JP4496876B2 - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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本発明は排気ガス浄化用触媒に関するものである。
エンジンの排気ガスを浄化する触媒として、リーンNOx触媒が知られている。この触媒では、排気ガスの酸素濃度が高い酸素過剰雰囲気(リーン空燃比での運転時)では排気ガス中のNOx(窒素酸化物)をBa等のNOx吸収材に吸蔵し、この吸蔵されたNOxを上記酸素濃度が低下したとき(理論空燃比付近又はリッチ空燃比での運転時)に放出させてPt等の触媒金属によりNに還元・浄化するようにされている。このNOxの還元には、排気ガス中のHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)が還元剤として利用される。従って、NOxの還元浄化と同時にHCやCOの酸化浄化が行なわれることになる。
また、このようなリーンNOx触媒においては、排気ガス中のNOのNOへの酸化にはPt等の触媒金属と、リーン燃焼時の過剰酸素が利用され、この酸化によってNOx吸収材に吸蔵され易くなっている。また、リーンNOx触媒において、酸化数が変化して排気ガス中の酸素の吸蔵及び放出を行なう酸素吸蔵材を含ませることも当業者には知られている。
例えば、特許文献1には、リーンNOx触媒に関し、ハニカム状担体に第一層(下層)と第二層(上層)の触媒層を形成し、第一層は、アルミナと酸素吸蔵材としての酸化セリウムとをサポート材としてこれにPt及びBaを担持させた構成とし、第二層は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム又はセリウム−ジルコニウム複合酸化物とアルミナとをサポート材としてこれにRhを担持させた構成とすることが記載されている。
また、本出願人は、先に触媒材料として有用な、CeとZrとRhとを含む複酸化物、さらにはCeとZrとNdとRhとを含む複酸化物を開発した(特許文献2参照)。この文献2には、この種のRhを含有するCe系複酸化物を共沈法によって得ること、CeとZrとNdとRhとを含む複酸化物と、CeとZrとNdとを含む複酸化物にRhを後から担持させたものとを比較した場合、前者の方が酸素吸蔵性能(酸素吸蔵量及び酸素吸蔵速度)が高く、耐熱性も高いことが記載されている。
特開平11−169712号公報 特開2004−174490号公報
従来リーンNOx触媒に酸素吸蔵材として採用されている酸化セリウムは耐熱性が低いという問題がある。これに対して、Ceを含有するCe系複酸化物、例えばCe−Zr複酸化物にすると、その耐熱性が高まるものの、酸素吸蔵・放出量が少なくなる。このため、リーンNOx触媒の低温でHC酸化性能が低く、その結果、NOx浄化性能も低くなる。特に、複数の触媒層を層状に設けて、その内側触媒層(ハニカム状担体のセル壁側の触媒層)にCe系複酸化物を含有させた場合、この内側触媒層への排気ガスの拡散流通量が少なくなるため、低温下でのHC酸化性能、ひいてはNOx浄化性能の向上が問題になる。
そこで、本発明は、リーンNOx触媒に採用する酸素吸蔵材の特性を改善し、HC酸化性能、ひいてはNOx浄化性能の向上を図ることを課題とする。
本発明は、このような課題に対して、リーンNOx触媒の酸素吸蔵材として結晶子内にRhを含有するCe系複酸化物を採用するようにした。
請求項1に係る発明は、ハニカム状担体のセル壁に、各々触媒金属とNOx吸収材とを含有する内外複数の触媒層が層状に形成され、エンジンが空燃比リーンで運転されて排気ガスの酸素濃度が高くなっているときに該排気ガス中のNOxを上記NOx吸収材により吸蔵し、上記酸素濃度が低下したときに上記NOx吸収材から放出されるNOxを還元浄化する排気ガス浄化用触媒において、
上記複数の触媒層各々には、上記触媒金属としてPtが含まれ、
上記複数の触媒層のうちのセル壁側に配置された内側触媒層は、Ceが結晶格子に配置されているCe系複酸化物を含有し、該Ce系複酸化物の結晶子内にRhが含まれており、
上記複数の触媒層のうち当該セルの排気ガス流路側に配置された外側触媒層は、上記触媒金属としてのRhを担持したアルミナを含有することを特徴とする。
請求項1の発明において、Ce系複酸化物は酸素吸蔵材として働くが、その結晶子内にRhが含まれていることにより、酸素吸蔵量が多くなり、従って排気ガスの酸素濃度が低下したときの酸素放出量が多くなる。その理由は、Ce系複酸化物に接触する酸素は酸素イオンの形で結晶子内の酸素欠損部に取り込まれるところ、結晶子表面側から内部への酸素イオンの移動を、該結晶子内に存するRhが助けているためと考えられる。
つまり、結晶子内のRhが結晶子表面側から酸素イオンを取り込む働きをし、そのために、その酸素イオンは当該Rhが存在する位置近傍の酸素濃度が低い部位(酸素欠損部)に移動し易くなっている、そして、Rhが結晶子内に分散して存在することにより、酸素イオンはRhを介して結晶子内に言わばホッピングしていく、と考えられる。このため、当該Ce系複酸化物の酸素欠損部の利用効率が高まり、酸素吸蔵速度が高くなるとともに、酸素吸蔵量が多くなると考えられる。
その結果、排気ガスの酸素濃度が低下したときのCe系複酸化物の酸素放出量が多くなり、そのため、排気ガスないしは触媒の温度が低い低温時でも排気ガス中のHCの部分酸化を生じ易くなり、これに伴い、NOx吸収材から放出されるNOxの還元が効率良く行なわれることになる。そうして、NOxの還元が効率良く行なわれることにより、NOx吸収材からのNOxの放出も促され、排気ガスの酸素濃度が高くなったときのNOx吸収材のNOx吸収能も高くなる。
また、上記Rhは、Ce系複酸化物の結晶子内に設けられて、当該複酸化物に強く結合した状態になっているから、高温にさらされてもシンタリングを生じ難く、また、このRhの働きにより当該Ce系複酸化物自体のシンタリングも抑制されることになり、触媒の耐熱性向上に有利になる。
また、請求項1に係る発明の場合、結晶子内にRhを有するCe系複酸化物が、排気ガスの拡散流通が良くない内側触媒層に設けられているが、このようなケースにおいても、上述の如くRhの作用によって当該Ce系複酸化物の酸素吸蔵・放出性が良くなるから、低温時であっても、HCの酸化、ひいてはNOxの還元が効率良く行なわれることになる。
しかも、上記複数の触媒層各々には、上記触媒金属としてPtが含まれ、上記複数の触媒層のうち当該セルの排気ガス流路側に配置された外側触媒層は、上記触媒金属としてのRhを担持したアルミナを含有するから、内側触媒層においても、排気ガスの酸素濃度が高いリーン時に、排気ガス中のNOがPtによりNOに酸化され易くなり、その結果、NOx吸収材によるNOx吸収性が向上する。排気ガスの酸素濃度が低くなったときはNOx吸収材から放出されるNOxが外側触媒層のアルミナに担持されたRhによって還元されることになる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、
上記Ce系複酸化物は、Ce及びZrが結晶格子に配置されているCe−Zr複酸化物であることを特徴とする。
従って、Ce系複酸化物はその耐熱性が高いものになり、当該触媒のNOx酸化吸収性、ひいてはNOx還元浄化性能を長期間にわたって維持する上で有利になる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2において、
上記Ce系複酸化物は、結晶格子又は原子間に配置されてその結晶子表面に露出しているRhを有することを特徴とする。
従って、上記Ce系酸化物の結晶子表面に露出しているRhはNOxの還元に働くが、このRhはCe系複酸化物の結晶格子又は原子間に配置されて該Ce系複酸化物に強く結合した状態にあるから、熱によるシンタリングも生じ難く、内側触媒層にあっても、長期間にわたりNOxの還元浄化に有効に働くことになる。
請求項4に係る発明は、請求項2において、
上記Ce−Zr複酸化物は、ZrO に対するCeO の質量比が1以上4以下であることを特徴とする。
このように、当該Ce系複酸化物をCeリッチにすると、好ましくはCeO :ZrO =3:1程度にすると、大きな酸素吸蔵量を確保しながら上記耐熱性を得る上で有利になる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
上記複数の触媒層のうちのセル壁側に配置された内側触媒層に含まれるPtの少なくとも一部は、上記Ce系複酸化物に担持されていることを特徴とする。
よって、空燃比リッチ時にCe複酸化物から多量の酸素が放出され、排気ガス中のHCがPtによって酸化される。
以上のように、請求項1に係る発明によれば、各々触媒金属としてのPtとNOx吸収材とを含有する内外複数の触媒層を有し、結晶子内にRhを含むCe系複酸化物が内側触媒層に設けられ、外側触媒層がRhを担持したアルミナを含有するから、内側触媒層は排気ガスの拡散流通が良くないにも拘わらず、酸素吸蔵材として働くCe系複酸化物が酸素を吸蔵して放出する量が増大することにより、低温時においても、排気ガス中のHCを効率良く酸化してNOxの還元剤とすることができ、さらに、NOx吸収材のNOx吸収性を高める上で有利になるとともに、該NOx吸収材から放出されるNOxの還元浄化性を高める上でも有利になり、NOx浄化性能が向上し、触媒の耐熱性の向上にも有利になる。
請求項2に係る発明によれば、上記Ce系複酸化物は、Ce及びZrが結晶格子に配置されているCe−Zr複酸化物であるから、その耐熱性が高いものになり、当該触媒のNOx酸化吸収性、ひいてはNOx還元浄化性能を長期間にわたって維持する上で有利になる。
請求項3に係る発明によれば、上記Ce系複酸化物は、結晶格子又は原子間に配置されてその結晶子表面に露出しているRhを有するから、このRhが内側触媒層にあっても熱によるシンタリングを生ずることなくNOxの還元浄化に働き、NOx浄化性能を長期間にわたって維持する上で有利になる。
請求項4に係る発明によれば、上記Ce−Zr複酸化物は、ZrO に対するCeO の質量比が1以上4以下であるから、大きな酸素吸蔵量を確保しながら上記耐熱性を得る上で有利になる。
請求項5に係る発明によれば、上記内側触媒層に含まれるPtの少なくとも一部は、上記Ce系複酸化物に担持されており、空燃比リッチ時にCe複酸化物から多量の酸素が放出され、排気ガス中のHCがPtによって酸化される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1には本発明に係る自動車のエンジンの排気ガス浄化用触媒1が示されている。この触媒1は、排気ガス流れ方向に貫通する多数のセル3を有する多孔質のモノリス担体(ハニカム状担体)2の各セル壁に、触媒貴金属を含有する触媒層を形成してなるものである。
図2に模式的に示すように、当該触媒1は、上記触媒層として、セル壁5に形成された内側触媒層6と、該内側触媒層6の上に重ねられた外側触媒層7とを備え、外側触媒層7が排気ガス流路を構成している。また、本発明は、図3に示すように、1層の触媒層8のみを形成する場合、或いは3層以上の触媒層を形成する場合もある。以下、実施例に係る2層構造の触媒層の具体的な構成について、比較例触媒との比較により説明する。
<実施例及び比較例の触媒> −実施例触媒の層構成−
図2に示す内側触媒層6は、複数種類の触媒金属、酸素吸蔵材として働くCe系複酸化物、並びにBa等のNOx吸収材を含有し、外側触媒層7は、耐熱性無機酸化物よりなるサポート材に担持された複数種類の触媒金属、並びにBa等のNOx吸収材を含有する。
具体的には、内側触媒層6のCe系複酸化物は、その結晶子の結晶格子又は原子間に配置された触媒金属としてRhを含み、このRhの一部は該Ce系複酸化物の結晶子表面に露出し、残部は結晶子内に存在する。また、この内側触媒層6は、別に耐熱性無機酸化物よりなるサポート材を含有し、上記Ce系複酸化物及びサポート材は混合されてバインダにより上記セル壁5に固定されている。
上記Rh以外の触媒金属は、上記サポート材及びCe系複酸化物に対して、当該他の触媒金属を含有する溶液を接触させて焼成することによって担持されている。上記NOx吸収材も、上記サポート材及びCe系複酸化物に対して、当該NOx吸収材を含有する溶液を接触させて焼成することによって担持されている。
上記Rh以外の触媒金属はPtであり、上記サポート材は活性アルミナであり、上記NOx吸収材としては、上記Baの他にK、Sr及びMgを含む。
一方、外側触媒層7のサポート材も活性アルミナであり、この活性アルミナにRhが担持されている。このRhを担持した活性アルミナRh/Alは、バインダによって上記内側触媒層6の上に固定されている。この活性アルミナには、さらにPt及び上記NOx吸収材が各々の溶液を接触させて焼成することによって担持されている。このNOx吸収材としては、上記Baの他にK、Sr及びMgを含む。
−Ce系複酸化物の調製法−
上記Ce系複酸化物は、Ce、Zr及びRhの各溶液を原料として共沈法により調製されている。そこで、その調製法を説明する。まず、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸第一セリウム、及び硝酸ロジウム各々の所定量と水とを混合して合計300mLとし、この混合溶液を室温で約1時間撹拌する。この混合溶液を80℃まで加熱昇温させた後、ガラス棒を用いて強く、素早く攪拌しつつ、別のビーカーに用意していた28%アンモニア水50mLを一気に加えて混合する。このアンモニア水の添加・混合は1秒以内に完了させる。アンモニア水の混合により白濁した溶液を一昼夜放置し、生成したケーキを遠心分離器にかけ、十分に水洗する。この水洗したケーキを約150℃の温度で乾燥させた後、400℃の温度に5時間保持し、次いで500℃の温度に2時間保持するという条件で焼成する。
以上により得られたCe系複酸化物はRh成分を添加して共沈法により生成されているから、Rhは、Ce及びZrと同じく当該複酸化物の結晶格子に配置され、換言すれば、当該複酸化物に強く結合した状態になる。あるいはRhは当該複酸化物の原子間に配置された状態になる。いずれにしても、Rhが複酸化物の結晶子の表面及び結晶子の内部において均一に分散した状態になる。以下では当該Ce系複酸化物をRh共沈Ce−Zr複酸化物という。
図4は上記Rh共沈Ce−Zr複酸化物と、Ce−Zr複酸化物にRhを蒸発乾固によって担持させたRh乾固Ce−Zr複酸化物とについて、大気雰囲気において900℃の温度に24時間保持するエージングを施した後、XRD(X線回折装置)によってCe−Zr複酸化物のピークを観察した結果を示す。同図の実施例がRh共沈Ce−Zr複酸化物、比較例がRh乾固Ce−Zr複酸化物である。なお、いずれの複酸化物も、CeO:ZrO=75:25(質量比)、Rh=0.4質量%となるように調製した。
図4によれば、Rh共沈Ce−Zr複酸化物(実施例)ではRh乾固Ce−Zr複酸化物(比較例)よりもピークが高角側にシフトして現れている。このシフトは、イオン半径がCe(1.01Å)に比べて小さいRh(0.86Å)によってCe−Zr複酸化物のCeが置換され、該Ce−Zr複酸化物の格子が小さくなったためと考えられる。すなわち、このことから、Rh共沈Ce−Zr複酸化物ではRhの少なくとも一部がその結晶子内に含まれていることがわかる。
図5はCeO:ZrO=75:25(質量比)、Rh=0.074質量%となるように調製したRh共沈Ce−Zr複酸化物にPtを担持したものについて、大気雰囲気において900℃の温度に24時間保持するエージングを施した後、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察した写真である。同写真の中央右上寄りの少し黒くなった部位に貴金属の存在が観察され、その部位をEDAX(エネルギー分散型X線分析装置)により元素分析し結果、共沈によって添加したRhと、後から担持したPtとが存在することを確認することができた。すなわち、このことから、Rhの少なくとも一部はCe−Zr複酸化物の結晶子表面に露出していることがわかる。
−実施例触媒の調製法−
触媒は担体に内側コート層及び外側コート層を形成し、この両コート層に対して触媒金属及びNOx吸収材を含浸担持させることによって形成する。
内側コート層の形成にあたっては、まず、活性アルミナとRh共沈Ce−Zr複酸化物とアルミナバインダとを各々担体に対して所定の担持量となるように秤量して混合し、これにイオン交換水を添加することによってスラリーを調製する。このスラリーに担体を浸漬して引き上げ、余分なスラリーを吹き飛ばす、という方法により、担体にスラリーをウォッシュコートする。次いで、これを150℃の温度で1時間乾燥し、540℃の温度で2時間焼成することによって内側コート層を形成する。なお、この乾燥条件及び焼成条件は以下の説明における「乾燥」及び「焼成」も同じである。
外側コート層の形成にあたっては、Rhを担持した活性アルミナRh/Alを蒸発乾固法、スプレードライ法等によって調製しておき、これとアルミナバインダとを担体に対して所定の担持量となるように秤量して混合し、これにイオン交換水を添加することによってスラリーを調製する。このスラリーを内側コート層が形成されている担体にウォッシュコートし、乾燥及び焼成を行なうことによって外側コート層を形成する。
そうして、ジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液と、酢酸バリウム水溶液と、酢酸カリウム水溶液と、酢酸ストロンチウム水溶液と、酢酸マグネシウム水溶液とを、各々が担体に対して所定の担持量となるように秤量し混合してなる混合溶液を調製し、この混合溶液を上記担体の内側及び外側コート層に含浸させ、乾燥及び焼成を行なう。得られる触媒の不純物量は1%未満となるようにする。
−比較例触媒−
比較例触媒は、実施例触媒と同じく図2に示す2層構造において、上記Rh共沈Ce−Zr複酸化物に代えて、Ce及びZrを含有するCe−Zr複酸化物にRhを蒸発乾固によって担持させたRh乾固Ce−Zr複酸化物を採用したものであり、他の構成は実施例触媒と同じである。
<触媒の評価>
−供試触媒−
上述の調製法によってRh共沈Ce−Zr複酸化物及びRh乾固Ce−Zr複酸化物を調製し、それらを用いて実施例触媒及び比較例触媒を調製した。Rh共沈Ce−Zr複酸化物及びRh乾固Ce−Zr複酸化物は、CeO:ZrO=75:25(質量比)、Rh=0.074質量%となるように調製した。実施例触媒の各成分の担持量(担体1Lあたりの担持量のこと。以下、同じ。)は表1の通りである。なお、内側触媒層欄の括弧書きはRh共沈Ce−Zr複酸化物によるRh担持量であり、外側触媒層欄の括弧書きはRh/AlによるRh担持量である。比較例触媒は、実施例触媒のRh共沈Ce−Zr複酸化物がRh乾固Ce−Zr複酸化物に代わるだけで、各成分の担持量は実施例触媒と同じである。担体はコージェライト製のハニカム担体である。
−リーンNOx 浄化率の測定−
各触媒について、900℃で24時間のエージング処理を大気雰囲気において行なった。そして、各触媒を固定床流通式反応評価装置に取り付け、空燃比リーンの模擬排気ガス(ガス組成A)を60秒間流し、次にガス組成を空燃比リッチの模擬排気ガス(ガス組成B)に切り換えてこれを60秒間流す、というサイクルを5回繰り返した後、ガス組成を空燃比リーン(ガス組成A)に切り換え、この切り換え時点から60秒間のNOx浄化率(リーンNOx 浄化率)を測定した。ガス組成は表2に示す通りであり、また、空間速度SVは25000h−1とした。触媒入口ガス温度については250℃〜500℃の範囲で設定した。
−リッチHC浄化率の測定−
各触媒について、900℃で24時間のエージング処理を大気雰囲気において行なった。そして、各触媒を固定床流通式反応評価装置に取り付け、空燃比リーンの模擬排気ガス(ガス組成A)を60秒間流し、次にガス組成を空燃比リッチの模擬排気ガス(ガス組成B)に切り換えてこれを60秒間流す、というサイクルを5回繰り返した。この5回目のサイクルの空燃比リッチの模擬排気ガス(ガス組成B)での60秒間のHC浄化率(リッチHC浄化率)を測定した。触媒温度、模擬排気ガス温度及び空間速度の各条件はリーンNOx浄化率の測定方法の場合と同一とした。また、ガス組成についても表2に示す通りとした。
−測定結果−
リーンNOx浄化率の測定結果は図6に、リッチHC浄化率の測定結果は図7に示す。リーンNOx浄化率及びリッチHC浄化率のいずれにおいても、400℃以下の温度では実施例触媒の方が比較例触媒よりも高くなっている。Rh共沈Ce−Zr複酸化物、すなわち、Rhが結晶格子又は原子間に配置されて結晶子表面に露出したCe系複酸化物を採用すると、空燃比リーンでのNOx吸収材によるNOx吸収性が高くなること、また、リッチ時のHC浄化率が高くなることがわかる。
このように実施例触媒のリッチHC浄化率が高くなっているのは、Rh共沈Ce−Zr複酸化物の酸素吸蔵放出量がその結晶子内に存在するRhによって増大しているためと考えられる。
図8は上記Rh共沈Ce−Zr複酸化物とRh乾固Ce−Zr複酸化物との酸素吸蔵放出特性を比較したものである。同図の実施例がRh共沈Ce−Zr複酸化物であり、比較例がRh乾固Ce−Zr複酸化物である。
この特性の評価は、ハニカム状担体に各複酸化物をコーティングし、大気雰囲気で900℃の温度に24時間保持するエージングを施した後に行なった。すなわち、供試材を固定床流通式反応評価装置に取り付け、COガスを流通させる(複酸化物の酸素をCOとして放出させる)→Nガスを流通させる→Oガスを流通させる(複酸化物に酸素を吸蔵させる)→Nガスを流通させる、というサイクルを繰り返し、COガス流通時のCO生成量より、当該複酸化物が酸素を吸蔵して放出した量を算出した。供試材の入口ガス温度は250℃から500℃の範囲で変更した。
図8は比較例の250℃での酸素放出量を1とする相対酸素放出量で当該特性を表している。250℃〜500℃の各温度において、実施例のRh共沈Ce−Zr複酸化物の方が比較例のRh乾固Ce−Zr複酸化物よりも酸素放出量が多くなっている。これは、実施例のRh共沈Ce−Zr複酸化物では、その結晶子内に存在するRhによって該結晶子内での酸素の移動が起こりやすくなったためと考えられる。
このように、実施例触媒の場合、空燃比リッチになったときに、Rh共沈Ce−Zr複酸化物から多量の酸素が放出されることにより、排気ガス中のHCがPtによって酸化され易くなり、そのことが図7のリッチHC浄化率の測定結果に現れていると認められる。
そうして、リッチ時にPtによって酸化されるHC、特に部分酸化されたHCは、NOx吸収材から放出されるNOxの還元剤となることから、当該PtやRh共沈Ce−Zr複酸化物のRhによるNOxの還元浄化が効率良く進むことになる。その結果、NOx吸収材からのNOxの放出も促され、排気ガスの酸素濃度が高くなったときのNOxの吸収能も高くなる。すなわち、図6に示す実施例触媒のリーンNOx浄化率が高くなっている原因の一つは、上述の如くリッチ時にNOx吸収材からのNOxの放出が促進されて、リーン時におけるNOx吸収能が高くなっていることにあると考えられる。
なお、本発明は、リーンバーンガソリンエンジンの排気ガスに限らず、ディーゼルエンジンの排気ガスの浄化にも採用することができる。
本発明の実施形態に係る排気ガス浄化用触媒の斜視図である。 同触媒の一部を拡大して示す断面図である。 同触媒の他の例を一部拡大して示す断面図である。 Rh共沈Ce−Zr複酸化物及びRh乾固Ce−Zr複酸化物についてそのCe−Zr複酸化物ピークを観察したXRDチャート図である。 Rh共沈Ce−Zr複酸化物にPtを担持させた触媒のTEM写真である。 実施例触媒及び比較例触媒のリーンNOx浄化率を示すグラフ図である。 実施例触媒及び比較例触媒のリッチHCx浄化率を示すグラフ図である。 実施例触媒及び比較例触媒各々の複酸化物の酸素吸蔵放出特性を示すグラフ図である。
1 排気ガス浄化用触媒
2 ハニカム状担体
3 セル
5 セル壁
6 内側触媒層
7 外側触媒層
8 触媒層

Claims (5)

  1. ハニカム状担体のセル壁に、各々触媒金属とNOx吸収材とを含有する内外複数の触媒層が層状に形成され、エンジンが空燃比リーンで運転されて排気ガスの酸素濃度が高くなっているときに該排気ガス中のNOxを上記NOx吸収材により吸蔵し、上記酸素濃度が低下したときに上記NOx吸収材から放出されるNOxを還元浄化する排気ガス浄化用触媒において、
    上記複数の触媒層各々には、上記触媒金属としてPtが含まれ、
    上記複数の触媒層のうちのセル壁側に配置された内側触媒層は、Ceが結晶格子に配置されているCe系複酸化物を含有し、該Ce系複酸化物の結晶子内にRhが含まれており、
    上記複数の触媒層のうち当該セルの排気ガス流路側に配置された外側触媒層は、上記触媒金属としてのRhを担持したアルミナを含有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 請求項1において、
    上記Ce系複酸化物は、Ce及びZrが結晶格子に配置されているCe−Zr複酸化物であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記Ce系複酸化物は、結晶格子又は原子間に配置されてその結晶子表面に露出しているRhを有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  4. 請求項2において、
    上記Ce−Zr複酸化物は、ZrO に対するCeO の質量比が1以上4以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記複数の触媒層のうちのセル壁側に配置された内側触媒層に含まれるPtの少なくとも一部は、上記Ce系複酸化物に担持されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
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