JP4375349B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のプロジェクタは、下ケースに設けられたインサートナット等の固定部と、天井に固定されたボルト等の固定用部材とにより、当該プロジェクタを天井に固定することができるように構成されている。
このような問題から、簡易な構成で、天吊り姿勢とした場合の落下を防止できるプロジェクタが要望されてきた。
本発明によれば、固定部材が、外装筐体に形成された孔部を介して、取付部材に係合する。また、この孔部が形成された外装筐体の内面と、当該孔部に設けられた取付部材のフランジ部との間には、当該フランジ部の外径寸法より大きな外径寸法を有する介装部材が介在配置されている。
これによれば、固定部材と取付部材とが係合した際に、当該取付部材に設けられたフランジ部が、介装部材とともに外装筐体を支えるので、プロジェクタを壁面に取り付けることが可能となる。
ここで、壁面に取り付けられたプロジェクタにおいて、孔部および当該孔部近傍の外装筐体が破損し、当該プロジェクタが壁面から外れそうになった場合には、プロジェクタの荷重に対して、外装筐体の内面と取付部材のフランジ部との間に介装された介装部材を介して、固定部材と係合した取付部材のフランジ部が外装筐体の内面を支えるので、プロジェクタの壁面からの落下を防止することができる。従って、簡易な構成で、プロジェクタの落下を防止することができる。また、取付部材の孔部への圧入作業の作業性を向上することができる。
これによれば、介装部材が対向する外装筐体の内面に、孔部を囲む放射状のリブが形成されていることにより、外装筐体を厚くして当該外装筐体の強度を高めることができる。従って、壁面にプロジェクタが設置されている場合に、介装部材を介して取付部材のフランジ部から加わる応力に対する外装筐体の強度を、簡易な構成で向上することができるとともに、単位面積あたりの荷重を減少させることができる。よって、プロジェクタの落下をより確実に防止することができる。
ここで、合成樹脂により外装筐体が形成されている場合には、外装筐体に部分的な厚さ寸法の違いがあると、当該外装筐体の成形時に、厚さ寸法が大きな部分の反対側の面に、「引け」と言われる凹み等の変形が生じてしまう場合がある。
これに対し、介装部材が対向する外装筐体の内面に、複数のリブが形成されていることにより、当該外装筐体において、厚さ寸法に差がある領域を小さく、かつ、分割することができる。これにより、外装筐体に変形が生じることを抑えることができる。
本発明によれば、取付部材、介装部材および固定部材を、インサートナット、ワッシャおよびボルトで構成することにより、これらを簡易な構成とすることができる。これにより、プロジェクタの構成を一層簡略化することができる。
また、取付部材がインサートナットであるので、取付部材を外装筐体に熱圧入や超音波処理等により、簡易に取り付けることができる。
さらに、固定部材としてのボルトと、取付部材としてのインサートナットとを螺合させることにより、簡単かつ確実に、プロジェクタを壁面に取り付けることができる。
また、本発明では、前記外装筐体は、前記孔部を囲み、当該外装筐体の外側に突出するボスを有し、前記介装部材の外径寸法は、前記ボスの外径寸法より大きいことが好ましい。
(1)プロジェクタ1の外観構成
図1は、本発明に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方背面側から見た斜視図である。
本実施形態のプロジェクタ1は、内部に設けられた光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成し、当該光学像をスクリーン等に拡大投射する。このプロジェクタ1は、図1および図2に示すように、後述する装置本体3を収納する合成樹脂製の外装筐体2を備えている。
また、前面部2Cには、図1における左側に、排気口2C2が形成されており、当該排気口2C2に応じて外装筐体2内部に設けられたファン(図示省略)により、プロジェクタ1を構成する電子部品および光学部品等を冷却した空気が排出される。
このうち、2つの調節脚部2E8は、それぞれ上下方向に進退可能に構成されており、プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾き(姿勢)を調整して、投射画像の位置調整ができるようになっている。
これら孔部2E9は、ロアーケース22を上下に貫通するように形成され、外側から見える部分では内径が小さく、内側の部分では内径が大きくなるように段差をもって形成されている(図5参照)。この孔部2E9の内部には、下面部2Eの内側から後述する取付構造7が埋設されている。
それぞれのボス2E10は、孔部2E9の周囲を覆い、かつ、下面部2Eおよびロアーケース22の内面22A(図4および図5参照)からそれぞれ面外方向に突出するように形成されている。
なお、取付構造7の構成については、後に詳述する。
図3は、プロジェクタ1の内部構成を示す模式図である。
外装筐体2の内部には、図3に示すように、装置本体3を構成する光学ユニット4、詳しい図示を省略するが、電源装置、制御装置および冷却装置が設けられている。
このうち、電源装置は、プロジェクタ1を構成する各電子部品に電力を供給する。また、制御装置は、プロジェクタ1全体を制御する。そして、冷却装置は、複数のファンを備えて構成され、制御装置による制御下で当該複数のファンを駆動して、発熱する光学部品および電子部品を冷却する。
光学ユニット4は、制御装置による制御の下、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像(カラー画像)を形成するユニットである。この光学ユニット4は、外装筐体2の背面に沿って延出するとともに、当該外装筐体2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。
この光学ユニット4は、図3に示すように、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、電気光学装置44と、これらのうち、光学部品41〜44を内部に収納配置する光学部品用筐体45と、投射レンズ46とを備えている。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、
当該第2レンズアレイ413の光路後段に配置された重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズから射出された像を、電気光学装置44の後述する液晶パネル441の画像形成領域に結像させる機能を有している。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に後述する液晶パネル441の画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の直線偏光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。
リレー光学装置43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学装置42で分離された赤色光を赤色光用の液晶パネル441(441R)まで導く機能を有している。
この電気光学装置44は、光変調装置としての3つの液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、これら液晶パネル441の光束入射側にそれぞれ配置される3つの入射側偏光板442と、各液晶パネル441の光束射出側にそれぞれ配置される3つの射出側偏光板443と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備えて構成されている。
液晶パネル441は、一対の透明ガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、制御装置から入力する駆動信号に応じて、画像形成領域内にある液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向を変調して、入射する色光に応じた色画像を形成する。
投射レンズ46は、電気光学装置44で形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する投射光学装置である。この投射レンズ46は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
図4は、取付構造7を示す分解斜視図である。また、図5は、取付構造7の縦断面図である。なお、これら図4および図5においては、プロジェクタ1の天吊り姿勢での取付構造7を示しており、図1および図2で示した正置き姿勢とは上下が逆になっている。
外装筐体2のロアーケース22には、プロジェクタ1を建物の天井91等に取り付けるための取付構造7が設けられている。この取付構造7は、ロアーケース22の内面(ロアーケース22における下面部2Eが形成された側とは反対側の面)22Aの孔部2E9(図2参照)に対応する位置に設けられている。
この取付構造7は、図4および図5に示すように、取付部材としてのインサートナット71と、介装部材としてのワッシャ72とを備えて構成されている。
このうち、円筒部711は、本発明の筒状部に相当し、当該円筒部711の外径寸法は、孔部2E9の内径と略同じ寸法とされており、この円筒部711は、当該円筒部711のフランジ部712が形成された側とは反対側の端部から、ロアーケース22の内面22A側より孔部2E9に熱圧入される。
また、円筒部711の外周には、環状突起部7112が形成されている。この環状突起部7112は、円筒部711が孔部2E9に圧入された際に、当該孔部2E9の内面に嵌合し、円筒部711が孔部2E9から抜けることを防止する。このため、孔部2E9には、円筒部711により常に外側に広がる方向に応力が加わっている。
この際、プロジェクタ1の荷重が、ロアーケース22からワッシャ72を介してインサートナット71のフランジ部712に伝達されるが、当該インサートナット71の円筒部711に形成された環状突起部7112が孔部2E9の内面に嵌合されているため、インサートナット71が孔部2E9に支持され、プロジェクタ1は天井91に支持される。
すなわち、インサートナット71のフランジ部712と、外装筐体2を構成するロアーケース22の内面22Aに形成されたボス2E10およびリブ22A1との間に、当該フランジ部712の外径寸法よりも大きい外径寸法を有するワッシャ72が介在配置されている。
ここで、インサートナット71の熱圧入時には、インサートナット71を熱してから孔部2E9に圧入するが、ワッシャ72が設けられていない場合では、圧入時にインサートナット71のフランジ部712から熱がボス2E10の表面に伝わって当該ボス2E10が変形し、インサートナット71の固定位置がずれてしまう可能性がある。このため、インサートナット71の圧入作業を慎重に行う必要がある。
これに対し、ワッシャ72を、インサートナット71のフランジ部712とボス2E10との間に介在配置させることにより、当該フランジ部712から熱がボス2E10の表面に伝わることを防ぐことができる。従って、インサートナット71の孔部2E9への圧入作業の作業性を向上することができる。
また、プロジェクタ1を天井91等に設置した状態で、孔部2E9またはボス2E10が破損した場合でも、当該プロジェクタ1の落下を防止することができる。
従って、ロアーケース22と、当該ロアーケース22に形成された孔部2E9に圧入されたインサートナット71との間にワッシャ72を介装することで、簡易な構成により、プロジェクタ1の落下を防止することができる。また、このような取付構造7をプロジェクタ1が有することにより、天吊り姿勢を確実に維持することができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
また、前記実施形態では、光学ユニット4は平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
さらに、前記実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネル441を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
また、前記実施形態では、直接天井91にプロジェクタ1を取り付けていたが、ボルトで固定する構成であれば、プロジェクタと天井との間に取付治具を用いて固定してもよい。
Claims (3)
- 光源と、前記光源から射出された光束を変調して光学像を形成する光変調装置と、形成された光学像を投射する投射光学装置と、これら前記光源、前記光変調装置および前記投射光学装置を内部に収納する合成樹脂製の外装筐体とを備えたプロジェクタであって、
前記外装筐体には、当該プロジェクタを所定の位置に固定する固定部材が挿通する孔部が、前記外装筐体を貫通するように形成され、
前記外装筐体内には、前記孔部に対応する位置に、当該孔部を挿通した前記固定部材に係合する取付部材が設けられ、
前記取付部材には、前記孔部の内径寸法より大きな外径寸法を有し、前記外装筐体の内面に対向するフランジ部が設けられ、
前記外装筐体の内面と、前記フランジ部との間には、当該フランジ部の外径寸法よりも大きな外径寸法を有する介装部材が介在配置され、
前記外装筐体の内面には、前記内面から起立し、前記介装部材の外径寸法に応じて、前記孔部を囲んで放射状に延出する複数のリブが形成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記取付部材は、前記孔部内に挿入され、内部にねじ孔が形成された筒状部を有するインサートナットであり、
前記介装部材は、前記筒状部が挿通する孔部が形成されたワッシャであり、
前記固定部材は、前記ねじ孔に螺合するボルトであることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記外装筐体は、前記孔部を囲み、当該外装筐体の外側に突出するボスを有し、
前記介装部材の外径寸法は、前記ボスの外径寸法より大きいことを特徴とするプロジェクタ。
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