JPWO2004089359A1 - 骨密度減少の抑制または予防用組成物および飲食品 - Google Patents

骨密度減少の抑制または予防用組成物および飲食品 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2004089359A1
JPWO2004089359A1 JP2005505319A JP2005505319A JPWO2004089359A1 JP WO2004089359 A1 JPWO2004089359 A1 JP WO2004089359A1 JP 2005505319 A JP2005505319 A JP 2005505319A JP 2005505319 A JP2005505319 A JP 2005505319A JP WO2004089359 A1 JPWO2004089359 A1 JP WO2004089359A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isoxanthohumol
food
drink
active ingredient
hop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005505319A
Other languages
English (en)
Inventor
修 田▼じま▲
修 田▼じま▲
幹生 形山
幹生 形山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Kirin Brewery Co Ltd
Publication of JPWO2004089359A1 publication Critical patent/JPWO2004089359A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/12Ketones
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/105Plant extracts, their artificial duplicates or their derivatives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/18Magnoliophyta (angiosperms)
    • A61K36/185Magnoliopsida (dicotyledons)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/08Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease
    • A61P19/10Drugs for skeletal disorders for bone diseases, e.g. rachitism, Paget's disease for osteoporosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Natural Medicines & Medicinal Plants (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Alternative & Traditional Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Dairy Products (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

本発明は、イソキサントフモールまたは異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる、骨密度減少の抑制または予防用の組成物、またはそのような用途の飲食品に関する。本発明によれば、エストロゲン製剤を使用した場合に起こりうる副作用の問題を回避しつつ、骨密度減少の抑制または予防をすることができる。

Description

[発明の背景]
発明の分野
本発明は、骨密度減少の抑制または予防用組成物、および飲食品に関する。さらに詳しくは、本発明は、骨粗鬆症の予防、治療または改善用組成物、および骨粗鬆症の予防、治療または改善用の飲食品に関する。
骨粗鬆症は、低骨量と骨組織の微細構造の破綻とによって特徴づけられる疾患であり、骨の脆弱性亢進と骨折危険率の増大に結びつく疾患である。骨粗鬆症は世界中で大きな健康問題となっており更年期女性の3人に1人、高齢者の多くが男女とも罹患している。骨粗鬆症による骨折は、例えば日本国において「寝たきり」となる原因の第3位であり、医療費の増加を招く原因の一つにもなる。また、高齢化社会の進展に伴い、その患者数はさらに増加するものと考えられる。このため、骨粗鬆症を予防、治療または改善するための医薬の開発はきわめて重要であるといえる。
40歳代以降に徐々に進行する骨量減少の要因は、加齢に伴って腸管からのカルシウム吸収性が低下するためであり、また体内ビタミンD量の低下によりカルシウムに関するホメオスタシスを保つために副甲状腺ホルモンの分泌が亢進するためと推定される。中でも女性の場合には、骨形成を促進し、かつ、骨吸収を抑制していた女性ホルモンが更年期に減少し、その結果、急激な骨量減少がもたらされることが多い。
現在までのところ、臨床的に使用されている骨粗鬆症治療製剤としては、例えば、ビタミンD製剤、カルシトニン製剤、エストロゲン製剤、イプリフラボン製剤、ビタミンK製剤、タンパク同化ステロイド製剤、およびビスホスフォネート製剤が知られている。このうちエストロゲン製剤は、閉経後骨粗鬆症の予防または治療に有効であることが知られているが、不正出血、乳がんや子宮ガンの発生リスクを上昇させるなど副作用が伴うことが知られている。
薬剤による骨粗鬆症の治療は、長期間にわたることが多く、投与の長期化による副作用の発現など種々の問題が無視できない。このため、現在までのところ、薬剤による骨粗鬆症の治療は、根本的な治療を目的としたものではなく、疾病の進行を抑制するなどの対症療法によるものである。
また、骨粗鬆症に関しては予防的な措置を講じることは極めて重要であると考えられている。しかしながら、薬剤投与による日常的な骨粗鬆症の予防は、経済性、安全性の面から実現されるには至っていない。
したがって、安全性に優れ、日常的に使用可能な骨粗鬆症の予防または治療剤が望まれている。この場合、食経験のある食品から、骨粗鬆症の予防または治療効果のある成分を見出すことは、安全性の面からも望ましいといえる。
一方、薬物投与療法以外の骨粗鬆症の予防のためには、カルシウムをはじめとする種々の栄養素の適切な摂取と同時に過剰なアルコール摂取の制限、禁煙、運動などの生活習慣の改善が提言されている。薬物は、生体にとって異物であり、副作用を念頭においた治療が必要であることからも、非薬物的な治療法は有効である。中でも、日々摂取する食事による療法は重要であると考えられており、骨粗鬆症の予防、治療または改善に効果のある優れた食品の開発が望まれている。
ホップは、ヨーロッパ原産のクワ科多年草(学名:Humulus luplus)であり、一般的には、その毬果(雌花が成熟したもの)をホップと呼んでいる。ホップは、ビールの苦味、香りづけに用いられることで有名であり、長く人々が摂取してきている。この苦昧および香りは、ホップのルプリン部分(毬果の内苞の根元に形成される黄色の顆粒)よりもたらされる。ホップは、民間薬としても用いられており、鎮静効果、入眠および安眠効果、食欲増進、健胃作用、および利尿作用などの生理効果が知られている。
ホップ成分であるフムロン類やキサントフモールについては、in vitroの実験によって骨吸収抑制作用を有していることが示されている(特開平7−330594号公報、特開平7−285856号公報、およびBiosci Biotech Biochem 61(1),158−159(1997))。また、ビール摂取によって骨密度の減少が抑制され、これがホップ由来の活性であることも報告されている(形山幹生ら、「骨粗鬆症モデルラットにおけるビールの骨密度減少抑制効果」、第56回日本栄養・食糧学会大会 講演要旨集(社団法人日本栄養・食糧学会)、平成14年(2002年)6月20日発行、326頁、31−10p)。
ホップにエストロゲン活性があることは以前から知られている(例えばMunch.Med.Wschr.95,845(1953))。また1999年になって、ホップから女性ホルモン活性物質として8−プレニルナリンゲニンが単離されている(J.Clinical Endocrinology & Metabolism 83(6),2249−2252(1999))。したがって、その活性に基づき、8−プレニルナリンゲニン含量を著しく高めたホップ濃縮物を閉経後骨粗鬆症の予防または治療に利用することも考えられるが、エストロゲン製剤の場合と同様に副作用を生じるリスクがある。
ホップ成分の異性化物としては、例えばイソフムロン類(イソα酸類)、イソキサントフモールが知られている。これらは、ビール製造の過程(麦汁煮沸工程中)において、添加されたホップ成分が異性化されることによってビール中に生じる。因みに、ビール中のイソキサントフモール含有量は、0.04〜3.4mg/Lであるとの報告がある(J.Chromatogr.A 832(1999)p97−107)。同様にビール中のイソフムロン類の含有量は、最も含有量の多いと思われるタイプのビール(Foreign Extra Stout:Guiness Malaysisa Berhad社製:出典Brauindustrie)で約60mg/Lであるとの報告がある。
WO01/76614には、植物由来の成長因子産生増強物質を含む食品および飲料等が開示されており、この成長因子産生増強物質としてイソキサントフモールが挙げられている。またこの成長因子産生増強物質が、肝細胞増強因子(HGF)および神経成長因子(NGF)の産生増強作用を有し、肝障害、胃腸障害、肺炎、糖尿病等の疾患の治療用途へ利用可能なことも開示されている。
しかしながら、イソキサントフモールの骨粗鬆症改善作用に関しては本発明者らの知る限り、何も知られていない。イソフムロン類は、前記特開平7−330594号公報において、フムロン類と併記して有効成分として挙げられているが、ここにはイソフムロン類が骨吸収抑制作用を有するとの具体的証拠は一切示されていない。
[発明の概要]
本発明者らは、今般、ビール等に含まれる異性化されたホップ由来成分が、骨密度減少を抑制もしくは予防する優れた効果を有することを見出した。この効果は、骨粗鬆症の予防、治療または改善に有効であると考えられるものであった。またこの効果がイソキサントフモールに基づくものであって、イソキサントフモールの効果はその類似化合物であるキサントフモールの効果に比べてより優れていることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
よって本発明は、骨粗鬆症を予防、治療または改善するために用いられる組成物および飲食品であって、優れた安全性と活性を有するもの提供をその目的とする。
本発明による骨密度減少の抑制または予防用組成物は、イソキサントフモールを有効成分として含んでなる。また本発明によるこの組成物は、イソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを、有効成分として含んでなるものであってもよい。
本発明による骨粗鬆症の予防、治療または改善用組成物は、イソキサントフモールを有効成分として含んでなる。
また本発明による骨粗鬆症の予防、治療または改善用組成物は、イソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを有効成分として含んでなる。
本発明による骨密度減少の抑制もしくは予防用の飲食品は、イソキサントフモール、またはイソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを含んでなるものである。
本発明による非穀物−ホップ発酵型の飲食品は、成人1日あたりのイソキサントフモール摂取量が0.003〜0.5mg/kg体重となる量でイソキサントフモールを有効成分として含んでなるものである。
本発明の別の態様によれば、本発明による非穀物−ホップ発酵型の飲食品は、1回当たりのイソキサントフモール摂取量が、0.2〜30mgとなる量でイソキサントフモールを有効成分として含んでなるものである。
本発明による組成物または飲食品の有効成分は、骨密度減少を抑制または予防する優れた効果を有するものであり、さらに骨密度を増大させる効果を示すことも期待される。この有効成分は、長年飲食品として飲用されてきたビール等に含まれている。したがって、本発明による組成物または飲食品は、患者または骨粗鬆症の予防を望む者が長期間にわたって服用または喫食しても副作用がほとんどなく、安全性に優れている。また、本発明による組成物または飲食品は、目的とする効果が期待される用量の1000倍以上の用量の場合であっても、幼若ラットに対してエストロゲン作用が見られない。このため、本発明によれば、エストロゲン製剤の場合のようなエストロゲン作用を介した副作用、例えば、不正出血、乳がんや子宮ガンの発生リスクの上昇を回避しつつ、骨粗鬆症の予防、治療または改善に関する優れた効果を得ることができる。
図1は、実施例の試験2の結果を示すグラフである。グラフは、MCF−7細胞の増殖を指標とする、イソキサントフモールおよび8−プレニルナリンゲニンのエストロゲン活性を示す。図中、IXHはイソキサントフモール、8PNは8−プレニルナリンゲニン、およびE2は17β−エストラジオールを表す。
図2は、実施例の試験3−aの結果を示すグラフである。グラフは、幼若ラットに対するイソキサントフモールおよび8−プレニルナリンゲニンのin vivoエストロゲン作用を調べた結果を表す。図中、IXHはイソキサントフモール、8PNは8−プレニルナリンゲニン、およびE2は17β−エストラジオールを表す。また*はP<0.05および***はP<0.001を意味する。
図3は、実施例の試験3−bの結果を示すグラフである。グラフは、卵巣摘出ラットに対するイソキサントフモール、8−プレニルナリンゲニン、およびビールのin vivoエストロゲン作用を調べた結果を表す。図中、IXHはイソキサントフモール、および8PNは8−プレニルナリンゲニンを表す。また***はP<0.001を意味する。
図4は、実施例の試験3−bの結果を示すグラフである。グラフは、卵巣摘出ラットに対するイソキサントフモール、およびビールのin vivoエストロゲン作用を調べた結果を表す。図中、IXHはイソキサントフモール、およびE2は17β−エストラジオールを表す。また***はP<0.001を意味する。
図5は、実施例の試験4の結果を示すグラフである。グラフは、卵巣摘出ラットに対するイソキサントフモール、8−プレニルナリンゲニン、およびビールの骨密度減少抑制作用を調べた結果を表す。図中、IXHはイソキサントフモール、および8PNは8−プレニルナリンゲニンを表す。また*はP<0.05および***はP<0.001を意味する。
図6は、実施例の試験4の結果を示すグラフである。グラフは、卵巣摘出ラットに対するイソキサントフモール、キサントフモール、イソα酸およびビールの骨密度減少抑制作用を調べた結果を表す。図中、IXHはイソキサントフモール、XNTはキサントフモール、αはイソα酸含有ホップエキス、およびE2は17β−エストラジオールを表す。また*はP<0.05および***はP<0.001を意味する。
図7は、実施例の試験5の結果を示すグラフである。グラフは、卵巣摘出ラットに対するイソキサントフモールを添加した麦茶の骨密度減少抑制作用を調べた結果を表す。図中、0mg/Lはイソキサントフモールを添加していない麦茶を表し、2mg/L、10mg/L、および50mg/Lはイソキサントフモールを添加した麦茶であって、それぞれのイソキサントフモール濃度を表し、E2は17β−エストラジオールを表す。また、水を投与したコントロール群に対して*はp<0.05、**はp<0.01、および***はp<0.001であることを意味し、またイソキサントフモールを添加していない麦茶に対して、#はp<0.05、##はp<0.01であることを意味する。
図8は、実施例の試験5の結果を示すグラフである。グラフは、卵巣摘出ラットに対するイソキサントフモールを添加した緑茶の骨密度減少抑制作用を調べた結果を表す。図中、0mg/Lはイソキサントフモールを添加していない緑茶を表し、10mg/Lはイソキサントフモールを添加した緑茶であってそのイソキサントフモール濃度が10mg/Lであることを表し、E2は17β−エストラジオールを表す。また、水を投与したコントロール群に対して*はp<0.05、**はp<0.01、および***はp<0.001であることを意味し、またイソキサントフモールを添加していない緑茶に対して、#はp<0.05、##はp<0.01であることを意味する。
[発明の具体的説明]
イソキサントフモール
本発明による組成物および飲食品は、前記したように、有効成分としてイソキサントフモール、またはイソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを含んでなる。
イソキサントフモールは、市販のキサントフモール(例えば、Apin chemical社より入手可能)、またはホップより精製される高純度のキサントフモールを、異性化することによって得ることができるものである。
ホップからのキサントフモールの精製は、例えば下記のようにして行うことができる。乾燥ホップをエタノール抽出し、ろ過後ろ液を減圧濃縮する。次いで、得られた濃縮物に、ヘキサンと85%エタノール水溶液を用いた液−液分配処理を行って、エタノール水溶液層を分取し、この層を減圧下で濃縮する。得られた濃縮物をクロロホルム:ヘキサン(5:2)に溶解させ、シリカゲル系カラムに通して、得られる画分の内から、キサントフモール溶出画分を分取する。分取された画分の溶出液を減圧濃縮し、ヘキサンおよび酢酸エチルを用いた再結晶法を繰り返すことによって、精製キサントフモールを得ることができる。
キサントフモールの異性化は、キサントフモールを、アルカリまたは酸化マグネシウムの存在下において加熱するか、またはその他の公知の方法にキサントフモールを付すことによって行うことができる。
異性化処理の具体例を挙げると、キサントフモールをエタノール等のアルコール性溶媒に溶解した後、ここに弱アルカリ性の水を加えて、その存在下において加熱(例えば、92〜93℃程度)して還流することによって、キサントフモールを熱異性化して、イソキサントフモールとすることができる。異性化処理により得られたイソキサントフモールは、必要に応じて、公知の方法(例えば、ろ過、減圧濃縮、凍結乾燥等)により濃縮したり、精製したりすることができる。
異性化ホップエキス
本発明において、異性化ホップエキスとは、ホップから抽出処理等により得られるキサントフモール含有ホップエキスを異性化することによって得られるホップエキスを意味する。すなわち、異性化ホップエキスは、基本的には、ホップのルプリン部に由来する抽出物(ホップエキス)を得、これを積極的に異性化することによって得られるものである。
ホップエキスは、例えば毬花やその圧縮物をそのままもしくは粉砕した後、抽出操作に供することによって、調製することができる。
抽出操作としては、例えば、ビール醸造に用いられるホップエキスの調製法として用いられる、エタノール溶媒による抽出法が挙げられる。また該抽出操作としては、その他の一般に用いられるホップ抽出法を採用してもよい。例えば、(1)溶媒中にホップの毬花、その粉砕物などを冷浸、温浸等によって浸漬する方法;(2)加温し攪拌しながら抽出を行い、濾過して抽出液を得る方法;または(3)パーコレーション法等も、前記抽出操作において適用することができる。
これら抽出操作によって得られた粗抽出物は、必要に応じて、ろ過または遠心分離に付すことによって固形物を除去することができる。得られた液は、これをそのままホップエキスとして用いてもよいが、そこに含まれる溶媒を留去して一部を濃縮または乾燥させた後、用いてもよい。また、濃縮または乾燥後に得られた抽出物は、さらに非溶解性溶媒を用いて洗浄して精製してもよく、またこれをさらに適当な溶剤に溶解もしくは懸濁させてもよい。さらに本発明においては、得られたホップエキス(液体)を、減圧乾燥、凍結乾燥等の慣用の手段によって、ホップ抽出エキス乾燥物として、これを使用してもよい。
前記抽出において使用可能な溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール;酢酸エチルエステル等の低級アルキルエステル;エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのグリコール類;エチルエーテル、アセトン、酢酸等の極性溶媒;ベンゼンやヘキサン等の炭化水素;エチルエーテルや石油エーテルなどのエーテル類等の非極性溶媒の公知の有機溶媒が挙げられる。これら溶媒は、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の一つの好ましい態様によれば、エタノール、水などの溶媒を用いてキサントフモールを含む抽出液を得、該抽出液を超臨界二酸化炭素抽出法に付して、そこに含まれるα酸、およびβ酸画分を除去することによって、キサントフモールをより多く含むホップエキスを得ることができる。この場合、必要に応じて、前記ホップエキスから不溶物をろ過によって除去したり、減圧等により濃縮して溶媒を乾固させてもよい。
このようにして得られたホップエキスは、キサントフモールを少なくとも含有するものである。このとき、得られたホップエキスが、キサントフモールに加えその異性化物であるイソキサントフモールを極少量含む場合がある。このような場合、このホップエキス(非異性化ホップエキス)を本発明においてそのまま使用してもよい。しかしながら、通常は、このホップエキスをさらに異性化することによって、異性化ホップエキスを得、これを本発明において使用する。
ホップエキスの異性化は、ホップエキスを、アルカリまたは酸化マグネシウムの存在下において加熱するか、またはその他の公知の方法にホップエキスを付すことによって行うことができる。これにより、ホップエキス中のキサントフモールはイソキサントフモールに変換される。
異性化処理の具体例を挙げると、キサントフモールを含むホップエキスを、エタノール等のアルコール性溶媒に溶解した後、ここに弱アルカリ性の水を加えて、その存在下において加熱(例えば、92〜93℃程度)して還流することによって、ホップエキスを熱異性化して、イソキサントフモールを含む異性化ホップエキスを得ることができる。得られた異性化ホップエキスは、必要に応じて、公知の方法(例えば、ろ過、減圧濃縮、凍結乾燥等)により濃縮したり、精製したりしてもよい。なお、前記異性化処理において使用する弱アルカリ性(例えば、pH8.5〜9.5)の水として、例えば、飲料用アルカリイオン水などのような市販の水(例えば、ボトルドウォーター)を使用することが、安全性の観点からは望ましい。市販の飲料の水であれば、摂取されてきた経験が充分にあるなど、安全性が高い。また、ビール醸造の麦汁煮沸過程で熱異性化されて生成する反応様式と前記異性化処理は本質的に同等であるので、飲食品を提供する観点からは安全性が高い。
したがって、本発明の一つの好ましい態様によれば、異性化ホップエキスは、エタノール系溶媒による抽出により得られたキサントフモール含有ホップエキスを、異性化することによって得られるものである。より好ましくは、このとき異性化は、ホップエキスを、アルカリ性の水中において加熱還流することによって行われる。ここでエタノール系溶媒とは、主としてエタノールまたはエタノールと水とからなる溶媒などをいう。
本発明においては、前記異性化処理により得られた異性化ホップエキスを組成物または飲食品の製造に直接使用しても良いが、好ましくは、その中の有効成分をさらに高濃度で含有する分画物を入手してこれを使用する。
したがって本発明の好ましい態様によれば、本発明による組成物または飲食品の有効成分として使用する異性化ホップエキスは、ホップエキスを単に異性化して得られるものよりもさらに高いイソキサントフモール濃度を有するものであることができる。
本発明においては、種々の方法で抽出された市販のホップエキスを入手して、これを異性化して異性化ホップエキスとして使用してもよいが、市販されている異性化ホップエキスをそのまま使用してもよい。
また前記したイソキサントフモールを高濃度に含む異性化ホップエキスは、ホップより抽出されたホップエキスを異性化して得られる通常の異性化ホップエキスを、慣用の方法にしたがって、濃縮したり、イソキサントフモールを添加したり、またはイソキサントフモール以外の成分を除去したりすることによって、容易に得ることができる。
また市販のホップエキスとして、例えば、ホップ毬花粉砕物をエタノール抽出した後、超臨界点炭酸抽出法により分画し、キサントフモール含有量を高めてなるホップエキス(例えば、Xanthohumol−enriched hop product(商品名)、Hopsteiner社より入手可能)、および、キサントフモールが約80%含まれる製品(Xantho−pure(商品名)、Hopsteiner社より入手可能)が存在する。これらを異性化することによって、イソキサントフモールを高濃度に含む異性化ホップエキスを製造することができる。
なお、これらのエキスより、さらに有効成分を高濃度に含有する分画物を前記等の方法も含めて濃縮して得ることができることは言うまでもない。
本発明のより好ましい態様によれば、本発明による組成物または飲食品の有効成分として使用する異性化ホップエキスは、イソキサントフモールを、0.005〜90重量%含有してなるものであり、さらに好ましくは、8〜90重量%含有してなるものである。
また、飲食品において、飲食品の製造工程に加熱工程等のキサントフモールを異性化する工程がある場合には、前述したホップエキス、好ましくは通常のホップエキスに比べてキサントフモール含有量を高めたホップエキスを、飲食品の当該加熱工程前に加えておくことによって、最終製品中にイソキサントフモールを含有させてもよい。このような飲食品の代表的な例として、ビール、発泡酒等を挙げることができる。ビール、発泡酒では、麦汁煮沸工程で上記ホップエキスを添加することにより、最終製品中にイソキサントフモールを含有させることができる。キサントフモール含有量を高めたホップエキスをこのような形で使用すれば、ビールの苦味成分であるイソフムロン類の濃度を必要以上に高めることなく(すなわち過度の苦味を与えることなく)、イソキサントフモールを高濃度に含有した製品を製造できる。もちろんこのような異性化工程がある場合でも、前述のように、精製イソキサントフモール、或いは、キサントフモール含有量を高めたホップエキス(例、Xanthohumol−enriched hop product(商品名)、Hopsteiner社より入手可能)、さらにキサントフモールが約80%含まれる製品(Xantho−pure(商品名)、Hopsteiner社より入手可能)等を異性化してなるイソキサントフモールを高濃度に含む異性化ホップエキスを、製造工程または最終製品に添加する態様を除外するものではない。
用途
卵巣摘出した動物およびヒトにおいては、破骨細胞の活性化、および骨吸収の増加が認められる。しかしながら、通常、女性ホルモンを加えることによりこれらに伴う骨量の減少は見られなくなる。このような作用がどのようにして発現するかはまだ明らかではないが、骨吸収に関与するサイトカインIL1、IL6、TGFβ、プロスタグランジンEなどが複雑に関与していると考えられている。また、女性ホルモンの欠乏によって、骨吸収が亢進することに加え、小腸からのカルシウム吸収が抑制されることも骨量減少の原因と考えられる。
さらに、女性ホルモンは核内レセプターと結合することによってその活性を発現するが、近年、α、βの2つのタイプのレセプターが存在することが明らかとなっている。近年、ある器官には女性ホルモンとして作用するが、別の組織に対しては拮抗的に作用する薬剤(SERM)の開発が進んでおり、副作用の少ない薬剤として期待が寄せられている。このように器官によって作用が異なるメカニズムを2種類のレセプタータイプから説明することが検討されている。
閉経性の骨粗鬆症の発症メカニズムは複雑多岐にわたり、いまだ解明されていない部分も多く、エストロゲンアゴニスト活性のみから閉経後骨粗鬆症の予防、治療の有効性を説明するのは限界がある。事実、例えば日本国においては、その副作用からエストロゲンアゴニスト活性がない製剤が主として臨床的に使用されている。
後記する卵巣摘出ラットを用いた実施例の試験4に示すように、イソキサントフモールは、卵巣からのエストロゲン分泌が遮断されることによる骨密度低下を有意に改善した。このことから、イソキサントフモールは、破骨細胞に直接的または間接的に作用して骨吸収を抑制している可能性が推測される。一方、実施例の試験2に示すようにイソキサントフモールにはin vitroの実験においてエストロゲン活性を有することが明かになっているが、幼若ラットにおいては卵巣摘出ラットで認められた骨密度減少改善作用が発現する1000倍以上の投与量においても、子宮肥大作用が認められなかった(後述する実施例の試験3参照)。このことから、イソキサントフモールは、女性ホルモンである17β−エストラジオールとは異なる機構、すなわちエストロゲンレセプターとの相互作用はあるものの、子宮よりも骨組織への選択性が高いものと推測される。
したがって、従来のエストロゲン製剤による薬物療法の場合には、不正出血、乳がんや子宮ガンの発生リスクの上昇などの副作用が懸念されるのに対して、本発明による有効成分を用いた場合には、前記副作用を回避しつつ、骨粗鬆症を予防、治療、または改善することができる。
したがって、本発明による組成物または飲食品は、骨密度減少の抑制、改善もしくは予防を目的として使用することができる。可能であれば、本発明による組成物または飲食品を、骨密度を増大させるために使用してもよい。よって、本発明による組成物または食品は、骨粗鬆症の予防、治療または改善に用いることができる。
ここで「骨密度」とは、対象となる哺乳動物の骨における、一定容積当たりのカルシウム等のミネラル量のことをいい、慣用の方法により測定することができる。そのような慣用の方法としては、X線を用いる方法(例えば、DXA法、MD法、pQCT法)および超音波を用いる方法(例えば、QUS法)が挙げられる。本発明においては、例えば、後述する実施例の試験4にしたがって測定することができる。
本発明によれば、有効量のイソキサントフモールまたはイソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを哺乳動物に投与するかまたは摂取させることを含んでなる、哺乳動物の骨密度減少を抑制または予防する方法が提供される。また本発明によれば、予防、治療または改善上の有効量のイソキサントフモールまたは異性化ホップエキスを、哺乳動物に投与するかまたは摂取させることを含んでなる、骨粗鬆症を予防、治療または改善する方法が提供される。ここで「有効量」は、後述するようなイソキサントフモールの投与量にしたがって選択することができる。
本発明の別の態様によれば、骨密度減少の抑制もしくは予防用組成物を製造するための、イソキサントフモールまたは異性化ホップエキスの使用が提供される。また本発明のさらに別の態様によれば、骨粗鬆症の予防、治療または改善用組成物を製造するための、イソキサントフモールまたは異性化ホップエキスの使用が提供される。
組成物および飲食品
本発明による組成物は、イソキサントフモールまたは異性化ホップエキスを有効成分として含んでなるものである。
ここで「有効成分として含んでなる」とは、所望する剤型に応じた薬学上許容されうる担体を含んでいてもよいことは当然として、併用可能な他の薬剤を含有する場合も包含する意味である。
本発明による組成物は、経口投与または非経口投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤が挙げられる。非経口剤としては、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、外用剤(例えば、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤)が挙げられる。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容されうる担体とともに製剤化することができる。
薬学上許容されうる担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられ、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバター等を担体として使用することができる。
併用可能な他の薬剤としては、例えば、アミノ酸、抗生物質、ビタミンD製剤、カルシトニン製剤、エストロゲン製剤、イプリフラボン製剤、ビタミンK製剤、タンパク同化ステロイド製剤、およびビスホスフォネート製剤などが挙げられる。
製剤は、例えば下記のようにして製造することができる。
経口剤は、例えば賦形剤(例えば、乳糖、白糖、デンプン、マンニトール)、崩壊剤(例えば、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム)、結合剤(例えば、α化デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース)、または滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000)を有効成分に添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性もしくは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより製造することができる。コーティング剤としては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびオイドラギット(ローム社製、ドイツ、メタアクリル酸・アクリル酸共重合物)、ゼラチン、プルランなどを用いることができる。
注射剤は、有効成分を分散剤(例えば、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社(米国)製)、HCO60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノール)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖、転化糖)などと共に、水性溶剤(例えば、蒸留水、生理的食塩水、リンゲル液等)または油性溶剤(例えば、オリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコール)などに溶解、懸濁または乳化することにより製造することができる。この際、所望により溶解補助剤(例えば、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン)等の添加物を添加してもよい。
外用剤は、有効成分を固状、半固状または液状の組成物とすることにより製造することができる。例えば、上記固状の組成物は、有効成分をそのまま、または賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、デンプン、微結晶セルロース、白糖)、増粘剤(例えば、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体)などを添加して混合し、粉状とすることにより製造できる。上記液状の組成物は、注射剤の場合とほとんど同様にして製造できる。半固状の組成物は、水性もしくは油性のゲル剤、または軟骨状のものがよい。また、これらの組成物は、いずれもpH調節剤(例えば、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウム)、防腐剤(例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム)などをさらに含んでいてもよい。
坐剤は、有効成分を油性または水性の固状、半固状または液状の組成物とすることにより製造できる。この場合、油性または水性基剤を使用することができる。該組成物に用いる油性基剤としては、高級脂肪酸のグリセリド(例えば、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製))、中級脂肪酸(例えば、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製))、または植物油(例えば、ゴマ油、大豆油、綿実油)が挙げられる。水性基剤としては、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコールが挙げられる。また、水性ゲル基剤としては、天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体が挙げられる。
本発明による飲食品は、本発明による有効成分を有効量含有してなるものである。
ここで「有効成分を有効量含有してなる」とは、個々の飲食品を通常喫食される量摂取した結果に、後述するような範囲で有効成分が摂取されるような量で有効成分を含有することをいう。本発明による飲食品には、本発明による有効成分をそのまままたは上記のような組成物の形態で、飲食品に配合することができる。より具体的には、本発明による飲食品は、本発明による有効成分または前述するホップの粉砕物もしくは抽出物をそのまままたは異性化して、飲食品として調製したもの、各種タンパク質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類等をそれらにさらに配合して調製したもの、または、一般の飲食品へ添加したものであってもよい。
本発明において、「飲食品」は、医薬以外のものであって、哺乳動物が摂取可能なものであれば特に制限はなく、その形態も液状、半液体状または固体状のいずれのものであってもよい。このため飲食品には、例えば飲料の形態も包含される。また飲食品には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品のような分類のものも包含される。さらに「飲食品」は、ヒト以外の哺乳動物を対象として使用される場合には、飼料を含む意味で用いることができる。
本発明における有効成分は、骨量減少抑制または予防作用を有する。このため、日常摂取する食品やサプリメントとして摂取する健康食品や機能性食品、好適には、カルシウム、マグネシウム等のミネラル類、ビタミンK等のビタミン類を1種以上含有する食品等に、本発明の有効成分を配合することによって、骨粗鬆症の発症の予防、治療および改善、並びに骨粗鬆症予備群の骨粗鬆症への移行防止といった機能を併せ持つ飲食品を提供することができる。
よって、本発明による飲食品は、骨密度を高めることもしくはその低下防止を希望する消費者に適した飲食品、または、骨の健康が気になる消費者に適した飲食品、すなわち所謂、特定保健用食品、として提供することができる。なお、ここでいう特定保健用食品とは、骨密度減少の抑制もしくは予防を目的として食品の製造または販売等を行う場合に、保健上の観点から、各国において法上の何らかの制限を受けることがある飲食品をいう。
飲食品の具体例としては、飯類、麺類、パン類およびパスタ類等の炭水化物含有飲食品;クッキーやケーキなどの洋菓子類、饅頭や羊羹等の和菓子類、キャンディー類、ガム類、ヨーグルトやプリンなどの冷菓や氷菓などの各種菓子類;ジュース、清涼飲料水、乳飲料、茶飲料、機能性飲料、栄養補助飲料、ノンアルコールビール等の各種飲料;ビール、発泡酒等のアルコール飲料;卵を用いた加工品、魚介類(イカ、タコ、貝、ウナギなど)や畜肉(レバー等の臓物を含む)の加工品(珍味類を含む)などが挙げられる。
好ましくは、飲食品は、非穀物−ホップ発酵型の飲食品である。ここで「非穀物−ホップ発酵型の飲食品」とは、少なくともホップと穀物とを原料として発酵を行うことによって得られる発酵成分(例えばビール、発泡酒)を含有しない飲食品をいう。すなわち、非穀物−ホップ発酵型の飲食品とは、ビールおよび発泡酒のような原料としてホップを含む発酵飲料以外の飲食品をいう。飲食品として非穀物−ホップ発酵型のものを使用して、これに、イソキサントフモールを有効量添加することにより、骨の健康の回復、維持または増進を図ることができる。
本発明の一つのより好ましい態様によれば、飲食品としては、茶飲料、乳飲料、ヨーグルトが挙げられる。本発明の別の一つの好ましい態様によれば、飲食品は、飲料である。
ここで茶飲料とは、ツバキ科の常緑樹である茶樹の葉(茶葉)、または茶樹以外の植物の葉もしくは穀類等を煎じて飲むための飲料をいい、発酵茶、半発酵茶および不発酵茶のいずれも包含される。茶飲料の具体例としては、日本茶(例えば、緑茶、麦茶)、紅茶、ハーブ茶(例えば、ジャスミン茶)、中国茶(例えば、中国緑茶、烏龍茶)、ほうじ茶等が挙げられる。
ここで乳飲料とは、生乳、牛乳等またはこれらを原料として製造した食品を主原料とした飲料をいい、牛乳等そのもの材料とするものの他に、例えば、栄養素強化乳、フレーバー添加乳、加糖分解乳等の加工乳を原料とするものも包含される。
またヨーグルトには、ハードタイプ、ソフトタイプ、ドリンクタイプのいずれのものも包含され、さらにヨーグルトを原料とする加工ヨーグルト製品も包含される。
本発明による有効成分またはホップの粉砕物もしくは抽出物を異性化したものを、一般食品の原料に添加配合して食品とする場合は、後述するように、有効成分もしくはホップの苦みが飲食品の味に影響しない範囲で用いるか、または苦味がマスクされるような工夫をすることが好ましい。
また、ビール、ノンアルコールビール、発泡酒などのようなホップ由来の飲食品には、一般的に、本発明における有効成分が既に一定量以上含まれていることがある。すなわち、このような公知のイソキサントフモール含有飲食品は、単にホップ成分を添加したものでなく、ホップ成分が異性化される工程を経て製造された飲食品である。このような飲食品の場合、これらをそのまま本発明による飲食品として使用することができるが、さらに、これら飲食品に、イソキサントフモールもしくはそれを含むエキス、または異性化ホップエキスを配合することによって、所望の効果をさらに増強することができ、または有効摂取量を低減させることができる。
公知のイソキサントフモール含有飲食品の例としては、ビールが挙げられる。ビール中におけるイソキサントフモール含有量は、前記したように例えば0.04〜3.4mg/Lであるが、ビール中には、その苦昧成分であるイソフムロン類やエストロゲン活性を有する8−プレニルナリンゲニンも含有されている。例えば、ビール中における8−プレニルナリンゲニンの含有量は、イソキサントフモール含有量の6分の1〜133分の1と広い幅があることが知られている(J.Chromatogr.A 832,97−107 1999)。
本発明による飲食品においては、精製したイソキサントフモールを用いるよりは、ホップエキスを異性化させた形で用いることがコスト的な問題からは有利であると考えられる。
また、飲食品中に異性化ホップエキスを使用する場合には、イソフムロン類等により生ずる苦味による官能的な点も考慮することが望ましい。この場合、キサントフモール含有量を高めたホップエキスまたはイソキサントフモール含有量を高めた異性化ホップエキスを用いて、イソキサントフモールに対するイソフムロン類の飲食品中における含有量を相対的に低くすることが好ましい。あるいは、苦味成分をマスクした上で、ホップ、ホップエキス、または異性化ホップエキスの添加量を増加させてもよい。
なお、飲食品においても、コスト的な問題がほとんど無いのであれば、精製イソキサントフモールを食品の製造工程または最終製品中に添加してもよいし、または、製造工程中に異性化反応をもたらす工程がある場合には該工程前に精製キサントフモールを添加しておいてもよい。
本発明による組成物または飲食品は、人類が飲食品として長年摂取してきたホップ抽出成分またはその誘導物であることから、毒性も低く、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対し安全に用いることができる。
本発明による組成物を、投与する哺乳動物の骨密度の増大またはその骨密度減少の抑制、改善もしくは予防を目的として用いる場合(好ましくは、骨粗鬆症の予防、治療または改善を目的として用いる場合)、その投与量は、受容者、受容者の年齢および体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、薬剤の組み合わせ等に依存して決定できる。例えば、本発明による有効成分を医薬として経口投与する場合、成人一人あたり、0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.02〜50mg/kg体重、非経口的に摂取する場合は0.005〜10mg/kg体重、好ましくは0.01〜10mg/kg体重の範囲で1日1回または数回の投与単位に分割して投与することができる。
異性化ホップエキスを有効成分として用いた場合には、成人一人あたりの摂取量が、イソキサントフモール量として5mg/kg体重・日(成人1人1日あたり300mgの範囲の摂取量)以下の範囲、好ましくは1mg/kg体重・日以下の範囲となるように投与することができる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による組成物は、成人一人あたりのイソキサントフモール摂取量が、0.003〜5mg/kg体重・日の範囲(体重60kgの成人1人1日あたりのイソキサントフモール摂取量が0.2〜300mgの範囲)となるような量のイソキサントフモールを含んでなる。より好ましくは、前記イソキサントフモール摂取量の下限値は、成人一人あたりの摂取量として、0.013mg/kg体重・日(体重60kgの成人1人1日あたりの摂取量として0.8mg)以上であり、さらに好ましくは、0.02mg/kg体重・日(体重60kgの成人1人1日あたりの摂取量として1.2mg)以上である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による飲食品は、成人一人あたりのイソキサントフモール摂取量が、0.003〜0.5mg/kg体重・日の範囲(体重60kgの成人1人1日あたりのイソキサントフモール摂取量が0.2〜30mgの範囲)となるような量のイソキサントフモールを含んでなる。より好ましくは、前記イソキサントフモール摂取量の下限値は、成人一人あたりの摂取量として、0.013mg/kg体重・日(体重60kgの成人1人1日あたりの摂取量として0.8mg)以上であり、さらに好ましくは、0.02mg/kg体重・日(体重60kgの成人1人1日あたりの摂取量として1.2mg)以上である。
なおここで、イソキサントフモール摂取量の下限値である、成人一人あたりの摂取量としての0.003mg/kg体重・日((体重60kgの成人1人1日あたりの摂取量としての0.2mg)は、後述する実施例の実験4および実験5において、効果の確認されたイソキサントフモール濃度2mg/Lの被験試薬を10ml/kg投与した場合に相当し、詳しくは、この投与量をラットとヒトの体表面積の比から換算して得られた値である。またこの投与量をラットの体重当たりの値に換算して得られた値は成人一人あたりの摂取量では0.02mg/kg体重・日((体重60kgの成人1人1日あたりの摂取量は1.2mg)である。
また飲食品の場合のイソキサントフモール摂取量の上限値が、成人一人あたりの摂取量として0.5mg/kg体重・日((体重60kgの成人1人1日あたりの摂取量として30mg)以下であるとしたのは、イソキサントフモールの溶解度および食経験を考慮したものであり、それ以上の値であっても、骨密度減少の抑制効果が否定されるものではない。したがって、可能であれば、前記上限値以上の量のイソキサントフモールを含む飲食品であってもよい。
本発明の一つの好ましい態様によれば、飲食品は、1回当たりのイソキサントフモール摂取量が、0.2〜30mg、より好ましくは0.8〜30mg、さらに好ましくは1.2〜30mgとなる量でイソキサントフモールを含んでなるものである。
ここで「1回当たりのイソキサントフモール摂取量」とは、ヒトが1回当たり喫食行動において摂取する飲食品中に含まれるイソキサントフモール量をいう。したがって、ヒトが1回の喫食行動で摂取することを想定した飲食品がある場合には、「1回当たりのイソキサントフモール摂取量」は、そのような飲食品中に含まれるイソキサントフモール量に相当する。
ヒトが1回の喫食行動で摂取することを想定した飲食品の形態は、飲食品の摂取が予想される対象者の体重、年齢、性別、体力、健康状態等の身体的要因や、摂取が予想される環境または気候等を考慮することにより適宜設定することができる。例えば、そのような飲食品の形態としては、100〜500ml(好ましくは100〜350ml)の範囲の量の単位で容器に封入された飲料が挙げられる。
1回で摂取することを想定した飲食品の形態が、100mlのボトル入り飲料である場合には、その100mlの飲料には、前記イソキサントフモール摂取量(0.2〜30mg)に相当する量のイソキサントフモールが含まれることになる。したがって、この飲料のイソキサントフモール濃度は、2〜300mg/Lの範囲となる。同様に、1回で摂取することを想定した飲食品の形態が、350mlのボトル入り飲料である場合には、その350mlの飲料には、前記イソキサントフモール摂取量(0.2〜30mg)に相当する量のイソキサントフモールが含まれることになり、この飲料のイソキサントフモール濃度は、0.57〜85.7mg/Lの範囲となる。
さらに具体例を挙げて説明すると、このような飲食品の形態について、100ml、200mlおよび350mlの各容量単位のボトル入り飲料中のイソキサントフモール濃度は下記表Aの通りである。
Figure 2004089359
上記表を利用するかまたは換算して、飲料のイソキサントフモール濃度を設定することによって、所望する容量単位を1回に摂取することを想定した飲料を、容易に調製することができる。
本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例:
例A: イソキサントフモールの精製
ビール(キリンラガービール(商品名)、キリンビール株式会社(日本国)製)(以下において「ビール」と略す)、およびキサントフモールを多く含む粉末状のホップエキス(Xanthohumol Enriched Product(商品名)およびXantho−pure(商品名)、ともにHopsteiner社製)からのイソキサントフモールの精製例を以下に示す。
ビールからの精製
ビール1000mlを脱気し、その800mlを1000mlのジエチルエーテルを用いて抽出した。ジエチルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。その後、酢酸エチル20mlを加え、再度、無水硫酸ナトリウムで脱水し、約1mlまで減圧濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Kieselgel60,10g)を用いて分画した。カラムは30%酢酸エチル/n−ヘキサンを用いて洗浄した後、60%酢酸エチル/n−ヘキサンを用いて溶出した。溶出画分を減圧乾固し、メタノール3mlに溶解させ、さらに蒸留水3mlを加え、これをHPLCによりさらに精製した。HPLCの条件は下記の通りであった:
移動層: 45%アセトニトリル、および55%蒸留水、
カラム: YMC−ODS−AQ 25×250mm(YMC社製)、
ガードカラム: YMC−ODS−AQ 25×50mm(YMC社製)、
流速: 10ml/分、注入量3ml、
検出器波長: UV290nm。
精製されたイソキサントフモールの純度を、HPLC分析および核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定によって確認した。純度確認のためのHPLCの条件は、下記の通りであった:
移動層: A液(アセトニトリル)、B液(蒸留水)、およびA液20%〜100%によるグラジエント溶出、
カラム: YMC−hydrosphere C18 4.6×250mm(YMC社製)、
流速: 1ml/分、注入量5μl、
検出器波長: UV290nm。
このHPLC分析によって、イソキサントフモールの純度が98%以上であることが確認された。
精製されたイソキサントフモール1mgを800mlの重メタノールに溶解し、核磁気共鳴(NMR)スペクトル装置(JNM−A400(日本電子社製))を用いて1H−NMR測定を行った。
このNMR測定よって、単離精製されたイソキサントフモールの化学シフトは文献で報告されている値と一致し、単一組成であることが確認された。
ホップエキスからの精製1
ホップエキス(Xanthohumol Enriched Product(商品名))1gを水1Lに加え、これをオートクレーブにて100℃で120分間煮沸して、異性化した。室温に冷ました後、上清をろ紙を用いてろ過して、ろ液を得た。次いで、ろ液800mlを1000mlのジエチルエーテルを用いて抽出した。ジエチルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮した。その後、酢酸エチル20mlを加え、再度、無水硫酸ナトリウムで脱水し、約1mlまで減圧濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Kieselgel60,10g)を用いて分画した。カラムは30%酢酸エチル/n−ヘキサンを用いて洗浄した後、60%酢酸エチル/n−ヘキサンを用いて溶出した。溶出画分を減圧乾固し、メタノール3mlに溶解させ、さらに蒸留水3mlを加え、これをHPLCによりさらに精製した。HPLCの条件は下記の通りであった:
移動層: 45%アセトニトリル、および55%蒸留水、
カラム: YMC−ODS−AQ 25×250mm、
ガードカラム: YMC−ODS−AQ 50×25mm、
流速: 10ml/分、注入量3ml、
検出器波長: UV290nm。
精製されたイソキサントフモールの純度を、前記したビールからの精製の場合と同様にして、HPLC分析および核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定によって確認した。
HPLC分析によって、イソキサントフモールの純度が98%以上であることが確認された。
NMR測定よって、単離精製されたイソキサントフモールの化学シフトは文献で報告されている値と一致し、単一組成であることが確認された。
ホップエキスからの精製2
ホップエキス(Xantho−pure(商品名))2.5gを、50mlのエタノールに溶解し、ここに50mlの10N水酸化ナトリウム水溶液および蒸留水を加え500mlにメスアップした。これを、沸騰水浴中で1時間煮沸し異性化した後、室温に冷まし、ここに12Nの塩酸を45ml添加した。次いで、得られた溶液を、冷却後グラスウールフィルターにて吸引ろ過した。ろ取物に1.2Lのエーテルおよび0.8mlの蒸留水を加えて、液液分配抽出を2回行って、得られたエーテル層を減圧乾固した。これに少量の酢酸エチルおよびヘキサンを加えて、再結晶を繰り返し、純度98%以上のイソキサントフモールを得た。
例B: ホップエキスの異性化
キサントフモールを約80%含む市販のホップエキス(Xantho−pure(商品名))18gを、2Lのエタノールに溶解し、ここにpH8.5〜9.5の弱アルカリ性のボトルドウォーター(アルカリイオンの水(商品名)、キリンビバレッジ社製)18Lを加えた。これを92〜93℃において2時間、還流下で熱異性化した。次いで、不溶物をろ紙にてろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、凍結した。これを凍結乾燥することによって、粉末状の異性化ホップエキス約18gを得た。この粉末状異性化ホップエキスは、イソキサントフモールを約70%含有するものであった。
なお、前記例Aの「ホップエキスからの精製2」の欄と同様にして精製を行うことによって、純度98%以上のイソキサントフモールを得ることができた。
例C: 製剤の調製
下記成分を細かく粉末にし、均一な混合物になるように充分攪拌した後、これを0.2gずつプルランカプセルまたはゼラチンカプセルに充填して、カプセル製剤を調製した。
例Bで得られた異性化ホップエキス 20g
コーンスターチ 1880g
ナタネ硬化油 100g
例D: 飲食品の調製(イソキサントフモール含有飲料の調製)
市販の麦茶用の麦40gに、2Lの沸騰した湯を加えた後、これを5分間煮沸して麦茶を抽出した。ここにそれぞれ2mg/L、10mg/L、および50mg/Lの濃度となるようにイソキサントフモールを添加して、イソキサントフモール含有麦茶飲料を調製した。ここでイソキサントフモールは、前記例Aの「ホップエキスからの精製2」において得られたものを使用した。
同様にして、市販の緑茶葉50gに、2Lの沸騰した湯を加えた後、これを5分間煮沸して緑茶を抽出した。ここに10mg/Lの濃度となるようにイソキサントフモールを添加して、イソキサントフモール含有緑茶飲料を調製した。
評価試験:
試験1: ビール中のエストロゲン活性成分の特定
1−a) エストロゲン活性の測定法
被検物質のエストロゲン活性を、エストロゲン感受性ヒト乳癌由来MCF−7細胞の細胞増殖を指標として測定した。使用した細胞株は、エストロゲンレセプターを発現しており、エストロゲン様物質の存在下では細胞増殖の亢進が認められるものであった。したがって、この細胞株の細胞増殖をCell Counting Kit(同仁化学研究所製)を用いて測定することによって、エストロゲン活性を測定した。
該Cell Counting KitによるMCF−7細胞の細胞増殖の測定は、細胞内に取り込まれたWST−1試薬[2−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム,モノナトリウム塩(2−(4,5−dimethylchiazol−2−yl)−2,5−diphenyltetrazolium,monosodium salt)]から生じるフォルマザンを、マイクロプレートリーダー(SOF Tmax(Molecular Devices社製))を用いて450nmの吸光度を測定することによって行った。
より具体的には、Dextran−Coated Charcoal(Sigma社製)に内因性ステロイドを吸着させて除去した牛胎仔血清(Gibco社製)を10%含み、さらにペニシリンおよびストレプトマイシン(それぞれ10000単位、1mg/ml、Gibco社製)、0.1mM非必須アミノ酸(Gibco社製)、1mMピルビン酸ナトリウム(Gibco社製)、および、1μg/mlインスリン(ヒト組換え体27.5USP unit/mg:(Sigma社製))を含むDMEM培地を用いて、MCF−7細胞を3日間前培養した。このMCF−7細胞の濃度8×10cells/mlの細胞懸濁液を調製し、これを96ウエルプレート上に100μl/ウエルで播種した。培養1日後、ジメチルスルホキシドに溶解した被検物質0.1%(v/v)を含む培地によってウェル内の培地を交換し、さらに培養を続けた。培養4日目に再度被検物質を含む新しい培地でウェル内培地を交換し、培養7日目にCell Counting Kitを用いて細胞増殖を測定した。
なお、陽性対照物質としては、最も強力な内因性エストロゲンである17β−エストラジオール(Sigma社製)のジメチルスルホキシド溶液を用いた。
1−b) ビール中のエストロゲン活性成分の探索
ビールを脱気し、ENVI−18カラム(10g、60ml、Supelco社製)に供し、20%、50%、80%メタノール水溶液、およびメタノール各180mlで順次溶出した。
各画分のエストロゲン活性を前記方法にしたがって測定したところ、80%メタノールおよびメタノールの各溶出画分に活性が確認された。
80%メタノール、およびメタノールの各溶出画分を併せて減圧乾固しシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Kiesel gel 60,10g Merck社製)に供し、n−ヘキサン、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:7、1:4の混合溶媒、酢酸エチルの順に段階的に溶出した。
得られた各画分のエストロゲン活性を測定したところ、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:7、1:4画分に活性が確認された。
これら活性が確認された画分を減圧乾固し、メタノールに溶解してHPLCによる分画に供した。HPLCの条件は下記の通りであった:
移動層: A液(アセトニトリル)、B液(蒸留水)、A液40%〜100%によるリニアグラジエント溶出、
カラム: YMC−hydrosphere C18 10×250mm(YMC社製)、
ガードカラム: YMC−hydrosphere C18 10×30mm(YMC社製)、
流速: 2.5ml/分、注入量80ul、
検出器波長: UV290nm。
HPLCによって2分間ごとにフラクションを採取し、各フラクションのエストロゲン活性を前記方法にしたがって測定した。
結果は下記の通りであった。
保持時間14分〜16分において得られたフラクション(Fr8)と、保持時間18分〜20分において得られたフラクション(Fr10)とにそれぞれエストロゲン活性があることが認められた。
この内、Fr8に含まれる物質の質量(MS)スペクトル測定を、質量分析計(DX303 日本電子社製)を用いてEI−MSの手法にしたがって行なったところ、m/z354にイオンが観測された。これはイソキサントフモールの標準スペクトルパターンと一致するものであった。さらに、Fr8の5mgを600μlの重ジメチルスルホキシドに溶解し、核磁気共鳴(NMR)スペクトル装置(UNITY plus 500型(バリアン社製))を用いて1H−NMR、13C−NMR、およびNOESY−1Dの測定を行ったところ、Fr8の活性成分がイソキサントフモールであることが確認された。
またFr10について、HPLC質量(MS)スペクトル分析を行った。
分析装置はHPLC(HP1100(アジレント社製))にトリプルステージ型質量分析計(MS/MS)(Quattro Ultima(マイクロマス社製))を接続して用いた。このときのHPLC条件は下記の通りであった:
移動層: A液(アセトニトリル)、B液(蒸留水)、およびA液55%〜90%によるリニアグラジエント溶出、
カラム: Capcell Pack C18 2.0×150mm(株式会社資生堂製)、
流速: 0.2ml/分、注入量5μl。
また質量分析計の条件は、イオン化をエレクトロスプレーイオン化方式(ESI)とし、プリカーサーイオン338.3、プロダクトイオン218.8、Cone電圧80V、Collisionエネルギー20eVとした。
測定の結果、Fr10には8−プレニルナリンゲニンが高濃度に含まれていることが確認された。
1−c) ビール中のイソキサントフモールおよび8−プレニルナリンゲニ ンの分析
ビール1mlを、ジエチルエーテル5mlを用いて2回抽出して、窒素乾固した。これを、内部標準として2.4−ジヒドロカルコンを40ppb含む50%メタノール水溶液に溶解し、分析試料とした。
分析装置はHPLC(HP1100(アジレント社製))にトリプルステージ型質量分析計(MS/MS)(Quattro Ultima(マイクロマス社製))を接続して用いた。このときのHPLC条件は下記の通りであった:
移動層: A液(アセトニトリル)、B液(蒸留水)、およびA液55%〜90%によるリニアグラジエント溶出、
カラム: Capcell Pack C18 2.0×150mm、
流速: 0.2ml/分、注入量5μl。
質量分析計の条件は、イオン化をエレクトロスプレーイオン化方式(ESI)とし、MRMモードにて両化合物を一斉定量分析した。定量イオンおよびイオン化条件は、イソキサントフモールについては、プリカーサーイオン352.8、プロダクトイオン232.8、Cone電圧80V、Collisionエネルギー18eVとした。8−プレニルナリンゲニンについては、プリカーサーイオン338.3、プロダクトイオン218.8、Cone電圧80V、Collisionエネルギー20eVとした。
分析の結果、試験に用いたビール中のイソキサントフモール濃度は2.1mg/Lであり、8−プレニルナリンゲニンの濃度は43μg/Lであった。
試験2: インビトロ(in vitro)におけるエストロゲン活性評価
精製イソキサントフモールおよび化学合成された8−プレニルナリンゲニンのエストロゲン活性を、試験1と同様にして測定した。ただしこのとき、MCF−7細胞培養用の培地における被検物質の濃度を次のように設定した。
イソキサントフモールは、該培地中の濃度が、1.0×10−5、1.0×10−6、1.0×10−7、1.0×10−8、1.0×10−9、および1.0×10−1 mol/Lとなるように添加した。
8−プレニルナリンゲニンは、該培地中の濃度が、1.0×10−7、1.0×10−8、1.0×10−9、1.0×10−10、1.0×10−11、および1.0×10−12mol/Lとなるように添加した。
陽性対照としての17β−エストラジオールは、該培地中の濃度が、6.3×10−11、1.6×10−11、3.9×10−12、1.0×10−12、1.0×10−13、および1.0×10−14mol/Lとなるように添加した。
結果は図1に示される通りであった。
イソキサントフモールおよび8−プレニルナリンゲニンはいずれも、エストロゲン活性を示した。これらの活性をエストラジオールと比較したところ、イソキサントフモールの活性は約10−5倍、8−プレニルナリンゲニンは10−2倍であった。
試験3: インビボ(in vivo)におけるエストロゲン活性評価
3−a) 幼若ラットにおける評価
in vivoにおけるエストロゲン作用について、幼若Wistar系雌性ラットを用いて評価した。
使用したラットは次のようにして準備した。まず、20日齢のWistar系雌性ラット(日本チャールスリバー社より入手可能)を各動物の体重差が平均体重の±10%以内となるよう選別後、1群6匹として無作為に群分けし、水およびAIN−76A(日本クレア社製)を自由摂取させ飼育した。
1日間の予備飼育の後、イソキサントフモールまたは8−プレニルナリンゲニンを、1、5、または25mg/kg/日で1日1回、3日間、10ml/kgの液量を経口ゾンデを用いて胃内強制経口投与した。コントロール群としては溶媒(落花生オイル)を同様にして経口投与し、また陽性対照としては17β−エストラジオールを用い、これを400μg/kg/日の量で同様にして経口投与した。最終投与の約24時間後にラットから子宮を摘出し、その重量を秤量することによってin vivoにおけるエストロゲン活性を測定した。
結果は図2に示される通りであった。
イソキサントフモールは、エストラジオール、または8−プレニルナリンゲニンとは異なって、幼若ラットに対しin vivoエストロゲン活性を有しないか、または極めて微弱な活性を示すに過ぎないことが判明した。
3−b) 卵巣摘出ラットにおける評価
9週齢の雌性SD系ラット(日本チャールスリバー社より入手可能)の両側卵巣を摘出し、1群6匹として無作為に群分けし、水およびAIN−76A(日本クレア社製)を自由摂取させ飼育した。手術翌日より被検物質を1日1回、28日間、10ml/kgの液量を経口ゾンデを用いて胃内強制経口投与した。
イソキサントフモールについては、ビールに含まれる濃度と同等、5倍、20倍になるように、イソキサントフモールを0.8%エタノール水溶液に溶解したものをそれぞれ調製し、これらを用いた。コントロール群、偽手術群には、0.8%エタノール水溶液を同様にして経口投与した。陽性対照としては17β−エストラジオールを用い、これを2μg/kg/日の量で皮下投与した。
結果は図3および図4に示される通りであった。
卵巣摘出群(OVX)の子宮重量は偽手術群と比較して有意に低く、イソキサントフモール投与群によっても子宮重量の有意な回復は認められなかった。
試験4: 卵巣摘出後骨粗鬆症における骨密度減少に対する改善効果
9週齢の雌性SD系ラットの両側卵巣を摘出し、翌日より被検物質を一日1回、28日間、10ml/kgの液量を経口ゾンデを用いて胃内強制経口投与した。
コントロール群、偽手術群には0.8%エタノール水溶液を同様にして経口投与した。陽性対照としては17β−エストラジオールを用い、これを4μg/kg/日の量で皮下投与した。
ビール(国産ピルスナービール)は、イソキサントフモールを2.1mg/L含有し、また8−プレニルナリンゲニンを43μg/L含有するものである。ここではこれを一度、凍結乾燥した後に水に溶解することによってエタノールを除去して、これを被検物質として試験に供した。
イソキサントフモールについては、ビールに含まれる濃度と同等、5倍、20倍になるように、イソキサントフモールを0.8%エタノール水溶液に溶解したものをそれぞれ調製し、これらを用いた。
さらに、ビールにおける骨粗鬆症の予防活性に寄与する主要成分を同定するために、さらに以下の被検液を調製して試験に供した:
・イソα酸を30%含むホップエキス(Iso−Extract(Hopsteiner社製))を0.8%エタノール水溶液で希釈した希釈液であって、イソα酸濃度がビールと同等濃度(30mg/L)になるよう調製した液、
・8−プレニルナリンゲニンの水希釈液であって、8−プレニルナリンゲニンがビール中に含まれる濃度と同等になるよう希釈した液、および
・イソキサントフモールの異性体であるキサントフモール(Apin chemical社製)の水希釈液であって、キサントフモールがビールに含まれるイソキサントフモールと同等濃度(2.1mg/L)となるように調製した液。
骨密度の測定は、ラットの大腿骨を採取し、遠位骨端部の海綿骨骨密度をpQCT(Peripheral Quantitative computed tomography)骨密度測定装置(XCT−960A(ノーランド・ストラテック社製))を用いて特定することにより行なった。
結果は図5および図6に示される通りであった。
卵巣摘出群(OVX)の大腿骨における海綿骨骨密度は減少していたが、ビールおよびイソキサントフモール投与により有意に改善された。このような改善は、ビール中のエストロゲン活性寄与率が最も大きいと考えられる8−プレニルナリンゲニンには認められなかった。また、キサントフモールやイソフムロン類を含むイソα酸については、Pit Formation Assayによって骨吸収阻害活性がすでに報告されているが、これらについてもイソキサントフモールのような活性は認められなかった。
前記試験3にもあるように、卵巣摘出ラットにおいては骨密度減少抑制活性を示す用量、および、それよりも20倍の用量の場合でも、イソキサントフモールは子宮重量増加作用を示さなかった。また、幼若ラットにおいては骨密度減少抑制効果が認められる用量の1250倍の投与量においても子宮重量増加作用は認められなかった。
試験5: イソキサントフモール含有飲料のラット骨密度減少に対する改善効
9週齢の雌性SD系ラットの両側卵巣を摘出し、翌日より被検溶液を一日1回28日間、10ml/kgの液量を経口ゾンデを用いて胃内強制経口投与した。
コントロール群、偽手術群には水を同様にして経口投与した。陽性対照としては、落花生油に溶解した17β−エストラジオールを用い、これを10μg/kg/日の量で皮下投与した。
被検溶液としては、前記例Dにしたがって、下記のものを用意した:
・前記例Dと同様にして抽出された麦茶であってイソキサントフモールを含有していない麦茶、
・イソキサントフモールをそれぞれ2mg/L、10mg/L、および50mg/Lの濃度で含有する麦茶、
・前記例Dと同様にして抽出された緑茶であってイソキサントフモールを含有していない緑茶、および
・イソキサントフモールを10mg/Lの濃度で含有する緑茶。
骨密度の測定は前記試験4の場合と同様にして行った。
結果は図7および図8に示される通りであった。
卵巣摘出群(OVX)の大腿骨における海綿骨骨密度は、偽手術群と比較して減少していたが、イソキサントフモールを含有する飲料を投与した群の骨密度は水を投与したコントロール群よりも有意に高く、骨密度減少に対する改善効果が認められた。一方、イソキサントフモールを含有しない飲料の場合には、骨密度減少に対する改善効果は認められなかった。
緑茶は、一般的に、骨吸収作用に関わる破骨細胞の活性を抑制することが知られている茶カテキンを多く含むとされてる(Biochem Biophys Res Commun 292(1),94−101(2002))。しかしながら、イソキサントフモールを含有しない緑茶飲料の場合には卵巣摘出ラットの骨密度減少抑制効果は認めらなかった。したがって、緑茶の場合でも、イソキサントフモールを添加することによって初めて骨密度減少に対する改善効果が認められた(図8)。

Claims (30)

  1. イソキサントフモールを有効成分として含んでなる、骨密度減少の抑制または予防用組成物。
  2. イソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを、有効成分として含んでなる、骨密度減少の抑制または予防用組成物。
  3. 異性化ホップエキスが、エタノール系溶媒による抽出により得られたキサントフモール含有ホップエキスを、異性化することによって得られるものである、請求項2に記載の組成物。
  4. 異性化が、ホップエキスを、アルカリ性の水中において加熱還流することによって行われる、請求項3に記載の組成物。
  5. 医薬組成物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 骨粗鬆症の予防、治療または改善用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. イソキサントフモールを有効成分として含んでなる、骨密度減少の抑制または予防用飲食品。
  8. イソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを、有効成分として含んでなる、骨密度減少の抑制または予防用飲食品。
  9. 異性化ホップエキスが、エタノール系溶媒による抽出により得られたキサントフモール含有ホップエキスを、異性化することによって得られるものである、請求項8に記載の飲食品。
  10. 異性化が、ホップエキスを、アルカリ性の水中において加熱還流することによって行われる、請求項9に記載の飲食品。
  11. 健康食品、機能性食品、特定保健用食品、または病者用食品である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の飲食品。
  12. 骨粗鬆症の予防、治療または改善用である、請求項7〜11のいずれか一項に記載の飲食品。
  13. 飲料の形態である、請求項7〜12のいずれか一項に記載の飲食品。
  14. 非ホップ飲料である、請求項13に記載の飲食品。
  15. 茶飲料である、請求項14に記載の飲食品。
  16. 乳飲料である、請求項14に記載の飲食品。
  17. ヨーグルトである、請求項7〜12のいずれか一項に記載の飲食品。
  18. 成人1日あたりのイソキサントフモール摂取量が0.003〜0.5mg/kg体重となる量でイソキサントフモールを含んでなる、請求項7〜17のいずれか一項に記載の飲食品。
  19. 1回当たりのイソキサントフモール摂取量が、0.2〜30mgとなる量でイソキサントフモールを含んでなる、請求項7〜17のいずれか一項に記載の飲食品。
  20. 成人1日あたりのイソキサントフモール摂取量が0.003〜0.5mg/kg体重となる量でイソキサントフモールを有効成分として含んでなる、非穀物−ホップ発酵型の飲食品。
  21. 1回当たりのイソキサントフモール摂取量が、0.2〜30mgとなる量でイソキサントフモールを有効成分として含んでなる、非穀物−ホップ発酵型の飲食品。
  22. 成人1日あたりのイソキサントフモール摂取量が0.003〜0.5mg/kg体重となる量で、イソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを、有効成分として含んでなる、非穀物−ホップ発酵型の飲食品。
  23. 1回当たりのイソキサントフモール摂取量が、0.2〜30mgとなる量で、イソキサントフモールを含有する異性化ホップエキスを、有効成分として含んでなる、非穀物−ホップ発酵型の飲食品。
  24. 茶飲料である、請求項20〜23のいずれか一項に記載の非穀物−ホップ発酵型の飲食品。
  25. 乳飲料である、請求項20〜23のいずれか一項に記載の非穀物−ホップ発酵型の飲食品。
  26. ヨーグルトである、請求項20〜23のいずれか一項に記載の非穀物−ホップ発酵型の飲食品。
  27. 有効量の請求項1〜4のいずれか一項に記載の有効成分を、哺乳動物に投与するかまたは摂取させることを含んでなる、哺乳動物の骨密度減少を抑制または予防する方法。
  28. 有効量の請求項1〜4のいずれか一項に記載の有効成分を、哺乳動物に投与するかまたは摂取させることを含んでなる、骨粗鬆症を予防、治療または改善する方法。
  29. 骨密度減少の抑制または予防用組成物を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有効成分の使用。
  30. 骨粗鬆症の予防、治療または改善用組成物を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有効成分の使用。
JP2005505319A 2003-04-08 2004-04-08 骨密度減少の抑制または予防用組成物および飲食品 Pending JPWO2004089359A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003104515 2003-04-08
JP2003104515 2003-04-08
PCT/JP2004/005087 WO2004089359A1 (ja) 2003-04-08 2004-04-08 骨密度減少の抑制または予防用組成物および飲食品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2004089359A1 true JPWO2004089359A1 (ja) 2006-07-06

Family

ID=33156857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005505319A Pending JPWO2004089359A1 (ja) 2003-04-08 2004-04-08 骨密度減少の抑制または予防用組成物および飲食品

Country Status (7)

Country Link
US (2) US20070059393A1 (ja)
EP (1) EP1618875B1 (ja)
JP (1) JPWO2004089359A1 (ja)
CN (1) CN1791393A (ja)
AT (1) ATE407667T1 (ja)
DE (1) DE602004016486D1 (ja)
WO (1) WO2004089359A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2602707C (en) 2005-03-25 2013-12-31 Universiteit Gent Enzymatic demethylation of flavonoids
EP1909584A4 (en) * 2005-07-29 2010-07-07 Bioactives Inc PRENYLFLAVONOID FORMULATIONS
US20110223642A1 (en) * 2010-03-11 2011-09-15 John Paul Maye Method for inhibiting bacteria growth during ethanol fermentation
EP2392325A1 (en) * 2010-06-04 2011-12-07 Universitätsklinikum Münster Compounds for the prevention and/or treatment of osteoarthrosis
KR101323150B1 (ko) * 2011-04-25 2013-10-30 충남대학교산학협력단 잔토휴몰을 함유하는 골다공증 예방 및 치료용 조성물
JP5935204B2 (ja) * 2011-09-20 2016-06-15 日本薬品開発株式会社 骨粗鬆症予防または改善剤
CN103371989A (zh) * 2012-04-24 2013-10-30 华东师范大学 黄腐酚在制备抑制破骨细胞分化和蚀骨功能的预防和/或治疗药物中的应用
JP6668073B2 (ja) * 2012-07-26 2020-03-18 アントニオ・アルカイニAntonio Arcaini 焙煎抽出物およびキサントフモールを含む組成物の使用
AU2018397890A1 (en) * 2017-12-27 2020-07-16 Suntory Holdings Limited Beverage and method for producing same
SG11202100264YA (en) * 2018-08-10 2021-02-25 Suntory Holdings Ltd Composition and method for suppressing increase in blood glucose level
WO2020031953A1 (ja) * 2018-08-10 2020-02-13 サントリーホールディングス株式会社 微生物増殖抑制剤、微生物汚染防止方法、及び、飲料
SG11202100261WA (en) * 2018-08-10 2021-02-25 Suntory Holdings Ltd Agent for suppressing heat-resistant acidophilic bacteria, method for preventing contamination with heat-resistant acidophilic bacteria, and beverage
WO2020144897A1 (ja) * 2019-01-11 2020-07-16 サントリーホールディングス株式会社 イソキサントフモールを含有する組成物の製造方法
WO2020145282A1 (ja) * 2019-01-11 2020-07-16 サントリーホールディングス株式会社 イソキサントフモールを含有する組成物の製造方法
JP7212576B2 (ja) * 2019-04-26 2023-01-25 サントリーホールディングス株式会社 ビールテイスト飲料
JPWO2020230801A1 (ja) * 2019-05-15 2020-11-19
WO2021131568A1 (ja) * 2019-12-25 2021-07-01 サントリーホールディングス株式会社 身体活動量低下の抑制又は改善用組成物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07285855A (ja) * 1992-02-28 1995-10-31 Lilly Ind Ltd 薬剤組成物およびその製法
JPH07330594A (ja) * 1994-04-12 1995-12-19 Hoechst Japan Ltd 骨粗鬆症治療剤
WO2003014287A1 (de) * 2001-08-10 2003-02-20 Dr. Willmar Schwabe Gmbh & Co. Hopfenextrakte, verfahren zu ihrer herstellung und verwendung

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3794744A (en) * 1972-05-10 1974-02-26 White Tomkins Ltd Purification of hop extracts
JPH07285856A (ja) * 1994-04-21 1995-10-31 Hoechst Japan Ltd 骨粗鬆症治療剤
AU6209700A (en) * 1999-07-13 2001-01-30 Cedars-Sinai Medical Center Method and compositions for inhibiting biosynthesis or bioactivity of endogenoussteroid sex hormones in humans
AU2001246876A1 (en) * 2000-04-10 2001-10-23 Takara Bio Inc. Remedies
CN1436074A (zh) * 2000-04-11 2003-08-13 宝生物工程株式会社 治疗剂
FR2823672B1 (fr) * 2001-04-23 2004-03-12 Berkem Sa Extraits de houblon et leur utilisation dans la preparation d'un medicament ayant des proprietes oestrogenes
DE10315025A1 (de) * 2003-04-02 2004-10-14 Bioplanta Arzneimittel Gmbh Wirkstoffkombination von ω3-fettsäurehaltigen Ölen mit polyphenolhaltigen Pflanzenextrakten und deren Verwendung

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07285855A (ja) * 1992-02-28 1995-10-31 Lilly Ind Ltd 薬剤組成物およびその製法
JPH07330594A (ja) * 1994-04-12 1995-12-19 Hoechst Japan Ltd 骨粗鬆症治療剤
WO2003014287A1 (de) * 2001-08-10 2003-02-20 Dr. Willmar Schwabe Gmbh & Co. Hopfenextrakte, verfahren zu ihrer herstellung und verwendung

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010068631, Stevens, J. F., et al., ""Fate of Xanthohumol and Related Prenylflavonoids from Hops to Beer"", Journal of Agricultural and Food Chemistry, 1999, vol.47, no.6, pp.2421−2428 *
JPN7010003923, 田嶋修 他, ""骨粗鬆症モデルラットにおけるビールに含まれるホップ由来成分の骨密度減少抑制効果"", 第57回 日本栄養・食糧学会大会講演要旨集, 20030401, 第203頁 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP1618875A1 (en) 2006-01-25
CN1791393A (zh) 2006-06-21
EP1618875B1 (en) 2008-09-10
DE602004016486D1 (de) 2008-10-23
US20070059393A1 (en) 2007-03-15
WO2004089359A1 (ja) 2004-10-21
EP1618875A4 (en) 2006-05-24
US20100105766A1 (en) 2010-04-29
ATE407667T1 (de) 2008-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100105766A1 (en) Composition for inhibition or prevention of bone density reduction
US9492424B2 (en) Muscle atrophy inhibitor
JP2006306800A (ja) ファルネソイドx受容体活性化剤
EP1932533A1 (en) Composition for amelioration of body lipid
JPWO2006004106A1 (ja) ザクロ果汁、ザクロ果汁粉末及び該粉末の製造方法
JP4684556B2 (ja) Sdgの製法およびその配合飲食物
JP2008297209A (ja) 脂質代謝改善組成物
KR102189891B1 (ko) 쌀겨 추출물을 포함하는 남성 갱년기 증후군 예방 또는 치료용 조성물
JP2008222656A (ja) 肥満改善および予防用組成物ならびに健康食品
KR102519649B1 (ko) 캠퍼롤 및 에피카테킨 갈레이드를 포함하는 홍경천 추출물을 포함하는 전립선 관련 질환의 예방 또는 치료용 조성물
WO2005074961A1 (ja) 体脂肪調整剤
KR102187335B1 (ko) 맥아 추출물로부터 분리된 화합물을 유효성분으로 포함하는 월경전 증후군 증상 개선용 조성물
JP2008044872A (ja) イソラリシレシノールを含有する健康食品、血中コレステロール降下剤および体脂肪低下剤
KR102080410B1 (ko) 엘더베리 추출물을 유효성분으로 함유하는 남성 갱년기 증후군의 예방, 치료 또는 개선용 조성물
JP5248023B2 (ja) カルシウム吸収促進組成物
KR101070476B1 (ko) 흑양파 추출물을 유효성분으로 포함하는 통풍 또는 고요산혈증 예방 및 치료용 조성물
JP2005104951A (ja) 血圧降下用組成物および血管柔軟性改善用組成物並びにこれらの機能が付与された食品
JP6131275B2 (ja) Igf−1産生促進剤
JP2012082172A (ja) チョウセンゴミシ水抽出エキスを有効成分として含有するジペプチジルペプチダーゼiv阻害剤
KR100706284B1 (ko) 익지인 추출물을 포함하는 지질대사 개선과 비만의예방 및 치료용 약학 조성물
KR102429915B1 (ko) 귀리껍질 물 추출물을 포함하는 갱년기 증상 개선용 조성물
JP2005139093A (ja) グルコース吸収阻害剤およびその製造方法
KR101406126B1 (ko) 백운풀 추출물을 유효성분으로 포함하는 비만 예방 또는 치료용 조성물
JP4658560B2 (ja) 更年期障害の改善・治療剤および前立腺ガンおよび乳ガンの予防・治療剤
JPWO2006068117A1 (ja) 腎障害予防剤およびその機能が付与された食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110225