JP4503302B2 - 脂質代謝改善用組成物および食品 - Google Patents
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の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物(以下、「本発明による有効成分」ということがある)を含んでなる、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる、PPARの活性化により治療、予防、または改善しうる疾患または症状の治療、予防、または改善に用いられる医薬組成物である。
本明細書において、C1−6アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表す。C1−6アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第2ペンチル、第3ペンチルが挙げられる。C1−6アルキル基は好ましくはC3−5アルキル基であることができる。
R1がイソブチルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が水酸基を表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(フムロン)、
R1が1−メチル−プロピルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が水酸基を表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(アドフムロン)、
R1がイソプロピルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が水酸基を表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(コフムロン)、
R1がエチルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が水酸基を表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(ポストフムロン)、
R1がイソペンチルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が水酸基を表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(プレフムロン)、
R1はイソブチルを表し、R2は3−メチル−2−ブテンを表し、R3は3−メチル−2−ブテンを表し、R4は3−メチル−2−ブテンを表す化合物(ルプロン)、
R1が1−メチル−プロピルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が3−メチル−2−ブテンを表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(アドルプロン)、
R1がイソプロピルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が3−メチル−2−ブテンを表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(コルプロン)、
R1がエチルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が3−メチル−2−ブテンを表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(ポストルプロン)、および
R1がイソペンチルを表し、R2が3−メチル−2−ブテンを表し、R3が3−メチル−2−ブテンを表し、R4が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(プレルプロン)
が挙げられる。
シスまたはトランスイソフムロン、
シスまたはトランスイソアドフムロン、
シスまたはトランスイソコフムロン、
シスまたはトランスイソポストフムロン、
シスまたはトランスイソプレフムロン、
シスまたはトランステトラハイドロイソフムロン、
シスまたはトランステトラハイドロイソアドフムロン、
シスまたはトランステトラハイドロイソコフムロン、
シスまたはトランステトラハイドロイソポストフムロン、
シスまたはトランステトラハイドロイソプレフムロン、
シスまたはトランスアロイソフムロン、
シスまたはトランスアロイソアドフムロン、
シスまたはトランスアロイソコフムロン、
シスまたはトランスアロイソポストフムロン、
シスまたはトランスアロイソプレフムロン、
シスまたはトランスパライソフムロン、
シスまたはトランスパライソアドフムロン、
シスまたはトランスパライソコフムロン、
シスまたはトランスパライソポストフムロン、
シスまたはトランスパライソプレフムロン、
シスまたはトランスフムリニック酸、
シスまたはトランスアドフムリニック酸、
シスまたはトランスコフムリニック酸、
シスまたはトランスポストフムリニック酸、
シスまたはトランスプレフムリニック酸、
シスまたはトランスヘキサハイドロイソフムロン、
シスまたはトランスヘキサハイドロイソアドフムロン、
シスまたはトランスヘキサハイドロイソコフムロン、
シスまたはトランスヘキサハイドロイソポストフムロン、
シスまたはトランスヘキサハイドロイソプレフムロン、
シスまたはトランスアンチイソフムロン、
シスまたはトランスアンチイソアドフムロン、
シスまたはトランスアンチイソコフムロン、
シスまたはトランスアンチイソポストフムロン、
シスまたはトランスアンチイソプレフムロン、
フルポン、
アドフルポン、
コフルポン、
ポストフルポン、
プレフルポン、
トリサイクロデハイドロイソフムロン、
トリサイクロデハイドロイソアドフムロン、
トリサイクロデハイドロイソコフムロン、
トリサイクロデハイドロイソポストフムロン、および
トリサイクロデハイドロイソプレフムロン
が挙げられる。
R5がイソブチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−イソフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−イソフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−イソコフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−イソコフムロン)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−イソアドフムロン)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−イソアドフムロン)、
R5がエチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−イソポストフムロン)、
R5がエチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−イソポストフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−イソプレフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−イソプレフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表す化合物(シス−テトラハイドロイソフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−テトラハイドロイソフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表す化合物(シス−テトラハイドロイソコフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−テトラハイドコイソコフムロン)、
R5が1メチル−プロピルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表す化合物(シス−テトラハイドロイソアドフムロン)、
R5が1メチル−プロピルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−テトラハイドロイソアドフムロン)、
R5がエチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表す化合物(シス−テトラハイドロイソポストフムロン)、
R5がエチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−テトラハイドロイソポストフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表す化合物(シス−テトラハイドロイソプレフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH2 CH2CH(CH3)2(イソヘキサノイル基)を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−テトラハイドロイソプレフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表す化合物(シス−アロイソフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−アロイソフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表す化合物(シス−アロイソコフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−アロイソコフムロン)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表す化合物(シス−アロイソアドフムロン)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−アロイソアドフムロン)、
R5がエチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表す化合物(シス−アロイソポストフムロン)、
R5がエチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−アロイソポストフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表す化合物(シス−アロイソプレフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−C(=O)CH=CHCH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−アロイソプレフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−パライソフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−パライソフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−パライソコフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−パライソコフムロン)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−パライソアドフムロン)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−パライソアドフムロン)、
R5がエチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−パライソポストフムロン)、
R5がエチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−パライソポストフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(シス−パライソプレフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH=C(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−パライソプレフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が水素原子を表す化合物(シス−フムリニック酸)、
R5がイソブチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水素原子を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−フムリニック酸)、
R5がイソプロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が水素原子を表す化合物(シス−コフムリニック酸)、
R5がイソプロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水素原子を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−コフムリニック酸)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が水素原子を表す化合物(シス−アドフムリニック酸)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水素原子を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−アドフムリニック酸)、
R5がエチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が水素原子を表す化合物(シス−ポストフムリニック酸)、
R5がエチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水素原子を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−ポストフムリニック酸)、
R5がイソペンチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が水素原子を表す化合物(シス−プレフムリニック酸)、
R5がイソペンチルを表し、R6が3−メチル−2−ブテンを表し、R7が水素原子を表し、R8が水素原子を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−イソプレフムリニック酸)、
R5がイソブチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表す化合物(シス−ヘキサハイドロイソフムロン)、
R5がイソブチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−ヘキサハイドロイソフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表す化合物(シス−ヘキサハイドロイソコフムロン)、
R5がイソプロピルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−ヘキサハイドロイソコフムロン)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表す化合物(シス−ヘキサハイドロイソアドフムロン)、
R5が1−メチル−プロピルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−ヘキサハイドロイソアドフムロン)、
R5がエチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表す化合物(シス−ヘキサハイドロイソポストフムロン)、
R5がエチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−ヘキサハイドロイソポストフムロン)、
R5がイソペンチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が水酸基を表し、R9が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表す化合物(シス−ヘキサハイドロイソプレフムロン)、および
R5がイソペンチルを表し、R6がイソペンチルを表し、R7が水素原子を表し、R8が−CH(−OH)CH2CH2CH(CH3)2を表し、R9が水酸基を表す化合物(トランス−ヘキサハイドロイソプレフムロン)
が挙げられる。
R11がイソブチルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R14が水酸基を表す化合物(シス−アンチイソフムロン)、
R11がイソプロピルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R14が水酸基を表す化合物(シス−アンチイソコフムロン)、
R11が1メチル−プロピルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R14が水酸基を表す化合物(シス−アンチイソアドフムロン)、
R11がエチルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R14が水酸基を表す化合物(シス−アンチイソポストフムロン)、
R11がイソペンチルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表し、R14が水酸基を表す化合物(シス−アンチイソプレフムロン)、
R11がイソブチルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が水酸基を表し、R14が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(トランス−アンチイソフムロン)、
R11がイソプロピルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が水酸基を表し、R14が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(トランス−アンチイソコフムロン)、
R11が1メチル−プロピルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が水酸基を表し、R14が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(トランス−アンチイソアドフムロン)、
R11がエチルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が水酸基を表し、R14が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(トランス−アンチイソポストフムロン)、および
R11がイソペンチルを表し、R12が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が水酸基を表し、R14が−C(=O)CH2CH=C(CH3)2を表す化合物(トランス−アンチイソプレフムロン)が挙げられる。
R16がイソブチルを表し、R17が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(フルポン)、
R16がイソプロピルを表し、R17が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(コフルポン)、
R16が1メチル−プロピルを表し、R17が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(アドフルポン)、
R16がエチルを表し、R17が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(ポストフルポン)、および
R16がイソペンチルを表し、R17が3−メチル−2−ブテンを表し、R13が3−メチル−2−ブテンを表す化合物(プレフルポン)
が挙げられる。
R19がイソブチルを表す化合物(トリサイクロデハイドロイソフムロン)、
R19がイソプロピルを表す化合物(トリサイクロデハイドロイソコフムロン)、
R19が1メチル−プロピルを表す化合物(トリサイクロデハイドロイソアドフムロン)、
R19がエチルを表す化合物(トリサイクロデハイドロイソポストフムロン)、および
R19がイソペンチルを表す化合物(トリサイクロデハイドロイソプレフムロン)
が挙げられる。
式(Ib)の化合物を酸化し、アロマ炭素にアルケニル側鎖を付加させることにより、フムロンを得ることができる。酸化反応の方法としては種々の方法があり、例えば、−50℃でantimony pentachlorideと反応させた後、銀イオンの存在下で加水分解することにより酸化することができる。また酢酸溶液存在下、あるいはトリフルオロ酢酸と過酸化水素の存在下で、酢酸鉛と酸化反応させてもよい。酸化反応は、ベンゾイルペルオキシドとアルカリ触媒反応させることにより、あるいはジクロロメタンの存在下でdiphenylseleninic anhydrideと酸化反応させることにより行ってもよい。
本発明による有効成分はPPARαアゴニスト活性およびPPARγアゴニスト活性を有する(実施例9、10、および11参照)。
本発明による組成物を医薬として提供する場合には、本発明による有効成分またはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスを薬学上許容される添加物と混合することにより製造できる。本発明による組成物は、経口投与または非経口投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤が挙げられる。非経口剤としては、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、外用剤(例えば、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤)が挙げられる。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられ、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバターを担体として使用できる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されないことは言うまでもない。
イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロンの水溶性エキスからの精製、およびフムロン、コフムロンのホップエキスからの精製例を示す。後述実施例2に記載の水溶性エキスより、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロンについて、分取用HPLC(島津製作所 LC-8ポンプ、PDA連動フラクションコレクターシステム)を用いた精製を行った。条件は、移動層:85%メタノール、15%(1%ギ酸水)、カラム:YMC-ODS-AQ 25X250mm、流速:20ml/分で行った。フムロン、コフムロンについては、実施例2に記載のホップエキスから移動層:67%メタノール、33%(1%ギ酸水)、カラム:YMC-ODS-AQ 25X250mm、流速:20ml/分で精製を行った。分取した画分について酢酸エチルで抽出を行なった後、減圧乾固し重量測定を行った。
脂質代謝改善効果についてC57BL/6マウス(雌)を用いて評価を行なった。即ち、1群9〜10匹の5週齢C57BL/6NCrj雌(日本チャールズリバー社)をCE2(日本クレア社)、および水を自由摂取させ1週間飼育した。その後、高脂肪・高コレステロール食(Lipids 28, 599-605 1993 Nishinaらの方法に従って作成した餌)を1週間投与した。餌の組成は表1に記す。
無塩バター 15%
スクロース 52.45%
カゼイン 20%
コーンオイル 1%
セルロース 5%
ミネラル 3.5%
ビタミン 1%
塩化コリン 0.25%
シスチン 0.3%
コレステロール 1%
コール酸ナトリウム 0.5%
1週間予備飼育後、1晩絶食を行ない尾静脈よりヘマトクリットチューブを用いて採血を行なった。血漿を得た後に総コレステロール、およびHDLコレステロールをコレステロールC-IIワコー(和光純薬社製)、HDL-コレステロール-テストワコー(和光純薬社製)を用いてそれぞれ添付のマニュアルに従って測定し2群に分割した。1群については上記高脂肪・高コレステロール食にKettleエキス(商品名、Isomerized Kettle Extract (SS. Steiner社製)、毬花粉砕物を炭酸ガス抽出し、異性化したエキスであり、イソフムロン類が主成分であるがルプロン類も含まれる)を0.5%(重量%)混餌し自由摂取させた(但し初日は0.2%のみ混餌する餌を与えた)(図中「Kettle」)。もう1群のコントロール群については、餌にセルロースを0.5%(重量%)混餌し自由摂取させた(図中「コントロール」)。餌は2日毎に取り替え、摂食量を記録した。また採血は2週、4週、および解剖時に、それぞれ1晩絶食後に行なった。解剖時のみ採血は腹部大静脈より行ない、2週、4週では尾静脈より行った。総コレステロール、HDL-コレステロールに加え血中中性脂肪についてもトリグリセライドGテストワコー(和光純薬社製)を用いて添付のマニュアルに従って測定した。また総コレステロールよりHDLコレステロールを減じ、これをHDLコレステロールで除した値を動脈硬化指数とした。それぞれの結果を図1〜4に示す。
C57BL/6マウスを用いて、実施例1の高脂肪・高コレステロール食を与え、2週間の条件で、Kettleエキス(実施例1に記載)の0.2%、0.5%混餌による容量変化による効果、またホップエキス(商品名、CO2 Pure Resin Extract (Hopsteiner社製)、ホップ毬花よりフムロン類とルプロン類を抽出したもの)、水溶性エキス(商品名、ISOHOPCO2N (English Hop Products社製)、ホップ毬花よりフムロン類を抽出後、イソフムロン類に異性化しカリウム塩化したものであり、フムロン類やルプロン類がほとんど含まれていない)の効果について評価を行なった。さらに通常食群としてAIN76A(Dyets社)を自由摂取させる群を設定した。即ち、1群8〜9匹の5週齢C57BL/6NCrj雌をCE2、および水を自由摂取させ1週間飼育した。その後、高脂肪・高コレステロール食(実施例1に記載の方法に従って作成した餌)を1週間投与した。本実施例においては餌は水を加えてペレット状に固形化し冷凍庫に保存したものを使用した。また毎日新しい餌と交換し、摂食量の記録を行なった。1週間予備飼育後、1晩絶食を行ない尾静脈よりヘマトクリットチューブを用いて採血を行ない、総コレステロール、HDL-コレステロールの定量を実施例1の方法に従って行ない、各群で差がないように群分けを行なった。その後、Kettleエキスについては重量比で0.2%、0.5%の2群を(K 0.2、K 0.5)、ホップエキスは0.2%を(H 0.2)、水溶性エキスは1%を(W 1.0)それぞれ高脂肪・高コレステロール食に重量比で混餌したものを作成し自由摂取させた。またコントロールの餌には0.5%セルロースを添加した。1週間後に尾静脈より、非絶食条件下で採血を行ない、2週後に絶食下で腹部静脈より採血を行なった。
脂質代謝改善効果についてC57BL/6マウス(雄)を用いて評価を行なった。即ち、1群5〜6匹の5週齢C57BL/6NCrj雄(日本チャールズリバー社より購入)をCE2、および水を自由摂取させて自由摂取させ1週間飼育した。その後、AIN76A(Dyets社)に0.2%コレステロールを添加した餌を先ず作成し、1群については同餌に水溶性エキス(実施例2)を1%添加し(図中「W 1.0」)、もう1群については同餌にKettleエキス(実施例1)を0.2%添加(図中「K 0.2」)し、コントロール群としては0.5%セルロースを添加した餌を実施例2の方法に従って作成し自由摂取させた。毎日の1匹あたりの摂食量と、体重推移を図17および18にそれぞれ示す。摂食量は水溶性エキス(W 1.0)がコントロール群に比較して、上昇傾向にあるものの、体重は解剖前日において有意に減少することが明らかになった。1週間後、1晩絶食後、腹部静脈より全血採血を行ない、実施例1の方法に従い、総コレステロール、HDL-コレステロールの測定を行なった。結果、水溶性エキス(W 1.0)により、HDLコレステロールが特異的に上昇し、動脈硬化指数が有意に減少することが明らかになった(図19〜21)。また肝臓1gあたりのコレステロール量、中性脂肪量、リン脂質を実施例1の方法に従って定量したところ、水溶性エキス(W 1.0)によりコレステロール量、中性脂肪量が有意に減少することが、またKettleエキス(K 0.2)により減少することが明らかになった(図22〜24)。また解剖時の体重1kgあたりの腎臓周囲脂肪重量は水溶性エキス(W 1.0)、Kettleエキス(K 0.2)により有意に減少することが、また副精巣周囲脂肪重量は減少傾向にあることが示された(図25)。
脂質代謝改善効果についてC57BL/6マウス(雌)を用いて評価を行なった。即ち、1群5〜6匹の5週齢C57BL/6NCrj雄(日本チャールズリバー社)をCE2(日本クレア社)、および水を自由摂取させて1週間飼育した。その後、AIN76A(実施例2に記載)に0.2%コレステロールおよび0.3%セルロースを添加した餌を与える群、AIN76Aに0.2%コレステロールおよび1%水溶性エキスを添加した餌を与える群、AIN76Aに0.3%セルロースを添加した餌を与える群、AIN76Aに1%水溶性エキスを添加した餌を与える群の4群の設定を行なった。餌の作成方法、および投与方法は実施例2に従った。1週後非絶食下で解剖を行ない、腹部静脈より全血採血を行ない、総コレステロール、HDLコレステロールを実施例1の方法に従って測定した。有意な差ではないものの、HDLコレステロールの水溶性エキスによる上昇と、それに伴う動脈硬化指数の減少が確認された(図26〜28)。また肝臓1gあたりの、コレステロール含量、中性脂肪含量、リン脂質含量を測定したところ、水溶性エキスにより、コレステロール非添加条件で、コレステロールの有意な減少を、コレステロール添加条件でコレステロール含量、および中性脂肪含量の有意な減少を確認した(図29〜31)。
実施例4において、肝臓は液体窒素を用いて解剖後瞬時に凍結保存を行った。肝臓組織約100mgより、Isogen (ニッポンジーン社製)を用いて、添付のマニュアルに従ってRNAを採取した。分光光度計を用いてRNA量の測定を行った後に、Thermo Script TM RT-PCRシステム(ライフテック オリエンタル社製)を用いて添付のマニュアルに従いoligo dTとアニーリングを行い、同RNAを逆転写し、cDNAを取得した。得られたcDNAについて、Acyl‐CoA oxidase (ACO)についてはセンスプライマーとして、
5’‐ATCTATGACCAGGTTCAGTCGGGG‐3’(配列番号1)、
アンチセンスプライマーとして、
5’‐CCACGCCACTTCCTTGCTCTTC‐3’(配列番号2)、
Acyl‐CoA synthetase (ACS)についてはセンスプライマーとして、
5’‐GGAACTACAGGCAACCCCAAAG‐3’(配列番号3)、
アンチセンスプライマーとして、
5’‐CTTGAGGTCGTCCATAAGCAGC‐3’(配列番号4)、
Fatty acid transpot protein (FATP)についてはセンスプライマーとして、
5’‐TGCTAGTGATGGACGAGCTGG‐3’(配列番号5)、
アンチセンスプライマーとして、
5’‐TCCTGGTACATTGAGTTAGGGTCC‐3’(配列番号6)、
3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A synthase (HMGCS)についてはセンスプライマーとして、
5’‐CCTTCAGGGGTCTAAAGCTGGAAG‐3’(配列番号7)、
アンチセンスプライマーとして
5’‐CAGCCAATTCTTGGGCAGAGTG‐3’(配列番号8)、
3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase (HMGCR)についてはセンスプライマーとして、
5’‐TTGGCCTCCATTGAGATCCG‐3’(配列番号9)、
アンチセンスプライマーとして
5’‐GATCTTGTTGTTGCCGGTGAAC‐3’(配列番号10)、
Low density lipoprotein receptor (LDLR)についてはセンスプライマーとして、
5’‐CATCAAGGAGTGCAAGACCAACG‐3’(配列番号11)、
アンチセンスプライマーとして
5’‐CACTTGTAGCTGCCTTCCAGGTTC‐3’(配列番号12)、
Apo-AIについてはセンスプライマーとして
5’‐TGTATGTGGATGCGGTCAAAGAC‐3’(配列番号13)、
アンチセンスプライマーとして
5’‐TCATCTCCTGTCTCACCCAATCTG‐3’(配列番号14)、
Apo-CIIIについてはセンスプライマーとして
5’‐AGGGCTACATGGAACAAGCCTC‐3’(配列番号15)、
アンチセンスプライマーとして
5’‐CGACTCAATAGCTGGAGTTGGTTG‐3’(配列番号16)、
Lipoprotein Lipase (LPL)についてはセンスプライマーとして
5’‐GTTTGGCTCCAGAGTTTGACCG‐3’(配列番号17)、
アンチセンスプライマーとして
5’‐CATACATTCCCGTTACCGTCCATC‐3’(配列番号18)、
cholesterol alpha-7-hydroxylase (CYP7A1)についてはセンスプライマーとして
5’‐ACGGGTTGATTCCATACCTGGG‐3’(配列番号19)、
アンチセンスプライマーとして
5’‐TGTGTCCAAATGCCTTCGCAG‐3’(配列番号20)、
をそれぞれ用いて測定した。内部標準遺伝子としてはacidic ribosomal phosphoprotein PO(酸性リボゾーム蛋白質 36B4)遺伝子を使用した。36B4について、センスプライマーとしては
5’‐CCAAGCAGATGCAGCAGATCC‐3’(配列番号21)、
アンチセンスプライマーとしては、
5’‐CAGCAGCTGGCACCTTATTGG‐3’(配列番号22)
を使用した。ライトサイクラー(ロシュ社製)、および反応キットとしてはFastStart DNA Master SYBR Green I(ロシュ社製)を用いて、添付のマニュアルに従ってcDNAを基に各mRNAの定量を行った。コレステロール添加条件下における水溶性エキス添加条件下での内部標準に対する発現量を1とした各遺伝子の発現結果を図32に示す。2元配置分散分析を行ったところ、ACO、ACS、FATP、Apo-AI、Apo-CIII、LPLについて水溶性エキスについて相関関係が確認された。これらの遺伝子はPPARαのリガンドであるフェノフィブレート投与によっても同様の発現変動を示すことが報告されている(最新・分子動脈硬化学 森崎信尋ら メディカルレビュー社、J. Clin. Invest. 1996. 97:2408-2416、Laurence Berthouら)。
インスリン抵抗性改善効果について、KKAyマウス(雄)を用いて評価を行った。即ち、1群8〜9匹の5週齢 KKAy/Ta Jcl(日本クレア社)を、CE-2(日本クレア社)および水を自由摂取させて1週間馴化飼育を行った。その後、精製原料を使用して作成したAIN93(アメリカ国立栄養研究所による標準組成)粉末飼料での飼育に切り替えた。実験群としては対照群(AIN93)、KettleエキスをAIN93に0.1および0.6%(重量%)添加した群(K0.1、K0.6群)、ピオグリタゾン(商品名アクトス、武田社製)粉末を0.05%(重量%)添加した群(Pio群)、水溶性エキスを1.2%(重量%)添加した群(W群)を設定した。水溶性エキス混餌は粉末飼料にエキス希釈水を加え、成形して使用した。対照群、K0.1群、K0.6群、Pio群については粉末飼料5gを毎日与えた。この量は1日で各個体が食べきれる量であり、本給餌方法により各群間の摂餌量を一定にすることが出来る。W群については自由摂取条件とした。飲水量は毎週測定した。飼育開始後2週および4週目に15時間程度の絶食を行い、その後尾静脈より採血し、血中の中性脂肪および遊離脂肪酸濃度を測定した。中性脂肪はリピドスリキッド(東洋紡社製)を、遊離脂肪酸はNEFA C-テストワコー(和光純薬社製)を用いて測定した。4週目採血時には絶食時の血糖値測定も実施した。飼育5週目には対照群、K0.1群、K0.6群、Pio群、W群に対して10gの給餌を1回行い、翌日に尾静脈より採血し非絶食時の血糖値を測定した。血糖値測定はグルテストセンサー(三和化学研究所社製)を使用した。飼育6週目には対照群、K0.1群、K0.6群、Pio群、W群に対して10gの給餌を行い、非絶食条件下で解剖を行い、副精巣周囲脂肪組織採取および腹部大静脈より全採血を実施した。解剖時血液についても血中中性脂肪および遊離脂肪酸濃度を測定した。副精巣周囲脂肪からはISOGEN(ニッポンジーン社製)を使用してトータルRNAを調製した。調製したトータルRNAを用いて定量RT-PCR法によりResistin遺伝子の発現量を測定した。逆転写反応はサーモスクリプトRT-PCRシステム(Gibco BRL社製)を用いて行い、定量PCRはLightCycler(Roche社)およびLightCycler-FastStart DNA Master SYBR Green I(Roche社製)を使用した。使用したプライマーの配列は
5' -CGTGGGACATTCGTGAAGAAAAAG-3'(配列番号23)
5'- TGTGCTTGTGTGTGGATTCGC-3'(配列番号24)
である。Resistin発現量は、酸性リボソーム蛋白質36B4のプライマー
5' - CCAAGCAGATGCAGCAGATCC -3'(配列番号25)
5'- CAGCAGCTGGCACCTTATTGG -3'(配列番号26)
を用いた時の測定値で標準化を行った。飼育期間中の1日当りの飲水量を図33に示した。インスリン抵抗性が惹起し高血糖を発症したKKAyマウスは飲水量が多くなり、抵抗性が改善したマウスでは減少することが知られている(Biosci. Biotech. Biochem., 60(2), 204-208, 1996, Kakudaら)が、K0.6群やW群でも糖尿病改善薬投与群であるPio群と同様の飲水量減少が確認された。5週目非絶食時および4週目絶食時の血糖値を図34および35に示した。K0.6群およびW群ではPio群と同様に非絶食時、絶食時血糖値が共に対照群よりも有意に低下していた。飼育2週目、4週目の絶食時および6週目(解剖時)非絶食時の血中遊離脂肪酸濃度および血中中性脂肪濃度をそれぞれ図36および37に示した。これら血中脂質濃度はK0.1、K0.6、Wの各群で対照群よりも有意に低下していた。図38に示した様に、Resistin遺伝子の発現量はK0.6群、W群で対照群よりも有意に低下していた。
5週齢のKKAyマウスを1週間馴化飼育(実施例6に記載)後、標準飼料(実施例6に記載)を投与する対照群およびKettleエキス0.6%混餌(実施例6に記載)を投与するK0.6群をそれぞれ1群6匹で設定し、餌および水自由摂取条件下で12週間飼育を行った。12週目に5時間の絶食を行い、耐糖能試験を以下の要領で実施した。即ちグルコース投与前に0分時の血糖値を実施例6と同様の方法で測定した。その後、投与グルコース量が体重1kg当り2gになる様に20%(w/v)グルコース水溶液を経口ゾンデを用いて各個体に投与し、15分、30分、60分、120分後にそれぞれ血糖値を測定した。インスリン感受性試験は耐糖能試験実施1週間後に以下の要領で実施した。即ちインスリン投与前に非絶食条件下のマウスの0分時血糖値を、採取した血液を生理食塩水で2倍に希釈した後、耐糖能試験と同様に測定した。その後投与インスリン量が体重1kg当り0.75Uになる様に、生理食塩水で75mU/mlに調製したブタインスリン溶液を腹腔内に投与した。投与後15分、30分、60分、120分、180分後にそれぞれ血糖値を測定した。
C57BL/6に高脂肪食負荷すると、肥満および高血糖を呈する事が知られている(Ikemotoら、Metabolism, 45 (12), 1539-46, 1996)。そこで食餌由来のインスリン抵抗性発現に対するホップエキスの作用を検討した。即ち、1群8匹の5週齢C57BL/6 NCrj(日本チャールズリバー社)を、CE-2(日本クレア社)および水を自由摂取させて1週間馴化飼育を行った。その後、精製原料を使用して作成した高脂肪飼料(表2)での飼育に切り替えた。
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Safflower oil 33.5
Casein 29.0
Sucrose 23.3
Vitamin mix(オリエンタル酵母社製) 1.45
Mineral mix(オリエンタル酵母社製) 5.08
Cellulose powder 7.25
L-cystin 0.44
―――――――――――――――――――――――
実験群としては高脂肪食給餌群および、高脂肪食にKettleエキスを0.3%(重量%)添加した群(K群)、水溶性エキスを0.6%(重量%)添加した群(W群)を設定した。飼料および飲料水は飼育期間中自由摂取とし、飼料は毎日新しいものに交換した。飼育開始後毎週体重測定を実施した。図41に示した様に、K群、W群では対照群に比べて体重増加が緩やかであった。また、飼育開始後60日目以降に1日当りの摂餌量を測定(6回)したところ、図42に示した様に各群で摂餌量に有意差が認められなかった。以上の結果から、ホップエキス中に高脂肪食負荷による肥満を抑制する作用があることが確認された。更に飼育開始後84日目に、対照群およびW群の2群について、各4個体を用いて耐糖能試験を実施した。方法は実施例7に記述した方法で行った。耐糖能試験の結果、図43に示した様にW群で最高血糖値、120分後血糖値のいずれも対照群よりも低かった。
PPARγ アゴニストスクリーニング系の構築と活性の評価結果を示す。
5’ GTCGACAGTACATGTCCCTGTAGATCTC 3’(配列番号28)
次にレポータープラスミド構築のために、PPREを3回繰り返したオリゴDNAを作製し、ホタルルシフェラーゼレポーターベクターpGL3-promoter vector(Promega社製)のKpnI-BglII部位に挿入後、シークエンスを確認した。PPREを含むオリゴDNAの配列は以下の通り。
5’GATCTTCCCGAACGTGACCTTTGTCCTGGTCCCCTTCCCGAACGTGACCTTTGTC 3’(配列番号30)
以上のプラスミドを補正用ウミシイタケルシフェラーゼレポーターベクターpRL-SV40 vector(Promega社製)と共にCV-1細胞にLipofect AMINE(Gibco社製)を用いてトランスフェクションした。CV-1はトランスフェクション前日に10% 牛胎仔血清(Gibco社製)、ペニシリン・ストレプトマイシン(それぞれ10000単位、1mg/ml、Gibco社製)を含有するDMEM(Gibco社製)2mlを入れた12穴プレートで、5×104 cells / mlの濃度で、37℃、5%CO2条件下で培養したものを用いた。トランスフェクション後、ポジティブコントロールはピオグリタゾン(武田社製)1μMを含む前述のDMEM培地で培養した。48時間培養後、細胞を回収し、Dual-Luciferase reporter assay system(Promega社製)でライセートを作製し、ホタルルシフェラーゼ、ウミシイタケルシフェラーゼ活性をルミノメーター(Luminous CT-9000D, DIA-IATRON社)で測定した。ホタルルシフェラーゼ活性をウミシイタケルシフェラーゼ活性で割った値を相対ルシフェラーゼ活性とした。
融合蛋白質からなるPPARγ アゴニストスクリーニング系の構築と活性の評価結果を示す。
5’ GGTACCTTCCGTGACAATCTGTCTGAG 3’(配列番号32)
次に、pBindのGal4領域のN末端側にhuman Glucocorticoid receptor(GR)のN末端側配列(1a.a.-76a.a.)をGal4と読み枠が一致する様に接続した。 GRはheart cDNA library(Gibco社製)からPCRによりクローニングした。クローニングに使用したプライマーの配列は以下の通りである。
5’ TGGCTGCTGCGCATTGCTTA 3’(配列番号34)
レポータープラスミドとして、プロモーター領域にGal4結合サイトが5コピー導入されたホタルルシフェラーゼ発現ベクターであるpG5luc(Promega社製)を用いた。pGR-Gal4-PPARγとpG5lucをCV-1細胞にLipofectAMINE(Gibco社製)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション後検体または対照(ピオグリタゾン)を添加した培地(DMEM、Gibco社製)に交換し、48時間培養後に細胞を回収した。細胞回収後Dual-Luciferase reporter assay system(Promega社製)で細胞溶解液を作製し、ホタルルシフェラーゼ活性をルミノメーター(Luminous CT-9000D, DIA-IATRON社)で測定した。また、細胞溶解液のタンパク質濃度をDc Protein asssay (BIO-RAD)により測定し、ホタルルシフェラーゼ活性の値をタンパク質濃度で標準化した。結果は、陰性対照の値を1としたときの相対値で表記した。
PPARαアゴニストスクリーニング系の構築と活性の評価結果を示す。
5’ GGTACCGTACATGTCCCTGTAGATCTC 3’(配列番号36)
トランスフェクションもPPARγの系と同様に実施したが、PPARαの場合、対照にWy 14,643 (和光純薬社製)を使用した。
砂糖650gに水飴300gを150℃で加熱融解し、120℃に冷却後、クエン酸10gを加えた後に、実施例2に記載の水溶性エキスを30g、香料10gを添加後、撹拌し、均一化した後に、成形し、冷却してキャンディーを得た。
分画したシスイソフムロン、トランスイソフムロン、シスイソアドフムロン、トランスイソアドフムロン、シスイソコフムロン、およびトランスイソコフムロンを含有する画分の脂質代謝改善効果についてC57BL/6マウス(雌)を用いて評価を行なった。即ち、水溶性エキス(実施例2記載)より、同エキスに含まれる、シスイソフムロン、トランスイソフムロン、シスイソアドフムロン、トランスイソアドフムロン、シスイソコフムロン、トランスイソコフムロンからなる画分(以下、「精製イソフムロン類画分」という)の分画を行った。水溶性エキスを塩酸で中和した後、凍結乾燥し、凍結乾燥物 3.5gをシリカゲルクロマトグラフィー(3.5×33cm)で分画した。カラムはヘキサン:酢酸エチル(2:1)で平衡化し、溶出した。溶出液を20mlずつフラクションコレクターで分取し、HPLCで純度を確認した(分析条件は参考例に記載)。24番目から60番目のフラクションを集め遮光下、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固することにより、シスイソフムロン、トランスイソフムロン、シスイソアドフムロン、トランスイソアドフムロン、シスイソコフムロン、およびトランスイソコフムロンからなる精製イソフムロン類画分1gを得た。該画分の組成比は、HPLCのクロマトグラムの面積比に基づけば、イソコフムロン(シス型+トランス型):イソフムロン(シス型+トランス型):イソアドフムロン((シス型+トランス型)=50.2:27.1:22.7であった。1群8匹の5週齢C57BL/6NCrj雌(日本チャールズリバー)をCE2(日本クレア)、および水を自由摂取させて1週間飼育した。その後、AIN76A(実施例2に記載)に0.2%コレステロールおよび0.3%セルロースを添加した餌を与える群(以下「C群」とする)、AIN76Aに0.2%コレステロールおよび1%水溶性エキスを添加した餌を与える群(以下「W群」とする)、AIN76Aに0.2%コレステロールおよび上記精製イソフムロン類画分を0.3%添加した餌を与える群(以下「IH群」とする;本餌に含まれるイソフムロン類の含量とW群の餌に含まれるイソフムロン類の含量はほぼ等量である)の3群の設定を行った。餌の作成方法、および投与方法は実施例2に従った。尚本実験においては個別飼育を行い、毎日3.5gの餌を与えた。又ふるいを使用することにより食べ残した餌量の測定も行い、摂食量についてはその値を減じて計算した。1週後非絶食下で解剖を行ない、腹部静脈より全採血を行ない、中性脂肪の測定を実施例1の方法に従って測定した(図48)。IH群およびW群のいずれにおいても有意に血中中性脂肪量を低下させた。また肝臓1gあたりの、コレステロール含量、中性脂肪含量、リン脂質含量を測定したところ(図49〜51)、IH群、W群のいずれにおいても、コレステロール含量の有意な低下、および中性脂肪含量の減少傾向を確認した。また体重推移を図52に、また摂取カロリーあたりの体重増加量を図53に示す。W群において、有意な体重の低下、およびIH群において摂取カロリーあたりの体重増加が有意に少ないことが示された。以上の実施例より、精製イソフムロン類画分は、脂質代謝改善効果、血漿の中性脂肪低下効果、肝臓へのコレステロールの蓄積防止効果、および体重増加の抑制効果を有することが明らかになった。
分画したルプロンの脂質代謝改善効果についてC57BL/6マウス(雌)を用いて評価を行なった。即ち、ホップペレット(CASペレット、チェコスロバキア国、ザーツ産)より、ルプロンの精製を行った。約2.5kgのホップペレットを4リットルの酢酸エチルで3回抽出を行い、減圧濃縮を行い濃緑色のエキスを得た(329.17g)。同エキスのうち262.7gからシリカゲルカラムにより分画を行った。カラムはヘキサン−酢酸エチルの混液を用いてステップワイズで溶出させ、15個のフラクションを得た。3番目のフラクション(41.8g)についてシリカゲルカラムを用いて再度分画を行い、ヘキサン:酢酸エチル(20:1)溶液で溶出したフラクションを再結晶し、ルプロン(1.88g、白い針晶、収量約0.094%)を得た。また1群8匹の5週齢C57BL/6NCrj雌(日本チャールズリバー)をCE2(日本クレア)、および水を自由摂取させて1週間飼育した。その後、AIN76A(実施例2に記載)に0.2%コレステロールおよび0.3%セルロースを添加した餌を与える群(以下「C群」とする)、AIN76Aに0.2%コレステロールおよびルプロンを0.3%添加した餌を与える群(以下「L群」とする)の2群の設定を行った。餌の作成方法、および投与方法は実施例2に従った。試験食投与1週後、非絶食下で解剖を行なった。肝臓1gあたりの、コレステロール含量、中性脂肪含量、リン脂質含量を測定したところ(図54〜56)、L群においてコレステロール含量の有意な低下を確認した。また体重推移を図57に、また摂取カロリーあたりの体重増加量を図58に示す。L群において、有意な体重の低下、および摂取カロリーあたりの体重増加が有意に少ないことが示された。以上の実施例より、ルプロンは、脂質代謝改善効果、肝臓へのコレステロールの蓄積防止効果、および体重増加の抑制効果を有することが明らかになった。
C57BL/6に実施例8に示した高脂肪食を12週間摂取させ、インスリン抵抗性を惹起させたマウスに対して、水溶性ホップエキスを10日間連続経口投与(100、330mg/kg/day)を実施した。投与終了後、16時間絶食の後に耐糖能試験(OGTT)を実施した。また、参考例に記載した方法に従って調製したイソコフムロンの精製品(シス体とトランス体の混合物)を同じくインスリン抵抗性を惹起させたマウスに対して、10日間連続経口投与(10、30mg/kg/day)実施した。それぞれ投与終了後、16時間絶食の後に耐糖能試験(OGTT)を実施した。OGTTは、採血および血糖値測定後にグルコース水溶液を1g/kgで投与し、15、30、60分で採血および血糖値の測定を、120分で血糖値測定を行った。経時的な血中インスリン濃度変化をインスリン測定キット(森永生科学研究所)を用いて測定した。
ApoEノックアウトマウス(Jackson laboratoryより輸入)、雄8週齢を18匹購入し、実施例1、表1に記載の高脂肪・高コレステロール食摂取下で、水溶性エキス群(実施例2に記載)(W)およびコントロール群(C)に9匹づつ群分けし、10週間飼育を行った。10週間経過後、エーテル麻酔下、腹部大静脈より脱血により屠殺した。肝臓、脂肪等の臓器を取得後、肝臓については液体窒素で瞬時に凍結した。また心臓を付けた状態で大動脈を摘出した。大動脈については、胸部大動脈と腹部大動脈を展開したまま10%ホルマリン液で固定を行い、その後Oil−red−O染色を行った。大動脈弓、大動脈弁については10%ホルマリン液に浸漬固定後、輪切り状態でパラフィン包埋し、薄切後、Hematoxylin EosinおよびElastica Van gieson染色を行った。Oil−red−O染色を行った胸部大動脈、腹部大動脈の粥状硬化病巣面積、血管総面積、EVG染色を行った大動脈弓、大動脈弁の断面内膜面積、および断面総面積の解析は微小計測用タブレット・メジャーユニット VM−30(オリンパス光学)を用いて行った。結果の算出は胸部大動脈、腹部大動脈のそれぞれについて粥状硬化病変面積率(=Oil−red−O濃染面積÷血管総面積×100)、大動脈弓、大動脈弁のそれぞれについて内膜肥厚度(=内膜面積÷中膜面積、より詳しくは=内膜断面積÷(内膜〜中膜断面積−内膜断面積))を算出した。血漿中のホモシステイン量について、ホモシステイン測定試薬(ユニチカ社)を用いて添付のマニュアルに従って測定した。肝臓中性脂肪については実施例1の方法に従って測定した。
ホップエキスおよび水溶性エキスの大腸粘膜への影響について評価を行った。指標としてはFischer344ラット(雄)における、大腸粘膜のPGE2産生量を用いた。具体的には4週齢のFischer344雄ラット(日本チャールスリバー社)をAIN−76A(実施例3に記載)および水を自由摂取させ、3日間飼育し、馴化させた。その後、5週齢より、1群当たり4匹ずつ合計3群に群分けし、試験食投与を開始した。即ち、1群はAIN−76A群(C)、2群はAIN−76Aに1%のホップエキス(実施例2に記載)を添加した群(H)、3群はAIN−76Aに1%水溶性エキス(実施例2に記載)を添加した群(W)である。1週後、解剖を行い、大腸を摘出し、生理食塩水にて腸内容物を洗浄後、縦方向に切り開いた。この大腸の粘膜組織をスライドグラス(マツナミ)により削り取り、500μlのPBSに懸濁させた。本粘膜組織をホモジナイザーにより破砕し、10000gで5分間遠心し、上清をPGE2測定に供した。PGE2測定は、プロスタグランジンE2エンザイムイムノアッセイシステム(アマシャムファルマシアバイオテク社、製品コードRPN222)を使用し、その操作手順に従い定量を行った。
(1) 式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、または式(V)の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる、PPARの活性化により治療、予防、または改善しうる疾患または症状の治療、予防、または改善に用いられる医薬組成物。
(2) PPARの活性化により治療、予防、または改善しうる疾患または症状が、糖尿病、糖尿病性合併症、脂質代謝異常、高脂血症、インスリン抵抗性またはこれに関連する疾患、肥満症、または体重増加である、(1)に記載の医薬組成物。
(3) (1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる、インスリン抵抗性の改善、脂質代謝の改善、体重増加の抑制、または痩身に用いられる組成物。
(4) (1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる、PPAR活性化組成物。
(5) 食品の形態で提供される、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の組成物。
(6) (1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる、インスリン抵抗性の改善、脂質代謝の改善、体重増加の抑制、または痩身に用いられる食品。
(7) 健康食品、機能性食品、特定保健用食品、または病者用食品である、(6)に記載の食品。
(8) 飲料の形態で提供される、(6)または(7)に記載の食品。
(9) PPARの活性化により治療、予防、または改善しうる疾患または症状の治療、予防、または改善に用いられる医薬の製造のための、(1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスの使用。
(10) PPARの活性化により治療、予防、または改善しうる疾患または症状が、糖尿病、糖尿病性合併症、脂質代謝異常、高脂血症、インスリン抵抗性またはこれに関連する疾患、肥満症、または体重増加である、(9)に記載の使用。
(11) インスリン抵抗性の改善、脂質代謝の改善、体重増加の抑制、または痩身に用いられる組成物の製造のための、(1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスの使用。
(12) PPAR活性化用組成物の製造のための、(1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスの使用。
(13) (1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスの治療上の有効量を哺乳類に投与することを含んでなる、PPARの活性化により治療、予防、または改善しうる疾患または症状の治療、予防、または改善方法。
(14) PPARの活性化により治療、予防、または改善しうる疾患または症状が、糖尿病、糖尿病性合併症、脂質代謝異常、高脂血症、インスリン抵抗性またはこれに関連する疾患、肥満症、または体重増加である、(13)に記載の方法。
(15) (1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスの治療上の有効量を哺乳類に投与することを含んでなる、インスリン抵抗性の改善、脂質代謝の改善、体重増加の抑制、または痩身方法。
(16) (1)に記載の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいはホップエキスおよび/または異性化ホップエキスの治療上の有効量を哺乳類に投与することを含んでなる、PPAR活性化方法。
(17) 有効成分が食品の形態で投与される、(13)、(15)、または(16)に記載の方法。
Claims (5)
- 式(II):
- 請求項1に記載の式(II)の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる、インスリン抵抗性の改善剤、脂質代謝の改善剤、体重増加の抑制剤、または痩身剤。
- 脂質代謝の改善剤が、肝臓脂質蓄積の抑制剤、脂肪燃焼の促進剤、または肝臓におけるβ酸化の亢進剤である、請求項2に記載の用剤。
- 体重増加の抑制剤が、脂肪蓄積の抑制剤である、請求項2に記載の用剤。
- 請求項1に記載の式(II)の化合物またはこれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、あるいは異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる、PPAR活性化剤。
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