JP4497604B2 - 空気弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として上水道や農業用水などの流体輸送配管に設置される空気弁に係わり、特に、コンパクトでかつ大きな排気能力を有する空気弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、流体輸送配管に取り付けられ、配管内の空気の排出作用および外部から配管への吸気作用、および該排気作用時に配管から外部への液体の流出防止作用を行う空気弁として、例えば、図6に示す構造のものが知られている。図において、空気弁は、配管(図示せず)に連通して取り付けられた弁箱1と、弁箱1の内部に収容され、遊動弁体9およびフロート弁体11が昇降自在に設けられた有底案内筒3とからなり、多量排気作用時には、遊動弁体9とフロート弁体11とは案内筒3底部に位置して作動せず、空気は、大径空気孔8から外部へと排出される。該排出が終了し、液体が弁箱1および案内筒3内部に侵入した際には、その浮力や液体からの動圧などの作用によって、遊動弁体9およびフロート弁体11は上昇し、それぞれの上限位置において、遊動弁体9は大径空気孔8を、フロート弁体11は、遊動弁体9に設けられた小径空気孔10を閉塞し、液体の外部への流出が阻止される。その後、弁箱1内部に配管からの空気がたまると、それに応じてフロート弁体11が下降し、小径空気孔10から空気が排出されて少量排気作用または一般的に圧力下排気と呼ばれる作用が行われる。外部から配管への吸気作用の際には、遊動弁体9およびフロート弁体11は下降し、大径空気孔8から吸気が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の空気弁には次のような課題がある。特に農業用水などの配管においては、水道配管などとは異なり、用水時期と落水時期とが年間1回は必ず発生する。したがって、毎年通水操作と落水操作とを行わなければならず、必然的に通水立ち上げ時間あるいは落水操作時間を短縮することが強く要望されている。特に、通水立ち上げに関しては、排泥操作などで時間を要することが多く、迅速な通水が求められている。この問題の解決に対して最も効果的なのは、液体が限られた排出エネルギーで効率良く輸送されることであり、換言すれば、空気弁における排気能力が大幅に向上すれば良いということになる。すなわち、解決すべき課題の第一は、空気弁の排気能力を従来のものよりも大幅に向上させることにある。
【0004】
次の課題として重要なのは、近年特に要求が高まっている浅層埋設規格の問題である。該規格は、工費の削減という観点からは、非常に重要な規格であり、また、工期の短縮が図れるという点からも有用である。それゆえ、近い将来、この規格が全面的に実施されるであろうことは容易に予想できる。この規格が適用される場合、バルブエレメントに要求される性能としては、従来の品質を維持したまま、弁高を大幅に低下させることであると思われる。
【0005】
弁高を低下させる場合に問題となるのは、抵抗係数、CV値(流量特性値)、あるいは流量係数などで表される弁の圧力損失の増大である。弁高を圧縮することで、流路断面積が減少することは避けられない。特に、案内筒上部の連通口や、弁流入口から案内筒底部までの距離などが余裕をもってとることができないので、これらに起因する圧力損失の増加は容易に予想される。
【0006】
また、流路面積を確保しようとして、弁箱直径方向に拡大する方法も考えられるが、これにも限度がある。あまりに拡大しすぎるとコンパクトさが失われ、配管作業時や補修弁の操作に支障をきたすことになる。また、いくら流路面積だけを確保しても、弁箱直径方向への流路の曲がりが急激になるため、この部分での運動量のロスによる圧力損失の低下は避けられなくなる。このことは、前記した『弁の排気能力を大幅に向上させる』という第一の課題と逆行するものである。
このような理由から、弁高を低下させたコンパクトな空気弁を製造しようとすると、その排気能力は、現行性能を維持させるのがせいぜいであると考えられる。
【0007】
すなわち、弁高が従来品よりも大幅に低い構造を持ちながら、なおかつ、排気能力が、現行性能よりも大幅に向上した空気弁は、いまだ存在しないのが実情である。本発明に係わる、第二の解決すべき課題はまさにこの点にある。
【0008】
本発明は以上のような理由に基づき、弁高を大幅に低下させて弁装置としてコンパクトに構成して、なおかつ従来品よりも大きな排気能力を有する空気弁を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その構成は、下部に流入口を上部に開口部をそれぞれ形成した弁箱と、弁箱内に配置され上部に連通口を有しその外周面と弁箱内周面との間に流路間隙を設けた有底案内筒と、弁箱の開口部に装着され弁箱とでその間に前記案内筒を挟持固定し中央に大径空気孔を有する蓋体と、前記案内筒内に昇降自在に設けられ小径空気孔を有し上限位置で前記大径空気孔を閉塞する遊動弁体と、前記案内筒内に昇降自在に設けられ上限位置で前記遊動弁体の小径空気孔を閉塞するフロート弁体とを具備する空気弁において、
前記遊動弁体は前記案内筒に対して摺動する摺動筒部を有し、該摺動筒部は、前記遊動弁体の上死点位置においてもその下死点位置においても前記案内筒に対して少なくとも部分的に当接しており、前記フロート弁体は球体に形成されており、前記遊動弁体は前記球体の上半分を囲繞するように形成されており、
前記案内筒の外径をA、前記案内筒の軸方向の全長をB、前記蓋体の大径空気孔の直径をC、前記流入口の口径をDとしたときに、0.660≦C/A≦0.890 かつ 0.550≦C/B≦0.730 かつ 1.00≦C/D≦1.30 の関係式が成立するように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
すなわち、本発明者らは、空気弁の圧力損失が、案内筒の外径と大径空気孔の口径との比などによって大きく変化することを見出し本発明を為すに至った。この口径比、すなわちC/Aが0.660から0.890の範囲になるよう構成することによって、空気弁の弁高を可能な限り低く形成しても、従来品の性能を大幅に上回る排気容量を確保することが可能となる。
【0011】
かかる構成の空気弁において、大径空気孔とは、蓋体に設けられ空気などの流体が通過する流路直径のうち最小である部分を指すことは言うまでもない。
また、案内筒の外径寸法とは、遊動弁体などが内部を昇降自在に移動できる範囲内における筒状体の胴部外径寸法のうち、最大の値を指すものであり、いわゆる急速空気弁には一般的に採用されている形状である案内筒において、上部に設けられた鍔部の直径寸法を指すものではない。
なお、本発明の空気弁の材質は特に限定されるものではなく、金属でも、樹脂でも、あるいはまた、その組み合わせであっても良い。
【0012】
本発明の好適な実施態様においては、さらに前記案内筒の軸方向の全長をBとした時に、蓋体の大径空気孔の直径Cとの間に、
0.550≦C/B≦0.730
の関係式が成立するように構成されている。
またさらに好適な実施態様においては上記の条件に加えてさらに、前記流入口の口径をDとした時に、蓋体の大径空気孔の直径Cとの間に
1.00≦C/D≦1.30
の関係式が成立するように構成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる空気弁の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す縦断面図である。図2は、図1の大径空気孔が閉じられた状態を示す縦断面図である。図3は、本発明の他の実施例を示す縦断面図である。図4は、図3の排気作用時の状態を示す縦断面図である。図5は、図4の大径空気孔が閉じられた状態を示す縦断面図である。図6は、従来の空気弁を示す縦断面図である。なお、図1から6において、図6の従来例と同一もしくは相当部分には同一の符号を付して説明する。
【0014】
図1において、1は、例えば農水用配管(図示せず)に連通して取り付けられ、下部に流入口2および上部に開口部を有する略円筒形状の弁箱であり、この弁箱1には、内部に有底筒状の案内筒3が装着され、4は、この案内筒3の外周面と弁箱1の内周面とで形成されている流路間隙を示す。
【0015】
案内筒3の上部には、案内筒3の内部と上記流路間隙4とを連通する連通口5が設けられているとともに、底部は半球状に形成されており、この底部略中央には案内筒3の外部と内部とを連通する導水口6が形成されている。図中Aは、案内筒3の胴部外径を示しており、Bは、同じく、長軸方向の全長を示している。
本実施例においては、案内筒3の胴部外形形状は、図からも明らかなように長軸方向に関して平行に形成されているが、特にこのような形状に限定されるものではなく、上部に向かって拡径された形状でも良い。ただし、この場合には、外径Aはその胴部最大径を指すものであることは言うまでもない。
【0016】
7は、弁箱1の上部開口部に装着された蓋体であって、この蓋体7の中央部には、空気を大量排気するための大径空気孔8が設けられている。図中Cは、この大径空気孔8の直径を示すものであり、本実施例においては、このCは前記案内筒3の外径Aとの比C/Aが0.660から0.890の範囲に入るよう、また、前記案内筒全長Bとの比C/Bが0.550から0.730の範囲に入るよう構成されている。
【0017】
ここで、C/Aは、後述する実験結果でも明らかなとおり、この値が大きいほど圧力損失が小さくなる傾向にあり、したがって、可及的にこの比を大きく取るよう構成することが望ましい。C/Aが0.660よりも小さいと弁の圧力損失が増大し、排気能力は低下する。一方、C/Aが0.890よりも大きくなると、後記遊動弁体9による大径空気孔8の閉塞が困難となり、水の外部漏れを引き起こす原因となる。なお、案内筒3を樹脂にて形成する場合は、C/Aの上限は、0.820程度に設けるのがよい。
【0018】
次に、C/Bは、後述する実験結果からも明らかなとおり、この値が大きいほど圧力損失は低下する。この比を大きくするためには、Bを小さくとるか、Cを大きくとることが考えられるが、前記した目的、すなわち、弁高を可及的に低く構成するという目的からは、Bを小さくすることが好適である。然るに、後述する遊動弁体9やフロート弁体11を収納するという機能を考慮した場合、この寸法は必然的に制限が加えられる。それゆえ、この場合にも、大径空気孔8の直径を可及的に大きく構成することが望ましいといえる。すなわち、C/Bが0.550よりも小さいと弁の圧力損失が増大し、排気能力は低下する。
【0019】
一方、C/Bが、0.730よりも大きくなると、後記遊動弁体9による大径空気孔8の閉塞が困難となり、水の外部漏れを引き起こす原因となる。なお、案内筒3を樹脂にて形成する場合は、C/Bの上限は、0.680程度に設けるのが良い。
また、全長Bに関しては、本実施例および他の殆どの空気弁に関していえることであるが、大径空気孔8の位置から案内筒3の下端部までの距離と該全長Bとはほぼ一致する。
【0020】
本発明においては、該距離と該全長Bとは同義に用いているものであり、流体力学的な観点から言えば、該距離と大径空気孔10の直径Cとの比が重要である。然るに、前記したとおり、Cとは蓋体7に穿設された開口部であるから、ある程度の幅を有するため、その最小直径部がどこを指すのか判然としない嫌いがある。それゆえに、本発明においては、案内筒3の上端面と蓋体7とが接触する部分の平面に含まれる蓋体7の開口部が大径空気孔最小直径部であるとして、全長Bを採用しているものである。
【0021】
また、前記弁箱流入口2の口径DとCとの関係について言及するならば、弁の圧力損失を低下させ、かつ、弁高を低くするという観点からは、該口径Cを前記口径Dよりも可及的に大きく構成できるようにすることが好適である。すなわち、C/Dが1.00から1.30の範囲に入るように構成するのが良い。
【0022】
9は前記案内筒3の内部に昇降自在に装着された遊動弁体であって、この遊動弁体9の中心部には少量の吸気、排気作用を行う小径空気孔10が設けられている。本実施例においては、小径空気孔10は遊動弁体9の中央部に設けられているが、特に中央部に限定されるものではなく、例えば、小口径の空気弁等に採用されているように、中心部から外周方向に少しずらした位置に設けても良く、少量吸気、排気作用および止水作用を行うことが出きれば良い。
【0023】
11は、案内筒3内部に、前記遊動弁体9の下部に昇降自在に装着されたフロート弁体であって、その上限位置では前記小径空気孔10を閉塞するものである。ここで、フロート弁体11の形状は、本実施例においては球状に形成されているが、特にこの形状に限定されるものではなく、上面が平坦となった円柱状、逆円錐台状、逆円錐状などに形成されても良い。
【0024】
12は、大径空気孔8よりも外周側に位置して、蓋体7の下面に嵌合装着されたOリング状の弁座である。
13は、蓋体7の上方に装着され、大径空気孔8を十分におおう大きさに形成されたカバーである。
【0025】
次に、本実施例の作用について、図1および図2に基づいて説明する。
図1は管路(図示せず)内に通水が行われていない状態を示す。この状態においては、遊動弁体9およびフロート弁体11は案内筒3内の下限位置にある。
【0026】
かかる状態から管路内に通液が開始されると、該管路内の空気は、図1中矢印で示されるように、流入口2から流路間隙4を通過し、案内筒3の連通口5を経て、大径空気孔8から外部へと排出される。このとき、大径空気孔8の直径Cと、案内筒3の外径Aとの比、および、該直径Cと案内筒3の全長Bとの比は、前記した所定の範囲内にあるので、圧力損失はきわめて低く、多量の排気がスムースに行われる。
【0027】
次に、上記多量排気作用の進行に伴い、管路内の水が流入口2より弁箱1内に流入すると、液体の大部分は流路間隙4へと進み、同時に、その一部は案内3底部の導水口6から案内筒3内部へと流入する。水の流入の度合いに伴って、弁箱1内部の空気は大径空気孔8から外部へと排出されて行く。
【0028】
一方、案内筒3内に流入した水の水位が増すにつれて、該水の浮力および動圧によって、フロート弁体11および遊動弁体9が上昇する。水の水位が、弁箱1内部から空気がほぼ完全に排出されるまでに至ると、図2に示すとおり、遊動弁体9は蓋体7の下部に設けられた弁座12に当接し、押圧され、水の外部への流出が阻止される。同時に、フロート弁体11はその上限位置に達し、遊動弁体9に設けられた小径空気孔10の下端部に当接しこれを閉塞する。これら一連の作用により、空気の排出が完了するとともに、水の外部への流出が完全に阻止される。
【0029】
かかる状態から、管路内を流れる水中の空気が、流入口2から弁箱1内部に入り、遊動弁体9の下方にたまると、フロート弁体11の自重が水によるフロート弁体11の浮力と弁箱1内部の液体の圧力が小径空気孔10の閉塞部に作用する上向きの荷重との和に打ち勝つと、該弁体11は下降し、小径空気孔10下端部が開放される。これにより、遊動弁体9の下方にたまった空気は、小径空気孔10から外部へと排出される。この排出が進行するにつれて、水の水位は再び上昇し、それにともなって、フロート弁体11も浮力の作用を受けて上昇する。空気がほぼ完全に排出されるに至ると、弁体11は小径空気孔10下端部を閉塞し、水の外部への流出が阻止される。以後、弁箱1内部に所定量の空気がたまるにつれて、上記した排気作用が繰り返される。
【0030】
なお、図2の状態において、配管内の水を落水させると、弁箱1内部の水も下降し、これに伴って、上記した排気および止水作用とは逆の原理で遊動弁体9およびフロート弁体11も順次下降し、大径空気孔8が開放される。これによって、空気は弁箱1から管路内へとスムースに導入されるので、管路内が負圧になることがなく、落水操作が抵抗なく行われると同時に、水撃現象が発生することもない。
【0031】
図3は本発明の他の実施例を示す縦断面図である。前記実施例と異なる点は、弁箱1、蓋体7およびカバー13を連通する連通口14が設けられ、該連通口14にシャフト15が上下動可能に配設されており、該シャフト15の両端には上下動を規制するストッパー16が設けられ、カバー13はシャフト15に上下動可能に支持されている点である。
【0032】
次に、本実施例の作用について、図3、図4および図5に基づいて説明する。
図3は、配管に通水が開始されていない状態を示す。この状態においては、遊動弁体9およびフロート弁体11は、案内筒3内の下限部に位置している。
【0033】
かかる状態から、配管に通水が開始されると、図4に矢印にて示すごとく、配管内の空気は流入口2から連通口5を経て、大径空気孔8から外部に排出される。このとき、大径空気孔8の直径Cと、案内筒3の外径Aとの比、あるいは、該筒3の全長Bとの比は、前記した所定の範囲内で形成されているので、圧力損失が小さく、多量排気が極めてスムースに行われる。さらに、このとき、大径空気孔8から排出される空気の圧力によって、カバー13はシャフト15を介して上方に押し上げられ、図4に示されるごとく、ストッパー16で制限される位置にまで移動し、大径空気孔8から外部に至る流路を大幅に拡大する。それゆえ、排出される空気の抵抗は大幅に減少し、前記した寸法比の効果と相乗して、きわめて大なる圧力損失の低下を実現させることができる。
つぎに、排気作用がほぼ完了し、図5に示すごとく遊動弁体9が大径空気孔8を、また、フロート弁体11が小径空気孔10を閉塞するに至ると、カバー13を押し上げる空気が遮断されるため、該カバー13は自重によって下降し、図5で示される状態へと復帰する。
なお、他の作用は前記した第一の実施例と同じであるから、説明を省略する。
【0034】
次に、本発明に係わる各部の構成による効果を、次の方法により実験した結果に基づいて説明する。
以下に示す寸法にて構成された空気弁の弁差圧および排気量を、JIS B 2063に規定される多量排気試験方法にしたがって測定し、それらの値からそれぞれの弁の抵抗係数を算出して比較した。算出にあたっては、MKS単位で統一した。
【0035】
実験例1
この実験は、前記実施例1において、C/Aの値のみを特定したものを示す。
サンプル1および2は本発明に係わるものであり、サンプル3は従来の急速空気弁の構成に対応するものである。
なお、サンプル1および2の弁高は、サンプル3に比較して、約22%低い構成となっている。
この実験結果から、C/Aが0.660以上の構成のサンプル1および2は、サンプル3に比較して弁の抵抗係数が55〜67%も低くなっている。また、サンプル1と2とを比較すると、後者は、前者よりも26%ほど低く、C/Aの比の値が大きくなるほど抵抗係数は顕著に低くなる傾向にあることがわかる。
また、排気量の結果を比較すると、サンプル3に比較して、サンプル1は約49%多く、サンプル2は約73%多い値となっている。すなわち、従来の空気弁に比較して、49〜73%も排気能力が向上している。
【0036】
実験例2
この実験は、前記した実施例1において、C/Aの値に加えてC/BとC/Dの値を特定したものを示す。サンプル4および5は本発明に係わる構成のものであり、サンプル6は従来の急速空気弁の構成に対応するものである。
なお、サンプル4および5の弁高は、サンプル6に比較して、約22%低い構成となっている。
この実験結果から、C/Aが0.660以上で、C/Bが0.510以上及びC/Dが1.100以上の構成のサンプル4および5は、サンプル6に比較して弁の抵抗係数が53〜62%も低くなっている。また、サンプル4と5とを比較すると、後者は、前者よりも19%ほど低く、C/AおよびC/Bの比の値が大きくなるほど抵抗係数は顕著に低くなる傾向にあることがわかる。
また、排気量の結果を比較すると、サンプル6に比較して、サンプル4は約46%多く、サンプル5は約61%多い値となっている。すなわち、従来の空気弁に比較して、46〜61%も排気能力が向上している。
【0037】
実験例3
この実験は、前記した実施例2に対応するものである。サンプル7および8は、本発明の構成のものであり、サンプル9は、従来の急速空気弁の構成に対応するものである。
なお、サンプル7および8の弁高は、サンプル9に比較して、約22%低い構成となっている。
また、カバーの移動距離は最大60mmに設定した。
【0038】
実験結果からも明らかなとおり、C/Aが0.660以上で、C/Bが0.510以上及びC/Dが1.100以上のサンプル7および8は、サンプル9に比較して、弁の抵抗係数が約60%〜78%も低下している。また、サンプル8は、サンプル7に比較して、抵抗係数が約44%も低くなっており、前記した二つの比の値が大きくなるほど抵抗係数は顕著に低下することを示している。
また、排気量の結果からは、サンプル9に比較して、サンプル7は約59%多く、サンプル8は約113%も多い値となっている。すなわち、従来の空気弁に比較して、59から113%も排気能力が向上しており、実験例2に比較しても、さらに、その効果大なることを示している。
特にこの実施例においては、C/Aは、0.67〜0.890の範囲で構成すると特に好適であることを確認している。
なお、流入口口径が75mm以上、または、以下のものについても同様の結果が得られたことを確認済みである。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の空気弁によれば、弁高を大幅に低く形成し、全体としてコンパクトに構成しても、弁の抵抗は従来のものよりも78%以上小さくすることができる。すなわち、弁の排気能力を113%以上向上させることができるので、迅速なる通液立ち上げが可能であり、特に農業用水配管など、年間を通じて通水および落水を繰り返すような配管では、時間と経費の削減を図ることができるとともに、また、浅層埋設など、弁高の制約を受ける工法などには特に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の大径空気孔を閉塞した状態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図4】図3の排気作用時の状態を示す縦断面図である。
【図5】同じく大径空気孔を閉じた状態を示す縦断面図である。
【図6】従来の空気弁を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1…弁箱
2…流入口
3…案内筒
4…流路間隙
5…連通口
6…導水口
7…蓋体
8…大径空気孔
9…遊動弁体
10…小径空気孔
11…フロート弁体
12…弁座
13…カバー
14…連通口
15…シャフト
16…ストッパー
Claims (2)
- 下部に流入口を上部に開口部をそれぞれ形成した弁箱と、弁箱内に配置され上部に連通口を有しその外周面と弁箱内周面との間に流路間隙を設けた有底案内筒と、弁箱の開口部に装着され弁箱とでその間に前記案内筒を挟持固定し中央に大径空気孔を有する蓋体と、前記案内筒内に昇降自在に設けられ小径空気孔を有し上限位置で前記大径空気孔を閉塞する遊動弁体と、前記案内筒内に昇降自在に設けられ上限位置で前記遊動弁体の小径空気孔を閉塞するフロート弁体とを具備する空気弁において、
前記遊動弁体は前記案内筒に対して摺動する摺動筒部を有し、該摺動筒部は、前記遊動弁体の上死点位置においてもその下死点位置においても前記案内筒に対して少なくとも部分的に当接しており、
前記フロート弁体は球体に形成されており、前記遊動弁体は前記球体の上半分を囲繞するように形成されており、
前記案内筒の外径をA、前記案内筒の軸方向の全長をB、前記蓋体の大径空気孔の直径をC、前記流入口の口径をDとしたときに、0.660≦C/A≦0.890 かつ 0.550≦C/B≦0.730 かつ 1.00≦C/D≦1.30 の関係式が成立するように構成されていることを特徴とする空気弁。 - 前記蓋体に上下動自在のカバーが取付けられている請求項1に記載の空気弁。
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