JP4501945B2 - 建設機械の冷却器用フィルタの取付構造 - Google Patents

建設機械の冷却器用フィルタの取付構造 Download PDF

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Description

本発明はラジエータ等の冷却器の前面側(吸い込み空気流の上流側)に防塵、防虫用のフィルタ(ネット、スクリーン等を含む)を着脱自在に取付ける建設機械の冷却器用フィルタの取付構造に関するものである。
本発明の好適例である油圧ショベルを例にとって背景技術を説明する。
油圧ショベルは、図8,9に示すようにクローラ式の下部走行体1上に上部旋回体2が縦軸まわりに旋回自在に搭載され、この上部旋回体2の前部に作業アタッチメント(図示省略)が取付けられて構成される。
上部旋回体2には、図9に示すように後部にエンジンルーム3が設けられ、このエンジンルーム3にエンジン4が上部旋回体2の左右方向に設置される。
また、このエンジン4の右側(上部旋回体2の後方から見た右側。以下の左右の方向性について同じ)に、エンジン4によって駆動される油圧ポンプ5が設置されるとともに、左側に冷却器6が設けられる。
この冷却器6は、エンジン冷却用のラジエータ、作動油冷却用のオイルクーラー、ターボチャージャー用のインタークーラーといった複数の熱交換器が並設されて構成されるが、ここでは便宜上、一つのものとして示している。
冷却器6とエンジン4との間に冷却ファン7が設けられ、この冷却ファン7の回転により、エンジンルーム3を形成する外装体(通常、ガードと呼ばれる)に設けられた図示しない吸い込み口から外気が吸い込まれ、冷却空気として冷却器6を通過する。
外装体は、上面側がボンネット付きのフード(図8参照)8によって、背面及び側面がカウンタウェイト9によってそれぞれ形成される。
また、カウンタウェイト9の左右両側に、外部からメンテナンスを行うためのメンテナンス口10,11が設けられ、このメンテナンス口10,11がメンテナンスパネル12,13によって開閉される。14,14は同パネル12,13の開閉中心となるヒンジである。
冷却器6の前面(吸い込み空気流に対向する面であって、上部旋回体2の方向性でいうと左側の面)側には、吸い込み空気を冷却器6に導く筒状のダクト15が設けられ、このダクト15の先端にフィルタ16が着脱自在に取付けられる。
このフィルタ取付部分を図10,11に拡大して示す。
フィルタ16は、取扱いその他の便宜上、図11に示すように上下に二分割され、この上部及び下部両フィルタ17,18がダクト先端部に上下に相接した状態で取付けられる。
この取付構造として、ダクト先端の周縁に、空気流の上流側に向くフィルタ当接面19aを備えたフィルタ取付部19が設けられ、フィルタ16の周縁部がフィルタ当接面19aに当接する状態でこのフィルタ取付部19に嵌め込まれ、この状態で位置固定される。
具体的には、上部フィルタ17は上端部と前後両端部(上部旋回体2の方向性に従った場合の前後両端部で、空気流の上流側から見れば左右両端部)が、下部フィルタ18は下端部と前後両端部がそれぞれフィルタ取付部19に取付けられる。
なお、フィルタ16(上部及び下部フィルタ17,18)は、正確にはフィルタ本体の周囲にフィルタ枠を取付けて構成される。また、ダクト15を設けず、冷却器6の前面側に直接フィルタ16を取付ける場合もある。さらに、フィルタ16を分割式でなく一枚ものとして構成する場合もある。
以上のような冷却装置の構成は特許文献1,2に示されている。
特開2006−52689号公報 特開2001−342645号公報
このような冷却装置において、フィルタ16は頻繁に清掃等のメンテナンスを行う必要があるため、フィルタ取付部19に対して着脱自在に取付けられる。
従来、この着脱自在なフィルタ取付手段として、フィルタ16の周縁部(上部フィルタ17の上部と前後両側、下部フィルタ18の下部と前後両側)を蝶ボルトやピン等の締結具によってフィルタ取付部19に取付ける手段を用いている。
この場合、フィルタ16の着脱は、フード8上に乗ってエンジンルーム上面側から行うよりも、作業能率、安全の面で、図9に示すように左側メンテナンスパネル12を開き、地上から左側メンテナンス口10を介して行うのが望ましい。
ところが、従来の取付手段によると、締結具の締め戻しやピンの挿脱、取付時の位置合わせといったフィルタ着脱のための操作そのものが面倒で、締結具の紛失のおそれもあった。
しかも、メンテナンス口10から見て奥側となるフィルタ前端側は、手が届き難くてアクセスし辛いため、締結具の操作が益々厄介で作業が大変となる。
これらの点で、フィルタ着脱時の作業効率が悪く、メンテナンス性が悪いものとなっていた。
そこで本発明は、フィルタ着脱の作業性を大幅に改善することができる建設機械の冷却器用フィルタの取付構造を提供するものである。
請求項1の発明は、下部走行体上に上部旋回体が搭載され、この上部旋回体のエンジンルームに設置された冷却器の、冷却空気の流れの風上側である前面側に防塵用のフィルタを着脱自在に取付ける建設機械の冷却器用フィルタの取付構造において、上記冷却器の前面側に、上記フィルタが風上側から当接するフィルタ当接面を備えたフィルタ取付部が設けられる一方、上記エンジンルームを形成する外装体に、上記フィルタが出し入れされるメンテナンス口が設けられ、かつ、上記フィルタ取付部とフィルタの一方に弾性体、他方に弾性体当たりが設けられ、この弾性体は、フィルタ挿入時に上記弾性体当たりとの接触によって復原力が発生し、その分力として、上記メンテナンス口から挿入されたフィルタを上記フィルタ当接面に押し付けて密着させる押し付け力と、この押し付け力と直交する方向の力であってフィルタをフィルタ取付部に位置固定する位置固定力とが作用するように構成されたものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成において、フィルタが上部旋回体の前後方向に設けられる一方、弾性体は、このフィルタの挿入方向の前端側で上記弾性体当たりに接触することにより上記フィルタをフィルタ当接面に押し付けて密着させる押し付け力と、フィルタを後向きに押して位置固定する位置固定力とを発揮する状態で設けられたものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成において、フィルタの後端部とフィルタ取付部の一方に係合爪、他方に係合穴がそれぞれ設けられ、弾性体の位置固定力が、上記係合爪を係合穴に係合させる方向の力として作用するように構成されたものである。
請求項4の発明は、請求項2または3の構成において、上部旋回体の後端部に外装体を兼ねるカウンタウェイトが設けられるとともに、このカウンタウェイトにメンテナンス口が設けられ、このメンテナンス口の上下両側開口縁部に、フィルタ出し入れ時にフィルタの通過を許容し得る切欠が設けられたものである。
請求項5の発明は、請求項1の構成において、フィルタが上部旋回体の前後方向に設けられ、弾性体は、このフィルタの上下方向の一端側で弾性体当たりと接触することによりフィルタをフィルタ当接面に押し付けて密着させる押し付け力と、上下方向の位置固定力とを発揮する状態で設けられたものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、冷却器の前面側に、外部から吸入した空気を冷却器に導くダクトが設けられ、このダクトの先端にフィルタ取付部が設けられたものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの構成において、フィルタが上部フィルタと下部フィルタとに上下二分割され、この両フィルタのそれぞれについて弾性体が設けられたものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかの構成において、フィルタとフィルタ取付部の一方に弾性体としての板バネ、他方にこの板バネに接して押し付け力と位置固定力をフィルタに伝える弾性体当たりがそれぞれ設けられたものである。
本発明によると、弾性体(請求項8では板バネ)の弾性力によってフィルタのフィルタ当接面への押し付け(気密性確保)及び位置固定を行うため、蝶ボルト等の締結具を用いる従来の取付構造と比較して、面倒な締結操作や位置合わせが不要となるとともに、締結具の紛失もなくなる。
また、弾性力をフィルタに押し付け力(フィルタ取付部に対する密着力)及び位置固定力として作用させる構成であって、従来の締結具方式のように直接手で締結操作する部分がなくなるため、手が届き難い奥側へのアクセスそのものが不要となる。
これらの点で、フィルタの着脱作業が容易となり、メンテナンス性を格段に向上させることができる。
この場合、弾性体と弾性体当たりによるフィルタ押し付け力と位置固定力が、請求項2〜4の発明ではフィルタの前端側で発揮され、請求項5の発明ではフィルタの上下方向の一端側で発揮される。
また、請求項6の発明では、冷却器の前面にダクトが設けられた構成において、ダクトのフィルタ取付部に対してフィルタの押し付け及び位置固定作用が行われる。
請求項7の発明では、フィルタが上部フィルタと下部フィルタとに二分割された構成において、押し付け作用と位置固定作用がこの両フィルタについてそれぞれ行われる。
ここで、請求項3の発明によると、弾性体の位置固定力が、係合爪を係合穴に係合させる方向の力として作用するため、より安定したフィルタ固定作用を確保することができる。
ところで、カウンタウェイトにメンテナンス口を設ける構成において、本来のカウンタバランス機能の面ではメンテナンス口を最小限に小さくするのが望ましい半面、フィルタの出し入れ空間も確保したい。
この点、請求項4の発明によると、カウンタウェイトにおけるメンテナンス口の上下両側開口縁部に、フィルタの通過を許容し得る切欠を設けたから、上記二つの要請に同時に応えることができる。
しかも、切欠がフィルタ出し入れのガイドとなるため、フィルタ着脱作業が一層簡単となる。
一方、フィルタを冷却器の正面側から出し入れし、しかも、メンテナンス口の上下方向寸法がフィルタに対して小さいという状況等では、フィルタの上下方向の端部が奥側端部となる。
この点、請求項5の発明によると、弾性体と弾性体当たりによるフィルタ押し付け力と位置固定力が上下方向に働く構成としたから、上記のような状況下でも、請求項2〜4の発明と基本的に同様にフィルタの着脱作業を簡単に行うことができる。
本発明の実施形態を図1〜図7によって説明する。
以下の実施形態では油圧ショベルを適用対象とし、図2,3に示すようにエンジンルーム3に設置された冷却器6の前面にダクト21が設けられ、このダクト21の先端周縁部に設けられたフィルタ取付部22にフィルタ23を取付ける場合を例にとっている。
また、フィルタ23は、従来技術におけるフィルタ16と同様に、上部フィルタ24と下部フィルタ25とに上下二分割され、この両フィルタ24,25が上下方向に相接する状態でフィルタ取付部22に取付けられる。
第1実施形態(図1〜図4参照)
図1〜図3に示すように、エンジンルーム形成用の外装体を兼ねるカウンタウェイト26に、左右のメンテナンス口27,28と、これらを開閉するメンテナンスパネル29,30(図1中、31,31は左側メンテナンスパネル29の開閉支点となるヒンジである)が設けられ、このうち左側メンテナンス口27を介してフィルタ23が出し入れされる。
このフィルタ23(上部及び下部両フィルタ24,25)の出し入れを容易にするための手段として、カウンタウェイト26における左側メンテナンス口27の上下両側開口縁部に切欠(上部及び下部両切欠)32,33が設けられている。
上部切欠32は上部フィルタ24の上端部の通過を許容し得る幅寸法をもって、下部切欠33は下部フィルタ25の下端部の通過を許容し得る幅寸法をもってそれぞれ形成され、この切欠32,33により、両フィルタ24,25を垂直姿勢のまま前後方向に出し入れし得るようになっている。
また、切欠32,33は、フィルタ取付時に両フィルタ24,25を取付位置に向けて位置決めし、かつ、方向を定めるガイドとしての機能をも果たす。すなわち、上部フィルタ24の上端部、下部フィルタ25の下端部を切欠32,33に合わせるだけで両フィルタ24,25の位置と挿入方向を決めることができ、あとは切欠32,33に沿って押し込むことにより、作業者から見て奥側になるフィルタ前端側がフィルタ取付部22の前端側に導かれる。
両フィルタ24,25をフィルタ取付部22に取付ける手段を図2〜図4によって説明する。
フィルタ取付部22には、空気流の上流側を向くフィルタ当接面22aが全周に設けられるとともに、左側メンテナンス口27から見て奥側となる前端側に弾性体取付部22bが設けられ、この弾性体取付部22bに板バネからなる弾性体34が設けられている。
この弾性体34は、図4に詳しく示すように、両フィルタ24,25のそれぞれについて、先端部がフィルタ当接面22aに対向する状態で基端部が弾性体取付部22bに取付けられ、フィルタ挿入時に、その前端部に設けられた弾性体当たり35によって前方に押し込まれる。
この押し込み作用により弾性体34が傾斜して復原力(弾性力)Fが発生し、その分力として、フィルタ前端側に、フィルタ24,25をフィルタ当接面22aに押し付けて密着させる力(押し付け力)F1と、この押し付け力F1と直交する方向の力であってフィルタ24,25を後向きに押す力(位置固定力)F2とが作用する。
一方、フィルタ24,25の後端側において、フィルタ24,25にへの字形に突出する係合爪36、フィルタ取付部22に係合穴37がそれぞれ設けられ、図示のようにフィルタ24,25を、図中矢印A方向に挿入した後、後端側を矢印B方向に押すと、係合爪36が係合穴37に自動的に弾性係合する。
なお、両フィルタ24,25は、上記手順、操作によって同時に取付けることも可能であるが、通常は相前後して取付けられる。
また、弾性体34と係合爪36及び係合穴37は、フィルタ24,25の上下方向の中間位置に設けてもよいし、上端側または下端側に設けてもよい。
上記の作用により、両フィルタ24,25がフィルタ当接面22aに密着した状態でフィルタ取付部22に取付けられる。
このように、本構造によると、弾性体34によってフィルタ24,25のフィルタ当接面22aへの押し付け、及び位置固定を行うため、蝶ボルト等の締結具を用いる従来の取付構造と比較して、面倒な締結操作や位置合わせが不要となるとともに、締結具の紛失もなくなる。
また、弾性体34の復原力をフィルタ24,25に押し付け力F1及び位置固定力F2として作用させる構成であって、従来の締結具方式のように直接手で締結操作する部分がなくなるため、手が届き難い奥側へのアクセスそのものが不要となる。
すなわち、フィルタ24,25を矢印A方向に挿入した後、後端側を矢印B方向に押すだけのワンタッチ操作によってきわめて簡単かつ迅速に取付けることができる。そして、フィルタ24,25の取外しも、取付時と逆に、後端側の係合を外して矢印Bと反対側に戻した後、全体を引き出すだけでよい。
このため、フィルタ24,25の着脱作業が容易となり、メンテナンス性を格段に向上させることができる。
しかも、
(i) 弾性体34からの押し付け力F1によってフィルタ24,25をフィルタ当接面22aに強制的にかつ弾性的に押し付けるため、両者間の気密性(シール性)を確保することができる。
(ii) 弾性体34による位置固定力F2が、係合爪36を係合穴37に係合させる方向の力として作用するため、両者の係合状態が強化される。このため、強固で安定したフィルタ取付状態を得ることができ、フィルタ24,25が機械の振動等によって振動したり、ずれたり、外れたりするおそれがない。
一方、カウンタウェイト26における左側メンテナンス口27の上下両側開口縁部に、フィルタ24,25の通過を許容し得る切欠32,33を設けたから、フィルタ24,25を垂直姿勢のまま出し入れすることができ、しかもカウンタウェイト26の重量損失を切欠32,33分のみの最小限に抑えることができる。
すなわち、カウンタウェイト本来のカウンタバランス機能確保のためにメンテナンス口27を最小限に小さくしたいという要請と、フィルタ24,25の出し入れ空間を確保したいという要請を同時に満足することができる。
また、前記のように切欠32,33がフィルタ出し入れのガイドとなるため、フィルタ着脱作業が一層簡単となる。
さらに、係合爪36及び係合穴37を上部フィルタ24の上端側、下部フィルタ25の下端側に設けた場合に、係合穴37に対する係合爪36の取外し操作を上下の切欠32,32によってより簡単に行うことができる。
第2〜第4実施形態(図5〜図7参照)
第1実施形態との相違点のみを説明する。
第1実施形態ではフィルタ取付部22側に弾性体34、フィルタ24,25側に弾性体当たり35を設けたのに対し、図5に示す第2実施形態においては、これとは逆にフィルタ取付部22側に弾性体当たり35、フィルタ24,25側に弾性体(平面視ほぼV字形の板バネ)34を設けている。
この場合でも、弾性体34と弾性体当たり35の接触によって復原力(弾性力)Fが作用し、その分力として押し付け力F1と位置固定力F2が働く点は第1実施形態と同じである。
図6に示す第3実施形態では、弾性体34として、板バネに代えてコイルバネを用いている。この弾性体34は、フィルタ取付部22に弾性体受け38を介して取付け、弾性体当たり35が弾性体受け38に接触することにより弾性体34の復原力Fとその分力(押し付け力F1及び位置固定力F2)が発生するように構成している。
なお、この構成は、第2実施形態のように弾性体34をフィルタ24,25側に、弾性体当たり35をフィルタ取付部22側に設ける場合にも適用することができる。
上記第1〜第3各実施形態では、弾性体34の復原力Fがフィルタ24,25の前端側に作用する構成をとったのに対し、図7に示す第4実施形態では、フィルタ取付部22の上縁部及び下縁部に弾性体34,34を設け、その復原力Fが上部フィルタ24の上端側、下部フィルタ25の下端側に上下方向に働くように構成している。
この場合、分力としての押し付け力F1の作用方向は第1〜第3各実施形態と同じである。
一方、位置固定力F2は、上部フィルタ24では下向きに、下部フィルタ25では上向きにそれぞれ働き、この力F2により両フィルタ24,25が相接する上下方向の端面で密着することによって互いに位置固定し合うこととなる。
なお、この構成をとる場合、フィルタ取付部22の上下方向の中央部に水平な仕切り部材を設け、両フィルタ24,25を位置固定力F2によってこの仕切り部材に密着させるように構成してもよい。あるいは、この密着部分に、第1〜第3各実施形態で用いた係合爪36と係合穴37を設けてもよい。
この第4実施形態の構成は、フィルタ24,25を冷却器の正面側から出し入れし、しかも、メンテナンス口の上下方向寸法がフィルタ24,25に対して小さいという状況下等でとくに有効となる。
その他の実施形態
(1) 上記実施形態ではフィルタ23が上下二分割されたタイプのものを例示したが、本発明はフィルタ23が一枚物として構成される場合にも適用することができる。
ここで、図1〜図6に示す第1〜第3各実施形態のように弾性体34の復原力Fをフィルタ23の前端側に作用させる構成をとる場合、弾性体34は、フィルタ上下方向の中間部一個所のみに設けてもよいし、上下両側に設けてもよい。あるいは上下両側と中間部に設けてもよい。
一方、図7に示す第4実施形態のように弾性体34の復原力Fを上下方向に作用させる構成をとる場合は、弾性体34を上下両側に設けた同実施形態の構成をそのままこの一枚物フィルタに適用してもよい。この場合、上下両側の弾性体34,34の復原力Fの分力としての上下方向の位置固定力F2,F2が一枚物フィルタ23に上下方向の圧縮力として作用し、この圧縮力によってフィルタ23が位置固定されることとなる。
あるいは、第1〜第3各実施形態の構成を採用し、たとえば一枚物フィルタ23の上端側に弾性体34、下端側に係合爪36と係合穴37をそれぞれ設けてもよい。
(2) フィルタ23は、上下二分割式のものも含めて、前記のようにフィルタ本体の周囲にフィルタ枠を取付けて構成される。この構成において、フィルタ23の出し入れ操作をスムーズに行わせる手段として、フィルタ枠に、ナイロン樹脂等の摩擦係数が小さくて滑りの良い素材を用い、あるいはフィルタ枠の表面全体または要所に同素材を貼り付けてもよい。
(3) 弾性体34として、上記実施形態の板バネ、コイルバネといったバネ体に代えて、弾性に富む厚板状またはブロック状のゴムを用いてもよい。この場合、ゴムの表面に摩耗を防止するための金属プレートを設けるのが望ましい。
本発明の第1実施形態におけるフィルタ出し入れ状況を示すカウンタウェイト及びフィルタの斜視図である。 同フィルタ取付状態を示す図1のII−II線拡大断面図である。 同III−III線拡大断面図である。 フィルタ取付状態において一部をさらに拡大して示す図である。 本発明の第2実施形態を示す図4相当図である。 本発明の第3実施形態を示す図4相当図である。 本発明の第4実施形態を示すフィルタ取付部分の拡大垂直断面図である。 本発明の適用対象となる油圧ショベルを後側から見た斜視図である。 同概略平面図である。 図9の一部拡大図である。 図10のXI−XI線断面図である。
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 エンジンルーム
6 冷却器
21 ダクト
22 フィルタ取付部
22a フィルタ当接面
22b 弾性体取付部
23 フィルタ
24 上部フィルタ
25 下部フィルタ
26 カウンタウェイト
27 左側メンテナンス口
32 上部切欠
33 下部切欠
34 弾性体
F 弾性体の復原力
F1 押し付け力
F2 位置固定力
36 係合爪
37 係合穴

Claims (8)

  1. 下部走行体上に上部旋回体が搭載され、この上部旋回体のエンジンルームに設置された冷却器の、冷却空気の流れの風上側である前面側に防塵用のフィルタを着脱自在に取付ける建設機械の冷却器用フィルタの取付構造において、上記冷却器の前面側に、上記フィルタが風上側から当接するフィルタ当接面を備えたフィルタ取付部が設けられる一方、上記エンジンルームを形成する外装体に、上記フィルタが出し入れされるメンテナンス口が設けられ、かつ、上記フィルタ取付部とフィルタの一方に弾性体、他方に弾性体当たりが設けられ、この弾性体は、フィルタ挿入時に上記弾性体当たりとの接触によって復原力が発生し、その分力として、上記メンテナンス口から挿入されたフィルタを上記フィルタ当接面に押し付けて密着させる押し付け力と、この押し付け力と直交する方向の力であってフィルタをフィルタ取付部に位置固定する位置固定力とが作用するように構成されたことを特徴とする建設機械の冷却器用フィルタの取付構造。
  2. フィルタが上部旋回体の前後方向に設けられる一方、弾性体は、このフィルタの挿入方向の前端側で上記弾性体当たりに接触することにより上記フィルタをフィルタ当接面に押し付けて密着させる押し付け力と、フィルタを後向きに押して位置固定する位置固定力とを発揮する状態で設けられたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の冷却器用フィルタの取付構造。
  3. フィルタの後端部とフィルタ取付部の一方に係合爪、他方に係合穴がそれぞれ設けられ、弾性体の位置固定力が、上記係合爪を係合穴に係合させる方向の力として作用するように構成されたことを特徴とする請求項2記載の建設機械の冷却器用フィルタの取付構造。
  4. 上部旋回体の後端部に外装体を兼ねるカウンタウェイトが設けられるとともに、このカウンタウェイトにメンテナンス口が設けられ、このメンテナンス口の上下両側開口縁部に、フィルタ出し入れ時にフィルタの通過を許容し得る切欠が設けられたことを特徴とする請求項2または3記載の建設機械の冷却器用フィルタの取付構造。
  5. フィルタが上部旋回体の前後方向に設けられ、弾性体は、このフィルタの上下方向の一端側で弾性体当たりと接触することによりフィルタをフィルタ当接面に押し付けて密着させる押し付け力と、上下方向の位置固定力とを発揮する状態で設けられたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の冷却器用フィルタの取付構造。
  6. 冷却器の前面側に、外部から吸入した空気を冷却器に導くダクトが設けられ、このダクトの先端にフィルタ取付部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建設機械の冷却器用フィルタの取付構造。
  7. フィルタが上部フィルタと下部フィルタとに上下二分割され、この両フィルタのそれぞれについて弾性体が設けられたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建設機械の冷却器用フィルタの取付構造。
  8. フィルタとフィルタ取付部の一方に弾性体としての板バネ、他方にこの板バネに接して押し付け力と位置固定力をフィルタに伝える弾性体当たりがそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の建設機械の冷却器用フィルタの取付構造。
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