JP4375350B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のプロジェクタは、下ケースに設けられたインサートナット等の固定部と、天井に固定されたボルト等の固定用部材とにより、当該プロジェクタを天井に固定することができるように構成されている。
このような問題から、簡易な構成で、天吊り姿勢とした場合の落下を防止できるプロジェクタが要望されてきた。
これに対し、本発明では、ボスを構成し、かつ、孔部を形成する第1側部と、同じくボスを構成し、かつ、当該第1側部の周囲に形成された第2側部とが、架橋部によって接続されていることにより、第1側部が破損した場合でも、当該第1側部が広がることが抑えられる。これによれば、固定部材と係合した取付部材と、外装筐体との係合が外れることを防ぐことができる。従って、長時間天吊り姿勢を保持しても、プロジェクタの落下を防ぐことができる。
また、取付部材のフランジ部と外装筐体の内面との間には、フランジ部の外径寸法より大きな外径寸法を有する介装部材が介在配置されている。これによれば、取付部材がプロジェクタの荷重を支える面積を広げることができる。従って、取付部材と固定部材とが係合した状態で、当該第1側部が破損して、取付部材が外装筐体から脱落しそうになった場合でも、フランジ部と、当該フランジ部および外装筐体の内面の間に配置される介装部材とが、外装筐体の内面を支えることにより、プロジェクタの荷重を確実かつ安定して支えることができる。また、取付部材の孔部への圧入作業の作業性を向上させることができる。
本発明によれば、第2側部の突出方向の先端側が、第1側部に近接するように傾斜して、ボスが全体として略錘形状に形成されていることにより、第1側部と第2側部とを接続する架橋部において、当該第1側部と第2側部との距離が短い部分を形成することができる。これによれば、第1側部の広がりに対する抵抗力を強くすることができるので、第1側部の外側への広がりを一層強固に抑制することができる。従って、取付部材の脱落を一層抑制でき、プロジェクタの落下を確実に防止することができる。
また、ボスを略円錐形状に形成する場合には、角錐形状に形成する場合に比べ、ボスの形成を容易に行うことができる。従って、外装筐体の形成を容易にすることができる。
本発明によれば、外装筐体の外面から面外方向に突出するように、ボスが形成されていることにより、当該ボスを構成する第1側部と第2側部とを接続する架橋部は、略箱型形状に形成された外装筐体の内面側に露出することとなる。
ここで、外装筐体の内面側には、構成部品を位置決めする突起等を形成することが多いため、金型等の成形型の抜けをよくするためには、当該外装筐体の外面は凹凸が少ないことが求められる。一方、外面に架橋部が露出している場合には、当該架橋部の部分で成形型を割って、成形された外装筐体を取り出す工程が必要となり、外装筐体の形成工程を煩雑化させる要因となる。
これに対し、ボスが外装筐体の外面から面外方向に突出するように形成されることにより、外装筐体外面から見て第1側部が第2側部に覆われることとなり、外装筐体の外面の凹凸を少なくすることができる。これにより、外装筐体の成形時の成形型からの当該外装筐体の取り出しを容易に行うことができる。従って、外装筐体の形成を簡略化することができる。
本発明によれば、ワッシャが第1側部の外側に形成された架橋部にかかる外径寸法を有していることにより、第1側部と架橋部との接続部分が破損して、当該第1側部が外装筐体から脱落しそうになった場合に、架橋部にかかるワッシャにより、第1側部の脱落を防ぐことができる。また、外装筐体との接触面積を大きくすることができるので、ワッシャおよび取付部材により、プロジェクタを安定して支持することができるほか、プロジェクタの荷重を架橋部に分散させて、単位面積あたりの荷重を減少させることができる。従って、固定部材と取付部材とが係合した状態で、外装筐体が落下することを防ぐことができ、ひいては、プロジェクタの落下を一層確実に防止することができる。
(1)プロジェクタ1の外観構成
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方背面側から見た斜視図である。
本実施形態のプロジェクタ1は、内部に設けられた光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成し、当該光学像をスクリーン等に拡大投射する。このプロジェクタ1は、図1および図2に示すように、後述する装置本体3を収納する合成樹脂製の外装筐体2を備えている。
また、前面2Cには、図1における左側に、排気口2C2が形成されており、当該排気口2C2に応じて外装筐体2内部に設けられたファン(図示省略)により、プロジェクタ1を構成する電子部品および光学部品等を冷却した空気が排出される。
このうち、2つの調節脚部2E8は、それぞれ上下方向に進退自在に構成されており、プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾き(姿勢)を調整して、投射画像の位置調整ができるようになっている。
なお、ボス2E10の構成については、後に詳述する。
図3は、プロジェクタ1の内部構成を示す模式図である。
外装筐体2の内部には、図3に示すように、光学ユニット4を有する装置本体3が設けられている。この装置本体3は、光学ユニット4の他に、詳しい図示を省略するが、電源ユニット、制御ユニットおよび冷却ユニット等を備えて構成されている。
このうち、電源ユニットは、インレットコネクタ52(図2参照)を介して入力した商用交流電流を直流変換して、プロジェクタ1を構成する各電子部品に電力を供給する。また、制御ユニットは、各端子51A(図1参照)を介して入力した画像情報等を処理するとともに、プロジェクタ1全体を制御する回路基板として構成されている。そして、冷却ユニットは、複数のファンを備えて構成され、制御ユニットによる制御下で当該複数のファンを駆動して、発熱する光学部品および電子部品を冷却する。
光学ユニット4は、前述の制御ユニットによる制御の下、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像(カラー画像)を形成するユニットである。この光学ユニット4は、外装筐体2の背面2D(図2参照)に沿って延出するとともに、当該外装筐体2の側面2B(図1参照)に沿って延出する平面視略L字形状を有している。
この光学ユニット4は、図3に示すように、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、電気光学装置44と、これら光学部品41〜44を内部に収納配置する光学部品用筐体45と、投射レンズ46とを備えている。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、
当該第2レンズアレイ413の光路後段に配置された重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズから射出された像を、電気光学装置44の後述する液晶パネル441の画像形成領域に結像させる機能を有している。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に後述する液晶パネル441の画像形成領域にほぼ重畳される。ここで、偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の直線偏光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。
リレー光学装置43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学装置42で分離された赤色光を赤色光用の液晶パネル441(441R)まで導く機能を有している。
この電気光学装置44は、光変調装置としての3つの液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、これら液晶パネル441の光束入射側にそれぞれ配置される3つの入射側偏光板442と、各液晶パネル441の光束射出側にそれぞれ配置される3つの射出側偏光板443と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備えて構成されている。
投射レンズ46は、電気光学装置44で形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する投射光学装置としての機能を有する。この投射レンズ46は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
図4は、ロアーケース22の内面22Aと取付構造7とを示す斜視図である。また、図5は、ロアーケース22と取付構造7とを示す断面図である。なお、図4および図5においては、ロアーケース22の下面2Eを上方側に図示している。
ここで、ロアーケース22に形成されたボス2E10の構成について説明する。
ボス2E10は、前述のように、孔部2E9を形成し、ロアーケース22の下方(図4および図5における上方)側に突出するように形成されている。このボス2E10は、図4および図5に示すように、孔部2E9を形成する第1側部2E11と、当該第1側部2Eの周囲に形成された第2側部2E12と、第1側部2E11および第2側部2E12とを接続する架橋部としてのリブ2E13とから構成されている。
この孔部2E9内には、下面2E側から見える部分では内径が小さく、内側の部分では内径が大きくなるように段差部2E91が形成されている。この孔部2E9の内部には、下面2Eの内側から後述するインサートナット71が配置され、第1側部2E11の内面には、インサートナット71の環状突起部7112が嵌め込まれる。
前述した孔部2E9およびボス2E10に対応するロアーケース22の内面22A側には、プロジェクタ1を建物の天井91等に取り付けるための取付構造7が設けられている。
この取付構造7は、図4および図5に示すように、取付部材としてのインサートナット71と、ワッシャ72とを備えて構成されている。
このうち、円筒部711は、本発明の筒状部に相当し、当該円筒部711の外径寸法は、孔部2E9の内径と略同じ寸法とされており、この円筒部711は、当該円筒部711のフランジ部712が形成された側とは反対側の端部から、ロアーケース22の内面22A側より孔部2E9に熱圧入される。そして、この円筒部711の孔部2E9への挿入方向先端側の端部は、孔部2E9に形成された段差部2E91に当接され、プロジェクタ1が天吊り姿勢となった際の孔部2E9からのインサートナット71の脱落を防止している。
また、円筒部711の外周には、面外方向に突出する2つの環状突起部7112が形成されている。この環状突起部7112は、円筒部711が孔部2E9に圧入された際に、当該孔部2E9の内面に嵌まり込み、円筒部711が孔部2E9から脱落することを防止する。このため、孔部2E9を形成するボス2E10の第1側部2E11には、円筒部711により常に外側に広がる方向に応力が加わっている。
また、ワッシャ72の外径寸法は、リブ22A1の内側に配置された際に、ボス2E10を構成するリブ2E13の略全体を覆う程度の寸法を有している。このため、当該ワッシャ72は、インサートナット71のフランジ部712に当接され、当該フランジ部712により、ボス2E10を構成するリブ2E13に押さえられる。
すなわち、インサートナット71が設けられる孔部2E9を形成するボス2E10の第1側部2E11と、当該第1側部2E11の周囲に形成される第2側部2E12とが複数のリブ2E13により接続されていることにより、第1側部2E11に亀裂等が発生して当該第1側部2E11が外側に広がろうとしても、第2側部2E12およびリブ2E13により、当該第1側部2E11の変形が抑えられる。これによれば、第1側部2E11が破損した場合でも、当該第1側部2E11の内側、すなわち、孔部2E9内にインサートナット71を留めることができるので、当該インサートナット71により、プロジェクタ1の荷重を支えることができる。
すなわち、インサートナット71の熱圧入時には、インサートナット71を熱してから孔部2E9に圧入するが、ワッシャ72が設けられていない場合では、圧入時にインサートナット71のフランジ部712から熱がボス2E10の表面に伝わって当該ボス2E10が変形し、インサートナット71の固定位置がずれてしまう可能性がある。このため、インサートナット71の圧入作業を慎重に行う必要がある。
これに対し、ワッシャ72を、インサートナット71のフランジ部712とボス2E10との間に介装することにより、当該フランジ部712から熱がボス2E10の表面に伝わることを防ぐことができる。従って、インサートナット71の孔部2E9への圧入作業の作業性を向上することができる。
加えて、第1側部2E11とリブ2E13との接続部分が破損した場合でも、当該リブ2E13にかかるワッシャ72により、第1側部2E11およびインサートナット71の外装筐体2からの抜けを、より確実に防止することができる。従って、プロジェクタ1の落下をより確実に防止することができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
また、前記実施形態では、ワッシャ72の外径寸法は、リブ2E13をほぼ覆う程度としたが、本発明はこれに限らず、少なくとも、インサートナット71のフランジ部712の外径寸法より大きな寸法を有していればよい。
また、前記実施形態では、光学ユニット4は平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
さらに、前記実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネル441を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
また、前記実施形態では、直接天井91にプロジェクタ1を取り付けていたが、ボルトで固定する構成であれば、プロジェクタと天井との間に取付治具を用いて固定してもよい。
Claims (5)
- 光源と、前記光源から射出された光束を変調して光学像を形成する光変調装置と、形成された光学像を投射する投射光学装置と、これら前記光源、前記光変調装置および前記投射光学装置を内部に収納する外装筐体とを備えたプロジェクタであって、
前記外装筐体は、
当該プロジェクタを所定の位置に固定する固定部材が挿入される孔部を有するボスと、
当該外装筐体の内面に形成され、前記ボスの外側端縁からそれぞれ放射状に延出する複数のリブとを有し、
前記孔部内には、前記外装筐体と係合し、かつ、前記孔部に挿入された前記固定部材と係合する取付部材が設けられ、
前記ボスは、
前記孔部を形成する第1側部と、
当該第1側部から所定の間隔を隔てて形成され、当該第1側部の周囲を囲む第2側部と、
前記第1側部および前記第2側部を接続する架橋部とを備え、
前記取付部材は、前記孔部の内径寸法より大きな外径寸法を有し、かつ、前記外装筐体の内面に対向するフランジ部を備え、
前記外装筐体の内面と、前記フランジ部との間には、当該フランジ部の外径寸法より大きな外径寸法を有する介装部材が介在配置され、
前記介装部材は、前記複数のリブにより囲まれた領域内に配置されることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記ボスは、略錘形状に形成され、
前記第2側部は、前記外装筐体の面外方向に突出するにしたがって、前記第1側部に近接するように形成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記ボスは、前記外装筐体の外面から面外方向に突出するように形成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記取付部材は、前記孔部内に挿入される筒状部を有し、
前記フランジ部は、前記筒状部の一方の端部側に当該筒状部の軸方向に略直交する方向に突出して設けられ、
前記介装部材は、前記筒状部が挿通する開口を有することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記介装部材は、ワッシャであり、
前記ワッシャは、少なくとも前記架橋部にかかる外径寸法を有することを特徴とするプロジェクタ。
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