部分やボイド等の接合欠陥が
生じておらず且つ摩擦熱不足による接合欠陥も生じてお
らず、その上、バリも発生していない高品位なものとな
る。
【0049】図8は、上記第2実施形態の摩擦撹拌接合
法の変形例を示している。同図において、(50)は両接
合部材(1)(2)と同一材質からなるエンドタブであ
る。このエンドタブ(50)は、両接合部材(1)(2)
の突合せ部(3)の接合始端部や接合終端部に接合工具
(20)のプローブ(22)の挿入痕や引抜き孔を残さなく
するためのものであり、必ず突合せ部(3)の端部に連
なって取り付けられるものである。この実施形態では、
エンドタブ(50)は、一対のエンドタブ構成片(50a)
(50b)から分割構成されている。
【0050】一方、接合補助材(30)の位置決め部(3
1)は、その両端部が両接合部材(1)(2)の突合せ
部(3)の端部から突合せ部(3)の延長線方向にはみ
出る態様にして突合せ部(3)に介在配置されている。
そして、位置決め部(31)のはみ出た各端部がいずれ
も、その厚さ方向両側から前記一対のエンドタブ構成片
(50a)(50b)で挟まれるとともに、該両エンドタブ構
成片(50a)(50b)がバネ式のコ字状クランプ具(55)
によってこの状態に拘束保持されており、これにより、
この両エンドタブ構成片(50a)(50b)からなるエンド
タブ(50)が所望の位置(即ち、突合せ部(3)の端
部)に連なって取り付けられている。
【0051】この変形例によれば、同図に示すように、
接合補助材(30)の位置決め部(31)のはみ出された端
部を両エンドタブ構成片(50a)(50b)で挟むことによ
り、エンドタブ(50)の位置決めを行うことができるの
で、エンドタブ(50)の取付け作業を容易に行うことが
できるという利点を有する。
【0052】なお、この発明においては、接合補助材
(30)の位置決め部(31)を、その一端部のみをはみ出
させる態様にして突合せ部(3)に介在配置しても良
い。また、接合補助材として、上記第3実施形態の接合
補助材(40)を用いても良い。
【0053】以上、この発明の実施形態について説明し
たが、この発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、様々に設定変更可能である。
【0054】例えば、上記第1〜第3実施形態は、いず
れも、接合工具のプローブを突合せ部に沿って移動させ
ることにより、両接合部材を突合せ接合する場合を示し
ているが、この発明では、接合工具のプローブの位置を
固定しておき、両接合部材の方を移動させることによ
り、両接合部材を突合せ接合するものであっても良い。
【0055】また、この発明においては、接合工具の回
転子は、多角柱状のものであっても良い。
【0056】
【発明の効果】上述の次第で、請求項1の発明は、接合
工具の回転子の外周面の端部に設けられ側方に向いた切
刃によって、突合せ部から突出している高位側接合部材
の肩部を切削して突合せ部における段差を解消しなが
ら、プローブを移動させることにより、両接合部材を突
合せ接合するものなので、プローブの移動時に、回転子
の端面を、高位側の接合部材の表面と低位側の接合部材
の表面とに略面接触状態に均一に当接させることができ
るようになる。この結果、摩擦熱を十分に発生させるこ
とができるようになって、摩擦熱不足による接合欠陥が
発生しなくなるので、高品位な突合せ接合品を得ること
ができる。
【0057】請求項2の発明は、接合工具の回転子の外
周面の端部に、接合予定部を該接合予定部の表面に平行
な方向に切削するための側方に向いた切刃が設けられ、
前記切刃は、接合工具の上下方向において、下端が回転
子の端面を含む平面と同じ位置又はこの平面よりも上側
に位置しているので、接合予定部に挿入されたプローブ
を、回転子の端面を接合予定部に当接させた状態のまま
で、接合方向に移動させることにより、回転子の移動方
向前方側にある接合予定部の部位を、回転する切刃によ
って接合方向に切削することができる。したがって、例
えば、厚さ方向に段差を生じる態様で突き合わされた2
個の接合部材を突合せ接合する場合において、回転子の
端面を低位側の接合部材の表面に当接させ、この状態
で、プローブを突合せ部に沿って相対的に移動させるこ
とにより、突合せ部から突出している高位側の接合部材
の肩部を切刃によって切削して段差を解消しながら、突
合せ部を接合することができるので、高品位な突合せ接
合品を得ることができる。
【0058】請求項3の発明は、板状の位置決め部と、
該位置決め部に断面T状をなして連設されるとともに、
一方の側縁部の肉厚が他方の側縁部の肉厚よりも突合せ
部における段差に相当する厚さ分だけ厚肉に形成された
鍔部とを備えた接合補助材を用い、前記位置決め部を突
合せ部に介在配置させるとともに、鍔部の両側縁部のう
ち前記一方の側縁部を低位側の接合部材の表面に重ね合
わせ且つ前記他方の側縁部を高位側の接合部材の表面に
重ね合わせることにより突合せ部における段差を解消
し、この状態で、挿入状態のプローブを鍔部及び位置決
め部に接触させるとともに、回転子の端面を鍔部の両側
縁部の表面に圧接し、この鍔部及び位置決め部を両接合
部材とともに軟化撹拌させることにより、両接合部材を
突合せ接合することを特徴とするものなので、摩擦熱に
より軟化した鍔部の軟化部分の素地の一部乃至全部を、
突合せ部に形成された隙間内に充填しながら、接合を行
うことができるようになり、もって突合せ部に形成され
た隙間に起因する未接合部分やボイド等の接合欠陥の発
生を防止することができるようになる。さらに、接合補
助材によって段差が解消されているから、突合せ部に摩
擦熱を十分に発生させ得て、摩擦熱不足による接合欠陥
の発生を防止することができるようになるし、高位側の
接合部材の肩部におけるバリの発生も防止することがで
きるようになる。したがって、接合部に未接合部分やボ
イド等の接合欠陥が生じておらず且つ摩擦熱不足による
接合欠陥も生じておらず、その上、バリも発生していな
い高品位な突合せ接合品を得ることができる。
【0059】請求項4の発明は、上記請求項3の発明と
同様の効果を奏する。
【0060】また、位置決め部を、その両端部のうちの
少なくとも一方の端部を突合せ部の端部から突合せ部の
延長線方向にはみ出させる態様にして突合せ部に介在配
置させる場合には、位置決め部のはみ出された端部を一
対のエンドタブ構成片で挟むことで、エンドタブの位置
決めを行うことができるので、エンドタブの取付け作業
を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す図であって、
(イ)は斜視図、(ロ)は(イ)中のI(ロ)−I(ロ)線断面
図、(ハ)は(イ)中のI(ハ)−I(ハ)線断面図である。
【図2】図1の摩擦撹拌接合法に用いる接合工具の要部
断面図である。
【図3】この発明の第2実施形態を示す斜視図である。
【図4】図3の摩擦撹拌接合法に用いる接合部材を、接
合補助材を用いることなく突き合わせた場合の図であっ
て、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)中のIV−IV線拡大
断面図である。
【図5】図3の断面図である。
【図6】接合途中の状態の断面図である。
【図7】この発明の第3実施形態を示す、接合途中の状
態の断面図である。
【図8】上記第2実施形態の摩擦撹拌接合法において、
接合補助材の両端部にエンドタブを取り付けた場合の斜
視図である。
【図9】従来の摩擦撹拌接合法を説明するための斜視図
である。
【図10】従来の摩擦撹拌接合法の欠点を示す図であっ
て、(イ)は斜視図、(ロ)は(イ)中のIX−IX線断面
図である。
【図11】同じく従来の摩擦撹拌接合法の欠点を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1、2…接合部材 3…突合せ部 4…段差 5…隙間 10、20…接合工具 11、21…回転子 11a、21a…回転子の端面 12、22…プローブ 13…切刃 30、40…接合補助材 31、41…位置決め部 32、42…鍔部 W…接合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 正敏 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 Fターム(参考) 4E067 AA05 BG00 CA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径大の回転子(11)の端面(11a)の回
    転軸線上に径小のプローブ(12)が突設された接合工具
    (10)を用い、 厚さ方向に段差(4)を生じる態様で突き合わされた2
    個の接合部材(1)(2)の突合せ部(3)又はその近
    傍に、回転する前記プローブ(12)を挿入するととも
    に、回転する前記回転子(11)の端面(11a)を突合せ
    部(3)の表面に当接させ、 この状態で、プローブ(12)を突合せ部(3)に沿って
    相対的に移動させることにより、両接合部材(1)
    (2)を突合せ接合する摩擦撹拌接合法において、 回転子(11)の外周面の端部に設けられ側方に向いた切
    刃(13)によって、突合せ部(3)から突出している高
    位側接合部材(1)の肩部(1a)を切削して前記段差
    (4)を解消しながら、プローブ(12)を移動させるこ
    とにより、両接合部材(1)(2)を突合せ接合するこ
    とを特徴とする摩擦撹拌接合法。
  2. 【請求項2】 径大の回転子(11)と、前記回転子(1
    1)の端面(11a)の回転軸線上に突設された径小のプロ
    ーブ(12)とを備えた摩擦撹拌接合工具(10)におい
    て、 回転子(11)の外周面の端部に、接合予定部(3)を該
    接合予定部の表面に平行な方向に切削するための側方に
    向いた切刃(13)が設けられ、 前記切刃(13)は、接合工具(10)の上下方向におい
    て、下端が前記回転子(11)の端面(11a)を含む平面
    (P)と同じ位置又はこの平面(P)よりも上側に位置
    していることを特徴とする摩擦撹拌接合工具。
  3. 【請求項3】 径大の回転子(21)の端面(21a)の回
    転軸線上に径小のプローブ(22)が突設された接合工具
    (20)を用い、 厚さ方向に段差(4)を生じる態様で突き合わされた2
    個の接合部材(1)(2)の突合せ部(3)又はその近
    傍に、回転する前記プローブ(22)を挿入し、 この状態で、プローブ(22)を突合せ部(3)に沿って
    相対的に移動させることにより、両接合部材(1)
    (2)を突合せ接合する摩擦撹拌接合法において、 板状の位置決め部(31)と、該位置決め部に断面T状を
    なして連設されるとともに、一方の側縁部(32a)の肉
    厚が他方の側縁部(32b)の肉厚よりも前記段差(4)
    に相当する厚さ分だけ厚肉に形成された鍔部(32)とを
    備えた接合補助材(30)を用い、 前記位置決め部(31)を突合せ部(3)に介在配置させ
    るとともに、前記鍔部(32)の両側縁部(32a)(32b)
    のうち前記一方の側縁部(32a)を低位側の接合部材
    (2)の表面に重ね合わせ且つ前記他方の側縁部(32
    b)を高位側の接合部材(1)の表面に重ね合わせるこ
    とにより突合せ部(3)における段差(4)を解消し、 この状態で、挿入状態のプローブ(22)を鍔部(32)及
    び位置決め部(31)に接触させるとともに、回転子(2
    1)の端面(21a)を鍔部(32)の両側縁部(32a)(32
    b)の表面に圧接し、この鍔部(32)及び位置決め部(3
    1)を両接合部材(1)(2)とともに軟化撹拌させる
    ことにより、両接合部材(1)(2)を突合せ接合する
    ことを特徴とする摩擦撹拌接合法。
  4. 【請求項4】 径大の回転子(21)の端面(21a)の回
    転軸線上に径小のプローブ(22)が突設された接合工具
    (20)を用い、 厚さ方向に段差(4)を生じる態様で突き合わされた2
    個の接合部材(1)(2)の突合せ部(3)又はその近
    傍に、回転する前記プローブ(22)を挿入し、 この状態で、プローブ(22)を突合せ部(3)に沿って
    相対的に移動させることにより、両接合部材(1)
    (2)を突合せ接合する摩擦撹拌接合法において、 板状の位置決め部(41)と、該位置決め部に断面L状を
    なして連設されるとともに、前記段差(4)に相当する
    厚さを有する鍔部(42)とを備えた接合補助材(40)を
    用い、 前記位置決め部(41)を突合せ部(3)に介在配置させ
    るとともに、前記鍔部(42)を低位側の接合部材(2)
    の表面に重ね合わせることにより突合せ部(3)におけ
    る段差(4)を解消し、 この状態で、挿入状態のプローブ(22)を鍔部(42)及
    び位置決め部(41)に接触させるとともに、回転子(2
    1)の端面(21a)を高位側の接合部材(1)の表面と鍔
    部(42)の表面とに圧接し、この鍔部(42)及び位置決
    め部(41)を両接合部材(1)(2)とともに軟化撹拌
    させることにより、両接合部材(1)(2)を突合せ接
    合することを特徴とする摩擦撹拌接合法。
  5. 【請求項5】 前記位置決め部(31、41)を、その両端
    部のうちの少なくとも一方の端部を突合せ部(3)の端
    部から突合せ部の延長線方向にはみ出させる態様にして
    突合せ部に介在配置させる請求項3又は4記載の摩擦撹
    拌接合法。
JP2000122090A 2000-04-24 2000-04-24 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合工具 Pending JP2001300744A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000122090A JP2001300744A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000122090A JP2001300744A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001300744A true JP2001300744A (ja) 2001-10-30

Family

ID=18632614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000122090A Pending JP2001300744A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001300744A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102390017A (zh) * 2011-08-05 2012-03-28 罗键 铣削-搅拌摩擦焊复合加工装置及中空型腔近净成型方法
CN102501074A (zh) * 2011-10-12 2012-06-20 罗键 一种切削-搅拌摩擦焊接联合加工设备及其制造方法
US20130239397A1 (en) * 2010-11-23 2013-09-19 Centre De Recherche Industrielle Du Quebec Apparatus and Method for Inserting a Component Through the Surface of a Workpiece
US8708628B2 (en) 2010-11-23 2014-04-29 Centre De Recherche Industrielle Du Quebec Insertion component and method for inserting thereof through the surface of a workpiece
CN103949769A (zh) * 2014-05-05 2014-07-30 西北工业大学 一种焊接不等厚零件的搅拌摩擦焊搅拌头及焊接方法
JP2015180175A (ja) * 2014-02-27 2015-10-08 株式会社東芝 回転子コイルの製造方法及び回転電機
KR101772185B1 (ko) * 2015-04-29 2017-08-28 조선이공대학교산학협력단 보강소재를 이용하는 모재강도보강장치

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130239397A1 (en) * 2010-11-23 2013-09-19 Centre De Recherche Industrielle Du Quebec Apparatus and Method for Inserting a Component Through the Surface of a Workpiece
US8708628B2 (en) 2010-11-23 2014-04-29 Centre De Recherche Industrielle Du Quebec Insertion component and method for inserting thereof through the surface of a workpiece
US9120188B2 (en) * 2010-11-23 2015-09-01 Centre De Recherche Industrielle Du Quebec Apparatus and method for inserting a component through the surface of a workpiece
US9259810B2 (en) 2010-11-23 2016-02-16 Centre De Recherche Industrielle Du Quebec Component to be inserted through the surface of a workpiece
US9381601B2 (en) 2010-11-23 2016-07-05 Centre De Recherche Industrielle Du Quebec Method for inserting a component through a surface of a workpiece
CN102390017A (zh) * 2011-08-05 2012-03-28 罗键 铣削-搅拌摩擦焊复合加工装置及中空型腔近净成型方法
CN102501074A (zh) * 2011-10-12 2012-06-20 罗键 一种切削-搅拌摩擦焊接联合加工设备及其制造方法
CN102501074B (zh) * 2011-10-12 2014-04-16 罗键 一种切削-搅拌摩擦焊接联合加工设备及切削-搅拌摩擦焊接联合加工制造方法
JP2015180175A (ja) * 2014-02-27 2015-10-08 株式会社東芝 回転子コイルの製造方法及び回転電機
CN103949769A (zh) * 2014-05-05 2014-07-30 西北工业大学 一种焊接不等厚零件的搅拌摩擦焊搅拌头及焊接方法
KR101772185B1 (ko) * 2015-04-29 2017-08-28 조선이공대학교산학협력단 보강소재를 이용하는 모재강도보강장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6715664B2 (en) Friction stir welding method
JP2001321965A (ja) 摩擦撹拌接合によるすみ接合法
JP5194906B2 (ja) 接合方法
JP2004106037A (ja) 金属材料の結合方法
JPH1071477A (ja) 摩擦スター溶接工具および方法
JP2003071577A (ja) 摩擦攪拌接合方法
JPH1128581A (ja) 摩擦撹拌接合による継手の形成方法
US20140004375A1 (en) Friction stir welding method for metal material and metal material welded body obtained thereby
JP2000246465A (ja) 摩擦撹拌接合用ツール
JP2009202212A (ja) 異材接合方法及び装置
JP2004154798A (ja) 摩擦撹拌接合方法及びそれに用いられるタブ板
JP3978257B2 (ja) 摩擦撹拌接合によるワークの接合方法
JP4865608B2 (ja) 溶接部の補修方法及び補修装置
JP2001300744A (ja) 摩擦撹拌接合法及び摩擦撹拌接合工具
JP2000042762A (ja) 摩擦撹拌接合法
JP2008302416A (ja) 接合方法
JP2002248582A (ja) 摩擦攪拌接合方法
JP3761736B2 (ja) 摩擦撹拌接合方法
JP3954547B2 (ja) 摩擦撹拌接合方法と摩擦撹拌接合部
JP3825140B2 (ja) 摩擦撹拌接合法
JPH1110364A (ja) 摩擦溶接方法
JP2011101891A (ja) 接合方法
JP3289650B2 (ja) 摩擦溶接方法
JP2005334970A (ja) 摩擦撹拌接合方法
JP6747365B2 (ja) 接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090414