JP4657488B2 - フロート弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体と液体の比重差を利用してフロートの外表面で弁孔を直接開閉し、気液混合系から一方の流体を自動的に排出するフロート弁に関する。
【0002】
フロート弁としては、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するスチームトラップ、圧縮空気配管系に発生する凝縮水を自動的に排出するエアートラップ、ガス配管系に発生する凝縮水を自動的に排出するガストラップ、油配管系に混在する水を自動的に排出するオイルトラップ、及び、水配管系に混在する空気を自動的に排出するエアーベント等がある。
【0003】
【従来の技術】
従来のフロート弁としては、例えば、特開平7−83393号公報に示されたものがある。ここに示されたものは、入口と出口を有するケーシング内に弁室を形成し、弁室と出口を連通する弁孔を有する弁座を設け、弁孔の弁室側端部に接する部分を球面状に形成した主フロートを主フロートケージ内に回動自在に配置して、主フロートケージに別個のフロート取り付けると共に、主フロートの球面状の外表面で弁孔を直接開閉弁するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のフロート弁では、レバーを使用しているために、大きな口径の弁孔を開閉弁して比較的多くの復水を排出することができるが、フロート弁全体の形状が大型化する問題があった。
【0005】
従って、本発明の課題は、レバーを使用することなく、比較的多くの流体を排出することができると共に、フロート弁全体の形状も小型化することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた本発明の手段は、入口と出口を有するケーシング内に弁室を形成し、弁室と出口を連通する弁孔を有する弁座を設け、弁孔の弁室側端部に接する部分を球面状に形成した主フロートを弁室内に自由状態で配置して、主フロートの球面状の外表面で弁孔を直接開閉弁するものにおいて、弁室内の液位によって上昇して主フロートの外表面に接する中空円筒状で上下に半球部を載置した従フロートを弁室内に配置すると共に、更なる弁室内の液位の上昇により主フロートと従フロートが共に浮上するように従フロートの動きをガイドする従フロートガイド部を弁室内に設けて、当該従フロートの浮力で主フロートの開弁を補助するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、主フロートが弁孔を開弁する位置で従フロートと主フロートが接触するように従フロートの動きをガイドする従フロートガイド部を弁室内に設け、当該従フロートの浮力で主フロートの開弁を補助することにより、主フロートだけの場合と比較してより大きな弁孔を開閉弁することができ、且つ、レバーを使用しないことにより、フロート弁全体の形状が大型化することもない。
【0008】
【実施例】
本発明の実施例を図1を基に説明する。本実施例はフロート弁として、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するスチームトラップの1つである、フリーフロート式スチームトラップに適用したものである。
【0009】
本体1と蓋部材2で弁ケーシングを形成する。弁ケーシングの内部は仕切壁3で、入口4の連通する弁室5と出口6の連通する出口通路7に隔てる。入口4は弁室5の上部に開口する。弁室5の下部に弁孔9を設けた弁座8を、本体1に取り付けて保持プラグ10で固定する。
【0010】
弁座8の側部には貫通孔11を設けて、この貫通孔11と弁孔9で、弁室5と出口通路7を連通する。尚、弁座8や保持プラグ10、及び、蓋部材2には、図示はしていないが気密性を維持するためのガスケット等をそれぞれ組み付ける。
【0011】
弁室5内に中空球形のステンレス製の主フロート12を自由状態で配置する。主フロート12は、弁室5に溜まる復水の液位に従って浮上降下し、その外表面で弁孔9の弁室5側端部を開閉する。本体1の底壁には、主フロート12の降下位置を規定するフロート座13を形成する。
【0012】
フロート座13の入口4側で、且つ、弁室5の下方部に、中空円筒状で上下に半球部を戴置した従フロート14を、上下動自在に配置する。従フロート14が上下動自在に、弁室5内の液位によって浮上降下できるように、本体1の弁室5内に従フロートガイド部15を設ける。従フロートガイド部15は、従フロート14の図面奥に一枚のガイド部15を設けると共に、従フロート14の図面手前にも図示しない一枚のガイド部を設けることにより、両者のガイド部間を、従フロート14が上下動自在に浮上降下する。
【0013】
またガイド部15によって、従フロート14は、弁室5の上方へ浮上することを阻止される。図1において、従フロート14の上端部が、本体1に形成した段部19に接触して、それ以上の浮上を阻止される。
【0014】
上記フリーフロート式スチームトラップの作動は次の通りである。蒸気と復水が入口4から弁室5に流入し、弁室5内の復水液位が上昇すると、従フロート14は上昇し、一方、主フロート12は図1に示すように閉弁状態を維持する。更に弁室5内の液位が上昇すると、従フロート14が上昇して主フロート12と接触し、主フロート12と従フロート14は共に浮上して、主フロート12の外表面が弁孔9を開き、弁室5内の復水を出口通路7から出口6へ排出する。従フロート14は段部19に接触して浮上及びそれ以上の変位を阻止される。
【0015】
主フロート12が弁孔9を開弁開孔する場合、弁座8の上端部17を回転支点として主フロート12がその浮力によって時計まわり方向に回転して上昇する。この動きは従来のフリーフロート弁と同一である。
【0016】
本実施例においては、従フロート14が、主フロート12の開弁を補助する。即ち、主フロート12が開弁する位置で、従フロート14の浮力が、補助浮力として主フロート12に加えられる。この補助浮力は、主フロート12の回転支点17から、主従それぞれのフロート12,14の接触点18までを、腕の長さとする回転モーメントとして作用する。
【0017】
このように従フロート14によって主フロート12の開弁を補助することによって、レバーを使用することなく、開弁力を増すことができ、従来のフリーフロート単独の場合よりも大きな弁孔を開閉弁することができる。
【0018】
復水の排出によって弁室5内の液位が低下すると、主従それぞれのフロート12,14は降下し、主フロート12の外表面で弁孔9を直接閉じて、蒸気が出口6側に漏洩することを防止する。
【0019】
本実施例においては、従フロート14を1個だけ用いた例を示したが、主フロート12の周囲に複数個を配置して用いることもできるものである。
【0020】
【発明の効果】
上記のように本発明は、従フロートで主フロートの開弁を補助することにより、レバーを使用することなく、大きな弁孔を開孔して比較的多くの流体を排出することができると共に、フロート弁全体の形状が大型化することも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すフリーフロート式スチームトラップの断面図。
【符号の説明】
1 本体
2 蓋部材
4 入口
5 弁室
6 出口
7 出口通路
8 弁座
9 弁孔
12 主フロート
14 従フロート
15 従フロートガイド部
Claims (1)
- 入口と出口を有するケーシング内に弁室を形成し、弁室と出口を連通する弁孔を有する弁座を設け、弁孔の弁室側端部に接する部分を球面状に形成した主フロートを弁室内に自由状態で配置して、主フロートの球面状の外表面で弁孔を直接開閉弁するものにおいて、弁室内の液位によって上昇して主フロートの外表面に接する中空円筒状で上下に半球部を載置した従フロートを弁室内に配置すると共に、更なる弁室内の液位の上昇により主フロートと従フロートが共に浮上するように従フロートの動きをガイドする従フロートガイド部を弁室内に設けて、当該従フロートの浮力で主フロートの開弁を補助することを特徴とするフロート弁。
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Publications (2)
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JP2002310399A JP2002310399A (ja) | 2002-10-23 |
JP4657488B2 true JP4657488B2 (ja) | 2011-03-23 |
Family
ID=18966032
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001115074A Expired - Fee Related JP4657488B2 (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | フロート弁 |
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Citations (4)
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JPS50154931U (ja) * | 1974-06-10 | 1975-12-22 | ||
JPS6288899A (ja) * | 1985-10-01 | 1987-04-23 | フエスト コマンデイト ゲゼルシヤフト | 凝縮トラツプ装置 |
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2001
- 2001-04-13 JP JP2001115074A patent/JP4657488B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPS6340678U (ja) * | 1986-08-30 | 1988-03-16 |
Also Published As
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JP2002310399A (ja) | 2002-10-23 |
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