JP4495429B2 - ロドコッカス属細菌の形質転換方法 - Google Patents

ロドコッカス属細菌の形質転換方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロドコッカス属細菌の形質転換方法に関する。
ロドコッカス属(Rhodococcus)に属する細菌(以下、「ロドコッカス属細菌」ともいう)は、その物理的強度や酵素等を細胞内に多量蓄積する能力から、産業的に有用な微生物触媒として知られ、ニトリル類の酵素的水和または加水分解によるアミドまたは酸の生産等に利用されている(特許文献1および2参照)。例として、アクリルアミドの工業的生産におけるロドコッカス・ロドクロウスJ−1株の使用が挙げられ、このような工業触媒酵素を含む細菌を遺伝子組換え法により改良する試みがなされている(特許文献3〜5参照)。さらに、ロドコッカス属細菌の遺伝子操作を効率的に促進するために、ロドコッカス属細菌用の宿主−ベクター系の開発が進められており、新規なプラスミドの探索(特許文献6〜8参照)やベクターの開発(特許文献9〜11および非特許文献1参照)なども行われている。
ロドコッカス属細菌の形質転換方法としては、電気パルス法(特許文献12〜15参照)やプロトプラスト法(非特許文献2および3参照)が知られており、ロドコッカス・ロドクロウスATCC12674をはじめとして、多くの形質転換体が得られている。また、形質転換効率を向上させる試みも行われており、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)の電気パルス法による形質転換においては、グリセロールとTween80を添加して培養して得られたコンピテントセルを用いることにより、形質転換効率が向上することが示されている(非特許文献4)。
しかしながら、上記手法によりすべてのロドコッカス属細菌の形質転換が可能というわけではなく、菌株により効率が極めて低いものや全く不可能なものも多く存在した。そのため、宿主としては産業上有用であるにもかかわらず、形質転換効率が極めて低いために、遺伝子組換え技術の適用が困難であるという問題があった。
以上のように、ロドコッカス属細菌の形質転換効率を向上させるため、より簡易にかつ十分な形質転換効率を達成できる形質転換方法が望まれている。
特開平2−470号公報 特開平3−251192号公報 特開平4−211379号公報 特開平6−25296号公報 特開平6−303971号公報 特開平4−148685号公報 特開平4−330287号公報 特開平7−255484号公報 特開平5−64589号公報 特開平8−56669号公報 米国特許第4,920,054号 特開平10−248578号公報 特開平9−28380号公報 特開平8−56669号公報 特開平5−68566号公報 Journal of Bacteriology,第170巻,638−645頁,1988年 J Basic Microbiol.第38(2)巻,101−6頁,1998年 J Bacteriol.第170(2)巻,638−45頁,1988年 J.Vet.Med.Sci,第60(2)巻,277−279頁,1998年
そこで、本発明は、上述した実状に鑑み、形質転換効率が優れたロドコッカス属細菌の形質転換方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明者が鋭意検討した結果、形質転換しようとするロドコッカス属細菌とは異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌から調製したDNAを用いて形質転換を行うことによって、高効率にロドコッカス属細菌を形質転換できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の工程を含む、ロドコッカス属細菌の形質転換方法に関する。
(a)プラスミドDNAを含む、形質転換の対象となるロドコッカス属細菌とは異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌を調製する工程、
(b)工程(a)で調製した細菌からプラスミドDNAを調製する工程、
(c)工程(b)により調製したプラスミドDNAを用いて形質転換対象ロドコッカス属細菌株を形質転換する工程。
上記形質転換方法においては、工程(a)は、例えば、プラスミドDNAを用いて異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌を形質転換することにより行うことができる。
また、上記形質転換対象ロドコッカス属細菌は、ロドコッカス・ロドクロウスJ−1株(受託番号FERM BP−1478)であることが好ましい。さらに、異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌としては、例えばロドコッカス・ロドクロウスATCC12674、ロドコッカス・ロドクロウスATCC17894、ロドコッカス・ロドクロウスATCC19140、ロドコッカス・ロドクロウスATCC33258、ロドコッカス sp N774、およびロドコッカス・エリスロポリスSK92が挙げられる。
また上記形質転換方法において、形質転換対象ロドコッカス属細菌は、グリシン、ペニシリンGまたはイソニコチン酸ヒドラジドで処理されていることが好ましい。さらに形質転換は、例えば電気パルス法を用いて行うことができる。
上記形質転換方法において、形質転換は、例えば、ロドコッカス属細菌内で自律複製可能で、かつ薬剤耐性遺伝子を含むプラスミドDNAを用い、該薬剤の存在下で宿主細菌を培養し、形質転換体を選択することを含むものである。ここで、上記薬剤としてはカナマイシンが挙げられる。
本発明により、ロドコッカス属細菌の形質転換方法が提供される。本発明に係る形質転換方法により得られたロドコッカス属細菌の形質転換体は、導入したDNAの効果により新たな性質を有することが可能である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るロドコッカス属細菌の形質転換方法は、形質転換しようとするロドコッカス属細菌とは異なるロドコッカス属細菌またはその類縁株からプラスミドDNAを調製し、そのプラスミドDNAを用いて形質転換対象ロドコッカス属細菌を形質転換することによって、ロドコッカス属細菌における形質転換効率を高めるものである。
1.形質転換対象のロドコッカス属細菌
本発明に係る形質転換方法の形質転換の対象となるロドコッカス属細菌(本明細書中、「形質転換対象ロドコッカス属細菌」ともいう)は、特に限定されるものではなく、例えば、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodocrous)、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)、ロドコッカス・ロドニ(Rhodococcus rhodnii)、 ロドコッカス・コラリヌス(Rhodococcus corallinus)、ロドコッカス・ルブロペルチンクタス(Rhodococcus rubropertinctus)、ロドコッカス・コプロフィラス(Rhodococcus coprophilus)、ロドコッカス・グロベルルス(Rhodococcus globerulus)、ロドコッカス・クロロフェノリカス(Rhodococcus chlorophenolicus)、ロドコッカス・ルテウス(Rhodococcus luteus)、ロドコッカス・アイシェンシス(Rhodococcus aichiensis)、ロドコッカス・チュブエンシス(Rhodococcus chubuensis)、ロドコッカス・マリス(Rhodococcus maris)、ロドコッカス・ファシエンス(Rhodococcus fascines)等が挙げられる。特に、本発明に係る形質転換方法は、現在までに形質転換体が得られていないロドコッカス属細菌にも適用可能であり、有効である。そのようなロドコッカス属細菌の例としては、ロドコッカス・ロドクロウスJ−1株、ロドコッカス・ロドクロウスATCC4273株、ATCC15905株、ATCC21197株、ATCC14894株などが挙げられる。ロドコッカス・ロドクロウスJ−1株は、Rhodococcus rhodocrouse J−1(FERM BP−1478)として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、昭和62年9月18日に寄託されている。形質転換対象ロドコッカス属細菌には、上述したような菌株(例えばロドコッカス・ロドクロウスJ−1株)に変異剤処理や紫外線照射等によって変異を導入した変異株なども含まれる。ロドコッカス・ロドクロウスATCC4273株、ATCC15905株、ATCC21197株およびATCC14894株は、アメリカンタイプカルチャーコレクションから容易に入手可能である。
本発明に係る形質転換方法によれば、上述したロドコッカス属細菌に効率的にDNAを導入し、形質転換することが可能となる。
2.プラスミドDNAの調製
本発明の形質転換方法においては、形質転換対象ロドコッカス属細菌とは異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌(本明細書中、「異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌」ともいう)からプラスミドDNAを調製する。当該異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌は、形質転換対象ロドコッカス属細菌と菌株の種類が異なる限り特に限定されるものではない。例えば、ロドコッカス・ロドクロウス、ロドコッカス・エリスロポリス、ロドコッカス・エクイ、ロドコッカス・ロドニ、ロドコッカス・コラリヌス、ロドコッカス・ルブロペルチンクタス、ロドコッカス・コプロフィラス、ロドコッカス・グロベルルス、ロドコッカス・クロロフェノリカス、ロドコッカス・ルテウス、ロドコッカス・アイシェンシス、ロドコッカス・チュブエンシス、ロドコッカス・マリス、ロドコッカス・ファシエンス等が挙げられる。また、ロドコッカス属細菌の類縁菌としては、ゴルドナ・テラエ(Gordonia terrae)、ゴルドナ・スプチ(Gordonia sputi)、ゴルドナ・ルブロペルチンクタス(Gordonia rubropertinctus)等が挙げられる。本発明に係る形質転換方法においては、ロドコッカス・ロドクロウスATCC12674株、ロドコッカス・ロドクロウスATCC17894株、ロドコッカス・ロドクロウスATCC19140株、ロドコッカス・ロドクロウスATCC33258株、ロドコッカス sp N774株、ロドコッカス・エリスロポリスSK92株が好ましい。ロドコッカス・ロドクロウスATCC12764株、ATCC17895株、およびATCC19140株は、アメリカンタイプカルチャーコレクションから容易に入手可能であり、ロドコッカス sp N774株は受託番号FEPM P−1936として、ロドコッカス・エリスロポリスSK92株は受託番号FEPM BP−3324として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されており、容易に入手可能である。
本発明に係る形質転換方法において、形質転換に使用するプラスミドDNAは、異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌から調製する。従って、プラスミドDNAは、異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌に元来存在するものである場合には、直接単離することによって調製することができる。また、プラスミドDNAが存在しないものである場合には、プラスミドDNAを用いて異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌を形質転換した後、プラスミドDNAを含むこととなったその異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌から、該プラスミドDNAを単離することによって調製することができる。
プラスミドDNAは、形質転換しようとするDNAをコードするものであれば、天然から単離されるDNAであってもよいし、あるいは、合成DNA、または遺伝子工学的手法も用いて産生されたDNAであってもよい。
ロドコッカス属細菌で使用するのに好ましいDNAとしては、例えばpK1、pK2、pK3およびpK4(特許文献9参照)、ならびにpSJ023およびpSJ002(特許文献12参照)等が挙げられる。これらのプラスミドDNAは、ロドコッカス属細菌で自律複製が可能な領域と、薬剤耐性遺伝子としてカナマイシン遺伝子を含んでいるため、形質転換に使用するために好ましい。
プラスミドDNAが異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌に存在しない場合には、プラスミドDNAを用いて異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌を形質転換する。形質転換手法は、当業者に公知の方法であれば特に限定されるものではない。
形質転換する宿主細菌に導入するためのDNAは、アルカリ−SDS法で調製したものが使用でき、好ましくは不純物の少ない高純度なDNAを使用する。プラスミドDNAを高純度に精製する方法としては、密度勾配遠心法、市販精製キットを使用することができる。密度勾配遠心法は、例えばCsClやCFCOOCsを使用して、100,000Gで2〜48時間で遠心した後、目的とするDNAのバンドを抽出することにより、プラスミドDNAを精製することができる。
使用する宿主細菌は、細胞壁の構造を変化させることにより、プラスミドDNAの導入効率を高めることが可能である。細胞壁の構造を変化させる方法としては、培養時にグリシン、ペニシリンGまたはイソニコチン酸ヒドラジドで処理する方法が好ましい。このようにして調製した宿主細菌はコンピテントセルと呼ばれる。
ペニシリンGは、細菌の細胞壁ペプチドグリカンの網目状構造形成を阻害して、溶菌に導く機能を有する。ロドコッカス属細菌の形質転換手法においても、宿主細菌をペニシリンGを添加した培地中で培養することにより形質転換効率を向上させた例が知られている(特許文献14参照)。またグリシンは、グラム陽性細菌の細胞壁にD−アラニンに代わって取り込まれ、ペプチドグリカンの架橋構造を弛緩し、細胞壁が不安定になるので、多くのグラム陽性細菌の形質転換およびプロトプラストに使用されている(W.Hemmes,et al.,J.Bacteriology,vol.116,1029−1053(1973)参照)。さらに、グリシンとペニシリンG処理は併用することが可能である。具体的には、宿主細菌を適当な培地に植菌し、対数増殖期初期にグリシンおよび/またはペニシリンGを適量添加する。添加するグリシンの濃度としては0.1〜10%が好ましく、ペニシリンGの濃度としては0.01〜10μg/mlが好ましい。イソニコチン酸ヒドラジドは、細胞壁のミコール酸生合成を阻害する機能を有するため、グラム陽性菌の形質転換に使用される(J.Bacteriology,vol.176,7309−7319(1994))。使用する濃度は、1〜5mg/mgが好ましい。薬剤を添加する量と時期に関しては、使用する宿主細菌の種類により異なるため、種々の濃度と添加時期について予備検討を行い、適当なものを設定するのが好ましい。薬剤を添加した後さらに培養を続け、遠心分離で培養液を除いて数回滅菌水で洗浄したものがコンピテントセルとなる。コンピテントセルを懸濁する溶媒としては、滅菌水や、浸透圧を調整するためのシュークロースを含んだ緩衝液が使用できる(非特許文献4)。
以上のように調製したプラスミドDNAと宿主細菌を使用して形質転換を行う。形質転換手法は、当業者に公知の形質転換手法であれば特に限定されるものではない。例えば、電気パルス法を使用し、適量のプラスミドDNAとコンピテントセルを混合してキュベットに入れ、電気パルスを印加する。電気パルスの印加条件は、電圧として10〜25KV/cm、好ましくは20KV/cm、抵抗値として50〜400Ω、好ましくは100−200Ωを使用する。電気パルスを印加した後、37℃で数分ヒートショックを行い、その後、適当な培地を適量加え、約30℃にて数時間培養を行う。この培養を行うことにより、上述のように薬剤添加によって変化した細胞壁が正常な構造に回復すると共に、プラスミド由来の薬剤耐性遺伝子の発現が起こる。この培養時間は、1時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましい。
形質転換を確認するためのマーカー薬剤または選択培地の薬剤としては、形質転換体の取得が可能であり、かつ、宿主細菌と形質転換体を区別することができるものであれば特に制限されないが、例えばカナマイシン、アンピシリン、クロラムフェニコール、トリメトプリム、テトラサイクリン、ストレプトマイシン等が挙げられる。
薬剤の濃度は、形質転換体を効率よく取得するためには、選択培地に対して必要最少量とすることが好ましい。この濃度は、各種濃度の薬剤を含む寒天培地に宿主細菌をプレートし、コロニーの生育の有無を調べることによって設定することができる。例えば、プラスミドDNAとしてpK1、pK2、pK3、pK4、pSJ023、pSJ002などを使用する場合には、カナマイシン濃度は1〜100μg/ml、好ましくは10〜50μg/mlである。
上記形質転換により、プラスミドDNAを含む異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌を調製することができる。
以上のようにして調製された異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌から、プラスミドDNAを調製する。プラスミドDNAは、細菌からDNAを抽出する方法であれば任意の方法を使用して調製することができる。例えば、プラスミドDNAはアルカリ−SDS法で調製することできる。また、上述した手法などにより、好ましくは不純物の少ない高純度なDNAを調製する。
3.形質転換対象ロドコッカス属細菌の形質転換
上述のように異なるロドコッカス属細菌またはその類縁菌から調製したプラスミドDNAを用いて、形質転換対象ロドコッカス属細菌を形質転換する。形質転換は、前項「2.プラスミドDNAの調製」に記載のようにして、任意の手法により行うことができる。また、形質転換を行う際には、プラスミドDNAの導入効率を高めるために細胞壁の構造を変化させたり、形質転換体の効率的な選抜のためにマーカー薬剤遺伝子と選択培地を使用してもよい。これらの手順は、前項「2.プラスミドDNAの調製」に記載のように実施することができる。
以上のようにプラスミドDNAを用いて形質転換を行うことによって、ロドコッカス属細菌の形質転換効率を高め、さらには従来は形質転換体が得られていなかったロドコッカス属細菌の形質転換体を得ることが可能となる。またこのようにして得られたロドコッカス属細菌の形質転換体は、導入したDNAの効果により新たな性質を有するため、産業上有用である。
以下に記載する実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ロドコッカス・ロドクロウスJ−1株へのDNA導入
(1)プラスミドDNAの調製
本実施例に使用するDNA pK4は、ロドコッカス・ロドクロウスATCC12674/pK4株に導入されて、受託番号FERM BP−3731号として、独立行政法人 産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている。
ロドコッカス・ロドクロウスATCC12674/pK4株を、100mlのMY培地(ポリペプトン0.5%、バクトイーストエキス0.3%、マルツエキス0.3%、グルコース1%、カナマイシン50μg/ml)に植菌した。24時間培養した後に終濃度2%となるように滅菌した20%グリシン溶液を添加し、さらに24時間培養した。その後、遠心分離により菌体を回収し、菌体を40mlのTES緩衝液(10mM Tris−HCl(pH8)−10mM NaCl−1mM EDTA)で洗浄後、50mM Tris−HCl(pH8)、12.5%シュークロース、100mM NaClおよび1mg/mlリゾチームを含む溶液11mlに懸濁し、37℃にて3時間振盪した。これに1mlの10%SDSを加え、室温で穏やかに1時間振盪し、さらに1mlの5M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)を添加し、氷中で1時間静置した。その後、4℃にて10,000Gで1時間遠心し上清を得た。これに5倍量のエタノールを加え、−20℃で30分静置した後、10,000Gで20分間遠心した。沈澱物を30mlの70%エタノールで洗浄した後、100μlのTE緩衝液に溶解し、DNA溶液を得た。
次にDNAの精製を行った。得られたDNA溶液に700μlの滅菌水と3μlのエチジウムブロマイド(10μg/ml)を加え攪拌した。このDNA溶液を卓上遠心機で遠心分離を行い、不溶物を取り除いた。不溶物を取り除いたDNA溶液を遠心チューブに入れ、さらに800μlのトリフルオロ酢酸セシウム(和光純薬)を加え懸濁した。これを25℃で5時間かけて100,000Gで超遠心分離(BeckmanTL−100)を行った。遠心分離後、遠心チューブに紫外線を照射しながらDNAを抽出し、イソアミルアルコール処理を行ってエチジウムブロマイドを除去した。これを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、DNAの存在を確認した。
(2)J−1株コンピテントセルの調製
10mlのMYKG培地(ポリペプトン0.5%、バクトイーストエキス0.3%、マルツエキス0.3%、KHPO0.2%、KHPO0.2%、グルコース1%)にロドコッカス・ロドクロウスJ−1株を植菌し、30℃で培養した。15〜17時間後、終濃度2%となるように滅菌した20%グリシン溶液を添加し、さらに24時間培養した。この培養液を1%グリシンを含んだ10mlのMYKG培地に2%植菌し、さらに30℃で48時間培養を行った。この培養液を滅菌水で3回洗浄し、最後に滅菌水500μlに再懸濁した。これをコンピテントセルとして用いた。
(3)形質転換
前項(1)で調製したDNA(pK4)1μlと前項(2)で調製したJ−1株コンピテントセル10μlを混合し、30分間氷冷した。キュベットにDNAと菌体の懸濁液を入れ、遺伝子導入装置GenePulser(BIO RAD)により20KV/cm、100Ωで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液を氷冷下10分静置し、37℃で10分間ヒートショックを行い、MYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、0.2%KHPO、0.2%KHPO)500μlを加え、30℃にて24時間静置した後、10μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布し、30℃にて3日間培養した。コロニー数はプレート上に生育したコロニー数を示す。
また、比較対照として大腸菌JM109株由来のDNAを用いて形質転換を行った。JM109株由来のDNAは、大腸菌形質転換体JM109/pK4(特許文献15に記載の通りに調製した)をLB培地(NaCl1%、トリプトン0.5%、酵母エキス0.5%、アンピシリン50μg/ml)で12時間37℃で培養し、Flexi Prep(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いてpK4を調製した。
Figure 0004495429
これらのコロニーは、前項(1)に示す方法で調製したpK4が導入された形質転換体であることを確認した。
このように、JM109株由来のDNAでは形質転換体が得られなかったのに対し、ATCC12674形質転換体から調製したDNAを用いることにより、ロドコッカス・ロドクロウスJ−1株の形質転換体が得られた。
形質転換に使用するDNAの検討
(1)プラスミドDNAの調製
実施例1で調製したプラスミドDNAを用いて種々の宿主細菌を形質転換した。
ロドコッカス・ロドクロウスATCC17895株の対数増殖期の細胞を遠心分離器により集菌し、氷冷した滅菌水にて3回洗浄し、滅菌水に懸濁した。DNA(pK4)1μlと菌体懸濁液10μlを混合し、氷冷した。キュベットにDNAと菌体の懸濁液を入れ、遺伝子導入装置GenePulser(BIO RAD)により20KV/cm、200Ωで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液を氷冷下10分静置し、37℃で10分間ヒートショックを行い、MYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、0.2%KHPO、0.2 KHPO)500μlを加え、30℃にて5時間静置した後、50μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布し、30℃にて3日間培養した。このようにして得られたコロニーをATCC17895/pK4として用いた。
ロドコッカス・ロドクロウスATCC17895株、ATCC19140株、ロドコッカス sp N774株、およびロドコッカス・エリスロポリスSK92株を用いて同様の操作を行い、4種の形質転換体(ATCC17895/pK4、ATCC19140/pK4、N774/pK4、およびSK92/pK4)を得た。
次に得られた形質転換体から実施例1(1)の方法に従いDNAの調製を行った。
(2)形質転換
前項(1)で調製したDNAを使用し、実施例1の(3)と同様の操作を行ってロドコッカス・ロドクロウスJ−1株に形質転換した。選択プレートのカナマイシン濃度は10μg/mlを使用し、比較対照として大腸菌JM109株から調製したDNAを用いてロドコッカス・ロドクロウスJ−1株を形質転換した。表2に結果を示した。
Figure 0004495429
これらのコロニーは、実施例1の(1)に示す方法でDNAを調製したpK4が導入された形質転換体であることを確認した。
このように、大腸菌JM109株由来のDNAではロドコッカス・ロドクロウスJ−1株の形質転換体が得られなかったのに対し、ATCC12674形質転換体から調製したDNAを用いることにより、ロドコッカス・ロドクロウスJ−1株の形質転換体が得られた。
J−1株へのDNA導入
(1)プラスミドDNA pSJ023の調製
本実施例で使用するpSJ023は、ロドコッカス・ロドクロウスATCC12674/pSJ023に導入されて、受託番号FERM P−16108として独立行政法人 産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている。
ロドコッカス・ロドクロウスATCC12674/pSJ023を、100mlのMY培地(ポリペプトン0.5%、バクトイーストエキス0.3%、マルツエキス0.3%、グルコース1%、カナマイシン50μg/ml)に植菌した。24時間培養した後に、終濃度2%となるように滅菌した20%グリシン溶液を添加し、さらに24時間培養した。その後、遠心分離により菌体を回収し、菌体を40mlのTENS緩衝液(10mM Tris−HCl(pH8)−10mM NaCl−1mM EDTA)で洗浄後、50mM Tris−HCl(pH8)、12.5%シュークロース、100mM NaClおよび1mg/mlリゾチームを含む溶液11mlに懸濁し、37℃にて3時間振盪した。
DNAの調製には、Hispeed Plasmid Midi Kit(QIAGEN cat.No.12643)を用い、取り扱い説明書に従って操作した。調製したDNAは、0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、DNAの存在を確認した。
(2)J−1株コンピテントセルの調製
10mlのMYKG培地(ポリペプトン0.5%、バクトイーストエキス0.3%、マルツエキス0.3%、KHPO0.2%、KHPO0.2%、グルコース1%)にロドコッカス・ロドクロウスJ−1株を植菌し、30℃で24時間培養した。
この培養液を0.1μg/mlのペニシリンGを含んだ10mlのMYKG培地に2%植菌し、さらに30℃で24時間培養を行った。この培養液を滅菌水で3回洗浄し、最後に滅菌水500μlに再懸濁した。これをコンピテントセルとして用いた。
(3)形質転換
前項(1)で調製したDNA(pSJ023)と前項(2)で作製したコンピテントセルを用い、その他は実施例1と同様の操作を行った。選択プレートのカナマイシン濃度は10μg/mlを使用し、比較対照として大腸菌JM109株から調製したDNAを用いた。表3に結果を示した。
Figure 0004495429
このように、大腸菌JM109株由来のDNAではロドコッカス・ロドクロウスJ−1株の形質転換体が得られなかったのに対し、ロドコッカス属細菌から調製したDNAを用いることにより、ロドコッカス・ロドクロウスJ−1株の形質転換体が得られた。
本発明により、ロドコッカス属細菌の形質転換方法が提供される。本発明に係る形質転換方法により得られたロドコッカス属細菌の形質転換体は、導入したDNAの効果により新たな性質を付与することが可能である。

Claims (7)

  1. 下記の工程:
    (a)プラスミドDNAを含む、形質転換の対象となるロドコッカス・ロドクロウスJ−1株(FERM BP−1478)またはその変異株とは異なるロドコッカス属細菌を調製する工程、
    (b)工程(a)で調製した細菌からプラスミドDNAを調製する工程、
    (c)工程(b)により調製したプラスミドDNAを用いて形質転換対象のロドコッカス・ロドクロウスJ−1株又はその変異株を形質転換する工程
    を含む、ロドコッカス属細菌の形質転換方法。
  2. 工程(a)が、プラスミドDNAを用いて異なるロドコッカス属細菌を形質転換することにより行われる、請求項1記載の形質転換方法。
  3. 異なるロドコッカス属細菌が、ロドコッカス・ロドクロウスATCC12674、ロドコッカス・ロドクロウスATCC17895、ロドコッカス・ロドクロウスATCC19140、ロドコッカス・ロドクロウスATCC33258、ロドコッカス sp N774、またはロドコッカス・エリスロポリスSK92である、請求項1又は2記載の形質転換方法。
  4. 形質転換対象の細菌が、グリシン、ペニシリンGまたはイソニコチン酸ヒドラジドで処理されているものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の形質転換方法。
  5. 形質転換が電気パルス法を用いて行われる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の形質転換方法。
  6. 形質転換が、ロドコッカス属細菌内で自律複製可能で、かつ薬剤耐性遺伝子を含むプラスミドDNAを用い、該薬剤の存在下で宿主細菌を培養し、形質転換体を選択することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の形質転換方法。
  7. 薬剤がカナマイシンである、請求項6記載の形質転換方法。
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