JP2006297259A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒金属量をできるだけ少なくしながら、所期の排気ガス浄化性能を確保できるようにする。
【解決手段】酸素吸蔵能を有する複酸化物の結晶格子点又は格子点間に触媒金属3が配置されているとともに、その一部の触媒金属3が当該複酸化物の表面に露出している触媒金属ドープ型の複酸化物1と、同種の触媒金属3が該触媒金属の溶液を酸化物に接触させることによって担持された触媒金属接触担持型の酸化物2とを混合した触媒とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は排気ガス浄化用触媒に関するものである。
自動車に用いられる排気ガス浄化用触媒は、Pt、Pd、Rh等の触媒金属が含浸法や蒸発乾固法等によって比表面積の大きな活性アルミナや酸素吸蔵材等の表面に担持されている。最近では、酸素吸蔵材について、その耐熱性を向上する技術や酸素吸蔵・放出量を増大させる技術の提案が多くなされている。
例えば、特許文献1には、酸素吸蔵能を有するセリアにジルコニアを固溶させてCeZr複酸化物とすると、耐熱性が高い酸素吸蔵材となること、さらに、該CeZr複酸化物の結晶格子点又は原子間(格子点間)にRhを配置すると、酸素吸蔵・放出量が増大するとともに、酸素吸蔵・放出速度が高まることが記載されている。また、同文献には、具体例として、RhをCeZrNd複酸化物に0.486質量%含有させたRhドープ複酸化物と活性アルミナとを混合してなる触媒が開示され、そのライトオフ性能及び高温浄化性能が高いことが示されている。
特開2004−174490号公報
上述のRhドープ複酸化物は、酸素吸蔵能が高いものの、本発明者がRh含有量と排気ガス浄化性能との関係についてさらに研究を進めたところ、Rh量が少なくなると(例えば0.2質量%程度になると)、期する排気ガス浄化性能を得ることが難しくなることがわかった。これは、Rhドープ複酸化物の場合、そのRhは当該複酸化物の結晶格子点又は格子点間に配置されていて、一部のRhしか複酸化物表面に露出しておらず、上記Rh量の減少によりこの複酸化物表面に露出するRh量がさらに少なくなって、Rhと排気ガスとの接触機会が減るためと考えられる。
しかも、エンジンの空燃比がリーンからリッチに変化したときに、複酸化物表面の酸化状態にあるRhが素早く還元されないと考えられる。すなわち、複酸化物表面のRhは還元状態(金属状態)にあることが排気ガスの浄化に有利であるところ、当該複酸化物自体の酸素吸蔵能が高いことから、空燃比がリーンからリッチになったときに比較的多量の酸素が放出され、そのためにRhの還元が遅れるという問題がある。
そこで、本発明は、触媒金属量をできるだけ少なくしながら、所期の排気ガス浄化性能を確保できるようにすることを課題とする。
本発明は、このような課題に対して、触媒金属を、酸素吸蔵能を有する複酸化物の結晶格子点又は格子点間に配置するドープ型と、該触媒金属の溶液を酸化物に接触させて担持する接触担持型の二つの形態で、当該両サポート材(複酸化物及び酸化物)に分配担持するようにした。
請求項1に係る発明は、酸素吸蔵能を有する複酸化物の結晶格子点又は格子点間に触媒金属が配置されているとともに、その一部の触媒金属が当該複酸化物の表面に露出している触媒金属ドープ型の複酸化物と、上記触媒金属ドープ型複酸化物と同種の触媒金属が該触媒金属の溶液を酸化物に接触させることによって担持された触媒金属接触担持型の酸化物とを含有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒である。
すなわち、触媒金属ドープ型複酸化物では、触媒金属が当該複酸化物の表面だけでなく内部にも配置されるから、その表面に露出する触媒金属量が少なくなるが、触媒金属接触担持型酸化物では、触媒金属が当該酸化物内部に埋もれることなく、酸化物表面に担持される。なお、ここでいう表面とは、当該酸化物の外表面のみを意味するのではなく、その酸化物に例えば細孔がある場合にはその細孔面を含み、要するに排気ガスが接触し得る面をいう。
従って、触媒全体の触媒金属量を少なくしたとき、ドープ型複酸化物側では触媒金属と排気ガスとの接触機会が少なくなるものの、その接触機会の減少が接触担持型酸化物の触媒金属によって補われ、触媒全体として排気ガス浄化性能が低下することが防止される。換言すれば、少ない触媒金属量でも所期の排気ガス浄化性能を確保する上で有利になる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記触媒金属接触担持型の酸化物が活性アルミナであることを特徴とする。
すなわち、上記ドープ型複酸化物では、排気ガスの酸素濃度が低下したとき(エンジンの空燃比がリーンからリッチに変わったとき)に、当該複酸化物から比較的多量の酸素が放出され、その表面に露出している触媒金属の還元が速やかに行なわれない。これに対して、接触担持型の酸化物としての活性アルミナは酸素の吸蔵・放出能を示さないから、上記酸素濃度の低下時に該活性アルミナ表面に担持されている触媒金属が速やかに還元されて活性が高い状態になり、そのことによって、排気ガスの浄化が効率良く進む。
請求項3に係る発明は、請求項1において、上記触媒金属接触担持型の酸化物はCeを含有する複酸化物であることを特徴とする。
すなわち、Ceを含有する複酸化物は酸素吸蔵能を有するから、その酸素吸蔵能によって接触担持型酸化物の触媒金属が排気ガスの浄化に効率良く働くようになる。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
上記触媒金属ドープ型複酸化物側の触媒金属と上記触媒金属接触担持型酸化物側の触媒金属との合計量に占める、上記触媒金属ドープ型複酸化物側の触媒金属の比率が10質量%以上95質量%以下であることを特徴とする。
すなわち、ドープ型複酸化物側の触媒金属の比率が低くなると、それだけ接触担持型酸化物の表面に担持される触媒金属が多くなるものの、ドープ型複酸化物表面に露出する触媒金属量が少なくなるから、当該複酸化物の酸素吸蔵能を有効に利用した排気ガスの浄化が不利になる。一方、ドープ型複酸化物側の触媒金属の比率が高くなると、接触担持型酸化物の表面に分配担持される触媒金属量が少なくなるから、すなわち、触媒全体としては排気ガスに接触する触媒金属量が少なくなるから、排気ガスの浄化に不利になる。そこで、当該発明では後述する実施例データに基いて上記触媒金属の比率を10質量%以上95質量%以下としたものである。
以上のように、本発明によれば、触媒金属をドープ型複酸化物と接触担持型酸化物とに分配して設けるようにしたから、触媒金属と排気ガスとの接触機会が少なくなることが避けられ、触媒全体の触媒金属量を少なくしながら、所期の排気ガスの浄化性能を確保する上で、或いは所定の触媒金属量で排気ガス浄化性能をさらに向上させる上で有利になる。
また、接触担持型酸化物に活性アルミナを採用したものによれば、排気ガスの酸素濃度が低下したときに、ドープ型複酸化物の触媒金属とは違って、当該活性アルミナに接触担持させた触媒金属は速やかに還元されるから、この酸素濃度の変化に伴って排気ガス浄化効率が低下することが防止される。
また、接触担持型酸化物にCeを含有する複酸化物を採用したものによれば、その酸素吸蔵能を有効に利用して当該接触担持型酸化物の側での排気ガスの浄化を効率良く進めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る自動車の三元触媒として有用な排気ガス浄化用触媒を模式的に示す断面図である。同図において、1は酸素吸蔵能を有する複酸化物の結晶格子点又は格子点間に触媒金属3が配置された触媒金属ドープ型複酸化物、2は触媒金属ドープ型複酸化物1と同種の触媒金属3が該触媒金属の溶液を酸化物に接触させることによって担持された触媒金属接触担持型酸化物である。当該触媒では、上記触媒金属ドープ型の複酸化物1と触媒金属接触担持型の酸化物2とが混合されてバインダ(図示省略)により固められている。
触媒金属ドープ型複酸化物1においては、触媒金属3はその一部が当該複酸化物の結晶子の表面に露出し、残部は該結晶子の内部に埋もれている。また、触媒金属接触担持型酸化物2においては、触媒金属3は全て当該酸化物の表面に担持されている。
この触媒は、ハニカム状担体にコーティングして或いはペレット状にして自動車の排気通路に配置し使用することができる。必要に応じて触媒金属ドープ型複酸化物1及び触媒金属接触担持型酸化物2に第3の酸化物を加えて混合することができ、これらのドープ型複酸化物1、接触担持型酸化物及び第3の酸化物には、上記触媒金属3以外の他の触媒金属を接触担持させることもできる。ハニカム状担体にコーティングする場合、単一層にすることもできるが、他の触媒材料による触媒層との積層構造にするようにしてもよい。
触媒金属ドープ型複酸化物1の複酸化物としては、CeとZrとの複酸化物、CeとPrとの複酸化物、CeとZrとPrとの複酸化物、或いはさらにNdを含む複酸化物が酸素吸蔵能を得ながら耐熱性を高める上で好ましい。触媒金属3としては、酸素吸蔵量及び酸素吸蔵速度を高めながら三元触媒として機能させる上でRhが好ましいが、Ptであってもよく、或いはPt及びRhの両者をドープするようにしてもよい。
触媒金属接触担持型酸化物2の酸化物としては、活性アルミナを用いることができ、或いは酸素吸蔵能を有する酸化物、例えばCeとZrとの複酸化物、CeとPrとの複酸化物、CeとZrとPrとの複酸化物、或いはさらにNdを含む複酸化物、Al23にCe及びZrが酸化物として或いは複酸化物として複合されている複合酸化物、Al23にCe及びZrに加えて、Ce以外の希土類元素、例えばLaやYがさらに複合されているものであってもよい。
触媒金属ドープ型複酸化物1に対する触媒金属接触担持型酸化物2の混合比率(接触担持型酸化物/ドープ型複酸化物)は、例えば0.2〜1.5程度とすることができる。
<実施例及び比較例>
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
−実施例1−
本例は、図2に示すように、ハニカム状担体のセル壁5の表面に、触媒金属ドープ型複酸化物としてRhドープ複酸化物と触媒金属接触担持型酸化物としてのRh担持アルミナとが混合されてなる触媒層6が形成されたものである。Rhドープ複酸化物は、Ce、Zr及びNdを含有する複酸化物の結晶格子点又は格子点間に触媒金属としてRhが配置されたものである。Rh担持アルミナは、活性アルミナの表面にRhが担持されたものである。活性アルミナとしてはLaを4質量%含有するアルミナを採用した。
この実施例1では、Rhドープ複酸化物とRh担持アルミナとを合わせた総Rh担持量(担体1L当たりの担持量のこと。以下、同じ。)を0.13g/Lの一定として、Rhドープ複酸化物とRh担持アルミナとに対するRhの分配比率が異なる9種類の触媒を調製した。すなわち、総Rh担持量に占めるRhドープ複酸化物のRh量の比率が10質量%から90質量%までの10質量%刻みで9種類である。Rhドープ複酸化物の担持量は112g/L、Rh担持アルミナの担持量は50g/Lである。
上記Rhドープ複酸化物の調製には、Ce、Zr、Nd及びRhの各溶液を原料とする共沈法を採用した。その調製法は次の通りである。
まず、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸第一セリウム、硝酸ネオジム(III)及び硝酸ロジウム各々の所定量と水とを混合して合計300mLとし、この混合溶液を室温で約1時間撹拌する。この混合溶液を80℃まで加熱昇温させた後、ガラス棒を用いて強く、素早く攪拌しつつ、別のビーカーに用意していた28%アンモニア水50mLを一気に加えて混合する。このアンモニア水の添加・混合は1秒以内に完了させる。アンモニア水の混合により白濁した溶液を一昼夜放置し、生成したケーキを遠心分離器にかけ、十分に水洗する。この水洗したケーキを約150℃の温度で乾燥させた後、400℃の温度に5時間保持し、次いで500℃の温度に2時間保持するという条件で焼成する。
以上により得られたRhドープ複酸化物はRh成分を添加して共沈法により生成されているから、Rhは、Ce及びZrと同じく当該複酸化物の結晶格子点に配置され、換言すれば、当該複酸化物に強く結合した状態になる。あるいはRhは当該複酸化物の格子点間に配置された状態になる。いずれにしても、Rhはその一部が複酸化物の結晶子の表面及び内部に均一に分散した状態になる。
Rhドープ複酸化物におけるCeZrNdOの質量組成比は、CeO2:ZrO2:Nd23=22:68:10である。
上記Rh担持アルミナの調製には蒸発乾固法を採用した。すなわち、活性アルミナ粉末と硝酸ロジウム溶液とを混合し、攪拌しながら加熱することによって溶媒を蒸発させ、得られた乾固物を粉砕し、約150℃の温度で乾燥させた後、500℃の温度に2時間保持する焼成を行なった。
そうして、得られたRhドープ複酸化物とRh担持アルミナとを上述の担持量となるように秤量してジルコニアバインダと混合し(バインダ担持量は18g/L)、これにイオン交換水を添加することによってスラリーを調製した。このスラリーに担体を浸漬して引き上げ、余分なスラリーを吹き飛ばす、という方法により、担体にスラリーをコーティングした。次いで、これを150℃の温度で1時間乾燥し、540℃の温度で2時間焼成することによって、セル壁5の表面に上記触媒層6を形成した。
−比較例1−
本例は、図3に示すように、ハニカム状担体のセル壁5の表面に、Rhドープ複酸化物と活性アルミナ(Rh非担持)とが混合されてなる触媒層6が形成されたものである。すなわち、Rhドープ複酸化物のRh量を0.116質量%としてRhの全量(0.13g/L)をRhドープ複酸化物に配分した。Rhドープ複酸化物の担持量は112g/L、Rhを担持していない活性アルミナの担持量は50g/L、ジルコニアバインダの担持量は18g/Lである。
−比較例2−
本例は、図4に示すように、ハニカム状担体のセル壁5の表面に、Rhをドープしていない複酸化物とRh担持アルミナとが混合されてなる触媒層6が形成されたものである。すなわち、Rhの全量(0.13g/L)をRh担持アルミナに配分した。Rhをドープしていない複酸化物の担持量は112g/L、Rh担持アルミナの担持量は50g/L、ジルコニアバインダの担持量は18g/Lである。
−実施例2−
本例は、図5に示すように、ハニカム状担体のセル壁5の表面に、Rhドープ複酸化物と触媒金属接触担持型酸化物としてのRh担持CeZrOと活性アルミナとが混合されてなる触媒層6が形成されたものである。CeZrOは、CeとZrとの複酸化物であり、その質量組成比はCeO2:ZrO2=75:25である。このCeZrOはRhドープ複酸化物よりも劣るものの同じく酸素吸蔵能を有する。
そうして、本例においても、Rhドープ複酸化物とRh担持CeZrOとを合わせた総Rh担持量を0.13g/Lの一定として、Rhドープ複酸化物とRh担持CeZrOとに対するRhの分配比率が異なる9種類(総Rh担持量に占めるRhドープ複酸化物のRh量の比率が10質量%から90質量%までの10質量%刻みで9種類)の触媒を調製した。Rhドープ複酸化物の担持量は56g/L、Rh担持CeZrOの担持量は56g/L、活性アルミナの担持量は50g/L、ジルコニアバインダの担持量は18g/Lである。
上記Rh担持CeZrOの調製には蒸発乾固法を採用した。すなわち、CeZrO粉末と硝酸ロジウム溶液とを混合し、攪拌しながら加熱することによって溶媒を蒸発させ、得られた乾固物を粉砕し、約150℃の温度で乾燥させた後、500℃の温度に2時間保持する焼成を行なった。
−比較例3−
本例は、図6に示すように、ハニカム状担体のセル壁5の表面に、Rhドープ複酸化物とCeZrO(Rh非担持)と活性アルミナ(Rh非担持)とが混合されてなる触媒層6が形成されたものである。すなわち、Rhドープ複酸化物のRh量を0.232質量%としてRhの全量(0.13g/L)をRhドープ複酸化物に配分した。Rhドープ複酸化物の担持量は56g/L、Rhを担持していないCeZrOの担持量は56g/L、Rhを担持していない活性アルミナの担持量は50g/L、ジルコニアバインダの18g/Lである。
−比較例4−
本例は、図7に示すように、ハニカム状担体のセル壁5の表面に、Rhをドープしていない複酸化物とRh担持CeZrOと活性アルミナ(Rh非担持)とが混合されてなる触媒層6が形成されたものである。すなわち、Rhの全量(0.13g/L)をRh担持CeZrOに配分した。Rhをドープしていない複酸化物の担持量は112g/L、Rh担持CeZrOの担持量は56g/L、Rhを担持していない活性アルミナの担持量は50g/L、ジルコニアバインダの担持量は18g/Lである。
<触媒の評価>
上記実施例1,2及び比較例1〜4の各触媒について、モデルガス流通反応装置及び排気ガス分析装置を用いて、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)及びNOx(窒素酸化物)の浄化に関するライトオフ温度T50、並びに高温浄化率C400を測定した。供試触媒にはいずれも大気雰囲気において1000℃で24時間保持するエージングを事前に施した。また、空燃比リッチのモデルガス(温度600℃)を供試触媒に10分間流した後に当該測定を行なった。T50は、触媒に流入するモデルガス温度を常温から漸次上昇させていき、浄化率が50%に達したときの触媒入口のガス温度である。C400は触媒入口ガス温度が400℃のときの浄化率である。
モデルガスは、A/F=14.7±0.9とした。すなわち、A/F=14.7のメインストリームガスを定常的に流しつつ、所定量の変動用ガスをパルス状に添加することにより、A/Fを±0.9の振幅で強制的に振動させた。この振動数は1Hzとした。空間速度SVは60000h-1、モデルガスの昇温速度は30℃/分である。
T50の結果を図8に、C400の結果を図9に示す。この両図において、Rhドープ複酸化物のRh量が0質量%のプロットは比較例2及び比較例4であり、当該Rh量が100質量%のプロットは比較例1及び比較例3であり、当該Rh量が10質量%〜90質量%のプロットが実施例1及び実施例2である。
図8及び図9より、実施例1,2のようにRhをRhドープ複酸化物とRh担持アルミナ又はRh担持CeZrOとに分配すると、その一方にRhの全量を配分した場合(比較例1〜4)よりもライトオフ温度及び高温浄化率が良くなることがわかる。これは、Rhドープ複酸化物では、その表面に露出するRh量が少ないものの、Rh担持アルミナ又はRh担持CeZrOではRhが当該活性アルミナ又はCeZrOの表面に担持されているから、Rhドープ複酸化物側でのRhと排気ガスとの接触機会が少ないことが、Rhが全て表面に担持されているRh担持アルミナ又はRh担持CeZrO側で補われ、触媒全体として排気ガス浄化性能が高くなっていると考えられる。
また、両図からRhドープ複酸化物側に分配するRh量を10質量%以上95質量%以下にすると、比較例1〜4よりも排気ガス浄化性能が良くなることがわかり、特に30質量%以上90質量%以下にすることが好ましいということができる。
また、実施例1ではRhドープ複酸化物側に分配するRh量を50質量%以上90質量%以下(さらには60質量%以上80質量%以下)にすること、実施例2ではRhドープ複酸化物側に分配するRh量を30質量%以上70質量%以下(さらには40質量%以上60質量%以下)にすることが好ましいことが上記両図からわかる。
このように実施例1と実施例2とで好ましい範囲が異なるのは、実施例1ではRhを酸素吸蔵能がない活性アルミナに担持され、実施例2ではRhが酸素吸蔵能を有するCeZrOに担持されているためと認められる。
すなわち、実施例1では、Rhが酸素吸蔵能のない活性アルミナに担持されているから、空燃比がリーンからリッチに変化したときのRhの還元には有利になるものの、そのRhによる排気ガスの浄化には酸素吸蔵・放出効果が充分に働かない。このため、活性アルミナに担持されるRh量が多くなっても、排気ガス浄化性能の向上率は高くなく、Rhドープ複酸化物側へのRhの配分を多めしたときの方が全体としての排気ガス浄化性能は高くなっていると考えられる。
これに対して、実施例2では、Rhが酸素吸蔵能を有するCeZrOに担持されているから、そのRhによる排気ガスの浄化に酸素吸蔵・放出効果が有効に作用する。このため、CeZrOに担持するRh量を実施例1の活性アルミナのケースよりも多くして排気ガスとの接触機会を増やしたときの方が全体としての排気ガス浄化性能が高くなっていると考えられる。
本発明に係る排気ガス浄化用触媒を模式的に示す一部断面した説明図である。 実施例1に係る触媒層の構成を示す図である。 比較例1に係る触媒層の構成を示す図である。 比較例2に係る触媒層の構成を示す図である。 実施例2に係る触媒層の構成を示す図である。 比較例3に係る触媒層の構成を示す図である。 比較例4に係る触媒層の構成を示す図である。 実施例及び比較例のライトオフ温度T50を示すグラフ図である。 実施例及び比較例の高温浄化率C400を示すグラフ図である。
符号の説明
1 触媒金属ドープ型複酸化物
2 触媒金属接触担持型酸化物
3 触媒金属
5 セル壁
6 触媒層

Claims (4)

  1. 酸素吸蔵能を有する複酸化物の結晶格子点又は格子点間に触媒金属が配置されているとともに、その一部の触媒金属が当該複酸化物の表面に露出している触媒金属ドープ型の複酸化物と、上記触媒金属ドープ型複酸化物と同種の触媒金属が該触媒金属の溶液を酸化物に接触させることによって担持された触媒金属接触担持型の酸化物とを含有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 請求項1において、
    上記触媒金属接触担持型の酸化物は活性アルミナであることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  3. 請求項1において、
    上記触媒金属接触担持型の酸化物はCeを含有する複酸化物であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記触媒金属ドープ型複酸化物側の触媒金属と上記触媒金属接触担持型酸化物側の触媒金属との合計量に占める、上記触媒金属ドープ型複酸化物側の触媒金属の比率が10質量%以上95質量%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
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