JP4505517B2 - 受信装置 - Google Patents
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OFDM変調方式は、マルチキャリア変調方式の一種であり、互いに直交する複数であるn本(nは例えば数十〜数百)の搬送波(キャリア)にそれぞれデジタル変調を施す伝送方式である。
16QAMや64QAMの変調方式では、各キャリアの振幅及び位相に情報を持たせているため、復調時には受信キャリアの絶対振幅及び絶対位相を正確に再生する必要がある。このため、振幅と位相が一定であるパイロットキャリアを数キャリア毎に配置して、受信機ではパイロットキャリアに基づいて伝送路特性を推定して振幅及び位相の等化を行う方式が用いられている。
図2には、連続パイロット(CP:Continuous Pilot)と言われるキャリア配置の一例を示してあり、この配置では、パイロットキャリアが同一キャリアに時間連続的に配置される。図2の例では、1番目、9番目、17番目、・・・というように所定間隔毎のキャリアにパイロットキャリアが配置される。
一般に、図2に示されるようなCPのパイロット配置では高速の移動伝送のように変動が激しい伝送路に適しており、一方、図3に示されるようなSPのパイロット配置では、時間応答性は低くなるが、等化可能なマルチパスの遅延時間が長くなるという特徴がある。
また、伝送性能を向上させるために、パイロットキャリアの振幅を通常のデータキャリアの振幅よりも大きめに設定することが多い。例えば、パイロットキャリアの振幅を、データキャリアと比較して、(4/3)倍の振幅比に設定する。
このような処理により生成されたOFDM信号は、高周波数(RF:Radio Frequency)の信号へ周波数変換された後に、無線により送信される。
すなわち、第1の相関手段が、受信信号とその1シンボル時間差の信号との相関結果を取得する。Lを2以上の整数として、第2の相関手段が、前記受信信号とそのLシンボル時間差の信号との相関結果を取得する。判別手段が、前記第1の相関手段により取得された相関結果と前記第2の相関手段により取得された相関結果の両方が所定の閾値を超える(又は、所定の閾値以上である)場合には前記受信信号に使用されたモードがCPモードであると判別し、前記第2の相関手段により取得された相関結果のみが前記所定の閾値を超える(又は、前記所定の閾値以上である)場合には前記受信信号に使用されたモードがSPモードであると判別する。
また、2つの信号の相関の演算としては、例えば、2つの信号を(複素)乗算して、当該乗算結果を時間的に平均化(積分でもよい)する演算が用いられる。
また、モードを判別するための所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、受信信号の電力などのレベルに基づいて設定されてもよい。
すなわち、相関手段が、各時間間隔Li(i=0〜m−1)について、前記受信信号とそれぞれのLiシンボル時間差の信号との相関結果を取得する。判別手段が、前記相関手段によりLiシンボル時間差の信号から取得された相関結果が所定の閾値を超える(又は、所定の閾値以上である)相関結果の内、パイロットキャリアを最も小さな時間間隔Liで配置するパイロットモードであると判別する。
また、複数種類のSPモードの数としては、種々な数が用いられてもよい。
図1には、本発明の一実施例に係るOFDM伝送装置を構成する受信装置の構成例を示してある。なお、OFDM伝送装置は、送信装置(OFDM送信装置)と受信装置(OFDM受信装置)から構成される。
本例の受信装置は、ミキサ1と、A/D(Analog to Digital)変換器2と、直交検波器3と、周波数制御部4と、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)5と、FFT(Fast Fourier Transform)部11と、復調部12と、4個のシンボル遅延器21、22、23、24と、複素共役器25と、シンボルタイミング検出器26と、受信電力検出部27と、2個の複素乗算器28、31と、2個の積分器29、32と、2個の絶対値器30、33と、比較器34を備えている。
また、パイロットキャリアのモードとして、図2に示されるようなCPモードと、図3に示されるようなSPモードが用いられる。送信装置では伝送路特性などに応じて使用するパイロットキャリアモードをCPモードとSPモードとで切り替え、受信装置では受信信号に基づいて送信装置で使用されているパイロットキャリアモードを判定する。
アンテナにより受信された信号が無線周波数(RF)或いは中間周波数(IF:Intermediate Frequency)でミキサ1に入力される。
ミキサ1は、入力された受信信号とVCO5から入力された信号(ローカル信号)とを混合して、当該受信信号をベースバンド(BB:Base Band)信号へ変換してA/D変換器2へ出力する。
A/D変換器2は、ミキサ1から入力された受信信号をサンプリングして、アナログ信号からデジタル信号へ変換し、その結果を直交検波器3へ出力する。
直交検波器3は、A/D変換器2から入力された受信信号を直交検波して、I成分の信号(I信号)とQ成分の信号(Q信号)に分離し、その結果である受信サンプリング系列r(t)を周波数制御部4、FFT部11、シンボル遅延器21、複素共役器25、シンボルタイミング検出器26及び受信電力検出部27へ出力する。
なお、tは時刻を表す。
VCO5は、発振する信号の周波数が可変であり、周波数制御部4により制御された周波数の信号を発振してミキサ1へ出力する。
FFT部11は、直交検波器3から出力された受信サンプリング系列r(t)に対してFFT処理を行い、その結果を復調部12へ出力する。
復調部12は、比較器34から入力された情報に基づいてパイロットキャリアのモードを判定し、判定したモードにおけるパイロットキャリアの位置の振幅及び位相を基準として、FFT部11から入力された各キャリア毎の信号(データキャリア)を等化(振幅及び位相を調整)し、等化後の信号に基づいて各キャリア毎のデータを判定して出力する。
2段目のシンボル遅延器22は、1段目のシンボル遅延器21から入力された信号r(t−Ts)に対して1シンボル期間長(時間Ts)の遅延を与え、その結果である総じて2シンボル長遅延した信号r(t−2Ts)を3段目のシンボル遅延器23へ出力する。
4段目のシンボル遅延器24は、3段目のシンボル遅延器23から入力された信号r(t−3Ts)に対して1シンボル期間長(時間Ts)の遅延を与え、その結果である総じて4シンボル長遅延した信号r(t−4Ts)を複素乗算器31へ出力する。
シンボルタイミング検出器26は、直交検波器3から出力された受信サンプリング系列r(t)に基づいて、OFDM変調信号におけるシンボルの遷移タイミングを検出し、その検出結果(シンボルタイミング)を2個の積分器29、32へ出力する。なお、シンボルの遷移タイミングを検出する方式としては、種々な方式が用いられてもよく、シンボルの遷移タイミングを検出するアルゴリズムの一例として、OFDM変調信号に含まれるガードインターバルの相関性を利用する方式を用いることができる。
図4において、(a)には受信サンプリング系列r(t)を示してあり、(b)には1段目のシンボル遅延器21からの出力信号r(t−Ts)を示してあり、(c)には2段目のシンボル遅延器22からの出力信号r(t−2Ts)を示してあり、(d)には3段目のシンボル遅延器23からの出力信号r(t−3Ts)を示してあり、(e)には4段目のシンボル遅延器24からの出力信号r(t−4Ts)を示してある。
また、図4(a)には、シンボルタイミング検出器26により検出されるシンボル遷移タイミングを矢印で示してある。これにより、受信サンプリング系列r(t)とシンボル遷移タイミングとの関係が把握される。
また、それぞれのOFDMシンボル波形の中に示した数字(+4、+3、+2、+1、0、−1など)は、シンボル番号である。1シンボルの期間は時間Tsである。
積分器29は、シンボルタイミング検出器26から入力されたシンボルタイミングに基づいて、複素乗算器28から入力された複素乗算結果の信号を積分期間長Nで積分し、当該積分結果を絶対値器30へ出力する。
絶対値器30は、積分器29から入力された複素数である積分結果(相関結果)の絶対値を演算し、その結果を相関信号C1として比較器34へ出力する。
積分器32は、シンボルタイミング検出器26から入力されたシンボルタイミングに基づいて、複素乗算器31から入力された複素乗算結果の信号を積分期間長Nで積分し、当該積分結果を絶対値器33へ出力する。
絶対値器33は、積分器32から入力された複素数である積分結果(相関結果)の絶対値を演算し、その結果を相関信号C4として比較器34へ出力する。
本例では、縦続接続された複素乗算器28と積分器29と絶対値器30により受信信号r(t)と1シンボル遅延信号r(t−Ts)との相関演算を行っており、縦続接続された複素乗算器31と積分器32と絶対値器33により受信信号r(t)と4シンボル遅延信号r(t−4Ts)との相関演算を行っている。
また、積分器29、32において積分を行うタイミングは、シンボルタイミング検出器26からのタイミング信号に基づいて設定される。積分期間としては、シンボルをまたがないタイミングで設定されるのが望ましい。本例では、シンボル間の相関性に着目してパイロットキャリアモードを判定しており、例えば、シンボルをまたがったタイミングで相関演算を行うと相関度が低減するため、相関性の効果を最大限に得るために積分期間がシンボル内となるようにしている。従って、積分期間長Nを1<N<Ts(ここでは、単位はサンプリング時間)の範囲で設定する。なお、図4(a)には積分期間の一例を示してある。
データキャリア及びパイロットキャリアが含まれたOFDM変調信号s(t)は、(式1)に示されるように、パイロットキャリアのみを逆フーリエ変換(本例では、IFFT)した信号p(t)と、データキャリアのみを逆フーリエ変換(本例では、IFFT)した信号d(t)との重ね合わせで表される。
s(t)=p(t)+d(t)
・・(式1)
r(t)=h(t)s(t)+n(t)
=h(t)p(t)+h(t)d(t)+n(t)
・・(式2)
データ信号d(t)、雑音n(t)、パイロット信号p(t)はそれらの組み合わせの間での相関性は無く、相関値は0に近い値となる。
また、データ信号d(t)、雑音信号n(t)に関しても、1シンボル遅延信号と4シンボル遅延信号について共に相関性は無い。
一方、パイロット信号p(t)は相関性を有する成分である。
これに対して、SPモードでは、本例では4シンボル周期でパイロット信号が繰り返されるため、1シンボル遅延信号との間では相関性が無いが、4シンボル遅延信号との間では相関性を有する。
なお、パイロット信号p(t)の相関に関しては伝送路特性h(t)の相関性も関与するが、本例では、1シンボル或いは4シンボルの間における伝送路特性h(t)の変動は無視できる程に小さいとしている。
閾値THRは、パイロット信号の相関性の有無を判別するためのものであり、雑音による擾乱成分で誤検出しないような値に設定する。
また、相関値C1、C4のレベルは受信サンプリング系列r(t)の2乗に比例するが、本例では、伝送路の変動により受信サンプリング系列r(t)のレベルに変動が生じても、その変動に応じて閾値THRを適応的に設定する構成としてあるため、パイロットキャリアモードを誤検出する可能性は極めて低くなる。
なお、所定の係数αとしては、例えば、予め行われた測定などの結果に基づいて固定値を受信装置のメモリに記憶しておくことができる。
例えば、パイロットキャリアモードを判別する方式として、受信サンプリング系列r(t)をフーリエ変換(本例では、FFT)した周波数領域の信号を処理して判別する方式も考えられるが、この場合には、キャリア間干渉が生じないようにフーリエ変換前に前もって周波数の同期を取っておくことが必要となる。これに対して、本例の構成では、時間領域での相関性を利用しているため、周波数同期が確立していない状態においても、周波数がずれた信号同士で相関性を有するため、パイロットキャリアモードの判別が可能となる。なお、具体的には、本例では、VCO5の発振周波数が最適な周波数でなくずれていても、パイロットキャリアモードを正しく判定することができる。
また、例えば、FFT部11の後段の信号を処理してパイロットキャリアモードを判定する構成では、ミキサ1での周波数変換に使用されるVCO5からの信号の周波数がずれると直交関係が崩れてキャリア間干渉が発生するために判定の精度が低くなる可能性があるが、本例では、FFT部11の前段の信号(時間波形の信号)を処理してパイロットキャリアモードを判定する構成であるため、VCO5からの信号の周波数がずれたような場合においても、判定の精度を維持することができる。
図5には、本発明の一実施例に係るOFDM伝送装置を構成する受信装置の構成例を示してある。
本例の受信装置は、ミキサ1と、A/D変換器2と、直交検波器3と、周波数制御部4と、電圧制御発振器(VCO)5と、FFT部11と、復調部12と、シンボル遅延器21と、複素共役器25と、シンボルタイミング検出器26と、受信電力検出部27と、(L0−1)シンボル遅延器41と、(L1−1)シンボル遅延器42と、3個の複素乗算器28、43、46と、3個の積分器29、44、47と、3個の絶対値器30、45、48と、比較器49を備えている。
本例では、第1実施例に係る図1に示される受信装置とは異なる処理部及び動作について、詳しく説明する。
ここで、パイロットキャリアの時間方向の間隔は時間方向の追従性能に係わり、パイロットキャリアの周波数方向の間隔は等化可能な遅延時間長に係わる。本例では、様々な伝搬路に対応するために複数のSPモードを有している。
シンボル遅延器21から出力される1シンボル長遅延した信号r(t−Ts)が(L0−1)シンボル遅延器41、(L1−1)シンボル遅延器42及び複素乗算器28に入力される。
複素共役器25から出力される複素共役信号r*(t)が3個の複素乗算器28、43、46に入力される。
シンボルタイミング検出器26から出力されるシンボルタイミングは、3個の積分器29、44、47に入力される。
受信電力検出部27から出力される閾値THRが比較器49に入力される。
(L1−1)シンボル遅延器42は、入力された1シンボル遅延信号r(t−Ts)に対して(L1−1)シンボル期間長の遅延を与え、その結果であるL1シンボル長遅延した信号r(t−L1Ts)を複素乗算器46へ出力する。
積分器44は、シンボルタイミング検出器26から入力されたシンボルタイミングに基づいて、複素乗算器43から入力された複素乗算結果の信号を積分期間長Nで積分し、当該積分結果を絶対値器45へ出力する。
絶対値器45は、積分器44から入力された複素数である積分結果(相関結果)の絶対値を演算し、その結果を相関信号CL0として比較器49へ出力する。
積分器47は、シンボルタイミング検出器26から入力されたシンボルタイミングに基づいて、複素乗算器46から入力された複素乗算結果の信号を積分期間長Nで積分し、当該積分結果を絶対値器48へ出力する。
絶対値器48は、積分器47から入力された複素数である積分結果(相関結果)の絶対値を演算し、その結果を相関信号CL1として比較器49へ出力する。
言い換えれば、閾値を超えた相関値の内、最も小さな時間間隔Liであるパイロットモードであると判別する。
従って、本例の受信装置では、CPモード及び複数のSPモードのうちで送信側で選択されているパイロットキャリアモードを判別して自動的に設定することができる。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (2)
- パイロットキャリアを周波数方向に分散的に時間方向に連続的に配置するCPモードと、パイロットキャリアを周波数方向及び時間方向に分散的に配置するSPモードを含む2つ以上のモードのうちのいずれかのモードが使用されてOFDM変調方式により送信された信号を受信する受信装置において、
受信信号とその1シンボル時間差の信号とのシンボル内の期間における相関結果を取得する第1の相関手段と、
Lを2以上の整数として、前記受信信号とそのLシンボル時間差の信号とのシンボル内の期間における相関結果を取得する第2の相関手段と、
前記第1の相関手段により取得された相関結果と前記第2の相関手段により取得された相関結果の両方が所定の閾値を超える又は所定の閾値以上である場合には前記受信信号に使用されたモードがCPモードであると判別し、前記第2の相関手段により取得された相関結果のみが前記所定の閾値を超える又は前記所定の閾値以上である場合には前記受信信号に使用されたモードがSPモードであると判別する判別手段と、
を備えたことを特徴とする受信装置。 - パイロットキャリアを周波数方向に分散的に配置するとともに時間方向に複数であるm種類の時間間隔Li(i=0〜m−1)で配置するm種類のパイロットモードのうちのいずれかのモードが使用されてOFDM変調方式により送信された信号を受信する受信装置において、
各時間間隔Li(i=0〜m−1)について、前記受信信号とそれぞれのLiシンボル時間差の信号とのシンボル内の期間における相関結果を取得する相関手段と、
前記相関手段によりLiシンボル時間差の信号から取得された相関結果が所定の閾値を超える又は所定の閾値以上である相関結果の内、パイロットキャリアを最も小さな時間間隔Liで配置するパイロットモードであると判別する判別手段と、
を備えたことを特徴とする受信装置。
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