JP4498151B2

JP4498151B2 - 合成樹脂製の電気機器収納用箱

Info

Publication number: JP4498151B2
Application number: JP2005015016A
Authority: JP
Inventors: 寿治鈴木; 元茂田中
Original assignee: Nitto Kogyo Corp
Current assignee: Nitto Kogyo Corp
Priority date: 2005-01-24
Filing date: 2005-01-24
Publication date: 2010-07-07
Anticipated expiration: 2025-01-24
Also published as: KR20060085576A; CN100493307C; JP2006203093A; KR100674069B1; CN1812698A

Description

本発明は、強度に優れているうえリサイクル性の良い合成樹脂製の電気機器収納用箱に関するものである。

合成樹脂製の電気機器収納用箱は、強度に優れたものとするためガラス繊維等の強化材を含む、ＦＲＰなどの熱硬化性樹脂により成形したものが広く使用されている（例えば、特許文献１参照）。ところが、熱硬化性樹脂のものは廃棄後のリサイクルが困難で、比較的高価である。また、長期間屋外で使用すると、耐候劣化により表面からガラス繊維が浮き出でくる問題があり、これに対処するため表面に塗装処理を施す必要があり製造コストがより高くなるという問題がある。

そこで、合成樹脂製の電気機器収納用箱をリサイクル性の良いものとするには、ＡＢＳ樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂よりなるものがあるが、これに強度を持たせるためガラス繊維等の強化材を加えた場合には、やはり、リサイクルが困難となる。そこで、リサイクル性を良くして強度を高めるため前記のように強化材を加えることなく、肉厚を厚くする方法もあるが、これは、肉厚部の外面にひけが発生して外観品質が劣るものとなる問題がある。

また、電気機器収納用箱は防塵、防水のために扉側にパッキンを設けて箱本体の水切り用開口枠部端面との間に介在させているが、扉側に取付用のリブを設けず扉の平板面に直接パッキンを取り付けた場合十分な圧縮を得るためには、箱本体の開口枠部の張出長さを長くする必要があり、扉の回動作用に干渉する虞がある。また、樋状のリブを設けてその間に厚みのあるパッキンを取り付けた場合にはパッキンの十分な圧縮が得られず、防水性が落ちる。これを解決するために平板面に薄いパッキンを取り付けるため樋状のリブの底部を高くするため内側を肉厚とした場合には扉表面にひけが生じて外観美観が劣るものとなる。そこで、図６に示すように扉１００の平板面１０１の内側に樋状のリブ１０２を設けて該リブ１０２の中央に支持用リブ１０３を立ち上げて該支持用リブ１０３の先端にパッキン１０４を支持させることにより、扉の回動作用に干渉することがないうえ扉にひけが生ぜず美観に優れたものとできるものもある。しかし、これはパッキンの背面の中央のみが支持用リブ１０３の先端で支持されているので、支持用リブ１０３と箱本体の開口枠部の張出の先端の垂直位置がずれ、パッキン１０４が樋状のリブ１０２と支持用リブ１０３の間に入り込み防水性能が低下する虞れがある。
特開平５−３１８１３号公報

本発明は前記のような問題点を解決して、強度に優れているうえ外観上も美麗であり、さらに、リサイクルが容易な合成樹脂製の電気機器収納用箱を提供することである。

本発明の合成樹脂製の電気機器収納用箱は、熱可塑性樹脂によりなる扉の平板面の内面の周縁側に箱本体の開口端面に臨ませて補強用の厚肉部を形成して、該厚肉部に前記平板面と平行な中空部を設けて、さらに該厚肉部の内側にパッキンを装着したことを特徴とするものである。

本発明は、熱可塑性樹脂によりなる扉の平板面の内面の周縁側に箱本体の開口端面に臨ませた補強用の厚肉部に、平板面と平行な中空部を形成したものであるから、平板面は剛性が増し扉の強度が強くなるものである。また、ガラス繊維等の強化材を加えていない再利用のできる熱可塑性樹脂によりなるものであるから、廃棄後のリサイクル性が良い。さらに、補強用の厚肉部に中空部を形成したものであるから板厚自体が厚い部分がないのでひけが生じて外観美観が劣ることも無いものである。

また、本発明は、補強用の厚肉部を扉の平板面の内面の周縁側に箱本体の開口端面に臨ませて形成して、該厚肉部の内側にパッキンを配置したものであるから、中空部を設けた厚肉部の全体の厚みによりパッキンの厚さを薄くでき十分な圧縮を得ることができ防水性が優れたものとなる。

次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づき説明する。
１は前面に開口２を設けた箱本体、３は前記開口２を開閉する扉である。これら箱本体１、扉３は廃棄後の再利用ができるポリブチレンテレフタレート樹脂（ＰＢＴ）、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂よりなるものである。

そして、前記扉３の平板面３１の内側には補強用の厚肉部４を形成して、該厚肉部４には中空部５を設けている。すなわち、扉３の平板面３１の内面の周縁側に図１、図２に示すように厚肉部４を形成して、該厚肉部４には中空部５を設けて幅広に板厚自体が厚い部分が無いものとしている。なお、中空部５は成形時に厚肉部とする箇所にガスを注入して一連に形成するものである。

このような本発明に係るものは、熱可塑性樹脂によりなる扉３の平板面３１に、形成した補強用の厚肉部４を設けたものであるから、平板面３１は薄肉としても剛性が増し扉３の強度が強くなるものである。したがって、ガラス繊維等の強化材を加える必要のないものであるから、廃棄後のリサイクル性が良いものである。さらに、補強用の厚肉部４に中空部５を形成したものであるから板厚自体が厚い部分が無いのでひけが生じて外観美観が劣ることも無いものである。なお、この実施形態は扉に形成した厚肉部と中空部につき説明したが箱本体が浅い形状のものでは、箱本体に形成してもよい。

また、前記補強用の厚肉部４は扉３の平板面３１に箱本体１の開口２の端面すなわち開口枠部２１の先端面２１ａが臨む箇所に形成して、扉３を閉じた際に該厚肉部４の内側に開口枠部２１の先端面２１ａが当接するパッキン６を配置している。すなわち、厚肉部４の内側の両側に立ち上げた枠板部７、７間にパッキン６を装着したものであり、中空部５を設けた厚肉部４の厚さ分パッキン６の厚さを薄くできるものとしている。なお、扉３のヒンジに隣接した辺３２には、従来と同様、平板面３１の内側に樋状のリブ３０２を設けて、該リブ３０２の中央に支持用リブを立ち上げて該支持用リブの先端にパッキンを支持させている。これはヒンジに隣接しているので、開口枠部２１の先端面２１ａと該リブ３０２の中央に設けられた支持用リブの先端のずれが少なく、該リブ３０２の中央に設けられた支持用リブと樋状のリブ３０２の間にパッキンが入り込む虞がないためである。

なお、３２は扉３の外周縁に内向きに設けた周枠部、３３は鎖錠装置である。また、箱本体１の背面板部１３の中央に２段の階段状の凹部１４に形成して該凹部１４の１段目の凹部１６に機器取付ベース８を嵌め込み取り付けできるものとしている。さらに、前記凹部１４の２段目の凹部１７にはその側端から、ベース取付穴１５に該当する部分にホルダー嵌合用の切欠部１８を設け、ホルダー嵌合用の切欠部１８の前面側には抜け止めの張出片１９を設けており、該切欠部１８にナット９ａを組込んだナットホルダー９を着脱自在に取り付けて、該ナット９ａに止めねじ８ｂを螺合して機器取付ベース８を取り付けするものとしている。これにより、図３に示すように、機器取付ベース８の下端は凹部１６の下段部１６ａに支持されるので機器取付ベース８の２箇所をねじ止めするだけで大きな荷重にも耐えることができるものである。

さらに、前記凹部１４の両側に上下にベース取付穴１５を複数設けたものとすると機器取付ベース８のねじ止めの位置が変更可能であるので、機器取付ベース８に予め設けたねじ止め用孔８ａと取付機器が干渉する場合には、機器取付ベース８の別の位置にねじ止め用孔を開けて回避することができるものである。

また、前記したようにベース取付穴１５を凹部１４の両側に上下に多数設けたことにより、対向位置にある凹部１４の両側のベース取付穴１５、１５同士の間に図５に示すようにＩＥＣレール１０を取り付けできるものであり、また、部分用の機器取付ベース８とＩＥＣレール１０を混在させて取り付けることが可能なものである。

実施形態を示す一部切欠斜視図である。実施形態の扉の要部を示す断面図である。機器取付ベースを取り付けた状態を示す斜視図である。機器取付ベースの取付状態を示す拡大断面図である。ＩＥＣレール機器を取り付けた状態を示す斜視図である。従来例の扉の一例の要部を示すの断面図である。

符号の説明

１箱本体
２開口
３扉
31 平板面
４厚肉部
５中空部
６パッキン

Claims

熱可塑性樹脂によりなる扉の平板面の内面の周縁側に箱本体の開口端面に臨ませて補強用の厚肉部を形成して、該厚肉部に前記平板面と平行な中空部を設けて、さらに該厚肉部の内側にパッキンを装着したことを特徴とする合成樹脂製の電気機器収納用箱。