JP4507660B2 - プロジェクタ - Google Patents
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具体的なインテグレータ照明光学系としては、照明光軸に直交する面内にマトリクス状配置されるレンズ要素を備え、光源の後段に配置される光束分割素子としての第1レンズアレイと、この第1レンズアレイのレンズ要素に応じた複数のレンズ要素から構成され、第1レンズアレイにより分割された部分光束を、光変調装置の画像形成領域上に重畳させる第2レンズアレイとを備えたものが知られている。
インテグレータ照明光学系を構成する光学部品を含み、光源から射出された光束を光変調装置に導く各種光学部品は、通常、内部に所定の照明光軸が設定された光学部品用筐体内に収納されている。
本発明によれば、筐体への投写レンズの固定構造は、レンズ取付面に投写レンズのフランジ部に形成された孔及び他の孔に対応する位置に、第1のレンズ位置決め突起、第2のレンズ位置決め突起およびレンズ固定孔を形成することで構成されるので、投写レンズをレンズ取付面に固定する固定構造を簡素化することができる。
また、それぞれの溝部の形状等を変更することにより、当該溝部に異なる種類の第1のレンズアレイを挿入することができる。ここで、プロジェクタには、第2のレンズアレイの後段に配置される光変調装置の大きさおよび解像度等の種類に応じたレンズアレイが用いられる場合がある。このため、それぞれの溝部が異なる種類の第1のレンズアレイを位置決めできることにより、筐体に配置する第1のレンズアレイの種類を変更することができ、前述の第1のレンズアレイの配置位置と同様に、複数の仕様に合わせたプロジェクタを構成することができる。
さらに、レンズアレイの種類、および、筐体におけるレンズアレイの配置位置を変えることにより、より多くの仕様に合わせたプロジェクタを構成することができる。また、このような複数の仕様のプロジェクタを1つの筐体で構成することができるので、プロジェクタの製造工数および製造コストを削減することができる。
本発明によれば、前述の溝部に配置される第1のレンズアレイの種類に応じて、該第1のレンズアレイおよび第2のレンズアレイの光軸位置を調整して、光源収納部に光源装置を位置決めすることができる。ここで、第1レンズアレイおよび第2レンズアレイの種類および配置位置に応じて、光源装置を取り付ける必要がある場合がある。このような場合でも、光源装置を位置調整して光源収納部に収納することができる。従って、前述の第1レンズアレイを位置決めする溝部と合わせて、より多くの仕様に応じたプロジェクタを構成することができる。
また、光源位置決め部によって位置決めが可能な光源装置であれば、光量等の仕様が異なる光源装置を収納することができる。従って、筐体の汎用性を一層向上でき、1種類の筐体から複数のプロジェクタを構成することができる。
〔1.プロジェクタの主な構成〕
図1は、本発明に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方背面側から見た斜視図である。
図1または図2に示すように、プロジェクタ1は、射出成形によって成形された略直方体状の外装ケース2を備える。この外装ケース2は、プロジェクタ1の本体部分を収納する合成樹脂製の筐体であり、アッパーケース21と、ロアーケース22とを備え、これらのケース21,22は、互いに着脱自在に構成されている。
同様に、ロアーケース22も、図1,2に示すように、プロジェクタ1の下面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する下面部22A、側面部22B、前面部22C、および背面部22Dを含んで構成される。
2つの前脚2Fは、それぞれ上下方向に進退可能に構成されており、プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾き(姿勢)を調整して、投写画像の位置調整ができるようになっている。
電源31は、前記インレットコネクタに接続された図示しない電源ケーブルを通して外部から供給された電力を、前記ランプ駆動回路や制御基板5等に供給するものである。
前記ランプ駆動回路は、光学ユニット4を構成する図3,4では図示しない光源ランプに、電源31から供給された電力を供給するものであり、前記光源ランプと電気的に接続されている。このようなランプ駆動回路は、例えば、基板に配線することにより構成できる。
また、電源31および前記ランプ駆動回路は、左右側が開口されたアルミニウム等の金属製のシールド部材31Aによって周囲を覆われている。
シールド部材31Aは、冷却空気を誘導するダクトとしての機能に加えて、電源31や前記ランプ駆動回路で発生する電磁ノイズが、外部へ漏れないようにする機能も有している。
この制御基板5では、接続部51B,52Aを介して入力された画像情報に応じて、メイン基板51のCPU等が、後述する光合成装置を構成する液晶パネルの制御を行う。
図5は、光学ユニット4を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、図5に示すように、光源装置411を構成する光源ランプ416から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投射するユニットであり、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、プリズムユニット44と、投写レンズ46と、これらの光学部品41〜44,46を収納する光学部品用筐体47(図4)とを備える。なお、光学部品用筐体47については、後に詳述する。
なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
プリズムユニット44において、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441B、入射側偏光板442、および射出側偏光板443によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
射出側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム444に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光板442および射出側偏光板443は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。このようなクロスダイクロイックプリズム444は光学ガラスにより構成されている。
投写レンズ46は、プリズムユニット44のクロスダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像を拡大して投写するものである。
光学部品用筐体47は、前述のように、光学ユニット4を構成する光学部品が収納される合成樹脂製の箱型部材であり、上方に各光学部品41〜44,46を嵌め込むための開口6A(図6)が形成され、該光学部品41〜44,46が収納される断面略コ字状の部品収納部材6と、この部品収納部材6の開口6Aを覆う蓋状部材7(図4)とを備えている。このうち、蓋状部材7は、部品収納部材6の開口6Aと略同じ形状で形成され、部品収納部材6内を透過する光束が、開口6Aを介して外部に漏れないようにしている。
部品収納部材6は、図6〜図8に示すように、該部品収納部材6の一端に形成され、前述の光源装置411を収納する光源収納部61と、光源装置411以外の光学部品が収納される部品収納部62と、光源収納部61とは反対側の端部に形成され、投写レンズ46を保持するレンズ保持部64とを備えている。
光源収納部61の水平方向の囲むように対向配置された面に形成された開口部612〜615は、光源装置411を冷却する冷却空気を送風するための開口である。このうち、光源装置411からの光束の射出方向先端側に形成された開口部612,613には、光源装置411のリフレクタ417内部を冷却する冷却空気が流通する。また、光束射出方向基端側に設けられた開口部614,615には、光源装置411のリフレクタ417外部を冷却する冷却空気が流通する。すなわち、図示しない冷却ファンから送風された冷却空気は、開口部612からリフレクタ417内部を流通して、リフレクタ417内面および光源ランプ416を冷却した後、開口部613から排出される。また、開口部614から光源収納部61内に導入された冷却空気は、リフレクタ417外部およびリフレクタ417から露出した光源ランプ416を冷却し、スリット状に形成された開口部615から排出される。なお、開口部614は、光源装置411に設けられ、前述の電源ユニット3と接続される図示しないコネクタが露出する部分でもある。
光源固定部616には、該光源固定部616を上下方向に貫通するように光源装置411の固定用のねじ孔616Aが形成されている。
光源位置決め部617には、上方に向かって突出した光源位置決め用突起としての2つの位置決めピン617A,617Bと、これら位置決めピン617A,617Bに挟まれるように、光源位置決め部617を上下に貫通する光源固定用のねじ孔617Cが形成されている。
例えば、位置決めピン617Aと孔618A,618Dとの組み合わせ、位置決めピン617Bと孔618B,618Cとの組み合わせ、および、位置決めピン617Aと孔618E,618Fとの組み合わせ等が挙げられる。これらの組み合わせは、前述のように、位置決めピン617A,617Bのいずれか1つと、孔618A〜618Fのいずれか2つとの組み合わせとなるので、合計30種類の組み合わせとなる。従って、30種の組み合わせから選択して、光源装置411の種類および配置位置に応じて該光源装置411を位置決めすることができる。
なお、このように位置決めピン617A,617Bおよび孔618A〜618Fによって位置決めされた光源装置411の固定は、光源固定部616および光源位置決め部617に形成されたねじ孔616A,617Cに、光源装置411が位置決めされた状態で図示しないねじが螺合することによって行われる。
ここで、液晶パネル441の大きさおよび解像度によって、用いられる第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の種類が異なる場合がある。このような場合でも、複数種類の第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413を位置決めできるので、構成する光学ユニット4の仕様に合わせて、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413を選択して採用することで、多様な仕様に合わせた光学ユニット4を1つの部品収納部材6から構成できる。
レンズ保持部64の略中央には、略円形の開口部64Aが形成されている。この開口部64Aは、前述のクロスダイクロイックプリズム444で合成した光学像が透過される光路を形成する開口である。
このレンズ取付面64Bの四隅部分には、投写方向に突出するレンズ位置決め突起としての4つの位置決めピン641,642,643,644と、図示しないねじ等の固定具が挿通され、投写レンズ46を保持するレンズ固定孔としての8つの孔645,646,647,648,649,650,651,652とが、レンズ固定部として形成されている。
また、位置決めピン642,643および孔649〜652によって位置決め固定される投写レンズのフランジ部は、位置決めピン641,644および孔645〜648によって位置決め固定される投写レンズのフランジ部よりも小さく形成され、かつ、位置決めピン642,643および孔649〜652は、位置決めピン641,644および孔645〜648よりも、レンズ取付面64Bの中心に近い位置に形成されている。これにより、位置決めピン641,644の突出および孔645〜648の形成位置周辺の構造が、位置決めピン642,643および孔649〜652による投写レンズ46の固定に干渉しないようにすることができる。
従って、投写レンズ46の位置決め固定に際して、位置決めピン641,644および孔645〜648を利用する場合、および、位置決めピン642,643および孔649〜652を利用する場合のそれぞれで、投写レンズ46を安定して位置決め固定することができる。
なお、前述の例に限らず、位置決めピン641〜644および孔645〜652から任意に位置決めピンおよび孔を選択して、投写レンズ46を位置決め固定するようにしてもよい。
また、このような部品収納部材6により、多様な光学ユニット4を構成することができるので、部品収納部材6の汎用性を向上できるとともに、光学ユニット4の設計を簡略化することができる。また、部品収納部材6を共通の部材として利用することができるので、光学ユニット4ひいてはプロジェクタ1の製造コストを削減することができる。
さらには、プロジェクタ1では、仕様に合わせて採用される部品収納部材6を共通化できるので、プロジェクタ1に光学ユニット4を取り付ける構造を共通化することができるので、プロジェクタ1の内部構造の検討に係る設計工程を削除することができる。
例えば、前記実施形態では、第1レンズアレイ412を位置決めする溝部を2つ形成したが、3つ以上であってもよい。また、第1レンズアレイ412に限らず、他の光学部品の位置決めを行う溝部を複数形成してもよい。このような光学部品として、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414を挙げることができる。
また、光変調装置として液晶パネル441を用いたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
さらに、前記実施形態では、液晶パネルに、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
加えて、前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
Claims (4)
- 光源と、
該光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、
前記光源と前記光変調装置との間に設けられ、該光変調装置を照明する複数の光学部品と、
前記複数の光学部品を収納し、それぞれの前記光学部品を所定の照明光軸上に配置する筐体と、
前記光変調装置で形成された光学像を投写する投写レンズとを備え、
前記筐体は、前記投写レンズが取り付けられるレンズ取付面を有し、
前記レンズ取付面には、2種の前記投写レンズに対応し、該各投写レンズから選択された投写レンズを該レンズ取付面に固定するレンズ固定部が設けられ、
前記レンズ固定部は、第1のレンズ位置決め突起および第2のレンズ位置決め突起を有し、
前記2種の投写レンズは、それぞれ、
該投写レンズを構成するレンズを収納する鏡筒と、
該鏡筒の投写方向基端側に形成され、該投写レンズの光軸直交方向に延出するフランジ部とを備え、
前記2種の投写レンズは、前記第1のレンズ位置決め突起が挿入される孔を有する前記フランジ部を備える投写レンズ、及び、前記第2のレンズ位置決め突起が挿入される孔を有する前記フランジ部を備える投写レンズであり、
前記第2のレンズ位置決め突起は、前記レンズ取付面における前記第1のレンズ位置決め突起が形成される平面より深さ寸法が小さい平面上で、かつ、該第1のレンズ位置決め突起より外縁側に形成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記フランジ部は、前記孔とは異なる位置に形成された他の孔を有し、
前記レンズ固定部は、前記他の孔に対応する位置に形成され、投写レンズ固定用の固定具が挿通されるレンズ固定孔を有することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1又は請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記複数の光学部品は、
前記光源から射出された光束を複数の部分光束に分割する第1のレンズアレイと、
この第1のレンズアレイに応じた複数のレンズ要素を備え、各部分光束を前記光変調装置の画像形成領域に重畳させる第2のレンズアレイとを含んで構成され、
前記筐体には、前記第1のレンズアレイが挿入され、該第1のレンズアレイを位置決めする溝部が、前記第2のレンズアレイに対する間隔を違えて複数形成され、
前記第1のレンズアレイは、前記複数の溝部から選択された溝部に挿入されることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項3に記載のプロジェクタにおいて、
前記筐体は、前記光源を有する光源装置を収納する光源収納部を備え、
この光源収納部には、前記第1のレンズアレイの種類に応じて前記光源装置の光軸方向位置を位置決めする光源位置決め部を備えることを特徴とするプロジェクタ。
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