JP2004153811A - Ofdm信号等化装置、方法、及びプログラム、並びに、地上デジタル放送受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第2複素シンボル分類部110は、OFDM信号の1つのセグメントについて、基準シンボル伝送用のキャリアが表す複素シンボルをキャリアごとに分類し、4シンボル遅延部121等はキャリアごとに複素シンボルを4シンボル遅延させる。演算部140は、遅延されない複素シンボルを、同じキャリアの遅延された複素シンボルで複素除算する。結果分類部150は、前記除算結果を、キャリア番号と4シンボル時間ごとに循環する相対的なシンボル番号とに基づいて決定される群に分類し、累積部161〜164は除算結果を群ごとに累積して絶対値を算出する。判定部170は、最大値が算出された群に含まれる基準シンボルの位置を図外の等化部へ通知し等化処理を開始させる。
【選択図】 図5
Description
日本の地上デジタル放送は、OFDM信号を用いて伝送される。OFDM信号とは、一般に、互いに直交する多数のキャリアそれぞれをデジタルデータで変調し、それらの変調波を多重して得られる信号である。
地上デジタル放送信号は、テレビジョン放送では13個、ラジオ放送では1個または3個のOFDMセグメント(以降、単にセグメント)から構成される。一つのセグメントは、伝送モードに応じた所定の本数、例えばモード1では108本のキャリアの束であり、約430kHzの帯域幅を有している。キャリアには、既知の変調方式で変調される制御情報キャリアと、制御情報キャリアによって示される変調方式で変調され、放送の本体的な情報を伝送するデータキャリアとがある。
一つのセグメントにおいて、シンボル期間ごとに、各キャリアそれぞれが個別の複素シンボル(情報信号の直交成分を実部と虚部とで表すいわゆるIQシンボル)で変調され、一つのOFDMシンボルに多重され伝送される。204個のOFDMシンボルが一つの伝送フレーム(以降、単にフレーム)をなす。
キャリアとOFDMシンボルとが交差するセルには、シンボル番号nの期間にキャリアkを変調する一つの複素シンボルc(n,k)を位置付ける。従って、この図は、複素シンボルc(n,k)の、キャリアの周波数順及び時間順の配列をも示している。
同期変調部、及び差動変調部の何れにおいても、所定のキャリアを用いてTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号が伝送される。TMCC信号は、シンボル番号1〜16にフレームの同期タイミングを示す同期シンボルを含み、シンボル番号17〜19にセグメント形式識別シンボルを含み、シンボル番号20〜121にTMCC情報シンボルを含んでいる。そのセグメントが同期変調部、及び差動変調部の何れであるかは、TMCC情報シンボルの内容から識別できる。
図12は、前記文献に示されているOFDM信号受信装置の主要部に、さらに映像音声再生部80及び表示部90を追加してなる、地上デジタル放送受信装置9の構成を示す機能ブロック図である。
FFT部50は、シンボル番号nの有効シンボル期間に得られた信号B(t)をフーリエ変換することにより、その期間にキャリアkによって表される(つまり、キャリアkを変調した)複素シンボルc(n,k)を各キャリアについて算出する。
等化部60は、通知されるセグメント形式情報が同期変調部を示す場合、通知されるフレーム同期情報に基づいて前述したSPシンボルの位置を特定し、その位置にある複素シンボルを用いて各複素シンボルの位相及び振幅の等化を行う。
上述したように、従来の地上デジタル放送受信装置における等化部60は、TMCC処理部51から前記セグメント形式情報とフレーム同期情報とを通知されて初めて、複素シンボルの等化処理を開始する。
従来一般的に、フレーム同期の確立は、前述した同期シンボルを2フレーム分検出することによって行われるので、TMCC処理部51が、複素シンボルを供給され始めてからフレーム同期を確立し(S11)、TMCC情報シンボルを復号して(S12)、フレーム同期情報及びセグメント形式情報を等化部60へ供給する(S13)までに、平均で1.5フレーム時間、最大で2フレーム時間かかる。等化部60は、その時間の経過後にTMCC処理部51から通知されるセグメント形式情報を参照し、同期変調部であれば(S24:YES)等化処理を開始する(S25)。
この問題は、日本の地上デジタル放送のみならず、同様構成のOFDM信号によって伝送されるデジタル放送、例えば欧州の地上デジタル放送を、フレーム同期を確立してからSPシンボルの位置を特定し、その後に等化処理を開始する手順に従って受信する場合に、一般的に生じるものである。
上記の問題に鑑み、本発明は、周波数領域のOFDM信号によって表される複素シンボルが供給され始めた後、従来よりも短時間のうちにパイロットシンボルの位置を特定して信号の等化処理を開始することができるOFDM信号等化装置、その方法、及びプログラム、並びにそのようなOFDM信号等化装置を適用した地上デジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
このやり方によって、前記OFDM信号等化装置は、フレーム同期とは関係なく、数〜数十シンボル時間分の複素シンボルを用いてパイロットシンボルを特定して等化処理を開始できる。前記OFDM信号等化装置が等化処理を開始するまでに要する時間は、従来の技術が要する1.5〜2フレーム時間に比べて短い。
また、前記OFDM信号等化装置は、さらに、前記指標算出手段によって算出された指標の何れもが所定のしきい値よりも小さい場合、前記等化手段が前記OFDM信号を等化することを禁止する等化禁止手段を備えてもよい。
この特徴は、例えば、日本の地上デジタル放送で用いられるOFDM信号を処理する場合に好適であり、パイロットシンボルが存在する同期変調部のみを適切に等化処理することができる。
また、前記OFDM信号は複数のセグメントから構成され、個々のキャリアは前記セグメントの何れか一つに属し、
前記OFDM信号等化装置は、さらに、前記OFDM信号によって表される複素シンボルを、その複素シンボルを表すキャリアが属するセグメントに分類する複素シンボル分類手段を備え、前記指標算出手段は、前記分類された複素シンボルに基づいて、前記指標を個々のセグメントについて算出し、前記等化手段は、個々にセグメントについて、最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて、そのセグメントに属するキャリアによって表される信号を等化し、前記等化禁止手段は、算出された指標の何れもが所定のしきい値より小さいセグメントについて、前記等化手段がそのセグメントに属するキャリアによって表される信号を等化することを禁止してもよい。
また、前記OFDM信号において、所定のキャリアによって順次表される複素シンボルを時間順に並べたとき、N個に1個が前記パイロットシンボルであり、前記指標算出手段は、前記複素シンボルのうち最近表されたN個の複素シンボルを保持する保持部と、前記キャリアによって新たに表される複素シンボルと前記保持部に保持されている最も古い複素シンボルとに、所定の演算を施す演算部と、前記演算の結果を、N通りの群の一つに分類する結果分類部と、前記分類された演算の結果を群ごとに累積する累積部とを備え、前記指標算出手段は、前記群ごとの累積結果の絶対値を前記指標としてもよい。
(3)一方の複素共役値と他方とを複素乗算してその結果を正規化してもよい。
これらの構成によれば、前記OFDM信号等化装置は、複素シンボルを時間順に並べたときに見出される群を用いて、前述した効果を発揮する。
本発明に係る地上デジタル放送受信装置は、時間領域のOFDM信号を変換して得られる周波数領域のOFDM信号によって表される所定の複素シンボルを所定の順序に並べたとき、N個おきに位置する複素シンボルが信号の等化に用いられるパイロットシンボルであるような、前記時間領域のOFDM信号を受信する受信手段と、前記受信された時間領域のOFDM信号を前記周波数領域のOFDM信号にフーリエ変換する変換手段と、前記周波数領域のOFDM信号を参照して、前記順序において異なるN個おきに位置する複素シンボルからなるN通りの群について、各群に含まれる複素シンボル間の相関を示す指標を群ごとに算出する指標算出手段と、前記指標算出手段によって最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて、前記周波数領域のOFDM信号を等化する等化手段と、前記等化後のOFDM信号からビデオ又は音声、若しくはその両方を再生する再生手段とを備える。
本発明に係るOFDM信号等化方法は、周波数領域のOFDM信号によって表される所定の複素シンボルを所定の順序に並べたとき、N(2≦N)個おきに位置する複素シンボルが信号の等化に用いられるパイロットシンボルである場合に、前記パイロットシンボルを用いて前記OFDM信号を等化するOFDM信号等化方法であって、前記順序において異なるN個おきに位置する複素シンボルからなるN通りの群について、各群に含まれる複素シンボル間の相関を示す指標を群ごとに算出する指標算出ステップと、前記指標算出ステップにおいて最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化する等化ステップとを含む。
また、 前記OFDM信号によって表される複素シンボルには、さらに、前記OFDM信号のフレーム同期タイミングを示す同期シンボルが含まれ、前記パイロットシンボルは、前記順序において前記同期シンボルから所定の位置にあり、また、前記OFDM信号によって表される複素シンボルには、さらに、前記OFDM信号における前記パイロットシンボルの存在又は不在を示す識別シンボルが含まれ、前記OFDM信号等化方法は、さらに、前記OFDM信号から前記同期シンボルを検出する同期シンボル検出ステップと、前記識別シンボルを検出する識別シンボル検出ステップとを含み、前記等化ステップは、前記同期シンボルの検出前、前記最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化し、前記同期シンボルの検出後、検出された同期シンボルから前記所定の位置にある複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化し、前記等化禁止ステップは、前記識別シンボルの検出前、前記算出された指標の何れもが所定のしきい値よりも小さい場合に前記等化ステップにおける前記OFDM信号の等化を禁止し、前記識別シンボルの検出後、検出された識別シンボルが前記パイロットシンボルの不在を示す場合に前記等化ステップにおける前記OFDM信号の等化を禁止してもよい。
前記OFDM信号等化方法は、さらに、前記OFDM信号によって表される複素シンボルを、その複素シンボルを表すキャリアが属するセグメントに分類する複素シンボル分類ステップを含み、前記指標算出ステップは、前記分類された複素シンボルに基づいて、前記指標を個々のセグメントについて算出し、前記等化ステップは、個々にセグメントについて、最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて、そのセグメントに属するキャリアによって表される信号を等化し、前記等化禁止ステップは、算出された指標の何れもが所定のしきい値より小さいセグメントについて、前記等化ステップがそのセグメントに属するキャリアによって表される信号を等化することを禁止してもよい。
また、前記OFDM信号において、所定の複数のキャリアそれぞれによって一つのシンボル期間に表される複素シンボルをキャリア周波数順に並べたとき、N個に1個が前記パイロットシンボルであり、前記指標算出ステップは、前記複素シンボルのうちキャリア周波数順に連続するN個を保持する保持サブステップと、前記保持サブステップにおいて保持された複素シンボルにキャリア周波数順に後続する複素シンボルと、前記保持サブステップにおいて保持されたキャリア周波数順に最低位の複素シンボルとに、所定の演算を施す演算サブステップと、前記演算の結果を、N通りの群の一つに分類する結果分類サブステップと、前記分類された演算の結果を群ごとに累積する累積サブステップとを含み、前記指標算出ステップは、前記群ごとの累積結果の絶対値を前記指標として算出してもよい。
また、本発明に係るプログラムは、周波数領域のOFDM信号によって表される所定の複素シンボルを所定の順序に並べたとき、N(2≦N)個おきに位置する複素シンボルが信号の等化に用いられるパイロットシンボルである場合に、前記パイロットシンボルを用いて行う前記OFDM信号の等化処理を、コンピュータを用いて実施するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、前述したステップの一つ以上をコンピュータに実行させる。
本発明の実施の形態1に係るOFDM信号等化装置、及び、そのOFDM信号等化装置を含んで構成される地上デジタル放送受信装置について、図面を参照しながら説明する。
<全体構成>
図1は、地上デジタル放送受信装置の全体構成を示す機能ブロック図である。図1において、従来の地上デジタル放送受信装置9に含まれる構成要素と同一の構成要素に、同一の符号を付して示している。地上デジタル放送受信装置1は、従来の地上デジタル放送受信装置9と比べて、本発明のOFDM信号等化装置である等化制御部58、及び等化制御部58と連携して動作する等化部65を含む点で異なっている。
A/D部30から映像音声再生部80までの各部は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を用いて実現される。この場合、各部は、ROMに記録されているプログラムをDSPが実行することにより果たされる個々の機能を表す。各部が処理するデータはRAMに記憶され、また、RAMを介して各部間で受け渡される。これらの各部を、個々の機能を果たす専用のハードウェア回路として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を用いて実現してもよい。
<外観>
図2(A)及び(B)はそれぞれ、地上デジタル放送受信装置1の外観の一例を示す外観図である。図2(A)は、据え置き型のSTB(Set Top Box)の形態に実装された場合の外観例を示し、図2(B)は、携帯型移動端末装置の形態に実装された場合の外観例を示している。
<等化制御部58>
等化制御部58は、従来と同様の複素シンボルをFFT部50から供給され、供給された複素シンボルにおけるSPシンボルの有無、及びSPシンボルの位置を、従来のTMCC処理部51が特定するよりも短時間のうちに特定して、等化部65へ通知する。
同期変調部における複素シンボルをこの順序に並べたとき、各キャリアについて時間順に4個に1個の複素シンボルがSPシンボルであり、また、各シンボル期間においてキャリアの周波数順に4個に1個の複素シンボルがSPシンボルである。つまり、図3に示した群A〜Dのうち何れか一群の複素シンボルの全てがSPシンボルである。ここで、群A〜Dは、フレーム同期とは関係なく、4シンボル期間ごとに循環する相対的なシンボル番号に関連して定まる群であることに注意する。
TMCC処理部52は、フレーム同期の確立と、TMCC情報シンボルの復号とが完了した時点で、TMCC有効情報を出力するとともに、従来と同様のフレーム同期情報とセグメント形式情報とを出力する。
SP検出部53は、図3に示した各群に含まれる複素シンボル間の相関を示す指標を群ごとに算出することによって、SPシンボルの有無、及びSPシンボルの位置を特定し、特定したSPシンボルの有無を示すSP検出情報、及び特定したSPシンボルの位置を示す4シンボル同期情報を出力する。
セレクタ55は、TMCC有効情報が出力されていない場合に4シンボル同期情報を選択し、TMCC有効情報が出力されている場合にフレーム同期情報を選択して、それぞれ選択した情報をSP位置情報として出力する。
<SP検出部53>
図5は、SP検出部53の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
ここで、一つの具体例を示すために、FFT部50は、各シンボル期間に一つのOFDMシンボルを、個々のキャリアによって表される複素シンボルに多重分離し、分離された複素シンボルをキャリアの周波数順に逐次SP検出部53へ供給するものとして説明する。ここで言うキャリアとは、地上デジタル放送信号を構成する全てのセグメントに含まれるキャリアを指す。
第1複素シンボル分類部100は、個々の複素シンボルを、その複素シンボルに対応するキャリアの通し番号に応じた1つのセグメントに分類する。つまり、当該複素シンボルを、当該セグメントに対応して設けられる第2複素シンボル分類部の一つへ出力する。
第2複素シンボル分類部110は、第1複素シンボル分類部100から、一つのシンボル期間に、一つのセグメント内の個々のキャリアによって表される複素シンボルを、キャリアの周波数順に逐次受け取る。
第2複素シンボル分類部110は、受け取った複素シンボルのうち、SPシンボルの伝送に携わるキャリアによって表される複素シンボルを、そのキャリアに対応する4シンボル遅延部と、選択部130とへ出力する。
これにより、4シンボル遅延部121、・・・、122の各々は、第2複素シンボル分類部110から、一つのシンボル期間に一つの複素シンボルを受け取り、受け取った個々の複素シンボルを4シンボル期間遅延させる。
演算部140は、選択部130から受け取った2つの複素シンボルの、(A)一方を他方で複素除算するか、(B)一方の複素共役値と他方とを複素乗算するか、または、(C)一方の複素共役値と他方とを複素乗算してその結果を正規化し、その結果を結果分類部150へ出力する。
再び図5において、結果分類部150は、演算部140から演算結果を受け取ると、その演算結果を群ごとに分類する。つまり、受け取った演算結果を、群に対応して設けられる累積部161〜164の一つへ出力する。結果分類部150は、演算結果を分類する群を、演算の対象になった複素シンボルを表すキャリアのキャリア番号と、4シンボル期間ごとに循環する相対的なシンボル番号とに基づいて決定する。
判定部170は、例えば、現在のシンボル期間が図3に示した相対シンボル番号の何れで表されるかを示す4シンボル同期情報を出力する。判定部170は、そのために、キャリア0、3、6、及び9の何れに関係する演算結果が最大の絶対値を示す累積部に出力されるかを監視する。そして、キャリア0、3、6、及び9のそれぞれに関係する演算結果が最大の絶対値を示す累積部へ出力されたシンボル期間に、相対シンボル番号0、1、2、及び3を示す4シンボル同期情報を出力する。
多重部180は、セグメントに対応して設けられる各判定部から、前述したSP検出情報と4シンボル同期情報とを個別に受け取り、セグメントの中心周波数の昇順に逐次、等化部65へ出力する。
<等化部65>
等化部65は、等化制御部58から、SP存在情報とSP位置情報とを供給される。TMCC処理部52がフレーム同期の確立とTMCC情報シンボルの復号とを完了した後には、さらにTMCC有効情報を供給される。
受け取ったSP検出情報が、SPシンボルが存在することを示す場合、等化部65は、受け取った4シンボル同期情報に基づいてシンボル期間ごとにSPシンボルを表すキャリアを特定し、特定されたキャリアによって表される複素シンボルを基準に用いて等化処理を行う。
受け取ったSP検出情報が、SPシンボルが存在しないことを示す場合、等化部65は、等化処理を行わない。
受け取ったセグメント形式情報が同期変調部を示す場合、等化部65は、従来と全く同様の等化処理を行う。受け取ったセグメント形式情報が差動変調部を示す場合、等化部65は、等化処理を行わない。
<等化処理の詳細>
図7は、実施の形態1に係る等化処理の詳細を示すフローチャートである。図13に示した従来の等化処理に対して、SP検出部における相関演算ステップ(S31)、SP検出ステップ(S32)、及び、SP検出情報、4シンボル同期情報供給ステップ(S33)、並びに、等化部における、SP検出情報に基づくSP有無判断ステップ(S21)、及び4シンボル同期情報に基づく等化処理ステップ(S22)の各ステップが追加される。
<実施の形態2>
実施の形態2に係るOFDM信号等化装置は、実施の形態1における等化制御部58の一つの変形であり、図1に示した地上デジタル放送受信装置1において等化制御部58と互換性がある。以下、実施の形態2に係る等化制御部について、図面を参照しながら説明する。
図8は、実施の形態2の等化制御部に含まれるSP検出部59の構成を示す機能ブロック図である。図5に示したSP検出部53に含まれる構成要素と同一の構成要素に、同一の符号を付して示している。
符号補正部210は、第1複素シンボル分類部100から、一つのシンボル期間に、一つのセグメント内の個々のキャリアによって表される複素シンボルを、キャリアの周波数順に逐次受け取る。そして、受け取った複素シンボルのうち、SPシンボルの伝送に携わるキャリアによって表される複素シンボルに、そのキャリアに固有の符号を乗じる。
この符号は、特に、SPシンボルの伝送に携わるキャリアについては、そのキャリアが伝送するSPシンボルの符号を定める。
4シンボル遅延部220は、最近受け取った4つの複素シンボルを保持していて、符号補正部210から新たな複素シンボルを受け取ると、保持している最も古い複素シンボルを演算部140へ出力し、その最も古い複素シンボルをその新たな複素シンボルで置き換える。
結果分類部250は、演算部140から演算結果を受け取ると、その演算結果を群ごとに分類する。結果分類部250は、演算結果を分類する群を、演算の対象になった複素シンボルを表す、周波数の低いほうのキャリアのキャリア番号と、4シンボル期間ごとに循環する相対的なシンボル番号とに基づいて決定する。
ここまでに説明したように、SP検出部59は、複素シンボルをキャリアの周波数順に並べたとき4つおきの複素シンボルからなる4通りの群について、群ごとに複素シンボル間の相関の程度を評価することによってSPシンボルの位置を特定する。この構成により、SP検出部59は、フレーム同期とは無関係に、数〜数十シンボル時間のうちにSPシンボルの位置を特定し、SP検出情報と4シンボル同期情報とを出力することができる。
<実施の形態3>
実施の形態3に係るOFDM信号等化装置は、実施の形態1における等化制御部58の一つの変形である。特に、SP検出部を変更することによって、欧州の地上デジタル放送に用いられるOFDM信号からブーステッドパイロットシンボルの位置を検出するのに好適な構成としている。以下、実施の形態3に係るSP検出部について、図面を参照しながら説明する。
欧州の地上デジタル放送に用いられるOFDM信号は、セグメント構成を採用しないので、SP検出部53と比べて第1複素シンボル分類部100及び多重部180が省かれる。
欧州の場合、図14に示したように、ブーステッドパイロットシンボルの伝送に携わるキャリアのうち所定のものは、全てのシンボル期間にブーステッドパイロットシンボルを伝送する。このようなキャリアは、コンティニュアルパイロットキャリアと呼ばれる。コンティニュアルパイロットキャリアを処理しても、ブーステッドパイロットシンボルの位置を特定するための情報が得られないので、複素シンボル分類部310は、コンティニュアルパイロットキャリアによって表される複素シンボルを分類から除外する。
この構成により、SP検出部57は、欧州の地上デジタル放送に用いられるOFDM信号に特に適したやり方で、ブーステッドパイロットシンボルの位置を検出する。
10 アンテナ
20 チューナ部
30 A/D部
40 直交復調部
50 FFT部
51、52 TMCC処理部
53 SP検出部
54、55 セレクタ
57 SP検出部
58 等化制御部
59 SP検出部
60、65 等化部
70 エラー訂正部
80 映像音声再生部
90 表示部
100 第1複素シンボル分類部
110 第2複素シンボル分類部
121、122 4シンボル遅延部
130 選択部
140 演算部
144 対数部
150 結果分類部
161〜164 累積部
170 判定部
180 多重部
210 符号補正部
220 4シンボル遅延部
250 結果分類部
310 複素シンボル分類部
350 結果分類部
Claims (20)
- 周波数領域のOFDM(直交周波数分割多重)信号によって表される所定の複素シンボルを所定の順序に並べたとき、N(2≦N)個おきに位置する複素シンボルが信号の等化に用いられるパイロットシンボルである場合に、前記パイロットシンボルを用いて前記OFDM信号を等化するOFDM信号等化装置であって、
前記順序において異なるN個おきに位置する複素シンボルからなるN通りの群について、各群に含まれる複素シンボル間の相関を示す指標を群ごとに算出する指標算出手段と、
前記指標算出手段によって最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化する等化手段と
を備えることを特徴とするOFDM信号等化装置。 - 前記OFDM信号によって表される複素シンボルには、さらに、前記OFDM信号のフレーム同期タイミングを示す同期シンボルが含まれ、前記パイロットシンボルは、前記順序において前記同期シンボルから所定の位置にあり、
前記OFDM信号等化装置は、さらに、
前記OFDM信号から前記同期シンボルを検出する同期シンボル検出手段
を備え、
前記等化手段は、前記同期シンボルの検出前、前記最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化し、前記同期シンボルの検出後、検出された同期シンボルから前記所定の位置にある複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化する
ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM信号等化装置。 - 前記OFDM信号等化装置は、さらに、
前記指標算出手段によって算出された指標の何れもが所定のしきい値よりも小さい場合、前記等化手段が前記OFDM信号を等化することを禁止する等化禁止手段
を備えることを特徴とする請求項1に記載のOFDM信号等化装置。 - 前記OFDM信号によって表される複素シンボルには、さらに、前記OFDM信号のフレーム同期タイミングを示す同期シンボルが含まれ、前記パイロットシンボルは、前記順序において前記同期シンボルから所定の位置にあり、
また、前記OFDM信号によって表される複素シンボルには、さらに、前記OFDM信号における前記パイロットシンボルの存在又は不在を示す識別シンボルが含まれ、
前記OFDM信号等化装置は、さらに、
前記OFDM信号から前記同期シンボルを検出する同期シンボル検出手段と、
前記OFDM信号から前記識別シンボルを検出する識別シンボル検出手段と
を備え、
前記等化手段は、前記同期シンボルの検出前、前記最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化し、前記同期シンボルの検出後、検出された同期シンボルから前記所定の位置にある複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化し、
前記等化禁止手段は、前記識別シンボルの検出前、前記算出された指標の何れもが所定のしきい値よりも小さい場合に前記等化手段が前記OFDM信号を等化することを禁止し、前記識別シンボルの検出後、検出された識別シンボルが前記パイロットシンボルの不在を示す場合に前記等化手段が前記OFDM信号を等化することを禁止する
ことを特徴とする請求項3に記載のOFDM信号等化装置。 - 前記OFDM信号は複数のセグメントから構成され、個々のキャリアは前記セグメントの何れか一つに属し、
前記OFDM信号等化装置は、さらに、
前記OFDM信号によって表される複素シンボルを、その複素シンボルを表すキャリアが属するセグメントに分類する複素シンボル分類手段
を備え、
前記指標算出手段は、前記分類された複素シンボルに基づいて、前記指標を個々のセグメントについて算出し、
前記等化手段は、個々にセグメントについて、最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて、そのセグメントに属するキャリアによって表される信号を等化し、
前記等化禁止手段は、算出された指標の何れもが所定のしきい値より小さいセグメントについて、前記等化手段がそのセグメントに属するキャリアによって表される信号を等化することを禁止する
ことを特徴とする請求項3に記載のOFDM信号等化装置。 - 前記OFDM信号において、所定のキャリアによって順次表される複素シンボルを時間順に並べたとき、N個に1個が前記パイロットシンボルであり、
前記指標算出手段は、
前記複素シンボルのうち最近表されたN個の複素シンボルを保持する保持部と、
前記キャリアによって新たに表される複素シンボルと前記保持部に保持されている最も古い複素シンボルとに、所定の演算を施す演算部と、
前記演算の結果を、N通りの群の一つに分類する結果分類部と、
前記分類された演算の結果を群ごとに累積する累積部と
を有し、
前記指標算出手段は、前記群ごとの累積結果の絶対値を前記指標とする
ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM信号等化装置。 - 前記演算部は、前記キャリアによって新たに表される複素シンボル、及び前記保持部に保持されている最も古い複素シンボルの、
(1)一方を他方で複素除算するか、
(2)一方の複素共役値と他方とを複素乗算するか、または、
(3)一方の複素共役値と他方とを複素乗算してその結果を正規化する
ことを特徴とする請求項6に記載のOFDM信号等化装置。 - 前記OFDM信号において、所定の複数のキャリアそれぞれによって一つのシンボル期間に表される複素シンボルをキャリア周波数順に並べたとき、N個に1個が前記パイロットシンボルであり、
前記指標算出手段は、
前記複素シンボルのうちキャリア周波数順に連続するN個を保持する保持部と、
前記保持部に保持されている複素シンボルにキャリア周波数順に後続する複素シンボルと、前記保持部に保持されているキャリア周波数順に最低位の複素シンボルとに、所定の演算を施す演算部と、
前記演算の結果を、N通りの群の一つに分類する結果分類部と、
前記分類された演算の結果を群ごとに累積する累積部と
を有し、
前記指標算出手段は、前記群ごとの累積結果の絶対値を前記指標とする
ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM信号等化装置。 - 前記演算部は、前記保持部に保持されている複素シンボルにキャリア周波数順に後続する複素シンボルと、前記保持部に保持されているキャリア周波数順に最低位の複素シンボルとに、それぞれの複素シンボルを表すキャリアに応じた符号を乗じて得られる複素値を算出し、算出された複素値の、
(1)一方を他方で複素除算するか、
(2)一方の複素共役値と他方とを複素乗算するか、または、
(3)一方の複素共役値と他方とを複素乗算してその結果を正規化する
ことを特徴とする請求項8に記載のOFDM信号等化装置。 - 周波数領域のOFDM信号に変換された場合にその周波数領域のOFDM信号によって表される所定の複素シンボルを所定の順序に並べるとN個おきに位置する複素シンボルが信号の等化に用いられるパイロットシンボルであるような時間領域のOFDM信号を受信する受信手段と、
前記受信された時間領域のOFDM信号を前記周波数領域のOFDM信号にフーリエ変換する変換手段と、
前記変換後の周波数領域のOFDM信号を参照して、前記順序において異なるN個おきに位置する複素シンボルからなるN通りの群について、各群に含まれる複素シンボル間の相関を示す指標を群ごとに算出する指標算出手段と、
前記指標算出手段によって最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて、前記変換後の周波数領域のOFDM信号を等化する等化手段と、
前記等化後のOFDM信号からビデオ又は音声、若しくはその両方を再生する再生手段と
を備えることを特徴とする地上デジタル放送受信装置。 - 周波数領域のOFDM信号によって表される所定の複素シンボルを所定の順序に並べたとき、N(2≦N)個おきに位置する複素シンボルが信号の等化に用いられるパイロットシンボルである場合に、前記パイロットシンボルを用いて前記OFDM信号を等化するOFDM信号等化方法であって、
前記順序において異なるN個おきに位置する複素シンボルからなるN通りの群について、各群に含まれる複素シンボル間の相関を示す指標を群ごとに算出する指標算出ステップと、
前記指標算出ステップにおいて最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化する等化ステップと
を含むことを特徴するOFDM信号等化方法。 - 前記OFDM信号によって表される複素シンボルには、さらに、前記OFDM信号のフレーム同期タイミングを示す同期シンボルが含まれ、前記パイロットシンボルは、前記順序において前記同期シンボルから所定の位置にあり、
前記OFDM信号等化方法は、さらに、
前記OFDM信号から前記同期シンボルを検出する同期シンボル検出ステップ
を含み、
前記等化ステップは、前記同期シンボルの検出前、前記最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化し、前記同期シンボルの検出後、検出された同期シンボルから前記所定の位置にある複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化する
ことを特徴する請求項11に記載のOFDM信号等化方法。 - 前記OFDM信号等化方法は、さらに、
前記指標算出ステップにおいて算出された指標の何れもが所定のしきい値よりも小さい場合、前記等化ステップにおける前記OFDM信号の等化を禁止する等化禁止ステップ
を含むことを特徴する請求項11に記載のOFDM信号等化方法。 - 前記OFDM信号によって表される複素シンボルには、さらに、前記OFDM信号のフレーム同期タイミングを示す同期シンボルが含まれ、前記パイロットシンボルは、前記順序において前記同期シンボルから所定の位置にあり、
また、前記OFDM信号によって表される複素シンボルには、さらに、前記OFDM信号における前記パイロットシンボルの存在又は不在を示す識別シンボルが含まれ、
前記OFDM信号等化方法は、さらに、
前記OFDM信号から前記同期シンボルを検出する同期シンボル検出ステップと、
前記OFDM信号から前記識別シンボルを検出する識別シンボル検出ステップと
を含み、
前記等化ステップは、前記同期シンボルの検出前、前記最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化し、前記同期シンボルの検出後、検出された同期シンボルから前記所定の位置にある複素シンボルを用いて前記OFDM信号を等化し、
前記等化禁止ステップは、前記識別シンボルの検出前、前記算出された指標の何れもが所定のしきい値よりも小さい場合に前記等化ステップにおける前記OFDM信号の等化を禁止し、前記識別シンボルの検出後、検出された識別シンボルが前記パイロットシンボルの不在を示す場合に前記等化ステップにおける前記OFDM信号の等化を禁止する
ことを特徴する請求項13に記載のOFDM信号等化方法。 - 前記OFDM信号は複数のセグメントから構成され、個々のキャリアは前記セグメントの何れか一つに属し、
前記OFDM信号等化方法は、さらに、
前記OFDM信号によって表される複素シンボルを、その複素シンボルを表すキャリアが属するセグメントに分類する複素シンボル分類ステップ
を含み、
前記指標算出ステップは、前記分類された複素シンボルに基づいて、前記指標を個々のセグメントについて算出し、
前記等化ステップは、個々にセグメントについて、最大の指標を算出された群に含まれる複素シンボルを用いて、そのセグメントに属するキャリアによって表される信号を等化し、
前記等化禁止ステップは、算出された指標の何れもが所定のしきい値より小さいセグメントについて、前記等化ステップがそのセグメントに属するキャリアによって表される信号を等化することを禁止する
ことを特徴する請求項13に記載のOFDM信号等化方法。 - 前記OFDM信号において、所定のキャリアによって順次表される複素シンボルを時間順に並べたとき、N個に1個が前記パイロットシンボルであり、
前記指標算出ステップは、
前記複素シンボルのうち最近表されたN個の複素シンボルを保持する保持サブステップと、
前記キャリアによって新たに表される複素シンボルと前記保持サブステップにおいて保持された最も古い複素シンボルとに、所定の演算を施す演算サブステップと、
前記演算の結果を、N通りの群の一つに分類する結果分類サブステップと、
前記分類された演算の結果を群ごとに累積する累積サブステップと
を含み、
前記指標算出ステップは、前記群ごとの累積結果の絶対値を前記指標として算出する
ことを特徴する請求項11に記載のOFDM信号等化方法。 - 前記演算サブステップは、前記キャリアによって新たに表される複素シンボル、及び前記記憶サブステップにおいて保持された最も古い複素シンボルの、
(1)一方を他方で複素除算するか、
(2)一方の複素共役値と他方とを複素乗算するか、または、
(3)一方の複素共役値と他方とを複素乗算してその結果を正規化する
ことを特徴する請求項16に記載のOFDM信号等化方法。 - 前記OFDM信号において、所定の複数のキャリアそれぞれによって一つのシンボル期間に表される複素シンボルをキャリア周波数順に並べたとき、N個に1個が前記パイロットシンボルであり、
前記指標算出ステップは、
前記複素シンボルのうちキャリア周波数順に連続するN個を保持する保持サブステップと、
前記保持サブステップにおいて保持された複素シンボルにキャリア周波数順に後続する複素シンボルと、前記保持サブステップにおいて保持されたキャリア周波数順に最低位の複素シンボルとに、所定の演算を施す演算サブステップと、
前記演算の結果を、N通りの群の一つに分類する結果分類サブステップと、
前記分類された演算の結果を群ごとに累積する累積サブステップと
を含み、
前記指標算出ステップは、前記群ごとの累積結果の絶対値を前記指標として算出する
ことを特徴する請求項11に記載のOFDM信号等化方法。 - 前記演算サブステップは、前記保持サブステップにおいて保持された複素シンボルにキャリア周波数順に後続する複素シンボルと、前記保持サブステップにおいて保持されたキャリア周波数順に最低位の複素シンボルとに、それぞれの複素シンボルを表すキャリアに応じた符号を乗じて得られる複素値を算出し、算出された複素値の、
(1)一方を他方で複素除算するか、
(2)一方の複素共役値と他方とを複素乗算するか、または、
(3)一方の複素共役値と他方とを複素乗算してその結果を正規化する
ことを特徴する請求項18に記載のOFDM信号等化方法。 - 周波数領域のOFDM信号によって表される所定の複素シンボルを所定の順序に並べたとき、N(2≦N)個おきに位置する複素シンボルが信号の等化に用いられるパイロットシンボルである場合に、前記パイロットシンボルを用いて行う前記OFDM信号の等化処理を、コンピュータを用いて実施するためのコンピュータ実行可能なプログラムであって、
請求項11乃至請求項19のうち少なくとも一つの請求項に記載した各ステップをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
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